JP3466220B2 - 離型材 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯科の治療において、
患部の形態を複製した石膏模型上で重合性レジンを重合
させ、歯牙欠損等の修復に使用するために必要な形状の
補修用部品を作製するに当たり、石膏模型上に塗布する
ことにより、石膏模型よりレジン硬化物の離型を容易に
することを目的とする離型材に関する。 【0002】歯科治療において、治療を要する患部の印
象を採り、その印象より石膏を用いて患部の形状を再現
した模型を作製した後、該模型上にて、患者が正常な機
能を回復するために必要な形態を重合可能な歯科用レジ
ンに付与した後、そのレジンを重合せしめて得られる硬
化物を患部に歯科用接着剤を用いて接着することにより
治療を行うことがある。特に、本発明はかかる治療法に
おいて用いられる離型材に関する。 【0003】 【従来の技術】従来、石膏模型とレジンとの離型のため
の離型材としては、パラフィンやステアリン酸誘導体等
のワックス状のもの、あるいは、アルギン酸ナトリウム
塩水溶液等が使用されていたが、そのほかにもポリ(メ
タ)アクリル酸およびその塩の水溶液(特開昭49−9
4587号)、シリコーンゴムを用いるもの(特開昭6
1−134305号)等が提案されていた。 【0004】しかしながら、従来用いられてきたワック
ス状の離型材は、その粘稠度が高すぎて石膏模型状の離
型材層が厚くなりすぎたり、塗りすぎても修正が困難で
あるため塗りムラが生じやすい等の問題点があり、この
離型材を塗布した石膏型を用いて成形したレジン硬化物
の形状再現性に問題があった。また、このような離型材
を塗布した型の上で硬化させたレジン表面には必ず離型
材が付着しているが、このレジンを歯科用接着材で患部
に接着する場合には、この離型材は「汚れ」として作用
するものである。こういう点からはレジン表面にパラフ
ィン等のワックスが付着することは、次の接着工程に障
害を及ぼすために好ましくない。 【0005】また、アルギン酸塩系の離型材に関して
は、分離性能が不十分である点と、離型材の粘度が高す
ぎて塗りムラが発生しやすい点、さらに、離型材の保存
条件が悪いと変質してしまう等の問題点があった。ま
た、ポリアクリル酸系の離型材は、歯科用レジンとのな
じみが良すぎて分離性能が悪く、シリコーン系の離型材
にはレジン硬化物表面に付着した微量のシリコーンが次
の工程である接着の阻害をするという問題点があった。 【0006】石膏は長さ数十ミクロンの硫酸カルシウム
水和塩の針状結晶がランダムに積み重なった構造をして
おり、粗い表面を持つ多孔質の材料である。このような
材料で作製した模型の上に重合性レジンの流動性のある
レジンペーストを盛りつけて重合させると、石膏表面の
微細な隙間にペーストが侵入した後、重合することによ
りインターロッキング作用が生じ、石膏型よりレジンを
取り出す妨げとなる。この石膏表面上の細孔を離型材を
用いて埋めてしまえば石膏型とレジンとの離型が良好に
なるものと考えられるが、ただ単に細孔のみを埋めるだ
けでは効果が不十分である。離型材の効果を十分に発揮
させるためには、石膏表面の平滑性を増すように、薄い
層を生じる程度に、少し過剰に離型材を用いる必要があ
る。 【0007】これらの問題を解決するものとして、本発
明者は水に対して難溶性叉は不溶性の無機物粉末、水溶
性アルコール化合物および水からなる離型材(特願昭6
2−294825号)を提案した。このようなスラリー
を提案した理由は、溶液状の離型剤は溶液が多孔質の石
膏中にしみ込み、表面に残る離型剤の量が少なく、効果
が不確実になるが、スラリーならば液体成分は染み込ん
でも無機物粉末は確実に石膏表面に残るためである。 【0008】前者は球状の超微粒子シリカゲル等を水性
アルコールに分散させたものであり、水性アルコールが
石膏にしみ込んだり、蒸発したりする際に石膏上にシリ
カゲルよりなる層を形成するものであるが、この層が弱
いほど離型に要する力は少なくてすむというのがその骨
子である。すなわち、レジンを石膏型より離型する時に
は離型材層とレジンとは密着しており、若干の接着力が
働いていると考えられる。硬化レジンを離型する時に離
型材層が弱いとそれは容易に引き裂かれるが、離型材の
一部は石膏上に残り、一部はレジン表面に付着する。そ
のため、この離型材は離型性能には優れているが、離型
材と接触したレジン硬化物表面への微細シリカゲルの付
着があり、離型後にそれを洗浄したり、サンドブラスト
により表面を清掃する必要があった。すなわち、これら
の離型材にはこれに接触したレジン表面を汚染するとい
う問題の解決が不充分であった。また、この離型材は超
微粒子シリカゲル等を水性アルコール中に分散させた物
であるが、保存中に無機粉末が沈降し、使用時にユーザ
ーが容器を振って粉末を分散させてやる必要があった。
さらに、この組成物は塗布時の粘度が低く離型材がタレ
