JP3473621B1 - 塗布工具及び塗布装置 - Google Patents

塗布工具及び塗布装置

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JP3473621B1
JP3473621B1 JP2003119015A JP2003119015A JP3473621B1 JP 3473621 B1 JP3473621 B1 JP 3473621B1 JP 2003119015 A JP2003119015 A JP 2003119015A JP 2003119015 A JP2003119015 A JP 2003119015A JP 3473621 B1 JP3473621 B1 JP 3473621B1
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紀章 三輪
睦実 安竹
利彦 金山
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Abstract

【要約】 【課題】 塗布液が流通するスロットの幅を容易に調整
する。 【解決手段】 ヘッド部材11Aにおけるスロット16
を画成する側面12とは反対側の側面17に、スロット
16の長手方向に沿った方向を向いて互いに対向する一
対の壁面22,22を備えた凹部20を形成する。凹部
20内に、スロット16の長手方向に沿った方向での長
さを変化させることによって、一対の壁面22,22同
士の間の距離が大きくなるようにヘッド部材11Aを変
形させて、スロット16の幅を調整することが可能な調
整機構30を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被塗布物に対して
塗布液を塗布するために用いられる塗布装置及びこれに
装着される塗布工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、塗布工具としては、例えば一
対のヘッド部材から構成された塗布ヘッドを有し、一対
のヘッド部材における互いに対向する側面同士の間に、
塗布液が供給されるポケットと、このポケットから先端
側へ延びて塗布ヘッドの先端に開口する溝状のスロット
とが画成されたものが知られている。このような塗布工
具は、塗布ヘッドの先端を被塗布物に対向配置させると
ともに、塗布ヘッドの長手方向(スロットの長手方向)
を被塗布物の幅方向に一致させるようにして塗布装置に
装着されるものであって、塗布液タンクから供給ポンプ
によってポケット内に供給された塗布液が、スロット内
を流通して塗布ヘッドの先端から吐出されることによ
り、この塗布ヘッドの先端に対して相対的に移動する被
塗布物の表面に塗布液が塗布されることになる。
【0003】ところで、上記のような塗布装置は、可撓
性を有するシート状の被塗布物の表面に対して塗布液を
塗布するために用いられるだけではなく、例えば液晶デ
ィスプレイのパネル本体となるガラス基板のようなパネ
ル状の被塗布物の表面に対してカラーレジストなどの塗
布液を塗布するためにも用いられるのであるが、いずれ
にしても、被塗布物の表面に塗布された塗布液の膜厚を
均一にすることが強く求められる。つまり、従来の塗布
装置では、とくに塗布開始時に、例えば塗布液をポケッ
ト内に供給するときの供給口の位置などに起因して、ス
ロット内を流通して塗布ヘッドの先端から吐出される塗
布液の流量が、このスロットの長手方向に沿った方向の
略全長に亘って略一定とはならないため、被塗布物の表
面に塗布された塗布液の膜厚が不均一になるという問題
があったのである。
【0004】これに対して、特許文献1には、塗布ヘッ
ドを構成している一方のヘッド部材の先端部を押圧する
ためのプッシュロッド及び調整ボルトが、スロットの長
手方向に沿って複数配列されるように設けられた塗布工
具が開示されており、調整ボルトをねじ込むことによ
り、この調整ボルトの先端に接触するプッシュボルト
が、その先端でヘッド部材の先端部をスロットの開口部
側へ向けて局所的に押圧して変形させ、スロットの幅を
調整することができるようになっている。そして、スロ
ット内を流通して塗布ヘッドの先端から吐出される塗布
液の流量を、スロットの長手方向に沿った方向の略全長
に亘って略一定とするように、このスロットの幅を調整
することで、被塗布物の表面に塗布される塗布液の膜厚
を均一にすることを狙っているのである。
【0005】
【特許文献1】特開平6−23821号公報(第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塗布ヘ
