JP3464767B2 - ウェーブレット復号装置及び方法 - Google Patents
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Description
もしくは蓄積を行うシステムに供することのできる画像
のウェーブレット復号装置及び方法に関するものであ
り、特に、圧縮・伸長の部分にタイルベース型のウェー
ブレット変換を用いるウェーブレット符号化に対応する
ウェーブレット復号装置及び方法に関する。
ISO(国際標準化機構:International Organization
for Standardization)によって標準化されたJPEG
(Joint Photographic Coding Experts Group) 方式が
ある。このJPEG方式とは、DCT(離散コサイン変
換:Discrete Cosine Transform) を用いて主に静止画
を圧縮符号化する方式であり、比較的高いビットが割り
当てられる場合には、良好な符号化・復号画像を供する
ことが知られている。ただしこの方式においては、ある
程度符号化ビット数を少なくすると、DCT特有のブロ
ック歪みが顕著になり、主観的に劣化が目立つようにな
る。
ィルタバンクと呼ばれるハイパス・フィルタとローパス
・フィルタを組み合わせたフィルタによって複数の帯域
に分割し、それらの帯域毎に符号化を行う方式の研究が
盛んになっている。その中でも、ウェーブレット符号化
は、DCTで問題とされた高圧縮でブロック歪みが顕著
になる、という欠点が無いことから、DCTに代わる新
たな技術として有力視されている。
の製品では、圧縮符号化にJPEG方式やMPEG(Mo
ving Picture image coding Exparts Group) 方式、あ
るいはいわゆるDV(Digital Video) 方式を採用する
ものが多く、これらの圧縮符号化方式はいずれも変換方
式にDCTを用いている。今後ウェーブレット変換をベ
ースにした上記製品が市場に出現するものと推測される
が、符号化方式の効率向上のための検討は、各研究機関
で盛んに行われている。事実、JPEGの後継とも言え
る次世代の静止画国際標準方式として期待されているJP
EG2000(JPEGと同じ組織であるISO/IEC/JTC1 SC29/
WG1 によって作業中)においては、画像圧縮の基本であ
る変換方式として、既存のJPEGのDCTに代わり、
ウェーブレット変換を採用することが有力視されてい
る。
うなウェーブレット符号化においては、通常画像全体に
ウェーブレット変換を掛け、発生したウェーブレット変
換係数を一時的にメモリ内に記憶・保持する必要があ
る。従って、画像サイズが大きいと非常に多くのメモリ
容量を必要とし、電子スチルカメラ、ビデオカメラレコ
ーダ、いわゆるPDA(Personal Digital Assistant)
等の、メモリ搭載容量が限定された装置には不適であ
る。
いては、タイルベース型のウェーブレット符号化が検討
されている。このタイルベース型のウェーブレット符号
化とは、入力画像を複数個のタイルに分割し、各タイル
画像毎にウェーブレット変換を施すものである。
レット符号化において、隣接タイル同士の境界部分をオ
ーバーラップさせてウェーブレット符号化を施すことが
行われているが、このようにオーバーラップさせた場合
には、ウェーブレット分割数に制約が生じたり、復号の
際に隣接したタイル部分も合わせて復号する必要があっ
たり、整数型のウェーブレット・フィルタを用いた場合
に圧縮率を高めるとオーバーラップ領域での誤差が増大
する等の問題点がある。
ものであって、ウェーブレット変換で高能率圧縮を行う
際に問題とされてきたメモリ容量の大きさを削減するこ
とができると共に、タイルベース型のウェーブレット符
号化を行う際に、画像をオーバーラップ無しのタイルで
分割して、上記オーバーラップにより生じる問題点を回
避し得るようなウェーブレット復号装置及び方法を提供
することを目的とする。
めに、本発明に係るウェーブレット復号装置及び方法
は、入力される符号化ビットストリームをウェーブレッ
ト変換係数に変換し、ウェーブレット変換係数をウェー
