JP3468174B2 - 冷凍空調サイクル装置 - Google Patents

冷凍空調サイクル装置

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JP3468174B2
JP3468174B2 JP26014399A JP26014399A JP3468174B2 JP 3468174 B2 JP3468174 B2 JP 3468174B2 JP 26014399 A JP26014399 A JP 26014399A JP 26014399 A JP26014399 A JP 26014399A JP 3468174 B2 JP3468174 B2 JP 3468174B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷蔵庫等の冷凍
装置やエアコン等の空調装置に用いられる、冷媒として
例えばHFC系の冷媒を、冷凍機油としてこのHFC系
冷媒と溶解しにくいアルキルベンゼン系、もしくは、冷
媒とは溶解するものの従来のHCFC系冷媒に対する鉱
油系冷凍機油の溶解性より劣るエーテル系やエステル系
などの冷凍機油を用いた冷媒回路を有する冷凍空調サイ
クル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍空調サイクル装置に主として
用いられてきたHCFC系冷媒は、近年、オゾン層保護
の観点から、HFC系冷媒への代替化が図られている。
このHFC系冷媒への代替化に伴い、冷凍機油について
も、冷媒との溶解性に富む従来の鉱油系から、スラッジ
発生の低減等を考慮して、冷媒と溶解しにくいアルキル
ベンゼン系や冷媒とは溶解するものの従来のHCFC系
冷媒に対する鉱油系冷凍機油の溶解性より劣るエーテル
系やエステル系などの冷凍機油の採用が検討されてい
る。例えば、HFC系冷媒とアルキルベンゼン系冷凍機
油を採用した例としては、図22に示す特開平10−2
46521号公報に開示された冷凍空調装置がある。こ
の装置では、冷媒回路中の液レシーバに油溶解率設定手
段を設け、この油溶解率設定手段によって液レシーバ内
の冷凍機油の重量溶解率[全重量(=冷媒量+冷凍機油
量)に対する溶解油量の重量比(%)]を、油循環率
[全質量流量(=冷媒流量+冷凍機油流量)に対する冷
凍機油の質量流量の比(%)]に対して、同程度もしく
は上回るよう調整することにより、圧縮機への油戻りを
確実にし、圧縮機内の各要素の潤滑性やシール性を確保
するよう図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平10−246521号公報に開示された冷凍空調装
置では、圧縮機への油戻りは確保されるものの、冷媒回
路中での冷媒と冷凍機油の混合流体の伝熱特性や圧力損
失特性に対する油循環率の影響が考慮されていないた
め、油循環率によって伝熱特性や圧力損失特性が劣化
し、冷凍空調サイクル装置の性能が低下するといった問
題点があった。冷凍空調サイクル装置のエネルギー効率
の向上は地球温暖化防止の観点から重要な課題であり、
オゾン層保護の観点から代替冷媒を採用しつつ、エネル
ギー効率にも優れた冷凍空調サイクル装置を実現するこ
とは急務の課題となっている。
【0004】このような中で、HFC系冷媒とHFC系
冷媒用冷凍機油の混合流体の伝熱特性や圧力損失特性に
関する研究が、近年、盛んになってきている。例えば、
1993年発行の日本冷凍協会論文集、第10巻、第3
号、437ページから444ページには、R134a冷
媒に対して溶解性があるエステル系(ポリオールエステ
ル)冷凍機油を用いた場合の伝熱特性や圧力損失特性に
与える油循環率の影響が報告されており、これらの研究
から、油循環率が変化した場合に、油循環率が0の場合
と比較して冷媒の伝熱性能が変化すること、および、圧
力損失が増大すること等が明らかになりつつある。
【0005】なお、油循環率を0とすれば冷媒の伝熱特
性や圧力損失特性が影響されないことは自明であるが、
油循環率を0とする場合には、油分離のための装置や設
備にかかるコストが非常に大きくなるため、実際の冷凍
空調サイクル装置での実現性を鑑みると、油戻り性が確
保できる油循環率としながら、かつ冷凍空調サイクル装
置のエネルギー効率の低下を最小限に抑えられる現実的
な油循環率を設定することが有益である。
【0006】この発明は、従来装置の上記のような問題
点を解消するためになされたもので、この発明の第1の
目的は、HFC系冷媒等のオゾン層に対する影響が少な
い冷媒と、この冷媒と溶解しにくいアルキルベンゼン系
等の冷凍機油や冷媒とは溶解するものの従来のHCFC
系冷媒に対する鉱油系冷凍機油の溶解性より劣るエーテ
ル系やエステル系等の冷凍機油を用いた冷凍空調サイク
ル装置において、冷凍機油の油循環率を適切な範囲に設
定、調節することにより、冷媒と冷凍機油の混合流体の
伝熱特性や圧力損失特性を改善し、エネルギー効率にも
優れた冷凍空調サイクル装置を提供することを目的とす
る。
【0007】また、この発明の第2の目的は、圧縮機の
回転数や吸入ガスの湿り度等の冷凍空調サイクル装置の
動作条件の変化に対応して油戻し量を制御することによ
り、これらの動作条件が変化しても冷凍機油の油循環率
を適切な範囲に設定、調節することができ、高いエネル
ギー効率を維持することができるとともに、油戻しに伴
う冷媒のバイパス量を必要最小限に抑えることにより、
冷媒のバイパスによる能力低下を防止できる冷凍空調サ
イクル装置を提供することを目的とする。
【0008】また、この発明の第3の目的は、油循環率
を現実的な範囲に設定することにより、油分離に要する
機器の低コスト化を図り、装置全体のコスト低減および
コンパクト化が可能な冷凍空調サイクル装置を提供する
ことを目的とする。
【0009】さらに、この発明の第4の目的は、冷媒回
路中の冷媒流速を適切な値に設定することにより、油循
環率によらず、冷媒と冷凍機油の混合流体の伝熱特性や
圧力損失特性を改善することができ、エネルギー効率の
向上が可能な冷凍空調サイクル装置を提供することを目
的とする。
【0010】また、この発明の第5の目的は、油循環率
を、凝縮器および蒸発器のそれぞれにおいて適切な値に
設定することにより、エネルギー効率のさらなる向上が
可能な冷凍空調サイクル装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係る冷凍空調
サイクル装置は、上記の目的を達成するために、圧縮
機、凝縮器、減圧装置および蒸発器を冷媒配管で順次接
続した冷媒回路を備えた冷凍空調サイクル装置におい
て、前記冷媒回路中に、冷媒と前記冷媒に対して非相溶
もしくは難溶性である冷凍機油を封入するとともに、前
記圧縮機内に前記凝縮器または前記蒸発器の少なくとも
一方の前記冷凍機油の油循環率[全質量流量(=前記冷
媒の流量+前記冷凍機油の流量)に対する前記冷凍機油
の質量流量の比(%)]を、0〜1%の範囲内に調整す
る油循環率制御手段を設けたものである。
【0012】また、前記冷媒としてHFC系冷媒を、ま
た、前記冷凍機油としてアルキルベンゼン系の冷凍機油
を用いたものである。
【0013】また、前記冷媒としてR410AまたはR
32を用いたものである。
【0014】また、この発明に係る冷凍空調サイクル装
置は、圧縮機、凝縮器、減圧装置および蒸発器を冷媒配
管で順次接続した冷媒回路を備えた冷凍空調サイクル装
置において、前記冷媒回路中に、HFC系冷媒と前記H
FC系冷媒に対して相溶性である冷凍機油を封入すると
ともに、前記圧縮機内に前記凝縮器または前記蒸発器の
少なくとも一方の前記冷凍機油の油循環率[全質量流量
(=前記冷媒の流量+前記冷凍機油の流量)に対する前
記冷凍機油の質量流量の比(%)]を、0〜1.5%の
範囲内に調整する油循環率制御手段を設けたものであ
る。
【0015】また、前記冷凍機油としてエステル系また
はエーテル系の少なくとも一方を含む冷凍機油を用いた
ものである。
【0016】また、前記冷媒としてR407Cを用いた
ものである。
【0017】また、前記油循環率制御手段として、圧縮
機内に油分離器を内蔵したものである。
【0018】また、前記凝縮器または前記蒸発器の少な
くとも一方の伝熱管内の冷媒質量流速を、120[kg
/m2・s]以上とするよう構成したものである。
【0019】また、前記冷媒回路中の冷媒ガス配管内の
冷媒流速を、6[m/s]以上とするよう構成したもの
である。
【0020】また、この発明に係る冷凍空調サイクル装
置は、圧縮機、凝縮器、減圧装置および蒸発器を冷媒配
管で順次接続した冷媒回路を備えた冷凍空調サイクル装
置において、前記冷媒回路中に、冷媒と前記冷媒に対し
て非相溶もしくは難溶性である冷凍機油を封入するとと
もに、前記冷媒回路上に前記凝縮器または前記蒸発器の
少なくとも一方の前記冷凍機油の油循環率[全質量流量
(=前記冷媒の流量+前記冷凍機油の流量)に対する前
記冷凍機油の質量流量の比(%)]を、0〜1%の範囲
内に調整する油循環率制御手段を設け、前記油循環率制
御手段は、前記冷媒と前記冷凍機油を分離する油分離器
と、前記油分離器によって分離された前記冷凍機油を前
記圧縮機の吸入側に還流する油戻し回路と、前記油戻し
