JP3469770B2 - 内視鏡用親水性潤滑剤 - Google Patents
内視鏡用親水性潤滑剤Info
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Description
用される潤滑剤に係り、特に、内視鏡挿入部の潤滑性の
改良に関する。
いは組織中に挿入される内視鏡の挿入部には、組織を損
傷させず、また目的部位まで確実に挿入することを可能
とする挿入性、滑らかさが要求される。
によって粘膜を損傷したり、炎症を引き起こしたりする
ことを避けるために優れた潤滑性が要求される。このた
め、従来より、内視鏡の挿入部表面に、シリコーンオイ
ル,オリーブオイル,グリセリン,キシロカインゼリ
ー,ポリエチレングリコール等を塗布することによりそ
の潤滑性を向上する試みがなされている。また、大腸等
の下部消化管の挿入の場合には、多量のポリエチレング
リコール水溶液を患者が飲み、大腸粘膜をポリエチレン
グリコールで被覆して潤滑性を保ち、内視鏡の挿入を向
上させる手法もとられている。
面塗布では動摩擦係数は低くなるが、潤滑性効果の持続
性がなく、オイルやグリセリンが流失してしまう欠点が
ある。また、多量のポリエチレングリコール水溶液を患
者が飲むことは患者にとって大変な苦痛を与えるという
欠点がある。
ば特開平7−1984690公報に、医療用具を構成す
る基材の表面に存在する反応性官能基と、無水マレイン
酸系高分子物質及び親水性維持機能付与物質とを反応さ
せ、湿潤時に該表面が潤滑性を有するように構成された
医療用具が提案されている。しかしながら、このように
医療用具表面に親水性有機分子等を半永久的に化学結合
した親水性潤滑被覆層を設けた構成を有する場合、親水
性潤滑被覆層に細菌が付着しやすく、一症例毎に例えば
消毒用アルコール等で洗浄・消毒を行なっても細菌を十
分に除去できないために、多数の患者に繰り返し使用す
ると、感染症を起こす可能性があるという問題があっ
た。このため、このような構成を有する医療用具は、一
症例用のみのディスポ医療用具として使用されている。
また、この医療用具は、感染症を防止するため、症例毎
に洗浄・消毒に加えて、各種滅菌を行なうと、親水性潤
滑被覆層自体が劣化し、潤滑効果が無くなるという欠点
があった。
した親水性潤滑処理をする場合、その医療用具の表面に
反応性官能基の導入もしくは基材表面を重合可能なよう
に改質処理や前処理等を行なうためには、各種機器(プ
ラズマ,オゾン,電子線,γ線照射,加熱等処理機器
等)を使用する必要があるため、製造面から複雑な工程
が必要となり、装置の大型化、及びコスト高等を招くと
いう欠点があった。
鑑みてなされたもので、生体内に挿入する際に、挿入時
の摩擦抵抗が小さく、使用中に挿入部に十分な潤滑性を
付与し、かつ簡単な洗浄、消毒で十分に除菌可能であ
り、多数の患者に対して感染症を起こすことなく繰り返
し使用が可能な内視鏡を低コストで実現するための潤滑
剤を提供することを目的とする。
基を有する乳化剤及び極性溶媒を含有する溶液、または
親水性高分子、該親水基と親油基を有する乳化剤、及び
該極性溶媒を含有する溶液を含み、内視鏡の挿入部表面
に塗布されて、湿潤状態で、該挿入部表面に潤滑性を付
与することを特徴とする内視鏡用親水性潤滑剤を提供す
る。
は、以下の2つに大別される。第1の発明によれば、内
視鏡の挿入部表面に塗布されて、湿潤状態で、該挿入部
表面に潤滑性を付与する内視鏡用親水性潤滑剤であっ
て、親水基と親油基を有する乳化剤及び極性溶媒を含む
内視鏡用親水性潤滑剤を用いて潤滑性を付与した。
に塗布されて、湿潤状態で、該挿入部表面に潤滑性を付
与する内視鏡用親水性潤滑剤であって、親水性高分子、
親水基と親油基を有する乳化剤、及び極性溶媒を含む内
視鏡用親水性潤滑剤が提供される。
イラル状に巻回してなるフレックスを設け、このフレッ
クスの外周に金属細線あるいは金属細線と合成樹脂繊維
で編組されたブレードを被嵌し、さらに、ブレードの外
周に樹脂を外皮として順次積層された可撓管で形成され
ている。このような挿入部表面は、可撓管外皮として樹
脂表面層もしくはさらに樹脂表面層の上に薄い高分子コ
