JP3466602B1 - 誘電体装置 - Google Patents

誘電体装置

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JP3466602B1
JP3466602B1 JP2002214475A JP2002214475A JP3466602B1 JP 3466602 B1 JP3466602 B1 JP 3466602B1 JP 2002214475 A JP2002214475 A JP 2002214475A JP 2002214475 A JP2002214475 A JP 2002214475A JP 3466602 B1 JP3466602 B1 JP 3466602B1
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Abstract

【要約】 【課題】小型化及び低背化に適し、共振周波数の調整及
び伝送特性の調整の容易な誘電体装置を提供する。 【解決手段】共振部Q1、Q2は、貫通孔41、42
と、非貫通孔51、52とを含む。貫通孔41、42
は、誘電体基体1に設けられ、内部に第1の内導体6
1、62を備える。非貫通孔51、52は、貫通孔4
1、42から間隔を隔てて誘電体基体1に設けられ、底
部が閉じていて、内部に第2の内導体81、82を備え
る。第2の内導体81、82は、第1の面21、また
は、第2の面22において、第1の内導体61または6
2に連続する。共振部Q1の非貫通孔51は第1の面2
1で開口し、共振部Q2の非貫通孔52は第2の面22
で開口する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体フィルタま
たはデュプレクサ等を広くカバーする誘電体装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の誘電体装置は、準マイクロ波
帯、マイクロ波帯、ミリ波帯またはサブミリ波帯等の高
周波領域において用いられる。より具体的な適用例とし
ては、衛星通信機器、移動体通信機器、無線通信機器、
高周波通信機器またはこれらの通信機器のための基地局
等を挙げることができる。
【0003】従来のこの種の誘電体装置は、その典型例
として誘電体フィルタを例にとると、セラミック誘電体
を共用して、複数の共振部を構成し、複数の共振部を容
量結合もしくは誘導結合により段間結合し、所定の周波
数成分を抽出するようになっている。セラミック誘電体
は、複数の共振部において共用され、第1の面を除く外
面の大部分が、導体によって覆われている。
【0004】共振部のそれぞれは、第1の面から、この
第1の面と向き合う第2の面まで貫通する貫通孔を有し
ている。セラミックの第1の面から第2の面までの高さ
は、選択中心周波数波長をλとして、一般には、(λ/
4)となるように選択してあり、従って、貫通孔も約
(λ/4)の長さになる。
【0005】しかし、この種の装置が用いられる衛星通
信機器、移動体通信機器、無線通信機器及び高周波通信
機器には、低背化、小型化及び軽量化の強い要請があ
り、セラミック誘電体の第1の面から第2の面までの高
さを、(λ/4)を基準にして設定する従来技術では、
この要請に応えることができない。
【0006】誘電体フィルタの小型化を目的とした先行
技術文献として、特公平7−32321号公報が知られ
ている。この公知文献に開示された誘電体フィルタは、
概念的には、約(λ/4)の高さを持つセラミック誘電
体を、(λ/4)の半分である(λ/8)の位置で切断
し、得られた2つの半片を、切断面が同一面側となるよ
うな関係で並列的に配置し、更に、切断面上で、2分さ
れた貫通導体を連続させるようにしたものと考えること
ができる。
【0007】しかし、この従来技術の場合、共振波長を
定める貫通導体が、セラミック誘電体の高さに一致し、
その寸法に固定されているため、共振周波数の調整が困
難であるという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、小型
化及び低背化に適した誘電体装置を提供することであ
る。
【0009】本発明のもう一つの課題は、共振周波数の
調整の容易な誘電体装置を提供することである。
【0010】本発明の更にもう一つの課題は、伝送特性
の調整の容易な誘電体装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明に係る誘電体装置は、誘電体基体と、複数
の共振部とを含む。前記誘電体基体は、外面を覆う外導
体を有し、前記外面は互いに対向する第1の面及び第2
の面を含んでいる。
【0012】前記共振部のそれぞれは、貫通孔と、非貫
通孔とを含んでいる。前記貫通孔は、前記誘電体基体に
設けられ、前記第1及び第2の面で開口し、内部に第1
の内導体を備えている。
【0013】前記非貫通孔は、前記貫通孔から間隔を隔
てて前記誘電体基体に設けられ、前記第1及び第2の面
の何れか一方で開口し、底部が閉じていて、内部に第2
の内導体を備え、前記第2の内導体は前記第1及び第2
の面の何れか一方において前記第1の内導体に連続して
いる。
【0014】前記複数の共振部は、前記非貫通孔が前記
第1の面で開口するものと、前記非貫通孔が前記第2の
面で開口するものとを含む。
【0015】上述したように、本発明に係る誘電体装置
において、複数備えられる共振部のそれぞれは、貫通孔
と、非貫通孔とを含んでおり、貫通孔は、第1の内導体
を備え、誘電体基体の第1の面及び第2の面に開口して
いる。また、非貫通孔は、貫通孔から間隔を隔てて誘電
体基体に設けられ、第1及び第2の面の何れか一方で開
口し、底部が閉じていて、内部に第2の内導体を備え
る。第2の内導体は第1及び第2の面の何れか一方にお
いて第1の内導体に連続している。
【0016】従って、本発明に係る誘電体装置では、共
振部のそれぞれにおいて、共振波長を定める共振器長
が、誘電体基体の第1の面からその第2の面までの高さ
に対応する貫通導体の長さと、非貫通孔の深さ(高さ)
と、非貫通孔から貫通孔までの間隔との和となる。この
ことは、所定の共振波長を得る場合、誘電体基体の第1
の面からその第2の面までの高さを、非貫通孔の深さ
と、非貫通孔から貫通孔までの間隔との和の分だけ縮小
でき、誘電体基体の小型化及び低背化が可能であること
