JP6389669B2 - 両軸受リール及び両軸受リールの制動ユニットの制動部 - Google Patents
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図1及び図2において、本発明の第1実施形態が採用された両軸受リール100は、釣り糸を前方に繰り出し可能なリールである。両軸受リール100は、リール本体1と、ハンドル2と、スプール12と、スプール12を電気的に制動する制動ユニット20(図2参照)と、を備える。
リール本体1は、一体形成されたフレーム5と、フレーム5のハンドル2側に配置される側カバー7と、を有する。
制動ユニット20は、図2に示すように、軸支持部8を有するカバー部6と、制動部30と、回路基板31と、制動部30の制動力を第1調整範囲で調整する第1調整部32と、制動部30の制動力を第2調整範囲で調整する第2調整部34と、カバー部材38と、を備える。
図2に示すように、カバー部6は、フレーム5の第1側板5aに着脱可能に装着される。カバー部6は、カバー本体6aと、カバー本体6aの内側面6bに装着される軸支持部8と、を有する。
カバー本体6aの内側面6bには、軸支持部8を固定するための複数(例えば3つ)の固定ボス部6cが形成される。また、内側面6bには、制動ユニット20の後述する第1調整操作部50及び第2調整操作部54を回動自在に装着するための第1装着ボス部6d及び第2装着ボス部6eが各別に形成される。第1装着ボス部6dは、第1軸X1を中心に筒状に形成される。第1軸X1は、カバー本体6aが第1側板5aに装着された状態で、後述するスプール軸16と同芯に配置される。第2装着ボス部6eは、第1軸X1と平行な第2軸X2を中心に形成される。第2軸X2は、第1軸X1よりも前方かつ下方に配置される。
軸支持部8は、図2に示すように、スプール12のスプール軸16の一端を回転自在に支持する。スプール軸16はスプール12の回転軸の一例である。軸支持部8は、扁平有底円筒状の部材である。軸支持部8の中心には、スプール軸16の一端を回転自在に支持するための軸受18が収納される筒状の軸受収納部8aが内側面から突出して形成される。軸支持部8の外周面8bには、軸支持部8を開口5dの周囲で第1側板5aに対して着脱するための着脱リング22が回動自在に装着される。着脱リング22は公知のバヨネット構造によって、軸支持部8を第1側板5aに着脱可能に装着する。着脱リング22は外周面に径方向外方に突出する複数(例えば3つ)の爪部22aと、着脱操作のための操作把手22bと、を有する。複数の爪部22aは、厚さが徐々に薄くなる傾斜面を有し、開口5dの周囲に形成された図示しない複数の係合溝に係合する。操作把手22bを指先で下方に操作して、着脱リング22を一方向(例えば図2の反時計回り)に回転させると、爪部22aが係合溝から離脱し、軸支持部8及びカバー部6が第1側板5aから外れる。また、操作把手22bを指先で例えば上方に操作して、着脱リング22を他方向に回転させると、爪部22aが係合溝に係合し、軸支持部8及びカバー部6が第1側板5aに固定される。軸支持部8は、複数本(例えば3本)のボルト部材24によって、回路基板31及び第1調整部32と共にカバー部6に装着される。軸支持部8がカバー部6に装着された状態では、着脱リング22は、スプール軸方向の移動が規制され、軸支持部8に対して回動自在になる。
制動部30は、図3及び図4に示すように、スプール12を電気的に制動可能である。制動部30は、スプール軸16を介してスプール12と一体回転可能に設けられる制動磁石44、及び制動磁石44の外周側に所定の隙間G(図4参照)をあけて筒状に配置され、直列接続された複数のコイル46を有する。制動磁石44は磁石の一例である。コイル46は導電体の一例である。
回路基板31は、貫通孔31cを有する円板状に形成される。回路基板31は、軸支持部8の軸受収納部8aの外周側でスプール12と対向する面に装着される。回路基板31は、ボルト部材24によって、軸支持部8、カバー部材38、及び磁束遮蔽部材40と共に、カバー部6に固定される。回路基板31に制動部30を電気的に制御する制御部及び、第1調整部32及び第2調整部34の調整位置やスプール12の回転速度を検出する複数の検出部が設けられる。
第1調整部32は、制動部30の、制動力の時間変化が異なる複数の制動モードのいずれかを選択するために設けられる。この実施形態では、例えば、釣り糸の種類(たとえば、ナイロンライン、フロロカーボンライン(ポリフッ化ビニリデン製の糸)、PEライン(ポリエチレン繊維を縒り合わせた糸))に応じた3つの制動モードに調整可能である。
第2調整部34は、制動部30の、強さが異なる複数の制動力のいずれかを選択するために設けられる。この実施形態では、例えば、制動力の強さを8段階に調整可能である。第2調整部34は、第2調整操作部54及び第2調整操作部54の調整位置を検出する第2検出部(図示せず)を有する。
カバー部材38は、図2に示すように、回路基板31、コイル46、及び回路基板31に搭載された電装品を絶縁するために設けられる合成樹脂製の樹脂モールド成型された段付き筒状の部材である。カバー部材38は、複数のコイル46の先端、内周部及び外周部を覆う第1カバー部38aと、回路基板31の外周部、内周部、第1面31a、及び第2面31bを覆い、第1カバー部38aと一体形成された第2カバー部38bと、を有する。第1カバー部38aは、制動磁石44の外周側に配置される。すなわち、カバー部材38は、コイル46及び検出部を含む電気部品が装着された回路基板31の全面を覆って、回路基板31を封止する。
