JP3473041B2 - 塗布装置および塗布方法 - Google Patents

塗布装置および塗布方法

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JP3473041B2
JP3473041B2 JP08078093A JP8078093A JP3473041B2 JP 3473041 B2 JP3473041 B2 JP 3473041B2 JP 08078093 A JP08078093 A JP 08078093A JP 8078093 A JP8078093 A JP 8078093A JP 3473041 B2 JP3473041 B2 JP 3473041B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばOリング、Dリ
ング、ガスケットなどの各種環状シール部材に、粘着防
止用塗料などの各種塗料を塗布するための塗布装置およ
び塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Oリング、Dリング、ガスケットなどの
環状シール部材は、例えば図17に示すような配管8,
9の継手部10に広く用いられている。このような環状
シール部材1を疲労劣化や耐薬品劣化などの諸原因によ
り定期的に交換する場合には、継手10を分解して交換
作業を行うが(図17に二点鎖線で示す)、環状シール
部材1の交換作業性を考慮すれば、この環状シール部材
1は継手9側に付着して残っていることが好ましいとい
える。そこで、環状シール部材の粘着性を故意に低下さ
せて継手8側への粘着力を弱め、継手10を分解したと
きは必ず継手9側に残るように、環状シール部材1の特
定部位に粘着防止用塗料を塗布することが行われてい
る。
【0003】例えば、図17に示す継手10に用いられ
る環状シール部材1がOリングであれば、図18に示す
ようにリング1の片側の表面に粘着防止用塗料を塗布
し、またDリングであれば、図19に示すように塗布
し、この塗膜11が形成された面が図17に示す継手8
側に接触するようにリング1をセットする。このように
すれば、継手10を分解しても継手8側に対するリング
1の粘着力は極めて小さく、継手9側に対するリング1
の粘着力の方が大きいので、常に継手9側に付着した状
態で取り外されることになる。従来、この種の粘着防止
用塗料は、スプレー塗装によって上述した環状シール部
材1に塗布されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のスプ
レー塗装方法およびスプレー塗装装置は、以下のような
諸問題を有していた。
【0005】(1)エアーにより液体塗料を霧化した状
態で、この噴霧塗料を被塗物に吹き付ける塗装方法であ
るため、塗着効率が極めて低い。特に、被塗物が小さい
とと着効率の低下が顕著となる。
【0006】(2)噴霧塗料が周囲に飛散して作業環境
を悪化させるだけでなく、防火対策のための特別な設備
(例えば給排気装置や消火装置など)が必要となり、設
備投資などコスト的に不利である。
【0007】(3)Oリング、Dリングなどのような湾
曲面を有する被塗物にスプレー塗装を行う場合、湾曲面
全体にわたって膜厚を均一にすることは極めて困難であ
り、このような膜厚の不均一により粘着力の防止効果が
得られないおそれがある。
【0008】(4)環状シール部材は、圧縮された状態
で使用されることから粘着防止用塗料の塗布範囲はシー
ル部材の頂点から起算して所定距離(以下、この距離を
「塗布高さ」という)以上必要となり、また、シール部
材としてのシール性や粘着防止効果への影響を考慮して
膜厚を所定範囲内で管理することもきわめて重要である
にも拘らず、スプレー塗装で「塗布高さ」と「膜厚」の
品質管理を行うことはきわめて困難である。そのため、
粘着防止用塗料の膜厚が厚すぎるとシール部材のシール
性が低下し、逆に薄すぎると粘着防止効果が低下してシ
ール部材の交換作業性が低下するおそれがあった。
【0009】(5)上記「塗布高さ」と「膜厚」は、塗
布を終了した被塗物を切断して、断面を顕微鏡などを用
いて観察することにより検査していたため、いわゆる抜
取り検査しか実施することができなかった。したがっ
て、全数検査方法に比べると塗布高さや膜厚の品質保証
が不十分であった。
【0010】(6)塗布を行って塗料を乾燥させたのち
でなければ上述した破壊検査を行うことができないた
め、塗装品質の良否判別は必然的に塗装工程を終了した
後となる。したがって、不良品は廃棄するしか方策はな
く、しかも、塗装条件に不良の原因があったとしても、
それをフィードバックするまで長時間を要し、結果的に
不良品を多数生産してしまうおそれがあった。
【0011】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、塗着効率を向上させるとと
