JP3470484B2 - インクジェット用記録液およびその製造方法 - Google Patents

インクジェット用記録液およびその製造方法

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JP3470484B2 JP02494196A JP2494196A JP3470484B2 JP 3470484 B2 JP3470484 B2 JP 3470484B2 JP 02494196 A JP02494196 A JP 02494196A JP 2494196 A JP2494196 A JP 2494196A JP 3470484 B2 JP3470484 B2 JP 3470484B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐水性の優れたイ
ンクジェット用の記録液およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりインクジェット用記録液として
は、酸性染料、直接染料、塩基性染料等の水溶性染料を
グリコール系溶剤と水に溶解したものがよく用いられて
いる(例えば特開昭53─61412、特開昭54─8
9811、特開昭55─65269)。水溶性染料とし
ては、記録液の安定性を得るため水に対する溶解性の高
いものが一般的に用いられる。したがって、インクジェ
ット記録物は一般的に耐水性が悪く、水をこぼしたりす
ると容易に記録部分の染料のにじみを生じるという問題
があった。
【0003】このような耐水性の不良を改良するため、
染料の構造を変えたり、塩基性の強い記録液を調製する
ことが試みられている(特開昭56─57862)。ま
た、記録紙と記録液との反応をうまく利用して耐水性の
向上を図ることも行われている(特開昭50─4900
4、特開昭57─36692、特開昭59─2069
6、特開昭59─146889)。これらの方法は、特
定の記録紙については著しい効果をあげているが、記録
紙の制約を受けるという点で汎用性に欠け、また特定の
記録紙以外を用いた場合には、水溶性染料を使用する記
録液では記録物の充分な耐水性が得られないことが多
い。
【0004】また、耐水性の良好な記録液としては、油
溶性染料を高沸点溶剤に分散ないし溶解したもの、油溶
性染料を揮発性の溶剤に溶解したものがあるが、溶剤の
臭気や溶剤の排出の問題があり、環境上好ましくない。
また、大量の記録を行う場合や装置の設置場所によって
は、溶剤回収等が必要になる等の問題がある。そこで、
記録物の耐水性をよくするために、水系媒体に顔料を分
散した記録液の開発が行われている。インクジェット用
の記録液においては、プリンターに高解像度が望まれる
につれノズルの径が細くなってきており、これに伴い着
色剤の粒子径も微細化してきている。しかしながら、微
細化するとオーバーヘッドプロジェクター等の透明基材
への画像形成においては、染料並みの透明性、鮮明性が
可能になるが、記録紙上では染料が記録紙繊維を染色し
て鮮明な画像が得られるのに対し、顔料分散タイプの記
録液を用いた場合、繊維の間に顔料が落ち込んでしまい
下地の記録紙の色を隠蔽することができなくて鮮明性が
損なわれる問題が発生している。この問題は顔料の微細
化と共に顕著になってきている。鮮明化の向上にはバイ
ンダーである水性樹脂の増加により改善はされるが、粘
度の著しい増大、吐出安定性に悪影響をきたすのでその
使用量は限界がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の方法の問題点を解決し、透明でかつ鮮明な画質が得ら
れるインクジェット用記録液に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】本発明は、水性の液体中に有機顔料の分散
体とテルペンフェノール樹脂のエマルションとを含有さ
せてなることを特徴とするインクジェット用記録液に関
する。
【0007】更に本発明は、テルペンフェノール樹脂の
重量平均分子量が600〜1000である上記インクジ
ェット用記録液に関する。更に本発明は、テルペンフェ
ノール樹脂のエマルションの粒子径が10nm〜1μm
である上記インクジェット用記録液に関する。更に本発
明は、有機顔料が、キナクリドン系、フタロシアニン
系、アゾ系、イソインドリノン系、ジアンスラキノニル
レッド系、スレン系、ペリレン系からなる群より選ばれ
る少なくとも1種であることを特徴とする上記インクジ
ェット用記録液に関する。更に本発明は、顔料の分散粒
子径が0.02〜0.2μmであることを特徴とする上
記インクジェット用記録液に関する。更に本発明は、粘
度が0.8〜15mPa・s(25℃)であることを特
徴とする上記インクジェット用記録液に関する。
【0008】更に本発明は、有機顔料をテルペンフェノ
ール樹脂のエマルションの存在下で分散処理して濃縮さ
れた水性顔料分散体を調製し、水および添加剤を加えて
希釈し、孔径1μm以下のフィルターにて濾過すること
を特徴とするインクジェット用記録液の製造方法に関す
る。
【発明の実施の形態】
【0009】本発明に用いられる顔料は水に溶解しなけ
れば特に限定されない。不溶性の染料の例としては、分
散染料、油溶染料の水不溶性染料、および直接染料、酸
性染料、塩基性染料等をレーキ化により不溶化したもの
も用いられる。ただし、用いる合成樹脂に完全に溶解す
る染料は本発明から除外される。
【0010】有機顔料の例としては、トルイジンレッ
ド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエ
ロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リソー
ルレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、
パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料、フタロシ
アニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシ
アニン系、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ
などのキナクリドン系、ペリレンレッド、ペリレンスカ
ーレットなどのペリレン系、イソインドリノンエロー、
イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系、
ジアンスラキノニルレッド系、建染染料から誘導される
スレン系等がある。このような顔料としては、下記の顔
料が例示できる。
【0011】カラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示
す。C.I.ピグメントエロー12、13、14、17、2
0、24、74、83、86 93、109、110、
117、125、137、138、147、148、1
53、154、166、161、C.I.ピグメントオレン
ジ13、16、36、43、51、55、59、61、
C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、5
7、97、122、123、149、168、177、
180、192、215、216、217、220、2
23、224、226、227、228、238、24
0、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、3
0、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、1
5:1、15:3、15:4、15:6、22、60、
64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメン
トブラウン23、25、26、等が例示できる。顔料の
含有量は記録液中0.1〜10重量%が好ましい。
【0012】本発明のテルペンフェノール樹脂はテルペ
ン類とフェノール類の重合物である。テルペン類の具体
例としてモノテルペンしてα−ピネン、ジテルペンとし
てカンホレン、モノテルペンのアルコールとしてボルネ
オール、ジテルペンのアルコールとしてヒノキチオール
さらにケトン類としてスギオールが挙げられる。二種類
以上のテルペン類を併用してフェノールとの重合物を作
成しても構わない。フェノール類の具体例としてクレゾ
ール、ジオキシナフタレン、アルキルフェノール、ハロ
ゲン化フェノール、アリルフェノール、ポリクレゾール
が挙げられる。同様に二種類以上のフェノール類を併用
して重合しても構わない。テルペン類とフェノールとの
重合はBF3 、AlCl3 の様なフリーデルクラフト触
媒の存在下で、水素の移動による不均一付加反応で合成
することができる。この方法で合成された重合物は熱可
塑性樹脂でEVA、エポキシ樹脂、脂肪酸系ポリアミド
樹脂などの極性を有する樹脂との相溶性が良い。この重
合物の重量平均分子量は600〜1000である。
【0013】テルペンフェノール樹脂のエマルションの
作成は、例えばナノマイザー、ハーモナイザー(ナノマ
イザー株式会社製)等の乳化分散装置を用いることで、
安定で均一のものが得られる。エマルションの不揮発分
(固形分で残りは水または低級アルコール)は1〜90
重量%の範囲が可能であるが30〜60重量%がハンド
リング、安定性の点で望ましい。テルペンフェノール樹
脂のエマルションの粒子径は、10nm〜1μmである
ことが好ましく、より好ましくは20nm〜200nm
がエマルションの安定性と本発明特有の効果を達成する
上で好ましい。テルペンフェノール樹脂のエマルション
の添加時期は、顔料の水性分散体を作成する分散時であ
ることが好ましいが、顔料の水性分散体を作成した後に
添加してもよい。添加量は記録液中で0.5〜20重量
%(固形分換算)、より好ましくは1〜10重量%であ
る。この添加量が少ないと鮮明性が得られない。また多
いと吐出安定性を損なう恐れがある。
【0014】本発明にて顔料の定着性を更に高めるため
水性樹脂を併用してもよい。水性樹脂は、水にて溶解す
る水溶解性の樹脂ないし水に分散した水分散性の樹脂が
それぞれ単独ないし混合して用いられる。このような水
性樹脂としては、アクリル系、スチレン−アクリル系、
ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系等の水
に溶解する水溶解性の樹脂および水に分散性の樹脂があ
る。
【0015】本発明において、水の他に用いられる水性
溶剤は、記録液のノズル部分での乾燥、記録液の固化を
防止し、安定な記録液の噴射およびノズルの経時での乾
燥を防止するものである。このような水性溶剤として
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ケトンアルコール、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、1、2─ヘキサンジオール、N−メチル─
2─ピロリドン、置換ピロリドン、2、4、6─ヘキサ
ントリオール、テトラフルフリルアルコール、4─メト
キシ─4メチルペンタノン等を例示できる。
【0016】また、記録液の紙での乾燥を速める目的に
