JP3466695B2 - X線コンピュータ断層撮影装置 - Google Patents

X線コンピュータ断層撮影装置

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JP3466695B2
JP3466695B2 JP04805394A JP4805394A JP3466695B2 JP 3466695 B2 JP3466695 B2 JP 3466695B2 JP 04805394 A JP04805394 A JP 04805394A JP 4805394 A JP4805394 A JP 4805394A JP 3466695 B2 JP3466695 B2 JP 3466695B2
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裕介 東木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検体の頭部横断面に
関する多方向の投影データから断層像を再構成するX線
コンピュータ断層撮影装置に係り、特に頭部横断面の断
層像からずい液と脳実質だけを抽出する画像処理技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のX線コンピュータ断層撮
影装置では、次のような方法により、再構成した頭部横
断面の断層像から脳実質像だけを抽出していた。 (1) しきい値処理により頭部横断面の断層像から頭
骨を除去する。 (2) 頭皮や脂肪と、脳実質とはCT値が接近してい
るためしきい値処理では適当に頭皮や脂肪を除去できな
いので、(1)の処理で残存した頭皮、脂肪を、マニュ
アルでROI設定し、イレイサ機能(消しゴム機能)で
除去する。このような従来の方法の問題点を以下に記す
る。
【0003】(1) マニュアル操作が要求されるの
で、手間及び時間がかかり、しかも除去精度が悪い。 (2) 頭骨と軟部組織との境界部分では両者のCT値
及び両者のCT値が混在しているので、しきい値処理で
この境界部分を除去することは不可能である。 (3) 脳実質のCT値が、頭皮のCT値とずい液のC
T値との間にあるため、しきい値処理でずい液を除去し
ても、頭皮の一部が残存してしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、頭部横断面の断層像からずい液と脳実質だけを抽出
することができるX線コンピュータ断層撮影装置を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、被検体の頭部
横断面に関する多方向の投影データを収集する手段と、
前記データ収集手段の投影データから前記横断面の原断
層像を再構成する手段と、前記原断層像の周辺の各画素
から画素値が頭骨に対応する第1のしきい値に達する特
徴画素まで順次追跡し、前記周辺の各画素から前記特徴
画素に至る全ての画素の画素値を背景値に変換すること
により頭皮及び脂肪が除去され、頭骨、ずい液及び脳実
質からなる第1の断層像を作成する第1の断層像作成手
段と、前記第1の断層像の各画素に対して頭骨に対応す
第2のしきい値でしきい値処理を実行することにより
頭骨からなる第1の頭骨像を抽出し、前記第1の頭骨像
を膨張処理することにより第2の頭骨像を作成し、前記
第1の断層像から前記第2の頭骨像を差分することによ
ずい液及び脳実質からなる第2の断層像を作成する第
2の断層像作成手段と、前記第2の断層像を出力する手
段とを具備する。
【0006】
【作用】本発明によるX線コンピュータ断層撮影装置に
よれば、頭骨に対応する第1のしきい値により原断層像
から頭皮及び脂肪が除去され、頭骨、ずい液及び脳実質
からなる第1の断層像を作成し、頭骨に対応する第2の
しきい値により第1の断層像から頭骨からなる第1の頭
骨像を抽出し、第1の頭骨像を膨張処理することにより
第2の頭骨像を作成し、第1の断層像から第2の頭骨像
を差分することによりずい液及び脳実質からなる第2の
断層像を作成する。
【0007】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の一実施例
を説明する。図1は本発明の一実施例に係るX線コンピ
ュータ断層撮影装置の全体構成図である。本実施例のX
