JP3473095B2 - エンジンのラジエータ装置 - Google Patents

エンジンのラジエータ装置

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JP3473095B2
JP3473095B2 JP08349194A JP8349194A JP3473095B2 JP 3473095 B2 JP3473095 B2 JP 3473095B2 JP 08349194 A JP08349194 A JP 08349194A JP 8349194 A JP8349194 A JP 8349194A JP 3473095 B2 JP3473095 B2 JP 3473095B2
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直己 林
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    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F9/00Casings; Header boxes; Auxiliary supports for elements; Auxiliary members within casings
    • F28F9/001Casings in the form of plate-like arrangements; Frames enclosing a heat exchange core
    • F28F9/002Casings in the form of plate-like arrangements; Frames enclosing a heat exchange core with fastening means for other structures
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01PCOOLING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; COOLING OF INTERNAL-COMBUSTION ENGINES
    • F01P2070/00Details
    • F01P2070/50Details mounting fans to heat-exchangers

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  • Thermal Sciences (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、エンジンのラジエー
タ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にエンジンのラジエータ装置は、エ
ンジンルームの最前部にその冷却風の通風面を車体前後
方向に指向させた立設状態で横設配置されるラジエータ
と、該ラジエータの車体後方側に近接対向状態で配置さ
れるファンとで構成される。そして、このファンとして
は、主としてラジエータとエンジン内の冷却水通路との
間を循環するエンジン冷却水を冷却するメインファン
と、クーラーの冷媒の冷却等のエンジン補機類の冷却に
使用されるアディショナルファンとがあり、これら二つ
のファンはそれぞれファンシュラウドにより支持された
状態で上記ラジエータの後方側に且つ車幅方向に列設配
置されるのが通例である。また、この二つのファンにお
いては、その用途からしてファンと一体的にファンシュ
ラウドにより支持されるモータの容量はメインファンの
方がアディショナルファンよりも大きく、従ってラジエ
ータに対するその支持剛性もメインファン側がアディシ
ョナルファン側に比して高いものが要求される。
【0003】このようなファン、即ち、ファンシュラウ
ドの支持構造としては、例えば実開平4−59336号
公報に開示されるように、該ファンシュラウドの上部の
左右二位置と下部の左右二位置の合計四位置を共にボル
ト締結にてラジエータに固定するのが従来一般的であっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の如く
ラジエータに装着される二つのファンのうち、メインフ
ァン側は高い支持剛性が要求されるが、アディショナル
ファン側はそれほど高い支持剛性は要求されないため、
該アディショナルファン側をもメインファン側と同様に