ブレット逆変換してタイル画像を生成し、得られた各タ
イル画像を合成して最終的な出力画像を供するように
し、上記ウェーブレット逆変換においては、タイル外部
でフィルタリングの及ぶ範囲内ではタイル内部のウェー
ブレット変換係数を対称拡張して畳み込み演算を行う対
称畳み込み演算、またはタイル外部のフィルタリングの
及ぶ範囲内ではウェーブレット変換係数は全てゼロとし
て畳み込み演算を行う線形畳み込み演算のいずれかを行
い、ロスレス復号時には上記対称畳み込み演算、ロッシ
ー復号時には上記対象畳み込み演算若しくは上記線形畳
み込み演算を選択して利用することを特徴としている。
数個のタイル画像に分割し、ウェーブレット変換手段
は、各タイル画像毎に水平・垂直方向のウェーブレット
フィルタによるフィルタリングの処理を施して、ウェー
ブレット変換係数を出力し、量子化手段は、得られたウ
ェーブレット変換係数を量子化して量子化係数を出力
し、エントロピー符号化手段は、量子化係数を例えば可
変長符号化手段や算術符号化手段を用いて、情報源圧縮
して符号化ビットストリームを出力する。また、上記ウ
ェーブレット変換手段は、ウェーブレット・フィルタが
タイル外部にはみ出る画素領域に対しては、タイル内部
の画素を対称拡張して補充し、フィルタによる畳み込み
演算を施す。
は、エントロピー復号手段は符号化ビットストリームを
入力して、例えば可変長復号手段や算術復号手段を用い
て情報源伸長を行い、量子化係数に戻し、逆量子化手段
は量子化と逆の操作を行い、量子化係数を変換係数に戻
し、ウェーブレット逆変換手段は、ウェーブレット変換
係数に対して、水平・垂直方向にフィルタリングを行
い、タイル画像に変換する。また、ウェーブレット逆変
換手段は、タイル外でフィルタがはみ出る領域までウェ
ーブレット変換係数を対称拡張して補充し、畳み込み演
算するか、あるいは、ウェーブレット逆変換手段は、上
記フィルタがはみ出る領域の変換係数として0値を挿入
し、畳み込み演算する。
ブレット符号化装置及び方法並びに復号装置及び方法の
実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
イルベース型ウェーブレット符号化装置を図1に示す。
この図1に示する画像のタイルベース型ウェーブレット
符号化装置は、入力画像100を複数個のタイルに分割
するタイル分割部1と、各タイル画像毎にウェーブレッ
ト変換を施すウェーブレット変換部2と、ウェーブレッ
ト変換係数をスキャニングする変換係数スキャニング部
3と、スキャニング後の係数を量子化する量子化部4
と、量子化係数をエントロピー符号化して符号化ビット
ストリームを出力するエントロピー符号化部5とを有し
て構成されている。ウェーブレット変換部2は、後述す
るように、タイル外部でフィルタリングの及ぶ範囲内で
はタイル内部の画素を対称拡張して畳み込み演算する手
段を有している。
ット符号化装置において、入力画像100は、まずタイ
ル分割部1に入力され、このタイル分割部1で複数個の
タイル画像101に分割される。タイル画像101は、
ウェーブレット変換部2でウェーブレット変換が施さ
れ、その結果生成されたウェーブレット変換係数102
が、変換係数スキャニング部3に入力される。変換係数
スキャニング部3では、ウェーブレット変換係数の走査
(スキャニング)が行われる。例えば、ここでは左から
右(水平方向)、上から下(垂直方向)にウェーブレッ
ト変換係数をスキャニングするものとする。
化部4において量子化されて量子化係数104が出力さ
れる。ここで量子化手段としては、例えば下記の式1に
示すように、通常用いるスカラ量子化を用いればよい。
は量子化インデックス値である。
化部4からの量子化係数104は、エントロピー符号化
部5において、エントロピー符号化されて、符号化ビッ
トストリーム105が出力される。なお、エントロピー
符号化部5で用いられる手段としては、可変長符号化手
段の他、算術符号化手段があるが、これらのエントロピ
ー符号化手段については、各研究機関より研究成果が報
告されており、それらを用いれば良い。
レット符号化装置の基本構成及び動作である。なお、画
像が十分小さい場合や多くのメモリを搭載している場合