回路上に設けられ、前記冷凍機油の油戻し量を調整する
第2流量制御弁と、前記圧縮機の吸入ガスの湿り度を検
知する吸入ガス湿り度測定手段と、前記吸入ガス湿り度
測定手段によって測定された吸入ガスの湿り度に基いて
前記第2流量制御弁を制御する検知演算制御装置とを備
えたものである。
【0021】また、この発明に係る冷凍空調サイクル装
置は、圧縮機、凝縮器、減圧装置および蒸発器を冷媒配
管で順次接続した冷媒回路を備えた冷凍空調サイクル装
置において、前記冷媒回路中に、HFC系冷媒と前記H
FC系冷媒に対して相溶性である冷凍機油を封入すると
ともに、前記冷媒回路上に前記凝縮器または前記蒸発器
の少なくとも一方の前記冷凍機油の油循環率[全質量流
量(=前記冷媒の流量+前記冷凍機油の流量)に対する
前記冷凍機油の質量流量の比(%)]を、0〜1.5%
の範囲内に調整する油循環率制御手段を設け、前記油循
環率制御手段は、前記冷媒と前記冷凍機油を分離する油
分離器と、前記油分離器によって分離された前記冷凍機
油を前記圧縮機の吸入側に還流する油戻し回路と、前記
油戻し回路上に設けられ、前記冷凍機油の油戻し量を調
整する第2流量制御弁と、前記圧縮機の吸入ガスの湿り
度を検知する吸入ガス湿り度測定手段と、前記吸入ガス
湿り度測定手段によって測定された吸入ガスの湿り度に
基いて前記第2流量制御弁を制御する検知演算制御装置
とを備えたものである。
【0022】また、圧縮機内に、前記油分離器を内蔵し
たものである。
【0023】また、前記油循環率制御手段が、前記圧縮
機の回転数を検知するとともに、この回転数情報に基い
て前記第2流量制御弁を制御する検知演算制御装置を備
えたものである。
【0024】また、前記吸入ガス湿り度測定手段が、前
記圧縮機から吐出される吐出冷媒ガスの過熱度を測定す
ることにより、前記吸入ガスの湿り度を検出するもので
ある。
【0025】また、前記油分離器と前記第2流量制御弁
間の前記油戻し回路上に放熱器を設けるとともに、前記
第2流量制御弁の下流の前記油戻し回路上に、前記凝縮
器と前記減圧装置間の前記冷媒との間で熱交換する高低
圧熱交換器を設けたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】実施の形態1. 図1は、この発明の実施の形態1である冷凍空調サイク
ル装置の構成を表す冷媒回路図であり、図に示すよう
に、冷媒を圧縮する圧縮機1、圧縮機1で圧縮された冷
媒を冷却する凝縮器2、凝縮器2で冷却された冷媒を等
エンタルピー膨張させて液化するとともに、冷媒の流量
を制御する減圧装置である第1流量制御弁3、液化した
冷媒を蒸発させることにより外部を冷却する蒸発器4、
を冷媒配管で順次接続して冷媒回路を構成するととも
に、この冷媒回路内に作動流体となる冷媒として例えば
HFC系冷媒のR410Aを、冷凍機油(以下では、冷
凍機油を単に油と表現する)としてこの冷媒に溶解しに
くい(非相溶もしくは難溶性の)アルキルベンゼン系の
油を封入し、冷凍空調サイクル装置を構成している。
【0027】また、この冷媒回路上の圧縮機1の吐出ガ
ス配管26上には、上記冷媒中から油を分離する油分離
器5が設けられ、油分離器5によって分離された油を油
戻し回路27を介して圧縮機1の吸入ガス配管25側に
戻すことにより、圧縮機1から凝縮器2や蒸発器4に過
大な量の油が流れ込まないよう構成するとともに、油戻
し回路27上の第2流量制御弁6によって凝縮器2や蒸
発器4に流出される油循環率が変更できるよう構成され
ている。
【0028】なお、R410A等のHFC系冷媒に対す
るアルキルベンゼン系冷凍機油の重量溶解率は、その圧
力や温度、粘度グレードによって変化するが、上記特開
平10−246521号公報にも記載されているよう
に、一般的な冷凍空調サイクル装置の動作条件下では、
凝縮圧力および温度においては、0.5%〜7%、蒸発
圧力および温度においては、0〜2%程度の範囲であ
る。
【0029】以下、この図1に示した冷媒回路の動作に
ついて説明する。圧縮機1によって圧縮されたガス状の
冷媒は凝縮器2で冷却され、第1流量制御弁3によって
等エンタルピー膨張し、液化した後、蒸発器4に流入す
る。蒸発器4では、液化した冷媒が蒸発する際に周囲か
ら気化熱を奪うことによって外部を冷却し、気化した冷
媒が再度、圧縮機1に戻ることにより冷媒回路内を循環
する。また、油分離器5では、圧縮機1から吐出ガス配
管26に吐出された冷媒中から油を分離し、この油を油
戻し回路27によって圧縮機1の吸入ガス配管25側に
戻すとともに、油戻し回路27上に設けられた第2流量
制御弁6によってこの油戻し量を調整することにより、
凝縮器2や蒸発器4に流れ込む油の油循環率が制御され
る。
【0030】図2には、この実施の形態1において用い
られる油分離器5の構造例を示す。図において、5は油
分離器であり、内部に油分離メッシュ24を収納すると
ともに、上部には吐出ガス配管26に接続された流入管
21を、また、下部には凝縮器2に接続された流出管2
2と油戻し回路27に接続された油戻し管23が接続さ
れ、油戻し管23の上部端面は流出管22の上部端面よ
り下方に配置されている。こうして、流入管21から油
分離器5に流入したガス状の冷媒と油の混合流体は、流
入管21より断面積の大きい油分離器5容器内で減速さ
れ、油分離メッシュ24に衝突することにより、冷媒ガ
スに含まれる油が油分離メッシュ24に付着、落下し
て、分離され、油分離器5の容器底部に溜まる。一方、
冷媒ガスは油分離メッシュ24を通過して、油分離器5
の下部から中程まで差し込まれた流出管22を通って、
油分離器5の容器から凝縮器2側へと流出する。また、
油分離器5の容器底部に溜まった油は、油戻し回路27
に接続された油戻し管23を通って、圧縮機1の吸入側
に導かれる。
【0031】以下、この実施の形態1の冷凍空調サイク
ル装置の試験結果について説明する。図3は、蒸発温度
0℃、冷媒質量流速100[kg/m2・s]、冷凍機油粘度グ
レード22[cSt,40℃]の動作条件において第2流量制御
弁6の弁開度を変化させることにより、油戻し回路27
によって還流される油戻し量を調整し、油分離器5の下
流に流出する冷凍器油の油循環率Wo[全質量流量(=
冷媒流量+油流量)に対する油質量流量の比(%)]を
変化させながら、蒸発器4における冷媒熱伝達率αiを
測定した結果であり、ここで、蒸発器4としては、プレ
ートフィンチューブ型熱交換器を用い、また、冷媒熱伝
達率は伝熱管の管内側熱伝達率を測定したものである。
図3において、油循環率が1%を境として、冷媒熱伝達
率αiが急激に低下していることが分かる。この理由
は、蒸発器4では、冷媒の飽和温度が低いため、冷媒へ
の油の溶解率が低くなり、油循環率が高くなった場合に
蒸発できない油が冷媒と分離して管内壁に付着し、冷媒
から伝熱管へ熱を伝える際の熱抵抗になるためである。
【0032】図4には、この実施の形態1において、上
記と同様の動作条件で油循環率を変化させた場合の蒸発
器4の入口から圧縮機1の吸入側までの冷媒の圧力損失
ΔPの測定結果を示す。図4から、油循環率が1%を境
に冷媒圧力損失ΔPが急激に上昇することが分かる。こ
の理由も前述と同じく、蒸発器4では冷媒の飽和温度が
低く、冷媒への油の溶解率が低下するため、油循環率が
高くなった場合に冷媒より粘度の大きい油が冷媒と分離
して管内壁に付着しているためである。
【0033】また、上記図3および図4には、上記試験
で同時に測定された、油循環率と冷凍空調サイクル装置
のエネルギー効率(消費電力に対する能力の比を示す指
標:Coefficient Of Performance;以下COPと記す。
この値が大きい方が装置のエネルギー効率が高い。)の
関係を示す。なお、図中、COPは、油循環率が0の時
のCOPを100%とした場合の比で示している。図3
および図4に示すように、油循環率が1%以上になると
COPが急激に低下しており、この冷凍空調サイクル装
置のエネルギー効率の実測結果からも、油循環率によっ
てCOPが大きく影響されることが明確に示されてい
る。また、油循環率が0.5%以下であれば、油循環率
が0の時のCOPとほぼ同じCOPが得られ、より好ま
しくは、油循環率を0.5%以下とすべきことが分か
る。
【0034】以上説明したように、この実施の形態1に
よれば、HFC冷媒とこの冷媒に溶解しにくいアルキル
ベンゼン系の冷凍機油を用いた冷凍空調サイクル装置に
おいて、第2流量制御弁6により油循環率を1%以下、
あるいは、より好ましくは0.5%以下に制御するよう
構成したため、伝熱特性や圧力損失特性を低下させるこ
とがなく、冷凍空調サイクル装置のCOPを高い値に維
持できる効果がある。
【0035】また、油循環率を0にしなくとも、実用的
な油分離効率の範囲で十分な熱伝達特性と圧力損失特性
およびCOP特性を得ることができるため、油分離器5
等の油分離に必要な各機器のコンパクト化および低コス
ト化を図ることができ、装置全体のコンパクト化および
コスト低減が可能となる効果もある。特に、特開平10
−246521号公報に記載されているように、HFC
系冷媒とアルキルベンゼン系冷凍機油の場合には、圧縮
機1から吐出される油循環率は一般的に0.3%〜2.