上下四点を共にボルト締結構造とするのは作業性等の観
点からして得策ではない。
【0005】また、ラジエータ装置を車体に搭載する場
合、該ラジエータ装置の組付け作業性のみを考えれば、
予めラジエータにファンシュラウドを介してメインファ
ンとアディショナルファンとを組み付けて一体化し、こ
れを一体的に車体に搭載するのが好ましいが、かかる取
り付け構造とした場合には、次のような問題が生じるこ
とになる。即ち、自動車においては、車室居住性の確保
等の観点からエンジンルームの容量が狭小化傾向にあ
り、従ってラジエータ装置とその車体後方側に位置する
エンジン及びトランスミッションとの間隔が狭くなって
いる。このため、ラジエータと各ファンシュラドとを一
体化した状態でこれを車体に搭載すると、ラジエータの
下部に位置するロアタンクとエンジンとの間に跨がって
配置される冷却水のロアホースの接続作業が困難となる
(ロアホースの配置に関しては、実公平5−64422
号公報を参照されたし)。
【0006】また、かかる作業上の不都合を回避するた
めに例えば上記ロアホースの上方に配置されるファンシ
ュラウドをラジエータと一体化せず、上記ロアホースの
接続が完了した後に後付けすることも考えられるが、こ
の場合、上述の如く該ファンシュラウドの下部をボルト
締結する構造であると、このファンシュラウド配置部分
のスペースが狭いことから、上記ロアホースの後付けの
場合と同様に、締結作業そのものが困難となり、また下
部位置の取り付け状態を目視にて確認することが困難で
あることから誤組付けが生じることも懸念される。
【0007】そこで本願発明は、かかる従来のラジエー
タ装置における組付け上の問題点に鑑み、ファンシュラ
ウドのラジエータへの組付けを、冷却水のロアホース等
の接続作業を阻害することなく容易に且つ確実に行うこ
とのできるエンジンのラジエータ装置を提供せんとして
なされたのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として、第1の発明では、
通風面を上下方向に向けた状態で立設配置されたラジエ
ータと、アディショナルファンを支持し且つ上記ラジエ
ータの一側に近接対向状態で配置されるアディショナル
ファンシュラウドとを備えるとともに、上記ラジエータ
の上部にはボルト受部が、下部にはピン受部がそれぞれ
形成され、また上記アディショナルファンシュラウドの
上部には上記ラジエータのボルト受部に対応してボルト
締結部が、下部には上記ラジエータのピン受部に対応し
て下方へ延びる嵌合ピンがそれぞれ形成され、上記ピン
受部に上記嵌合ピンを嵌合させるとともに、上記ボルト
締結部を固定ボルトにより上記ボルト受部に締結するこ
とで上記アディショナルファンシュラウドを上記ラジエ
ータに固定するようにしたエンジンのラジエータ装置に
おいて、上記ラジエータのボルト受部を該ラジエータの
通風面に沿う左右方向に所定間隔をもって一対設ける一
方、上記ピン受部を単一とし且つこれを上記一対のボル
ト受部の通風面に沿う左右方向の中間位置よりもいずれ
か一方のボルト受部側に偏った位置に設けたことを特徴
としている。
【0009】第2の発明では、第1の発明にかかるエン
ジンのラジエータ装置において、上記ラジエータにメイ
ンファンを支持したメインファンシュラウドを上記ラジ
エータの上部及び下部を共に固定ボルトにより締結した
状態で取り付けるとともに、上記アディショナルファン
シュラウドを、上記メインファンシュラウドを取り付け
た状態で車両に搭載された上記ラジエータに対して取り
付けることを特徴としている。
【0010】第3の発明では、第1の発明又は第2の発
明において、上記ラジエータの下部に設けられる冷却水
出口を上記アディショナルファンシュラウドの下方で且
つその左右方向の中間に位置せしめるとともに、上記ピ
ン受部を上記冷却水出口に対して上記幅方向へ偏った位
置に配置したことを特徴としている。
【0011】第4の発明では、第3の発明において、そ
の後端側にトランスミッションが連結されたエンジンを
その軸方向を車幅方向へ向けた状態で車体に搭載すると
ともに、上記メインファンシュラウドと上記アディショ
ナルファンシュラウドとを、上記ラジエータに対して、
該アディショナルファンシュラウドを上記エンジンの前
端側に位置せしめた状態で車幅方向に併置したことを特
徴としている。
【0012】第5の発明では、第1の発明において、上
記ラジエータの下部にオイルクーラを内蔵配置したこと
を特徴としている。
【0013】第6の発明では、第1,第2又は第3の発