て隅に溜まり易いという問題点があり、ユーザーの手間
を省く、あるいは商品性という観点からは十分とは言え
なかった。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
の問題点を解決することにある。すなわち、本発明の目
的は、石膏模型より歯科用レジン硬化物を分離する際の
離型が容易で、離型材と接触したレジン表面を汚染する
ことがなく、組成物の保存時に成分の沈降がないという
基本的な性能を備え、さらに、これを使用する際に非常
に塗布し易い特殊なレオロジー的な性質を示す離型材を
提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的のうち、離型が
容易で、離型材と接触したレジン表面を汚染することが
ない離型材という目的は、歯科用レジンとのなじみが悪
く、石膏や水とのなじみが良く、造膜性に優れた離型材
により達成される。また、組成物の保存時に成分の沈降
がなく、さらに、これを使用する際に塗布し易いレオロ
ジー的な性質を示す離型材という目的は、離型材組成物
にチクソトロピー性を付与する事により達成できる。 【0011】本発明者等はこの問題の解決のため鋭意探
索した結果、ある種の粘土鉱物が非常に造膜性に優れ、
それを分散させたスラリーを乾燥させるとフィルムを形
成する能力があること、さらに非常に強力なチクソトロ
ピー性を示し、離型材として理想的な性質を付与し得る
事を見いだし本発明に至った。 【0012】この造膜性の現象は、雲母のような薄片状
の物質を含むスラリーを乾燥する時に、落葉が地面を敷
き詰めるように、薄片が二次元的に配向し、薄片の重な
り部分が若干の付着力を持つためにフィルムを形成する
ものと思われる。この粘度鉱物のスラリーを乾燥させて
得られるフィルムは粗雑に扱わなければ、ピンセット等
によりフィルムとして扱うことができるが、上述のシリ
カゲルにはこのような性質は全く期待できないものであ
る。 【0013】また、歯科用組成物にチクソトロピー性を
付与する事は公知であり、そのための物質として超微細
球状シリカゲル(アエロジル)が使用されてきた。しか
し、前述のように、アエロジルは離型材として使用する
とこれと接触したレジンを汚染する性質があり、本発明
の目的にはそぐわない。ところが、特殊な粘土鉱物には
アエロジルをはるかに越えるチクソトロピー性を示す物
があることが判った。これらの物質がチクソトロピー性
を発揮する機構として、アエロジルは水素結合による緩
い三次元網目構造をとるのに対し、薄片状の粘土鉱物は
カードハウス構造と称し、微細な薄片が一部づつ接触し
ながらランダム(全く配向のない)な方向に積み重な
り、トランプで家を作ったような非常に嵩高い構造を形
成し、強力かつ迅速なチクソトロピー性を発揮するもの
である。このように強力なチクソトロピー性を示す組成
物は、組成物を入れた容器を激しく揺り動かして流動性
を与えても、数秒後にはチクソトロピー性が回復し、容
器を上下逆さにしても組成物が流下する事もなく、粉末
の沈降を全く起こさない。これは、使用性の面では、こ
れを筆等で塗布する時にはチクソトロピー性が解除され
て流動性を示すため柔らかく塗布できるが、非常に短時
間(最も好ましい様態に於いては3秒以内)の内にチク
ソトロピー性が発現し、タレない(流動性を示さない)
という非常に好都合な性質を示す。このように流動性を
示した物が非常に短時間の内に流動しなくなる事は、従
来のアエロジル等には全く期待できない性質であり、使
用性の上からは非常に貴重な性質である。 【0014】本離型材に用いられる無機粉末は、造膜性
を有し、なおかつ短時間のうちに強力なチクソトロピー
性を付与しえる物である必要がある。このようなもの
は、粘土鉱物の群に見いだされるが、その粘土鉱物はそ
れをスラリーとする溶媒に対して膨潤性を持っている必
要がある。このような粘土鉱物は、パイロフィライト、
タルク、ミネソタアイト、モンモリロナイト、バイデラ
イト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソ
ーコライト、スティーブンサイト、ベントナイト、スメ
クタイト、バーミキュライト、白雲母、パラゴライト、
フロゴパイト、黒雲母、マーガライト、クリントナイ
ト、ザンソフィライト、ドンパサイト、スドウ石、ペン
ニナイト、クリノクロア、ロイヒテインバージャイト、
シャモサイト、チューリンジャイト、リピドライト、カ
オリナイト、ハロイサイト、ディッカイト、ナクライ
ト、クリソタイル、アンチゴライト、アメサイト、クロ
ンステダイト、バーチェリン、グリーナライト等の粘土
鉱物が挙げられる。これらは、天然品であっても合成品
であってもよいが、合成品の方が造膜性やチクソトロピ
ー性を非常に強く発現すること、また、不純物が少な
く、色調的にも優れていることから好ましい。それらの
中でも良好な造膜性と強力かつ迅速なチクソトロピー性