0%程度であるため、油分離器5以降に流出する冷凍機
油の油循環率を0.3%以上に設定すれば、通常の油分
離器5でも十分対応でき、油分離器5の構成が容易とな
るため、低コスト化およびコンパクト化の点で大きな利
点となる。
【0036】なお、上記実施の形態1では、油循環率を
制御する方法として、第2流量制御弁6によって油戻し
量を調整する例を示したが、図2に示した油分離器5で
は、油分離メッシュ24のメッシュ粗さや、メッシュの
重ね厚み、油分離器5の断面積の変化による冷媒流速の
変化、流入管21と流出管22の距離、油分離器5の高
さ、等によって油分離効率を変更することができ、これ
らをそれぞれ最適化することにより、所定の油分離効率
を得ることができるため、この油分離器5の油分離効率
を調整することによって、上記した第2流量制御弁6を
用いずとも、油循環率を適切な範囲に調整することがで
きる。
【0037】また、油戻し量を制御するのではなく、圧
縮機1から吐出される油の流出量自体を制御するよう構
成してもよく、例えば、圧縮機1の構造が油吐出量を少
なくするよう設計(例えば、圧縮機内で油分離を行うな
ど)され、油循環率が1%以下となるような場合には、
外部の油分離器5や油戻し回路27等も不要であり、こ
の場合、装置の一層のコンパクト化が可能となる効果も
ある。また、油分離器5や油戻し回路27等を設ける場
合であっても、これらの機器を圧縮機1の内部に収納す
れば、装置のコンパクト化が可能となる。
【0038】さらに、この他、油循環率を1%以下に制
御できるものであれば、油循環率の制御手段の構成にか
かわらず、上記実施の形態1と全く同様の効果を奏する
ことは明らかである。
【0039】また、上記したように、油循環率の増大に
伴って生じる熱伝達特性および圧力損失特性の劣化が蒸
発器4での油の分離、すなわち、冷媒中への油の溶解特
性に依存する(後述するように、熱伝達特性および圧力
損失特性は冷媒流速にも依存する)ものであることか
ら、HFC系冷媒に対してアルキルベンゼン系冷凍機油
と同等の溶解特性を有する非相溶もしくは難溶性の冷凍
機油であれば、上記図3および図4と同様の熱伝達特
性、圧力損失特性およびCOP特性を示すものと予想さ
れ、従って、このような冷凍機油においても、油循環率
を1%以下、より好ましくは、0.5%以下に制御する
ことにより、上記実施の形態1と全く同様の効果を奏す
ることができる。
【0040】また、上記実施の形態1では、実際の試験
結果に基いて油循環率の制御範囲を0〜1%とした例を
示したが、上記の議論から明らかように、油循環率を各
熱交換器、すなわち、蒸発器4や凝縮器2における冷媒
に対する油の溶解率以下とするよう制御しても、同様の
効果を得ることができる。
【0041】さらに、上記実施の形態1では、圧縮機1
と凝縮器2の間に油分離器5を設け、凝縮器2以降の冷
媒回路における油循環率を1%以下に制御するよう構成
したが、油分離器5を凝縮器2の下流に配置し、蒸発器
4の油循環率のみを1%以下としてもよく、凝縮器2ま
たは蒸発器4の少なくとも一方の油循環率を1%以下に
制御することにより、COP特性の低下を防止すること
ができる。また、上記図1においては、減圧装置とし
て、第1流量制御弁3を用いた例を示したが、いわゆる
キャピラリーチューブ等でもよいことはもちろんであ
る。
【0042】実施の形態2. 上記したように、冷凍空調サイクル装置の伝熱特性や圧
力損失特性を維持するためには、油戻し回路27によっ
て油を圧縮機1の吸入側に還流し、油循環率を常に1%
以下に調整する必要がある。しかしながら、油分離器5
で油分離をすると、油だけでなく、圧縮された冷媒もバ
イパスされてしまうため、油戻し量が多くなると凝縮器
2や蒸発器4を流れる冷媒流量が減少して、冷凍空調サ
イクル装置の能力低下を引き起こす恐れがある。従っ
て、この油戻し量は油循環率を1%以下とする範囲でで
きるだけ絞ることが望ましい。一方、圧縮機1の回転数
が可変できる冷凍空調サイクル装置においては、一般
に、図5中の破線で示すように、圧縮機1の回転数が高
くなり、冷媒流量(冷媒流速)が大きくなるほど冷媒吐
出量に対する圧縮機1からの相対的な油吐出量が増加
し、油循環率が高くなる特性を有しているため、このよ
うな回転数可変の圧縮機1を備えた冷凍空調サイクル装
置においては、第2流量制御弁6の開度を圧縮機1の回
転数に応じて調整し、油循環率Woが図5中の実線のよ
うになるよう油戻し量を制御する必要がある。
【0043】図6には、この発明の実施の形態2とし
て、上記のような課題を解決するための冷凍空調サイク
ル装置の構成を表す冷媒回路図を示す。図において、7
は圧縮機1の回転数(Hz)を検知し、この回転数に基
いて現在の油循環率Woを推定し、油循環率が1%以下
となるように第2流量制御弁6の開度を調節する検知演
算制御装置である。なお、冷媒回路に用いた冷媒と油は
実施の形態1と全く同一であり、また、図中、図1と同
一または相当部分は同一符号を付し、説明を省略する。
【0044】以下、この実施の形態2の動作について説
明する。この冷凍空調サイクル装置の稼動期間中、検知
演算制御装置7は圧縮機1の回転数(Hz)を検出し、
この回転数情報に基いて現状の油循環率(Wo)を推測
する。なお、回転数情報から油循環率を推測する方法と
しては、例えば、事前に、圧縮機1を単独で回転させ、
圧縮機1から吐出される油循環率の回転数依存性を測定
し、この油循環率と回転数との関係を検知演算制御装置
7に記憶させておくことにより、この回転数情報から実
際の冷凍空調サイクル装置での油循環率を推定すること
ができる。こうして、現状の油循環率(Wo)が推定さ
れると、続いて、検知演算制御装置7は、この油循環率
の推測値に基いて第2流量制御弁6の開度を調節し、油
分離器5からの油戻し量を調整することにより、油循環
率が常に1%以下となるよう制御する。
【0045】以上説明したように、この実施の形態2に
よれば、圧縮機1の回転数に応じて第2流量制御弁6の
開度を制御する検知演算制御装置7を備えたため、例え
ば、圧縮機1から吐出される油の相対量が増大する高回
転数域において、第2流量制御弁6の開度を大きくし、
油戻し量を大きくすることにより、熱交換器に流入する
油循環率を常に1%以下に設定できるとともに、圧縮機
1から吐出される油の相対量が小さな低回転数域におい
ては第2流量制御弁6の開度を小さくすることにより必
要以上の油分離を避け、冷媒のバイパス量を最小限に抑
えることができるため、圧縮機1の回転数が変化しても
冷凍空調サイクル装置を高いCOPで運転することが可
能になるとともに、冷媒のバイパスによる能力低下を防
止することができる効果がある。
【0046】また、油分離器5での油分離を必要最小限
とすることができるため、油分離器5の油分離効率を1
00%近くまで上げる必要がなく、油分離器5の低コス
ト化が可能となる効果もある。
【0047】なお、図6では、検知演算制御装置7とし
て、圧縮機1の回転数を検知する機能、圧縮機1の回転
数から油循環率を推定する機能および油循環率に基いて
第2流量制御弁6の開度を調節する機能を一体に構成し
た例を示したが、それぞれの機能を、検知装置、演算装
置および制御装置として別体に構成してもよい。
【0048】実施の形態3. 図7には、この発明の実施の形態3である冷凍空調サイ
クル装置の構成を表す冷媒回路図を示す。この実施の形
態3は、上記実施の形態2に、圧縮機1の吸入ガス(冷
媒)の湿り度Y(過熱ガス領域の過熱度を含む)を検知
する吸入ガス湿り度測定手段として、吸入ガス湿り度計
9を設けたものであり、吸入ガス湿り度計9によって検
出された湿り度が検知演算制御装置7に入力されるよう
構成されている。なお、この実施の形態3の冷媒回路に
用いた冷媒と油は実施の形態2と全く同一であり、ま
た、図中、図6と同一または相当部分は同一符号を付
し、説明を省略する。
【0049】以下、この実施の形態3の動作について説
明する。図8中の破線で示すように、一般に、冷凍空調
サイクル装置では、圧縮機1の吸入ガス(冷媒)の湿り
度が大きくなるほど圧縮機1から吐出される油の吐出量
が増加し、油循環率が高くなる特性を有する。そこで、
この実施の形態3では、吸入ガス湿り度計9が圧縮機1
の吸入ガスの湿り度Yを検知し、この湿り度Yに基いて
検知演算制御装置7が油循環率Woを推測し、第2流量
制御弁6の開度を調節することにより、油分離器5から
の油戻し量を制御し、油循環率Woが常に1%以下にな
るよう調整されている。なお、吸入ガスの湿り度Yから
油循環率Woを推測する方法としては、例えば、事前
に、圧縮機1単独で吸入ガスの湿り度と油循環率の関係
を測定しておき、この試験結果を検知演算制御装置7に
記憶させておいて、実際の冷凍空調サイクル装置におけ
る油循環率を推定するよう構成しておけばよい。
【0050】以上説明したように、この実施の形態3に
よれば、油循環率に影響を与える圧縮機1の吸入ガスの
湿り度Yに応じて第2流量制御弁6の開度を制御する検
知演算制御装置7を備えたため、例えば、湿り度Yの増
加に伴って圧縮機1から吐出される油の相対量が増大し