線コンピュータ断層撮影装置は、被検体Pの任意の頭部
横断面に関する多方向の投影データから当該頭部横断面
の断層像を再構成するものである。ここでは、X線コン
ピュータ断層撮影装置としてX線管とX線検出器とが被
検体Pを挟んで対向した状態で回転するいわゆる第3世
代のものを例に説明するが、他の世代、例えばガントリ
内に円周状にX線検出器が敷設されX線管のみが回転す
る第4世代のものでもかまわない。なお、頭部は、外表
としての頭皮から内部に向かって順番に、頭皮、脂肪、
頭骨、ずい液、そして脳実質が順に積層された構造を有
している。
【0008】ガントリ(架台ともいう)1は、図示しな
い回転駆動系に回転駆動される回転リング2上の回転中
心O(被検体P)を挟んで対向する各位置にX線を扇状
に曝射するX線管3と多チャンネル型のX線検出器5と
を設置してなる。X線検出器5は、それぞれ独立して被
検体Pを透過したX線を検出する複数のX線検出素子が
X線管3を中心として円周状に配列されてなる。4はX
線質を中心Oから端に向かって変化させてX線パス長の
相違によるX線減衰特性をファントム上で均一化させる
ためのX線フィルタである。
【0009】X線制御装置6は、高圧発生器7とX線制
御器8とを含む。X線制御器8からトリガをうけたタイ
ミングで高圧発生器7はX線管3に管電圧を印加する。
管電圧を印加されたX線管3からはX線が曝射される。
【0010】ガントリ1を回転駆動すると共に、被検体
Pを天板上に載置したまま撮影領域に挿入する図示しな
い寝台を駆動する架台寝台制御器9と、X線制御器8と
は、システム制御器10で関連制御される。システム制
御器10は、ガントリ1を一定角速度で回転させなが
ら、連続的または一定角度毎に間欠的にX線管3からX
線を曝射させる。この間、システム制御器10は、通常
のマルチスライススキャンであれば、天板を一定ピッチ
で間欠的に移動させ、ヘリカル(螺旋)スキャンであれ
ば、天板を一定速度で連続的に移動させる。
【0011】X線検出器5で各X線検出素子で検出され
た検出信号は個々にデータ収集部11を介して再構成処
理部12に送られる。データ収集部11は、各検出信号
を一定の利得で増幅すると共に、ディジタル変換する。
各検出信号は、データ収集部11から図示しないデータ
前処理部を介して再構成処理部12に送られる場合もあ
る。データ前処理部は、X線検出素子毎に相違する感度
を均一化補正する。
【0012】再構成処理部12は、頭部横断面に関する
多方向の投影データから、上記頭部横断面内の複数の点
各々のCT値を計算し、これら各CT値に位置情報を与
えて断層像(以下単に再構成されただけの断層像を「原
断層像」という)を再構成する。この原断層像は、画像
処理部13を介して表示装置14に送られる。画像処理
部13は、この頭部横断面の原断層像から脳実質部だけ
を抽出するものであり、図2にその詳細なブロック図が
示されている。
【0013】画像処理部13は、原断層像から、頭皮及
び脂肪を除去することにより頭骨、ずい液及び脳実質か
らなる断層像(これを以下「第1の断層像」という)を
作成する頭皮脂肪除去回路21と、第1の断層像から頭
骨を除去することによりずい液及び脳実質からなる断層
像(これを以下「第2の断層像」という)を作成する頭
骨除去回路26と、第2の断層像からずい液を除去する
ことにより最終的な脳実質だけの断層像(これを以下
「第3の断層像」という)を作成するずい液除去回路3
3とからなる。
【0014】再構成処理部12から出力される原断層像
は、頭皮脂肪除去回路21の原断層像記憶回路22に保
持される。アドレス発生回路23から原断層像記憶回路
22に読み出しアドレスが供給される。このアドレスに
保持されている画素の画素値(CT値)が、CT値比較
回路24とCT値設定回路25に読み出される。CT値
比較回路24では、読み出されたCT値が所定のしきい
値Th1(以下「第1のしきい値」という)と比較され
る。この第1のしきい値Th1は、頭皮、脂肪、ずい液
及び脳実質、さらに造影血管の全てのCT値より十分高
いCT値、換言すると頭骨だけに固有に対応したCT値
に設定される。アドレス発生回路23は、所定の規則に
したがって、例えば垂直軸、水平軸、傾斜軸等の追跡軸
に沿ってアドレスを順番に変化させる。これにより、原
断層像の周辺画素から頭内部に向かって追跡軸上の各画