図5に示す第1実施形態の第1変形例では、制動部130は、第2端面44bに接触可能なOリング160と、スプール軸16に固定され、Oリング160を第2端面44bとで挟持して圧縮可能な圧縮部材162と、さらに備える。Oリング160は、弾性リングの一例である。圧縮部材162は、環状の部材であり、外周側にOリング160を装着するための環状凹部162aを有する。また圧縮部材162は、内周側に皿バネの機能を有するテーパ部162bを有する。テーパ部162bの内径は、スプール軸116の圧縮部材162を装着する部分の外径よりもわずかに小さい。スプール軸116の圧縮部材162のテーパ部162bを装着する部分には、わずかな幅及び深さ(例えばいずれも1mm程度)を有する環状溝116aが形成される。環状溝116aは、圧縮部材162をスプール軸116方向に位置決め及び抜け止めするために設けられる。
図6に示す第2変形例では、制動磁石244は、第1端面244aと反対側の第2端面244bに凹部244cを有する。凹部244cは第2端面244bに径方向に沿って第2端面244bから凹んで形成される。第2実施形態では、凹部244cは、図6に二点鎖線で示すように、第2端面244bから円弧状に凹んで形成される。図6の二点鎖線では、凹部244c及び後述するピン部材264aの平面視の形状を示す。なお、凹部244cのへこみ形状は円弧状に限定されず三角形状、矩形状等、どのような形状でもよい。
図7に示す第2実施形態は、制動部330は、スプール312を、磁気を利用して機械的に制動可能である。なお、第2実施形態では、図面に第1実施形態の符号に「300」を加算した符号で、第1実施形態に対応する構成を示す。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組合せ可能である。
上記実施形態は、下記のように表現可能である。
5,305 フレーム
5a,305a 第1側板
5b 第2側板
12,312 スプール
12a 糸巻部
12b 筒状部
16,116,216 スプール軸
30,130,230,330 制動部
44,244,344 制動磁石
46 コイル
100 両軸受リール
160 Oリング
162 圧縮部材
244c 凹部
264 回り止め凸部
264a ピン部材
346 導電体
Claims (7)
- 両軸受リールのリール本体に対してスプール軸回りに回転可能なスプールを制動する両軸受リールの制動ユニットの制動部であって、
前記リール本体に設けられた導電体と、
前記スプール軸方向に延び、前記導電体と所定の隙間をあけて、少なくとも一部が対向するように前記スプール軸にすきま嵌めされるとともに、第1端面が前記スプールによって軸方向に位置決めされ、極異方性着磁された円筒形の磁石と、
前記磁石の前記第1端面と反対側の第2端面に接触可能な弾性リングと、
前記スプール軸に固定され、前記弾性リングを前記第2端面とで挟持して圧縮可能な圧縮部材と、
を備えた両軸受リールの制動ユニットの制動部。 - 両軸受リールのリール本体に対してスプール軸回りに回転可能なスプールを制動する両軸受リールの制動ユニットの制動部であって、
前記リール本体に設けられた導電体と、
前記スプール軸方向に延び、前記導電体と所定の隙間をあけて少なくとも一部が対向するように前記スプール軸にすきま嵌めされるとともに、第1端面が前記スプールによって軸方向に位置決めされ、前記第1端面と反対側の第2端面に凹部を有し、極異方性着磁された円筒形の磁石と、
前記スプール軸に固定され前記凹部に係合する回り止め凸部と、
を備えた両軸受リールの制動ユニットの制動部。 - 前記凹部は前記第2端面に径方向に沿って前記第2端面から凹んで形成され、
前記回り止め凸部は、前記スプール軸を径方向に貫通して固定されるピン部材を有する、請求項2に記載の両軸受リールの制動ユニットの制動部。 - 前記磁石は、前記スプール軸に接着によって一体回転可能に装着されている、請求項2又は3に記載の両軸受リールの制動ユニットの制動部。
- 前記スプールは、釣り糸を巻き付け可能な糸巻き部と、前記糸巻き部と一体に形成され前記スプール軸に固定される筒状部と、を有し、
前記磁石は、前記第1端面が前記筒状部の端面で軸方向に位置決めされる、請求項1から4のいずれか1項に記載の両軸受リールの制動ユニットの制動部。 - 前記導電体は、前記磁石の外周側に所定の間隔をあけて配置された複数のコイルを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の両軸受リールの制動ユニットの制動部。
- 釣り竿に装着可能であり、釣り糸を前方に繰り出し可能な両軸受リールであって、
第1側板及び前記第1側板と対向して配置される第2側板とを含むフレームを有するリール本体と、
前記第1側板と前記第2側板の間に回転自在に配置されたスプールと、
請求項1から6のいずれか1項に記載の制動部を有する制動ユニットと、
を備えた両軸受リール。
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