ても、第2流量制御弁6の開度を大きくし、油戻し量を
大きくすることにより、熱交換器に流入する油循環率を
常に1%以下に設定できるため、動作条件の変動等によ
って湿り度が変化しても冷凍空調サイクル装置を高いC
OPで運転することが可能となる効果がある。また、湿
り度Yが低い動作条件下では、第2流量制御弁6の開度
を小さくすることにより必要以上の油分離を避け、冷媒
のバイパス量を最小限に抑えることができるため、湿り
度Yが変化するような動作環境下でも、冷媒のバイパス
による能力低下を防止することができる効果がある。
【0051】さらに、この実施の形態3では、実施の形
態2と同様に、検知演算制御装置7が圧縮機1の回転数
によっても第2流量制御弁6の開度を制御するよう構成
されているため、上記実施の形態2と全く同様の効果が
得られるとともに、圧縮機1の回転数と吸入ガスの湿り
度Yの両方を考慮して油循環率を制御できるため、油循
環率の制御精度がより高くなる効果がある。
【0052】なお、上記図7では、吸入ガス湿り度測定
手段として、圧縮機1の吸入側に設置した吸入ガス湿り
度計9によって圧縮機1の吸入ガスの湿り度Yを検出す
るよう構成した例を示したが、例えば、図9に示すよう
に、圧縮機1の吐出側に吐出ガス(冷媒)の過熱度を検
知する吐出ガス過熱度計10を設け、吐出ガスの過熱度
から吸入ガスの湿り度Yを算出するよう構成してもよ
く、この場合、圧縮機1から吐出される吐出ガスの温度
を温度サーミスタ等によって測定することにより、圧力
飽和温度との温度差から過熱度を検知することができ
る。
【0053】実施の形態4. 図10には、この発明の実施の形態4である冷凍空調サ
イクル装置の構成を表す冷媒回路図を示す。図におい
て、11は圧縮機1の吸入側の吸入圧力を検出する吸入
圧力計、12は圧縮機1の吐出側の吐出圧力を検出する
吐出圧力計であり、各圧力計によって検出された圧力が
検知演算制御装置7に入力されるよう構成されている。
なお、この実施の形態4の冷媒回路に用いた冷媒と油は
実施の形態2と全く同一であり、また、図中、図6と同
一または相当部分は同一符号を付し、説明を省略する。
【0054】以下、この実施の形態4の動作について説
明する。一般に、冷凍空調サイクル装置では、圧縮機1
の吸入圧力と吐出圧力の差圧が大きくなるほど、また、
圧縮機1の吸入圧力が高いほど油吐出量が増加し、油循
環率が高くなる特性を有する。そこで、この実施の形態
4においては、吸入圧力計11および吐出圧力計12
が、それぞれ、圧縮機1の吸入圧力と吐出圧力を検知
し、これらの圧力情報に基いて検知演算制御装置7が油
循環率Woを推測し、第2流量制御弁6の開度を調節す
ることにより、油分離器5のからの油戻し量を制御し
て、油循環率Woを1%以下とするよう動作する。な
お、この場合の油循環率の推測方法としては、例えば、
事前に、圧縮機1単独での圧力変化と油循環率の関係を
測定しておき、この情報を検知演算制御装置7に記憶さ
せておいて、実際の冷凍空調サイクル装置での油循環率
の推定に用いるよう構成すればよい。
【0055】以上説明したように、この実施の形態4に
よれば、吸入圧力と吐出圧力の測定結果に基いて第2流
量制御弁6の開度を制御する検知演算制御装置7を備え
たため、動作条件の変動等によって冷媒回路の動作圧力
が変化しても油循環率を常に1%以下に設定でき、冷凍
空調サイクル装置を高いCOPで運転することが可能に
なる効果がある。
【0056】なお、上記図10に示した実施の形態4に
おいては、圧縮機1の吸入側と吐出側の両方の圧力を検
知する例を示したが、これらの差圧だけ、もしくは、吸
入側の圧力だけを検知するよう構成してもよい。また、
上記実施の形態2や実施の形態3において、圧縮機1の
吸入圧力と吐出圧力を検知するよう構成し、圧力情報と
回転数情報および吸入ガスの湿り度情報とに基いて、検
知演算制御装置7が油循環率Woを推測するよう構成す
れば、油循環率をより高精度に検出できる。
【0057】また、上記実施の形態4では、吸入圧力計
11および吐出圧力計12により吸入圧力および吐出圧
力を測定するよう構成していたが、温度サーミスタ等の
温度センサによって飽和温度を測定し、この飽和温度か
ら吸入圧力および吐出圧力を推定するよう構成してもよ
く、この場合、圧力センサに比べて温度センサの方が安
価であるため、機器の低コスト化が可能となる効果があ
る。
【0058】実施の形態5. 図11には、この発明の実施の形態5である冷凍空調サ
イクル装置の構成を表す冷媒回路図を示す。図におい
て、8は凝縮器2と第1流量制御弁3間に設けられ、冷
媒回路内を流れる油の油循環率を検出する油循環率計で
あり、検知演算制御装置7が、この油循環率計8で検出
された油循環率に基いて第2流量制御弁6の開度を調節
し、油分離器5からの油戻し量を制御して、油循環率を
1%以下とするよう構成されている。なお、この実施の
形態5の冷媒回路に用いた冷媒と油は実施の形態2と全
く同一であり、また、図中、図6と同一または相当部分
は同一符号を付し、説明を省略する。
【0059】以上説明したように、この実施の形態5に
よれば、冷媒回路中を流れる油の油循環率を直接測定す
る油循環率計8と、この測定結果に基いて第2流量制御
弁6の開度を制御する検知演算制御装置7を備えたた
め、冷媒回路の動作条件が変化しても油循環率を常に1
%以下に設定でき、冷凍空調サイクル装置を高いCOP
で運転することが可能になる効果がある。
【0060】また、圧縮機1の回転数等から推定する場
合に比べて油循環率Woの測定精度および制御精度が高
くなるとともに、圧縮機1の回転数等から油循環率を推
測するための演算装置が不要となって機器の低コスト化
が可能となる効果がある。
【0061】なお、図11では、油循環率計8を凝縮器
2の出口に設置した例を示したが、冷媒回路中であれ
ば、設置位置は凝縮器2の出口に限定されるものではな
い。また、実施の形態2ないし実施の形態4の冷凍空調
サイクル装置に油循環率計8を設け、圧縮機1の回転数
や圧縮機1の吸入ガスの湿り度、圧縮機1の吸入圧力と
吐出圧力、等の情報も含めて油循環率を制御するよう構
成してもよい。
【0062】実施の形態6. 図12には、この発明の実施の形態6による冷凍空調サ
イクル装置の構成を表す冷媒回路図を示す。この実施の
形態6は、実施の形態1において、油分離器5によって
冷媒の一部が油の還流とともに圧縮機1の吸入側に戻さ
れる際に、圧縮機1によって圧縮された冷媒の持つエン
タルピーをメインの冷媒回路に回収するよう構成したも
のであり、図12において、13は油分離器5と第2流
量制御弁6の間の油戻し回路27上に設けられた放熱
器、14は油戻し回路27の第2流量制御弁6の下流に
設けられ、凝縮器2の出口側の冷媒と熱交換する高低圧
熱交換部である。なお、この実施の形態6の冷媒回路に
用いた冷媒と油は実施の形態1と全く同一であり、ま
た、図中、図1と同一または相当部分は同一符号を付
し、説明を省略する。
【0063】以下、図12によりこの実施の形態6の動
作について説明する。油分離器5から油戻し回路27に
流れ込んだ圧縮冷媒ガスは、メインの冷媒回路における
凝縮器2に相当する放熱器13を通過する間に冷却さ
れ、第2流量制御弁6によって減圧され、低温の冷媒と
なって高低圧熱交換部14に流入する。そして、高低圧
熱交換部14で、メインの冷媒回路の凝縮器2を出た冷
媒と熱交換(冷却)することによって、第1流量制御弁
3に流れ込むメインの冷媒回路中の冷媒の過冷却度を上
昇させ、メインの冷媒回路の能力を向上させる。
【0064】以上のように、この実施の形態6によれ
ば、油戻し回路27上に放熱器13と高低圧熱交換部1
4を設け、油分離器5から油戻し回路27に流れ込んだ
圧縮冷媒ガスを第2流量制御弁6によって減圧し、低温
となった冷媒で第1流量制御弁3に流れ込むメインの冷
媒回路中の冷媒を冷却するよう構成したため、油戻し回
路27上を流れる冷媒のエネルギーを回収してメインの
冷媒回路の能力を向上させることができ、油分離にとも
なう冷媒のバイパスによる能力低下を防止することがで
きる
【0065】また、蒸発器4では、油戻し回路27に冷
媒がバイパスした分だけ冷媒流量が減少するが、上記の
過冷却によってエンタルピー差が増大することにより、
冷媒流量が減少しても蒸発能力が確保でき、一方、冷媒
流量の減少によって冷媒の圧力損失が減少することから
COPも向上する。
【0066】なお、上記図12では、放熱器13と凝縮
器2とを別体で構成した例を示したが、放熱器13と凝
縮器2の外部への放熱部分は一体に構成してもよい。
【0067】また、上記実施の形態2ないし実施の形態
5に示した冷凍空調サイクル装置に上記の放熱器13お
よび高低圧熱交換部14を設けてもよく、全く同様の効
果が得られる。
【0068】実施の形態7. 上記実施の形態1ないし実施の形態5では、油循環率と
冷媒熱伝達率特性、冷媒圧力損失特性およびCOPとの
関係に基いて、冷媒回路に流れる油循環率を調整するこ
とにより冷凍空調サイクル装置のCOPの低下を防止す
る方法について説明してきた。しかしながら、油循環率
を1%以下、より好ましくは、0.5%以下といった低
