JP3472645B2 - ノルボルネン系樹脂成形品の塗装方法 - Google Patents

ノルボルネン系樹脂成形品の塗装方法

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はノルボルネン系樹脂成形
品の塗装方法に関する。本発明の塗装方法によって形成
された塗膜は、良好な一次密着性および二次密着性を示
す。 【0002】 【従来の技術】ノルボルネン系単量体の反応射出成形
(RIM)により得られたノルボルネン系樹脂成形品
は、成形直後では、塗装に際し塗膜がのり難いことが一
般に知られている。また、一方では、本発明者らの知見
によれば、RIMによるノルボルネン系樹脂成形品は、
長期間日光の照射を受けると、やはり耐久性のよい塗膜
を形成することは困難となる。その塗膜は、一次密着性
(通常の大気中の雰囲気下での塗装耐久性)にも問題が
あるが、特に二次密着性(温水中または高温・高湿度の
雰囲気下での塗装耐久性)に問題がある。 【0003】そのため、通常はサンディングにより表面
を削った後に塗装をするが、削りカスが粉となるため、
エアーパージなどにより粉の除去処理を行わねばならな
い。しかも、除去処理の際に手垢などが微量でも付着す
ると塗膜剥離の原因となるため、表面を洗剤で洗浄した
り、アルコールなどの溶媒で拭いて脱脂する。次いで、
必要に応じてサーフェーサやプライマーなどで下塗りを
した後に、塗装が行われる。このようなサンディングは
粉体の除去などの後処理も含めてかなり効率が悪い。従
って、サンディングを行わない塗装方法が検討された。
しかしながら、塗膜の一次密着性が不十分であったり、
良好な一次密着性を有しても二次密着性に問題があっ
た。 【0004】特開昭63−278583号公報には、ノ
ルボルネン系単量体の反応射出成形品の表面に、二液硬
化型ポリウレタンサフェサーを塗布することが開示され
ている。この二液硬化型ポリウレタンサフェサーは、ポ
リオール溶液とイソシアネート溶液の二液を混合して塗
布することにより、ポリオールとイソシアネートを反応
させて硬化させる塗料である。しかしながら、このサフ
ェサーを用いても、成形直後や、長時間の日光照射を受
けた後で塗装した場合は、塗膜の一次密着性、二次密着
性ともに不十分であった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来の技術にみられる問題点を解決し、反応射
出成形により得られたノルボルネン系樹脂成形品に、一
次密着性および二次密着性ともに良好な塗膜を形成する
ことができる塗装方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の目的は、ノルボル
ネン系単量体の反応射出成形品の表面で(A)親水性基
を有するポリウレタンの水性分散液と(B)該親水性基
と反応する基を2つ以上有する液状化合物を反応させて
塗膜を形成することを特徴とするノルボルネン系樹脂成
形品の塗装方法によって達成される。 【0007】以下、本発明に係るノルボルネン系樹脂の
塗装方法について詳細に説明する。本発明において用い
られる被塗装成形品は、ノルボルネン系単量体の反応射
出成形によって成形されたノルボルネン系樹脂成形品で
ある。この成形品は、反応射出成形に際して、芯材を用
い、その外周をノルボルネン系樹脂で被覆するように製
造したものを含む。 【0008】ノルボルネン系樹脂を得るために用いられ
るノルボルネン系モノマーは、ノルボルネン環を有する
シクロオレフィンであって、その代表例としては、ジシ
クロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、テ
トラシクロドデセン、トリシクロペンタジエンなどが挙
げられる。これらのモノマーを反応射出成形によって塊
状重合するには、メタセシス触媒と活性剤が用いられ
る。 【0009】塊状重合において用いられるメタセシス触
媒は、六塩化タングステンや、トリドデシルアンモニウ
ムモリブデート、トリ(トリデシル)アンモニウムモリ
ブデートなどの有機モリブデン酸アンモニウム塩などの
ノルボルネン系モノマーの塊状重合用触媒として公知の
メタセシス触媒が用いられるが、これらのうち、有機モ
リブデン酸アンモニウム塩が特に好ましい。 【0010】メタセシス触媒の使用量は、使用するモノ
