JP3474615B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JP3474615B2
JP3474615B2 JP33723693A JP33723693A JP3474615B2 JP 3474615 B2 JP3474615 B2 JP 3474615B2 JP 33723693 A JP33723693 A JP 33723693A JP 33723693 A JP33723693 A JP 33723693A JP 3474615 B2 JP3474615 B2 JP 3474615B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学位相差板を用いた液
晶表示素子に関し、さらに詳しくは、色補償板として好
適な高分子位相差フィルムを備えたスーパーツイステッ
ドネマチック(STN)型液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の計器類、パーソナルコン
ピュータ、ワードプロセッサ、データ端末等の表示とし
て液晶表示素子が多く採用されている。これらの多くは
大容量表示が行え、視角の広いSTN型液晶表示素子を
主に使用している。しかしSTN型液晶表示素子は複屈
折効果を利用するため着色表示となる欠点があった。
【0003】このような欠点を補うため、複屈折による
色付きを補償して白黒表示を行う高分子フイルムを備え
たSTN型液晶表示素子が提案された。色補償用の高分
子フィルムは特定の高分子成分を含み、延伸、配向を行
うことにより、屈折率異方性が生じるようにされたもの
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、通常、屈折率
異方性Δnをもつ高分子成分は、液晶表示素子に用いら
れる液晶にくらべて複屈折の温度変化が著しく小さい。
この特性の違いにより高温または低温において補償性能
が落ち、液晶表示素子のコントラストや透過率、視角特
性の低下および背景色変化を起こす欠点がある。
【0005】つまり、位相差フィルムを用いて白黒表示
を行う液晶表示素子は、位相差フィルムの高分子成分の
Δnと液晶のΔnとの間に温度特性の違いがある。その
ため、液晶表示素子の液晶層と位相差フィルムとではΔ
n・dの温度変化が異なり、温度によりコントラスト比
や透過率、視角特性の低下および背景色変化を起こして
いた。
【0006】本発明は、このような問題点を解消し、光
学位相差板と液晶層の複屈折の温度変化を一致させて、
広い温度領域で実質的な温度補償が可能な液晶表示素子
を提供することを目的とする。
【0007】特に、光学位相差板に液晶ときわめて近似
した温度特性を与えることにより、広範囲の温度でより
表示品位の高い液晶表示素子を提供することを目的とす
る。
【0008】また、光学位相差板が高分子フィルムであ
って、その安定な温度領域が広く、広範な温度条件で実
用的な液晶表示素子を提供することを目的とする。
【0009】さらに、フィルムとして成型がしやすく実
用的な位相差フィルムを提供することにより、実用価値
を高めた液晶表示素子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、フィルム補償型液晶
表示素子において、色付きを補償して白黒表示を行わせ
る光学位相差板のもつリタデーション(Δn・d)の温
度変化を液晶表示素子中の液晶組成物と同等にする。所
定の温度特性をもつ側鎖型高分子液晶フィルムを用いて
低温〜高温時において良好な表示を行う液晶表示素子を
提供する。
【0011】すなわち、メソゲン基を側鎖に有し、側鎖
の運動による転移点が−50℃〜90℃の間にある高分
子のフィルムからなる光学位相差板を液晶セルの少なく
とも一方の面側に配置し、前記光学位相差板の平面にお
いて光軸方向を有し、前記光学位相差板のリタデーショ
ンの温度変化率が25〜80℃の間で80〜95%で
ることを特徴とする液晶表示素子を提供する。
【0012】以下、図面を参照して本発明の構成を説明
する。
【0013】本発明では、STN型液晶表示素子が用い
られる。
【0014】この場合、具体的には、ほぼ平行に配置さ
れた一対の透明電極基板間に旋光性物質を含有した誘電
異方性が正のネマチック液晶層を挟持し、両電極間での
液晶分子のねじれ角を160〜300°とすればよい。
160°未満では急峻な透過率変化が必要とされる高デ
ューティでの時分割駆動をした際のコントラスト比の向
上が少なく、逆に300°を超えるとヒステリシスや光
を散乱するドメインを生じやすいためである。特に、液
晶層の△n・dを0.4〜1.5μmにすることが好ま
しい。干渉色の補償層を付加して、白黒表示とした場
合、△n・dが0.4μm未満では、オン時の透過率が
低く、青味がかった表示色になりやすく、また1.5μ
mを超えるとオン時の色相が黄色から赤色を呈し、白黒
表示となりにくいからである。特に、表示色の無彩色化
が厳しく要求される用途では、△n・dを0.5〜1.