おいては、メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール等のアルコール類も用いることができる。これら
の水性溶剤は、単独ないし混合して記録液の1〜50重
量%の範囲にて用いる。記録液の媒体である水は、金属
イオン等を除去したイオン交換水ないし蒸留水を用い
る。
【0017】記録液の被印刷体が紙のようなときには、
紙への記録液の浸透を早め、見掛けの乾燥性を早くする
ため浸透剤を加えることができる。このような浸透剤と
しては、水性溶剤として記述したジエチレングリコール
モノブチルエーテル等のグリコールエーテル、アルキレ
ングリコール、アルキレンジオール、ポリエチレングリ
コールモノラウリルエーテル、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン
酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等
を用いることができる。これらは、記録液の5%以下の
使用量で十分な効果があり、これよりも多いと印字の滲
み、紙抜け(プリントスルー)を起こし好ましくない。
【0018】本発明の記録液に、黴の発生を防止するた
めに、防黴剤を添加することもできる。具体的は、デヒ
ドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピ
リジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン
−1−オキサイド、1、2─ベンズイソチアゾリン−3
−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン
塩等が用いられる。これらは、記録液の0.05〜1.
0重量%程度用いる。
【0019】また、ノズル部での金属の析出や記録液中
で不溶解性物の析出等を防止するために、キレート剤を
加えることもできる。キレート剤は、記録液中の金属イ
オンを封鎖するものであり、具体的にはエチレンジアミ
ンテトラアセティックアシド、エチレンジアミンテトラ
アセティックアシドのナトリウム塩、エチレンジアミン
テトラアセティックアシドのジアンモニウム塩、エチレ
ンジアミンテトラアセティックアシドのテトラアンモニ
ウム塩等を0.005〜0.5重量%程度用いることが
できる。
【0020】また、記録液のpHを所望のpHに調整
し、記録液の安定ないし記録装置中の記録液配管との安
定性を得るため、アミン、無機塩、アンモニア等の調整
剤、リン酸等の緩衝液を用いることができる。また、記
録液の循環あるいは移動、また、記録液の製造時の泡の
発生を防止するため消泡剤を添加することもできる。顔
料の分散を良くするため、下記のような界面活性剤を加
えて用いることもできる。このような界面活性剤として
は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両イオン性
活性剤を用いることができる。
【0021】アニオン性活性剤としては、脂肪酸塩、ア
ルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸
塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスル
ホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジア
リールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレン
スルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチレンア
ルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エス
テル等を例示できる。
【0022】非イオン性活性剤としては、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
アリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレ
ンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコン
系等の非イオン性活性剤が例示できる。カチオン性活性
剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム
塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム
塩等を例示できる。両イオン性活性剤としては、アルキ
ルベタイン、アルキルアミンオキサイド、ホスファジル
コリン等が例示できる。
【0023】染料としては、顔料の色相の調整、濃度の
付与等を目的として耐水性、耐光性に問題の無いような
形にて使用できる。染料の使用によっては、顔料の分散
の安定性を悪くすることもあるので、顔料の40重量%
以下、好ましくは25重量%以下の使用に止める必要が
ある。染料としては、分散染料、油溶染料の水不溶性染
料、直接染料、酸性染料、塩基性染料等をレーキ化によ
り不溶化したもの、反応性染料、含金属染料等が用いら
れる。これらの染料は、無機塩の除去された精製染料が
好ましい。
【0024】具体的には、C.I.ダイレクトブラック
17、19、32、51、71、108、146、15
4、166、C.I.アッドブラック2、7、24、2
6、31、52、63、112、118、C.I.ベー
シックブラック2、C.I.ダイレクトブルー6、2
2、25、71、90、106、C.I.アシッドブル
ー9、22、40、59、93、102、104、11
3、117、120、167、229、234、C.
