JP3472890B2 - 医療用ポリマー及び医療用補綴物 - Google Patents
医療用ポリマー及び医療用補綴物Info
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- JP3472890B2 JP3472890B2 JP23583094A JP23583094A JP3472890B2 JP 3472890 B2 JP3472890 B2 JP 3472890B2 JP 23583094 A JP23583094 A JP 23583094A JP 23583094 A JP23583094 A JP 23583094A JP 3472890 B2 JP3472890 B2 JP 3472890B2
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- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Materials For Medical Uses (AREA)
- Dental Preparations (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、型内に熱可塑性樹脂を
充填して成形する医療用補綴物およびその原材料または
材料となる医療用ポリマーに関する。
充填して成形する医療用補綴物およびその原材料または
材料となる医療用ポリマーに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来より、人工歯、人工歯冠、有床義歯
や人工骨、あるいは義肢の装着部、人工関節などの医療
用補綴物を熱可塑性樹脂により成形することが知られて
いる。これはフラスコ内に形成された石膏型により射出
成形やトランスファ成形する方法やシート状の熱可塑性
樹脂を遠赤外線等で加熱しながら重ね合わせ、これを上
下石膏型で圧縮して成形する圧縮成形法等が知られてお
り、例えば同出願人が提案した特公昭５７−２０３２号
公報などで開示されている。また金型により成型する方
法が知られており、特開昭５１−６３５９１号公報など
で開示されている。この種の医療用補綴物においては、
石膏型内や金型内に熱可塑性樹脂を種々の方法で充填し
て成形品を得るものであるが、これらのものは熱可塑性
樹脂の硬度不足に起因して、医療用補綴物に所望の硬度
を得ることが難しいという問題があり、所望の硬度を得
るために、成形された補綴物の表面に硬化膜を塗布形成
することが従来より行なわれている。
や人工骨、あるいは義肢の装着部、人工関節などの医療
用補綴物を熱可塑性樹脂により成形することが知られて
いる。これはフラスコ内に形成された石膏型により射出
成形やトランスファ成形する方法やシート状の熱可塑性
樹脂を遠赤外線等で加熱しながら重ね合わせ、これを上
下石膏型で圧縮して成形する圧縮成形法等が知られてお
り、例えば同出願人が提案した特公昭５７−２０３２号
公報などで開示されている。また金型により成型する方
法が知られており、特開昭５１−６３５９１号公報など
で開示されている。この種の医療用補綴物においては、
石膏型内や金型内に熱可塑性樹脂を種々の方法で充填し
て成形品を得るものであるが、これらのものは熱可塑性
樹脂の硬度不足に起因して、医療用補綴物に所望の硬度
を得ることが難しいという問題があり、所望の硬度を得
るために、成形された補綴物の表面に硬化膜を塗布形成
することが従来より行なわれている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のよう
に、補綴物の表面に硬化膜を塗布形成するものは、手作
業で塗布するから生産性が低いという問題があるととも
に、例えば人工歯などの補綴物では、使用中に硬化膜が
剥離するという問題があった。ところで、工業界におい
ては、放射線照射による樹脂の改質が行われており、例
えば放射線の照射により改質されたポリマー製品が特開
平５−３２７０５号公報で提案され、また放射線の照射
により改質された粉体が特開平５−８５７１５号公報で
提案されている。しかし、前者のものは、モノマーを十
分に重合させるため放射線を２回照射するものであり、
後者のものは、粉体にポリシラン化合物を塗布し、塗布
された化合物に放射線を照射して重合・改質を行うもの
であり、いずれも放射線による重合を目的としたもので
あるため、これらの技術を適用しても上記課題を解消す
ることはできなかった。
に、補綴物の表面に硬化膜を塗布形成するものは、手作
業で塗布するから生産性が低いという問題があるととも
に、例えば人工歯などの補綴物では、使用中に硬化膜が