い値にするためには、油の戻し量を増加させる必要があ
り、上記した冷媒のバイパスによる冷却能力の低下の点
で必ずしも得策ではない。また、油分離器5での油分離
効率も向上させる必要があるため、油分離器5のコスト
が高くなるといった問題点も新たに発生する。
【0069】そこで、以下では、油循環率以外の、例え
ば、蒸発器4や吸入ガス配管25での冷媒流速を調整す
ることにより冷凍空調サイクル装置のCOPの低下を防
止する方法について説明する。まず、図13および図1
4には、それぞれ、この実施の形態7である冷凍空調サ
イクル装置のCOPおよび蒸発器における冷媒熱伝達率
(αi)とこの蒸発器における冷媒質量流速との関係を
表す特性図を示す。なお、この発明の実施の形態7の冷
媒回路の構成や動作は、図1の実施の形態1と全く同一
であるため、説明を省略する。
【0070】図13は、蒸発温度0℃、冷凍機油粘度グ
レード22[cSt,40℃]の動作条件において、油循環率を
0%から1%まで変化させたときの、蒸発器4の伝熱管
における冷媒質量流速とCOPの関係を測定した結果で
あり、図13より、油循環率が1%であっても伝熱管内
の冷媒質量流速が120[kg/m2・s]以上であれば、油循
環率が0%〜0.5%の時のCOPと同等となることが
分かる。また、上記と同じ動作条件で測定された冷媒熱
伝達率についても、図14より、冷媒質量流速が120
[kg/m2・s]以上であれば、0%〜1%の範囲でほぼ同等
の値を有しており、以上より、伝熱管内での冷媒質量流
速を120[kg/m2・s]以上とするこの実施の形態7によ
れば、油循環率が1%でも、油循環率が0%〜0.5%
の時の冷媒熱伝達率(αi)およびCOPを達成するこ
とができる。
【0071】こうして、この実施の形態7によれば、蒸
発器4の伝熱管内での冷媒質量流速を120[kg/m2・s]
以上とすることにより、油循環率が大きい領域において
もCOPを維持することができるため、油の戻し量を増
加させる必要がなく、冷媒のバイパスによる冷却能力の
低下の防止や油分離器5の低コスト化が可能になるとい
った効果がある。
【0072】なお、このように冷媒質量流速により熱伝
達特性およびCOPの特性が変化した要因としては、冷
媒と分離して伝熱管内壁に付着した油膜の厚さが冷媒質
量流速の増加とともに薄くなり、冷媒から伝熱管へ熱を
伝える際の熱抵抗が減少したためと推測される。また、
このことから、上記実施の形態7では、蒸発器4におけ
る冷媒質量流速と冷媒熱伝達率およびCOPの関係につ
いて説明したが、凝縮器2では、冷媒の温度が高く、油
の粘度も低くなっていることから、蒸発器4と同一流速
時の伝熱管内の油膜厚さは蒸発器4より薄くなってお
り、従って、凝縮器2の伝熱管においても冷媒質量流速
を120[kg/m2・s]以上とすることにより、十分な冷媒
熱伝達率およびCOPが得られる。
【0073】また、このような冷媒質量流速を達成する
方法としては、実際の冷凍空調サイクル装置の設計時
に、伝熱管における冷媒質量流速が120[kg/m2・s]以
上となるように、伝熱管の内径や蒸発器4および凝縮器
2の冷媒流路のパス数を調整したり、あるいは、圧縮機
1の回転数を設定するなどすればよい。
【0074】実施の形態8. 次に、図15および図16には、それぞれ、吸入圧力
0.7[MPa]、冷凍機油粘度グレード22[cSt,40℃]の
動作条件において測定された、この発明の実施の形態8
である冷凍空調サイクル装置のCOPおよび吸入ガス配
管25の両端間の冷媒圧力損失(ΔP)と吸入ガス配管
25内における冷媒流速との関係を表す特性図を示す。
なお、この実施の形態7の冷媒回路の構成や動作につい
ては、図1の実施の形態1と全く同一であるため、説明
を省略する。
【0075】図15は、油循環率を0%から1%まで変
化させたときの、吸入ガス配管25内の冷媒流速とCO
Pの関係を測定した結果であり、図15より、油循環率
が1%であっても吸入ガス配管25内の冷媒流速が6[m
/s]以上であれば、油循環率が0%〜0.5%の時のC
OPと同等となることが分かる。また、図16より、吸
入ガス配管25の両端間の冷媒圧力損失(ΔP)につい
ても、冷媒流速が6[m/s]以上であれば、0%〜1%の
範囲でほぼ同等の値を有しており、以上より、吸入ガス
配管25内の冷媒流速を6[m/s]以上とするこの実施の
形態8によれば、油循環率が1%でも、油循環率が0%
〜0.5%の時の冷媒圧力損失(ΔP)およびCOPを
達成することができる。
【0076】こうして、この実施の形態8によれば、油
循環率が大きい領域においてもCOPを維持することが
できるため、油の戻し量を増加させる必要がなく、冷媒
のバイパスによる冷却能力の低下の防止や油分離器5の
低コスト化が可能になるといった効果がある。
【0077】なお、上記実施の形態8では、吸入ガス配
管25内の冷媒流速を変化させた場合について説明した
が、吐出ガス配管26についても、図15に示すような
油循環率をパラメータとした測定を行なった結果、冷媒
流速に対するCOPへの寄与は認められなかった。これ
は、吐出ガス配管26では、吸入ガス配管25より冷媒
密度が大きく、冷媒温度も高く、しかも、油粘度が低い
ことから、吸入ガス配管25に比べて油の冷媒圧力損失
への寄与が小さいためであり、従って、冷媒回路中のど
の冷媒ガス配管(ガス状態の冷媒が流動する部分)にお
いても、その冷媒流速を6[m/s]以上とすれば、COP
を向上させることができる。
【0078】また、このように、冷媒流速によって熱伝
達特性およびCOPの特性が変化した要因としては、冷
媒と分離して吸入ガス配管25の内壁に付着した油膜の
厚さが冷媒流速の増加とともに薄くなり、冷媒より粘度
が高い油による管内圧力損失増加の影響が小さくなるた
めと推測される。
【0079】なお、実際の冷凍空調サイクル装置の設計
時には、各配管の内径調整や冷媒流路パス数の調整ある
いは圧縮機1の回転数制御を行い、配管の方向(水平、
垂直)等によらずに、冷媒ガス配管中の冷媒流速が6[m
/s]以上となるよう設計する必要がある。
【0080】なお、上記実施の形態1ないし実施の形態
8に示した冷凍空調サイクル装置では、冷媒としてHF
C系冷媒のR410Aを、冷凍機油としてアルキルベン
ゼン系の冷凍機油を用いた例を示したが、オゾン層の保
護の観点からは、冷媒として、この他、HFC系冷媒で
ある、R116、R125、R134a、R14、R1
43a、R152a、R227ea、R23、R236
ea、R236fa、R245ca、R245fa、R
32、R41、RC318などやこれら冷媒の数種の混
合冷媒であるR407A、R407B、R407C、R
407D、R407E、R410B、R404A、R5
07A、R508A、R508Bなどを用いてもよく、
また、HC系の冷媒であるブタン、イソブタン、エタ
ン、プロパン、プロピレンなどやこれら冷媒の数種の混
合冷媒、さらには、自然冷媒(空気、炭酸ガス、アンモ
ニアなどや、これら冷媒の数種の混合冷媒)を用いるこ
ともできる。また、冷凍機油については、これらの各種
冷媒に対して非相溶または難溶性の冷凍機油であれば、
鉱油系の冷凍機油などを用いてもよい。なお、上記実施
の形態1ないし実施の形態8に示した冷凍空調サイクル
装置では、冷凍機油として前述した各種冷媒に対して非
相溶または難溶性の冷凍機油を用いているので、冷凍機
油に溶解する冷媒量が減少し、装置に充填する冷媒量を
削減することができ、オゾン層の保護や地球温暖化防止
の観点でより効果がある。
【0081】実施の形態9. 図17には、この発明の実施の形態9である冷凍空調サ
イクル装置の構成を表す冷媒回路図を示す。この実施の
形態9は、実施の形態1の図1と全く同様の冷媒回路に
おいて、作動流体となる冷媒にHFC系冷媒のR407
Cを、冷凍機油として、この冷媒に溶解するエステル系
冷凍機油を用いたものであり、冷凍機油が冷媒に対して
相溶性を有する点で実施の形態1と異なっている。な
お、図17において、図1と同一または相当部分は同一
符号を付し、説明を省略する。また、各構成要素および
冷凍空調サイクル装置としての基本的な動作も、実施の
形態1と全く同様であるため説明を省略し、以下では、
この実施の形態9の冷凍空調サイクル装置の試験結果に
ついて説明する。
【0082】図18および図19に、蒸発温度0℃、冷
媒質量流速100[kg/m2・s]、冷凍機油粘度グレード3
2[cSt,40℃]の動作条件において測定した、この実施の
形態9の冷凍空調サイクル装置の試験結果を示す。図1
8は、図3と同様に、第2流量制御弁6の弁開度を変化
させることにより、油戻し回路27によって還流される
油戻し量を調整し、油循環率[全質量流量(=冷媒流量
+油流量)に対する油質量流量の比(%)]を変化させ
ながら、蒸発器4での冷媒熱伝達率αiを測定した結果
であり、ここで、蒸発器4としては、プレートフィンチ
ューブ型熱交換器を用い、また、冷媒熱伝達率は伝熱管
の管内側熱伝達率を測定したものである。図18より、
油循環率が0%から増大するにつれて冷媒熱伝達率αi