を意味する。具体例として、共振波長を、(λ/4)と
した場合、その高さを、通常要求される(λ/4)から
(λ/8)へと半減できる。
【0017】しかも、非貫通孔は閉じており、非貫通孔
の底部の下側に誘電体基体の層が存在する。従って、こ
の誘電体基体の層を利用して、非貫通孔の深さを調整
し、もって共振周波数を調整することが可能になる。非
貫通孔は貫通孔から間隔を隔てて配置されているから、
間隔を調整することによっても、共振周波数を調整する
ことが可能になる。
【0018】また、複数の共振部には、非貫通孔が第1
の面で開口するものと、非貫通孔が第2の面で開口する
ものとが含まれる。従って、個々の共振部の共振周波数
を、第1の面を基準にした非貫通孔の深さ調整、及び、
第2の面を基準にした非貫通孔の深さ調整によって、調
整できることになる。このため、個々の共振部の共振周
波数を容易に調整できるようになる。
【0019】しかも、複数の共振部は、非貫通孔が第1
の面で開口するものと、非貫通孔が第2の面で開口する
ものとを含むから、共振部間の伝送特性を、広範囲に容
易に調整することができるようになる。
【0020】例えば、複数の共振部のうち、隣接する共
振部の少なくとも一組は、第2の内導体と第2の内導体
の電気的結合、第1の内導体と第1の内導体との電気的
結合、または、第1の内導体と第2の内導体の電気的結
合によって結合させることができ、結合態様に応じて、
共振部間の伝送特性を調整することができる。
【0021】具体的態様として、複数の共振部のうち、
隣接する共振部の一方は、非貫通孔が第1の面で開口
し、他方は非貫通孔が第2の面で開口するような構成を
とることができる。即ち、隣接する共振部では、非貫通
孔を逆方向に開口させる。この場合は、隣接する共振部
を、それぞれの非貫通孔内に設けられた第2の内導体に
よって電気的に結合させることにより、非貫通孔間に存
在する誘電体基体の厚みを利用して、共振部間の伝送特
性を調整することができる。
【0022】より具体的には、隣接する共振部に備えら
れた非貫通孔の第2の内導体の底部を、誘電体基体を介
して互いに対向させる構造とし、非貫通孔の深さを調整
し、非貫通孔内の第2の内導体間にある誘電体基体の厚
みを調整することにより、隣接する共振部間の伝送特性
を調整することができる。
【0023】別の態様として、隣接する共振部は、貫通
孔内の第1の内導体によって電気的に結合させてもよ
い。
【0024】更に別の態様として、複数備えられる共振
部のうちの少なくなくとも1つは、非貫通孔が複数であ
ってもよい。複数の非貫通孔のそれぞれは、間隔を隔て
て備えられる。複数の非貫通孔のそれぞれに備えられた
第2の内導体は、互いに連続させる。当然のことである
が、第2の内導体は、貫通孔に備えられた第1の内導体
とも連続させる。
【0025】この種の誘電体装置の基本的構成として、
第1及び第2の面は、外導体によって覆われている被覆
領域と、外導体によって覆われていない非被覆領域とを
有する。貫通孔は、第1及び第2の面の一方では、非被
覆領域で開口し、他方では被覆領域で開口し、第1の内
導体は被覆領域で前記外導体に連続させる。非貫通孔
は、第1及び第2の面の何れか一方の非被覆領域で開口
し、第2の内導体は非被覆領域で第1の内導体に連続さ
せる。
【0026】本発明に係る誘電体装置は、誘電体フィル
タまたはDuplexer(デュプレクサ、アンテナ共用器とも
称される)を広くカバーする装置として用いることがで
きる。
【0027】誘電体フィルタとして用いられる場合は、
第1の端子と、第2の端子とが備えられ、これらは、入
出力端子として用いられる。第1の端子は、共振部の一
方に備えられた非貫通孔と、誘電体基体を介して対向す
る位置に設けられる。第2の端子は、もう一つの共振部
に備えられた非貫通孔と誘電体基体を介して対向する位
置に設けられる。これらの第1及び第2の端子の何れ
も、外導体から絶縁される。
【0028】上記構成によれば、第1及び第2の端子を
実装基板上に面付けすることが可能になる。第1及び第
2の端子は、第2の面に設けてもよいし、第1の面及び
第2の面を除く誘電体基体の側面に設けてもよい。更
に、第1及び第2の端子は、第1の内導体と容量結合す
るように設けてもよい。
【0029】デュプレクサ(アンテナ共用器)に用いる
場合は、少なくとも3つの共振部、及び、第1乃至第3
の端子が備えられる。第1乃至第3の端子は、異なる共
振部のそれぞれに付設され、アンテナ接続端子、受信側
端子、及び、送信側端子として用いられる。
【0030】上記構成によれば、第1乃至第3の端子を
実装基板上に面付けすることが可能になる。第1乃至第
3の端子は、第2の面に設けてもよいし、第1の面及び
第2の面を除く誘電体基体の側面に設けてもよい。
【0031】本発明の他の目的、構成及び利点について
は、添付図面を参照して、更に詳しく説明する。但し、
本発明の技術的範囲がこれらの図示実施例に限定されな
いことは言うまでもない。
【0032】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る誘電体フィル
タの斜視図、図2は図1に示した誘電体フィルタを底面
側から見た斜視図、図3は図1及び図2に示した誘電体
フィルタの貫通孔、第1の内導体、非貫通孔及び第2の
内導体の構成を示す透視図、図4は図1〜図3に示した
誘電体フィルタの正面断面図である。これらの図は、2
つの共振部Q1、Q2を有する誘電体フィルタの例を示
している。
【0033】共振部Q1、Q2のそれぞれは、誘電体基
体1を共用し、誘電体基体1を介して一体化されてい
る。誘電体基体1は、周知の誘電体セラミックスを用い
て、第1の面(表面)21、第2の面(底面)22、及
び、4つの側面23〜26の合計6つの外面からなる略
6面体状に形成されている。誘電体基体1の外面には、
外導体3が付着されている。外導体3は、一般に、銅ま
たは銀等を主成分とし、焼き付け、メッキ等の手段によ
って形成される。
【0034】共振部Q1は、貫通孔41と、非貫通孔5
1とを含んでいる。貫通孔41は、第1の面21からそ
の第2の面22に向かい、第1の面21及び第2の面2
2に開口する。貫通孔41の内部には、第2の面22に
ある外導体3に連続する第1の内導体61が備えられて
いる。第1の内導体61は、貫通孔41の内面に付着さ