剥離するという問題があった。ところで、工業界におい
ては、放射線照射による樹脂の改質が行われており、例
えば放射線の照射により改質されたポリマー製品が特開
平５−３２７０５号公報で提案され、また放射線の照射
により改質された粉体が特開平５−８５７１５号公報で
提案されている。しかし、前者のものは、モノマーを十
分に重合させるため放射線を２回照射するものであり、
後者のものは、粉体にポリシラン化合物を塗布し、塗布
された化合物に放射線を照射して重合・改質を行うもの
であり、いずれも放射線による重合を目的としたもので
あるため、これらの技術を適用しても上記課題を解消す
ることはできなかった。
【０００４】そこで本発明は、所望の硬度を有し剥離の
心配がなく生産性も高い医療用ポリマー及び医療用補綴
物を提供することを目的とする。
心配がなく生産性も高い医療用ポリマー及び医療用補綴
物を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の医療用ポリマーは、医療用補綴物を成形する
ために型内に充填される熱可塑性樹脂の原材料であるポ
リマーを０．００１Ｇｙ乃至５ＭＧｙの放射線照射によ
り架橋改質したものである。また、本発明の医療用ポリ
マーは、医療用補綴物を成形するために型内に充填され
る熱可塑性樹脂の着色処理された材料であるポリマーを
０．００１Ｇｙ乃至５ＭＧｙの放射線照射により架橋改
質したものである。また、本発明の医療用補綴物は、型
内に熱可塑性樹脂を充填して成形される医療用補綴物を
０．００１Ｇｙ乃至５ＭＧｙの放射線照射により架橋改
質したものである。
の本発明の医療用ポリマーは、医療用補綴物を成形する
ために型内に充填される熱可塑性樹脂の原材料であるポ
リマーを０．００１Ｇｙ乃至５ＭＧｙの放射線照射によ
り架橋改質したものである。また、本発明の医療用ポリ
マーは、医療用補綴物を成形するために型内に充填され
る熱可塑性樹脂の着色処理された材料であるポリマーを
０．００１Ｇｙ乃至５ＭＧｙの放射線照射により架橋改
質したものである。また、本発明の医療用補綴物は、型
内に熱可塑性樹脂を充填して成形される医療用補綴物を
０．００１Ｇｙ乃至５ＭＧｙの放射線照射により架橋改
質したものである。
【０００６】この発明で用いられる熱可塑性樹脂として
は、ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂、フッ
ソ樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、スチロール樹
脂などが例示されるがこれに限定されることはなく、ポ
リマ−アロイ化した樹脂、複合化した樹脂でもよい。ま
た、この発明で用いられる放射線としては、Ｘ線、コバ
ルト６０などによるγ線、電子線、中性子線あるいは重
陽子線やα線などの重粒子線、またはイオン加速器から
の加速されたイオンが例示される。また、この発明でい
う医療用ポリマーとは、着色前の透明または半透明な原
材料をいう。また、この発明でいう医療用ポリマーと
は、前記原材料を着色処理または着色および複合化処理
した材料をいう。この発明でいう医療用補綴物とは、前
記熱可塑性樹脂を用いて石膏型や金型を介し射出成形機
やトランスファ成形機あるいは圧縮成形機などで成形し
たものをいう。また、上記医療用ポリマー又は医療用補
綴物は、空気中、または真空中や不活性ガス雰囲気中に
おいて、そのポリマー，補綴物の溶融点以下の高温状態
で、放射線を照射することが好ましい。
は、ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂、フッ
ソ樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、スチロール樹
脂などが例示されるがこれに限定されることはなく、ポ
リマ−アロイ化した樹脂、複合化した樹脂でもよい。ま
た、この発明で用いられる放射線としては、Ｘ線、コバ
ルト６０などによるγ線、電子線、中性子線あるいは重
陽子線やα線などの重粒子線、またはイオン加速器から
の加速されたイオンが例示される。また、この発明でい
う医療用ポリマーとは、着色前の透明または半透明な原
材料をいう。また、この発明でいう医療用ポリマーと
は、前記原材料を着色処理または着色および複合化処理
した材料をいう。この発明でいう医療用補綴物とは、前
記熱可塑性樹脂を用いて石膏型や金型を介し射出成形機
やトランスファ成形機あるいは圧縮成形機などで成形し
たものをいう。また、上記医療用ポリマー又は医療用補
綴物は、空気中、または真空中や不活性ガス雰囲気中に
おいて、そのポリマー，補綴物の溶融点以下の高温状態