には、画像をタイル分割せずに、通常の処理により入力
画像100を直接ウェーブレット変換部2にて変換処理
を施せば良い。
おけるウェーブレット変換部2は、タイル外部でフィル
タリングの及ぶ範囲内ではタイル内部の画素を対称拡張
して畳み込み演算を行うものを用いているが、その詳細
な説明に先立って、通常のウェーブレット変換部の構成
及び動作について説明する。
して、図2が挙げられる。これは、幾つかある手法の中
で最も一般的なウェーブレット変換であるオクターブ分
割を複数レベルに亘って行う構成例を示している。な
お、この図2の場合は、レベル数が3(レベル1〜レベ
ル3)であり、画像信号を低域と高域に分割し、且つ低
域成分のみを階層的に分割する構成を取っている。また
図2では、便宜上1次元の信号(例えば画像の水平成
分)についてのウェーブレット変換を例示しているが、
これを2次元に拡張することで2次元画像信号に対応す
ることができる。
ェーブレット変換部への入力画像信号110は、まずロ
ーパスフィルタ11(伝達関数H0(z))とハイパスフ
ィルタ12(伝達関数H1(z))とによって帯域分割さ
れ、得られた低域成分と高域成分は、それぞれ対応する
ダウンサンプラ13a、13bによって、解像度がそれ
ぞれ2分の1倍に間引かれる(レベル1)。この時の出
力がL成分111とH成分116の2つである。ここ
で、上記LはLow で低域、HはHighで高域を示す。この
図2のローパスフィルタ11、ハイパスフィルタ12、
及び2個のダウンサンプラ13a、13bによってレベ
ル1の回路部201が構成されている。
それぞれ間引かれた信号の内の低域成分、すなわちダウ
ンサンプラ13aからの信号のみが、さらに、レベル2
の回路部202のローパスフィルタ及びハイパスフィル
タによって帯域分割され、それぞれ対応するダウンサン
プラによって、解像度をそれぞれ2分の1倍に間引かれ
る(レベル2)。これらのレベル2のローパスフィル
タ、ハイパスフィルタ及びダウンサンプラから成る回路
部202としては、上記レベル1のローパスフィルタ1
1、ハイパスフィルタ12及びダウンサンプラ13a、
13bから成る回路部201と同様な構成が用いられ
る。
とで、低域成分を階層的に帯域分割した帯域成分が順次
生成されていくことになる。レベル2で生成された帯域
成分は、LL成分112とLH成分115である。図2はレ
ベル3まで帯域分割する例が示されており、レベル2の
回路部202のローパスフィルタ側のダウンサンプラか
らの出力が、上記回路部201と同様な構成のレベル3
の回路部203に供給されている。このようにレベル3
まで帯域分割した結果、LLL成分113、LLH成分11
4、LH成分115、H成分116が生成されている。
帯域分割した結果得られる帯域成分を図示したものであ
る。この図3でのL及びHの表記法は、1次元信号を扱
った図2でのL及びHの表記法とは異なる。すなわち図
3では、先ずレベル1の帯域分割(水平・垂直方向)に
より4つの成分LL、LH、HL、HHに分かれる。ここでLLは
水平・垂直成分が共にLであること。LHは水平成分がH
で垂直成分がLであることを意味している。次に、LL成
分は再度帯域分割されて、さらにLLLL、LLHL、LLLH、LL
HHが生成される。図4は、図3の帯域分割を実際の画像
に応用した場合の画像例を示しており、この図4より、
画像は低域の成分にその大部分の情報が含まれているこ
とがわかる。
以外に、全帯域を均等に分割することも行われる。すな
わち、図5は、全帯域成分を均等に分割する場合の画像
例を示しており、上記図3のLH、HL、HHの各成分につい
ても、それぞれ水平・垂直方向に再度帯域分割されて、
LH成分からは、LHLL、LHHL、LHLH、LHHH成分が、HL成分
からは、HLLL、HLHL、HLLH、HLHH成分が、またHH成分か
らは、HHLL、HHHL、HHLH、HHHH成分が、それぞれ生成さ
れる。
ているオーバーラップ型タイルベース・ウェーブレット
符号化の説明を行う。
す複数個のタイル画像に分割される。ここまでは既に述
べた例と違いが無いが、このオーバーラップ型タイルベ
ース・ウェーブレット符号化方式では、図6の(B)の