マー1モルに対し、通常、0.01ミリモル以上、好ま
しくは0.1ミリモル以上、50ミリモル以下、好まし
くは20ミリモル以下である。メタセシス触媒の使用量
が少なすぎると重合活性が低すぎて反応に時間がかかる
ため生産効率が悪く、使用量が多すぎると反応が激しす
ぎるため金型内に十分に充填される前に硬化したり、触
媒が析出しやすくなり反応原液を均質に保存することな
どが困難になる。メタセシス触媒は、通常、モノマーに
溶解して用いるが、反応射出成形により得られる成形品
の性質を本質的に損なわない範囲であれば、少量の溶剤
に懸濁または溶解させたうえで、モノマーと混合するこ
とにより、析出しにくくしたり、溶解性を高めて用いて
もよい。 【0011】塊状重合において用いられる活性剤として
は、エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニ
ウムクロリドなどのアルキルアルミニウムハライド、こ
れらのアルコキシアルキルアルミニウムハライド、有機
スズ化合物などが挙げられる。 【0012】活性剤の使用量は、特に限定されないが、
通常使用するメタセシス触媒1モルに対して、1〜10
モルである。活性剤の使用量が少なすぎると重合活性が
低すぎて反応に時間がかかるため生産効率が悪く、使用
量が多すぎると反応が激しすぎるため金型内に十分に充
填される前に硬化することがある。活性剤も、モノマー
に溶解して用いるが、反応射出成形法により形成される
補強構造部材の性質を本質的に損なわない範囲であれ
ば、少量の溶剤に懸濁または溶解させたうえで、モノマ
ーと混合することにより、析出し難くしたり、溶解性を
高めて用いてもよい。 【0013】また、ノルボルネン系樹脂はエラストマー
で改良することができる。エラストマーで改質するに
は、エラストマーの存在下で塊状重合すればよい。改質
に用いられるエラストマーとしては、例えば、ポリブタ
ジエン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ス
チレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SB
S)、ポリイソプレン、スチレン−イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン
−ジエンターポリマー(EPDM)などを挙げることが
できる。 【0014】エラストマーの配合割合は、ノルボルネン
系モノマー100重量部に対して、1〜20重量部、好
ましくは2〜15重量部である。エラストマーの配合割
合が少ないと、可撓性が低下する。逆に、エラストマー
の配合割合が多すぎると、ガラス転位温度が低下し、か
つ、強度が低下するので好ましくない。反応射出成形の
前準備として、ノルボルネン系モノマー、メタセシス触
媒および活性剤を主材とする反応射出成形用材料をノル
ボルネン系モノマーとメタセシス触媒とよりなる液と、
ノルボルネン系モノマーと活性剤とよりなる液との安定
な2液に分けて別の容器に入れておく。この2液を混合
し、金型内に射出して、塊状重合させる。 【0015】反応射出成形に用いる金型は、必ずしも剛
性の高い高価な金型である必要はなく、金属製金型に限
らず、樹脂製金型、または単なる型枠を用いることがで
きる。ノルボルネン系樹脂の反応射出成形は、低粘度の
反応液を用い、比較的低温低圧で成形できるためであ
る。金型内は不活性ガスでシールし、重合反応に用いる
成分類は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で貯蔵し、
かつ操作することが好ましい。 【0016】金型温度は、好ましくは、10〜150
℃、より好ましくは、30〜120℃、さらに好ましく
は、50〜100℃である。金型温度が低すぎると重合
反応速度が遅くなり効率が悪く、高すぎると樹脂が炭化
することがある。金型圧力は通常0.1〜100kg/
cm2 の範囲で行うのが通常である。重合終了時間は、
反応原液の各成分の種類や濃度を調整することができ、
適宜選択することができるが、通常、反応液の注入終了
後、30秒〜20分、好ましくは、1〜5分である。重
合終了時間が短すぎる反応液を用いると、金型の隅々ま
で反応液が充填される前に反応液の粘度が高くなり、成