ッドの先端から吐出される塗布液の流量は、スロットの
長手方向に沿った方向で局所的に変化しているというこ
とはなく、スロットの長手方向に沿った方向における所
定領域でのスロットの幅を調整する必要があるため、特
許文献1に開示された塗布工具のように、ヘッド部材の
先端部をプッシュロッドの先端で局所的に押圧する構成
となっていると、上記の所定領域に対応する範囲内に設
けられた複数の調整ボルトをそれぞれねじ込み、複数の
プッシュロッドの各先端でヘッド部材の先端部を押圧し
なければならない。そのため、複数のプッシュロッドに
よるヘッド部材の押圧状態が互いに干渉しあって、プッ
シュロッドの先端とヘッド部材の先端部との間に非接触
箇所が生じやすく、スロットの幅を所望の値に調整する
までに、複数回繰り返しての調整が必要となり、作業時
間が長くかかるという問題があった。また、調整ボルト
をねじ込むことによって直接的にヘッド部材の先端部を
押圧してスロットの幅を調整するようになっているた
め、このスロットの幅の調整量(スロットの幅の変化の
挙動)が、調整ボルトの雄ねじ部に切られたネジ山のピ
ッチに依存してしまい、例えばミクロンオーダーでの微
細な調整が困難であった。
【0007】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、塗布液が流通するスロットの幅を容易に調整するこ
とができる塗布工具及び塗布装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決して、
このような目的を達成するために、本発明による塗布工
具は、複数のヘッド部材から構成された塗布ヘッドを有
し、前記複数のヘッド部材における互いに対向する側面
同士の間に、前記塗布ヘッドの先端に開口する溝状のス
ロットが画成され、塗布液が前記スロット内を流通して
前記塗布ヘッドの先端から吐出される塗布工具であっ
て、前記ヘッド部材における前記スロットを画成する側
面とは反対側の側面に、前記スロットの長手方向に沿っ
た方向を向いて互いに対向する一対の壁面を備えた凹部
が形成され、この凹部内に、前記スロットの長手方向に
沿った方向での長さを変化させることによって、前記一
対の壁面同士の間の距離が変化するように前記ヘッド部
材を変形させて、前記スロットの幅を調整することが可
能な調整機構が設けられていることを特徴とするもので
あり、また、本発明による塗布装置は、本発明の塗布工
具が、前記塗布ヘッドの先端を被塗布物に対向配置させ
るように装着されていて、前記塗布ヘッドの先端から塗
布液が吐出されることにより、前記塗布ヘッドの先端に
対して相対的に移動する前記被塗布物に塗布液が塗布さ
れることを特徴とするものである。
【0009】このような本発明では、ヘッド部材の側面
に形成された凹部内に設けられた調整機構を用いて、こ
の凹部における一対の壁面同士の間の距離が変化するよ
うにヘッド部材を変形させることで、複数のヘッド部材
における互いに対向する側面同士の間に画成されたスロ
ットの幅を調整することができるようになっている。し
かも、調整するスロットの幅については、このスロット
の長手方向に沿った方向での略全長に亘って略一定とな
るように設定するだけではなく、例えば、ある所定領域
で意図的に大きくなったり小さくなったりするように設
定することもできる。そして、このような調整機構を用
いると、所定領域でのスロットの幅を調整する場合であ
っても、従来の調整ボルトを用いたときのような複数回
繰り返しての調整が必要とならず、容易にスロットの幅
を調整することができる。また、調整機構におけるスロ
ットの長手方向に沿った方向での長さを変化させること
によって、スロットの幅を間接的に調整するようになっ
ているため、この調整機構によって調整されるスロット
の幅の変化の挙動が非常に緩やかなものとなり、例えば
ミクロンオーダーでの微細な幅の調整が可能となる。さ
らには、調整機構が設けられる凹部を、ヘッド部材を変
形させるために十分な大きさで形成することによって、
このヘッド部材の軽量化を図ることもできる。ここで、
前記調整機構は、前記スロットの長手方向に沿った方向
での長さを大きくすることによって、前記一対の壁面同
士の間の距離が大きくなるように前記ヘッド部材を変形
させるとともに、前記スロットの長手方向に沿った方向
での長さを小さくすることによって、前記一対の壁面同
士の間の距離が小さくなるように前記ヘッド部材を変形
させる構成とされていることが好ましく、このような構