で、放射線を照射することが好ましい。
【０００７】
【作用】医療用ポリマーあるいは医療用補綴物に０．０
０１Ｇｙ乃至５ＭＧｙの放射線を照射することにより、
これらが架橋改質され、表面硬度の向上した医療用補綴
物が得られる。医療用補綴物は硬化膜を塗布する必要が
ないから剥離の心配もなく、また放射線は多量のポリマ
ーまたは補綴物に同時に照射できるから生産性も向上す
る。
０１Ｇｙ乃至５ＭＧｙの放射線を照射することにより、
これらが架橋改質され、表面硬度の向上した医療用補綴
物が得られる。医療用補綴物は硬化膜を塗布する必要が
ないから剥離の心配もなく、また放射線は多量のポリマ
ーまたは補綴物に同時に照射できるから生産性も向上す
る。
【０００８】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照して
説明する。図１は医療用補綴物を成形するために型内に
充填される熱可塑性樹脂の原材料として用いる医療用ポ
リマー１が放射線源２からの放射線照射により架橋改質
されている状態を示している。図２は医療用補綴物を成
形するために型内に充填される熱可塑性樹脂の着色処理
された材料として用いる医療用ポリマー３が放射線照射
により架橋改質されている状態を示している。図３は型
内に熱可塑性樹脂を充填して成形される医療用補綴物で
ある人工歯４が放射線照射により架橋改質されている状
態を示している。図４は型内に熱可塑性樹脂を充填して
成形される医療用補綴物である人工骨５が放射線照射に
より架橋改質されている状態を示している。上記各図に
適用する架橋改質例を述べるならば実施例１として、ポ
リカーボネート樹脂からなる医療用ポリマー又は医療用
補綴物に０．００１Ｇｙ乃至２ＭＧｙ、好ましくは０．
５ＫＧｙ乃至０．５ＭＧｙのγ線を照射したところ、医
療用ポリマー又は医療用補綴物のロックウエル硬度が６
０％向上するとともに表面硬度がＨから４Ｈまで高めら
れた。この場合の照射温度は、室温乃至１６０℃、好ま
しくは１００℃乃至１３０℃である。実施例２として、
ポリカーボネート樹脂からなる医療用ポリマー又は医療
用補綴物に０．００１Ｇｙ乃至２ＭＧｙ、好ましくは
０．５ＫＧｙ乃至０．３ＭＧｙの電子線を照射したとこ
ろ、医療用ポリマー又は医療用補綴物のロックウエル硬
度が１７％向上するとともに表面硬度がＨから３Ｈまで
高められた。この場合の照射温度は室温乃至１５０℃、
好ましくは８０℃乃至１３０℃である。実施例３とし
て、ポリサルフォン樹脂からなる医療用ポリマー又は医
療用補綴物に０．００１Ｇｙ乃至５ＭＧｙ、好ましくは
０．５ＫＧｙ乃至３ＭＧｙの電子線を照射したところ、
医療用ポリマー又は医療用補綴物のロックウエル硬度が
３３％向上するとともに表面硬度がＨから３Ｈまで高め
られた。この場合の照射温度は室温乃至２５０℃、好ま
しくは１００℃乃至２２０℃である。放射線の吸収線量
は０．００１Ｇｙより小さいと硬度を高めるという効果
が得られ難く、５ＭＧｙより大きいと医療用ポリマー又
は医療用補綴物が破壊される虞を有する。なお本発明は
上記実施例に限定されるものではなく本発明の要旨の範
囲内において種々の変形実施が可能である。例えば熱可
塑性樹脂や医療用補綴物の種類、あるいは医療用ポリマ
ーの形状等は種々のものに適用できる。
説明する。図１は医療用補綴物を成形するために型内に
充填される熱可塑性樹脂の原材料として用いる医療用ポ
リマー１が放射線源２からの放射線照射により架橋改質
されている状態を示している。図２は医療用補綴物を成
形するために型内に充填される熱可塑性樹脂の着色処理
された材料として用いる医療用ポリマー３が放射線照射
により架橋改質されている状態を示している。図３は型
内に熱可塑性樹脂を充填して成形される医療用補綴物で
ある人工歯４が放射線照射により架橋改質されている状
態を示している。図４は型内に熱可塑性樹脂を充填して
成形される医療用補綴物である人工骨５が放射線照射に
より架橋改質されている状態を示している。上記各図に
適用する架橋改質例を述べるならば実施例１として、ポ
リカーボネート樹脂からなる医療用ポリマー又は医療用
補綴物に０．００１Ｇｙ乃至２ＭＧｙ、好ましくは０．
５ＫＧｙ乃至０．５ＭＧｙのγ線を照射したところ、医
療用ポリマー又は医療用補綴物のロックウエル硬度が６
０％向上するとともに表面硬度がＨから４Ｈまで高めら
れた。この場合の照射温度は、室温乃至１６０℃、好ま
しくは１００℃乃至１３０℃である。実施例２として、
ポリカーボネート樹脂からなる医療用ポリマー又は医療
用補綴物に０．００１Ｇｙ乃至２ＭＧｙ、好ましくは
０．５ＫＧｙ乃至０．３ＭＧｙの電子線を照射したとこ
