JP3467157B2 - インクジェットヘッドの形成方法 - Google Patents

インクジェットヘッドの形成方法

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JP3467157B2
JP3467157B2 JP31793396A JP31793396A JP3467157B2 JP 3467157 B2 JP3467157 B2 JP 3467157B2 JP 31793396 A JP31793396 A JP 31793396A JP 31793396 A JP31793396 A JP 31793396A JP 3467157 B2 JP3467157 B2 JP 3467157B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッドの形成方法に関し、特に、インク圧力室と該インク
圧力室に対応する電極とが形成された圧電素子からなる
キャビティプレートと、インク圧力室の開口部を被覆す
るように取り付けられた板状体と、インク圧力室に連通
するノズルとを有し、電極に駆動電圧を印加してキャビ
ティプレートを変形させることによりインク圧力室内に
圧力振動を生じさせてノズルからインクを吐出させるイ
ンクジェットヘッドの形成方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のインクジェットヘッド150で
は、図9に示すように、インク圧力室152を設けたキ
ャビティプレート154と、外部電極156と内部電極
158とを設けて積層し焼成した圧電素子160とを貼
り付けていた。圧電素子160は、キャビティプレート
154のインク圧力室152の蓋になる部分であり、圧
電素子160が変形することによってインク圧力室15
2に圧力波を発生させ、インク滴をインク圧力室152
に連通するノズルから吐出させていた。 【0003】このようなインクジェットヘッド150で
は、通常複数のインク圧力室152が設けられ、それぞ
れのインク圧力室152に連続するノズルからインクが
吐出されるが、印字品質の点からその吐出性能は均一で
あることが重要である。しかし、インク圧力室152
は、キャビティプレート154に、圧電素子160を、
インク圧力室152を仕切っている側壁153の各先端
面に接合することにより塞がれている。このように、イ
ンク圧力室152を形成しているキャビティプレート1
54と、圧電素子160とは元来別体のものが接合され
ている。したがって、その接合状態が圧電素子160の
変形特性に大きく関係し、接合部分の精度の均一性が各
ノズルの吐出性能の均一性に影響する。 【0004】各接合部分の精度を均一にするには、側壁
153の各先端面と、圧電素子160側とに高い平面度
が要求される。更に、接着剤等による接合処理も各接合
部分において、均一な接合が行われることが要求され
る。しかし、全ての接合部分において、高い平面度と均
一な接合を達成することは困難であり、わずかな平面度
あるいは接合の不均一が、側壁153の先端面に支持さ
れている圧電素子160の変形特性を微妙に変化させ、
均一な吐出性能を全ノズルに与えることを困難なものと
していた。 【0005】この問題を解決するため、次のような構成
のインクジェットヘッド200が提案されている。これ
は、図10に示すように、外部電極206と内部電極2
08とをそれぞれ印刷したシート状の圧電素子210
a,210bを積層し焼成した後に、下側の圧電素子2
10bに溝加工を施すことによってインク圧力室202
を形成し、その後、平板204でインク圧力室202を
被覆するものである。 【0006】この構成では、シート状の圧電素子210
aが、下側の圧電素子210bのインク圧力室202が
開口している側でなく、その反対側の外面に積層されて
いる。この積層は、例えば、インク圧力室202を形成
してある下側の圧電素子210bに接着剤で接合した
り、未焼成のシート状圧電素子210aと未焼成の下側
の圧電素子210bとを真空プレス等で密着させた後に
焼成してインク圧力室を形成する等の方法により達成さ
れる。 【0007】したがって、シート状圧電素子210aを
下側の圧電素子210bのインク圧力室202が開口し
ている側に接合していないので、インク圧力室202を
仕切っている側壁203の先端面に接合されることはな
く、一面から成る反対側の外面に積層されることにな