もに作業環境を改善し、低コストで均一な塗膜を得るこ
とを第1の目的とし、塗布された塗膜の塗布領域および
膜厚を全数検査しながら、検査結果を即座にフィードバ
ックすることを第2の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の塗布装置は、環状シール部材を固定すると
共に非塗布面をマスキングするスピンドルと、 前記ス
ピンドルに固定された環状シール部材の塗布面に対して
所定の隙間を形成して、前記スピンドルと摺接しながら
前記隙間に塗料を導くコーティングブロックと、 この
コーティングブロックを前記スピンドルに対して近接離
反移動させるアクチュエータと、 前記スピンドルと前
記コーティングブロックとを相対的に回転させる回転駆
動手段とを有することを特徴としている。
【0013】前記コーティングブロックと前記環状シー
ル部材とで形成される隙間の一方に、該隙間が前記環状
シール部材の塗布面で終塞する接触部を形成し、前記隙
間の他方に、該隙間の断面積が増加する拡大部を形成す
ることが好ましい。また、前記隙間の接触部は前記環状
シール部材の内周側に、前記拡大部は前記環状シール部
材の外周側に形成することが好ましい。
【0014】前記スピンドルに固定された環状シール部
材の高さ方向の所定位置に、塗布面と非塗布面とを判別
する検出手段を設けることもできる。
【0015】上記目的を達成するために、本発明の塗布
方法は、環状シール部材の非塗布面をマスキングした後
に、非接触の状態で環状シール部材の塗布面に液状塗料
を導き、塗布面と液状塗料とを相対的に定速で移動させ
ながら、かつ、液状塗料の供給流量を所定の値に維持し
ながら、所定量を複数回に分けて塗り重ねることを特徴
としている。
【0016】
【作用】環状シール部材の特定部位にのみ塗料を塗布す
る場合、本発明の塗布方法では、非塗布面をマスキング
した後に、非接触の状態で塗布面に液状塗料を導き、塗
布面と液状塗料とを相対的に定速で移動させながら、か
つ、液状塗料の供給量を所定の値に維持しながら、複数
回塗り重ねる。
【0017】具体的に本発明の塗布装置では、環状シー
ル部材をスピンドルに固定して非塗布面をマスキング
し、アクチュエータによりコーティングブロックをスピ
ンドルに接触させる。これにより、コーティングブロッ
クと環状シール部材の塗布面との間に所定の隙間が形成
される。この状態から、回転駆動手段によりスピンドル
とコーティングブロックとを相対的に回転させながら、
前述した隙間に塗料を導く。
【0018】かかる本発明の塗布方法および塗布装置に
おいては、塗料を液状のまま所定の供給量で塗布面に導
くため、供給された塗料はほとんど全て塗布面に付着す
ることになり、塗着効率が極めて高い。しかも、塗布塗
料が周囲に飛散しないので作業環境も極めて改善され
る。また、塗布面に少量かつ一定量の塗料を供給しなが
ら複数回塗り重ねるので、塗膜が除々に形成されて行
き、最終的に形成される塗膜の膜厚や塗膜幅が均一にな
る。
【0019】加えて、以下のような作用も司る。すなわ
ち、本発明者が探求したところによれば、塗布高さが小
さくなるような塗布を施すと所定の塗布高さにおける膜
厚が厚くなり、逆に塗布高さが大きくなるような塗布を
施すと所定の塗布高さにおける膜厚が薄くなる(図14
参照)。つまり、所定の塗布高さにおける膜厚は塗布高
さに相関し、その結果、膜厚を直接的に測定しなくとも
塗布高さを測定することにより、塗布高さだけでなく膜
厚をも品質管理することができる。
【0020】この理解に基づいて、本発明では、コーテ
ィングブロックと環状シール部材とで形成される隙間の
一方に、該隙間が環状シール部材の塗布面で終塞する接
触部を形成し、これに対して、この隙間の他方に、該隙
間の断面積が増加する拡大部を形成している。
【0021】これにより、環状シール部材の高さが製造
ばらつきなどの要因によって変動しても、隙間容量の変
動は拡大部のみに現われ、この拡大部の容量を大きく設
定しておけば塗布高さの変動を吸収して抑制することが
できる。その結果、膜厚範囲を一定範囲内に維持するこ
とが可能となる。
【0022】また、接触部を環状シール部材の内周側に
形成し、拡大部を環状シール部材の外周側に形成すれ
ば、拡大部の断面積が同一であっても外周側の方が容量
が大きいので吸収許容量が大きくなり、膜厚の均一性に
対して効果的である。
【0023】さらに、図14に示すように所定の塗布高
さにおける膜厚は塗布高さに相関することから、スピン
ドルに固定された環状シール部材の高さ方向の所定位置
に、塗布面と非塗布面とを判別する検出手段を設け、塗
布高さの良否を判定すれば、破壊検査を行うことなく塗
布高さと膜厚との品質管理を実施することが可能とな
る。
【0024】また、所定の塗布高さにおける膜厚は塗布
高さに相関すること、換言すれば、目的とする膜厚に達
したかどうかは塗布高さによって間接的に判定すること