0μmにすることが好ましい。
【0015】上記液晶層を挟持した液晶セルの基本構成
は以下のようになる。プラスチック、ガラス等の基板の
表面に、所望のパターンでパターニングされたITO
(In23−SnO2)、SnO2等の透明電極が設けら
れて電極付きの基板とされる。電極層は、表示に対応し
てパターニングされていてもよいし、共通電極として用
いられる場合などにはベタ電極とされてもよい。電極層
の形成方法としては、特に限定されないが、層厚を均一
にする見地からは、蒸着法、スパッタ法等が好ましく用
いられる。
【0016】また、本発明においては、必要に応じて電
極の上または下にSiO2、TiO2等の絶縁膜、位相差
膜、偏光膜、反射膜、光導電膜等が形成されてもよい。
【0017】透明電極形状の代表的な例としては、一方
の基板に、640本のストライプ状の電極が形成され、
他方の基板には、これに直交するように400本のスト
ライプ状の電極が形成され、640×400ドットのよ
うな表示が行われる。さらにこの640本のストライプ
状の電極をそれぞれ3本一組として1920本のストラ
イプ状の電極とし、RGBのカラーフィルターを配置し
てフルカラーで640×400ドットの表示を行うこと
もできる。
【0018】この電極付き基板の表面には表面がラビン
グされたポリイミド、ポリアミド等の膜や、斜め蒸着さ
れたSiO等の膜からなる配向制御膜が形成される。表
示モードによっては垂直配向剤を必須で塗布する場合も
ある。2枚の上記基板を準備して、前記した液晶層を挟
持するように設ける。
【0019】この際、電極と配向制御膜との間に基板間
短絡防止のためにTiO2、SiO2、Al23等の絶縁
膜を設けたり、透明電極にAl、Cr、Ti等の低抵抗
のリード電極を併設したり、カラーフィルターを電極の
上または下に積層してもよい。
【0020】通常は、この基板の外側の少なくとも一方
に偏光板を配置する。一般的に、偏光板自体は液晶セル
を構成する基板の外側に配置される。しかし、所望の性
能が得られるのであれば、基板自体を偏光板で構成した
り、基板と電極との間に偏光層として設けてもよい。
【0021】本発明では透過型でも反射型でも適用で
き、その応用範囲が広い。なお、透過型で使用する場合
には裏側に光源を配置することが好ましい。もちろん、
光源に導光体やカラーフィルターを併用してもよい。さ
らに、透過型で使用する場合、画素以外の背景部分を印
刷等による遮光膜で覆うこともできる。また、遮光膜を
用いるとともに、表示したくない部分に選択電圧を印加
するように、逆の駆動をすることもできる。
【0022】さらに、本発明では、カラーフィルターを
併用することもできる。このカラーフィルターは、セル
内面に形成することにより、視角によるズレを生じな
く、より精密なカラー表示が可能となる。具体的には、
電極の下側に形成してもよいし、電極の上側に形成して
もよい。また、色を補正するためのカラーフィルター
や、カラー偏光板を併用したり、液晶中に色素を添加し
たり、特定の波長分布を有する照明を用いたりしてもよ
い。
【0023】本発明では、このような構成の液晶セルの
電極に電圧を印加するための駆動手段を接続し、駆動を
行う。
【0024】本発明は、このほか、本発明の効果を損な
わない範囲内で、通常のSTN型液晶表示素子で使用さ
れている種々の技術を適用できる。
【0025】図1は本発明の液晶表示素子の基本例の断
面図を示す。図において1、2は一対の偏光板、3は電
圧印加により表示を行うSTN型液晶表示素子の液晶セ
ルである。この液晶セルに好適に用いられる液晶として
は、Δn・dの温度特性を位相差フィルムと同一にする
ためTc(透明点)の比較的高い液晶がよく、Tc=80
℃〜130℃の液晶がよい。
【0026】4は高分子材料からなる光学位相差板(位
相差フィルム)を示している。5、6は液晶層を挟持す
るガラス基板、7、8は基板内面に形成されたITO、
SnO2等の透明電極、9、10はポリイミド、ポリア
ミド等の膜をラビングしたり、SiO等を斜め蒸着した
りして形成した配向制御膜、11、12は透明電極と配
向制御膜との間に基板間短絡防止のために必要により設
けられるTiO2、SiO2、Al23等の絶縁膜、13
はこれら2枚のガラス基板5、6の周辺をシールするた
めのシール材、14は液晶層を示している。