る。このようにシート状圧電素子210a側も、下側の
圧電素子210bも、それぞれ一面について、平面度や
接合についての均一性を達成すればよく、容易に全ての
圧力室に対して均一な積層を実現することができ、全ノ
ズルにおいて均一な吐出性能を得ることができた。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法で
は、溝加工して設けるインク圧力室202の深さの分だ
け下側の1枚の圧電素子210bのシートを厚くしなく
てはならない。ところが、このような厚さが異なる圧電
素子同士を一体にした焼成では、そり、うねり等の変形
が避けられない。図9にて示した従来のインクジェット
ヘッド150では、厚さが同一なので、そり、うねり等
の変形は生じにくく、わずかに生じたとしても、焼成後
に圧電素子160の上下両面に研削加工を行つて平面度
を出すことができる。 【0009】しかし、図10に示したごとく、積層体2
10を構成する圧電素子が、上側のシート状圧電素子2
10aと下側の1枚の圧電素子210bとで厚さが異な
るので、大きなそり、うねりが発生し易く、インクジェ
ットヘッドとして使用が不可能な場合もあり、歩留まり
の低下のおそれがあった。 【0010】本発明は、圧電素子側にインク圧力室を設
けるタイプにおいて、圧電素子の積層体を焼成しても大
きなそり、うねりが生じにくいインクジェットヘッドお
よびその形成方法を提供することを目的とするものであ
る。 【0011】 【課題を解決するための手段及び発明の効果】ここに
は、1つまたはそれ以上の発明が記載され、それぞれ以
下に述べるような構成および効果を有する。本発明のイ
ンクジェットヘッドの形成方法は、インク圧力室と該イ
ンク圧力室に対応する電極とが形成された圧電素子から
なるキャビティプレートと、前記インク圧力室の開口部
を被覆するように取り付けられた板状体と、前記インク
圧力室に連通するノズルとを有し、前記電極に駆動電圧
を印加して前記キャビティプレートを変形させることに
より前記インク圧力室内に圧力振動を生じさせて前記ノ
ズルからインクを吐出させる方法を対象として、特に、
各一面の同一位置に電極を設けた未焼成の複数のシート
状圧電素子を、該シート状圧電素子の厚みの配列が前記
キャビティプレートの厚さの中央を通る面を挟んで対称
となるようにかつ前記電極が内部となるように配置して
積層した後に、焼成してプレートを形成し、該プレート
に溝加工を施すことによって、少なくとも一つの前記シ
ート状圧電素子に形成された電極を残すとともに、その
残した電極に対向して前記インク圧力室を設けて前記キ
ャビティプレートを形成し、該キャビティプレートのイ
ンク圧力室の開口部を前記板状体で被覆する工程を有す
ることを特徴とする。 【0012】このように、積層されるシート状圧電素子
の厚み関係が厚み方向に対称となるように構成されたキ
ャビティプレートが用いられていることにより、これら
シート状圧電素子の積層体を焼成しても、大きなそり、
うねりは生じることはない。すなわち、焼成において発
生するセラミックスシートの縮み量は、厚さによって異
なるため、厚さの異なる2枚1組のセラミックスシート
では、そり、うねりは避けられないが、厚さ方向に対称
な2枚1組のセラミックスシートでは、焼成時に各組の
2枚のセラミックスシートに生じる縮み量は同程度であ
るため、各組毎に、そり、うねり等が相殺されて、焼成
後のキャビティプレートには、そり、うねり等がほとん
ど現れなくなる。 【0013】したがって、インクジェットヘッドに使用
不能となるようなそり、うねり等が生じることはなく、
平面度を出せば、十分にインクジェットヘッドに使用で
きる 【0014】 【0015】前記溝加工としては、例えば、ショットブ
ラスト加工が挙げられる。前記溝加工は、前記プレート
の内、前記電極が内部に積層されている位置に対して、
該電極の少なくとも1つを残すようにして実施されるこ
とにより、外部に設けた電極との間で、圧電素子を挟む
ことができ、この外部電極と内部電極との間に駆動電圧
を印加すれば、圧電素子を変形させてインク圧力室内の
インクをノズルから吐出させることができる。また、こ
の電極を利用して圧電素子に分極処理を施すこともでき
る。 【0016】 【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1(a)およ