ろ、医療用ポリマー又は医療用補綴物のロックウエル硬
度が１７％向上するとともに表面硬度がＨから３Ｈまで
高められた。この場合の照射温度は室温乃至１５０℃、
好ましくは８０℃乃至１３０℃である。実施例３とし
て、ポリサルフォン樹脂からなる医療用ポリマー又は医
療用補綴物に０．００１Ｇｙ乃至５ＭＧｙ、好ましくは
０．５ＫＧｙ乃至３ＭＧｙの電子線を照射したところ、
医療用ポリマー又は医療用補綴物のロックウエル硬度が
３３％向上するとともに表面硬度がＨから３Ｈまで高め
られた。この場合の照射温度は室温乃至２５０℃、好ま
しくは１００℃乃至２２０℃である。放射線の吸収線量
は０．００１Ｇｙより小さいと硬度を高めるという効果
が得られ難く、５ＭＧｙより大きいと医療用ポリマー又
は医療用補綴物が破壊される虞を有する。なお本発明は
上記実施例に限定されるものではなく本発明の要旨の範
囲内において種々の変形実施が可能である。例えば熱可
塑性樹脂や医療用補綴物の種類、あるいは医療用ポリマ
ーの形状等は種々のものに適用できる。
【０００９】
【考案の効果】本発明は医療用ポリマーあるいは医療用
補綴物に０．００１Ｇｙ乃至５ＭＧｙの放射線を照射す
ることにより、これらが架橋改質され、表面硬度の向上
した医療用補綴物が得られ剥離の心配もない。
補綴物に０．００１Ｇｙ乃至５ＭＧｙの放射線を照射す
ることにより、これらが架橋改質され、表面硬度の向上
した医療用補綴物が得られ剥離の心配もない。
【図１】医療用ポリマーに放射線照射した状態を示す概
略説明図である。
略説明図である。
【図２】医療用ポリマーに放射線照射した状態を示す概
略説明図である。
略説明図である。
【図３】人工歯に放射線照射した状態を示す概略説明図
である。
である。
【図４】人工骨に放射線照射した状態を示す概略説明図
である。
である。
１，３ 医療用ポリマー
４ 人工歯（医療用補綴物）
５ 人工骨（医療用補綴物）
Claims (3)
- 【請求項１】 医療用補綴物を成形するために型内に充
填される熱可塑性樹脂の原材料として用いる医療用ポリ
マーにおいて、ポリマーが０．００１Ｇｙ乃至５ＭＧｙ
の放射線照射により架橋改質されていることを特徴とす
る医療用ポリマー。 - 【請求項２】 医療用補綴物を成形するために型内に充
填される熱可塑性樹脂の着色処理された材料として用い
る医療用ポリマーにおいて、ポリマーが０．００１Ｇｙ
乃至５ＭＧｙの放射線照射により架橋改質されているこ
とを特徴とする医療用ポリマー。 - 【請求項３】 型内に熱可塑性樹脂を充填して成形され
る医療用補綴物において、補綴物が０．００１Ｇｙ乃至
５ＭＧｙの放射線照射により架橋改質されていることを
特徴とする医療用補綴物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23583094A JP3472890B2 (ja) | 1993-10-26 | 1994-08-23 | 医療用ポリマー及び医療用補綴物 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5-303208 | 1993-10-26 | ||
| JP30320893 | 1993-10-26 | ||
| JP23583094A JP3472890B2 (ja) | 1993-10-26 | 1994-08-23 | 医療用ポリマー及び医療用補綴物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07173402A JPH07173402A (ja) | 1995-07-11 |
| JP3472890B2 true JP3472890B2 (ja) | 2003-12-02 |
Family
ID=26532353
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23583094A Expired - Lifetime JP3472890B2 (ja) | 1993-10-26 | 1994-08-23 | 医療用ポリマー及び医療用補綴物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3472890B2 (ja) |
-
1994
- 1994-08-23 JP JP23583094A patent/JP3472890B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07173402A (ja) | 1995-07-11 |
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