形性が悪くなる。重合終了時間が長すぎる反応液を用い
ると時間効率が悪い。また、得られる樹脂の物性は単量
体などを選択することにより調整できるが、一般には、
成形品の機械的強度を高める点から、熱変形温度が10
0℃以上、破断時伸びが10〜100%にすることが好
ましい。 【0017】反応射出成形において芯材を用いる場合
は、金型内に芯材を固定しておき、樹脂で被覆する。特
に、金属製の芯材または金属製の部分を有する芯材を用
いる場合は、錆などによる周囲の汚染を防止するため
に、金属部分が表面に露出しないように反応射出成形に
よる樹脂で金属部分の表面全体を被覆することが好まし
い。 【0018】本発明の塗装方法においては、反応射出成
形品の表面で、硬化型ポリウレタン系塗料、すなわち、
(A)親水性基を有するポリウレタンの水性分散液(以
下、(A)液という)と(B)該親水性基と反応する基
を2つ以上有する液状化合物溶液(以下、(B)液とい
う)とからなる混合物を反応させて塗膜を形成させる。
(A)液に含有されるポリウレタンは、2官能以上のイ
ソシアネートまたはそのようなイソシアネートのプレポ
リマーと、ポリオールとの反応によって得られる樹脂で
あって親水性基を有するものである。 【0019】本発明に用いる2官能以上のイソシアネー
トとしては、特に限定されず、2,4−トルエンジイソ
シアネートなどの芳香族イソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネートなどの脂環式イソシアネートな
どのうち2官能以上のものが例示される。これらの中で
は黄変しない点で脂肪族イソシアネートが好ましく、ま
た、(A)液がゲル化しにくく、(A)液と(B)液と
が混合しやすく、混合液を反応射出成形品表面に塗布し
やすい点で、2官能のものが好ましい。イソシアネート
はプレポリマー化して使用してもよい。プレポリマーと
しては、2〜5分子程度のイソシアネートが結合してい
るものが好ましい。分子数が多すぎるプレポリマーを多
用すると粘度が高く、ポリオールと反応させにくいとい
う問題を生じる場合がある。 【0020】本発明に用いるポリオールも特に限定され
ず、通常、ポリメリックポリオールが用いられる。ま
た、ポリオールとしては、水酸基価が10〜300のも
のが好ましく、15〜110のものがより好ましい。さ
らに、数平均分子量500〜10,000程度のものが
好ましく、1,000〜7,000程度のものがより好
ましい。 【0021】ポリメリックポリオールとしては、ポリカ
プロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール
などのポリエステルポリオールをはじめ、アクリルポリ
オール、水酸基含有ビニルポリマー、エポキシポリオー
ル、主鎖にエーテル結合を有するポリエーテルポリオー
ル;主鎖または側鎖に二重結合を有する水酸基末端ポリ
共役ジエン;などを例示することができる。これらの中
では、塗膜の耐候性に優れる点で、アクリルポリオール
を多く用いることが好ましい。なお、本発明において用
いるポリウレタンは親水性基を有するものである。その
ようなポリウレタンを得るためには、通常、親水性基を
導入したポリオールをイソシアネート成分との反応に用
いる。なお、ポリオールの有する水酸基はイソシアネー
トとの反応に消費されるため、生成するポリウレタン中
に実質的に残存することはなく、予めポリオールに導入
せしめた親水性基のみがポリウレタン中に残る。ここで
親水性基は、特に限定されるものではないが、イソシア
ネートと殆ど反応しない点でカルボキシル基およびエポ
キシ基が好ましく、最も一般的である。これらの親水性
基を導入したポリオールとしては、例えば、重合時にア
クリル酸、メタクリル酸、グリシジルメタクリレートな
どをコモノマーとして共重合したポリメリックポリオー
ルなどが挙げられる。 【0022】ポリウレタンを得るには、ポリオールの水
酸基当量1に対してイソシアネートを0.5当量以上2
当量以下、好ましくは約1当量反応させる。反応には、
特に溶媒などを必要としないが、イソシアネートに対し
て不活性な有機溶媒中で反応を行ってもよい。本発明で
用いるポリウレタンは、親水性基を1〜15重量%含有
したものが好ましく、2〜7重量%含有したものがより