ができることから、規格膜厚に応じた塗布高さ位置に検
出手段を配置しておき、この検出手段を利用して塗料の
供給を停止すれば、円周方向に対しても均一な膜厚を有
する環状シール部材を得ることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例(第1実施例〜第3実
施例)を添付図面に基づいて説明する。第1実施例 まず最初に、図1から図3を参照して本発明の第1実施
例に係る環状シール部材の塗布装置について説明する。
図1は本発明の第1実施例に係る塗布装置の全体を示す
断面図、図2(A)は同実施例のコーティングブロック
とスピンドルを示す拡大断面図、図2(B)は図2
(A)のA−A線に沿う断面図、図3(A)は同実施例
の環状シール部材とコーティングブロックを示す平面
図、図3(B)は図3(A)のB−B線に沿う断面図、
図3(C)は図3(A)のC−C線に沿う断面図であ
る。
【0026】本実施例に係る塗布装置は、基台12を有
しており、この基台12に軸受13を介してスピンドル
3が回動自在に支持されている。スピンドル3は、上下
3a,3bに2分割されてボルト14などの締結手段に
より結合されており、スピンドル3aの上面には被塗物
である環状シール部材1(例えば、Oリング、Dリン
グ、ガスケットなど)をセットする環状凹部15が形成
されている。
【0027】この環状凹部15は、環状シール部材1を
固定するだけでなく、後述する塗料の非塗布面2をマス
キングする機能も果たしている。したがって、塗布面4
が本実施例の如く上半分でない場合には、その非塗布面
2に応じた環状凹部15の形状を設定する必要がある。
【0028】スピンドル3には、環状凹部15に連通す
る通路16が形成されており、この通路16は真空ポン
プなどの負圧源17に接続されている。環状凹部15に
連通する通路16の先端(上スピンドル3aに穿設され
る通孔18)は、円周方向にある間隔をもって穿設され
た孔により構成されているが、この孔18の数などは環
状シール部材1の吸引力などを考慮して決定すれば良
い。
【0029】なお、「19」は自在継手であって、スピ
ンドル3が基台12に対して回転する場合に、負圧源1
7に接続される配管20とスピンドル3との相対的な回
転を許容するものである。
【0030】上述したスピンドル3は基台12に取り付
けられたモータ21により回転し、歯車機構22などの
伝達手段を介してスピンドル3の回転軸3cに伝達され
る。これら軸受13、モータ21および歯車機構22が
本発明の回転駆動手段を構成している。なお、図示はし
ないが、モータ21とスピンドルの回転軸3cとの間に
減速機構などを設けても良い。
【0031】スピンドル3の上部には流体シリンダ6な
どから構成されるアクチュエータがブラケット23を介
して取り付けられており、ロッド24の先端にコーティ
ングブロック5が取り付けられている。流体シリンダ6
には、図示しない流体源から圧力流体(例えばエアー)
が供給され、これによりコーティングブロック5はスピ
ンドル3の上面に接触する位置と、スピンドル3から離
反して環状シール部材1をスピンドル3に取り付け/取
り外しする位置との間を進退移動できるようになってい
る。
【0032】図2(A)(B)および図3(A)(B)
(C)に本実施例に係るコーティングブロックの具体的
構造を示す。本実施例のコーティングブロック5は基本
的に直方体状に形成され、下面にはスピンドル3との摺
接面5aが形成されているが、環状シール部材1との干
渉を回避するために下面の中央には凹部5bが形成され
ている。この凹部5bは、環状シール部材1との干渉を
防止するだけでなく、環状シール部材1との間に隙間S
を形成することにより、この隙間Sに塗料Pを導いて所
望の膜厚・塗膜幅で塗膜を形成する機能を司る。
【0033】すなわち、図2(B)に示すNの範囲だけ
環状シール部材1との隙間をdとし、その他の範囲を傾
斜面5cとして、この傾斜面5cに塗料供給孔25から
塗料Pを案内する。これにより、凹部5bと環状シール
部材1の表面(塗布面4)との間に形成される空間全体
に塗料溜り部26が形成されることになり、隙間dに形
成された部分によって膜厚・塗膜幅の均一化が達成でき
る。
【0034】なお、図2(A)に示す「27」の隙間は
省略することもできる。また、図3(A)(B)(C)
に示すように、スピンドル3が回転した場合に、コーテ
ィングブロック5と環状シール部材1との干渉を避ける
ために、凹部5bの後端側は若干拡径するように形成し
ておくことが好ましい。上述したコーティングブロック
5には、塗料供給孔25が形成されており、図示しない
塗料供給源から塗料ホース28を介して、シリコン系塗
料(粘着防止用塗料)が所望の量、所望の流量で供給さ
れるようになっている。
【0035】次に、上述した環状シール部材の塗布装置
を用いて粘着防止用塗料を塗布する方法について説明す