成とすると、調整機構によるスロットの幅の調整を、高
い自由度でもって、より容易に行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付し
た図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態によ
る塗布工具の塗布ヘッド10は、図1〜図3に示すよう
に、一対のヘッド部材11A,11Bがそれらの一方の
側面12,12同士を互いに対向させるように組み合わ
されることによって、長尺状をなすように構成されたも
のである。また、塗布ヘッド10を構成する一対のヘッ
ド部材11A,11Bは、それらの後端側(図2及び図
3における下方側)部分同士が、塗布ヘッド10の長手
方向(図1及び図2における左右方向)に沿った方向で
所定間隔をあけて複数のボルト13…でボルト止めされ
るとともに、塗布ヘッド10の長手方向に沿った方向の
両端に位置する両端面に対してそれぞれサイドプレート
14,14が取り付けられることによって、互いに固定
されている。
【0011】塗布ヘッド10を構成する一方のヘッド部
材11A(図3中、右側に位置するヘッド部材11A)
における一方の側面12は、その略全面が略平坦面とさ
れているのに対し、塗布ヘッド10を構成する他方のヘ
ッド部材11B(図3中、左側に位置するヘッド部材1
1B)における一方の側面12は、塗布ヘッド10の長
手方向に沿った方向に延びるように切り欠かれてなる凹
溝12Aを有しているとともに、この凹溝12Aより塗
布ヘッド10の先端側に位置する先端側部分が、凹溝1
2Aよりも塗布ヘッド10の後端側に位置する後端側部
分に対して所定間隔後退させられている。
【0012】そのため、一対のヘッド部材11A,11
Bが一方の側面12,12同士を互いに対向させるよう
に組み合わされたときに、互いに対向する一方の側面1
2,12同士の間には、一方のヘッド部材11Aにおけ
る一方の側面12と他方のヘッド部材11Bにおける一
方の側面12に形成された凹溝12Aとの間の空間であ
るポケット15と、一方のヘッド部材11Aにおける一
方の側面12と他方のヘッド部材11Bにおける一方の
側面12の先端側部分との間の空間である溝状のスロッ
ト16とが、それらの長手方向を塗布ヘッド10の長手
方向と一致させるように画成される。
【0013】このスロット16は、ポケット15に連通
する部分から、塗布ヘッド10の先端側へ向かって延び
て、塗布ヘッド10の先端に開口するように延在させら
れており、塗布液がポケット15内に供給されたときに
は、この塗布液が、ポケット15に連通するスロット1
6内を塗布ヘッド10の先端側へ向かって流通して、塗
布ヘッド10の先端から吐出される。
【0014】また、塗布ヘッド10を構成する一対のヘ
ッド部材11A,11Bにおいて、スロット16及びポ
ケット15を画成する一方の側面12,12とは反対側
に位置する他方の側面17,17は、塗布ヘッド10の
先端寄りに位置する部分が、塗布ヘッド10の先端側に
向かうにしたがいスロット16側へ向かうように傾斜し
た傾斜面17A,17Aとされ、このような一対のヘッ
ド部材11A,11Bから構成された塗布ヘッド10
は、その先端が先細りした形状をなすことになる。
【0015】そして、塗布ヘッド10を構成する一方の
ヘッド部材11Aにおける他方の側面17に、この他方
の側面17に開口して、一方の側面12(スロット1
6)側へ向かって一段凹む凹部20が、スロット16の
長手方向(塗布ヘッド10の長手方向)に沿った方向で
所定間隔をあけて複数(例えば3つ)形成されている。
凹部20は、他方の側面17に交差するとともに、スロ
ット16の長手方向に沿った方向を向いて互いに対向す
る一対の壁面22,22と、これら一対の壁面22,2
2同士を接続するとともに、凹部20における側面17
への開口部側を向く底面21とを備えており、しかも、
塗布ヘッド10の先端側に位置する部分が塗布ヘッド1
0の先端部分に開放させられている。このような複数の
凹部20…が形成されていることにより、一方のヘッド
部材11Aは、複数の凹部20…の各底面21…と一方
の側面12との間がポケット15及びスロット16に隣
接する薄肉部分とされている。
【0016】各凹部20内には、図1〜図4に示すよう
に、凹部20におけるスロット16の長手方向に沿った
方向を向いて互いに対向する一対の壁面22,22のそ
れぞれの、塗布ヘッド10の先端側寄りの部分に取り付
けられて固定されるように、一つの調整機構30が設け