好ましい。親水性基の量が少なすぎると塗装後の塗膜が
強度に問題を有し、多すぎると塗膜の弾性が低く割れや
すいという問題を有する。なお、ここで親水性基の量を
算出するに際しては、例えば、酸を導入した場合にはカ
ルボキシル基をベースとし、また、グリシジルメタクリ
レートのようなエポキシ化合物を導入した場合にはグリ
シジル基ではなくエポキシ基をベースとして算出する。 【0023】本発明においては、このポリウレタンを水
系溶剤に分散させて水性分散液としたものを(A)液と
して用いる。ここで水性分散液とは、ポリウレタンが粒
状となって水系溶剤中に分散したものを指し、通常ポリ
ウレタンが0.1〜2μm程度の粒径の水性デイスパー
ジョンと2〜10μm程度の粒径の水性エマルジョンと
に分けられるが、本発明で用いる水性分散液はいずれで
あってもよい。水性分散液の調製に用いる水系溶剤とし
ては、水ならびに、主成分、すなわち50重量%以上、
好ましくは70重量%以上が水であり、残りの溶剤が、
メタノール、エタノールなどの水溶性アルコール、アセ
トン、メチルエチルケトンなどの水溶性ケトン類などの
水溶性有機溶剤である混合溶剤が例示される。有機溶剤
のみを用いたり、水の量が少なすぎると、反応射出成形
品の状態によっては、塗膜が剥離しやすくなる場合があ
る。 【0024】本発明においては、反応射出成形品表面上
で(A)液中の親水性基を有するポリウレタンと(B)
液の親水性基と反応する基を2つ以上有する化合物を反
応させて硬化し、塗膜を形成する。(B)液の化合物
は、(A)液中のポリウレタンと反応することにより、
塗膜の強度を高め、塗膜の密着性と耐久性を向上させ
る。 【0025】(B)液の化合物が有する親水性基と反応
する基も特に限定されないが、通常、反応性の高さか
ら、親水性基がカルボキシル基の場合は、エポキシ基、
またはアミノ基であり、親水基がエポキシ基の場合は、
カルボキシル基またはアミノ基が挙げられる。(B)液
の化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールジ
グリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールグリシジ
ルエーテル、トリメチロールプロペンポリグリシジルエ
ーテルなどのエポキシ基を2つ以上有する化合物;ヘキ
サメチレンジアミンなどのアミノ基を2つ以上有する化
合物;ピメリン酸、マレイン酸、シュウ酸などのカルボ
キシル基を2つ以上有する化合物などが例示される。 【0026】本発明においては、(A)液と(B)液を
均一に塗装するために、希釈剤を用いて粘度を下げるこ
とができる。用いる希釈剤は(A)液の水系溶剤と混和
し得るものであるが、実際に(A)液の水系溶剤とは同
一のものでも異なるものでもよい。希釈剤は(A)液お
よび/または(B)液に加えてもよく、第三の液、
(C)液として用いてもよい。 【0027】なお、硬化時間を短縮させるために、硬化
促進剤を併用することが好ましい。硬化促進剤として
は、例えば、イミダゾール、トリエタノールアミンなど
の第三アミン類;テトラエチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチルドデシルアンモニウムクロライドなどの
第四級アミン塩類;などが例示される。硬化促進剤の使
用量は、硬化促進剤の種類および(A)液中のポリウレ
タンの種類に依存して変るが、通常、(A)溶液中のポ
リウレタン100重量部に対し、20重量部以下用い
る。硬化促進剤が多すぎると塗膜の弾性が低下し、脆
く、割れ易くなる。 【0028】硬化促進剤を併用する方法としては、
(B)液または(C)液に含有させる方法、ならびに第
四の液、(D)液として硬化促進剤を水系溶剤に溶解ま
たは分散させて用いる方法がある。ただし、(A)液中
のポリウレタンと反応して硬化する場合があるので、塗
装の操作を開始する前に(A)液と硬化促進剤は混合し
ないようにする。 【0029】本発明においては、(A)液と(B)液が
所定の比率で混合されて反応し、反応射出成形品表面に
塗膜を形成する。一方を先に塗布し、他方をその後塗布
する方法もあるが、均一な塗膜を形成するのが困難な場
合があるので、予め、(A)液と(B)液、さらに必要
に応じて希釈剤である(C)液、硬化促進剤である