る。図4(A)は本発明の一実施例に係る塗布方法を示
す断面図、図4(B)は同じく平面図、図5は同実施例
の塗布方法における塗り重ねの状態を説明する平面図、
図6は同実施例の塗布方法における塗布終了点の状態を
説明する平面図である。
【0036】環状シール部材1の上半分にのみ塗料Pを
塗布する場合、まず環状シール部材1をスピンドル3の
環状凹部15にセットして、真空ポンプなどの負圧源1
7を作動させる。この吸引力により環状シール部材1は
スピンドル3の環状凹部15に吸着され固定されると同
時に、非塗布面2である下半分がマスキングされること
になる。
【0037】次に、流体シリンダ6を作動させてコーテ
ィングブロック5をスピンドル3に接触させる。これに
より、コーティングブロック5と環状シール部材1の塗
布面4との間に所定の隙間Sが形成され、かつ接触部5
eが環状シール部材1に接触することになる。この状態
からモータ21を作動させてスピンドル3を回転させな
がら、塗料供給源から一定量を一定流量で塗料ホース2
8および塗料供給孔25を介して前述した隙間Sに塗料
Pを導く。
【0038】このときの塗膜の形成メカニズムは以下の
ようになる。すなわち、図4(A)(B)に示すよう
に、環状シール部材1に対してコーティングブロック5
が最初の1周目を回転するとき、形成される塗膜の塗布
流量Q 2 は、膜厚をt、スピンドルの回転速度をV、塗
膜幅をLとしたときに、 Q2 =t・L・V で表わされる。
【0039】したがって、この1周目においては、塗料
の供給流量Q1 と塗布流量との関係如何で塗膜幅Lが決
定される。つまり、塗布開始直後では、供給された塗料
の一部は塗布面4に供給されるが、残りの供給塗料は塗
布面4とコーティングブロック5との隙間S、すなわち
塗料溜り部26に貯留される。そして、塗膜幅を除々に
広げながらQ1 −Q2 の値を小さくするように塗膜形成
が進んで行く。これが図4(B)に示す塗膜幅拡大区間
である。さらにスピンドル3が回転すると、Q1 =Q2
となり塗膜幅の拡大が終了して塗膜幅Lが一定となる。
これが図4(B)に示す塗膜幅一定区間である。
【0040】これに対して、コーティングブロック5が
2周目を回転するときは、供給流量が一定のQ1 である
ため、1周目の塗布流量Q2 が加わる結果、供給流量Q
1 +Q2 で塗布するのと同様になる。このとき、Q1
2 であるので、塗膜幅一定区間における2周目の塗膜
幅は、図5に示すように、L+L=2Lとなる。以下、
同様にn周目の塗膜幅はnLとなる。
【0041】ところで、塗布始点に形成される塗膜幅拡
大区間においては、図6に示す平面視においてΔLの段
差30が生じる。本実施例では、この段差30を極力小
さくするために塗膜幅L自体を小さくする方法を採用し
ている。すなわち、最終的に形成すべき塗膜幅に対して
極力少量の塗料供給量で塗布を行い、複数回塗り重ねる
ことにより、つまり、塗膜幅を決定するnLのnの値を
大きくすることにより、段差ΔLを小さくしている。
【0042】しかも、本実施例では、塗布を終了する位
置を考慮することにより上述した段差ΔLを極力小さく
している。例えば、コーティングブロック5が1周目の
塗布始点を僅かに越えた位置まで回転し、この位置でコ
ーティングブロック5が上昇しても、図6の上半分に示
すように、段差ΔLの発生は免れない。一方、コーティ
ングブロック5が1周目の塗布始点で上昇すると、図6
の下半分に示すように、塗膜が形成されない部位29が
生じてしまう。
【0043】そこで、本実施例では、コーティングブロ
ック5が1周目の塗布始点に到達する僅か手前で塗料の
供給を停止し、この状態でスピンドル3をさらに回転さ
せるようにしている。これにより、塗料溜り部26に貯
留された塗料が塗り重ねられるが、この塗り重ねられる
塗料は除々に減少して行くので、段差ΔLを極力小さく
することができる。具体的には、塗料の供給を開始する
スピンドル3の回転角度を記憶しておき、あるいは、常
に同じ回転角度の位置で塗料を供給するように構成し、
塗布を終了する場合はこの回転角度を検出しながら塗料
の供給を停止させる。なお、この点についての具体的手
法は、第3実施例にて説明する。
【0044】このように本実施例の塗布装置では、塗料
を液状のまま所定の供給量で塗布面に導くため、供給さ
れた塗料Pはほとんど全て塗布面4に付着することにな
り、塗着効率が極めて向上する。しかも、スプレー塗装
のように噴霧塗料が周囲に飛散しないので作業環境も極
めて改善される。その結果、給排気ブースや消火設備な
どの高価な設備投資を低減することができる。
【0045】また、塗布面に少量かつ一定量の塗料を供
給しながら複数回塗り重ねる塗布方法であるため、塗膜
が除々に形成されて行き、最終的に形成される塗膜の膜
厚や塗膜幅が均一になる。さらに、塗布高さと膜厚との
相関関係に着目し、この塗布高さの変動を抑制すること
により膜厚の均一化を図ることができる。