が向上しており、油循環率が略2%以下の範囲では、油
循環率が0%の時より冷媒熱伝達率が大きくなり、伝熱
促進効果が認められる。特に、油循環率が1.0%の時
には、冷媒熱伝達率αiが最大値を有することが分か
る。
【0083】また、図19には、油循環率を変化させた
時の蒸発器4の入口から圧縮機1の吸入側までの冷媒の
圧力損失ΔPの測定結果を示す。図18から、図4と同
様に、油循環率が1%を境に冷媒圧力損失ΔPが急激に
増加することが分かる。
【0084】図18および図19には、同時に測定した
油循環率と冷凍空調サイクル装置のCOPとの関係も示
す。図より、この実施の形態9による冷凍空調サイクル
装置では、前記した冷媒熱伝達率の伝熱促進効果によ
り、油循環率が1%の時に、油循環率が0%の時のCO
Pに対して最大約1.2倍のCOPが得られるととも
に、油循環率が略0.8%〜略1.5%の範囲では、油
循環率が0の時のCOP(100%)を上回るCOPが
得られることが分かる。なお、油循環率が0〜0.8%
の範囲でCOPが100%を下回るのは、冷媒熱伝達率
の伝熱促進効果より図19に示した冷媒圧力損失の増大
の影響が大きいためであり、また、油循環率が1.5%
以上では、冷媒熱伝達率の減少と冷媒圧力損失の急激な
増大によってCOPが低下するものと考えられる。
【0085】以上説明したように、この実施の形態9に
よれば、HFC系冷媒とこの冷媒と相溶性を有するエス
テル系冷凍機油を用いた冷凍空調サイクル装置におい
て、第2流量制御弁6により油循環率を略0.8%〜略
1.5%の範囲、好ましくは、1.0%程度(0.9%
〜1.2%では、油循環率が0%の時に比べて、1.1
倍以上のCOPが得られる)に制御するよう構成したた
め、伝熱特性が向上し、冷凍空調サイクル装置のCOP
が向上する効果がある。
【0086】また、油循環率を略0.8%〜略1.5%
の範囲としたため、実用的な油分離効率の範囲で十分な
熱伝達特性と圧力損失特性およびCOP特性を得ること
ができるため、油分離器5等の油分離に必要な各機器の
コンパクト化および低コスト化を図ることができ、装置
全体のコンパクト化およびコスト低減が可能となる効果
もある。
【0087】なお、上記実施の形態9では、油循環率を
略0.8%〜略1.5%の範囲に設定することにより、
油循環率が0%の時よりCOPを向上させた例を示した
が、図18に示すように、油循環率が0%〜0.8%の
範囲においても、油循環率が0%の時の約95%のCO
Pを得ることができるため、油循環率が0%の時のCO
Pをほぼ維持する観点からは、油循環率を0〜1.5%
の範囲で制御するよう構成してよく、この場合、制御範
囲が拡がるため、油循環率の制御が容易となる効果があ
る。
【0088】また、上記実施の形態9では、油循環率を
制御する方法として、第2流量制御弁6によって油戻し
量を調整する例を示したが、図2に示した油分離器5で
は、油分離メッシュ24のメッシュ粗さや、メッシュの
重ね厚み、油分離器5の断面積の変化による冷媒流速の
変化、流入管21と流出管22の距離、油分離器5の高
さ、等によって油分離効率を変更することができ、これ
らをそれぞれ最適化することにより、所定の油分離効率
を得ることができるため、この油分離器5の油分離効率
を調整することによって、上記した第2流量制御弁6を
用いずとも、油循環率を適切な範囲に調整することがで
きる。
【0089】また、例えば、圧縮機1のシェル内部に圧
縮機1の回転数に応じて油分離効率が変化する機構を内
蔵した油分離器を設け、この油分離器が圧縮機1のシェ
ルから流出する油吐出量を調整することにより、油の吐
出量が少ない低回転数域から吐出量が大となる高回転数
域まで、冷媒回路中に流出する油循環率が常に0.8%
〜1.5%とするような、油吐出量を制御する構造や機
構を圧縮機1内に設けてもよい。
【0090】さらに、上記実施の形態9に、上記実施の
形態2ないし実施の形態5で説明した検知演算制御装置
7等の各機器を適用すれば、圧縮機1の回転数変動や吸
入ガスの湿り度の変化等に対応して、油循環率を、常
に、上記した適切な範囲に制御することができ、それぞ
れ、実施の形態2ないし実施の形態5と同様の効果を得
ることができる。
【0091】また、実施の形態6と同様に、油戻し回路
27上に放熱器13と高低圧熱交換器14を設け、油分
離器5によってバイパスされた冷媒の持つエネルギーを
メインの冷媒回路に回収するよう構成すれば、冷凍空調
サイクル装置のCOPを一層向上させることができる。
【0092】なお、伝熱管内や冷媒ガス配管内の冷媒流
速が冷凍空調サイクル装置のCOPに与える影響につい
て、実施の形態7および実施の形態8と同様に、実施の
形態9の構成においても油循環率が高い場合(1.0〜
2.0%)について実験的に確認したが、冷媒流速によ
る顕著な差は認められなかった。従って、上記図18お
よび図19に示した油循環率とCOPとの関係は冷媒流
速に依存しないものであり、油循環率を略0.8%〜略
1.5%、好ましくは、1%程度に制御すれば、冷媒流
速によらず上記と同様の効果が得られる。
【0093】実施の形態10. 上記実施の形態9では、冷媒としてHFC系冷媒のR4
07Cを、また、冷凍機油としてこの冷媒に対して相溶
性を有するエステル系の冷凍機油を用いた場合の試験結
果について説明したが、上記R407C冷媒とこの冷媒
に対して相溶性を有するエーテル系冷凍機油を用いた試
験でも、上記と全く同様の特性が得られており、油循環
率を略0.8%〜略1.5%の範囲、より好ましくは、
1%程度に制御することにより、冷凍空調サイクル装置
のCOPを向上させることができる。
【0094】実施の形態11. 図20には、この発明の実施の形態11である冷凍空調
サイクル装置の構成を表す冷媒回路図を示す。この実施
の形態11では、図17の実施の形態9の冷媒回路と比
べて、油分離器5を凝縮器2と蒸発器4の間に設置した
点、および、圧縮機1から吐出される油循環率を1%前
後に設定した点に特徴がある。なお、冷媒および冷凍機
油は実施の形態9と全く同一であり、図中、図17と同
一または相当部分は同一符号を付し、説明を省略する。
【0095】以下、この実施の形態11における油分離
器5の配置位置の効果について説明する。一般に、冷媒
回路における圧力損失は、低圧側である蒸発器4での冷
媒圧力損失ΔPの方が、高圧側である凝縮器2での冷媒
圧力損失ΔPより大きい。また、冷媒熱伝達率αiがC
OPに与える影響の度合いについては、凝縮熱伝達率が
向上することによって冷凍サイクルの高圧側圧力が低下
する効果の方が、蒸発熱伝達率の向上によって低圧側圧
力が上昇する場合に比べて、COP向上への寄与が大き
いため、凝縮器2の冷媒熱伝達率αiを上げる方が蒸発
器4の冷媒熱伝達率αiを改善するより効果的である。
【0096】一方、この実施の形態11における油循環
率と蒸発器4での冷媒熱伝達率αiおよび冷媒圧力損失
ΔPの関係は、図18および図19と全く同様であり、
油循環率が1%前後において冷媒熱伝達率αiが最大と
なり、冷媒圧力損失ΔPは油循環率とともに急激に増大
する特性を有する。従って、圧力損失が小さく、冷媒熱
伝達率のCOPに対する影響度が大きい凝縮器2におい
ては、油循環率を1%前後に設定して熱伝達を促進し、
圧力損失が大きく、COPに与える冷媒熱伝達率の影響
が小さい蒸発器4においては、油循環率をできるだけ低
く設定して圧力損失を減少させるよう構成することによ
り、実施の形態9に比べて、COPを一層向上させるこ
とができる。
【0097】こうして、この実施の形態11では、油分
離器5を凝縮器2と蒸発器4の間に設置したため、凝縮
器2における油循環率と蒸発器4における油循環率を別
の値に設定でき、圧縮機1の設計および第2流量制御弁
6の開度調整によって凝縮器2および蒸発器4の油循環
率を各熱交換器に適した油循環率に制御することによ
り、冷凍空調サイクル装置のCOPを一層向上させるこ
とができる。
【0098】特に、上記実施の形態11では、冷媒にH
FC系冷媒のR407Cを、冷凍機油としてこの冷媒に
溶解するエステル系冷凍機油を用いた冷凍空調サイクル
装置において、図18および図19の試験結果に基い
て、凝縮器2における油循環率が1%前後に、また、蒸
発器4における油循環率が1%以下となるよう制御した
ため、実施の形態9に比べて、冷凍空調サイクル装置の
COPが一層向上する効果がある。
【0099】なお、上記実施の形態11では、圧縮機1
の設計時に圧縮機1から吐出される油循環率が1%前後
になるよう設計した例を示したが、油分離器を圧縮機1
内に内蔵したり、実施の形態1と同様に、圧縮機1の吐
出側にもうひとつの油分離器および油戻し回路等を設
け、凝縮器2での油循環率を制御するよう構成してもよ
い。また、圧縮機1から吐出される油循環率を制御せ
ず、油分離器5により蒸発器4における油循環率のみを
制御するよう構成してもよく、全く同様の効果を奏す
る。
【0100】実施の形態12. 図21には、この発明の実施の形態12である冷凍空調
サイクル装置の構成を表す冷媒回路図を示す。この実施
の形態12は、図20の実施の形態11の冷媒回路に、