び図2は、上述した発明のいくつかが適用されたインク
ジェットヘッド2の構成を示し、図2はインク圧力室4
の軸方向に沿って切断した縦断面図を表し、図1(a)
はインク圧力室4の軸方向に直角(X−X)に切断した
面の一部を拡大して示す縦断面説明図である。 【0017】インク圧力室4は、キャビティプレート6
の一面側に、側壁7により仕切られて、溝状に形成され
ている。キャビティプレート6のインク圧力室4が開口
している側は、側壁7の先端面8に接合したシート状カ
バー部材10にて覆われている。 【0018】キャビティプレート6は、6枚のシート状
圧電素子6a,6b,6c,6d,6e,6fを積層し
て形成したものである。最上層のシート状圧電素子6a
の上面には、ほぼ全面に共通電極14が設けられてい
る。この共通電極14は、キャビティプレート6に形成
された全てのインク圧力室4に対応したマイナス側の電
極として共通に用いられる。 【0019】また、最上層のシート状圧電素子6aとそ
の下のシート状圧電素子6bとの界面には、個々のイン
ク圧力室4に対応してそれぞれ独立したプラス側の独立
電極16が形成されている。最上層のシート状圧電素子
6aは図示矢印のごとく、シート状圧電素子6aの厚み
方向に、インク圧力室4とは反対側に向かって分極処理
がなされている。このため、共通電極14と独立電極1
6との間に駆動電圧を印加させることにより、最上層の
シート状圧電素子6aの内、駆動電圧が印加された共通
電極14と独立電極16とに挟まれた部分18が図1
(a)に示す矢印F方向、すなわちシート状圧電素子6
aの面内方向で収縮する。 【0020】このようにインク圧力室4の中央に位置す
る最上層のシート状圧電素子6aの一部が収縮すると、
最上層のシート状圧電素子6aの下に積層しているシー
ト状圧電素子6bは収縮しないため、下のシート状圧電
素子6b側を凸側、最上層のシート状圧電素子6a側を
凹側として、図1(b)に示すごとく、インク圧力室4
の中心付近がインク圧力室4内部に向かって突出する。
このことにより、インク圧力室4の容積が減少して、イ
ンクの圧力が高まり、ノズル22からインクが外部に吐
出される。 【0021】続いて共通電極14と独立電極16との間
の駆動電圧印加を停止すると、図1(b)の状態から図
1(a)の状態に戻り、インク圧力室4の容積が元に戻
って、インク圧力室4内のインクの圧力が低下し、イン
ク室20からインクをインク圧力室4内に吸引する。 【0022】このインクジェットヘッド2の組立ては、
次のような工程でなされる。まず、図3(a)に示すご
とく、一面側に導電性ペーストを独立電極16のパター
ン25に印刷した同一厚さの6枚の未焼成のPZT(チ
タン酸ジルコン酸鉛)系セラミックスシート24a,2
4b,24c,24d,24e,24fを用意し、セラ
ミックスシート24a〜24fを重ねた状態で真空プレ
スを行って、6枚の未焼成のPZT系セラミックスシー
ト24a〜24fを密着させる。 【0023】これを焼成して、図3(b)に示すごと
く、キャビティプレート6を形成する。そして、二点鎖
線で示す部分を切削する溝加工を行う。この溝加工は、
ショットブラスト加工によりなされる。ショットブラス
ト加工は、例えば、次のようにして行われる。 【0024】すなわち、側壁7として残す部分の先端面
8に、レジストマスクを形成し、セラミックス粉体によ
るショットブラストにより、インク圧力室4を溝状に形
成し、側壁7の先端面8のレジストマスクを除去するこ
とにより行われる。尚、溝は、最下層のシート状圧電素
子6fから2番目のシート状圧電素子6bまでの独立電
極16をすべて削除し、2番目のシート状圧電素子6b
を部分的に残すようにしてなされる。このことにより、
独立電極16は最上層のシート状圧電素子6aと2番目
のシート状圧電素子6bに挟まれたもののみとなる。 【0025】そして、最上層のシート状圧電素子6aの
上面と、側壁7の先端面8とを研磨して平面度を出して
仕上げ、図3(c)のごとく、最上層のシート状圧電素
子6aの上面に共通電極14を印刷する。次いで、側壁
7の先端面8にシート状カバー部材10を接着剤にて接
合して、図1(a)に示すごとくのインクジェットヘッ
ド2を形成する。 【0026】本実施の形態1では、全く同一形状に形成
されている6枚の未焼成のPZT系セラミックスシート
24a〜24fを積層して焼成している。すなわち、キ
ャビティプレート6は、6枚のシート状圧電素子6a〜