ート層を積層して設けられた高分子の表面層が形成され
ている。
を内視鏡挿入部表面に適用すると、極性溶媒中の乳化剤
の親油基が、内視鏡挿入部表面の樹脂表面層、または高
分子表面層の親油基や親油性のある高分枝鎖とイオン結
合することにより、内視鏡挿入部表面に吸着されて、粘
着する。これにより、多少の摩擦抵抗では、剥がれ落ち
ない程度に潤滑剤を内視鏡挿入部表面に固定することが
できる。
表面に集中する。これにより、内視鏡挿入部表面は、唾
液、消化液、及び血液等の体液や、生理食塩水、水、及
び消毒用アルコール等の水系液体に濡らされた状態すな
わち湿潤状態で、体内と接触使用されたとき、良好な潤
滑性を示し、挿入時の摩擦抵抗を低下し、挿入中も十分
な潤滑性を維持することができる。
潤滑剤を内視鏡挿入部表面に適用すると、極性溶媒中の
乳化剤の親油基は、第1の発明と同様に内視鏡挿入部表
面に吸着され、粘着し、潤滑剤が内視鏡挿入部表面に固
定される。
媒により膨潤された親水性高分子とが、塗布表面に集中
する。これにより、湿潤状態で、体内と接触使用された
とき、良好な潤滑性を示し、挿入時の摩擦抵抗を低下
し、挿入中により持続的な潤滑性が得られる。
滑剤は、水溶性あるいは水包含性を有する上に、内視鏡
挿入部表面に吸着及び粘着しており、水に浸漬しても、
塗布した乳化剤の塗布表面の乳化剤の親水基から徐々に
溶けるだけで内視鏡挿入部表面から塗布した乳化剤が剥
がれることがない。また、体腔内に挿入使用する際には
摩擦抵抗が低く、挿入が容易であり、患者の苦痛を軽減
することができる。また、粘膜との摩擦抵抗が低く、組
織を損傷したりする危険が少ない。挿入時においても、
塗布された親水性潤滑剤は剥がれることがない。
内視鏡表面に塗布されて、その使用症例が完了した後、
体液等と共に、洗浄あるいは拭き取り等の動作でそのほ
とんどが容易に除去できる。その後、洗浄を行なうこと
により、親水性潤滑剤と体液は完全除去できる。
方法例えば挿入部表面を消毒用アルコールを含ませたガ
ーゼで拭き取ることにより、十分に消毒可能である。本
発明の内視鏡用親水性潤滑剤はまた、内視鏡表面に容易
に塗布し得る。このとき乳化剤として抗菌性能を有する
ものを選択することも可能である。また、極性溶媒を消
毒用アルコールにして消毒を併用することも可能であ
る。さらには、抗菌剤を含有させて、細菌の侵入を防ぐ
ことも可能である。
剤は、その除去、塗布が容易であるため、除去後に簡易
に消毒を行なうことにより、多数の患者に対して、内視
鏡自体を繰り返し使用することが可能であり、挿入時の
摩擦抵抗が小さく、良好な潤滑性を維持でき、また感染
症等を起こすこともない。
る親水基と親油基を有する乳化剤としては、人体に無害
なものが良い。特に、食品用乳化剤が好ましい。一般的
な食品用乳化剤は、グリセリン重合体の水酸基のうちい
くつかを脂肪酸でエステル化したものであり、ポリグリ
セリンエステルとも呼ばれる。このような食品用乳化剤
としては、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪
酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、シ
ョ糖脂肪酸エステル、及び大豆リン脂質があげられる。
具体的には、花王(株)製商品名ステップ,理研ビタミ
ン(株)製商品名ポエム,日本油脂(株)製商品名ユニ
グリ,阪本薬品工業(株)製商品名SYグリスター等が
市販されている。
は、直鎖脂肪酸のうちのカプリル酸以上の飽和または不
飽和脂肪酸を主成分とするものが使用されて、その誘導
体は水溶性に限定されず、ポリグリセリンエステルを基
本構成としていれば、特に制限はなく、不溶化されたも
のについても、後述の如く分子鎖に自由度があり、かつ
含水するものであればよい。
親油基を持ち、ポリグリセリンに基づく親水基、脂肪酸
に基づく親油基が存在する。そして内視鏡挿入部にポリ
グリセリンエステルを塗布すると、挿入部表面の樹脂表
面層または高分子表面層の親油基や、親油性高分子鎖
と、親油基とに親和性があるため、吸着及び粘着して固