【0046】第2実施例 次に、本発明の第2実施例について説明する。図7は本
発明の第2実施例に係る塗布装置を示す断面図、図8
(A)は同実施例のコーティングブロックとスピンドル
を示す拡大断面図、図8(B)は図8(A)のA−A線
に沿う断面図、図9(A)は同実施例の環状シール部材
とコーティングブロックを示す平面図、図9(B)は図
9(A)のB−B線に沿う断面図、図9(C)は図9
(A)のC−C線に沿う断面図である。
【0047】また、図10は同実施例に対する比較例
(第1実施例)を示す断面図であって、環状シール部材
と隙間との関係を示す断面図、図11は図7に示す第2
実施例において、隙間の相違による塗布状況の相違を示
す断面図、図12は図10に示す比較例(第1実施例)
において、膜厚の分布状況を説明する断面図、図13は
図10に示す比較例(第1実施例)において、膜厚の分
布状況を説明するグラフ、図14は図10に示す比較例
(第1実施例)において、塗布高さに対する特定位置の
膜厚の関係を示すグラフである。
【0048】なお、以下においては、上述した第1実施
例と共通する部材には同一の符号を付すことによりその
説明を一部省略し、相違する構成等を説明する。
【0049】第2実施例では、所定の塗布高さの範囲に
おける膜厚の均一性を確保するためにコーティングブロ
ック5と環状シール部材1との隙間Sを以下の構成とし
ている。すなわち、コーティングブロック5と環状シー
ル部材1とで形成される隙間Sの一方に、該隙間Sが環
状シール部材1の塗布面4で終塞する接触部5eを形成
し、これに対して、この隙間Sの他方に、該隙間Sの断
面積が増加する拡大部5dを形成している。しかも、こ
の接触部5eは環状シール部材1の内周側に形成し、拡
大部5dは環状シール部材1の外周側に形成している。
【0050】このような構成を採用したのは、以下の理
由による。コーティングブロック5を用いて環状シール
部材1に粘着防止用塗料を塗布しようと着想したとき、
本発明者は、当初図10に示すコーティングブロック
(第1実施例)を発明した。このコーティングブロック
5は、既述したように、基台3の環状凹部15に装着さ
れた環状シール部材1と一定の隙間Sを形成するように
凹部5bが形成されており、この隙間Sを利用して、重
力と表面張力との釣合によって一定量の粘着防止用塗料
を環状シール部材1の塗布面4に供給しようとするもの
である。
【0051】しかしながら、コーティングブロック5と
基台3との位置関係の精度が優れていても、環状シール
部材1の成形寸法にばらつきがあると、図10に示すよ
うに、環状シール部材1の頂点とコーティングブロック
の凹部5bとの隙間寸法が狭くなったり、広くなったり
する。例えば、図10に示す具体例で説明すれば、環状
シール部材1の高さ寸法が±0.05mm変動すると、
隙間Sが0.1〜0.2の範囲で変動し、そのため、環
状シール部材1で構成される範囲Bの隙間容量は、環状
シール部材1の半径R=1.5mmとして、約60mm
3 も変動してしまう。
【0052】そのため、実際に塗布された環状シール部
材1の膜厚は、図12および図13に示すように、頂点
近傍が薄膜で、塗布面4の両端部が厚膜となる傾向が強
かった。
【0053】粘着防止用塗膜は、厚膜に塗布されると環
状シール部材の本来のシール性に悪影響を与え、逆に薄
膜に塗布されると粘着防止効果が得られない。しかも、
環状シール部材は圧縮された状態で使用されることか
ら、一定の塗布高さの範囲(例えば、図12において、
塗布高さ0〜1mmの範囲)を決められた範囲の膜厚
(例えば、5〜30μm)で管理する必要がある。とこ
ろが、図12および図13に示すような膜厚分布となる
と、30μm以上の厚膜部分が塗布高さ0〜1mmの範
囲に位置するおそれがあり、そうなると環状シール部材
のシール性に悪影響を与える可能性がある。
【0054】そこで、本発明者は、環状シール部材とし
てDリングを用い、塗布高さ1mmの点の膜厚を計測・
検討した結果、この塗布高さ1mmの膜厚は、塗布高さ
に対して相関係数が高いことを見い出した。図14は塗
布高さを種々に変動させて塗膜を形成した環状シール部
材の塗布高さ1mmの点における膜厚を計測した結果を
示すグラフである。
【0055】この結果から、塗布高さが小さくなるよう
な塗布を施すと塗布高さ1mmの点における膜厚が厚く
なって30μmより厚膜になり、逆に塗布高さが大きく
なるような塗布を施すと塗布高さ1mmの点における膜
厚が薄くなることが理解される。
【0056】この結果に基づいて、本実施例では、コー
ティングブロック5と環状シール部材1とで形成される
隙間Sの一方に、該隙間Sが環状シール部材1の塗布面
4で終塞する接触部5eを形成し、これに対して、この
隙間Sの他方に、該隙間Sの断面積が増加する拡大部5
dを形成している。したがって、環状シール部材1の高
さが製造ばらつきなどの要因によって変動しても、隙間