6fを、シート状圧電素子6a〜6fの厚みの配列が厚
み方向に対称(シート状圧電素子6cとシート状圧電素
子6dとの界面を中心として上下に対称)となるように
配置し、シート状圧電素子6a〜6f間に独立電極16
を配置して積層したものとして形成し、更にインク圧力
室4を設けたものである。 【0027】シート状圧電素子6a〜6fの厚さは、す
べて同一の厚さであるので、焼成時には、すべてのセラ
ミックスシート24a〜24fで同程度に縮む。したが
って、焼成されたキャビティプレート6には、そり、う
ねり等がほとんど現れなくなる。 【0028】このように、本実施の形態1のインクジェ
ットヘッド2によれば、そり、うねり等を十分に抑制で
き、インクジェットヘッド2の製造の歩留まりを十分に
挙げることができる。尚、本実施の形態1のインクジェ
ットヘッド2では、圧電素子として駆動電圧にて変形す
る最上層のシート状圧電素子6aは、キャビティプレー
ト6と一体に焼成されていることから接着剤等による接
合面が存在せず、接合面の平面度や接合状態の不均一が
生じることはなく、全ノズル22において均一な吐出性
能を得ることができる。 【0029】更に、最上層のシート状圧電素子6aは、
インク圧力室4のすべてに対応する一枚のシートである
ことから、一層性能の均一性を高めることができ、すべ
てのノズル22において、一層均一な吐出性能を得るこ
とができる。なお、インク圧力室4が開口したキャビテ
ィプレート6の下面は、シート状カバー部材10により
覆われているが、このシート状カバー部材10による接
合面の平面度や接合が少々不均一でも、シート状カバー
部材10側では、インク圧力室4の容積を変化させる何
等の変形も行われないので、吐出性能には問題となるよ
うな影響が出ることはない。 【0030】またキャビティプレート6を構成している
全シート状圧電素子6a〜6fは、すべて同質の材料か
ら成るので、全シート状圧電素子6a〜6fの親和性が
高く、最上層のシート状圧電素子6aのみが変形される
構成であっても、耐久性の極めて高いインクジェットヘ
ッド2を形成することができる。 【0031】また、分極処理も共通電極14と独立電極
16とをそのまま利用してできるので、特別な分極装置
を用いる必要が無く、効率的であり、製造コストも低く
て済む。なお、本実施の形態1は、駆動電圧によって発
生する電界の向きと圧電素子の分極方向とが一致してい
るタイプ、いわゆるユニモルフタイプであり、駆動電圧
の電界の向きと圧電素子の分極方向とが直交しているシ
ェアモードではないので、特に、電極を細かく分けて、
シート状圧電素子6a〜6fに印刷する必要が無く、精
度的にも製造効率的にも好ましいものである。 【0032】また、インク圧力室4は、ショットブラス
ト加工によりキャビティプレート6に形成されるので、
容易にかつキャビティプレート6に歪みを生じることな
くインク圧力室4を形成でき、より一層均一な吐出性能
を得ることができる。[実施の形態2]図4の縦断面説
明図に、実施の形態2のインクジェットヘッド32の一
部を拡大して示す。なお、図4は、実施の形態1の図1
(b)に対応する図である。 【0033】実施の形態1と異なる点は、同一シート状
圧電素子36a,36b,36c,36d,36e,3
6fにおける独立電極46の間の位置にも補助電極47
が設けられている点である。インク圧力室34、シート
状カバー部材40、共通電極44および独立電極46
は、実施の形態1と同様に形成されている。 【0034】キャビティプレート36の最上層のシート
状圧電素子36aは、図示矢印のごとく、シート状圧電
素子36aの厚み方向に、インク圧力室34とは反対側
に向かって分極処理がなされている。このため、共通電
極44と独立電極46との間に駆動電圧を印加させるこ
とにより、最上層のシート状圧電素子36aの内、駆動
電圧が印加された共通電極44と独立電極46とに挟ま
れた部分48が、実施の形態1の場合と同様に、シート
状圧電素子36aの面内方向で収縮する。このように前
記部分48が収縮すると、最上層のシート状圧電素子3
6aの下に積層しているシート状圧電素子36bは収縮
しないため、下のシート状圧電素子36b側を凸側、最
上層のシート状圧電素子36a側を凹側として、図4に
示すごとく、インク圧力室34の中心付近がインク圧力
室34内部に向かって突出する。 【0035】更に、この独立電極46の両側に存在する