I.ベイシックブルー1、3、5、7、9、24、2
5、26、28、29、C.I.ダイレクトレッド1、
4、17、28、83、C.I.アシッドレッド1、
6、32、37、51、52、80、85、87、9
2、94、115、180、256、315、317.
C.I.ベイシックレッド1、2、9、12、13、1
4、37、C.I.ダイレクトエロー12、24、2
6、98、C.I.アシッドエロー11、17、23、
25、29、42、61、71、C.I.ベーシックエ
ロー11、28.C.I.ダイレクトオレンジ34、3
9、44、46、60、C.I.ダイレクトバイオレッ
ト47、48、C.I.ダイレクトブラウン109、
C.I.ダイレクトグリーン59、C.I.アシッドオ
レンジ7、19、C.I.アシッドバイオレット49、
C.I.ベーシックバイオレット7、14、27等を例
示できる。その他の添加剤として、尿素、ジメチル尿素
等を加えることもできる。
【0025】本発明のインクジェット用記録液は、顔料
とテルペンフェノール樹脂のエマルションと水、必要な
らば水性樹脂、水性溶剤等を混合し、サンドミル、ホモ
ジナイザー、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波
分散機等にて顔料の濃縮された分散体の分散処理を行な
う。あるいは、二本ロールミルにてあらかじめ良く混練
したのち、サンドミル等の分散機によりさらに分散し、
適宜水にて希釈、他の添加剤を混合して濃縮液を製造す
ることができる。混合攪拌は、通常の羽を用いた攪拌機
による攪拌のほか、高速の分散機、乳化機等により行う
ことができる。
【0026】混合された記録液の濃縮液は、希釈の前あ
るいは、後に孔径3μm以下のフィルターにて十分濾過
する。好ましくは、1.0μm以下のフィルターにて、
さらに好ましくは0.45μm以下のフィルターにて濾
過する。フィルターの濾過に先立って、遠心分離によっ
て、大きな粒径のものを除くこともでき、これによって
フィルターによる濾過における目詰まりを少なくし、フ
ィルターの使用期間が長くなる。
【0027】記録液は、記録装置の方式にもよるが、粘
度0.8〜15mPa・s(25℃)の液体として調整
することが望ましい。表面張力は、25〜60dyn/
cmが好ましく、pHは、特に制約されないが4〜12
の範囲であり、7〜9の弱アルカリ性が好ましい。
【0028】本発明により製造される記録液は、水性で
ありながら耐水性が著しく良好であるのでインクジェッ
ト用記録液として好適に用いられ、オフィスにおける書
類の作成、記号、ダンボールのマーキング、ナンバリン
グ、バーコード等の記録物の分野にて利用することがで
きる。
【0029】
【実施例】以下実施例に基づいて本発明を説明する。例
中部とあるは、重量部を示す。 [実施例1]サンドミルに下記の原料を入れ3時間分散
し、インクジェット用濃縮記録液を作成した。 濃色記録液の作成方法 藍顔料(東洋インキ製 リオノールブルーFG−7351 :β型銅フタロシアニン) 15.0部 テルペンフェノール樹脂のエマルション(ヤスハラケミカル 製YSレジンTR1250:固形分50%) 4.0部 ジメチルアミノエタノール 0.1部 分散剤(花王製 エマルゲン420) 1.0部 精製水 73.9部 グリセリン 6.0部
【0030】濃色記録液を作成後、下記のものと混合し
た。混合後、1μmのメンブランフィルターにて濾過、
続いて0.45μmのメンブランフィルターにて濾過
し、記録液を製造した。 記録液の作成方法 上記分散物(濃縮記録液) 13.5部 分散剤(花王製 エマルゲン420) 0.2部 YSレジンTR1250:固形分50% 4.0部 エチレングリコール 10.0部 ソジウムオマジン(オーリン製) 0.15部 エチレンジアミンテトラアセティックアシドナトリウム塩 0.02部 精製水 72.13部
【0031】記録液を得るときの濾過性を評価し、得ら
れた記録液について下記のようにして粘度、平均粒径を
評価し、さらに該記録液を用いた時の噴射特性、印字状
態、記録物の鮮明性、透明性および記録物の耐水性等を
評価した。結果を表1に示す。
【0032】[濾過性]一定時間内に直径90mmの1
μmおよび0.45μmのメンブランフィルターにて濾
過できた量。 [粘度]B型粘度計を用いて25℃にて測定した。 [平均粒径]レーザー回折方式の粒度分布計(島津製作
所社製「SALD−1100」)で測定した。 [印字状態]この記録液をエプソン社製HG5130の