の発現を共に有するという点で、合成スメクタイトと合
成ヘクトライトが特に好ましい。このような粘土鉱物は
種類によって最適配合量が異なるが、組成物中に1重量
%以上10重量%以下、より好ましくは1重量%以上5
重量%以下の割合で配合される。これ以下の配合量では
本発明の特徴とする強力なチクソトロピー性の発現が不
十分であり、これ以上の配合量では組成物の粘度が高す
ぎてチクソトロピー性の解除し易さに問題が有るからで
ある。 【0015】また、実際の臨床上では、石膏模型に石膏
硬化材と称する有機化合物を含浸させて石膏の強度の増
強を図ることが広く行われており、この石膏硬化材を含
浸させた石膏模型上に離型材を塗布しても、離型材がは
じかれて均一に塗布できないことがある。離型材には、
このような石膏模型にも使用することができるような工
夫が必要である。 【0016】この問題を解決するためには、分離材の分
散媒として水となじみの良い低級アルコールを水と混合
して用いることが好ましい。この低級アルコールとして
は、水溶性と揮発性等の観点より、メタノール、エタノ
ール、プロパノール及びブタノールが好ましい。 【0017】上述のごとく、溶媒として水溶性の低級ア
ルコールを混合することにより石膏硬化材を用いた場合
においても、十分実用的な短い乾燥時間で、石膏表面に
離型材の薄膜を形成することが可能である。しかしなが
ら、石膏硬化材の種類によっては、アルコールの混合の
みでは、塗りムラの面で問題の生じる場合がある。この
ような場合には、本離型材中に、界面活性剤を共存させ
ることが有効である。界面活性剤の種類は、特に限定さ
れるものではないが、膨潤性の粘土鉱物の場合界面活性
在中に含まれるイオン種によっては結晶構造中に取り込
まれ、結果として界面活性剤の効果が減殺され、離型材
の塗布性を低下せしめる場合があるので、組み合わせに
注意して使用することが必要である。界面活性剤として
は、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンス
ルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、長鎖アルキル基を
含む4級アンモニウム塩、脂肪族モノ、ジエタノールア
ミド、脂肪酸(ポリ)エチレングリコールエステルまた
はエーテル、モノ脂肪酸グリセリンエステル、脂肪酸ソ
ルビタンエステル、脂肪酸ソルビタンエステルポリオキ
シエチレン、アルキルフェニルポリオキシエチレンエー
テル、N−アルキルベタイン型およびスルホベタイン型
の界面活性剤が挙げられ、中でも、オクチルスルホコハ
ク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノラ
ウレート等が好適である。また、本発明の離型材には所
望により、着色剤、香料等を添加することができる。 【0018】以上のようにして、硬化レジン−石膏間の
離型材を調製することができるが、このものの使用法は
筆を用いて石膏模型上に塗布して用いることもできる
し、あるいは、ノズルのついた容器より離型材を目的と
する箇所に適量滴下してからエアーブローを行うことに
より薄くひろげることもできる。 【0019】さらに驚くべきことには、本発明による離
型材を使用した場合、得られたレジン硬化物を歯科用接
着剤によって接着する際に従来のものよりも高い接着力
を得ることが可能となる。この原因は明確ではないが、
従来の離型材に比較して、本発明の離型材を使用して得
られたレジン硬化物は、表面に残留離型材層等の脆弱な
層あるいは接着を阻害するような汚染が少ない点が寄与
しているのではないかと考えられる。 【0020】 【発明の効果】前述のように、本発明にかかる離型材
は、石膏模型より歯科用レジン硬化物を分離する際の離
型が容易である。さらに、離型材と接触したレジン表面
を汚染することがなく、得られた修復用部品を歯科用接
着剤で患部に接着する際には高い接着力が得られる。ま
た、その強力なチクソトロピー性により、成分として配
合された無機粉末が沈降する事がない。さらに、その使
用に当たっては非常に短時間の内にチクソトロピー性が
回復するため、塗布する時にはやわらかく薄く塗布でき
るにもかかわらず、塗膜が垂れ流れる事がない。そのた
め、離型材の塗布ムラが少ないためレジン硬化物の形状
再現性に優れる、等の効果を有する。 【0021】 【実施例】 実施例1,2及び比較例1 粘土鉱物のチクソトロピー性とアエロジルのチクソトロ
ピー性の短時間発現性を比較するため、水中にそれら粉
末を2%ずつ配合し、超音波にて分散させた組成物を調
整し、それら組成物を直径13mmの試験管に底から5
cmづつ入れた。次にこの試験管を振って組成物が流動
することを確認し、10秒間静置した後、試験管を上下
逆さまにして、組成物が試験管の底から流れるか否かを
試験した。結果を表1に示した。 【表1】 【0022】実施例3〜4および比較例2 表2に記載の組成の離型材を調製した。表中の組成物は
