JP3465955B2 - 変圧器又はインダクタ用のコア - Google Patents
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- JP3465955B2 JP3465955B2 JP09647694A JP9647694A JP3465955B2 JP 3465955 B2 JP3465955 B2 JP 3465955B2 JP 09647694 A JP09647694 A JP 09647694A JP 9647694 A JP9647694 A JP 9647694A JP 3465955 B2 JP3465955 B2 JP 3465955B2
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- C04B35/00—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products
- C04B35/01—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics
- C04B35/26—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on oxide ceramics based on ferrites
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-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/12—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
- H01F1/34—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites
- H01F1/342—Oxides
- H01F1/344—Ferrites, e.g. having a cubic spinel structure (X2+O)(Y23+O3), e.g. magnetite Fe3O4
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- H01F27/00—Details of transformers or inductances, in general
- H01F27/24—Magnetic cores
- H01F27/255—Magnetic cores made from particles
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼結NiZnフェライト材
料からなる変圧器又はインダクタ用のコアに関するもの
である。また、本発明は、このようなインダクタ及び変
圧器用のコアがそれぞれに設けられているインダクタ及
び変圧器に関するものである。変圧器により、電源電圧
及び/又は電流の強さを他の所望の電圧及び/又は電流
の強さに変えることができる。
料からなる変圧器又はインダクタ用のコアに関するもの
である。また、本発明は、このようなインダクタ及び変
圧器用のコアがそれぞれに設けられているインダクタ及
び変圧器に関するものである。変圧器により、電源電圧
及び/又は電流の強さを他の所望の電圧及び/又は電流
の強さに変えることができる。
【0002】
【従来の技術】冒頭に記載したタイプの変圧器用コア自
体は既知である。例えば、「フィリップス・データ・ハ
ンドブック(Philips Data Handbook) 」MA−01、1
993、第131〜132頁には、NiZnコアが開示され
ており、これは4F1と呼ばれている。このハンドブッ
クに記載されているコアの材料組成は式:Ni0.49 Zn0.4
9 Co0.002 Fe1.90O3.85 に相当する。この変圧器用コア
は、特に、いわゆる「パワー変圧器」に使用するための
ものである。このタイプの変圧器はMHz 範囲の周波数及
び5mT以上の比較的高いインダクション(induction) 値
において作動させるのに適している。
体は既知である。例えば、「フィリップス・データ・ハ
ンドブック(Philips Data Handbook) 」MA−01、1
993、第131〜132頁には、NiZnコアが開示され
ており、これは4F1と呼ばれている。このハンドブッ
クに記載されているコアの材料組成は式:Ni0.49 Zn0.4
9 Co0.002 Fe1.90O3.85 に相当する。この変圧器用コア