れた導体によって構成されている。第1の内導体61
は、外導体3と同様の材料及び手段によって形成され
る。
【0035】非貫通孔51は、貫通孔41から間隔D1
1(図4参照)を隔てて、貫通孔41とほぼ平行に配置
されている。非貫通孔51は、第1の面21からその第
2の面22に向かい、第1の面21でのみ開口してい
る。非貫通孔51は、第1の面21と向き合う第2の面
22の側では閉じており、第1の面21からの深さH2
1となっている。
【0036】非貫通孔51は、第2の内導体81を備え
ている。第2の内導体81は第1の面21において、導
体91によって、第1の内導体61に連続している。第
2の内導体81は、非貫通孔51の内面に付着された導
体によって構成されている。第2の内導体81は、第1
の内導体61と同様の材料及び手段によって形成され
る。
【0037】共振部Q2は、貫通孔42と、非貫通孔5
2とを含んでいる。貫通孔42は、第1の面21からそ
の第2の面22に向かい、第1の面21及び第2の面2
2に開口する。貫通孔42の内部には、第1の面21に
ある外導体3に連続する第1の内導体62を備えてい
る。第1の内導体62は、貫通孔42の内面に付着され
た導体によって構成されている。
【0038】非貫通孔52は、貫通孔42から間隔D1
2(図4参照)を隔てて、貫通孔42とほぼ平行に配置
されている。非貫通孔52は、第2の面22から第1の
面21に向かい、第2の面22でのみ開口している。非
貫通孔52は、第1の面21の側では閉じており、第2
の面22からの深さH22となっている。非貫通孔52
の深さH22は、共振部Q1の非貫通孔51の深さH2
1と等しくてもよいし、短くてもよいし、長くてもよ
い。
【0039】非貫通孔52は、第2の内導体82を備え
ている。第2の内導体82は、第2の面22において、
導体92によって第1の内導体62に連続させてある。
第2の内導体82は、非貫通孔52の内面に付着された
導体によって構成されている。
【0040】第1及び第2の面21、22は、外導体3
によって覆われている被覆領域と、外導体3によって覆
われていない非被覆領域とを有する。貫通孔41は、第
1の面21では、非被覆領域で開口し、第2の面22で
は被覆領域で開口する。貫通孔41の内部に備えられた
第1の内導体61は、第2の面22の被覆領域で外導体
3に連続させてある。非貫通孔51は、第1の面21の
非被覆領域で開口し、その内部の第2の内導体61は、
非被覆領域で、導体91により、第1の内導体61に連
続させてある。
【0041】同様に、貫通孔42は、第2の面22では
非被覆領域で開口し、第1の面21では被覆領域で開口
し、第1の内導体62は被覆領域で外導体3に連続させ
てある。非貫通孔52は、第2の面22の非被覆領域で
開口する。非貫通孔52の第2の内導体82は、第2の
面22の非被覆領域で、導体92により、第1の内導体
62に連続させてある。
【0042】実施例では、更に、共振部Q1、Q2を隣
接させた上で、非貫通孔51の第2の内導体81の底部
と、非貫通孔52の第2の内導体82の底部とを、厚み
H3(図4参照)の誘電体基体1を介して互いに対向さ
せた構造としてある。
【0043】また、誘電体基体1の側面25には、入出
力端子となる第1の端子11及び第2の端子12が備え
られている。第1の端子11は、非貫通孔51と誘電体
基体1を介して対向する位置に設けられ、外導体3から
絶縁ギャップg2によって電気的に絶縁されている。
【0044】第2の端子12は、非貫通孔52と誘電体
基体1を介して対向する位置に設けられ、外導体3から
絶縁ギャップg3によって電気的に絶縁されている。第
1及び第2の端子11、12は、非貫通孔51、52の
内導体81、82と重なる必要はない。部分的に対向
し、または、対向しない位置に設けてあってもよい。ま
た、絶縁ギャップg2、g3は一つのギャップとして連
続させてもよい。
【0045】次に、図1乃至図4に示した誘電体フィル
タについて、共振部Q1を参照し、共振部を個別的に見
た場合の作用効果を説明する。共振部Q2は、共振部Q
1と同じ構造であり、共振部Q1についての説明がその
まま当てはまる。
【0046】既に述べたように、共振部Q1において、
貫通孔41は、誘電体基体1の第1の面21からその第
2の面22に向かい、第1の面21及び第2の面22に
開口する。この貫通孔41は、第2の面22にある外導
体3に連続する第1の内導体61を備えている。非貫通
孔51は貫通孔41から間隔D11を隔て、第1の面2
1からその第2の面22に向かう。共振部Q1の非貫通
孔51は、第2の内導体81を備えており、第2の内導
体81は、第1の面21において、貫通孔41の第1の
内導体61に連続している。
【0047】従って、共振部Q1において、共振波長を
定める共振器長は、誘電体基体1の第1の面21からそ
の第2の面22までの高さに対応する貫通孔41の長さ
H1と、第1の面21からその第2の面22に向かう非
貫通孔51の深さ(高さ)H21と、非貫通孔51から
貫通孔41までの間隔D11との和(H1+H21+D
11)となる。
【0048】このことは、所定の共振波長を得るのに、
誘電体基体1の第1の面21からその第2の面22まで
の高さH1を、非貫通孔51の深さH21と、非貫通孔
51から貫通孔41からまでの間隔D11との和(H2
1+D11)の分だけ縮小できることを意味する。従っ
て、誘電体基体1を低背化し、小型化することができ
る。
【0049】具体例として、共振波長(λ/4)の誘電
体フィルタの場合、和(H21+D11)=(λ/8)
とすれば、誘電体基体1の第1の面21からその第2の
面22までの高さH1も(λ/8)となり、その高さ
を、通常要求される(λ/4)から、(λ/8)へと半
減できる。共振部Q1と同じ構成を有する共振部Q2に
おいても同様である。
【0050】図5は共振器長と共振周波数との関係を示
す図である。図において、横軸に共振器長(H1+H2
1+D11)をとり、縦軸に共振周波数をとってある。
図5に図示するように、非貫通孔51の深さH21をH
21=0からH21=H1の範囲で変えた場合、共振周
波数は直線的に変化する。従って、非貫通孔51の深さ
H21を変えることにより、共振周波数を調整すること
ができる。
【0051】非貫通孔51は、貫通孔41から間隔D1
1を隔てて配置されているから、間隔D11を調整する