(D)液を混合した後、塗布すればよい。(A)液と
(B)液の反応の完了には硬化促進剤を使用しても通常
2時間以上かかるので、塗布直前に各液を混合すれば、
塗布が完了する前に硬化することはないのが通常であ
る。 【0030】ポリウレタンの種類および反応性基含有化
合物の種類によって、(A)液と(B)液の混合割合が
決まるが、(A)液中のポリウレタン100重量部に対
し、(B)液の化合物が1〜100重量部、好ましくは
30〜80重量部を混合するのが一般的である。(A)
液および/または(B)液には、必要に応じ、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、コロイダルシリカまたは体質顔料
などを加えることができる。また、顔料分散剤、消泡
剤、レベリング剤、粘度調整剤などの塗料用添加剤を加
えることにより、プライマー、サフェーサーとしての機
能を付与させることが可能である。また、各液の組合せ
は着色顔料を加えることにより1コート1ベーク塗装可
能な二液型塗料としての機能も付与させることができ
る。自動車外装部品のさらに非常に厳しい外観を要求さ
れる場合は、該二液型塗料をプライマー、サフェーサー
下塗り塗料として使用し、その後ポリウレタン系、ポリ
エステル系、アクリル系、エポキシ系塗料などを塗装す
る2コート2ベーク塗装も可能であり、必要に応じ3コ
ート以上の塗装を行うことも可能である。 【0031】本発明の塗装方法においては、塗装に先立
って成形品表面を脱脂処理することが望ましい。脱脂は
確実な塗膜の密着性を確保するために必要であり、特に
塗装前に行うことが望ましい。脱脂処理するには、手垢
などの油分を溶解し、反応射出成形品表面が膨潤しない
溶媒を含有せしめたウエスなどで成形品表面を拭くなど
の方法が採られる。使用される溶媒としては、例えば、
アルコール類(イソプロピルアルコールが最も好まし
い。ほかにエタノール、メタノールなどでもよい)、炭
化水素(ヘキサン、ヘプタン、オクタンなど)、エーテ
ル、酢酸エチルなどが挙げられる。また、常温水、温水
および水に洗浄剤などを添加したもので脱脂処理を行う
ことも可能である。 【0032】本発明の塗装方法において、塗装時期は特
に限定されるものではなく、反応射出成形品を成形直後
に直ちに塗装を施しても良く、また成形品を屋内に10
日以上、特に3か月以上保管した後に塗装を施しても良
い。さらに、屋外の日光に曝される環境下に1週間以
上、特に3か月以上放置した後に塗装を施しても良好な
密着性を有する塗膜が得られる。すなわち、従来公知の
塗装方法や処理方法に従えば、成形直後や成形後長時間
経過した成形品を塗装した場合は十分な密着性を有する
塗膜を得ることはできないが、本発明の塗装方法によれ
ば、塗装時期にかかわりなく成形品と強固に密着した塗
膜が得られ、塗装の効果が大きく発現する。以下、実施
例および比較例について本発明の塗装方法を具体的に説
明する。 【0033】〔反応射出成形によるノルボルネン系樹脂
成形品の製造〕ジシクロペンタジエン85重量%と、テ
トラシクロドデセン15重量%からなるモノマー混合物
を用い、これにスチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体(クレイトン1170、シェル社製)5重量
%とフェノール系酸化防止剤(イルガノックス101
0、チバガイギー社製)1重量%を溶解させ、得られた
液を2つの容器に入れ、一方にはモノマーに対しジエチ
ルアルミニウムクロリドを40ミリモル濃度、n−プロ
パノールを44ミリモル濃度、四塩化ケイ素を20ミリ
モル濃度となるように添加した(反応液A)。他方に
は、モノマーに対しトリ(トリデシル)アンモニウムモ
リブデートを10ミリモル濃度となるように添加した
(反応液B)。これら反応液AおよびBは1:1(体積
比)で混合し、直ちに、70℃に保温された金型中へ窒
素雰囲気下に注入圧力2.0kgf/cm2 で注入し
た。3分後に金型から取出し、300mm×300mm
×5mmの平板状成形品(テストピース)を得た。 【0034】実施例1、2および比較例1 反応射出成形後、各テストピースは、表1に示す条件の
保管の後に、エアパージを行い、さらにイソプロピルア
ルコールを含浸したウエスで拭いて脱脂処理を行い、次