容量の変動は拡大部5dのみに現われ、この拡大部5d
の容量を大きく設定しておけば塗布高さの変動を吸収し
て、膜厚の変動を抑制することができる。
【0057】すなわち、図11に示すように、環状シー
ル部材の高さが低い場合において塗布高さが膜厚30μ
m以下となる値に設定しておき、拡大部5dの形状を径
方向に1mm、高さ方向に0.5mmとすれば、隙間S
の変動0.1〜0.2mmにともなう塗料の変動60m
3 を吸収することができる。つまり、環状シール部材
の高さが±0.05mm変動しても塗布高さの変動を
0.5mmに抑制することができ、その結果、膜厚範囲
を5〜30μmとすることができる。
【0058】本発明における接触部5eと拡大部5dは
何れに位置してもよいが、本実施例のように接触部5e
を環状シール部材1の内周側に形成し、拡大部5dを環
状シール部材1の外周側に形成すれば、拡大部の断面積
が同一であっても外周側の方が容量が大きいので吸収許
容量が大きくなり、効果的であるといえる。
【0059】なお、以上の第2実施例は、記述した第1
実施例と比較して説明したが、これは第1実施例が実用
的でないことを示唆するものではない。すなわち、環状
シール部材の製造バラツキが大きいときには、第2実施
例を採用すれば足りるという趣旨である。
【0060】第3実施例 次に、本発明の第3実施例に係る塗布装置について説明
する。図15は本発明の第3実施例に係る塗布装置を示
す断面図、図16は同実施例の検出手段を示す拡大断面
図である。なお、以下においては、上述した第1実施例
および第2実施例と共通する部材には同一の符号を付す
ことによりその説明を一部省略し、相違する構成等を説
明する。
【0061】本実施例の塗布装置では、基台12に流体
シリンダ31が固定されており、この流体シリンダ31
のシリンダロッド30およびバー32に一対の反射式光
電センサ(検出手段29)29a,29bが取り付けら
れている。そして、流体シリンダ31の作動によってシ
リンダロッド30が進退移動すると、このシリンダロッ
ド30およびバー32に取り付けられた反射式光電セン
サ29a,29bは、図16に示す位置と、この位置か
ら上昇した位置との間を移動する。
【0062】図16に示す位置は、予め設定された特定
の位置であり、所定の膜厚を形成するために最低限必要
となる塗布高さに相当する位置である。例えば、図14
に示す膜厚と塗布高さとの相関関係図において、塗布高
さが1mm部の膜厚を24μmとすると、塗布高さは最
低2mmであることから、この場合には図16に示すh
が2mmとなるように反射式光電センサ29a,29b
の位置を設定する。
【0063】なお、本発明に係る検出手段29として上
述した反射式光電センサ29a,29bを用いた場合に
は、反射式光電センサからの光は環状シール部材1に照
射されるが、この位置が塗布面4であるときは塗料によ
って光が反射し、逆に非塗布面2であるときにはゴムの
色彩によって光が吸収されることから、この反射式光電
センサ29a,29bの感知により塗料が塗布されてい
るかどうかを検出することができる。特に、このように
色差を利用して塗料が塗布されているかどうかを検出す
る場合には、予め塗料に特定の着色顔料を分散させてお
くと検出精度が向上することになる。
【0064】また、検出手段29として色差を利用した
センサにのみ限定されることはなく、レーザ変位計など
のように非接触の状態で距離を測定できるセンサを用い
てもよい。この場合には、環状シール部材1の色彩と塗
料の色彩の色差の制限がなくなるという利点がある。さ
らに、上述した第2実施例の塗布装置に適用する場合に
は、環状シール部材1の外側若しくは内側の何れか一方
のみ(コーティングブロックの拡大部5dが形成されて
いる側)に検出手段29を設ければよい。
【0065】本実施例の塗布装置の検出手段29は、塗
布品質の検査と塗布終了位置の特定に供することができ
る。 〔塗布品質の検査に用いる場合〕コーティングブロック
5によって塗料を環状シール部材1に塗布し、これが終
了すると同時に、環状シール部材1をスピンドル3に載
置したまま、さらにスピンドル3を回転させて反射式光
電センサ29a,29bからの感知信号を制御装置(不
図示)に取り込む。少なくともスピンドル3が1周する
間に反射式光電センサ29a,29bによって未塗布部
分の存在が感知された場合には、例えば続けてスピンド
ル3を回転させながら再塗布を行う。
【0066】このように検出手段29を応用すれば、塗
布膜厚と塗布高さとを非接触で測定できるので、全ての
環状シール部材に対して検査を実行することができ、品
質保証の信頼性がきわめて高まる。これに加えて、塗料
の乾燥前に検査するように構成しているので、仮に不良
と判定された環状シール部材であっても再塗装が可能と
なり、製品歩留まりが向上することになる。さらに、不
良が検出された場合において、その原因が塗装条件であ
るときは即座にフィードバックすることができるので、