明において、上記ラジエータの下部に設けられる上記ピ
ン受部を、該ラジエータの上部に設けられる一対の上記
ボルト受部のいずれか一方のボルト受部の下方に位置せ
しめたことを特徴としている。 第7の発明では、第6
の発明において、上記ラジエータ上部に設けられた一対
のボルト受部を結ぶ直線と、上記ピン受部と上記一方の
ボルト受部とを結ぶ直線との交差角を略直角としたこと
を特徴としている。
【0014】
【発明の作用・効果】本願発明ではかかる構成とするこ
とによって以下に述べるような作用・効果が得られる。
【0015】 第1の発明にかかるエンジンのラジエ
ータ装置では、ラジエータの上部にボルト受部を、下部
にピン受部をそれぞれ形成するとともに、アディショナ
ルファンシュラウドの上部に上記ボルト受部に対応して
ボルト締結部を、下部に上記ピン受部に対応して下方へ
延びる嵌合ピンをそれぞれ形成し、上記ピン受部に上記
嵌合ピンを嵌合させるとともに、上記ボルト締結部を固
定ボルトにより上記ボルト受部に締結することで上記ア
ディショナルファンシュラウドを上記ラジエータに固定
するようにしているので、ラジエータを車体側に取り付
けた状態でアディショナルファンシュラウドをラジエー
タに組付ける場合、該アディショナルファンシュラウド
の下部での作業は必要でなく、上部でのボルト締結作業
のみで良いことから、例えば従来のようにアディショナ
ルファンシュラウドの下部においてもボルト締結する構
造の場合に比して、作業性が格段に向上するとともに、
該アディショナルファンシュラウドはその用途等からし
てさほど大きな組付け剛性は要求されないものであるこ
とから、その上部のみをボルト締結とし、下部はピン結
合としても十分に要求剛性を満足ることができ、その取
り付け上の信頼性も確保されるものである。
【0016】また、かかる構造において、上記ラジエー
タのボルト受部を該ラジエータの通風面に沿う左右方向
に所定間隔をもって一対設ける一方、上記ピン受部を単
一とし且つこれを上記一対のボルト受部の通風面に沿う
左右方向の中間位置よりもいずれか一方のボルト受部側
に偏った位置に設けているので、例えば上記ラジエータ
とその後方側に位置するエンジン等との間にその上方か
らアディショナルファンシュラウドを差し入れてその嵌
合ピンをラジエータ側のピン受部に嵌合させる場合にお
いて、万一、該嵌合ピンがピン受部に対して横方向へズ
レた時には、該嵌合ピン側に位置するボルト受部を中心
とするアディショナルファンシュラウドの上部の傾斜
は、例えば上記嵌合ピンが上記一対のボルト受部の中心
寄りに位置している場合に比して、大きくなり、作業者
はこのアディショナルファンシュラウドの上部の傾斜を
目視することでピン嵌合の不良を容易に認知することが
できる。従って、アディショナルファンシュラウドにお
けるピン嵌合が不良のまま(即ち、アディショナルファ
ンシュラウドの支持が不十分のまま)その上部のみをボ
ルト締結するというような作業上の誤組付けが未然に且
つ確実に防止され、それだけアディショナルファンシュ
ラウドのラジエータへの組付け上の信頼性が向上するこ
とになるものである。かかるアディショナルファンシュ
ラウドの上部の傾斜によってその下部のピン結合の状態
を把握できるということは、特にアディショナルファン
シュラウドの組付け時においてその下部を直接目視する
ことが困難な作業条件下、例えばラジエータとその後方
側に配置されるエンジン等との間隔が狭いような場合に
特に有利である。
【0017】 第2の発明にかかるエンジンのラジエ
ータ装置では、上記に記載の作用効果に加えて、アデ
ィショナルファンシュラウドを、メインファンシュラウ
ドをその上部及び下部を共に固定ボルトにより締結せし
めた状態で車両に搭載されたラジエータに対して取り付
けるようにしていることから、該アディショナルファン
シュラウドが取り付け前においては該アディショナルフ
ァンシュラウドの取付位置の近傍に比較的大きなスペー
スが形成されていることから、例えばラジエータのロア
タンクからエンジンに延びる冷却水のロアホースがアデ
ィショナルファンシュラウド取付位置の下側に位置する
ような場合でも上記スペースを通して該ロアホースの接
続作業を容易に行うことができ、その作業性が向上する
ものである。
【0018】また、アディショナルファンシュラウドに
比して高い支持剛性が要求されるメインファンシュラウ
ドは、これがその上部と下部の両方が共にボルト締結に
てラジエータに支持されていることから、高い支持剛性