ことによっても、共振周波数を調整することが可能であ
る。
【0052】共振部Q2についても同様である。共振部
Q2において、所定の共振波長を得るのに、誘電体基体
1の第2の面22から第1の面21までの高さH1を、
非貫通孔52の深さH22と、非貫通孔52から貫通孔
42からまでの間隔D12との和(H22+D12)の
分だけ縮小し、誘電体基体1を低背化し、小型化するこ
とができる。
【0053】上述のように、共振部Q1、Q2のそれぞ
れにおいて、個別に、上述した周波数調整を行うことが
できるので、共振周波数の調整が容易になる。
【0054】以上は、共振部Q1、Q2を個別的に考慮
した場合の作用効果であるが、本発明によれば、この
他、共振部Q1、Q2の相互間の伝送特性に関する優れ
た作用効果が得られる。次にこの点について述べる。
【0055】図1〜図4に図示した実施例では、共振部
Q1、Q2のうち、共振部Q1は、非貫通孔51が第1
の面21で開口し、共振部Q2は、非貫通孔52が第2
の面22で開口する。即ち、隣接する共振部Q1、Qで
は、非貫通孔51、52は、互いに逆方向に開口する。
この構造によれば、共振部Q1、Q2を、それぞれの非
貫通孔51、52の内部に設けられた第2の内導体8
1、82によって電気的に結合させることにより、非貫
通孔51ー52間に存在する誘電体基体1の厚みを利用
して、共振部Q1−Q2間の伝送特性を調整することが
できる。
【0056】実施例の場合、共振部Q1に備えられた非
貫通孔51の第2の内導体81の底部と、共振部Q2に
備えられた非貫通孔52の第2の内導体82の底部と
を、誘電体基体1を介して、互いに対向させる構造とし
てあるので、非貫通孔51または非貫通孔52の深さH
21またはH22を調整し、非貫通孔51、52の第2
の内導体81ー82間にある誘電体基体1の厚みH3を
調整することにより、隣接する共振部Q1ーQ2間の伝
送特性を調整することができる。
【0057】次に、シミュレーションデータを挙げて、
本発明の効果を具体的に説明する。図6はシミュレーシ
ョンによって得られた周波数−伝送特性を示す図であ
る。横軸に周波数(MHz)を取り、縦軸に第1の端子
11から第2の端子12への伝送特性であるS21(d
B)をとってある。
【0058】図1〜図4に示した構造において、貫通孔
41、42の長さH1を3mmに固定し、非貫通孔5
1、52の深さ(高さ)H21、H22を、0.02m
m、0.25mm、0.5mm、0.75mm、1.0
0mmとした5個のサンプル1〜5について、周波数−
伝送特性をシミュレーションによって求めた。
【0059】曲線L1はH21、H22=0.02mm
としたサンプル1の周波数−伝送特性、曲線L3はH2
1、H22=0.50mmとしたサンプル3の周波数−
伝送特性、曲線L5はH21、H22=1.00mmと
したサンプル5の周波数−伝送特性をそれぞれ示してい
る。
【0060】図6に示すように、非貫通孔51、52の
深さH21、H22が深くなるにつれて、周波数−伝送
特性が低域側にシフトし、共振周波数が低下して行き、
反対に、非貫通孔51、52の深さH21、H22が浅
くなると、共振周波数が高くなる。即ち、非貫通孔5
1、52の深さH21、H22を調整することによっ
て、周波数−伝送特性を変化させ、共振周波数を調整す
ることができる。図6において、第1の極PK1は通過
帯域より低域側の減衰極に対応し、第2の極PK2は更
に低域側の減衰極に対応する。
【0061】次に、サンプル1〜5について、シミュレ
ーションによって得られた通過帯域の中心周波数fc、
第1の極PK1を生じる周波数、第2の極PK2を生じ
る周波数、中心周波数fcと第1の極PK1の周波数差
(fc−PK1)、及び、10dB降下のバンド幅BW
10を、表1に示す。
【0062】図7は表1のデータの理解の助けのため
に、表1に記載された中心周波数fc、第1の極PK1
を生じる周波数、第2の極PK2を生じる周波数及び両
極の周波数差(PK2−PK1)をグラフ化して示す図
である。図7において、横軸に非貫通孔51、52の深
さH21、H22をとり、左縦軸に第1の極PK1の周
波数(MHz)、第2の極PK2の周波数(MHz)、
中心周波数fcをとり、右縦軸にBW10、周波数差
(fc−PK1)の周波数(MHz)をとってある。
【0063】図7を参照すると、中心周波数fc、第1
の極PK1を生じる周波数及び第2の極PK2を生じる
周波数は、非貫通孔51、52の深さH21、H22が
浅くなるにつれて高くなり、深くなるにつれて低くな
る。
【0064】周波数差(fc−PK1)及びバンド幅B
W10は、非貫通孔51、52の深さH21、H22が
浅くなるにつれて大きくなり、深くなるにつれて小さく
なる変化特性を示す。
【0065】また、図1〜図4に示した実施例の場合、
共振部Q1に備えられた非貫通孔51の第2の内導体8
1の底部と、共振部Q2に備えられた非貫通孔52の第
2の内導体82の底部とを、誘電体基体1を介して、互
いに対向させる構造としてあるので、第1の共振部Q1
及び第2の共振部Q2は、主として第1の共振部Q1の
非貫通孔51と、第2の共振部Q2の非貫通孔52と
が、容量結合する。したがって、第1の共振部Q1及び
第2の共振部Q2の結合手段として、第1の面21に導
体パターンを形成する必要がなくなる。このため、誘電
体装置の小型化が容易になる。また、導体パターン形成
用スクリーン印刷工程は不要であるから、製造コストが
安価になる。
【0066】更に、図1〜図4に示した実施例におい
て、面付け実装のための第1の端子11を、外面25に
おいて、外導体3から、絶縁ギャップg2により、電気
絶縁して設けられている。この構造によれば、第1の端
子11を、実装基板上に面付けすることが可能になる。
第1の端子11は非貫通孔51と電気的に結合(容量結
合)されている。
【0067】共振部Q2においても同様であり、第2の
端子12は、外面25の面上において、外導体3から絶
縁ギャップg3により、電気絶縁して設けられている。
このため、第2の端子12を、実装基板上に面付けする
ことが可能になる。第2の端子12は非貫通孔52と電
気的に結合(容量結合)されている。
【0068】次に、本発明に係る誘電体装置の様々な実
施例について、添付された図8乃至図29を参照して、
順次に説明する。上述した添付図面において、先行図面