その意味においても不良品の発生を低減することができ
る。
【0067】〔塗布終了位置の検出に用いる場合〕この
場合にはレーザ変位計などのようなビーム光を発する検
出手段29を採用することが好ましいが、コーティング
ブロック5によって塗料を環状シール部材1に塗布しな
がら、このレーザ変位計29からの感知信号を制御装置
(不図示)に取り込み、レーザ変位計29が塗料の存在
を確認すると、この検出信号に基づいて塗料の供給を停
止する。
【0068】例えば、塗料を供給するコーティングブロ
ック5とレーザ変位計29の配置位置が180°(すな
わち、対面)の間隔である場合には、レーザ変位計29
が塗料を感知してから、あと半回転だけスピンドルが回
転したときに塗料の供給を打ち切る。この場合、スピン
ドル5の回転角度の制御は、回転速度に応じた時間で行
ってもよいし、スピンドル5の回転角度をロータリエン
コーダなどで直接検出して制御してもよい。また、レー
ザ変位計29をコーティングブロック5と同じ位置に配
設した場合は、レーザ変位計29が塗料を感知すると同
時に塗料の供給を停止すればよい。このように検出手段
29を利用すれば、環状シール部材1の円周方向に対す
る膜厚の均一化がさらに高まることになる。
【0069】なお、本実施例で適用できる検出手段29
はレーザ変位計にのみ限定されず、他の手段を用いるこ
とも可能である。また、検出手段29の配置は、図15
に示す実施例では環状シール部材の内側と外側の2ヵ所
に配置することが好ましく、図7に示す第2実施例に適
用する場合には、コーティングブロックの拡大部5dが
設けられている側(図7においては環状シール部材の外
側)にのみ配置すれば足りる。
【0070】以上説明した実施例は、本発明の理解を容
易にするために記載されたものであって、本発明を限定
するために記載されたものではない。したがって、上記
実施例に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属
する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0071】例えば、環状シール部材の形状は上述した
実施例の如きOリングやDリングにのみ限定されること
なく、種々の形状に適用することが可能である。また、
塗布すべき塗料の種類も粘着防止用塗料にのみ限定され
ず、他の用途に用いられる塗料であっても良い。
【0072】
【発明の効果】本発明の塗布装置および塗布方法は、非
塗布面をマスキングした後に、非接触の状態で塗布面に
液状塗料を導き、塗布面と液状塗料とを相対的に定速で
移動させながら、かつ、液状塗料の供給量を所定の値に
維持しながら、複数回塗り重ねるので、塗着効率が極め
て高くなり、しかも、塗布塗料が周囲に飛散しないので
作業環境も極めて改善される。また、塗布面に少量かつ
一定量の塗料を供給しながら複数回塗り重ねるため、塗
膜が除々に形成されて行き、最終的に形成される塗膜の
膜厚や塗膜幅が均一になる。
【0073】しかも、環状シール部材の高さが製造ばら
つきなどの要因によって変動しても、隙間容量の変動は
拡大部のみに現われ、この拡大部の容量を大きく設定し
ておけば塗布高さの変動を吸収して抑制することができ
る。その結果、膜厚範囲を一定範囲内に維持することが
可能となる。
【0074】また、接触部を環状シール部材の内周側に
形成し、拡大部を環状シール部材の外周側に形成すれ
ば、拡大部の断面積が同一であっても外周側の方が容量
が大きいので吸収許容量が大きくなり、その結果、膜厚
の均一性に対してより一層効果的となる。
【0075】さらに、スピンドルに固定された環状シー
ル部材の塗布面と非塗布面とを判別する検出手段を設け
れば、塗布高さと膜厚とを全ての環状シール部材につき
検査することができ、従来の抜取り破壊検査に比べ品質
保証の信頼性が高まる。また、塗料の乾燥前に塗装品質
の良否判別を行うことができるため不良品が発生しても
再塗装を行うことができる。しかも、塗装条件に不良原
因があれば、それを即座にフィードバックすることがで
きるので、不良品の多発防止が期待できる。これに加え
て、所定の塗布高さに配置された検出手段からの感知信
号を塗料供給の停止信号として利用すれば、上述した断
面方向の膜厚だけでなく、環状シール部材の円周方向に
対する膜厚の均一化も達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る塗布装置を示す断面
図である。
【図2】(A)は同実施例のコーティングブロックとス
ピンドルを示す拡大断面図、(B)は図2(A)のA−
A線に沿う断面図である。
【図3】(A)は同実施例の環状シール部材とコーティ
ングブロックを示す平面図、(B)は図3(A)のB−
B線に沿う断面図、(C)は図3(A)のC−C線に沿
う断面図である。
【図4】(A)は本発明の塗布方法を示す断面図、