全て、粉末0.3gと分散媒9.7gを混合したもので
あり、水性エタノールは40%エタノール水溶液に界面
活性材(オクチルスルホコハク酸ナトリウム)を2%添
加した物を使用した。これらの離型材を使用した場合
の、石膏模型より歯科用レジン硬化物を分離する際に要
する力を測定し、同時に、レジン表面への離型材の付着
を調べた。(株)ニッシン製教育用インレー窩洞模型T
I−0C,1(A)(II級窩洞)をオリジナル型とし、
これよりシリコン印象材を用いて印象を採得した。次ぎ
に、この印象型に超硬石膏を流し込み、硬化させること
によって得られた石膏製のインレー窩洞模型を作製し、
これを1日以上風乾したもの(以下これを石膏模型と称
する)を作製した。次に、石膏模型の窩洞およびその周
辺に筆を用いて表2に記載の離型材用組成物を塗布し
た。次に、この窩洞にインレー用のコンポジットレジン
(クラレ社製クリアフィルCRインレー)を充填し、充
填されたペーストの中央部に直径1mmの針金を植立し
た後に光を照射して(40秒)、レジンを硬化させた。
離型材の性能の比較は、この針金を引っ張って硬化した
レジンを石膏模型より離型するために要する力を、イン
ストロン万能試験期を用い、クロスヘッドスピード2m
m/minの条件で測定することにより行った。離型材
の付着の有無は、目視にて、レジン表面が白く見えるか
否かで判定した。結果を表2に示した。 【0023】 【表2】 【0024】比較例3〜9 実施例3〜5の測定で得られた離型力が市販の商品と比
較してどの程度のものかを示すため、実施例3〜5と同
じ方法を用い、数種の市販の離型材を使用した場合の離
型力を測定した。試験結果を表3に示した。 【表3】このように本発明の離型材は、比較例の中で、最も低い
力で離型が可能であったクラレ社のCR−セップと同等
のごく小さな力で離型が可能である。 【0025】実施例5,6及び比較例10〜12 離型材の成分の沈降の有無を調べるため、無機粉末3部
に実施例4で使用した水性アルコール97部を混合した
組成物を作製し、室温にて1ケ月放置することにより、
無機粉末の沈降の有無を目視にて調べた。無機成分の種
類と、各々の組成物の試験結果を表4に示す。 【表4】 【0026】実施例7および比較例13、14 本発明の離型材が、それに接触して硬化したレジンに対
する接着力に及ぼす影響を知るために、代表的離型材を
使用して硬化させたレジンと本発明の離型材に接触して
硬化したレジンに対する歯科用接着剤の接着力を測定し
た。結果を表5に示す。接着試験は以下の方法によっ
た。 新しく作製した石膏製の平板に内径10mm、深
さ6mmの円筒型金型をおき、その中にインレー用コン
ポジットレジンクリアフィルCRインレーを充填し、光
を照射することによって重合させ、直径10mm厚さ6
mmのレジン製円板を作製した。このとき、石膏表面に
は実施例2および比較例2と8に示した離型材をそれぞ
れ塗布しておいた。それぞれの離型材につき10個のコ
ンポジットレジン円板を作製した。この円板の離型材に
接した側の面に、直径4mmの穴を明けたテープを貼る
ことにより接着面積を規定した。歯科用接着剤「パナビ
アEX」を使用説明書に従って練和したペーストを上記
サンプルの接着面に塗布し、その上にSUS−304製
の直径5mmの丸棒を垂直に立てて接着した。 接着強
度をインストロン万能試験期を用いて2mm/minの
クロスヘッドスピードにて引っ張ることにより測定した
ところ、10試料の平均値として表5に示したような値
を得た。この結果から、本発明の離型材は、これに接触
したレジンの接着に悪影響を及ぼさない事が明かであ
る。 【表5】
患部の形態を複製した石膏模型上で重合性レジンを重合
させ、歯牙欠損等の修復に使用するために必要な形状の
補修用部品を作製するに当たり、石膏模型上に塗布する
ことにより、石膏模型よりレジン硬化物の離型を容易に
することを目的とする離型材に関する。 【0002】歯科治療において、治療を要する患部の印
象を採り、その印象より石膏を用いて患部の形状を再現
した模型を作製した後、該模型上にて、患者が正常な機
能を回復するために必要な形態を重合可能な歯科用レジ
ンに付与した後、そのレジンを重合せしめて得られる硬
化物を患部に歯科用接着剤を用いて接着することにより
治療を行うことがある。特に、本発明はかかる治療法に
おいて用いられる離型材に関する。 【0003】 【従来の技術】従来、石膏模型とレジンとの離型のため
の離型材としては、パラフィンやステアリン酸誘導体等
のワックス状のもの、あるいは、アルギン酸ナトリウム
塩水溶液等が使用されていたが、そのほかにもポリ(メ
タ)アクリル酸およびその塩の水溶液(特開昭49−9
4587号)、シリコーンゴムを用いるもの(特開昭6
1−134305号)等が提案されていた。 【0004】しかしながら、従来用いられてきたワック
ス状の離型材は、その粘稠度が高すぎて石膏模型状の離