が確保され、その取付上の信頼性が向上するものであ
る。
【0019】 第3の発明にかかるエンジンのラジエ
ータ装置では、上記又はに記載の作用効果に加え
て、上記ラジエータの下部に設けられる冷却水出口を上
記アディショナルファンシュラウドの下方で且つその左
右方向の中間に位置せしめるとともに、上記ピン受部を
上記冷却水出口に対して上記幅方向へ偏った位置に配置
することで、上記ピン受部を上記冷却水出口の存在に影
響されることなくラジエータの上部に設けられて左右一
対のボルト受部のいずれか一方のボルト受部側に寄せて
配置することができ、該ピン受部を偏位させたことによ
るアディショナルファンシュラウドの誤組付の確認とい
う効果が、上記ロアホースの存在に拘わらず確実に達成
されるものである。また、ロアホースの接続作業という
点からすれば、該ロアホースの接続作業を上記ピン受部
の存在に影響されることなく容易に行うことができ、そ
の接続作業における作業性の向上も期待できるものであ
る。
【0020】 第4の発明にかかるエンジンのラジエ
ータ装置では、上記に記載の作用効果に加えて、その
後端側にトランスミッションが連結されたエンジンをそ
の軸方向を車幅方向へ向けた状態で車体に搭載するとと
もに、上記メインファンシュラウドと上記アディショナ
ルファンシュラウドとを、上記ラジエータに対して、該
アディショナルファンシュラウドを上記エンジンの前端
側に位置せしめた状態で車幅方向に併置しているので、
上記アディショナルファンシュラウドの下方に位置する
ラジエータの冷却水出口とエンジンの前端側に位置する
エンジン側の冷却水入口とをロアホースで接続する場
合、例えば該ラジエータ側の冷却水入口を該ラジエータ
の端部に設ける場合に比してそのホース長さが長くな
る。従って、車体に対して弾性的にマウントされるエン
ジンと車体に対してリジットに固定されるラジエータと
の相対変位によるロアホースの撓曲変位が容易となり、
該ロアホースの耐久性、信頼性が高められるものであ
る。
【0021】 第5の発明にかかるエンジンのラジエ
ータ装置では、上記に記載の作用効果に加えて、ラジ
エータの下部にオイルクーラが内蔵配置されているの
で、該ラジエータと一体的にオイルクーラを車両に搭載
することができ、例えばこのオイルクーラをラジエータ
とは別体構成とし、且つこれらを別々に車体に組み付け
る場合に比して、作業能率が高められるものである。
【0022】 第6の発明にかかるエンジンのラジエ
ータ装置では上記ラジエータの下部に設けられる上記ピ
ン受部を該ラジエータの上部に設けられる一対の上記ボ
ルト受部のいずれか一方のボルト受部の下方に位置せし
めることで、また第7の発明にかかるエンジンのラジエ
ータ装置では上記ラジエータ上部に設けられた一対のボ
ルト受部を結ぶ直線と上記ピン受部と上記一方のボルト
受部とを結ぶ直線との交差角を略直角とすることで、こ
れらいずれの場合においても該ピン受部とこれに近い側
のボルト受部との間隔が可及的に小さくなる。この結
果、上記アディショナルファンシュラウドのラジエータ
への組付け時における該ラジエータ側のピン受部とアデ
ィショナルファンシュラウド側の嵌合ピンとの位置ズレ
に起因する該ラジエータの上部の傾斜が可及的に大きく
なり、作業者による上記位置ズレの確認がより一層容易
となり、アディショナルファンシュラウドの組付け作業
の信頼性、確実性がさらに高められるものである。
【0023】
【実施例】以下、本願発明のエンジンのラジエータ装置
を添付図面に基づいて具体的に説明すると、図1及び図
2には、その後端部にトランスミッション9を連結した
エンジン8を車体に対して横置き搭載した自動車におい
て、そのエンジン8の前方側に配置された本願発明の実
施例にかかるラジエータ装置Zを示している。尚、同各
図において符号10はエンジンルームの前端上部に横設
配置されたシュラウドアッパーメンバー、11は該シュ
ラウドアッパーメンバー10の下側に横設配置されたク
ロスメンバーである。
【0024】上記ラジエータ装置Zは、後述するラジエ
ータ1とメインファンシュラウド4とアディショナルフ
ァンシュラウド5とを備えている。
【0025】ラジエータ1 上記ラジエータ1は、図1〜図3に示すように、多数の
伝熱管と放熱フィン(図示省略)とを備えた矩形状のラ
ジエータ本体21と、該ラジエータ本体21の上端に設
けられたアッパータンク22と、下端に設けられたロア
タンク23とを備えるとともに、該ロアタンク23の長
手方向の略中央部には水冷式のオイルクーラ12が内蔵