に現れた構成部分と同一の構成部分については、同一の
参照符号を付し、重複説明は省略する。
【0069】図8は本発明に係る誘電体フィルタの別の
実施例を示す斜視図、図9は図8に示した誘電体フィル
タの貫通孔、第1の内導体、非貫通孔及び第2の内導体
の構成を示す透視図、図10は図8、図9に示した誘電
体フィルタの正面断面図である。これらの図は、2つの
共振部Q1、Q2を有する誘電体フィルタの例を示して
いる。
【0070】図8〜図10に示した実施例では、共振部
Q1の貫通孔41と、共振部Q2の貫通孔42とが間隔
を隔ててほぼ平行する関係で向き合っており、貫通孔4
1の第1の内導体61と貫通孔42の第1の内導体62
とが電気的に結合(容量結合)し、この結合によって、
共振部Q1、Q2が互いに電気的に結合されている。
【0071】この実施例の場合も、所定の共振波長を得
るのに、誘電体基体1の第1の面21からその第2の面
22までの高さH1を、非貫通孔51の深さH21と、
非貫通孔51から貫通孔41からまでの間隔D11との
和(H21+D11)の分だけ縮小できる。従って、誘
電体基体1を低背化し、小型化することができる。
【0072】共振波長(λ/4)の誘電体フィルタの場
合、和(H21+D11)=(λ/8)とすれば、誘電
体基体1の第1の面21からその第2の面22までの高
さH1も(λ/8)となり、その高さを、通常要求され
る(λ/4)から、(λ/8)へと半減できる。共振部
Q1と同じ構成を有する共振部Q2においても同様であ
る。
【0073】しかも、非貫通孔51は、第2の面22で
は開口せず、閉じており、非貫通孔51と第2の面22
の外導体3との間には、非貫通孔51の深さH21と、
誘電体基体1の高さH1との差分(H1ーH21)に対
応する厚さH3の誘電体基体1が存在する。従って、こ
の誘電体基体1の厚さH3を利用して、非貫通孔51の
深さH21を調整し、もって共振周波数を調整すること
ができる。
【0074】次に、シミュレーションデータを挙げて、
本発明の効果を具体的に説明する。図8〜図10の実施
例において、貫通孔41、42の長さH1を3mmに固
定し、非貫通孔51、52の深さ(高さ)H21、H2
2を、0.02mm、0.25mm、0.5mm、0.
75mm、1.00mm、1.25mm、1.50m
m、2.00mm、2.50mmとした9個のサンプル
21〜29について、周波数−伝送特性をシミュレーシ
ョンによって求めた。
【0075】図11は、上述したシミュレーションによ
って得られた周波数−伝送特性を示す図である。横軸に
周波数(MHz)を取り、縦軸に第1の共振部Q1から
第2の共振部Q2への伝送特性であるS21(dB)を
とってある。
【0076】曲線L21はH21、H22=0.02m
mとしたサンプル21の周波数−伝送特性、曲線L23
はH21、H22=0.50mmとしたサンプル23の
周波数−伝送特性、曲線L25はH21、H22=1.
00mmとしたサンプル25の周波数−伝送特性、曲線
L27はH21、H22=1.50mmとしたサンプル
27の周波数−伝送特性、曲線L28はH21、H22
=2.00mmとしたサンプル28の周波数−伝送特
性、曲線L29はH21、H22=2.50mmとした
サンプル29の周波数−伝送特性をそれぞれ示してい
る。
【0077】図11に示すように、非貫通孔51、52
の深さH21、H22が深くなるにつれて、周波数−伝
送特性が低域側にシフトし、共振周波数が低下して行
き、反対に、非貫通孔51、52の深さH21、H22
が浅くなると、共振周波数が高くなる。即ち、非貫通孔
51、52の深さH21、H22を調整することによっ
て、周波数−伝送特性を変化させ、共振周波数を調整す
ることができる。
【0078】次に、サンプル21〜29について、シミ
ュレーションによって得られた10dB降下のバンド幅
BW10を、表2に示す。バンド幅BW10は、共振波
形のピーク値から10(dB)だけ低下した位置におけ
るバンド幅である。
【0079】図12は表2に示されたデータをグラフ化
して示す図である。図12に示すように、バンド幅BW
10は、非貫通孔51、52の深さH21、H21が
0.50(mm)を超える領域では、深さH21、H2
1が浅くなるにつれて広くなり、0.50(mm)より
も小さい領域では、深さH21、H21が浅くなるにつ
れて狭くなる。従って、貫通孔51、52の深さH2
1、H21を調整することによってバンド幅BW10を
調整することができる。
【0080】また、図8〜図10に示した実施例の場
合、共振部Q1に備えられた貫通孔41の第1の内導体
61と、共振部Q2に備えられた貫通孔42の第1の内
導体62とを、誘電体基体1を介して、互いに対向させ
る構造としてあるので、第1の共振部Q1及び第2の共
振部Q2は、第1の共振部Q1の貫通孔41と、第2の
共振部Q2の貫通孔42とが互いに容量結合する。した
がって、第1の共振部Q1及び第2の共振部Q2の結合
手段として、第1の面21に導体パターンを形成する必
要がなくなる。このため、小型化が容易になる。また、
導体パターン形成用スクリーン印刷工程は不要であるか
ら、製造コストが安価になる。
【0081】更に、図8〜図10に示した実施例におい
て、面付け実装のための第1の端子11を、外面25に
おいて、外導体3から、絶縁ギャップg2により、電気
絶縁して設けられている。第1の端子11は、誘電体基
体1を介して、非貫通孔51と電気的に結合する。この
構造によれば、第1の端子11を、実装基板上に面付け
することが可能になる。
【0082】共振部Q2においても同様であり、第2の
端子12は、外面25の面上において、外導体3から絶
縁ギャップg3により、電気絶縁して設けられている。
第2の端子12は、誘電体基体1を介して、非貫通孔5
2と電気的に結合する。このため、第2の端子12を、
実装基板上に面付けすることが可能になる。
【0083】図示は省略するが、共振部Q1、Q2は、
第1の内導体と第2の内導体の電気的結合によって結合
させてあってもよい。
【0084】図13は本発明に係る誘電体フィルタの別
の実施例を示す斜視図、図14は図13に示した誘電体
フィルタを底面側から見た斜視図、図15は図13、図
14に示した誘電体フィルタの貫通孔、第1の内導体、
非貫通孔及び第2の内導体の構成を示す透視図、図16