【0027】従来、フィルム補償型液晶表示素子は位相
差フィルムにポリカーボネートのような主鎖に剛直な分
子をもつ主鎖型高分子を使用していたため液晶表示素子
中の液晶のΔnと位相差フィルムの成分である高分子の
Δnの温度特性の違いにより、高温においてΔn・dの
変化量の違いを生じ、コントラスト比の低下等が起こる
欠点があった。
【0028】発明者は、種々の高分子フィルムについ
て、その光学特性の温度変化について検討した結果、高
分子フィルムの光学特性の温度変化は、その高分子フィ
ルムにおける、側鎖の運動または主鎖の局所的な運動に
よる転移点の存在に密接に関係していることを見出し
た。すなわち、側鎖の運動による転移点を−50℃〜9
0℃の間にもつ高分子フィルムは、温度に対する複屈折
の変化が大きく、液晶表示素子中の液晶組成物と同等の
温度特性をもつようになる。
【0029】この様子を図3を用いて説明する。
【0030】図3は結晶性高分子(実線)及び無定形高
分子(破線)について、横軸に温度、縦軸に自由エネル
ギーをとって、温度変化に対する自由エネルギーの変化
の様子を示したものである。この図から、温度が変化す
るにつれて、自由エネルギーが特異的に変化し、変曲点
を形成する点が存在することがわかる。このような変曲
点は、温度の低いものから順に、主鎖に直接結合した基
の回転などによるもの、側鎖の自由回転によるもの、主
鎖の局所的な運動などによるものであることが知られて
いる。さらに温度が上がると、主鎖のミクロブラウン運
動によって自由エネルギーが特異的に変化する点(ガラ
ス転移点:Tg )が生じ、高分子はゴム状、皮革状等に
なり、最終的には流動化する。
【0031】このような自由エネルギーが特異的に変化
する点の存在は、温度に対する光学特性、特に、複屈折
の変化に大きく影響する。つまり、複屈折の変化は、主
に高分子の構造上の変化に依存するので、比較的低温で
複屈折が変化するような高分子化合物は、比較的低温で
高分子の構造上の変化を起こすようなものであり、すな
わち、前述の自由エネルギーの変曲点をもつ。
【0032】したがって、このような比較的低温、すな
わち、−50℃〜90℃の間に側鎖の運動による転移点
を有する高分子化合物を選択して位相差フィルムを形成
することにより、低温で複屈折の変化が大きく、液晶層
の複屈折変化とほぼ同等の温度変化を有するような位相
差フィルムを得ることができる。
【0033】本発明では、この原理を利用して、位相差
フィルムとして側鎖にメソゲン基を有する側鎖型高分子
液晶フィルムを採用する。側鎖型高分子液晶フィルムは
流動性がなくそれ自身がフィルムを形成するためガラス
のような支持体で保持する必要がない、また壊れないな
どの特徴がある。
【0034】本発明において、側鎖型高分子液晶フィル
ムに用いられる高分子材料は、主として、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などであり、透明で耐
光性のよい樹脂を選択できる。このなかで、熱可塑性樹
脂は成型しやすいので光学位相差板に適している。例え
ば、熱可塑性ポリプロピレン樹脂、熱可塑性ポリスチレ
ン樹脂、熱可塑性ポリ塩化ビニル樹脂、熱可塑性アクリ
ル樹脂等である。
【0035】また、主鎖骨格が好適な樹脂としては紫外
線等のエネルギー線硬化型の樹脂がある。たとえば、ア
クリル系の樹脂がある。このような樹脂を用いることに
より透明な基板を通して樹脂を硬化せしめてフィルム化
できる。特に光照射によって重合硬化するアクリルモノ
マーまたはオリゴマーから形成されるアクリル樹脂が作
製しやすく、好ましい。
【0036】ここで、位相差フィルムとしての信頼性を
高めるため側鎖には架橋反応を起こす構造があることが
望ましい。すなわち、−OCO−CH=CH−Ph(こ
こで、Phはフェニル基を示す)等の基を側鎖に有する
ものである。また、架橋剤を添加することにより架橋反
応が生じる構造でもよい。このような構造としては、−
OH、−COOH、−CONHのような構造を側鎖に有
するものがあり、架橋剤としてはイソシアネート、金属
酸化物、NH2−R−NH2(Rはアルキレン基)等があ
る。また架橋剤として、多官能のアクリルモノマーを用
いてもよい。
【0037】
【0038】高分子の主鎖のガラス転移点は、90℃以
上、特に100〜200℃の間にあることが好ましい。