カートリッジに入れて普通紙(ゼロックス製 K)に記
録を行った。記録物の印字状態を目視評価した。 [噴射特性]連続印字中のノズルの噴射状態を印字物に
よって評価した。 良:所定位置に正確に連続印字できている。 不良:連続印字したにも関わらず、途中に欠損を生じた
り、所定位置に印字されていない。
【0033】[耐水性]普通紙(ゼロックス製 K)に
記録した場合において、記録面に水を垂らしたり、ある
いは印字したものを乾燥後、1分間水に浸漬した時のイ
ンキのにじみの有無、インキの流れだしを目視にて評価
した。 [透明性]インクジェット用OHPシートに1.5ミル
のアプリケーターにてインキを展色したした時の透明性
を目視にて評価した。 [鮮明性]テルペンフェノール樹脂のエマルションを含
有して作成した記録液と未含有の記録液を記録紙(ゼロ
ックス製 K)に展色して鮮明性を目視、カラーマシン
機(日本電色工業製Σ80)のマンセルのC値の両方で
比較した。
【0034】[比較例1]サンドミルに下記の原料を入
れ3時間分散し、インクジェット用濃縮記録液を作成し
た。 濃色記録液の作成方法 藍顔料(東洋インキ製 リオノールブルーFG−7351) :β型銅フタロシアニン) 15.0部 アクリル樹脂(ジョンソンポリマー製ジョンクリル62) 2.0部 ジメチルアミノエタノール 0.1部 分散剤(花王製 エマルゲン420) 1.0部 精製水 75.9部 グリセリン 6.0部
【0035】濃色記録液を作成後、下記のものと混合し
た。混合後、1μmのメンブランフィルターにて濾過、
続いて0.45μmのメンブランフィルターにて濾過
し、記録液を製造した。 記録液の作成方法 上記分散物(濃縮記録液) 13.5部 分散剤(花王製 エマルゲン420) 0.2部 アクリル樹脂(日本ポリマー製 W−215) 2.0部 エチレングリコール 10.0部 ソジウムオマジン(オーリン製) 0.15部 エチレンジアミンテトラアセティックアシドナトリウム塩 0.02部 精製水 74.13部 実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0036】[実施例2]記録液作成時に実施例1の藍
顔料の代わりに赤顔料(ヘキスト製 ホスターパーム
ピンクE:キナクリドン系)を用いた他は実施例1と同
様にした。実施例1と同様の評価を行った。結果を表1
に示す。
【0037】〔比較例2〕記録液作成時に比較例1の藍
顔料の代わりに赤顔料(ヘキスト製 ホスターパーム
ピンクE:キナクリドン系)を用いた他は比較例1と同
様にした。実施例1と同様の評価を行った。結果を表1
に示す。
【0038】[実施例3]記録液作成時に実施例1の藍
顔料の代わりに黄顔料(ヘキスト製 ホスターパーム
エローH−3G:アゾ系)を用いた他は実施例1と同様
にした。実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に
示す。
【0039】〔比較例3〕記録液作成時に比較例1の藍
顔料の代わりに黄顔料(ヘキスト製 ホスターパーム
エローH−3G:アゾ系)を用いた他は比較例1と同様
にした。実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に
示す。
【0040】[実施例4]記録液作成時に実施例1の藍
顔料の代わりに黄顔料(BASF製 パリオトール エ
ローD−1819:イソインドリノン系)を用いた他は
実施例1と同様にした。実施例1と同様の評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0041】〔比較例4〕記録液作成時に比較例1の藍
顔料の代わりに黄顔料(BASF製 パリオトール エ
ローD−1819:イソインドリノン系)を用いた他は
比較例1と同様にした。実施例1と同様の評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0042】[実施例5]記録液作成時に実施例1の藍
顔料の代わりに赤顔料(CIBA製 クロモフタル レ
ッドA−2B:ジアンスラキノニルレッド系)を用いた
他は実施例1と同様にした。実施例1と同様の評価を行
った。結果を表1に示す。
【0043】〔比較例5〕記録液作成時に比較例1の藍
顔料の代わりに赤顔料(CIBA製 クロモフタル レ
ッドA−2B:ジアンスラキノニルレッド系)を用いた
他は比較例1と同様にした。実施例1と同様の評価を行
った。結果を表1に示す。