は図13〜図15に示した誘電体フィルタの正面断面図
である。
【0085】図13〜図16に示した実施例では、3つ
の共振部Q1〜Q3を誘電体基体1に一列に配置してあ
る。中間部に位置する共振部Q2は、非貫通孔52、5
3が2つである。非貫通孔52、53のそれぞれは、間
隔を隔てて、誘電体基体1の第1の面21に開口し、か
つ、貫通孔42の両側に備えられている。非貫通孔5
2、53のそれぞれに備えられた第2の内導体82、8
3は、導体92によって、互いに連続するとともに、貫
通孔42の第1の内導体62にも連続する。
【0086】共振部Q2の一方側に位置する共振部Q1
は、貫通孔41及び非貫通孔51を有する。貫通孔41
は第1の内導体61を備え、非貫通孔51は第2の内導
体81を備える。非貫通孔51は、第2の面22に開口
し、底部が共振部Q2の非貫通孔52の底部と対向して
いる。従って、共振部Q1と共振部Q2とは、非貫通孔
51の内部に形成された第2の内導体81と、非貫通孔
52の内部に形成された第2の内導体82との間の容量
結合により結合される。
【0087】共振部Q2の他方側に位置する共振部Q3
は、貫通孔43及び非貫通孔54を有する。貫通孔43
は第1の内導体63を備え、非貫通孔54は第2の内導
体84を備える。非貫通孔54は、第2の面22に開口
し、底部が共振部Q2の非貫通孔53の底部と対向して
いる。従って、共振部Q2と共振部Q3とは、非貫通孔
53の内部に形成された第2の内導体83と、非貫通孔
54の内部に形成された第2の内導体84との間の容量
結合により結合される。
【0088】図17は図13〜図16に示した誘電体フ
ィルタについて、シミュレーションによって得られた周
波数ー伝送特性を示す図である。図において、横軸に周
波数(MHz)をとり、縦軸に共振部Q1〜Q3への伝
送量S21(dB)をとってある。
【0089】図18は図13〜図16に示した誘電体フ
ィルタについて、シミュレーションによって得られた周
波数ー反射特性を示す図である。図において、横軸に周
波数(MHz)をとり、縦軸に反射量S11(dB)を
とってある。
【0090】図19は本発明に係る誘電体フィルタの別
の実施例を示す斜視図、図20は図19に示した誘電体
フィルタの貫通孔、第1の内導体、非貫通孔及び第2の
内導体の構成を示す透視図である。
【0091】図19及び図20の実施例では、共振部Q
1及び共振部Q2は横並びに配置されている。即ち、共
振部Q1の貫通孔41及び共振部Q2の貫通孔42は、
間隔を隔てて併設されており、共振部Q1の非貫通孔5
1及び共振部Q2の非貫通孔52は、間隔を隔てて併設
されている。共振部Q1の非貫通孔51は、第1の面2
1に開口し、共振部Q2の非貫通孔52は第2の面22
に開口する。
【0092】第1の端子11は誘電体基体1の面25に
設けられ、誘電体基体1を介して、共振部Q1の非貫通
孔51に設けられた第2の内導体81と容量結合する。
第2の端子12も、誘電体基体1の面25に設けられ、
誘電体基体1を介して、共振部Q2の非貫通孔52に設
けられた第2の内導体82と容量結合する。
【0093】図21は本発明に係る誘電体フィルタの別
の実施例を示す斜視図、図22は図21に示した誘電体
フィルタの貫通孔、第1の内導体、非貫通孔及び第2の
内導体の構成を示す透視図である。
【0094】図21及び図22に示した実施例では、共
振部Q1及び共振部Q2は、貫通孔41及び貫通孔42
の間隔が縮小され、または、非貫通孔51及び非貫通孔
52の間隔が拡大される関係で、横並びに配置されてい
る。即ち、共振部Q1の貫通孔41及び共振部Q2の貫
通孔42の間の間隔は、共振部Q1の非貫通孔51及び
共振部Q2の非貫通孔52の間の間隔よりも縮小されて
いる。共振部Q1の非貫通孔51は、第1の面21に開
口し、共振部Q2の非貫通孔52は第2の面22に開口
する。
【0095】図23は本発明に係る誘電体フィルタの別
の実施例を示す斜視図、図24は図23に示した誘電体
フィルタの貫通孔、第1の内導体、非貫通孔及び第2の
内導体の構成を示す透視図である。
【0096】図23及び図24に示した実施例では、共
振部Q1及び共振部Q2は、非貫通孔51及び非貫通孔
52の間隔が縮小され、または、貫通孔41及び貫通孔
42の間隔が拡大される関係で、横並びに配置されてい
る。即ち、共振部Q1の非貫通孔51及び共振部Q2の
非貫通孔52の間の間隔は、共振部Q1の貫通孔41及
び共振部Q2の貫通孔42の間の間隔よりも縮小されて
いる。共振部Q1の非貫通孔51は、第1の面21に開
口し、共振部Q2の非貫通孔52は第2の面22に開口
する。
【0097】図25は本発明に係る誘電体フィルタの別
の実施例を示す斜視図、図26は図25に示した誘電体
フィルタの貫通孔、第1の内導体、非貫通孔及び第2の
内導体の構成を示す透視図である。
【0098】図25及び図26に示した実施例では、共
振部Q1及び共振部Q2は、非貫通孔51及び非貫通孔
52の孔径が、貫通孔41及び貫通孔42の孔径よりも
縮小されている。共振部Q1の非貫通孔51は、第1の
面21に開口し、共振部Q2の非貫通孔52は第2の面
22に開口する。また、図示はしないが、様々な孔径、
孔形状をとることが可能である。
【0099】図27は本発明に係る誘電体フィルタの別
の実施例を示す斜視図である。この実施例では、貫通孔
41、42の開口する位置に、段差△H1の凹部27、
28を設けてある。凹部27、28は溝状であってもよ
い。この実施例は、貫通孔41、42の長さを変えるこ
とによって、周波数−伝達特性を調整できることを示し
ている。第1の端子11は側面25及び側面23に連続
して形成されている。第2の端子12は、側面25から
側面24に連続して形成されている。
【0100】次に、本発明に係る誘電体装置のもう一つ
の重要な適用例であるデュプレクサについて説明する。
【0101】図28は本発明に係るデュプレクサの斜視
図、図29は図29に示したデュプレクサを底面側から
みた斜視図である。図示されたデュプレクサは5つの共
振部Q1〜Q5を有する。共振部Q1〜Q5のそれぞれ
は、誘電体基体1を共用し、誘電体基体1を介して一体
化されている。
【0102】共振部Q1〜Q5の内、共振部Q1は貫通
孔41と非貫通孔51との組み合わせ、共振部Q2は貫
通孔42と非貫通孔52、53との組み合わせ、共振部
Q3は貫通孔43と非貫通孔54、55との組み合わせ