型材層が厚くなりすぎたり、塗りすぎても修正が困難で
あるため塗りムラが生じやすい等の問題点があり、この
離型材を塗布した石膏型を用いて成形したレジン硬化物
の形状再現性に問題があった。また、このような離型材
を塗布した型の上で硬化させたレジン表面には必ず離型
材が付着しているが、このレジンを歯科用接着材で患部
に接着する場合には、この離型材は「汚れ」として作用
するものである。こういう点からはレジン表面にパラフ
ィン等のワックスが付着することは、次の接着工程に障
害を及ぼすために好ましくない。 【0005】また、アルギン酸塩系の離型材に関して
は、分離性能が不十分である点と、離型材の粘度が高す
ぎて塗りムラが発生しやすい点、さらに、離型材の保存
条件が悪いと変質してしまう等の問題点があった。ま
た、ポリアクリル酸系の離型材は、歯科用レジンとのな
じみが良すぎて分離性能が悪く、シリコーン系の離型材
にはレジン硬化物表面に付着した微量のシリコーンが次
の工程である接着の阻害をするという問題点があった。 【0006】石膏は長さ数十ミクロンの硫酸カルシウム
水和塩の針状結晶がランダムに積み重なった構造をして
おり、粗い表面を持つ多孔質の材料である。このような
材料で作製した模型の上に重合性レジンの流動性のある
レジンペーストを盛りつけて重合させると、石膏表面の
微細な隙間にペーストが侵入した後、重合することによ
りインターロッキング作用が生じ、石膏型よりレジンを
取り出す妨げとなる。この石膏表面上の細孔を離型材を
用いて埋めてしまえば石膏型とレジンとの離型が良好に
なるものと考えられるが、ただ単に細孔のみを埋めるだ
けでは効果が不十分である。離型材の効果を十分に発揮
させるためには、石膏表面の平滑性を増すように、薄い
層を生じる程度に、少し過剰に離型材を用いる必要があ
る。 【0007】これらの問題を解決するものとして、本発
明者は水に対して難溶性叉は不溶性の無機物粉末、水溶
性アルコール化合物および水からなる離型材(特願昭6
2−294825号)を提案した。このようなスラリー
を提案した理由は、溶液状の離型剤は溶液が多孔質の石
膏中にしみ込み、表面に残る離型剤の量が少なく、効果
が不確実になるが、スラリーならば液体成分は染み込ん
でも無機物粉末は確実に石膏表面に残るためである。 【0008】前者は球状の超微粒子シリカゲル等を水性
アルコールに分散させたものであり、水性アルコールが
石膏にしみ込んだり、蒸発したりする際に石膏上にシリ
カゲルよりなる層を形成するものであるが、この層が弱
いほど離型に要する力は少なくてすむというのがその骨
子である。すなわち、レジンを石膏型より離型する時に
は離型材層とレジンとは密着しており、若干の接着力が
働いていると考えられる。硬化レジンを離型する時に離
型材層が弱いとそれは容易に引き裂かれるが、離型材の
一部は石膏上に残り、一部はレジン表面に付着する。そ
のため、この離型材は離型性能には優れているが、離型
材と接触したレジン硬化物表面への微細シリカゲルの付
着があり、離型後にそれを洗浄したり、サンドブラスト
により表面を清掃する必要があった。すなわち、これら
の離型材にはこれに接触したレジン表面を汚染するとい
う問題の解決が不充分であった。また、この離型材は超
微粒子シリカゲル等を水性アルコール中に分散させた物
であるが、保存中に無機粉末が沈降し、使用時にユーザ
ーが容器を振って粉末を分散させてやる必要があった。
さらに、この組成物は塗布時の粘度が低く離型材がタレ
て隅に溜まり易いという問題点があり、ユーザーの手間
を省く、あるいは商品性という観点からは十分とは言え
なかった。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
の問題点を解決することにある。すなわち、本発明の目
的は、石膏模型より歯科用レジン硬化物を分離する際の
離型が容易で、離型材と接触したレジン表面を汚染する
ことがなく、組成物の保存時に成分の沈降がないという
基本的な性能を備え、さらに、これを使用する際に非常
に塗布し易い特殊なレオロジー的な性質を示す離型材を
提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的のうち、離型が
容易で、離型材と接触したレジン表面を汚染することが
ない離型材という目的は、歯科用レジンとのなじみが悪
く、石膏や水とのなじみが良く、造膜性に優れた離型材
により達成される。また、組成物の保存時に成分の沈降
がなく、さらに、これを使用する際に塗布し易いレオロ
ジー的な性質を示す離型材という目的は、離型材組成物
にチクソトロピー性を付与する事により達成できる。 【0011】本発明者等はこの問題の解決のため鋭意探
索した結果、ある種の粘土鉱物が非常に造膜性に優れ、
それを分散させたスラリーを乾燥させるとフィルムを形
成する能力があること、さらに非常に強力なチクソトロ
ピー性を示し、離型材として理想的な性質を付与し得る