2つの補助電極47には、独立電極46との間で、独立
電極46から補助電極47に向かって電界が生じるよう
に、第2の駆動電圧を印加する。このことにより、シェ
アモードの変形が前記部分48の両側で生じ、前記部分
48を更にインク圧力室34側へ移動させるように作用
する。 【0036】このことにより、実施の形態1の場合より
も、インク圧力室34の容積が大きく減少して、インク
の圧力が、より高まり、ノズルからインクが、より大量
に外部に噴射される。続いて共通電極44と独立電極4
6との間の駆動電圧印加を停止し、かつ独立電極46と
両側の2つの補助電極47との間の駆動電圧印加を停止
すると、シート状圧電素子36a,36bが、図4の状
態から平板状態に戻り、インク圧力室34の容積が元に
戻って、インク圧力室34内のインクの圧力が低下し、
インク室からインクをインク圧力室34内に吸引する。 【0037】このインクジェットヘッド32の組立て
は、次のような工程でなされる。まず、図5(a)に示
すごとく、一面側に、導電性ペーストを独立電極46の
パターン56に、更に導電性ペーストを補助電極47の
パターン57に印刷した同一形状の6枚の未焼成のPZ
T(チタン酸ジルコン酸鉛)系セラミックスシート54
a,54b,54c,54d,54e,54fを用意
し、セラミックスシート54a〜54fを重ねた状態で
真空プレスを行って、6枚の未焼成のPZT系セラミッ
クスシート54a〜54fを密着させる。 【0038】これを焼成して、図5(b)に示すごと
く、キャビティプレート36を形成する。そして、二点
鎖線で示す部分を切削する溝加工を行う。この溝加工
は、実施の形態1と同様なショットブラスト加工により
なされる。尚、溝は、最下層のシート状圧電素子36f
から2番目のシート状圧電素子36bまでの独立電極4
6をすべて削除し、2番目のシート状圧電素子36bを
部分的に残すようにしてなされる。このことにより、独
立電極46は最上層のシート状圧電素子36aと2番目
のシート状圧電素子36bに挟まれたもののみとなる。
ただ、補助電極47は、側壁37の部分に残っている。 【0039】そして、最上層のシート状圧電素子36a
の上面を研磨して平面度を出し、更に側壁37の先端面
38にある補助電極47を研磨して除去するとともに平
面度を出して仕上げ、図5(c)のごとく、最上層のシ
ート状圧電素子36aの上面には共通電極44が印刷さ
れる。 【0040】次いで、側壁37の先端面38にシート状
カバー部材40が接着剤にて接合されて、図4に示すご
とくのインクジェットヘッド32が形成される。本実施
の形態2では、全く同一形状に形成されている6枚の未
焼成のPZT系セラミックスシート54a〜54fを積
層して焼成しているので、実施の形態1と同様な効果を
生じ、焼成されたキャビティプレート36には、そり、
うねり等が、ほとんど現れなくなる。したがって、本実
施の形態2のインクジェットヘッド32によれば、そ
り、うねり等を十分に抑制でき、インクジェットヘッド
32の製造の歩留まりを十分に挙げることができる。 【0041】また、分極処理は共通電極44と独立電極
46とをそのまま利用してできるので、特別な分極装置
を用いる必要が無く、効率的であり、製造コストも低く
て済む。なお、本実施の形態2は、駆動電圧によって発
生する電界の向きと圧電素子の分極方向とが一致してい
るユニモルフタイプと、駆動電圧によって発生する電界
の向きと圧電素子の分極方向とが直交しているシェアモ
ードタイプとの組み合わせなので、一層大きな変形量を
得られ、インク吐出量を大きくすることができる。 【0042】尚、シート状圧電素子(セラミックスシー
ト)は奇数枚でも良い。[実施の形態3]図6の縦断面
説明図に、実施の形態3のインクジェットヘッド62の
一部を拡大して示す。なお、図6は、実施の形態2の図
4に対応する図である。 【0043】実施の形態2と異なる点は、共通電極の代
りに、各シート状圧電素子66a〜66fの下面に設け
られた独立電極76および補助電極77とおなじ独立電
極76および補助電極77が設けられている点である。
他の独立電極76、他の補助電極77、インク圧力室6
4およびシート状カバー部材70は、実施の形態2と同
様に形成されている。 【0044】キャビティプレート66の最上層のシート
状圧電素子66aは図示矢印のごとく、シート状圧電素
子66aの厚み方向に、インク圧力室64とは反対側に