いで、下記組成を有する塗料(A)および(B)をスプ
レーガンにて塗装した。 塗料(A)(水系サフェーサー) (a)カルボキシル基含有ポリウレタン水分散液(カルボキシル基含有量3 〜3.4重量%のポリウレタンを固形分濃度50〜51重量%となるように水に 分散させたもの、ミクニペイント製 #1221 P) 100重量部 (b)硬化剤(ポリエポキサイド;ミクニペイント製 #1221 D) 20重量部 (c)希釈剤(水70重量部+エタノール30重量部) 25重量部 (d)硬化促進剤(三級アミン;ミクニペイント製 #1221 R) 8重量部 塗料(B)(非水系塗料) (a)ポリウレタン(ミクニペイント製 NY ポリデュールエナメル) 40重量部 (b)硬化剤(ミクニペイント製 D10−446) 10重量部 (c)希釈剤(有機溶剤;ミクニペイント製 シンナー#210FB) 20重量部 実施例1では塗料(A)を1コート1ベーク塗装し、実
施例2では塗料(A)と塗料(B)を用い2コート2ベ
ーク塗装し、比較例1では塗料(B)を1コート1ベー
ク塗装した。1コート1ベークの場合は、上塗りを塗布
後室温で10分間セッティングを行い、次いで80℃×
30分の強制乾燥を行った。2コート2ベークの場合
は、下塗り塗布後室温で10分間セッティングを行い、
次いで80℃×30分の強制乾燥を行った。室温で30
分間冷却後、1コート1ベークと同様塗装乾燥を行っ
た。塗装完了後のテストピースは常温で48時間放置
後、塗装テストピースを40℃の温水中に96時間浸漬
した。その後、JIS K−5400の方法に従って碁
盤目剥離試験を実施した。結果を表1に示す。表中の数
字は全碁盤目数に対する剥離しなかった碁盤目の数の比
を表す。表1に見られるように、従来の塗装方法では密
着性が貧弱であることが判る。しかしながら、本発明に
よる塗装品は、成形直後塗装品から屋内および屋外に長
期間保管後の塗装品に亘って、いずれも、優れた二次密
着性を有していることが判る。 【0035】実施例3および比較例2、3 反応射出成形後、各テストピースは、表2に示す条件の
保管の後に、エアパージを行い、さらにイソプロピルア
ルコールを含浸したウエスで脱脂処理を行い、次いで、
下記組成を有する塗料(C)、(D)、(E)、(F)
および(G)を実施例1と同様な方法で塗装した。 塗料(C)(水系サフェーサー) (a)カルボキシル基含有ポリウレタン水分散液(実施例1で使用したもの と同じ、ミクニペイント製 #1221 P) 100重量部 (b)硬化剤(グリセロールポリグリシジルエーテル) 15重量部 (c)希釈剤(水70重量部+エタノール30重量部) 30重量部 (d)硬化促進剤(トリエタノールアミン) 5重量部 塗料(D)(非水系二液ウレタンサフェーサー) (a)ポリオール(日本油脂製 ノンサンド サフェーサー 41B) 40重量部 (b)硬化剤(イソシアネート;日本油脂製 硬化剤 B) 10重量部 (c)希釈剤(有機溶剤、日本油脂製 ウレタンシンナー SS) 20重量部 塗料(E)(非水系上塗り塗料) (a)ポリオール(日本油脂製 ハイウレタン #5500) 100重量部 (b)硬化剤(イソシアネート;日本油脂製 ハイウレタン HA) 17重量部 (c)希釈剤(有機溶剤;日本油脂製 ウレタンシンナー SS) 40重量部 塗料(F)(非水系二液ウレタンサフェーサー) (a)ポリオール(日本ビー・ケミカル製 R−241 サーフェーサー) 100重量部 (b)硬化剤(イソシアネート;日本ビー・ケミカル製 R−255) 5重量部 (c)希釈剤(有機溶剤;日本ビー・ケミカル製 T−801 シンナー) 40重量部 塗料(G)(非水系上塗り塗料) (a)ポリオール(日本ビー・ケミカル製 R−248 ホワイト) 100重量部 (b)硬化剤(イソシアネート;日本ビー・ケミカル製 R−255) 7重量部 (c)希釈剤(有機溶剤;日本ビー・ケミカル製 T−801 シンナー) 40重量部 実施例3では塗料(C)(水系サフェーサー)を1コー
ト1ベーク塗装し、比較例2では塗料(D)(非水系二
液ウレタンサフェーサー)と塗料(E)(非水系上塗り
塗料)とを2コート2ベーク塗装し、また、比較例3で
は塗料(F)(非水系二液ウレタンサフェーサー)と塗
料(G)(非水系上塗り塗料)とを2コート2ベーク塗