配置されている。尚、図1において、符号35は上記オ
イルクーラ12のオイル入口、36はオイル出口であ
る。
【0026】このラジエータ1は、上記シュラウドアッ
パーメンバー10の直前方位置に立設状態で車幅方向に
横設配置されるとともに、その上部を上記ラジエータ本
体21の左右二位置にそれぞれ配置したブラケット4
9,50を介して上記シュラウドアッパーメンバー10
に支持せしめ、またその下部を上記クロスメンバー11
に支持せしめることで、車体に対してリジットに固定さ
れている。
【0027】また、このラジエータ1の下端、即ち、上
記ロアタンク23の上記エンジン8寄りの端部近傍には
冷却水出口24が設けられるとともに、この冷却水出口
24はロアホース26を介して上記エンジン8の前端部
の近傍に設けた冷却水入口32に接続されている。一
方、上記ラジエータ本体21の上記トランスミッション
9寄りの端部近傍には冷却水入口25が設けられるとと
もに、該冷却水入口25はアッパーホース27を介して
上記エンジン8の後端側の冷却水出口31に接続されて
いる。
【0028】メインファンシュラウド4 メインファンシュラウド4は、冷却容量の大きなメイン
ファン2をメインファンモータ6と共に支持してこれを
上記ラジエータ1の車体後方側の面に近接対向状態で固
定するためのものであって、その中心部にメインファン
2に対応した円形のベルマウスを備えるとともに上記ラ
ジエータ本体21とほぼ同じ高さをもち且つ該ラジエー
タ本体21の幅寸法の略半分の長さの幅寸法をもつ矩形
状に形成されている。そして、このメインファンシュラ
ウド4は、上記ラジエータ1の車体前方から見て右側半
分の領域をカバーする如く該ラジエータ1の背面側(即
ち、エンジン8寄りの面)に配置されるとともに、その
下端に設けた左右一対のボルト締結部51,52を上記
ラジエータ1の下端に設けた左右一対のボルト受部4
1,42に、またその上端に設けた左右一対のボルト締
結部53,54を上記ラジエータ1の上端に設けた左右
一対のボルト受部43,44に、それぞれ固定ボルト6
1,61,・・により締結することで該ラジエータ1側
に固定支持されている。尚、このメインファンシュラウ
ド4は、後述するアディショナルファンシュラウド5と
は異なって、予めラジエータ1に組付けられ、該ラジエ
ータ1ともに一体的に車体側に搭載される。
【0029】アディショナルファンシュラウド5 アディショナルファンシュラウド5は、図1〜図3に示
すように、上記ラジエータ本体21とほぼ同じ高さをも
ち且つ該ラジエータ本体21の幅寸法の略半分の長さの
幅寸法をもつ矩形状に形成されるとともに、その中心部
には円形のベルマウスを備えている。そして、このアデ
ィショナルファンシュラウド5は、その内側にアディシ
ョナルファン3とこれを駆動するアディショナルファン
モータ7とを支持せしめてこれらと一体化されている。
【0030】このアディショナルファン3等と一体化さ
れたアディショナルファンシュラウド5は、上述のよう
に上記メインファン2を取り付けた状態で車体に搭載さ
れた上記ラジエータ1に対して後付けされる。これは、
図1及び図2に示すように、上記ラジエータ1のロアタ
ンク23側の冷却水出口24がアディショナルファンシ
ュラウド5の取付位置の略中心の下方位置に設けられて
いるため、先にアディショナルファンシュラウド5をラ
ジエータ1に組み付けると、該アディショナルファンシ
ュラウド5とその後方側に位置するエンジン8との間隔
が狭く、またこれらの間隔の直上方位置に上記シュラウ
ドアッパーメンバー10が配置されていることもあっ
て、該冷却水出口24と上記エンジン8側の冷却水入口
32とを接続するロアホース26の取付作業ができない
ことになる。このため、アディショナルファンシュラウ
ド5のラジエータ1への組付けは上記ロアホース26の
接続作業が完了した後にするものである。
【0031】尚、このように冷却水出口24をアディシ
ョナルファンシュラウド5の取付位置の略中心の下方位
置に設定したのは、次のような理由による。即ち、ラジ
エータ1の冷却性能を考えれば、その冷却水入口25と
冷却水出口24とを該ラジエータ1の対角位置に配置す
るのが最適であるが、だからと言ってこの冷却水出口2
4をロアタンク23の端部に配置すると、エンジン8の
前端部に設けられる上記冷却水入口32と上記冷却水出
口24との間隔が短くなり、それに伴って上記ロアホー
ス26の長さも短くなる。このロアホース26の長さが
短くなるとそれだけ該ロアホース26が撓み変形しにく