【0044】[実施例6]記録液作成時に実施例1の藍
顔料の代わりに青顔料(東洋インキ製 リオノゲンブル
ー6505:スレン系)を用いた他は実施例1と同様に
した。実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示
す。
【0045】〔比較例6〕記録液作成時に比較例1の藍
顔料の代わりに青顔料(東洋インキ製 リオノゲンブル
ー6505:スレン系)を用いた他は比較例1と同様に
した。実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示
す。
【0046】[実施例7]記録液作成時に実施例1の藍
顔料の代わりに赤顔料(CIBA製 パリオトール レ
ッドL−3670:ペリレン系)を用いた他は実施例1
と同様にした。実施例1と同様の評価を行った。結果を
表1に示す。
【0047】〔比較例7〕記録液作成時に比較例1の藍
顔料の代わりに赤顔料(CIBA製 パリオトール レ
ッドL−3670:ペリレン系)を用いた他は比較例1
と同様にした。実施例1と同様の評価を行った。結果を
表1に示す。
【0048】なお、実施例1〜7で得られた記録液を−
40℃にて一週間保存後、自然溶解した場合、60℃の
恒温槽にて1月保存した場合、−40℃にて3時間保持
し、3時間かけて60℃まで昇温し、60℃にて3時間
保持、続いて3時間かけて−40℃まで冷却し、これを
3日間繰り返した場合、いずれの場合においても、沈澱
物の発生も無く、初期の粘度を維持しており、噴射特性
も安定していた。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明により、従来の顔料分散タイプよ
り鮮明でかつ透明性に優れた印字物を与え、かつ水性樹
脂なしで良好に定着することができた。また、本発明に
より、特殊な被記録体ではなく種々の被記録体、例えば
普通紙に対しても、水を媒体としながらも、テルペンフ
ェノール樹脂のエマルションを含有することにより鮮明
性に優れた記録物を与える記録液を得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 保春 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋 インキ製造株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−18462(JP,A) 特開 平5−70724(JP,A) 特開 平6−145571(JP,A) 特開 平7−305006(JP,A) 特開 平8−269374(JP,A) 特開 平9−227810(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性の液体中に有機顔料の分散体とテル
    ペンフェノール樹脂のエマルションとを含有させてなる
    ことを特徴とするインクジェット用記録液。
  2. 【請求項2】 テルペンフェノール樹脂の重量平均分子
    量が600〜1000である請求項1記載のインクジェ
    ット用記録液。
  3. 【請求項3】 テルペンフェノール樹脂のエマルション
    の粒子径が10nm〜1μmである請求項1記載のイン
    クジェット用記録液。
  4. 【請求項4】 有機顔料が、キナクリドン系、フタロシ
    アニン系、アゾ系、イソインドリノン系、ジアンスラキ
    ノニルレッド系、スレン系、ペリレン系からなる群より
    選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項
    1記載のインクジェット用記録液。
  5. 【請求項5】 顔料の分散粒子径が0.02〜0.2μ
    mであることを特徴とする請求項1記載のインクジェッ
    ト用記録液。
  6. 【請求項6】 粘度が0.8〜15mPa・s(25
    ℃)であることを特徴とする請求項1記載のインクジェ
    ット用記録液。
  7. 【請求項7】 有機顔料をテルペンフェノール樹脂のエ
    マルションの存在下で分散処理して濃縮された水性顔料
    分散体を調製し、水および添加剤を加えて希釈し、孔径
    1μm以下のフィルターにて濾過することを特徴とする
    インクジェット用記録液の製造方法。
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