素のCT値が、順番に原断層像記憶回路22から読み出
される。
【0015】CT値比較回路24による比較結果は、C
T値設定回路25に順次送られる。CT値設定回路25
は、この比較結果が変化、つまり最もCT値の低い背景
部分から、CT値が初めて第1のしきい値Th1に達し
た又は越えたとき、当該画素と当該画素に至る以前、つ
まり当該画素より外側の全ての画素とのCT値を、空気
に相当する背景CT値(例えば−1000)に変換す
る。第1のしきい値Th1は頭骨だけに対応したCT値
に設定されているので、頭骨より外組織である頭皮及び
脂肪(の像)が、原断層像から除去され、頭骨、ずい液
及び脳実質からなる第1の断層像が作成される。
【0016】頭皮脂肪除去回路21で作成された第1の
断層像は、頭皮除去回路26の第1の断層像記憶回路2
7に保持される。アドレス発生回路28から第1の断層
像記憶回路27に読み出しアドレスが供給される。この
アドレスに保持されている画素のCT値が、CT値比較
回路29と頭骨画像抽出回路30と頭骨画像差分回路3
2に読み出される。CT値比較回路29では、読み出さ
れたCT値が所定のしきい値Th2(以下「第2のしき
い値」という)と比較される。この第2のしきい値Th
2は、第1のしきい値Th1と同じ、あるいは第1のし
きい値Th1より低く、頭皮、脂肪、ずい液及び脳実
質、さらに造影血管の全てのCT値に近いCT値に設定
される。アドレス発生回路28はアドレスを順番に変化
させなが発生することにより、第1の断層像を構成す
る全ての画素のCT値を一次元に配列して、順番に第1
の断層像記憶回路27から読み出させる。
【0017】CT値比較回路29による比較結果は、頭
骨画像抽出回路30に順次送られる。頭骨画像抽出回路
30は、比較結果にしたがって、CT値が第2のしきい
値Th2より大きい全ての画素のCT値をそのまま出力
し、一方、CT値が第2のしきい値Th2より小さい全
ての画素のCT値を所定の画素値、例えば空気に相当す
る背景CT値(例えば−1000)に変換して出力す
る。第2のしきい値Th2は頭骨だけに固有に対応した
CT値に設定されているので、頭骨像だけが第1の断層
像から抽出され、頭骨だけの頭骨像(以下「第1の頭骨
像」という)が作成される。
【0018】第1の頭骨像は、画像フィルター回路31
で所定画素数nだけ膨脹処理される。これにより第2の
頭骨像が作成される。頭骨とずい液との境界部分は、両
者のCT値が互いに影響し合い、両者が不定の比率で混
在したCT値で得られるので、しきい値処理ではこの境
界部分を抽出することは非常に困難である。膨脹される
画素数nは境界部分の実厚を画素ピッチで割り算するこ
とにより設定される。したがって、第2の頭骨像は、ず
い液との境界部分まで含む頭骨像で作成されることにな
る。この画像フィルター回路31は、具体的には、n×
nの局所マスクを移動しながら、その中心画素が背景C
T値以外の頭骨に相当するCT値である場合に、当該中
心画素を中心として周囲n画素までの全ての画素の画素
値を頭骨に相当するCT値、例えば+1000に変換す
る。
【0019】第2の頭骨像は、頭骨画像差分回路32に
送られる。頭骨画像差分回路32は、頭骨、ずい液及び
脳実質からなる第1の断層像から、ずい液との境界部分
を含む第2の頭骨像をフレーム間で差分する。つまり、
両像で同じ位置の画素どうしを差分する。これにより、
ずい液と脳実質とだけからなる第2の断層像が作成され
る。または、差分せずに、第2の頭骨像で抽出されてい
る頭骨上の各画素の位置を認識し、第1の断層像上でこ
れら各位置の画素値を背景値に変換することとしてもよ
い。
【0020】第2の断層像は、ずい液除去回路33の第
2の断層像記憶回路34に保持される。アドレス発生回
路35から第2の断層像記憶回路34に読み出しアドレ
スが供給される。このアドレスに保持されている画素の
CT値が、CT値比較回路36とずい液像抽出回路37
とずい液差分回路38に読み出される。CT値比較回路
36では、読み出されたCT値が所定のしきい値Th3
(以下「第3のしきい値」という)と比較される。この
第3のしきい値Th3は、脳実質より低いずい液のCT
値より高く、且つ脳実質のCT値より低いCT値に設定
される。アドレス発生回路35はアドレスを順番に変化
することにより、第2の断層像を構成する全ての画素の