くなるため、上記エンジン8とラジエータ1との間に相
対変位が生じる時にこれを十分に吸収できず、結果的に
該ロアホース26の耐久性が低下することになる。従っ
て、ラジエータ1の冷却性能とロアホース26の耐久性
と勘案して、上記冷却水出口24をロアタンク23の端
部よりも幅方向内側に設定したものである。
【0032】このように、上記アディショナルファンシ
ュラウド5は、後付けにてラジエータ1に取り付けられ
るものであるが、その場合には、車体に取り付けられた
上記ラジエータ1とその後方側に位置する上記エンジン
8との間隔が比較的狭く、また該間隔の直上方に上記シ
ュラウドアッパーメンバー10が配置されていることも
あって、該アディショナルファンシュラウド5をラジエ
ータ1の背面側に配置した後に該アディショナルファン
シュラウド5の下部に手を回してボルト締結するという
ようなことはできない。また、このアディショナルファ
ンシュラウド5は、上述の如くその用途(即ち、要求冷
却容量等)からして上記メインファンシュラウド4ほど
の支持剛性は要求されない。しかし、高い支持剛性は必
要とされないものの、アディショナルファンシュラウド
5の下部もラジエータ1に確実に支持されていることが
必要なことは勿論であって、この下部が非連結状態にあ
ることは許されない。
【0033】このようなアディショナルファンシュラウ
ド5の取り付けについての種々の要求に応えるべく、こ
の実施例のラジエータ装置Zにおいては、このアディシ
ョナルファンシュラウド5の支持に以下に述べるような
特有の構造を採用している。
【0034】即ち、先ず、基本的には、アディショナル
ファンシュラウド5の上部の固定はその上方から容易に
行えるためボルト締結とするとともに、上記メインファ
ンシュラウド4の場合と同様に左右二箇所をボルト締結
することとする。これに対し、アディショナルファンシ
ュラウド5の下部は、該アディショナルファンシュラウ
ド5をラジエータ1とエンジン8との間の透き間に後か
ら差し入れることで係合が完了するピン結合とする。し
かも、この場合には、このピン結合が適正に行われてい
るかどうかを作業者が上方から容易に確認することがで
きるようにして誤組付けの発生を未然に且つ確実に防止
し得るようにする。
【0035】具体的には、上記ラジエータ1の上部(即
ち、上記アッパータンク22)にその幅方向に所定間隔
をもって左右一対のボルト受部45,46を形成すると
ともに、これら各ボルト受部45,46に対応するよう
にして上記アディショナルファンシュラウド5の上部に
左右一対のボルト挿通孔64を備えたボルト締結部5
5,56を設けている。そして、ラジエータ1側の上記
各ボルト受部45,46とアディショナルファンシュラ
ウド5側の各ボルト締結部55,56とをそれぞれ固定
ボルト62により締結することで、該アディショナルフ
ァンシュラウド5の上部をラジエータ1の上部に対して
固定するようにしている。
【0036】これに対して、上記ラジエータ1の下部
(即ち、上記ロアタンク23)の、しかも上記冷却水出
口24の形成位置よりも幅方向外側であって上記一対の
ボルト受部45,46のうちの幅方向外側に位置するボ
ルト受部45のほぼ直下方の位置に、ピン受孔65を備
えたピン受部47を設ける。また、これに対応して、上
記アディショナルファンシュラウド5の下部の、しかも
上記ピン受部47に対応する位置に、ブラケット57を
介して下方に向けて延びる嵌合ピン63を取り付けてい
る。そして、ラジエータ1側のピン受部47のピン受孔
65にブラケット57側の嵌合ピン63を上方から嵌挿
することで該アディショナルファンシュラウド5の下部
をラジエータ1の下部に対して支持せしめるようにして
いる。
【0037】このように構成すると、ラジエータ1を車
体に組付けた状態において該ラジエータ1とその後方側
のエンジン8との間のスペースが比較的狭くても、この
隙間の上方から上記アディショナルファン3等をアセン
ブリしたアディショナルファンシュラウド5を差し入れ
て、その嵌合ピン63を上記ピン受部47のピン受孔6
5に嵌挿させることで該アディショナルファンシュラウ
ド5の下部の固定が完了する。従って、後は、上方から
固定ボルト62,62により該アディショナルファンシ
ュラウド5の上部をラジエータ1の上部に対してボルト
締結すれば良い。このため、アディショナルファンシュ
ラウド5の配置スペースが比較的狭くても容易に該アデ
ィショナルファンシュラウド5を取り付けることがで
き、また該アディショナルファンシュラウド5の下部に