は、特に、いわゆる「パワー変圧器」に使用するための
ものである。このタイプの変圧器はMHz 範囲の周波数及
び5mT以上の比較的高いインダクション(induction) 値
において作動させるのに適している。
【0003】既知の変圧器又はインダクタ用のコアの欠
点は、これを「パワー変圧器」において使用した場合
に、単位容積当りの全損失(P) が比較的大きいことであ
る。この損失によって変圧器は温度上昇を起こす。特
に、変圧器を2MHz 以上の周波数で使用する場合には、
変圧器は比較的高い温度まで昇温する。例えば、第13
2頁の図7に示されているように、これらのコアについ
て、インダクション値10mT及び周波数3MHz におい
て、190mW/cm3 という単位容積当りの全損失が測定
されている。
点は、これを「パワー変圧器」において使用した場合
に、単位容積当りの全損失(P) が比較的大きいことであ
る。この損失によって変圧器は温度上昇を起こす。特
に、変圧器を2MHz 以上の周波数で使用する場合には、
変圧器は比較的高い温度まで昇温する。例えば、第13
2頁の図7に示されているように、これらのコアについ
て、インダクション値10mT及び周波数3MHz におい
て、190mW/cm3 という単位容積当りの全損失が測定
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
パワー変圧器に使用した場合に、比較的小さい全損失を
示す変圧器又はインダクタ用のコアを提供することにあ
る。本発明の他の目的は、このようなインダクタ及び変
圧器用のコアがそれぞれに設けられているインダクタ及
びパワー変圧器を提供することにある。
パワー変圧器に使用した場合に、比較的小さい全損失を
示す変圧器又はインダクタ用のコアを提供することにあ
る。本発明の他の目的は、このようなインダクタ及び変
圧器用のコアがそれぞれに設けられているインダクタ及
びパワー変圧器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明においては、冒頭
に記載したタイプの変圧器又はインダクタ用のコアにお
いて、焼結NiZnフェライト材料の粒子の大部分が単磁区
構造を有することを特徴とすることにより、これら及び
他の目的を達成する。
に記載したタイプの変圧器又はインダクタ用のコアにお
いて、焼結NiZnフェライト材料の粒子の大部分が単磁区
構造を有することを特徴とすることにより、これら及び
他の目的を達成する。
【0006】本発明者らは、主として単磁区構造を有す
る粒子である焼結フェライト材料からなるコアが驚く程
小さい全損失を示すことを見い出した。実施例において
詳細に記載されているように、本発明により全損失を5
0%以上小さくすることができる。このような損失の著
しい減少に関する正確な説明は未だなされていない。
る粒子である焼結フェライト材料からなるコアが驚く程
小さい全損失を示すことを見い出した。実施例において
詳細に記載されているように、本発明により全損失を5
0%以上小さくすることができる。このような損失の著
しい減少に関する正確な説明は未だなされていない。
【0007】しかし、本発明者らは、このような小さい
損失が透磁率(μ)とは無関係であり、かつ粒度が小さ
い場合には正確な粒度とも無関係であることを、実験的
に明らかにした。本発明者らは、本発明の効果を達成す
るのに不可欠な必要条件は、焼結フェライト材料の粒子
の大部分が単磁区構造を有していることである、ことを
見い出した。ここに「粒子の大部分」とは、フェライト
材料の粒子の90%以上が単磁区構造を有することを意
味するものとする。
損失が透磁率(μ)とは無関係であり、かつ粒度が小さ
い場合には正確な粒度とも無関係であることを、実験的
に明らかにした。本発明者らは、本発明の効果を達成す
るのに不可欠な必要条件は、焼結フェライト材料の粒子
の大部分が単磁区構造を有していることである、ことを
見い出した。ここに「粒子の大部分」とは、フェライト
材料の粒子の90%以上が単磁区構造を有することを意
味するものとする。
【0008】本発明の好適例は、前記焼結フェライト材
料の平均粒度が2.8 ミクロン以下であることを特徴とす
る。本発明者らは、一連の実験において、平均粒度が約
2.8ミクロンである場合に単磁区粒子の量が約90%で
あることを、明らかにした。平均粒度が小さくなると、
単磁区粒子の量はそれに比例して増大する。
料の平均粒度が2.8 ミクロン以下であることを特徴とす
る。本発明者らは、一連の実験において、平均粒度が約
2.8ミクロンである場合に単磁区粒子の量が約90%で
あることを、明らかにした。平均粒度が小さくなると、
単磁区粒子の量はそれに比例して増大する。
【0009】約100%という単磁区粒子のレベルは、
平均粒度が約2.6 ミクロンより小さい場合に、達成され
る。しかし、損失の機構は未だ明らかにされていない
が、単磁区粒子の平均粒度を1.1 ミクロン未満に選定し
た場合には、全損失が増加する。1.3 〜2.6 ミクロンと
いう好適な平均粒度範囲では、全損失はほぼ一定であ
り、粒度とは実質的に無関係である。焼結NiZnコアの粒
度はいわゆる「リニア平均インターセプト(linear mean
-intercept) 」法によって求められる。
平均粒度が約2.6 ミクロンより小さい場合に、達成され
る。しかし、損失の機構は未だ明らかにされていない
が、単磁区粒子の平均粒度を1.1 ミクロン未満に選定し
た場合には、全損失が増加する。1.3 〜2.6 ミクロンと
いう好適な平均粒度範囲では、全損失はほぼ一定であ
り、粒度とは実質的に無関係である。焼結NiZnコアの粒
度はいわゆる「リニア平均インターセプト(linear mean
-intercept) 」法によって求められる。
【0010】既知の4F1材料の粒子の大部分は単磁区
構造を有していない。そして、平均粒度は約3.1 ミクロ
ンである。
構造を有していない。そして、平均粒度は約3.1 ミクロ
ンである。
【0011】本発明の焼結コアの他の好適例は、前記コ
アのフェライト材料がFe2O3 42.8〜55.9モル%、NiO 1
7.6〜45.7モル%及びZnO 8.4 〜34.3モル%を含有する
ことを特徴とする。この範囲内の組成を有するコアは比
較的大きい自発インダクション(Bs ) を示す。このこ
とは前記コアに好ましい作用を及ぼす。その理由は、比
較的小さい飽和磁化を有するコアと比較して、損失が比
較的小さいからである。
アのフェライト材料がFe2O3 42.8〜55.9モル%、NiO 1
7.6〜45.7モル%及びZnO 8.4 〜34.3モル%を含有する
ことを特徴とする。この範囲内の組成を有するコアは比
較的大きい自発インダクション(Bs ) を示す。このこ
とは前記コアに好ましい作用を及ぼす。その理由は、比
較的小さい飽和磁化を有するコアと比較して、損失が比
較的小さいからである。
【0012】フェライト材料は比較的少量のCoを含有す
るのが好ましい。Co添加剤の存在は、特にパワー変圧器
が作動する温度範囲において、比較的平坦なμ−T曲線
をもたらす。しかし、1.5 原子%より多量のCo量は不利
である。このようなCo量によって前記曲線の平坦性が一
層高度になるということはない。しかも、Coは高価かつ
有毒である。
るのが好ましい。Co添加剤の存在は、特にパワー変圧器
が作動する温度範囲において、比較的平坦なμ−T曲線
をもたらす。しかし、1.5 原子%より多量のCo量は不利
である。このようなCo量によって前記曲線の平坦性が一
層高度になるということはない。しかも、Coは高価かつ
有毒である。
【0013】本発明に係るフェライト材料はさらに少量
のドーパメント、特に焼結剤中に存在するようなもの、
例えば、V2O5及びBi2O3 を含有することがある。さら
に、MnO、SiO2及びCaO が存在することもある。しか
し、前記ドーパントのそれぞれの最大量は2重量%未満
である。
のドーパメント、特に焼結剤中に存在するようなもの、
例えば、V2O5及びBi2O3 を含有することがある。さら
に、MnO、SiO2及びCaO が存在することもある。しか
し、前記ドーパントのそれぞれの最大量は2重量%未満
である。
【0014】本発明のコアの他の好適例は、コアのフェ
ライト材料がFe2O3 42.8〜50.0モル%、NiO 20.0〜45.7
モル%及びZnO 10.0〜34.3モル%を含有することを特徴
とする。先に述べた組成範囲とは異なり、この好適例に
記載したNiZnフェライトはすべてFeが不足している。Fe
不足は好ましく、それはこれによってフェライト材料中
におけるFe2+イオンの存在が妨げられるからである。Fe
2+イオンの存在はうず電流損失を増大させる。
ライト材料がFe2O3 42.8〜50.0モル%、NiO 20.0〜45.7
モル%及びZnO 10.0〜34.3モル%を含有することを特徴
とする。先に述べた組成範囲とは異なり、この好適例に
記載したNiZnフェライトはすべてFeが不足している。Fe
不足は好ましく、それはこれによってフェライト材料中
におけるFe2+イオンの存在が妨げられるからである。Fe
2+イオンの存在はうず電流損失を増大させる。
【0015】本発明のコアのさらに興味ある例は、平均
粒度dとキュリー温度における初期透磁率μiとの比が
d/μi<4nmであることを特徴とする。この比はδ
(デルタ)で示されている。
粒度dとキュリー温度における初期透磁率μiとの比が
d/μi<4nmであることを特徴とする。この比はδ
(デルタ)で示されている。
【0016】上述の最後の例は、δ値を比較的大きく選
定した場合には、比較的高いインダクション値(B>1
5mT) において、単磁区粒子を含有する焼結フェライト
材料におけるヒステリシス損が実質的に全損失に寄与す
るという観察に基づく。この寄与は前記δ値を4nmより
小さくすることにより著しく小さくすることができる。
この場合には、印加された電界の小部分は焼結コアの作
動中粒子境界の全域に存在する。
定した場合には、比較的高いインダクション値(B>1
5mT) において、単磁区粒子を含有する焼結フェライト
材料におけるヒステリシス損が実質的に全損失に寄与す
るという観察に基づく。この寄与は前記δ値を4nmより
小さくすることにより著しく小さくすることができる。
この場合には、印加された電界の小部分は焼結コアの作
動中粒子境界の全域に存在する。
【0017】その結果、印加された電界の大部分を、所
望の波形に従ってフェライト材料の磁化を変化させるの
に利用することができる。本発明者らは、δ値が多かれ
少なかれフェライト材料の化学量論からのずれによって
左右されることを見い出した。化学量論からのずれが大
きい場合には、比較的多量の二価金属酸化物(例えば、
NiO 及び/又はZnO )が粒子境界に堆積する。これによ
りδ値が増大する。実質的に化学量論的である焼結フェ
ライト材料においては、δ値は4nmより小さい。
望の波形に従ってフェライト材料の磁化を変化させるの
に利用することができる。本発明者らは、δ値が多かれ
少なかれフェライト材料の化学量論からのずれによって
左右されることを見い出した。化学量論からのずれが大
きい場合には、比較的多量の二価金属酸化物(例えば、
NiO 及び/又はZnO )が粒子境界に堆積する。これによ
りδ値が増大する。実質的に化学量論的である焼結フェ
ライト材料においては、δ値は4nmより小さい。
【0018】また、本発明はインダクタに関するもので
ある。本発明のインダクタの必須の構成部品は、巻線を
有する単一のインダクタ用焼結コアである。本発明にお
いては、上述のインダクタ用コアをインダクタにおいて
使用する。
ある。本発明のインダクタの必須の構成部品は、巻線を
有する単一のインダクタ用焼結コアである。本発明にお
いては、上述のインダクタ用コアをインダクタにおいて
使用する。
【0019】また、本発明は、一次巻線、二次巻線及び
一次巻線における直流電圧を方形波電圧に変換する高周
波スイッチを有する変圧器用コアを具える変圧器に関す
るものである。この変圧器は本発明の変圧器用コアを具
え、いわゆる「切換えモード電源」に使用される。この
タイプの変圧器は一般に高い周波数及び高いインダクシ
ョンにおいて作動する。従って、本発明の変圧器用コア
は前記変圧器に極めて有利に使用することができる。
一次巻線における直流電圧を方形波電圧に変換する高周
波スイッチを有する変圧器用コアを具える変圧器に関す
るものである。この変圧器は本発明の変圧器用コアを具
え、いわゆる「切換えモード電源」に使用される。この
タイプの変圧器は一般に高い周波数及び高いインダクシ
ョンにおいて作動する。従って、本発明の変圧器用コア
は前記変圧器に極めて有利に使用することができる。
【0020】
【実施例】次に、本発明を図面を参照して実施例につい
て説明する。
て説明する。
【0021】図1は変圧器用環状コア1を示し、このコ
アは外径2が5mmであり、内径3が3mmである。幅4及
び高さ5はそれぞれ1mmである。或いはまた、このコア
を別の形状、例えば卵形にすることができる。或いはま
た、この環の断面を図示した正方形断面の代りに長方形
又は丸味のある形にすることができる。
アは外径2が5mmであり、内径3が3mmである。幅4及
び高さ5はそれぞれ1mmである。或いはまた、このコア
を別の形状、例えば卵形にすることができる。或いはま
た、この環の断面を図示した正方形断面の代りに長方形
又は丸味のある形にすることができる。
【0022】或いはまた、本発明の変圧器用焼結コアは
棒形(インダクタ)、E字形又はU字形にすることがで
きる。また、本発明の変圧器用焼結コアは、例えば高周
波インダクションバルブ用の、管状コアとすることがで
きる。変圧器用コアは焼結NiZnフェライトからなる。焼
結フェライト材料の組成は式:Ni0.49Zn0.49Co0.02Fe1.
90O3.85 で表わされる。この材料は単磁区構造を有する
平均粒度0.22ミクロンの焼結粒子からなる。
棒形(インダクタ)、E字形又はU字形にすることがで
きる。また、本発明の変圧器用焼結コアは、例えば高周
波インダクションバルブ用の、管状コアとすることがで
きる。変圧器用コアは焼結NiZnフェライトからなる。焼
結フェライト材料の組成は式:Ni0.49Zn0.49Co0.02Fe1.
90O3.85 で表わされる。この材料は単磁区構造を有する
平均粒度0.22ミクロンの焼結粒子からなる。
【0023】本発明の変圧器用コアを製造するには、Ni
Znフェライト粉末を使用した。この粉末は標準セラミッ
ク技術によって製造した。製造に当っては、金属の酸化
物及び/又は炭酸塩を所要の組成に相当する割合で混合
し、予備焼結し、湿式粉砕した。
Znフェライト粉末を使用した。この粉末は標準セラミッ
ク技術によって製造した。製造に当っては、金属の酸化
物及び/又は炭酸塩を所要の組成に相当する割合で混合
し、予備焼結し、湿式粉砕した。
【0024】このようにして得た混合物を乾燥し、造粒
するか、或いは噴霧乾燥し、次いで所望の形状に密に充
填し、空気中で焼結した。このようにして、平均粒度の
異なる多数の上述の変圧器用コアを、焼結温度(1000〜
1300℃)及び焼結時間を変えて製造した。均衡ホットプ
レスにより平均粒度0.3 ミクロンのコア材料を製造し
た。
するか、或いは噴霧乾燥し、次いで所望の形状に密に充
填し、空気中で焼結した。このようにして、平均粒度の
異なる多数の上述の変圧器用コアを、焼結温度(1000〜
1300℃)及び焼結時間を変えて製造した。均衡ホットプ
レスにより平均粒度0.3 ミクロンのコア材料を製造し
た。
【0025】図2は、上述の組成を有する変圧器用コア
の単位容積当りの全損失Pを、平均粒度d(「リニア平
均インターセプト」値)の関数として示すグラフであ
る。測定は周波数3MHz 及びインダクション値10mTの
条件下に20℃及び100℃において行った。図2は、
1.1 〜2.8 ミクロンの粒度範囲において全損失が100
mW/cm3 より小さいことを明瞭に示している。
の単位容積当りの全損失Pを、平均粒度d(「リニア平
均インターセプト」値)の関数として示すグラフであ
る。測定は周波数3MHz 及びインダクション値10mTの
条件下に20℃及び100℃において行った。図2は、
1.1 〜2.8 ミクロンの粒度範囲において全損失が100
mW/cm3 より小さいことを明瞭に示している。
【0026】しかし、最小全損失は1.3 〜2.6 ミクロン
の平均粒度において観察される。これらの最小全損失は
約80mW/cm3 にすぎない。これらのコアについて中性
子減極によって、変圧器コアにおける2.6 ミクロン未満
の平均粒度を有する粒子の実質的に100%が単磁区構
造を有することが明確になった。
の平均粒度において観察される。これらの最小全損失は
約80mW/cm3 にすぎない。これらのコアについて中性
子減極によって、変圧器コアにおける2.6 ミクロン未満
の平均粒度を有する粒子の実質的に100%が単磁区構
造を有することが明確になった。
【0027】
【表1】
【0028】表1に、いくつかの本発明の変圧器用コア
(実施例1〜5)の単位容積当りの全損失P(mW/c
m3 )をいくつかの本発明とは異なる変圧器用コア(比
較例a〜d)と比較して示す。平均粒度3.1 ミクロンの
材料(比較例d)は4F1と呼ばれる既知材料である。
(実施例1〜5)の単位容積当りの全損失P(mW/c
m3 )をいくつかの本発明とは異なる変圧器用コア(比
較例a〜d)と比較して示す。平均粒度3.1 ミクロンの
材料(比較例d)は4F1と呼ばれる既知材料である。
【0029】コアの単位容積当りの全損失を、3種の異
なる条件(P1(3MHz 及び10mT)、P2(5MHz 及
び7.5 mT) 及びP3(10MHz 及び5mT) 下に測定し
た。表1は、本発明のコアの性質が既知のコアの性質よ
り優れていることを明示している。
なる条件(P1(3MHz 及び10mT)、P2(5MHz 及
び7.5 mT) 及びP3(10MHz 及び5mT) 下に測定し
た。表1は、本発明のコアの性質が既知のコアの性質よ
り優れていることを明示している。
【0030】表1に示す変圧器用コアの平均δ値は約1
0nmであった。単磁区粒子を含有するコアの全損失のさ
らなる実質的な減少は約1〜2nmのδ値を有するコアを
使用することにより達成することができた。
0nmであった。単磁区粒子を含有するコアの全損失のさ
らなる実質的な減少は約1〜2nmのδ値を有するコアを
使用することにより達成することができた。
【0031】図3は、本発明の変圧器用コアを極めて有
利に使用することができる「切換えモード電源」型変圧
器を示す。先ず、入力幹線電圧(50Hz)を整流器(1
1)により整流し、次いでコンデンサ(12)により平
滑化する。このようにして生じた直流電圧をスイッチ
(13)(スイッチング・トランジスタ)により極めて
高い周波数(2〜20MHz )において方形波Bに変え
た。この方形波を変圧器コア(15)の一次巻線(1
4)に供給する。
利に使用することができる「切換えモード電源」型変圧
器を示す。先ず、入力幹線電圧(50Hz)を整流器(1
1)により整流し、次いでコンデンサ(12)により平
滑化する。このようにして生じた直流電圧をスイッチ
(13)(スイッチング・トランジスタ)により極めて
高い周波数(2〜20MHz )において方形波Bに変え
た。この方形波を変圧器コア(15)の一次巻線(1
4)に供給する。
【0032】変圧器用コアの二次巻線(16)に生じる
変換された方形波信号を、次いで、整流器(17)によ
り整流し、コンデンサ(18)により平滑化する。この
ようにして、所望の値の直流電圧を得る。また、本発明
のコアを他のタイプの変圧器において使用することがで
きるのは勿論である。しかし、本発明の効果は、特に、
高周波(2MHz より高い)かつ高インダクション値(5
mTより高い)において作動する変圧器に本発明のコアを
使用した場合に達成される。
変換された方形波信号を、次いで、整流器(17)によ
り整流し、コンデンサ(18)により平滑化する。この
ようにして、所望の値の直流電圧を得る。また、本発明
のコアを他のタイプの変圧器において使用することがで
きるのは勿論である。しかし、本発明の効果は、特に、
高周波(2MHz より高い)かつ高インダクション値(5
mTより高い)において作動する変圧器に本発明のコアを
使用した場合に達成される。
【図1】本発明の変圧器用コアの一例の斜視図である。
【図2】本発明の変圧器用コア及び従来の変圧器用コア
における単位容積当りの全損失P(mW/cm3 )を平均粒
度d(ミクロン)の関数として示すグラフである。
における単位容積当りの全損失P(mW/cm3 )を平均粒
度d(ミクロン)の関数として示すグラフである。
【図3】本発明の変圧器用コアを使用した切換えモード
電源(SMPS)の説明図である。
電源(SMPS)の説明図である。
1 変圧器用環状コア
2 外径
3 内径
4 幅
5 高さ
11 整流器
12 コンデンサ
13 スイッチ
14 一次巻線
15 変圧器コア
16 二次巻線