られている。この調整機構30は、凹部20における一
対の壁面22,22のそれぞれに対してボルト止めされ
て取り付けられ、スロット16の長手方向に沿った方向
に延びて互いに同軸となるように突出する雄ねじ31
A,31Aをそれぞれ有する一対の雄ねじ部材31,3
1と、これら一対の雄ねじ部材31,31における雄ね
じ31A,31Aのそれぞれが螺合させられる一対の雌
ねじ32A,32Aを有する一つの調整ナット32とか
ら構成されている。
【0017】また、調整機構30における一対の雄ねじ
部材31,31の雄ねじ31A,31Aは、互いに逆向
きのネジ方向を有しており、これに対応するように、雄
ねじ31A,31Aがそれぞれ螺合させられる一つの調
整ナット32における一対の雌ねじ32A,32Aも、
互いに逆向きのネジ方向を有していることになる。これ
により、調整ナット32を一の方向に回転させたときに
は、この調整ナット32の雌ねじ32A,32Aにそれ
ぞれ螺合させられた雄ねじ31A,31Aが、それぞれ
図4中の矢印Xで示す方向に向かって互いに引き込まれ
るように移動させられるので、この調整機構30におけ
るスロット16の長手方向に沿った方向での長さが小さ
くなることになる。逆に、調整ナット32を他の方向に
回転させたときには、この調整ナット32の雌ねじ3
2,32Aにそれぞれ螺合させられた雄ねじ31A,3
1Aが、それぞれ図4中の矢印Yで示す方向に向かって
互いに引き離されるように移動させられるので、この調
整機構30におけるスロット16の長手方向に沿った方
向での長さが大きくなることになる。
【0018】上述したような構成を有する塗布工具は、
塗布ヘッド10の先端を被塗布物に対向配置させるとと
もに、塗布ヘッド10の長手方向(スロット16の長手
方向)を被塗布物の幅方向に一致させるようにして塗布
装置に装着され、塗布液タンクから供給ポンプによって
ポケット15内に供給された塗布液が、スロット16内
を流通して塗布ヘッド10の先端から吐出されることに
より、この塗布ヘッド10の先端に対して相対的に移動
する被塗布物の表面に塗布液が塗布されることになる。
【0019】以上説明したような本実施形態では、スロ
ット16の幅を調整するのに際して、スロット16の幅
を調整すべき領域に対応する位置に存在する凹部20内
に設けられた調整機構30を用いることになる。例え
ば、スロット16の長手方向に沿った方向において、そ
の両端部に位置する所定領域でのスロット16の幅を大
きくするように調整するためには、まず、3つの凹部2
0…のうち、スロット16の長手方向に沿った方向での
両端側に位置する2つの凹部20,20内に設けられた
調整機構30,30の調整ナット32,32を、それぞ
れ一の方向に回転させる。
【0020】すると、上述したように、調整機構30に
おけるスロット16の長手方向に沿った方向での長さが
小さくなるので、この調整機構30が取り付けられて固
定された凹部20における一対の壁面22,22同士が
互いに近づいて、これら一対の壁面22,22同士の間
の距離が小さくなるように、一方のヘッド部材11Aが
弾性変形させられる。このような一方のヘッド部材11
Aの変形にともない、一対のヘッド部材11A,11B
における互いに対向する一方の側面12,12同士の間
に画成されたスロット16の幅は、その長手方向の両端
部に位置する所定領域で大きくなるように調整される。
【0021】なお、調整ナット32,32を回転させた
調整機構32,32に隣接して、スロット16の長手方
向に沿った方向での略中央部に位置する凹部20内に設
けられた調整機構30は、そのスロット16の長手方向
に沿った長さを変化させないため、これが取り付けられ
て固定された凹部20における一対の壁面22,22同
士の間の距離も変化することがないので、スロット16
の長手方向に沿った方向での両端部に位置する所定領域
以外では、このスロット16の幅が不用意に変化してし
まうことはない。
【0022】このような本実施形態では、スロット16
の幅を調整したい任意の領域に対応する位置に形成され
た凹部20内に設けられる調整機構30を用い、この調
整機構30におけるスロット16の長手方向に沿った方
向での長さを大きくしたり小さくしたりすることで、そ
の任意の位置に対応する領域でのスロット16(例えば
100μm以上の幅を有するスロット16)の幅を、高
い自由度でもって調整することができるようになってい
る。しかも、調整するスロットの幅については、このス
ロットの長手方向に沿った方向での略全長に亘って略一