を、それぞれ含む。共振部Q4は貫通孔44と非貫通孔
56、57との組み合わせ、共振部Q5は貫通孔45と
非貫通孔58との組み合わせを、それぞれ含む。
【0103】共振部Q1の非貫通孔51、共振部Q3の
非貫通孔54、55、共振部Q5の非貫通孔58は、誘
電体基体1の第1の面21に開口し、共振部Q2の非貫
通孔52、53、共振部Q4の非貫通孔56、57は、
誘電体基体1の第2の面22に開口する。
【0104】共振部Q1の非貫通孔51と共振部Q2の
非貫通孔52とは、底部が、誘電体基体1を介して対向
し、容量結合している。共振部Q2の非貫通孔53と共
振部Q3の非貫通孔54とは、底部が、誘電体基体1を
介して対向し、容量結合している。共振部Q3の非貫通
孔55と共振部Q4の非貫通孔56とは、底部が、誘電
体基体1を介して対向し、容量結合している。共振部Q
4の非貫通孔57と共振部Q5の非貫通孔58とは、底
部が、誘電体基体1を介して対向し、容量結合してい
る。
【0105】貫通孔(41〜45)と非貫通孔(51〜
58)の構造、及び、相対関係の詳細は、図1〜図27
を参照して説明した通りである。
【0106】誘電体基体1の側面25には、第1の端子
11、第2の端子12及び第3の端子13が備えられて
いる。第1の端子11は、外導体3からギャップg2を
隔てて分離され、共振部Q1の非貫通孔51と電気的に
結合(容量結合)されている。第2の端子12は、外導
体3からギャップg3を隔てて分離され、共振部Q3の
貫通孔43と電気的に結合(容量結合)されている。第
3の端子13は、外導体3からギャップg4を隔てて分
離され、共振部Q5の非貫通孔58と電気的に結合(容
量結合)されている。
【0107】デュプレクサは、アンテナ共用器として用
いられるので、共振部Q1〜Q5は、送信用及び受信用
の2つに分けられる。図28、図29において、第1の
端子11が受信用入力端子として用いられ、第2の端子
12が共通端子として用いられ、第3の端子13が送信
用出力端子として用いられるとすると、図28、図29
において、第2の端子12よりも左側が受信用共振部を
構成し、右側が送信用共振部を構成する。
【0108】上記構成によれば、貫通孔41〜45、非
貫通孔51〜58の深さ、及び、共振部Q1〜Q5のそ
れぞれにおける孔間隔を調整することによって共振波長
を調整し、共振周波数を所定値に高精度であわせ込むこ
とができること、小型化及び低背化が実現できること、
及び、伝送特性を容易に調整できることは、図1〜図2
7に示した誘電体フィルタの説明において、詳細に論じ
たとおりである。
【0109】図示は省略するが、デュプレクサについて
も、誘電体フィルタで例示した各種の構造(図1乃至図
27参照)を適用することができることは勿論である。
【0110】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
のような効果を得ることができる。 (a)小型化及び低背化に適した誘電体装置を提供する
ことができる。 (b)共振周波数の調整の容易な誘電体装置を提供する
ことができる。 (c)伝送特性の調整の容易な誘電体装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る誘電体フィルタの斜視図である。
【図2】図1に示した誘電体フィルタを底面側から見た
斜視図である。
【図3】図1及び図2に示した誘電体フィルタの貫通
孔、第1の内導体、非貫通孔及び第2の内導体の構成を
示す透視図である。
【図4】図1〜図3に示した誘電体フィルタの正面断面
図である。
【図5】図1乃至図4に示した誘電体フィルタの共振器
長と共振周波数との関係を示す図である。
【図6】シミュレーションによって得られた周波数−伝
送特性を示す図である。
【図7】表1に記載された中心周波数fc、第1の極P
K1を生じる周波数、第2の極PK2を生じる周波数及
び両極の周波数差(PK2−PK1)をグラフ化して示
す図である。
【図8】本発明に係る誘電体フィルタの別の実施例を示
す斜視図である。
【図9】図8に示した誘電体フィルタの貫通孔、第1の
内導体、非貫通孔及び第2の内導体の構成を示す透視図
である。
【図10】図8、図9に示した誘電体フィルタの正面断
面図である。
【図11】シミュレーションによって得られた周波数−
伝送特性を示す図である。
【図12】図12は表2に示されたデータをグラフ化し
て示す図である。
【図13】本発明に係る誘電体フィルタの別の実施例を
示す斜視図である。
【図14】図13に示した誘電体フィルタを底面側から
見た斜視図である。
【図15】図13、図14に示した誘電体フィルタの貫
通孔、第1の内導体、非貫通孔及び第2の内導体の構成
を示す透視図である。
【図16】図13〜図15に示した誘電体フィルタの正
面断面図である。
【図17】図13〜図16に示した誘電体フィルタにつ
いて、シミュレーションによって得られた周波数ー伝送
特性を示す図である。
【図18】図13〜図16に示した誘電体フィルタにつ
いて、シミュレーションによって得られた周波数ー反射
特性を示す図である。
【図19】本発明に係る誘電体フィルタの別の実施例を
示す斜視図である。
【図20】図19に示した誘電体フィルタの貫通孔、第
1の内導体、非貫通孔及び第2の内導体の構成を示す透
視図である。
【図21】本発明に係る誘電体フィルタの別の実施例を
示す斜視図である。
【図22】図21に示した誘電体フィルタの貫通孔、第
1の内導体、非貫通孔及び第2の内導体の構成を示す透
視図である。
【図23】本発明に係る誘電体フィルタの別の実施例を
示す斜視図である。
【図24】図23に示した誘電体フィルタの貫通孔、第
1の内導体、非貫通孔及び第2の内導体の構成を示す透
視図である。
【図25】本発明に係る誘電体フィルタの別の実施例を
示す斜視図である。
【図26】図25に示した誘電体フィルタの貫通孔、第
1の内導体、非貫通孔及び第2の内導体の構成を示す透
視図である。
【図27】本発明に係る誘電体フィルタの別の実施例を
示す斜視図である。
【図28】本発明に係るデュプレクサの斜視図である。
【図29】図28に示したデュプレクサを底面側からみ
た斜視図である。
【符号の説明】
1 誘電体基体 21 第1の面 22 第2の面 3 外導体 41〜45 貫通孔 51〜58 非貫通孔