CT値が順番に第2の断層像記憶回路34から読み出さ
れる。
【0021】CT値比較回路36による比較結果は、ず
い液像抽出回路37に順次送られる。ずい液像抽出回路
37は、比較結果にしたがって、CT値が第3のしきい
値Th3より大きい全ての画素のCT値をそのまま出力
し、一方、CT値が第3のしきい値Th3より小さい全
ての画素のCT値を所定の画素値、例えば空気に相当す
る背景CT値(例えば−1000)に変換して出力す
る。第3のしきい値Th3はずい液を脳実質から分離す
るCT値に設定されているので、ずい液だけが第3の断
層像から抽出され、ずい液だけの断層像(以下「ずい液
像」という)が作成される。
【0022】ずい液像は、ずい液差分回路38に送られ
る。ずい液差分回路38は、ずい液と脳実質からなる第
2の断層像から、ずい液像をフレーム間で差分する。つ
まり、両像で同じ位置の画素どうしを差分する。これに
より、最終的な脳実質だけからなる第3の断層像が作成
される。または、差分せずに、ずい液像のずい液上の画
素と同じ位置にある第2の断層像上の各画素の画素値を
背景値に変換することとしてもよい。
【0023】この第3の断層像は、出力装置としての図
示しない記憶装置や表示装置14に送られ記憶、表示さ
れる。次に本実施例の動作について説明する。天板移動
により被検体Pの頭部横断面が、撮影面に設置される。
システム制御器10の制御により、回転リング2が定速
回転する。この間、X線管3は連続的、又は一定角度毎
に間欠的にX線を曝射する。また、X線検出器5はX線
検出を一定角度毎に間欠的に繰り返す。このような動作
により、当該頭部横断面に関する多方向の投影データが
収集される。この多方向の投影データは、データ収集部
11を介して再構成処理部12に送られる。再構成処理
部12により、頭部横断面に関する多方向の投影データ
から頭部横断面内の複数の点各々のCT値が計算され、
これら各CT値に位置情報が与えられて原断層像が再構
成される。
【0024】この原断層像は、画像処理部13に送られ
る。以下に画像処理部13の処理手順を説明する。図3
(a)は原断層像を示し、同図(b)は第1の断層像を
示し、同図(c)は第2の頭骨像を示し、同図(d)は
第2の断層像を示し、同図(e)は第3の断層像を示し
ている。
【0025】図4(a)〜(d)は図2の頭皮脂肪除去
回路21で実行される追跡手順を示す概念図であり、同
図(a)は垂直追跡処理による追跡手順を示し、同図
(b)は水平追跡処理による追跡手順を示し、同図
(c)は第1の傾斜追跡処理による追跡手順を示し、同
図(d)は第2の傾斜追跡処理による追跡手順を示して
いる。図5は、図4(a)〜(d)の各追跡処理で共通
の処理ルーチンを示すフローチャートである。図6は追
跡処理における原断層像の周辺画素から頭内部へ向かう
CT値変化を示す図であり、原点0はCT値0及び原断
層像の周辺画素の画素番号を示している。
【0026】頭皮脂肪除去回路21では、原断層像に対
して、図4(a)〜(d)で示した垂直追跡処理、水平
追跡処理、第1の傾斜追跡処理、第2の傾斜追跡処理の
全ての処理が任意の順番で少なくとも1回ずつ実行され
る。垂直追跡処理は垂直方向に沿って画素を順次追跡し
ていく処理であり、水平追跡処理は水平方向に沿って画
素を順次追跡していく処理であり、第1の傾斜追跡処理
は垂直方向及び水平方向に対して45°傾斜した方向に
沿って画素を順次追跡していく処理であり、第2の傾斜
追跡処理は垂直方向及び水平方向に対して45°傾斜
し、且つ第1の傾斜追跡処理と直交する方向、つまり垂
直方向及び水平方向に対して135°傾斜した方向に沿
って画素を順次追跡していく処理である。なお、第1、
第2の傾斜追跡処理の各方向は、垂直方向及び水平方向
に対して30°傾斜した方向と垂直方向及び水平方向に
対して150°傾斜した方向であってもよいし、垂直方
向及び水平方向に対して60°傾斜した方向と垂直方向
及び水平方向に対して120°傾斜した方向であっても
よいし、この他、傾斜角度の異なる複数の傾斜追跡処理
を増加してもよい。
【0027】これら4つの追跡処理はアドレス発生部2
3で発生するアドレス変化のみ相違し、これ以外は同処
理である。つまり、図5のアドレス発生処理ステップS
1のみ相違する。垂直追跡処理では、ある列上の周辺画
素に対応するアドレスが、列座標固定のままで行座標の