事を見いだし本発明に至った。 【0012】この造膜性の現象は、雲母のような薄片状
の物質を含むスラリーを乾燥する時に、落葉が地面を敷
き詰めるように、薄片が二次元的に配向し、薄片の重な
り部分が若干の付着力を持つためにフィルムを形成する
ものと思われる。この粘度鉱物のスラリーを乾燥させて
得られるフィルムは粗雑に扱わなければ、ピンセット等
によりフィルムとして扱うことができるが、上述のシリ
カゲルにはこのような性質は全く期待できないものであ
る。 【0013】また、歯科用組成物にチクソトロピー性を
付与する事は公知であり、そのための物質として超微細
球状シリカゲル(アエロジル)が使用されてきた。しか
し、前述のように、アエロジルは離型材として使用する
とこれと接触したレジンを汚染する性質があり、本発明
の目的にはそぐわない。ところが、特殊な粘土鉱物には
アエロジルをはるかに越えるチクソトロピー性を示す物
があることが判った。これらの物質がチクソトロピー性
を発揮する機構として、アエロジルは水素結合による緩
い三次元網目構造をとるのに対し、薄片状の粘土鉱物は
カードハウス構造と称し、微細な薄片が一部づつ接触し
ながらランダム(全く配向のない)な方向に積み重な
り、トランプで家を作ったような非常に嵩高い構造を形
成し、強力かつ迅速なチクソトロピー性を発揮するもの
である。このように強力なチクソトロピー性を示す組成
物は、組成物を入れた容器を激しく揺り動かして流動性
を与えても、数秒後にはチクソトロピー性が回復し、容
器を上下逆さにしても組成物が流下する事もなく、粉末
の沈降を全く起こさない。これは、使用性の面では、こ
れを筆等で塗布する時にはチクソトロピー性が解除され
て流動性を示すため柔らかく塗布できるが、非常に短時
間(最も好ましい様態に於いては3秒以内)の内にチク
ソトロピー性が発現し、タレない(流動性を示さない)
という非常に好都合な性質を示す。このように流動性を
示した物が非常に短時間の内に流動しなくなる事は、従
来のアエロジル等には全く期待できない性質であり、使
用性の上からは非常に貴重な性質である。 【0014】本離型材に用いられる無機粉末は、造膜性
を有し、なおかつ短時間のうちに強力なチクソトロピー
性を付与しえる物である必要がある。このようなもの
は、粘土鉱物の群に見いだされるが、その粘土鉱物はそ
れをスラリーとする溶媒に対して膨潤性を持っている必
要がある。このような粘土鉱物は、パイロフィライト、
タルク、ミネソタアイト、モンモリロナイト、バイデラ
イト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソ
ーコライト、スティーブンサイト、ベントナイト、スメ
クタイト、バーミキュライト、白雲母、パラゴライト、
フロゴパイト、黒雲母、マーガライト、クリントナイ
ト、ザンソフィライト、ドンパサイト、スドウ石、ペン
ニナイト、クリノクロア、ロイヒテインバージャイト、
シャモサイト、チューリンジャイト、リピドライト、カ
オリナイト、ハロイサイト、ディッカイト、ナクライ
ト、クリソタイル、アンチゴライト、アメサイト、クロ
ンステダイト、バーチェリン、グリーナライト等の粘土
鉱物が挙げられる。これらは、天然品であっても合成品
であってもよいが、合成品の方が造膜性やチクソトロピ
ー性を非常に強く発現すること、また、不純物が少な
く、色調的にも優れていることから好ましい。それらの
中でも良好な造膜性と強力かつ迅速なチクソトロピー性
の発現を共に有するという点で、合成スメクタイトと合
成ヘクトライトが特に好ましい。このような粘土鉱物は
種類によって最適配合量が異なるが、組成物中に1重量
%以上10重量%以下、より好ましくは1重量%以上5
重量%以下の割合で配合される。これ以下の配合量では
本発明の特徴とする強力なチクソトロピー性の発現が不
十分であり、これ以上の配合量では組成物の粘度が高す
ぎてチクソトロピー性の解除し易さに問題が有るからで
ある。 【0015】また、実際の臨床上では、石膏模型に石膏
硬化材と称する有機化合物を含浸させて石膏の強度の増
強を図ることが広く行われており、この石膏硬化材を含
浸させた石膏模型上に離型材を塗布しても、離型材がは
じかれて均一に塗布できないことがある。離型材には、
このような石膏模型にも使用することができるような工
夫が必要である。 【0016】この問題を解決するためには、分離材の分
散媒として水となじみの良い低級アルコールを水と混合
して用いることが好ましい。この低級アルコールとして
は、水溶性と揮発性等の観点より、メタノール、エタノ
ール、プロパノール及びブタノールが好ましい。 【0017】上述のごとく、溶媒として水溶性の低級ア
ルコールを混合することにより石膏硬化材を用いた場合
においても、十分実用的な短い乾燥時間で、石膏表面に
離型材の薄膜を形成することが可能である。しかしなが
ら、石膏硬化材の種類によっては、アルコールの混合の