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−220001(JP,A) 特開 平5−283908(JP,A) 欧州特許出願公開785593(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/20 - 1/219 H01P 7/00 - 7/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基体と、複数の共振部とを含む誘
    電体装置であって、 前記誘電体基体は、外面を覆う外導体を有し、前記外面
    は互いに対向する第1の面及び第2の面を含んでおり、 前記共振部のそれぞれは、貫通孔と、非貫通孔とを含ん
    でおり、 前記貫通孔は、前記誘電体基体に設けられ、前記第1及
    び第2の面で開口し、内部に第1の内導体を備えてお
    り、 前記非貫通孔は、前記貫通孔から間隔を隔てて前記誘電
    体基体に設けられ、前記第1及び第2の面の何れか一方
    で開口し、底部が閉じていて、内部に第2の内導体を備
    え、前記第2の内導体は前記第1及び第2の面の何れか
    一方において前記第1の内導体に連続しており、 前記複数の共振部は、前記非貫通孔が前記第1の面で開
    口するものと、前記非貫通孔が前記第2の面で開口する
    ものとを含み、 前記複数の共振部のうち、隣接する共振部の一方は、前
    記非貫通孔が前記第1の面で開口し、他方は前記非貫通
    孔が前記第2の面で開口し、 隣接する共振部の前記第2の内導体は、底部が前記誘電
    体基体を介して互いに対向する誘電体装置。
  2. 【請求項2】 誘電体基体と、複数の共振部とを含む誘
    電体装置であって、 前記誘電体基体は、外面を覆う外導体を有し、前記外面
    は互いに対向する第1の面及び第2の面を含んでおり、 前記共振部のそれぞれは、貫通孔と、非貫通孔とを含ん
    でおり、 前記貫通孔は、前記誘電体基体に設けられ、前記第1及
    び第2の面で開口し、内部に第1の内導体を備えてお
    り、 前記非貫通孔は、前記貫通孔から間隔を隔てて前記誘電
    体基体に設けられ、前記第1及び第2の面の何れか一方
    で開口し、底部が閉じていて、内部に第2の内導体を備
    え、前記第2の内導体は前記第1及び第2の面の何れか
    一方において前記第1の内導体に連続しており、 前記複数の共振部は、前記非貫通孔が前記第1の面で開
    口するものと、前記非貫通孔が前記第2の面で開口する
    ものとを含んでおり、 少なくなくとも1つの共振部は、前記非貫通孔が複数で
    あり、前記複数の非貫通孔のそれぞれは、間隔を隔てて
    備えられ、それぞれに備えられた前記第2の内導体が連
    続する誘電体装置。
  3. 【請求項3】 誘電体基体と、複数の共振部とを含む誘
    電体装置であって、 前記誘電体基体は、外面を覆う外導体を有し、前記外面
    は互いに対向する第1の面及び第2の面を含んでおり、 前記共振部のそれぞれは、貫通孔と、非貫通孔とを含ん
    でおり、 前記貫通孔は、前記誘電体基体に設けられ、前記第1及
    び第2の面で開口し、内部に第1の内導体を備えてお
    り、 前記非貫通孔は、前記貫通孔から間隔を隔てて前記誘電
    体基体に設けられ、前記第1及び第2の面の何れか一方
    で開口し、底部が閉じていて、内部に第2の内導体を備
    え、前記第2の内導体は前記第1及び第2の面の何れか
    一方において前記第1の内導体に連続しており、 前記複数の共振部は、前記非貫通孔が前記第1の面で開
    口するものと、前記非貫通孔が前記第2の面で開口する
    ものとを含み、 前記複数の誘電体共振部のうち、前記隣接する誘電体共
    振部は、互いの前記貫通孔の対向間隔が縮小され、また
    は、互いの前記非貫通孔の対向間隔が拡大される関係
    で、横並びに配置されている誘電体装置。
  4. 【請求項4】 誘電体基体と、複数の共振部とを含む誘
    電体装置であって、 前記誘電体基体は、外面を覆う外導体を有し、前記外面
    は互いに対向する第1の面及び第2の面を含んでおり、 前記共振部のそれぞれは、貫通孔と、非貫通孔とを含ん
    でおり、 前記貫通孔は、前記誘電体基体に設けられ、前記第1及
    び第2の面で開口し、内部に第1の内導体を備えてお
    り、 前記非貫通孔は、前記貫通孔から間隔を隔てて前記誘電
    体基体に設けられ、前記第1及び第2の面の何れか一方
    で開口し、底部が閉じていて、内部に第2の内導体を備
    え、前記第2の内導体は前記第1及び第2の面の何れか
    一方において前記第1の内導体に連続しており、 前記複数の共振部は、前記非貫通孔が前記第1の面で開
    口するものと、前記非貫通孔が前記第2の面で開口する
    ものとを含み、 前記複数の誘電体共振部のうち、前記隣接する誘電体共
    振部は、互いの前記非貫通孔の対向間隔が縮小され、ま
    たは、互いの前記貫通孔の対向間隔が拡大される関係
    で、横並びに配置されている誘電体装置。
  5. 【請求項5】 誘電体基体と、複数の共振部とを含む誘
    電体装置であって、 前記誘電体基体は、外面を覆う外導体を有し、前記外面
    は互いに対向する第1の面及び第2の面を含んでおり、 前記共振部のそれぞれは、貫通孔と、非貫通孔とを含ん
    でおり、 前記貫通孔は、前記誘電体基体に設けられ、前記第1及
    び第2の面で開口し、内部に第1の内導体を備えてお
    り、 前記非貫通孔は、前記貫通孔から間隔を隔てて前記誘電
    体基体に設けられ、前記第1及び第2の面の何れか一方
    で開口し、底部が閉じていて、内部に第2の内導体を備
    え、前記第2の内導体は前記第1及び第2の面の何れか
    一方において前記第1の内導体に連続しており、 前記複数の共振部は、前記非貫通孔が前記第1の面で開
    口するものと、前記非貫通孔が前記第2の面で開口する
    ものとを含み、 前記誘電体基体は、前記貫通孔の開口する位置に、凹部
    を有する誘電体装置。
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