着し、容易に剥離しない状態となる。塗布したポリグリ
セリンエステル表面には親水基が集中して含有した極性
溶媒を取り込み、持続的な潤滑性表面を得ることができ
る。親水基と親油基に基づく親水性・親油性の度合い
は、HLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance)で表わ
し、HLBは、その値が高いほど親水性が強い。
LBは、特に制限はないが、5〜19程度のものが好ま
しく、内視鏡挿入部表面との吸着及び粘着あるいは固着
と潤滑性が特に良好となる。
またはエチルアルコール等が好ましく使用される。内視
鏡用親水性潤滑剤に用いる親水性高分子としては、例え
ばデンプン系,セルロース系,その他多糖類系,及びタ
ンパク質系等の天然高分子類、さらに、例えばポリビニ
ルアルコール系,アクリル系,ポリエーテル系,その他
付加重合体系,及び縮合系ポリマー等の合成高分子類が
あげられる。
体に毒性のない安全性の高い物質としては、例えばデン
プン系,セルロース系,その他多糖類,ポリビニルアル
コール系,その他付加重合体としてビニルピロリド系,
アクリル系,ポリエーテル系としてポリエチレングリコ
ール系が好ましく使用される。
ル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポ
リアクリル酸ナトリウム及びアルギン酸ナトリウム、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム、キサタンガム、
カラーギナン、プルラン、及びゼラチン等があげられ
る。
その溶液をある物体間に存在せしめると、両者間の摩擦
抵抗を著しく低下させることができ、潤滑剤として用い
ることができる。さらに親水性高分子の縮合または付加
反応や置換反応などで得られる誘導体や、一部架橋され
た、いわゆる不溶化処理されたものについても同様に2
層間において潤滑剤として効果的であると同時に、水及
び極性溶媒を吸水及び吸着して保持する性質もある。こ
れらの親水性高分子を食品用乳化剤としてのポリグリセ
リンエステルと併用して用いることから、水及び極性溶
媒の蒸発を防ぐと同時に、より持続的な潤滑性を得るこ
とができる。
及び粘着により固着された乳化剤の被覆層が、極めて優
れた潤滑性を一定の時間に亘り持続するのは詳細な機構
は明らかではないが、以下のように考えられる。
に含有されている極性溶媒が乳化剤内に取り込まれてイ
オン結合で比較的自由度が高くなっている。さらに、湿
潤時の潤滑性発現は、乳化剤被覆層外表面の親水基と湿
潤時の水がさらにイオン結合して乳化剤の親水基同士と
親油基同士がミクロ的にミセル構造となり、このミセル
が集まって巨大ミセルになったのが液晶構造となり、水
も取り込まれた中で非常に乳化剤分子が動きやすくな
り、このために潤滑性が良好になると考える。
図1に示すような構成を有する内視鏡に適用して使用す
ることができる。図1は、本発明に係る内視鏡の一例の
構成を表わす概略図である。
挿入部3と、ライトガイドケーブル4とから構成され
る。体腔内挿入部3は、操作部本体2側から順に、可撓
管5、湾曲部6、及び先端構成部7が連設された構成を
有する。湾曲管6は、上部操作部本体2に設けられた湾
曲操作ノブ8によって、所望の向きに湾曲するように遠
隔的に操作可能になっている。ライトガイドケーブル4
の一端は、図示しない光源装置に接続されるコネクター
部9と連設されている。
する。 実施例1 デカグリセリンモノエステル(商品名 MSW−750
坂本薬品工業(株)製)40%と、水60%を含有し
た親水性潤滑剤を、内視鏡挿入部表面に塗布し、試料
(1)を得た。
係数測定を行なった。図2に、動摩擦係数測定に用いた
表面性試験機(HEIDON−14型新東科学(株))
の概略を表わす図を示す。図示するように、この装置
は、概念として試料に垂直荷重を与えて試料を移動する
ことにより、摩擦力(水平加重)を荷重変換器(センサ
ー)で測定するものである。即ち、移動台10、垂直荷
重11シリコーンゴム貼付圧子12、過重変換器13か
らなり、移動台10に固定した試料20に垂直過重を加
えて、一定の移動速度により、シリコーンゴム貼付圧子
が摩擦により移動方向と逆に水平荷重が加わり、この水
平荷重を過重変換器13で検出して動摩擦係数を測定す
るものである。
状態にしてから、移動台10に固定し、垂直加重11と
して100gの分銅をのせて移動台10の移動速度を6
00mm/分、移動距離30mmと設定して、シリコー
ンゴムの貼付圧子12との間の初期動摩擦係数を測定す
ることにより行なった。得られた結果を表1に示す。
数μ=0.32の値を得た。親水性潤滑剤を塗布する前
の内視鏡挿入部表面の動摩擦係数は、表1の比較例1の
μ=1.23の値であり、明らかに親水潤滑効果が得ら
れている。
動摩擦係数を計測した。得られた結果を下記表1に示
す。表1に示すように、μ=0.32の値を得た。試料
(1)を30分,60分水中に浸漬し、その動摩擦係数
を計測した。得られた結果を表2に示す。表2に示すよ
うに、初期μ=0.32、水中30分放置後μ=0.2
8、水中60分放置後μ=0.25の値を得た。また、
水中における放置時間に対する動摩擦係数の値を表わす
グラフ図を図3に示す。
定を行なった。得られた結果を表3に示す。表3に示す
ように、10往復後μ=0.22、50往復後μ=0.
50の値を得た。また、往復回数に対する動摩擦係数を
表わすグラフ図を図4に示す。
0 第1工業薬品(株)製)20%と水80%を含有し
た親水性潤滑剤を内視鏡挿入部表面に塗布し、試料
(2)を得た。
初期の動摩擦係数測定及び30分放置後の動摩擦係数測
定を行なった。得られた結果を表1に示す。また、実施
例1と同様にして試料(2)を30分,60分水中に浸
漬し、その動摩擦係数を計測した。得られた結果を表2
に示す。
連続往復動摩擦係数測定を行なった。得られた結果を表
3及び図4に示す。いずれの場合も良好な親水潤滑性が
得られた。
0 第1工業薬品(株))20%と水80%を含有した
親水性潤滑剤を内視鏡挿入部表面に塗布し、試料(3)
を得た。
初期の動摩擦係数測定及び30分放置後の動摩擦係数測
定を行なった。得られた結果を表1に示す。また、実施
例1と同様にして試料(3)を30分,1時間水中に浸
漬し、その動摩擦係数を計測した。得られた結果を表2
に示す。
連続往復動摩擦係数測定を行なった。得られた結果を表
3及び図4に示す。いずれの場合も良好な親水潤滑性が
得られた。
本薬品工業(株))40%と親水性高分子としてポリエ
チレングリコール(商品名マクロゴール400第1工業
薬品(株))10%と水50%を含有した親水性潤滑剤
を内視鏡挿入部表面に塗布し、試料(4)を得た。
初期の動摩擦係数測定及び30分放置後の動摩擦係数測
定を行なった。得られた結果を表1に示す。また、実施
例1と同様にして試料(4)を30分,60分水中に浸
漬し、その動摩擦係数を計測した。得られた結果を表2
に示す。
連続往復動摩擦係数測定を行なった。得られた結果を下
記表3及び図4に示す。いずれの場合も良好な親水潤滑
性が得られた。
第1工業薬品(株))20%と親水性高分子としてア
ルギン酸ナトリウム(商品名マニュコールDMF大日本
製薬(株))1%と水79%を含有した親水性潤滑剤を
内視鏡挿入部表面に塗布し、試料(5)を得た。
初期の動摩擦係数測定及び30分放置後の動摩擦係数測
定を行なった。得られた結果を表1に示す。また、実施
例1と同様にして試料(5)を30分,60分水中に浸
漬し、その動摩擦係数を計測した。得られた結果を表2
に示す。
連続往復動摩擦係数測定を行なった。得られた結果を下
記表3及び図4に示す。いずれの場合も良好な親水潤滑
性が得られた。
(6)を用意した。試料(6)について実施例1と同様
にして初期の動摩擦係数測定及び30分放置後の動摩擦
係数測定を行なった。得られた結果を表1に示す。
30分,60分水中に浸漬し、その動摩擦係数を計測し
た。得られた結果を表2に示す。試料(6)を用いて実
施例1と同様にして連続往復動摩擦係数測定を行なっ
た。得られた結果を下記表3及び図4に示す。
ない。すなわち、内視鏡挿入部表面とシリコーンゴム貼
付圧子の境界で潤滑層の役目をするものがないからであ
る。 比較例2 グリセリン(商品名 グリセリン坂本薬品工業(株)