ガラス転移点が高すぎると、フィルムの延伸などの成型
がしにくくなるおそれがあり、ガラス転移点が低いと、
液晶表示素子の使用温度範囲でフィルムの変形などが生
じるおそれがある。
【0039】すなわち、主鎖としては、比較的柔軟なも
のが好ましい。剛直なポリマーでは主鎖のガラス転移点
が高くなりすぎる。柔軟な主鎖にするためには、主鎖に
ベンゼン環やシクロヘキサン環などの環構造をもたない
ことが好ましい。具体的には、ポリエチレン樹脂やアク
リル樹脂等で環構造をもたないものである。
【0040】側鎖型高分子液晶フィルムはフィルム成型
後、延伸を行うことで側鎖に結合したメソゲン基を配向
させΔn・dを生じせしめることができる。また、位相
差フィルムを直接ラビングするか配向膜をつけラビング
して側鎖のメソゲン基を配向させてもよい。
【0041】本発明では、光学位相差板となすべき高分
子フィルムをメソゲン基の運動による転移点以上に加熱
し、磁場や電場により配向させたり、側鎖のメソゲン基
自身の配向力を利用し、高分子フィルムを側鎖の運動に
よる転移点以上の高温に放置することにより側鎖型高分
子液晶フィルムを配向させて複屈折性を生じせしめても
よい。このような方法によれば、キャスト法、押し出し
成型法などによって高分子フィルムを成型するのと同時
に、高分子フィルムに複屈折性を付与できる利点があ
る。さらに、重合前のモノマーの段階でラビングした
り、電場、磁場等を印加することにより配向させた状態
で光、熱、反応開始剤による重合を行い側鎖を配向させ
複屈折性を生じせしめてもよい。
【0042】側鎖のメソゲン基の屈折率異方性Δnは、
絶対値が0.01以上であることが好ましく、0.1以
上であることが特に好ましい。理由は、液晶表示素子内
の液晶と同一のΔn・dとすることにより液晶表示素子
内の液晶と位相差フィルムの波長分散の影響による補償
状態の低下を防止できるからである。
【0043】特に、側鎖の屈折率異方性は、主鎖の屈折
率異方性よりも大きいことが好ましい。主鎖が大きな屈
折率異方性をもつと、側鎖の屈折率異方性の影響力が小
さくなり、位相差フィルム全体としてのΔn・dの温度
変化が小さくなる傾向があるためである。
【0044】側鎖型高分子液晶フィルムの側鎖のメソゲ
ン基は化1に示される、ビフェニル系、エステル系、ア
ゾベンゼン系、などが好ましい。好適にはシアノビフェ
ニル系などである。また、強誘電液晶分子を側鎖として
導入してもよい。
【0045】このような側鎖をもつホモポリマーでも、
液晶性側鎖を2種類以上含む共重合ポリマーでもよい。
【0046】
【化1】
【0047】また、主鎖とメソゲン基をつなぐスペーサ
ー鎖を有することが好ましい。メソゲン基が、温度に応
じて動きやすくなるので、側鎖の運動による転移点を下
げ、実質的に温度補償を達成できて使用可能な温度範囲
を下げうるからである。スペーサー鎖としては、アルキ
レン鎖、−COO−(CH2n −O−(n=2〜1
1)、−(CH2n −O−(n=2〜11)、−CO
NH−(CH2n −COO−(n=2〜10)等であ
り、好適には−COO−(CH2n −O−(n=6)
を用いる。スぺーサー鎖の長さ、すなわち、スぺーサー
鎖を形成する炭素数は、5〜10であることが好まし
い。主鎖と側鎖のメソゲン基との間が短すぎると側鎖の
温度による運動が妨げられ、位相差フィルムのΔn・d
の温度変化が生じにくくなるためである。スペーサー鎖
の特に好ましい長さは6〜8である。
【0048】本発明における側鎖型高分子液晶フィルム
は、屈折率異方性Δnと高分子フィルムの厚さdの積Δ
n・dが200〜1000nmである。2枚用いる場合
は、特に好適には1枚あたりΔn・d=405nm程度
となる。
【0049】従来のフィルム作成法として、キャスト
法、水面展開法等、押し出し成型法などがあるが、光硬
化性樹脂の場合は、光重合法によりフィルムの作成を行
うことが好ましい。
【0050】具体的な製法としては樹脂の未硬化混合物
を透明フィルムで挟むロールトゥーロール法により厚さ
を均一化した後、紫外線を照射することにより硬化を行
う。なお、この樹脂の未硬化混合物には、フィルムの厚
さを一定するためのスペーサーとしてセラミック粒子、
プラスチック粒子、ガラス繊維などを添加してもよい。
特にスペーサーとして好適に用いられるものとしてはガ