おけるボルト締結が不要である分だけ組付け作業性が向
上するものである。
【0038】ところが、アディショナルファンシュラウ
ド5の下部における上記嵌合ピン63のピン受部47へ
の嵌挿状態を作業者が上方から目視にて確認することは
困難であることから、場合によっては上記嵌合ピン63
が横方向にズレてアディショナルファンシュラウド5の
下部が非連結状態となったまま、その上部のみをボルト
締結するということも起こり得る。
【0039】しかし、この実施例のものにおいては、上
述のように、上記ピン受部47の形成位置を上記一対の
ボルト受部45,46のうちの一方側のボルト受部45
の直下方位置(換言すれば、アディショナルファンシュ
ラウド5側の嵌合ピン63の配置位置を一対のボルト締
結部55,56のうちの一方のボルト締結部55の直下
方位置)に設定していることから、該嵌合ピン63の位
置ズレを容易に作業者が認知することができる。
【0040】即ち、図4に示すように、アディショナル
ファンシュラウド5の下部に一つの嵌合ピン63を設け
る場合、通常は同図に符号70で示すように幅方向の略
中央位置に嵌合ピン70を設けるが、この実施例におい
てはこれと異なって符号63で示すように幅方向の中央
から側方に偏位させて一方のボルト締結部55の直下方
位置に嵌合ピン63を設けている。従って、前者の場合
における嵌合ピン70とボルト締結部55との直線間隔
はLbであり、後者の場合における嵌合ピン63とボル
ト締結部55との直線間隔はLaであり、Lb>Laと
なる。
【0041】ここで、アディショナルファンシュラウド
5の幅方向の略中央に嵌合ピン70を設けた場合と、こ
の実施例のようにボルト締結部55の直下方に嵌合ピン
63を設けた場合の双方について、該嵌合ピン70及び
嵌合ピン63が横方向に寸法L0だけズレた場合におけ
るアディショナルファンシュラウド5の上部の傾斜状態
を比較する。先ず嵌合ピン70の場合には、これが寸法
0だけ横にズレた場合、該嵌合ピン70とボルト締結
部55とを結ぶ直線は角度θ2だけ傾斜する。これに対
して、この実施例における嵌合ピン63の場合には、同
様に横方向へL0だけズレた場合、該嵌合ピン63とボ
ルト締結部55とを結ぶ直線は角度θ1だけ傾斜する。
そして、この角度θ1と角度θ2の間においては、上記直
線間隔La<Lbであることから、θ1>θ2となる。従
って、嵌合ピン70の場合と嵌合ピン63の場合との間
においては、アディショナルファンシュラウド5の上部
の他のボルト締結部56の位置における傾斜量(上下変
位量)に、(L1−L2)の差が生じる。即ち、この実施
例の如く嵌合ピン63を一対のボルト受部45,46の
うちのボルト受部45の直下方位置に偏位させて設ける
ことで、該嵌合ピン63に位置ズレが生じた場合にはア
ディショナルファンシュラウド5の上部により大きな傾
斜が生じることから、作業者はこのアディショナルファ
ンシュラウド5の上部の傾斜状態を目視することで容易
に且つ確実に上記嵌合ピン63の嵌挿状態の適否を認知
することができる。従って、嵌合ピン63が位置ズレし
てアディショナルファンシュラウド5の下部が非連結状
態となっているのにも拘わらずその上部のみをボルト締
結するというような誤組付けは生じず、該アディショナ
ルファンシュラウド5の組付け作業における信頼性が格
段に向上するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例にかかるラジエータ装置の正
面図である。
【図2】図1のII-II矢視図である。
【図3】図1に示したラジエータとアディショナルファ
ンシュラウドの分解斜視図である。
【図4】アディショナルファンシュラウドのラジエータ
側への組付作業状態説明図である。
【符号の説明】
1はラジエータ、2はメインファン、3はアディショナ
ルファン、4はメインファンシュラウド、5はアディシ
ョナルファンシュラウド、6はメインファンモータ、7
はアディショナルファンモータ、8はエンジン、9はト
ランスミッション、10はシュラウドアッパーメンバ
ー、11はクロスメンバー、12はオイルクーラ、21
はラジエータ本体、22はアッパータンク、23はロア
タンク、24は冷却水出口、25は冷却水入口、26は
ロアホース、27はアッパーホース31は冷却水出口、
32は冷却水入口、35はオイル入口、36はオイル出
口、41〜46はボルト受部、47はピン受部、49及
び50はブラケット、51〜56はボルト締結部、57
はブラケット、61は固定ボルト、62は固定ボルト、