定となるように設定するだけではなく、例えば、ある所
定領域で意図的に大きくなったり小さくなったりするよ
うに設定することもできる。
【0023】そのため、スロット16内を流通して塗布
ヘッド10の先端から吐出される塗布液の流量を、この
スロット16の長手方向に沿った方向の略全長に亘って
略一定とするように、調整機構30を用いてスロット1
6の幅を調整することにより、被塗布物の表面に塗布さ
れる塗布液の膜厚を均一に維持することができるのであ
る。
【0024】また、粘度の高い塗布液を高圧でポケット
15内に供給するときには、塗布液に加えられた圧力に
よって、スロット16の幅が、その長手方向の略中央部
で大きくなってしまう、いわゆる中開き現象が生じて、
吐出された塗布液の流量にばらつきが生じてしまうおそ
れがあるが、このような中開き現象を想定したスロット
16の幅を設定することで、スロット16内を流通して
塗布ヘッド10の先端から吐出される粘度の高い塗布液
の流量を、スロット16の長手方向の略全長に亘って略
一定に維持することもできる。
【0025】そして、スロット16の幅を調整するた
め、上記のようなスロット16の長手方向に沿った方向
での長さを変化させるような調整機構30を用いたこと
により、所定領域でのスロット16の幅を調整するとき
であっても、従来の調整ボルトを用いた直接的かつ局所
的な押圧でスロット16の幅を調整する場合のように、
複数回繰り返しての調整が必要となることはなく、容易
にスロット16の幅を調整することができる。
【0026】さらに、調整機構30は、スロット16の
長手方向に沿った方向での長さを大きくあるいは小さく
するように変化させることによって、スロット16の幅
を間接的に調整する構成であることから、この調整機構
30で一方のヘッド部材11Aを変形させて調整される
スロット16の幅の変化の挙動を非常に緩やかなものに
して、例えばミクロンオーダーでの微細な幅の調整を行
うことが可能となっている。加えて、調整機構30が設
けられる凹部20を、この調整機構30によって一方の
ヘッド部材11Aを変形させるために十分な大きさで形
成することにより、一方のヘッド部材11Aの重量を低
減させることもできる。
【0027】なお、上記の各実施形態においては、調整
機構30を設ける凹部20を、塗布ヘッド10を構成す
る一対のヘッド部材11A,11Bのうち、ポケット1
5を画成する凹溝12Aが一方の側面12に形成されて
いない一方のヘッド部材11Aのみに形成するようにし
たが、もちろん、他方のヘッド部材11Bにおける他方
の側面17にも凹部20を形成して、この凹部20内に
調整機構30を設けるようにしてもよい。しかし、この
調整機構30は、ヘッド部材を変形させることによって
スロット16の幅を調整するものであるから、他方のヘ
ッド部材11Bを変形させると、これにともなってポケ
ット15の形状も変形させられ、ポケット15内に供給
された塗布液の定常流の状態を崩してしまって、塗布ヘ
ッド10の先端から吐出される塗布液の流量に悪影響を
与えてしまうおそれがあるので、上記の各実施形態のよ
うに、一方のヘッド部材11Aのみを変化させることに
よって、スロット16の幅を調整することが好ましい。
【0028】また、上記の各実施形態においては、スロ
ット16の長手方向に沿った方向で所定間隔をあけて例
えば3つの凹部20…を形成するとともに、これら凹部
20…内にそれぞれ調整機構30…を設けるようにして
いるが、これに限定されることはなく、必要に応じて、
スロット16の長手方向に沿った方向で少なくとも一つ
の凹部20を形成して、この凹部20内に調整機構30
を設ければよい。
【0029】さらに、上記の各実施形態においては、塗
布ヘッド10を構成するヘッド部材11A,11Bのそ
れぞれが、塗布ヘッド10の先端を構成する部分を含め
て一体のものとして説明されているが、これに限定され
ることはなく、例えば、ヘッド部材11A,11Bの先
端に対して超硬合金などの硬質部材が取り付けられたも
のであってもよい。
【0030】加えて、上記の各実施形態においては、塗
布ヘッド10が一対のヘッド部材11A,11Bから構
成されたものとして説明しているが、例えば、塗布ヘッ
ド10が3つ以上のヘッド部材から構成されて、これら
3つ以上のヘッド部材における互いに対向する側面同士
の間に、塗布ヘッド10の先端に開口する2つ以上のス
ロットが画成されるようにして、被塗布物の表面に2つ
以上の塗布液が層をなすように同時に塗布されるような