み変化しながら繰り返し発生される。これにより周辺画
素から垂直方向つまり頭内部に、上又は下に向かって順
番に各画素のCT値が読み出される(ステップS2)。
このCT値は、CT値設定回路25と共に、CT値比較
回路24に読み出され、ステップS3で、CT値比較回
路24で第1のしきい値と比較され、この比較結果がC
T値設定回路25に送られる。
【0028】CT値比較回路24による比較結果は、C
T値設定回路25に順次送られる。CT値設定回路25
では、この比較結果が変化、つまりCT値が初めて第1
のしきい値Th1に達した又は越えたとき、周辺画素か
ら当該画素に至る全ての画素のCT値が、空気に相当す
る背景CT値(例えば−1000)に変換される(ステ
ップS4)。図6を参照すると、0番目の画素(周辺画
素)から第1のしきい値Th1に達した又は越えたn番
目の画素までの全画素が、−1000に変換される。
【0029】CT値が初めて第1のしきい値Th1に達
した又は越えたとき、ステップS1に戻り、隣の周辺画
素に移り、同じ動作が実行される。第1のしきい値Th
1は頭骨だけに対応したCT値に設定されているので、
頭骨より外組織である頭皮及び脂肪(の像)が、原断層
像から除去され、頭骨、ずい液及び脳実質からなる第1
の断層像が作成される。
【0030】これと同様な水平追跡処理、第1の傾斜追
跡処理、第2の傾斜追跡処理の各処理が、前段までに追
跡処理済の各断層像に対して順番に繰り返される。この
ように4方向について追跡処理を繰り返すことにより、
凹凸のある頭骨であっても、頭皮及び脂肪が適当に除去
される。なお、頭骨に手術等により欠損部、開口部があ
ると、頭骨内部まで除去されてしまう。これを回避する
ために、当該追跡処置を実行する以前に、準備作業とし
て、フリーROI設定で開口部を塞ぐことが好ましい。
【0031】頭皮脂肪除去回路21で作成された第1の
断層像は、頭骨除去回路26の第1の断層像記憶回路2
7に保持される。アドレス発生回路28から第1の断層
像記憶回路27に読み出しアドレスが供給される。この
アドレスに保持されている画素のCT値が、CT値比較
回路29と頭骨画像抽出回路30と頭骨画像差分回路3
2に読み出される。CT値比較回路29では、読み出さ
れたCT値が第2のしきい値と比較される。アドレス発
生回路28のアドレス制御により、第1の断層像を構成
する全ての画素のCT値を、順番に第1の断層像記憶回
路27から一次元に配列されて読み出される。
【0032】CT値比較回路29による比較結果は、頭
骨画像抽出回路30に順次送られる。頭骨画像抽出回路
30では、この比較結果にしたがって、CT値が第2の
しきい値Th2より大きい全ての画素のCT値がそのま
ま出力され、一方、CT値が第2のしきい値Th2より
小さい全ての画素のCT値が所定の画素値、例えば空気
に相当する背景CT値(例えば−1000)に変換して
出力される。第2のしきい値Th2は頭骨だけに対応し
たCT値に設定されているので、頭骨像だけが第1の断
層像から抽出され、頭骨だけの頭骨像(以下「第1の頭
骨像」という)が作成される。
【0033】図7(a)は膨脹処理の概念図であり、図
7(b)は膨脹処理前の第1の頭骨像の一部を示し、図
7(c)は局所マスクの一例を示し、図7(d)は膨脹
処理後の第1の頭骨像の一部を示している。
【0034】第1の頭骨像は、画像フィルター回路31
で所定画素数n(ここでは1画素)だけ4方向に膨脹処
理され、第2の頭骨像に変換される。上述したように膨
脹数nは境界部分の実厚を画素ピッチで割り算すること
により設定され、ここではn=1として説明するが、2
以上の整数であってもよい。また、ここでは4方向に膨
脹させるが、8方向に膨脹させるようにしてもよい。こ
れは局所マスクの変更により容易に実現できる。このよ
うな膨脹処理により、第2の頭骨像は、ずい液との境界
部分まで含む頭骨像、換言すると頭骨の影響が及ぶ全領
域の画像になる。
【0035】第2の頭骨像は、頭骨画像差分回路32に
送られる。頭骨画像差分回路32では、頭骨、ずい液及
び脳実質からなる第1の断層像から、頭骨だけの第2の
頭骨像がフレーム間で差分される。これにより、ずい液
と脳実質とだけからなる第2の断層像が作成される。
【0036】第2の断層像は、ずい液除去回路33の第
2の断層像記憶回路34に保持される。アドレス発生回