63は嵌合ピン、64はボルト挿通孔、65はピン受孔
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−93927(JP,A) 実開 昭52−113129(JP,U) 実開 昭61−181821(JP,U) 実開 平3−78921(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01P 11/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通風面を上下方向に向けた状態で立設配
    置されたラジエータと、アディショナルファンを支持し
    且つ上記ラジエータの一側に近接対向状態で配置される
    アディショナルファンシュラウドとを備えるとともに、
    上記ラジエータの上部にはボルト受部が、下部にはピン
    受部がそれぞれ形成され、また上記アディショナルファ
    ンシュラウドの上部には上記ラジエータのボルト受部に
    対応してボルト締結部が、下部には上記ラジエータのピ
    ン受部に対応して下方へ延びる嵌合ピンがそれぞれ形成
    され、上記ピン受部に上記嵌合ピンを嵌合させるととも
    に、上記ボルト締結部を固定ボルトにより上記ボルト受
    部に締結することで上記アディショナルファンシュラウ
    ドを上記ラジエータに固定するようにしたエンジンのラ
    ジエータ装置であって、 上記ラジエータのボルト受部は該ラジエータの通風面に
    沿う左右方向に所定間隔をもって一対設けられる一方、
    上記ピン受部はこれが単一とされ且つ上記一対のボルト
    受部の通風面に沿う左右方向の中間位置よりもいずれか
    一方のボルト受部側に偏った位置に設けられていること
    を特徴とするエンジンのラジエータ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記ラジエータには
    メインファンを支持したメインファンシュラウドが上記
    ラジエータの上部及び下部を共に固定ボルトにより締結
    された状態で取り付けられており、上記アディショナル
    ファンシュラウドは、上記メインファンシュラウドを取
    り付けた状態で車両に搭載された上記ラジエータに対し
    て取り付けられることを特徴とするエンジンのラジエー
    タ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、上記ラジエー
    タの下部に設けられる冷却水出口が上記アディショナル
    ファンシュラウドの下方で且つその左右方向の中間に位
    置せしめられるとともに、上記ピン受部は上記冷却水出
    口に対して上記幅方向へ偏った位置に配置されているこ
    とを特徴とするエンジンのラジエータ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、その後端側にトラン
    スミッションが連結されたエンジンがその軸方向を車幅
    方向へ向けた状態で車体に搭載されており、上記メイン
    ファンシュラウドと上記アディショナルファンシュラウ
    ドとは、上記ラジエータに対して、該アディショナルフ
    ァンシュラウドを上記エンジンの前端側に位置せしめた
    状態で車幅方向に併置されていることを特徴とするエン
    ジンのラジエータ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、上記ラジエータの下
    部にオイルクーラが内蔵配置されていることを特徴とす
    るエンジンのラジエータ装置。
  6. 【請求項6】 請求項1,2又は3において、上記ラジ
    エータの下部に設けられる上記ピン受部が、該ラジエー
    タの上部に設けられる一対の上記ボルト受部のいずれか
    一方のボルト受部の下方に位置せしめられていることを
    特徴とするエンジンのラジエータ装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、上記ラジエータ上部
    に設けられた一対のボルト受部を結ぶ直線と、上記ピン
    受部と上記一方のボルト受部とを結ぶ直線との交差角が
    略直角とされていることを特徴とするエンジンのラジエ
    ータ装置。
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