ものであってもよい。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、ヘッド部材の側面に形
成された凹部内に設けられる調整機構を用い、この凹部
における一対の壁面同士の間の距離を変化させるように
ヘッド部材を変形させることで、複数のヘッド部材にお
ける互いに対向する側面同士の間に画成されたスロット
の幅を調整することができ、所定領域のスロットの幅を
調整する場合でも、従来の調整ボルトを用いた場合のよ
うな複数回繰り返しての調整が必要とならず、容易にス
ロットの幅を調整することが可能となる。また、スロッ
トの幅を間接的に調整する調整機構を用いたことで、こ
の調整機構によって調整されるスロットの幅の変化の挙
動を非常に緩やかなものとすることができ、例えばミク
ロンオーダーでの微細な幅の調整が可能となる。さらに
は、調整機構が設けられる凹部を大きく形成すること
で、このヘッド部材の軽量化を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態による塗布工具を示す先端
面図である。
【図2】 本発明の実施形態による塗布工具を示す側面
図である。
【図3】 図2におけるA−A線断面図である。
【図4】 本発明の実施形態による塗布工具を示す要部
拡大部分断面側面図である。
【符号の説明】
10 塗布ヘッド 11A,11B ヘッド部材 12 一方の側面(スロットを画成する側面) 15 ポケット 16 スロット 17 他方の側面(スロットを画成する側面とは反対側
の側面) 20 凹部 22 壁面 30 調整機構 31 雄ねじ部材 31A 雄ねじ 32 調整ナット 32A 雌ねじ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金山 利彦 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田 1528番地 株式会社リョウテック 耐摩 工具事業部内 (72)発明者 福田 努 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田 1528番地 株式会社リョウテック 耐摩 工具事業部内 (56)参考文献 特開 平9−131561(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05C 5/02 B29C 47/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のヘッド部材から構成された塗布ヘ
    ッドを有し、前記複数のヘッド部材における互いに対向
    する側面同士の間に、前記塗布ヘッドの先端に開口する
    溝状のスロットが画成され、塗布液が前記スロット内を
    流通して前記塗布ヘッドの先端から吐出される塗布工具
    であって、 前記ヘッド部材における前記スロットを画成する側面と
    は反対側の側面に、前記スロットの長手方向に沿った方
    向を向いて互いに対向する一対の壁面を備えた凹部が形
    成され、 この凹部内に、前記スロットの長手方向に沿った方向で
    の長さを変化させることによって、前記一対の壁面同士
    の間の距離が変化するように前記ヘッド部材を変形させ
    て、前記スロットの幅を調整することが可能な調整機構
    が設けられていることを特徴とする塗布工具。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の塗布工具において、 前記調整機構は、前記スロットの長手方向に沿った方向
    での長さを大きくすることによって、前記一対の壁面同
    士の間の距離が大きくなるように前記ヘッド部材を変形
    させるとともに、前記スロットの長手方向に沿った方向
    での長さを小さくすることによって、前記一対の壁面同
    士の間の距離が小さくなるように前記ヘッド部材を変形
    させることを特徴とする塗布工具。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の塗布工
    具が、前記塗布ヘッドの先端を被塗布物に対向配置させ
    るように装着されていて、前記塗布ヘッドの先端から塗
    布液が吐出されることにより、前記塗布ヘッドの先端に
    対して相対的に移動する前記被塗布物に塗布液が塗布さ
    れることを特徴とする塗布装置。
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