みでは、塗りムラの面で問題の生じる場合がある。この
ような場合には、本離型材中に、界面活性剤を共存させ
ることが有効である。界面活性剤の種類は、特に限定さ
れるものではないが、膨潤性の粘土鉱物の場合界面活性
在中に含まれるイオン種によっては結晶構造中に取り込
まれ、結果として界面活性剤の効果が減殺され、離型材
の塗布性を低下せしめる場合があるので、組み合わせに
注意して使用することが必要である。界面活性剤として
は、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンス
ルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、長鎖アルキル基を
含む4級アンモニウム塩、脂肪族モノ、ジエタノールア
ミド、脂肪酸(ポリ)エチレングリコールエステルまた
はエーテル、モノ脂肪酸グリセリンエステル、脂肪酸ソ
ルビタンエステル、脂肪酸ソルビタンエステルポリオキ
シエチレン、アルキルフェニルポリオキシエチレンエー
テル、N−アルキルベタイン型およびスルホベタイン型
の界面活性剤が挙げられ、中でも、オクチルスルホコハ
ク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノラ
ウレート等が好適である。また、本発明の離型材には所
望により、着色剤、香料等を添加することができる。 【0018】以上のようにして、硬化レジン−石膏間の
離型材を調製することができるが、このものの使用法は
筆を用いて石膏模型上に塗布して用いることもできる
し、あるいは、ノズルのついた容器より離型材を目的と
する箇所に適量滴下してからエアーブローを行うことに
より薄くひろげることもできる。 【0019】さらに驚くべきことには、本発明による離
型材を使用した場合、得られたレジン硬化物を歯科用接
着剤によって接着する際に従来のものよりも高い接着力
を得ることが可能となる。この原因は明確ではないが、
従来の離型材に比較して、本発明の離型材を使用して得
られたレジン硬化物は、表面に残留離型材層等の脆弱な
層あるいは接着を阻害するような汚染が少ない点が寄与
しているのではないかと考えられる。 【0020】 【発明の効果】前述のように、本発明にかかる離型材
は、石膏模型より歯科用レジン硬化物を分離する際の離
型が容易である。さらに、離型材と接触したレジン表面
を汚染することがなく、得られた修復用部品を歯科用接
着剤で患部に接着する際には高い接着力が得られる。ま
た、その強力なチクソトロピー性により、成分として配
合された無機粉末が沈降する事がない。さらに、その使
用に当たっては非常に短時間の内にチクソトロピー性が
回復するため、塗布する時にはやわらかく薄く塗布でき
るにもかかわらず、塗膜が垂れ流れる事がない。そのた
め、離型材の塗布ムラが少ないためレジン硬化物の形状
再現性に優れる、等の効果を有する。 【0021】 【実施例】 実施例1,2及び比較例1 粘土鉱物のチクソトロピー性とアエロジルのチクソトロ
ピー性の短時間発現性を比較するため、水中にそれら粉
末を2%ずつ配合し、超音波にて分散させた組成物を調
整し、それら組成物を直径13mmの試験管に底から5
cmづつ入れた。次にこの試験管を振って組成物が流動
することを確認し、10秒間静置した後、試験管を上下
逆さまにして、組成物が試験管の底から流れるか否かを
試験した。結果を表1に示した。 【表1】 【0022】実施例3〜4および比較例2 表2に記載の組成の離型材を調製した。表中の組成物は
全て、粉末0.3gと分散媒9.7gを混合したもので
あり、水性エタノールは40%エタノール水溶液に界面
活性材(オクチルスルホコハク酸ナトリウム)を2%添
加した物を使用した。これらの離型材を使用した場合
の、石膏模型より歯科用レジン硬化物を分離する際に要
する力を測定し、同時に、レジン表面への離型材の付着
を調べた。(株)ニッシン製教育用インレー窩洞模型T
I−0C,1(A)(II級窩洞)をオリジナル型とし、
これよりシリコン印象材を用いて印象を採得した。次ぎ
に、この印象型に超硬石膏を流し込み、硬化させること
によって得られた石膏製のインレー窩洞模型を作製し、
これを1日以上風乾したもの(以下これを石膏模型と称
する)を作製した。次に、石膏模型の窩洞およびその周
辺に筆を用いて表2に記載の離型材用組成物を塗布し
た。次に、この窩洞にインレー用のコンポジットレジン
(クラレ社製クリアフィルCRインレー)を充填し、充
填されたペーストの中央部に直径1mmの針金を植立し
た後に光を照射して(40秒)、レジンを硬化させた。
離型材の性能の比較は、この針金を引っ張って硬化した
レジンを石膏模型より離型するために要する力を、イン
ストロン万能試験期を用い、クロスヘッドスピード2m
m/minの条件で測定することにより行った。離型材
の付着の有無は、目視にて、レジン表面が白く見えるか