(B)は同じく平面図である。
【図5】本発明の塗布方法における塗り重ねの状態を説
明する平面図である。
【図6】本発明の塗布方法における塗布終了点の状態を
説明する平面図である。
【図7】本発明の第2実施例に係る塗布装置を示す断面
図である。
【図8】(A)は同実施例のコーティングブロックとス
ピンドルを示す拡大断面図、(B)は図8(A)のA−
A線に沿う断面図である。
【図9】(A)は同実施例の環状シール部材とコーティ
ングブロックを示す平面図、(B)は図9(A)のB−
B線に沿う断面図、(C)は図9(A)のC−C線に沿
う断面図である。
【図10】同実施例に対する比較例を示す断面図であっ
て、環状シール部材と隙間との関係を示す断面図であ
る。
【図11】図7に示す実施例において、隙間の相違によ
る塗布状況の相違を示す断面図である。
【図12】図10に示す比較例において、膜厚の分布状
況を説明する断面図である。
【図13】図10に示す比較例において、膜厚の分布状
況を説明するグラフである。
【図14】図10に示す比較例において、塗布高さに対
する特定位置の膜厚の関係を示すグラフである。
【図15】本発明の第3実施例に係る塗布装置を示す断
面図である。
【図16】同実施例の検出手段を示す拡大断面図であ
る。
【図17】従来の環状シール部材を適用する配管を示す
断面図である。
【図18】従来の粘着防止用塗膜が形成されたOリング
を示す断面図である。
【図19】従来の粘着防止用塗膜が形成されたDリング
を示す断面図である。
【符号の説明】
1…環状シール部材 2…非塗布面 3…スピンドル 3a…上スピンドル 3b…下スピンドル 3c…回転軸 4…塗布面 5…コーティングブロック 5a…摺接面 5b…凹部 5c…傾斜面 5d…拡大部 5e…接触部 6…流体シリンダ(アクチュエータ) 7…回転駆動手段 8…配管 9…配管 10…継手 11…粘着防止用塗膜 12…基台 13…軸受 14…ボルト 15…環状凹部 16…通路 17…負圧源 18…通孔 19…自在継手 20…配管 21…モータ 22…歯車機構 23…ブラケット 24…ロッド 25…塗料供給孔 26…塗料溜り部 28…塗料ホース 29…検出手段 29a,29b…反射式光電センサ 30…シリンダロッド 31…流体シリンダ 32…バー S…隙間 P…塗料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B05D 7/02 B05D 7/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状シール部材(1)を固定すると共に非
    塗布面(2)をマスキングするスピンドル(3)と、 前記スピンドル(3)に固定された環状シール部材
    (1)の塗布面(4)に対して所定の隙間(S)を形成
    して、前記スピンドル(3)と摺接しながら前記隙間
    (S)に塗料(P)を導くコーティングブロック(5)
    と、 このコーティングブロック(5)を前記スピンドル
    (3)に対して近接離反移動させるアクチュエータ
    (6)と、 前記スピンドル(3)と前記コーティングブロック
    (5)とを相対的に回転させる回転駆動手段(7)とを
    有することを特徴とする塗布装置。
  2. 【請求項2】前記コーティングブロック(5)と前記環
    状シール部材(1)とで形成される隙間(S)の一方に
    は、該隙間(S)が前記環状シール部材の塗布面(4)
    で終塞する接触部(5e)が形成され、前記隙間(S)
    の他方には、該隙間の断面積が増加する拡大部(5d)
    が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の塗
    布装置。
  3. 【請求項3】前記隙間(S)の接触部(5e)は前記環
    状シール部材(1)の内周側に、前記拡大部(5d)は
    前記環状シール部材(1)の外周側に形成されているこ
    とを特徴とする請求項2に記載の塗布装置。
  4. 【請求項4】前記スピンドル(3)に固定された環状シ
    ール部材(1)の高さ方向の所定位置(h)に設けら
    れ、塗布面(4)と非塗布面(2)とを判別する検出手
    段(29)を有することを特徴とする請求項1から3の
    何れかに記載の塗布装置。
  5. 【請求項5】環状シール部材(1)の非塗布面(2)を
    マスキングした後に、非接触の状態で前記環状シール部
    材(1)の塗布面(4)に液状塗料(P)を導き、前記
    塗布面(4)と液状塗料(P)とを相対的に定速で移動
    させながら、かつ、液状塗料(P)の供給流量を所定の
    値に維持しながら、所定量を複数回に分けて塗り重ねる
    ことを特徴とする塗布方法。
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