製)を内視鏡挿入部表面に塗布し、試料(7)を得た。
初期の動摩擦係数測定及び30分放置後の動摩擦係数測
定を行なった。得られた結果を表1に示す。また、実施
例1と同様にして試料(7)を30分,1時間水中に浸
漬し、その動摩擦係数を計測した。得られた結果を表2
に示す。
連続往復動摩擦係数測定を行なった。得られた結果を下
記表3及び図4に示す。 比較例3 ポリエチレングリコール(商品名 マクロゴール400
第1工業薬品(株)製)を内視鏡挿入部表面に塗布し、
試料(8)を得た。
初期の動摩擦係数測定及び30分放置後の動摩擦係数測
定を行なった。得られた結果を表1に示す。また、実施
例1と同様にして試料(8)を30分,1時間水中に浸
漬し、その動摩擦係数を計測した。得られた結果を表2
に示す。試料(8)を用いて実施例1と同様にして連続
往復動摩擦係数測定を行なった。得られた結果を表3及
び図4に示す。
い比較例1の動摩擦係数μ=1.23に比べて、実施例
1〜5と、従来の親水性潤滑剤を用いた比較例2〜3に
示すように、親水性潤滑剤を塗布したものは、初期及び
空中放置30分後でも、1/4程度に動摩擦係数が低下
して良好な潤滑性がみられた。特に、乳化剤と親水性高
分子を併用した実施例4〜5は、乳化剤単体の実施例1
〜3に比較して、従来の親水性潤滑剤を用いた比較例2
〜3とほぼ同等の動摩擦係数が認められた。
塗布しない比較例1の動摩擦係数、初期μ=1.23、
水中放置30分μ=1.30、水中放置60分μ=1.
30に比べて、従来の親水性潤滑剤を塗布した比較例2
〜3は、水中放置30分で初期の潤滑性が失なわれるこ
とがわかった。しかし、実施例1〜5は水中放置60分
でも初期の潤滑性が失なわれることなく、本発明の有効
性が認められた。
往復以上、実施例3は200往復以上で2〜3倍の動摩
擦係数の増加が認められたが、その他の実施例は200
往復以上では動摩擦係数の変化が認められず、本発明の
有効性が認められた。
に、挿入時の摩擦抵抗が小さく、挿入部に十分な潤滑性
を付与し、かつ簡単な洗浄、消毒で十分に除菌可能であ
り、多数の患者に対して感染症を起こすことなく繰り返
し使用が可能な内視鏡を低コストで実現するための潤滑
剤を実現することができる。
比較して、湿潤状態でも長時間低摩擦抵抗を維持するこ
とが可能であり、患者の苦痛を和らげるために好適に使
用し得る。
例の概略構成を表わす斜視図。
ラフ。
ラフ。
Claims (4)
- 【請求項1】 親水基と親油基を有する乳化剤及び極性
溶媒を含有する溶液、または親水性高分子、該親水基と
親油基を有する乳化剤、及び該極性溶媒を含有する溶液
を含み、内視鏡の挿入部表面に塗布されて、湿潤状態
で、該挿入部表面に潤滑性を付与することを特徴とする
内視鏡用親水性潤滑剤。 - 【請求項2】 前記親水基と親油基を有する乳化剤は、
グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン酸脂肪エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪
酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の
食品用乳化剤からなることを特徴とする請求項1に記載
の内視鏡用親水性潤滑剤。 - 【請求項3】 前記極性溶媒は、食用に適する水及びエ
チルアルコールのうち少なくとも1つからなることを特
徴とする請求項1に記載の内視鏡用親水性潤滑剤。 - 【請求項4】 前記親水性高分子は、ポリエチレングリ
コール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸ナトリウム及びアルギン酸ナトリウ
ム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサタン
ガム、カラーギナン、プルラン、及びゼラチンからなる
群から選択される少なくとも1種からなる請求項1に記
載の内視鏡用親水性潤滑剤。
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