否かで判定した。結果を表2に示した。 【0023】 【表2】 【0024】比較例3〜9 実施例3〜5の測定で得られた離型力が市販の商品と比
較してどの程度のものかを示すため、実施例3〜5と同
じ方法を用い、数種の市販の離型材を使用した場合の離
型力を測定した。試験結果を表3に示した。 【表3】このように本発明の離型材は、比較例の中で、最も低い
力で離型が可能であったクラレ社のCR−セップと同等
のごく小さな力で離型が可能である。 【0025】実施例5,6及び比較例10〜12 離型材の成分の沈降の有無を調べるため、無機粉末3部
に実施例4で使用した水性アルコール97部を混合した
組成物を作製し、室温にて1ケ月放置することにより、
無機粉末の沈降の有無を目視にて調べた。無機成分の種
類と、各々の組成物の試験結果を表4に示す。 【表4】 【0026】実施例7および比較例13、14 本発明の離型材が、それに接触して硬化したレジンに対
する接着力に及ぼす影響を知るために、代表的離型材を
使用して硬化させたレジンと本発明の離型材に接触して
硬化したレジンに対する歯科用接着剤の接着力を測定し
た。結果を表5に示す。接着試験は以下の方法によっ
た。 新しく作製した石膏製の平板に内径10mm、深
さ6mmの円筒型金型をおき、その中にインレー用コン
ポジットレジンクリアフィルCRインレーを充填し、光
を照射することによって重合させ、直径10mm厚さ6
mmのレジン製円板を作製した。このとき、石膏表面に
は実施例2および比較例2と8に示した離型材をそれぞ
れ塗布しておいた。それぞれの離型材につき10個のコ
ンポジットレジン円板を作製した。この円板の離型材に
接した側の面に、直径4mmの穴を明けたテープを貼る
ことにより接着面積を規定した。歯科用接着剤「パナビ
アEX」を使用説明書に従って練和したペーストを上記
サンプルの接着面に塗布し、その上にSUS−304製
の直径5mmの丸棒を垂直に立てて接着した。 接着強
度をインストロン万能試験期を用いて2mm/minの
クロスヘッドスピードにて引っ張ることにより測定した
ところ、10試料の平均値として表5に示したような値
を得た。この結果から、本発明の離型材は、これに接触
したレジンの接着に悪影響を及ぼさない事が明かであ
る。 【表5】
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 水と、水に対して不溶性の造膜性粘土鉱
物から構成される離型材であり、該組成物がチクソトロ
ピー性を有し、それの入った容器を振るとチクソトロピ
ー性が解除されて流動性を示すが、その組成物を静置す
ると10秒以内に再びチクソトロピー性が発現し、流動
性が無くなることを特徴とする離型材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2794693A JP3466220B2 (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 離型材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2794693A JP3466220B2 (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 離型材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06237950A JPH06237950A (ja) | 1994-08-30 |
JP3466220B2 true JP3466220B2 (ja) | 2003-11-10 |
Family
ID=12235065
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2794693A Expired - Fee Related JP3466220B2 (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 離型材 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3466220B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE4446033C2 (de) * | 1994-12-23 | 1996-11-07 | Heraeus Kulzer Gmbh | Polymerisierbares Dentalmaterial |
-
1993
- 1993-02-17 JP JP2794693A patent/JP3466220B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06237950A (ja) | 1994-08-30 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |