JP5517771B2 - シリコーン系軟質材料が裏装された義歯床の適合試験用分離材 - Google Patents
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1)ワセリンやココアバターの粘稠物質
2)シリコーンオイル、界面活性剤、グリセリンなどの低粘度液体
さらには、
3)最大粒子径が500μm以下の粉材
を分離材として塗布しておき、該適合試験材との剥離性を向上させることが試みられている(特許文献1参照)。
a)末端に水酸基を持つポリジメチルシロキサン、
b)シリカ等の充填材
c)テトラエチルシリケート等のアルキルシリケート、d)スズ化合物系触媒、
を含んでなる縮合型シリコーンや、或いは
a’)ジメチルハイドロジェンポリシロキサン、
b’)シリカ等の充填材
c’)ビニルポリジメチルシロキサン、
d’)白金系触媒
を含んでなる付加型シリコーンが通常使用される。
・適合試験用分離材の粘度
動的粘弾性測定装置CSレオメーター(ボーリン社製、商品名:CVO120HR)を用いて、適合試験用分離材の粘度を測定した。直径40mm、1°コーンを使用し、設定温度(プレート温度)23℃、ショアレート100(1/sec)の条件で測定した。
・適合試験用分離材の塗布性
滑沢なアクリル板上で硬化させた歯科用石膏(トクヤマデンタル製、商品名:トクソーストーン1)面上に、30×30×3mmの内空部を有する型枠を設置し、その内空部にシリコーン製硬化性ペースト(付加型シリコーン)からなる軟質裏装材(トクヤマデンタル製、商品名:ソフリライナータフ)を流し込み、その上からアクリル板で圧接し、室温にて20分で硬化させた。硬化後、上記石膏およびアクリル板から型枠を外し、型枠内の硬化体を脱型し、縦3cm横3cm(表面積9cm2)で厚さ3mmのシリコーン系軟質裏装材硬化体を作製した。
・分離材の塗布厚み
上記「適合試験用分離材の塗布性」試験と同様な方法により、滑沢なアクリル板上で硬化させたシリコーン系軟質裏装材の硬化体表面に分離材層を形成した後、レーザー顕微鏡(キーエンス製、商品名:カラー3Dレーザー顕微鏡)にて分離材層の塗布厚みを測定し、「分離材の塗布厚み」として評価した。尚、塗布厚みが500μmを越える場合は、目視で観察して塗布厚みを測定し、「分離材の塗布厚み」として評価した。
ポリメチルメタクリレートとメチルメタクリレートを主成分とする義歯床用レジン((株)ジーシー製、商品名:アクロン)を混和して石膏型枠中に盛り付け、80℃のお湯に3時間浸漬して重合し硬化体を作製した。その硬化体から縦4cm横4cm厚さ3mmの義歯床レジンの板を切り出した。その片面を600番の耐水研磨紙で平らに仕上げた。この義歯床レジンの硬化体における研磨面にシリコーン系軟質裏装材用の接着材(トクヤマデンタル製、商品名:ソフリライナータフプライマー)を塗布・乾燥させ、その処理面にシリコーン系軟質裏装材(トクヤマデンタル製、商品名:ソフリライナータフ)を縦1cm、横1cm、厚さ1mmの型枠を用いて流し込み、上から平滑なアクリル板で押さえながら、室温にて20分で硬化させて裏装試料片を作製した。
上記「適合試験材料の剥離性」試験と同様な方法により製作した裏装試験片の義歯床レジンとシリコーン系軟質裏装材の接合部位に、適合試験用分離材を筆で塗布し、分離材が乾燥する前に接合部位に先端が平坦で薄いへら(トクヤマデンタル社製スパチュラNo.001)の先端を軽く押し当て、以下の基準で「義歯床からのシリコーン裏装材の剥がれ」を評価した。
○:へら先の挿入距離が1mm以下
×:へら先の挿入距離が1mm以上
・適合試験用分離材の除去性
上記「適合試験用分離材の塗布性」試験と同様な方法により、石膏面で硬化させたシリコーン系軟質裏装材の硬化体表面に義歯床適合試験用の分離材層を形成した後、ブラシで軽くこすりながら水洗を行い以下の基準で「適合試験用分離材の除去性」を評価した。
○:除去に時間がかかるが許容範囲である
×:時間をかけても全ては除去できない
ポリブチルメタクリレート(重量平均分子量15万,25℃で固体状)を、1−プロパノールが50質量%、2−ブタノールが50質量%の混合溶媒に対して5質量%添加して溶解させ、義歯床の適合試験用分離材として使用した。この分離材のCSレオメーターで測定した23℃における粘度は100cPであった。
実施例1において、表1に示す常温固体状有機重合体やアルコール系有機溶媒を使用するように変更した以外、該実施例1と同様にして、各適合試験用分離材を製造した。得られた各分離材について、「適合試験用分離材の塗布性」、「分離材の塗布厚み」、「適合試験材の剥離性」、「義歯床からのシリコーン裏装材の剥がれ」および「適合試験用分離材の除去性」を各評価した。結果は表2に示すように、「適合試験用分離材の塗布性」において、滑沢なアクリル板上で硬化させたシリコーン系軟質裏装材の面は分離材の被覆面積がそれぞれ40%、90%、95%、50%とやや悪いものの、その他の試験の評価はいずれも優れたものであった。
実施例1において、アルコール系有機溶媒である1−プロパノール(50質量%)と2−ブタノール(50質量%)との混合溶液に代えて、比較例1では酢酸エチルを、比較例2では塩化メチレンを使用するように変更した以外、該実施例1と同様にして、分離材を製造した。得られた各分離材について、「適合試験用分離材の塗布性」、「分離材の塗布厚み」、「適合試験材の剥離性」、「義歯床からのシリコーン裏装材の剥がれ」および「適合試験用分離材の除去性」を各評価した。結果は表2に示すように、「義歯床からのシリコーン裏装材の剥がれ」において、剥がれが観察され、使用に耐えないものであった。
適合試験用分離材として、体積平均粒子径が20μmであり最大粒子径が500μm以下であるタルク(竹原化学工業製、ハイロトン、呼び寸法44μm)を使用した。
適合試験用分離材として、比較例3で使用したのと同じタルク1gを1−プロパノール4gに分散させたタルク分散液を使用した。このタルク分散液からなる分離材を、前記「適合試験用分離材の塗布性」試験と同様の操作で、シリコーン系軟質裏装材の硬化体表面に塗布して粉末層を形成させたところ、前記比較例3での粉が周囲に散る問題は良好に解消された。
適合試験用分離材として、比較例5ではワセリン(和光純薬製)、比較例6では界面活性剤(日光ケミカルズ社製:商品名デカグリン)、および比較例7ではグリセリン(和光純薬製)を使用した。各分離材について、「適合試験用分離材の塗布性」、「分離材の塗布厚み」、「適合試験材の剥離性」、「義歯床からのシリコーン裏装材の剥がれ」および「適合試験用分離材の除去性」、を各評価し、結果を表3に示した。
実施例1において、ポリブチルメタクリレートの、1−プロパノール(50質量%)2−ブタノール(50質量%)混合溶液に、ヒュームドシリカ(トクヤマ製レオロシールQS102)を1質量%添加し混合し、CSレオメーターで測定した23℃における粘度が120cPの適合試験用分離材を製造した。
この分離材について、「適合試験用分離材の塗布性」、「分離材の塗布厚み」、「適合試験材の剥離性」、「義歯床からのシリコーン裏装材の剥がれ」および「適合試験用分離材の除去性」、を各評価し、結果を表5に示した。結果は、塗布性において、滑沢なアクリル板上で硬化させたシリコーン系軟質裏装材の面においても分離材の被覆面積が100%となり実施例1よりもさらに効果が向上し、その他の試験の評価も優れた評価が変わらず維持できていた。
実施例6において、ヒュームドシリカの添加量を表4に示した量に各変更した以外、該実施例1と同様にして、各適合試験用分離材を製造した。得られた各分離材について、「適合試験用分離材の塗布性」、「分離材の塗布厚み」、「適合試験材の剥離性」、「義歯床からのシリコーン裏装材の剥がれ」および「適合試験用分離材の除去性」、を各評価し、結果を表5に示した。結果は、各分離材ともにいずれの評価も優れたものであった。
Claims (4)
- エチルメタクリレートの単独重合体、ブチルメタクリレートの単独重合体、若しくはエチルメタクリレートとブチルメタクリレートとの共重合体から選択される常温固体状有機重合体のアルコール溶液からなる、シリコーン系軟質材料が裏装された義歯床の適合試験用分離材。
- アルコールが、炭素数2〜5のアルコールである請求項1に記載の義歯床の適合試験用分離材。
- 常温固体状有機重合体の溶解濃度が、0.2〜30質量%である請求項1または2に記載の義歯床の適合試験用分離材。
- アルコール不溶性微粒子が6質量%以下の濃度で分散されてなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の義歯床の適合試験用分離材。
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