向かって分極処理がなされている。このため、最上層の
シート状圧電素子66aの上下両面に設けられた2つの
独立電極76と、この独立電極76の両側に存在する4
つの補助電極77との間に駆動電圧を印加させることに
より、最上層のシート状圧電素子66aの内、駆動電圧
が印加された独立電極76と補助電極77とに両側が挟
まれた部分78a,78bが、シェアモードの変形を生
じる。 【0045】このため、下のシート状圧電素子66b側
を凸側、最上層のシート状圧電素子66a側を凹側とし
て、図6に示すごとく、インク圧力室64の中心付近が
インク圧力室64内部に向かって突出する。このことに
より、インク圧力室64の容積が大きく減少して、イン
クの圧力が、より高まり、ノズルからインクが、より大
量に外部に噴射される。 【0046】続いて独立電極76と補助電極77との間
の駆動電圧印加を停止すると、シート状圧電素子66
a,66bが、図6の状態から平板状態に戻り、インク
圧力室64の容積が元に戻って、インク圧力室64内の
インクの圧力が低下し、インク室からインクをインク圧
力室64内に吸引する。 【0047】このインクジェットヘッド62の組立て
は、次のような工程でなされる。まず、図7(a)に示
すごとく、一面側に、導電性ペーストを独立電極76の
パターン86に、更に導電性ペーストを補助電極77の
パターン87に印刷した同一の5枚の未焼成のPZT
(チタン酸ジルコン酸鉛)系セラミックスシート84
b,84c,84d,84e,84fと、両面側にパタ
ーン86,87を印刷した点が他のセラミックスシート
84b〜84fと異なる1枚の未焼成のPZT(チタン
酸ジルコン酸鉛)系セラミックスシート84aを用意
し、セラミックスシート84a〜84fを重ねた状態で
真空プレスを行って、6枚の未焼成のPZT系セラミッ
クスシート84a〜84fを密着させる。 【0048】これを焼成して、図7(b)に示すごと
く、キャビティプレート66を形成する。そして、二点
鎖線で示す部分を切削する溝加工を行う。この溝加工
は、実施の形態1と同様なショットブラスト加工により
なされる。尚、溝は、最下層のシート状圧電素子66f
から2番目のシート状圧電素子66bまでの独立電極7
6をすべて削除し、2番目のシート状圧電素子66bを
部分的に残すようにしてなされる。このことにより、独
立電極76は最上層のシート状圧電素子66aを挟んで
いる2つのみとなる。ただ、補助電極77は、側壁67
の部分に残っている。 【0049】そして、側壁67の先端面68にある補助
電極77を研磨して除去するとともに平面度を出して仕
上げる。次いで、側壁67の先端面68にシート状カバ
ー部材70が接着剤にて接合されて、図6に示すごとく
のインクジェットヘッド62が形成される。 【0050】本実施の形態3では、全く同一形状に形成
されている5枚のセラミックスシート84b〜84f
と、最上層には両面側にパターン86,87を印刷した
点が異なる1枚のセラミックスシート84aを積層して
焼成しているので、実施の形態1と同様な効果を生じ、
焼成されたキャビティプレート66には、そり、うねり
等が、ほとんど現れなくなる。したがって、本実施の形
態3のインクジェットヘッド62によれば、そり、うね
り等を十分に抑制でき、インクジェットヘッド62の製
造の歩留まりを十分に挙げることができる。 【0051】更に、独立電極76(パターン86)およ
び補助電極77(パターン87)も、厚さ方向に対称に
配置されているので、一層、そり、うねり等が現れなく
なる。尚、シート状圧電素子(セラミックスシート)は
奇数枚でも良い。 【0052】[その他]前記実施の形態3では、シェア
モードで駆動されるのは、最上層のシート状圧電素子6
6aのみであったが、例えば、図8に示すごとく、一面
側にのみ導電性ペーストを独立電極106のパターン
に、更に導電性ペーストを補助電極107のパターンに
印刷した同一の未焼成のPZT(チタン酸ジルコン酸
鉛)系セラミックスシートの枚数を増加して、ここでは
7枚用いてシート状圧電素子96b〜96hを形成し、
最上層のシート状圧電素子96aとで合計8枚のキャビ
ティプレート96を形成している。 【0053】そして、上から3層のシート状圧電素子9
6a,96b,96cの両面に存在する独立電極106
および補助電極107を残すことにより、シェアモード
で駆動される枚数を3枚とする。このように増加するこ
とにより、上から4層のシート状圧電素子96a,96