油循環率を直接測定する油循環率計8と、圧縮機1の吸
入ガスの湿り度を検出する吸入ガス湿り度計9と、圧縮
機1の回転数を検知するとともに、油循環率計8および
吸入ガス湿り度計9からの油循環率と湿り度の情報に基
いて第2流量制御弁6の弁開度を調整する検知演算制御
装置7とを設けたものであり、さらに、第2流量制御弁
6の下流の油戻し回路27上には、凝縮器2の出口側の
冷媒と熱交換する高低圧熱交換部14が備えられてい
る。なお、図中、図20と同一または相当部分は同一符
号を付し、説明を省略する。
【0101】以下、この実施の形態12の動作について
説明する。圧縮機1から吐出された冷凍機油は、圧縮機
1内に内蔵された油分離器によって分離され、凝縮器2
に流れ込む油循環率が1.0%前後になるよう調整され
る。また、検知演算制御装置7が、圧縮機1の回転数や
油循環率計8による油循環率および吸入ガス湿り度計9
による吸入ガスの湿り度の測定結果に基いて第2流量制
御弁3を調整することにより、凝縮器2と蒸発器4の間
に設置された油分離器5から還流される油戻し量が制御
され、蒸発器4に流れ込む油循環率が可能な限り低い値
に設定される。
【0102】こうして、この実施の形態12によれば、
凝縮器2は冷媒圧力損失ΔPが小さく、かつ、冷媒熱伝
達率αiが最も高い油循環率で動作し、また、蒸発器4
は冷媒圧力損失ΔPが最も小さい状態で動作することと
なり、実施の形態9と比べて、冷凍空調サイクル装置の
COPが向上する。また、検知演算制御装置7が、圧縮
機1の回転数や油循環率計8による油循環率および吸入
ガス湿り度計9による吸入ガスの湿り度の測定結果に基
いて第2流量制御弁3を調整するため、動作条件が変化
しても、油分離を確実に行なうことができるとともに、
油戻しに伴う冷媒のバイパス量を最小限に抑えることが
でき、冷媒のバイパスによる能力低下を防止できる効果
がある。
【0103】なお、上記実施の形態9ないし実施の形態
12では、冷媒としてHFC系冷媒のR407Cを、冷
凍機油としてエステル系またはエーテル系の冷凍機油を
用いた例を示したが、オゾン層の保護の観点からは、こ
の他、HFC系冷媒であるR116、R125、R13
4a、R14、R143a、R152a、R227e
a、R23、R236ea、R236fa、R245c
a、R245fa、R32、R41、RC318などや
これら冷媒の数種の混合冷媒であるR407A、R40
7B、R407D、R407E、R410A、R410
B、R404A、R507A、R508A、R508B
などを用いてもよく、また、HC系の冷媒であるブタ
ン、イソブタン、エタン、プロパン、プロピレンなどや
これら冷媒の数種の混合冷媒、さらには、自然冷媒(空
気、炭酸ガス、アンモニアなどや、これら冷媒の数種の
混合冷媒)を用いることもできる。また、冷凍機油につ
いては、これらの各種冷媒に対して相溶性を有するアル
キルベンゼン系や鉱油系、フッ素系などの冷凍機油を用
いてもよい。
【0104】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に示すような効果を奏する。
【0105】圧縮機、凝縮器、減圧装置および蒸発器を
冷媒配管で順次接続した冷媒回路を備えた冷凍空調サイ
クル装置において、前記冷媒回路中に、冷媒と前記冷媒
に対して非相溶もしくは難溶性である冷凍機油を封入す
るとともに、前記圧縮機内に前記凝縮器または前記蒸発
器の少なくとも一方の前記冷凍機油の油循環率を、0〜
1%の範囲内に調整する油循環率制御手段を設けたた
め、エネルギー効率(COP)に優れた冷凍空調サイク
ル装置が得られる効果がある。
【0106】また、前記冷媒としてHFC系冷媒を用い
たため、オゾン層が保護される効果がある。
【0107】また、圧縮機、凝縮器、減圧装置および蒸
発器を冷媒配管で順次接続した冷媒回路を備えた冷凍空
調サイクル装置において、前記冷媒回路中に、HFC系
冷媒と前記HFC系冷媒に対して相溶性である冷凍機油
を封入するとともに、前記圧縮機内に前記凝縮器または
前記蒸発器の少なくとも一方の前記冷凍機油の油循環率
を、0〜1.5%の範囲内に調整する油循環率制御手段
を設けたため、エネルギー効率(COP)に優れた冷凍
空調サイクル装置が得られる効果がある。
【0108】また、前記油循環率制御手段として前記圧
縮機内に油分離器を内蔵したため、装置のコンパクト化
が可能となる効果がある。
【0109】また、前記凝縮器または前記蒸発器の少な
くとも一方の伝熱管内の冷媒質量流速を、120[kg
/m2・s]以上とするよう構成したため、油循環率が
大きい領域においても高いCOPで運転することが可能
な冷凍空調サイクル装置が得られる効果がある。
【0110】また、前記冷媒回路中の冷媒ガス配管内の
冷媒流速を、6[m/s]以上とするよう構成したた
め、油循環率が大きい領域においても高いCOPで運転
することが可能な冷凍空調サイクル装置が得られる効果
がある。
【0111】また、圧縮機、凝縮器、減圧装置および蒸
発器を冷媒配管で順次接続した冷媒回路を備えた冷凍空
調サイクル装置において、前記冷媒回路中に、冷媒と前
記冷媒に対して非相溶もしくは難溶性である冷凍機油を
封入するとともに、前記冷媒回路上に前記凝縮器または
前記蒸発器の少なくとも一方の前記冷凍機油の油循環率
[全質量流量(=前記冷媒の流量+前記冷凍機油の流
量)に対する前記冷凍機油の質量流量の比(%)]を、
0〜1%の範囲内に調整する油循環率制御手段を設け、
前記油循環率制御手段は、前記冷媒と前記冷凍機油を分
離する油分離器と、前記油分離器によって分離された前
記冷凍機油を前記圧縮機の吸入側に還流する油戻し回路
と、前記油戻し回路上に設けられ、前記冷凍機油の油戻
し量を調整する第2流量制御弁と、前記圧縮機の吸入ガ
スの湿り度を検知する吸入ガス湿り度測定手段と、前記
吸入ガス湿り度測定手段によって測定された吸入ガスの
湿り度に基いて前記第2流量制御弁を制御する検知演算
制御装置とを備えたため、前記圧縮機の吸入ガスの湿り
度が変化しても、油循環率を適切な範囲に制御でき、冷
凍空調サイクル装置を高いCOPで運転できる効果があ
る。
【0112】また、圧縮機、凝縮器、減圧装置および蒸
発器を冷媒配管で順次接続した冷媒回路を備えた冷凍空
調サイクル装置において、前記冷媒回路中に、HFC系
冷媒と前記HFC系冷媒に対して相溶性である冷凍機油
を封入するとともに、前記冷媒回路上に前記凝縮器また
は前記蒸発器の少なくとも一方の前記冷凍機油の油循環
率[全質量流量(=前記冷媒の流量+前記冷凍機油の流
量)に対する前記冷凍機油の質量流量の比(%)]を、
0〜1.5%の範囲内に調整する油循環率制御手段を設
け、前記油循環率制御手段は、前記冷媒と前記冷凍機油
を分離する油分離器と、前記油分離器によって分離され
た前記冷凍機油を前記圧縮機の吸入側に還流する油戻し
回路と、前記油戻し回路上に設けられ、前記冷凍機油の
油戻し量を調整する第2流量制御弁と、前記圧縮機の吸
入ガスの湿り度を検知する吸入ガス湿り度測定手段と、
前記吸入ガス湿り度測定手段によって測定された吸入ガ
スの湿り度に基いて前記第2流量制御弁を制御する検知
演算制御装置とを備えたえたため、前記圧縮機の吸入ガ
スの湿り度が変化しても、油循環率を適切な範囲に制御
でき、冷凍空調サイクル装置を高いCOPで運転できる
効果がある。
【0113】また、前記圧縮機内に油分離器を内蔵した
ため、装置のコンパクト化が可能となる効果がある。
【0114】また、前記油循環率制御手段が、前記圧縮
機の回転数を検知するとともに、この回転数情報に基い
て前記第2流量制御弁を制御する検知演算制御装置を備
えたため、前記圧縮機の回転数が変化しても、油循環率
を適切な範囲に制御でき、冷凍空調サイクル装置を高い
COPで運転できる効果がある。
【0115】また、前記油分離器と前記第2流量制御弁
間の前記油戻し回路上に放熱器を設けるとともに、前記
第2流量制御弁の下流の前記油戻し回路上に、前記凝縮
器と前記減圧装置間の前記冷媒との間で熱交換する高低
圧熱交換器を設けたため、前記油戻し回路によってバイ
パスされる冷媒の持つエネルギーを回収でき、冷凍空調
サイクル装置のエネルギー効率をより向上できる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の構成を表す冷媒回
路図。
【図2】 この発明の実施の形態1の油分離器の構成を
表す構造図。
【図3】 この発明の実施の形態1の冷媒熱伝達率およ
びCOPの特性図。
【図4】 この発明の実施の形態1の冷媒圧力損失およ
びCOPの特性図。
【図5】 この発明の実施の形態2の作用を表す特性
図。
【図6】 この発明の実施の形態2の構成を表す冷媒回
路図。
【図7】 この発明の実施の形態3の構成を表す冷媒回
路図。
【図8】 この発明の実施の形態3の作用を表す特性
図。
【図9】 この発明の実施の形態3の他の構成例を表す
冷媒回路図。
【図10】 この発明の実施の形態4の構成を表す冷媒
回路図。
【図11】 この発明の実施の形態5の構成を表す冷媒
回路図。
【図12】 この発明の実施の形態6の構成を表す冷媒
回路図。