装した。塗装完了後、実施例1と同様に碁盤目剥離試験
を実施した。結果を表2に示す。 【0036】比較例2および比較例3で用いた二液型サ
フェーサーは、いずれも汎用サフェーサーとして一般の
成形品では良好な密着性を示すものとして評価されてい
るが、表2の結果より、ノルボルネン系樹脂射出成形品
ではいずれも二次密着性がかなり劣り、実用に供せられ
るものでないことが判る。対照的に、本発明による塗膜
は優れた二次密着性を有していることが判る。 【0037】 【発明の効果】反応射出成形によって得られたノルボル
ネン系樹脂成形品表面で、(A)親水性基含有ポリウレ
タンの水性分散液と(B)該親水性基と反応する基を有
する液状化合物を反応させることにより、得られる塗膜
は一次密着性のみならず二次密着性が著しく向上する。 【0038】 【発明の実施態様】ノルボルネン系単量体の反応射出成
形品の表面で(A)親水性基を有するポリウレタンの水
性分散液と(B)該親水性基と反応する基を2つ以上有
する液状化合物を反応させて塗膜を形成することを特徴
とする本発明の塗装方法の好ましい実施態様をまとめる
と以下のとおりである。 (1)親水性基を有するポリウレタンは、1〜15重量
%、より好ましくは2〜7重量%の親水性基を含有す
る。 (2)親水性基がカルボキシル基であって、該親水性基
と反応する基がエポキシ基またはアミノ基であるか、ま
たは、親水性基がエポキシ基であって、該親水性基と反
応する基がカルボキシル基またはアミノ基である。 (3)親水性基を有するポリウレタンは、2官能のイソ
シアネートまたはそのプレポリマーと、水酸基以外に親
水性基を有するポリオールとの反応によって得られる。 (4)上記(3)のポリオールは水酸基価が10〜30
0、より好ましくは15〜110である。 (5)上記(3)のポリオールは数平均分子量500〜
10,000、より好ましくは1,000〜7,000
を有する。 (6)上記(3)のポリオールは、重合時にアクリル
酸、メタクリル酸およびグリシジルメタクリレートの中
から選ばれた親水性基を有するエチレン系不飽和化合物
をコモノマーとして共重合したポリメリックポリオール
である。 (7)親水性基を有するポリウレタンの水性エマルジョ
ンは、該ポリウレタンを水中または少なくとも50重量
%、好ましくは少なくとも70重量%の水と水溶性有機
溶剤との混液中に分散せしめたものである。 (8)液状化合物(B)がポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジ
ルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエ
ーテル、ヘキサメチレンジアミン、ピメリン酸、マレイ
ン酸およびシュウ酸の中から選ばれる。 (9)ポリウレタン100重量部に対し20重量部以下
の第三アミンもしくは第四級アミン硬化促進剤の存在下
にポリウレタンの水性分散液(A)と液状化合物(B)
との反応を行う。 (10)(A)液中のポリウレタン100重量部に対
し、液状化合物(B)が1〜100重量部、より好まし
くは30〜80重量部用いられる。 (11)ポリウレタンの水性分散液(A)と液状化合物
(B)との反応に先立って、成形品表面を脱脂処理す
る。 【表1】 【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 哲夫 大阪府豊中市三国二丁目2番60号 ミク ニペイント株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−15187(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 7/02 B05D 7/24 C08J 7/04

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ノルボルネン系単量体の反応射出成形品
    の表面で(A)親水性基を有するポリウレタンの水性分
    散液と(B)該親水性基と反応する基を2つ以上有する
    液状化合物を反応させて塗膜を形成することを特徴とす
    るノルボルネン系樹脂成形品の塗装方法。
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