17 整流器
18 コンデンサ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ピーター ヤン ファン デル ザーフ
オランダ国 5621 ベー アー アイン
ドーフェン フルーネヴァウツウェッハ
1
(72)発明者 アルイャン ノールデルメール
オランダ国 5621 ベー アー アイン
ドーフェン フルーネヴァウツウェッハ
1
(72)発明者 ピーター ヨハン ファン デル ファ
ルク
オランダ国 5663 エルエス ヘルドロ
プ アラホルン 26
(56)参考文献 特開 平6−120021(JP,A)
特開 平4−25102(JP,A)
特開 昭55−9431(JP,A)
特開 平2−241006(JP,A)
特開 平1−91402(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01F 1/12 - 1/375
H01F 15/00 - 21/02
H01F 27/24 - 27/26
H01F 41/00 - 41/04
H01F 41/08 - 41/10
Claims (10)
- 【請求項1】 焼結NiZnフェライト材料からなる変圧器
用コアにおいて、 前記フェライト材料の粒子の大部分が単磁区構造を有
し、かつ前記フェライト材料の平均粒度が1.1〜2.8ミク
ロンの範囲であることを特徴とする変圧器用コア。 - 【請求項2】 焼結NiZnフェライト材料からなるインダ
クタ用コアにおいて、 前記フェライト材料の粒子の大部分が単磁区構造を有す
ることを特徴とする変圧器用コア。 - 【請求項3】 前記フェライト材料の平均粒度が2.8ミ
クロン以下であることを特徴とする請求項2記載のコ
ア。 - 【請求項4】 前記フェライト材料の平均粒度が1.3〜
2.6ミクロンの範囲であることを特徴とする請求項1ま
たは3記載のコア。 - 【請求項5】 前記コアのフェライト材料がFe2O3 4
2.8〜55.9モル%、NiO 17.6〜45.7モル%及びZnO 8.4〜
34.3モル%を含有することを特徴とする請求項4記載の
コア。 - 【請求項6】 前記コアのフェライト材料がFe2O3 4
2.8〜50.0モル%、NiO 20.0〜45.7モル%及びZnO 10.0
〜34.3モル%を含有することを特徴とする請求項4記載
のコア。 - 【請求項7】 平均粒度dとキュリー温度における初期
透磁率μiとの比がd/μi <4nmであることを特徴と
する請求項1または2記載のコア。 - 【請求項8】 巻線を有するインダクタ用コアを具える
インダクタにおいて、 前記インダクタ用コアが請求項2〜7のいずれか一つの
項に記載のインダクタ用コアであることを特徴とするイ
ンダクタ。 - 【請求項9】 一次巻線及び二次巻線を有する変圧器用
コアを具える変圧器において、 前記変圧器用コアが請求項1および4〜7のいずれか一
つの項に記載の変圧器用コアであることを特徴とする変
圧器。 - 【請求項10】 請求項9記載の変圧器は、一次巻線に
おける直流電圧を方形波電圧に変換する高周波スイッチ
をさらに有することを特徴とする変圧器。
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BE09300483 | 1993-05-11 | ||
EP94200153 | 1994-01-21 | ||
NL94200153:8 | 1994-01-21 | ||
NL09300483 | 1994-01-24 |
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