ラス繊維のものである。プラスチック粒子等のスぺーサ
ーに比べフィルムの厚さを一定に保ちやすく散布量も少
なくてすむ利点があるからである。
【0051】本発明によって、広い温度範囲において信
頼性よく複屈折の補償が行える理由は次のように考えら
れる。
【0052】本発明においては、まず液晶表示素子の液
晶層と位相差フィルムのΔn・dの温度変化の違う欠点
を解決すべく、色付きを補償して白黒表示を行わせる位
相差フィルムを、高分子側鎖に液晶分子を導入した側鎖
型高分子液晶フィルムとすることで、液晶層のΔn・d
の温度特性と同様の温度特性をもつ位相差フィルムを使
用する。このようにして、低温時〜高温時において液晶
層と位相差フィルムのリタデーションの差が変わらずコ
ントラスト比や背景色の変化を防止できる。位相差フィ
ルムのリタデーションの温度変化率が25℃〜80℃の
間で80〜95%であるように設定する。よって、精密
な温度補償を達成できるので、好ましい。
【0053】なお、光学位相差板を2枚〜5枚重ねて用
いることができる。こうすることにより、1)フィルム
1枚タイプより2枚以上使用した方が光学補償性能が良
くなる、2)他の信頼性の高いフィルムと組み合わせる
ことにより高い信頼性が得られる、などの利点がある。
【0054】
【実施例】第1の基板として、ガラス基板上に設けられ
たITO透明電極をストライプ状にパターニングし、転
写法によりSiO2による短絡防止用の絶縁膜を形成
し、ポリイミドのオーバーコートをスピンコートし、こ
れをラビングして配向制御膜を形成した基板を作成し
た。第2の基板として、ガラス基板上に設けられたIT
O透明電極を第1の基板と直交するようにストライプ状
にパターニングしSiO2の絶縁膜を形成し、ポリイミ
ドのオーバーコートをし、これを第1の基板のラビング
方向と交差角60°となるようにラビングして配向制御
膜を形成した基板を作成した。
【0055】この2枚の基板の周辺をシール材でシール
した液晶セルを形成し、この液晶セル内に誘電異方性が
正のネマチック液晶を注入して240°ねじれの左らせ
んの液晶層となるようにし、注入口を封止した。この実
施例の液晶層のΔn・dは25℃で860nm(光の波
長:590nm)であった。
【0056】図1は今回使用した液晶表素子を模式的に
示した図である。1、2は一対の偏光板、3は液晶セ
ル、4は一軸性の光学位相差板(位相差フィルム)であ
る。
【0057】図2の(A)、(B)は、上からみた上側
の偏光板の偏光軸方向、位相差フィルムの光軸方向およ
び液晶層上側の液晶分子の長軸方向、並びに下側の偏光
板の偏光軸方向および液晶層の下側の液晶分子の長軸方
向の相対位置を示した平面図である。
【0058】ここで、液晶層の上側の液晶分子21の長
軸方向からみた上側の偏光板の偏光軸22の方向を反時
計回りに計った角度をθ1、液晶層の上側の液晶分子2
1の長軸方向からみた位相差フィルムの光軸方向23を
反時計回りに計った角度をθ2、液晶層の下側の液晶分
子の24の長軸方向からみた下側の偏光板の偏光軸25
の方向を時計回りに計った角度をθ3、液晶層の下側の
液晶分子の24の長軸方向からみた下側の位相差フィル
ムの光軸方向26の方向を時計回りに計った角度をθ4
とする。実施例では、θ1、θ2、θ3、θ4はそれぞれ1
25°、280°、25°、100°としている。
【0059】位相差フィルムとして側鎖型高分子液晶フ
ィルムを使用した。側鎖型高分子液晶は、化2に示した
メソゲン基を有するアクリル酸エステルに光反応開始剤
ベンゾインメチルエーテルを2%加え溶液状態とした。
また、高分子フィルムの厚さを一定とするため直径が
6.0μmのガラス繊維のスペーサーを約0.2重量%
加えた。この溶液を100μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルムに挟みロールトゥーロール法により厚さ
を均一化した後、紫外線を照射し硬化させた。その後そ
の高分子フィルムを120℃で、側鎖のダイレクターが
一定方向を向くように延伸を行った。側鎖メソゲン基の
ダイレクターの向いている方向(延伸方向)を上記の光
軸とした。このときのΔn・dは25℃で405nmで
あった。この位相差フィルムを液晶セルの両側にそれぞ
れ配置して、液晶表示素子を作成した。
【0060】
【化2】
【0061】実施例における位相差フィルムを通常のポ
リカーボネートに変更し、θ1、θ2、θ3、θ4はそれぞ
れ125°、100°、25°、100°とした液晶表
示素子を比較例として作成した。
【0062】これらの液晶表示素子を、1/200デュ
ーティ比、1/15バイアス比で、駆動して、コントラ
スト比および背景色変化を調べた結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】本発明により、広い温度範囲で光学補償が
なされていることがわかる。
【0065】
【発明の効果】本発明は、従来のフィルム補償型液晶表
示素子の欠点であった高温時におけるコントラスト比の
低下や背景色の変化などを解消して広い温度範囲でコン
トラスト比の低下や背景色の変化のない液晶表示素子が
得られる。また、この他に高温時での視角特性などにも
効果があると思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶表示素子を模式的に示した断
面図。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ上方から見た上側お
よび下側の液晶分子の長軸方向、偏光板の偏光軸方向お
よび位相差フィルムの光軸方向の相対位置を示した平面
図。
【図3】高分子化合物における転移点の概略を説明する
ためのグラフ。
【符号の説明】 1、2:偏光板 3:液晶セル 4:光学位相差板 5、6:ガラス基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平井 良典 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社 中央研究所内 (72)発明者 新山 聡 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町松原1160 番地 エイ・ジー・テクノロジー株式会 社内 (72)発明者 中川 光 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社 中央研究所内 (72)発明者 具志堅 浩 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平5−241019(JP,A) 特開 平1−133003(JP,A) 特開 平5−196815(JP,A) 特開 平7−33885(JP,A) 特開 平7−278326(JP,A) 特開 平7−198943(JP,A) 特開 平7−198942(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/30 G02F 1/13363

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メソゲン基を側鎖に有し、側鎖の運動によ
    る転移点が−50℃〜90℃の間にある高分子のフィル
    ムからなる光学位相差板を液晶セルの少なくとも一方の
    面側に配置し、前記光学位相差板の平面において光軸方
    向を有し、前記光学位相差板のリタデーションの温度変
    化率が25〜80℃の間で80〜95%であることを特
    徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】前記高分子の主鎖のガラス転移点が90℃
    以上である請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】前記高分子が主鎖とメソゲン基をつなぐス
    ペーサー鎖を有する請求項1または2に記載の液晶表示
    素子。
  4. 【請求項4】前記高分子の主鎖が環構造を含まない請求
    項1、2または3に記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】液晶のT (透明点)が80〜130℃で
    る請求項1、2、3または4に記載の液晶表示素子。
  6. 【請求項6】前記フィルムが延伸によって形成された請
    求項1、2、3、4または5に記載の液晶表示素子。
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