b,96c,96dの変形量を大きくすることができ
る。他の効果は実施の形態3と同じである。 【0054】前記各実施の形態では、各シート状圧電素
子6a〜6f,36a〜36f,66a〜66f,96
a〜96hは、それぞれ同じ厚さであったが、厚みの配
列が厚み方向に対称となるように配置されていれば良い
ので、各組の間では厚さは同一でなくても良く、組にさ
れているシート状圧電素子同士が同じ厚さであれば良
い。
【図面の簡単な説明】 【図1】実施の形態1としてのインクジェットヘッドの
構成および動作の説明図であり、(a)は圧力室の軸方
向に直角(図2におけるX−X)に切断した面の一部を
拡大して示す縦断面図であり、(b)は駆動電圧印加時
の動作説明図である。 【図2】実施の形態1としてのインクジェットヘッドに
おける圧力室の軸方向に沿って切断した縦断面図であ
る。 【図3】実施の形態1のインクジェットヘッドの製造工
程説明図である。 【図4】実施の形態2としてのインクジェットヘッドの
構成説明図である。 【図5】実施の形態2のインクジェットヘッドの製造工
程説明図である。 【図6】実施の形態3としてのインクジェットヘッドの
構成説明図である。 【図7】実施の形態3のインクジェットヘッドの製造工
程説明図である。 【図8】他の例のインクジェットヘッドの構成説明図で
ある。 【図9】従来技術としてのインクジェットヘッドの構成
説明図である。 【図10】比較技術としてのインクジェットヘッドの構
成説明図である。 【符号の説明】 2…インクジェットヘッド 4…インク圧力室 6…キャビティプレート 6a,6b,6c,6d,6e,6f…シート状圧電素
子 7…側壁 8…先端面 10…シート状カバー部材 14…共通電極 16…プラスの独立電極 16…独立
電極 20…インク室 22…ノズル 24a,24b,24c,24d,24e,24f…未
焼成のPZT系セラミックスシート 25…パターン 32…インクジェットヘッド 34…
インク圧力室 36…キャビティプレート 36a,36b,36c,36d,36e,36f…シ
ート状圧電素子 37…側壁 38…先端面 40…シート状カバー部材 44…共通電極 46…独立電極 47…補助電極 54a,54b,54c,54d,54e,54f…未
焼成のPZT系セラミックスシート 56…パターン 57…パターン 62…インクジェッ
トヘッド 64…インク圧力室 66…キャビティプレート 66a,66b,66c,66d,66e,66f…シ
ート状圧電素子 67…側壁 68…先端面 70…シート状カバー部材 76…独立電極 77…補助電極 84a,84b,84c,84d,84e,84f…未
焼成のPZT系セラミックスシート 86…パターン 87…パターン 96…キャビティプ
レート 96a,96b,96c,96d,96e,96f,9
6g,96h…シート状圧電素子 106…独立電極 107…補助電極

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 インク圧力室と該インク圧力室に対応す
    る電極とが形成された圧電素子からなるキャビティプレ
    ートと、 前記インク圧力室の開口部を被覆するように取り付けら
    れた板状体と、 前記インク圧力室に連通するノズルとを有し、 前記電極に駆動電圧を印加して前記キャビティプレート
    を変形させることにより前記インク圧力室内に圧力振動
    を生じさせて前記ノズルからインクを吐出させるインク
    ジェットヘッドの形成方法であって、 各一面の同一位置に電極を設けた未焼成の複数のシート
    状圧電素子を、該シート状圧電素子の厚みの配列が前記
    キャビティプレートの厚さの中央を通る面を挟んで対称
    となるようにかつ前記電極が内部となるように配置して
    積層した後に、焼成してプレートを形成し、 該プレートに溝加工を施すことによって、少なくとも一
    つの前記シート状圧電素子に形成された電極を残すとと
    もに、その残した電極に対向して前記インク圧力室を設
    けて前記キャビティプレートを形成し、 該キャビティプレートのインク圧力室の開口部を前記板
    状体で被覆する工程を有することを特徴とするインクジ
    ェットヘッドの形成方法。
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