路35から第2の断層像記憶回路34に読み出しアドレ
スが供給される。このアドレスに保持されている画素の
CT値が、CT値比較回路36とずい液像抽出回路37
とずい液差分回路38に読み出される。CT値比較回路
36では、読み出されたCT値が第3のしきい値Th3
と比較される。
【0037】CT値比較回路36による比較結果は、ず
い液像抽出回路37に順次送られる。ずい液像抽出回路
37は、比較結果にしたがって、CT値が第3のしきい
値Th3より大きい全ての画素のCT値をそのまま出力
し、一方、CT値が第3のしきい値Th3より小さい全
ての画素のCT値を所定の画素値、例えば空気に相当す
る背景CT値(例えば−1000)に変換して出力す
る。第3のしきい値Th3はずい液より高く、脳実質よ
り低く設定されているので、ずい液だけが第3の断層像
から抽出され、ずい液だけのずい液像が作成される。
【0038】ずい液像は、ずい液差分回路38に送られ
る。ずい液差分回路38では、ずい液と脳実質からなる
第2の断層像から、ずい液像がフレーム間で差分され
る。これにより、脳実質だけからなる第3の断層像が作
成される。
【0039】この第3の断層像は、出力装置としての記
憶装置や表示装置14に送られ記憶や表示される。この
ように本実施例では、脳実質をCT値が近くしきい値処
理では良好に除去しきれなかった頭皮や脂肪を、原断層
像の周辺から頭内部に向かって画素を追跡調査しながら
脳実質とCT値が明確に相違する頭骨の出現に基づいて
除去するので、頭皮や脂肪を良好に除去することができ
る。また、しきい値処理ではずい液との境界部分まで抽
出しきれなかった頭骨を、膨脹処理によりずい液との境
界部分まで抽出できる。これら処理後には、ずい液と脳
実質とだけの画像が得られるので、しきい値処理で両者
を分離しても骨、頭皮、脂肪等の他の成分は残らない。
したがって、脳実質だけを良好に分離できる。
【0040】なお、上述の説明では、頭皮脂肪除去回路
21における追跡処理では、原断層像の周辺画素から頭
内部に向かって1画素ずつ順次追跡調査していたが、次
のように変形してもよい。変形された追跡処理は、局所
処理が適用される。この局所処理で用いられる中心画素
の近傍n画素(nは4以上の整数)の局所範囲(以下
「ドリル」という)は、例えば、中心画素の上下左右の
4画素(n=4)、中心画素の周囲8画素(n=8)、
または図8に示すように中心画素の周囲20画素(n=
20)に設定される。図9は変形された追跡処理の処理
手順を示すフローチャートである。ステップS31で、
まず、最初の周辺画素にドリルの中心画素が設定され
る。ステップS32で、ドリル内の各画素のCT値につ
いて個々に第1のしきい値Th1と比較される。ステッ
プS33で、ステップS32の比較結果に基づき、少な
くとも1つの画素のCT値が第1のしきい値Th1に達
した又は越えたか否かが判定される。ここでNoのと
き、つまりドリル内の全ての画素のCT値が第1のしき
い値に達していない又は越えていない場合、ステップS
34が実行される。ステップS34では、ドリルが移動
され、具体的にはドリルの中心画素が追跡方向(図8で
は水平方向)に沿ってx画素だけ移動される。xは、ド
リルの半径以下の任意の画素数に設定され、ドリルが中
心画素の上下左右の4画素の範囲であるとき1に、ドリ
ルが中心画素の周囲8画素であるときも1に、ドリルが
図8で示した中心画素の周囲20画素であるときには2
に設定される。ステップS34でドリルが移動された
後、ステップS32に戻り、ステップS32以降同じ処
理が実行される。図8において斜線はドリル範囲を示
し、網線は頭骨領域を示している。
【0041】ステップS33でYesのとき、つまりド
リル内の少なくとも1つの画素のCT値が第1のしきい
値に達している又は越えている場合、ステップS35が
実行される。ステップS35では、ドリル内の全画素の
CT値が背景値(−1000)に変換される。次に、ス
テップS36では、ドリルの中心画素が隣の周辺画素に
設定され、ステップS32に戻り、ステップS32以降
同じ処理が実行される。このように変形された追跡処理
によると、頭骨に貫通孔があったとしても、頭骨内部に
追跡処理が及ぶことが軽減される。つまり、ドリルはド
リルの直径より小さな直径の貫通孔を通過することがな