【図13】 この発明の実施の形態7のCOPの特性
図。
【図14】 この発明の実施の形態7の冷媒熱伝達率の
特性図。
【図15】 この発明の実施の形態8のCOPの特性
図。
【図16】 この発明の実施の形態8の冷媒圧力損失の
特性図。
【図17】 この発明の実施の形態9の構成を表す冷媒
回路図。
【図18】 この発明の実施の形態9の冷媒熱伝達率お
よびCOPの特性図。
【図19】 この発明の実施の形態9の冷媒圧力損失お
よびCOPの特性図。
【図20】 この発明の実施の形態11の構成を表す冷
媒回路図。
【図21】 この発明の実施の形態12の構成を表す冷
媒回路図。
【図22】 従来の冷凍空調装置の構成を表す冷媒回路
図。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 凝縮器 3 第1流量制御弁(減圧装置) 4 蒸発器 5 油分離器(油循環率制御手段) 6 第2流量制御弁(油循環率制御手段) 7 検知演算制御装置(油循環率制御手段) 8 油循環率計 9 吸入ガス湿り度計(吸入ガス湿り度測定手段) 10 吐出ガス過熱度計(吸入ガス湿り度測定手段) 11 吸入圧力計(差圧検出手段) 12 吐出圧力計(差圧検出手段) 13 放熱器 14 高低圧熱交換器 21 流入管 22 流出管 23 油戻し管 24 油分離メッシュ 25 吸入ガス配管 26 吐出ガス配管 27 油戻し回路(油循環率制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−125481(JP,A) 特開 平10−246521(JP,A) 特開 平10−259960(JP,A) 特開 平10−205936(JP,A) 特開 平10−185337(JP,A) 特開 平10−197080(JP,A) 特開 昭61−147072(JP,A) 特開 平6−74579(JP,A) 特開 平2−140557(JP,A) 特開 平10−170108(JP,A) 特開 平8−178574(JP,A) 特開 平8−86519(JP,A) 実開 昭59−35211(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 1/00 387 F25B 1/00 395 F25B 43/02

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機、凝縮器、減圧装置および蒸発器
    を冷媒配管で順次接続した冷媒回路を備えた冷凍空調サ
    イクル装置において、前記冷媒回路中に、冷媒と前記冷
    媒に対して非相溶もしくは難溶性である冷凍機油を封入
    するとともに、前記圧縮機内に前記凝縮器または前記蒸
    発器の少なくとも一方の前記冷凍機油の油循環率[全質
    量流量(=前記冷媒の流量+前記冷凍機油の流量)に対
    する前記冷凍機油の質量流量の比(%)]を、0〜1%
    の範囲内に調整する油循環率制御手段を設けたことを特
    徴とする冷凍空調サイクル装置。
  2. 【請求項2】 前記冷媒としてHFC系冷媒を、また、
    前記冷凍機油としてアルキルベンゼン系の冷凍機油を用
    いたことを特徴とする請求項1記載の冷凍空調サイクル
    装置。
  3. 【請求項3】 前記冷媒としてR410AまたはR32
    を用いたことを特徴とする請求項2に記載の冷凍空調サ
    イクル装置。
  4. 【請求項4】 圧縮機、凝縮器、減圧装置および蒸発器
    を冷媒配管で順次接続した冷媒回路を備えた冷凍空調サ
    イクル装置において、前記冷媒回路中に、HFC系冷媒
    と前記HFC系冷媒に対して相溶性である冷凍機油を封
    入するとともに、前記圧縮機内に前記凝縮器または前記
    蒸発器の少なくとも一方の前記冷凍機油の油循環率[全
    質量流量(=前記冷媒の流量+前記冷凍機油の流量)に
    対する前記冷凍機油の質量流量の比(%)]を、0〜
    1.5%の範囲内に調整する油循環率制御手段を設けた
    ことを特徴とする冷凍空調サイクル装置。
  5. 【請求項5】 前記冷凍機油としてエステル系またはエ
    ーテル系の少なくとも一方を含む冷凍機油を用いたこと
    を特徴とする請求項4に記載の冷凍空調サイクル装置。
  6. 【請求項6】 前記冷媒としてR407Cを用いたこと
    を特徴とする請求項5に記載の冷凍空調サイクル装置。
  7. 【請求項7】 前記油循環率制御手段として、前記圧縮
    機内に油分離器を内蔵したことを特徴とする請求項1な
    いし請求項6のいずれかに記載の冷凍空調サ イクル装
    置。
  8. 【請求項8】 前記凝縮器または前記蒸発器の少なくと
    も一方の伝熱管内の冷媒質量流速を、120[kg/m
    2 ・s]以上とするよう構成したことを特徴とする請求
    項1ないし請求項7のいずれかに記載の冷凍空調サイク
    ル装置。
  9. 【請求項9】 前記冷媒回路中の冷媒ガス配管内の冷媒
    流速を、6[m/s]以上とするよう構成したことを特
    徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の冷
    凍空調サイクル装置。
  10. 【請求項10】 圧縮機、凝縮器、減圧装置および蒸発
    器を冷媒配管で順次接続した冷媒回路を備えた冷凍空調
    サイクル装置において、前記冷媒回路中に、冷媒と前記
    冷媒に対して非相溶もしくは難溶性である冷凍機油を封
    入するとともに、前記冷媒回路上に前記凝縮器または前
    記蒸発器の少なくとも一方の前記冷凍機油の油循環率
    [全質量流量(=前記冷媒の流量+前記冷凍機油の流
    量)に対する前記冷凍機油の質量流量の比(%)]を、
    0〜1%の範囲内に調整する油循環率制御手段を設け、
    前記油循環率制御手段は、前記冷媒と前記冷凍機油を分
    離する油分離器と、前記油分離器によって分離された前
    記冷凍機油を前記圧縮機の吸入側に還流する油戻し回路
    と、前記油戻し回路上に設けられ、前記冷凍機油の油戻
    し量を調整する第2流量制御弁と、前記圧縮機の吸入ガ
    スの湿り度を検知する吸入ガス湿り度測定手段と、前記
    吸入ガス湿り度測定手段によって測定された吸入ガスの
    湿り度に基いて前記第2流量制御弁を制御する検知演算
    制御装置とを備えたことを特徴とする冷凍空調サイクル
    装置。
  11. 【請求項11】 圧縮機、凝縮器、減圧装置および蒸発
    器を冷媒配管で順次接続した冷媒回路を備えた冷凍空調
    サイクル装置において、前記冷媒回路中に、HFC系冷
    媒と前記HFC系冷媒に対して相溶性である冷凍機油を
    封入するとともに、前記冷媒回路上に前記凝縮器または
    前記蒸発器の少なくとも一方の前記冷凍機油の油循環率
    [全質量流量(=前記冷媒の流量+前記冷凍機油の流
    量)に対する前記冷凍機油の質量流量の比(%)]を、
    0〜1.5%の範囲内に調整する油循環率制御手段を設
    け、前記油循環率制御手段は、前記冷媒と前記冷凍機油
    を分離する油分離器と、前記油分離器によって分離され
    た前記冷凍機油を前記圧縮機の吸入側に還流する油戻し
    回路と、前記油戻し回路上に設けられ、前記冷凍機 油の
    油戻し量を調整する第2流量制御弁と、前記圧縮機の吸
    入ガスの湿り度を検知する吸入ガス湿り度測定手段と、
    前記吸入ガス湿り度測定手段によって測定された吸入ガ
    スの湿り度に基いて前記第2流量制御弁を制御する検知
    演算制御装置とを備えたことを特徴とする冷凍空調サイ
    クル装置。
  12. 【請求項12】 前記圧縮機内に、前記油分離器を内蔵
    したことを特徴とする請求項10または請求項11に記
    載の冷凍空調サイクル装置。
  13. 【請求項13】 前記油循環率制御手段が、前記圧縮機
    の回転数を検知するとともに、この回転数情報に基いて
    前記第2流量制御弁を制御する検知演算制御装置を備え
    たことを特徴とする請求項10または請求項11に記載
    の冷凍空調サイクル装置。
  14. 【請求項14】 前記吸入ガス湿り度測定手段が、前記
    圧縮機から吐出される吐出冷媒ガスの過熱度を測定する
    ことにより、前記吸入ガスの湿り度を検出することを特
    徴とする請求項10または請求項11に記載の冷凍空調
    サイクル装置。
  15. 【請求項15】 前記油分離器と前記第2流量制御弁間
    の前記油戻し回路上に放熱器を設けるとともに、前記第
    2流量制御弁の下流の前記油戻し回路上に、前記凝縮器
    と前記減圧装置間の前記冷媒との間で熱交換する高低圧
    熱交換器を設けたことを特徴とする請求項10ないし請
    求項14のいずれかに記載の冷凍空調サイクル装置。
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