い。なお、本発明は上述した各実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実
施可能であるのは勿論である。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、頭部横断面の断層像か
らずい液と脳実質とだけを抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るX線コンピュータ断層
撮影装置の構成図。
【図2】図1の画像処理部のブロック図。
【図3】画像処理の各段階で作成される画像を示す図。
【図4】図2の頭皮脂肪除去回路による追跡処理の概念
図。
【図5】追跡処理の処理手順を示すフローチャート。
【図6】追跡処理における断層像周辺から頭内部に向か
う画素変化を示す図。
【図7】図2の画像フィルター回路による膨脹処理を説
明する図。
【図8】図2の頭皮脂肪除去回路による追跡処理の変形
例で用いられるドリルの一例を示す図。
【図9】図2の頭皮脂肪除去回路による追跡処理の変形
例の処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…ガントリ、2…回転リング、3…X線管、4…X線
フィルタ、5…多チャンネル型X線検出器、6…X線制
御装置、7…高圧発生器、8…X線制御器、9…架台寝
台制御器、10…システム制御器、11…データ収集
部、12…再構成処理部、13…画像処理部、14…表
示装置。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の頭部横断面に関する多方向の投
    影データを収集する手段と、 前記データ収集手段の投影データから前記横断面の原断
    層像を再構成する手段と、 前記原断層像の周辺の各画素から画素値が頭骨に対応す
    第1のしきい値に達する特徴画素まで順次追跡し、前
    記周辺の各画素から前記特徴画素に至る全ての画素の画
    素値を背景値に変換することにより頭皮及び脂肪が除去
    され、頭骨、ずい液及び脳実質からなる第1の断層像を
    作成する第1の断層像作成手段と、 前記第1の断層像の各画素に対して頭骨に対応する第2
    のしきい値でしきい値処理を実行することにより頭骨か
    らなる第1の頭骨像を抽出し、前記第1の頭骨像を膨張
    処理することにより第2の頭骨像を作成し、前記第1の
    断層像から前記第2の頭骨像を差分することによりずい
    液及び脳実質からなる第2の断層像を作成する第2の断
    層像作成手段と、 前記第2の断層像を出力する手段とを具備することを特
    徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の断層像の各画素に対してずい
    液のCT値より高く脳実質のCT値より低い第3のしき
    い値でしきい値処理を実行することにより脳実質だけか
    らなる第3の断層像を作成する手段をさらに備えること
    を特徴とする請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影
    装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の断層像作成手段は垂直方向、
    水平方向または傾斜方向に沿って画素追跡することを特
    徴とする請求項1記載のX線コンピュータ断層撮影装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第2の断層像作成手段は前記第1の
    しきい値以下の前記第2のしきい値でしきい値処理を実
    行することを特徴とする請求項1記載のX線コンピュー
    タ断層撮影装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の断層像作成手段は頭皮、脂
    肪、ずい液及び脳実質の画素値より高い前記第1のしき
    い値でしきい値処理を実行することを特徴とする請求項
    1記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
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