破線に示すように、隣接するタイル画像とオーバーラッ
プする領域の画素を含めた部分まで、フィルタリングが
行われる。すなわち、1つのタイルについては、図6の
(C)破線で囲まれた領域に対してフィルタリングが行
われ、ウェーブレット変換により符号化ビットストリー
ムが生成される。従って、ある特定のタイルだけを復号
したい場合でも、オーバーラップしている隣接タイルの
ウェーブレット逆変換を行い、オーバーラップ領域の画
素同士の加算を行う必要があることから、完全に独立し
た復号が出来ない、という問題点がある。
ース・ウェーブレット変換を行う際の、符号化対象のタ
イルRT とフィルタリングの及ぶ範囲RF とを示してい
る。この図7中の a,b,c,d,e,f、h,i,j,k,l,m はすべて
画素を表す。例えば画素cを水平方向にフィルタリング
する時に、d,e,f の3画素を右隣りのタイル画像から読
み出して、これらに所定のフィルタ係数を畳み込み演算
を施す。同様に例えば、画素jを垂直方向にフィルタリ
ングする時に、k,l,m の3画素を下のタイル画像から読
み出して、これらに所定のフィルタ係数を畳み込み演算
を施す。
ルベース・ウェーブレット変換を行う際の、オーバーラ
ップ領域を図示したものである。図8中で、水平・垂直
方向の各領域CHead、CTailは、符号化対象のタイル外
部のオーバーラップ領域を示している。この領域上の画
素に対するフィルタリングについては、既に図7を用い
て述べた通りである。この現在実験されているオーバー
ラップ型のタイルベース・ウェーブレット変換で問題に
なるのは、このオーバーラップ領域が必要なため、フィ
ルタのタップ長によってウェーブレット分割の分割数に
制限が発生してしまうことである。
く使われる、水平9タップ、垂直7タップのフィルタを
用い、タイルサイズを64x64に設定した場合、ウェ
ーブレット分割は4までしか許されない。同様に、ウェ
ーブレットフィルタとして、水平13タップ、垂直7タ
ップのフィルタを用いた場合、ウェーブレット分割は3
までしか許されない。これは、明らかにそれ以上分割す
ると、フィルタリングの及ぶオーバーラップ領域がタイ
ルサイズよりも大きくなってしまうからである。すなわ
ち、水平13タップのフィルタの場合、中心の1画素に
対して水平方向の両隣に6画素ずつがフィルタリングの
及ぶ画素領域となることから、64x64のタイルは3
回分割すると8x8になり、符号化対象タイルの全画素
を隣接タイルの範囲内でフィルタリングできるのに対し
て、さらに1回分割すると4×4のタイルとなり、符号
化対象タイルの境界位置の1画素を中心として隣接する
タイル側に6画素をとろうとすると、隣接タイル(4×
4画素)の範囲を越えてしまい、フィルタがはみ出てし
まうからである。
ラップ型タイルベース・ウェーブレット変換では、下記
のような多くの問題点が存在している。すなわち、
(1)隣接タイル同士の境界部分をオーバーラップさせ
るので、ウェーブレット・フィルタのフィルタ長によっ
て、ウェーブレット分割数に制約が生じる点、(2)復
号器側では、ある特定のタイル部分を復号する場合でも
隣接したタイル部分も合わせて復号する必要がある点こ
れは符号化効率にも大きく影響を与える問題であり、解
決すべき課題と言える。また、後述するように、整数型
のウェーブレット・フィルタを用いた場合には、(3)
符号化器側と復号器側との整合が取れないので、圧縮率
が高まるとオーバーラップ領域での誤差が増大し、歪み
となって検知される、という問題点もある。
形態では、図1のウェーブレット変換部2において、タ
イル外部でフィルタリングの及ぶ範囲内ではタイル内部
の画素を対称拡張して畳み込み演算するようにして、上
記問題点の(1)、(2)を解決している。
ェーブレット符号化装置について説明する。この第2の
実施の形態の全体構成は、上記図1に示すウェーブレッ
ト符号化装置と同様であるが、図1のウェーブレット変
換部2をより具体化したものであり、このウェーブレッ
ト変換部2での動作を、図9及び図10を参照しながら
説明する。この第2の実施の形態では、隣接するタイル
画像間にオーバーラップする領域を設けず、タイル外部
でフィルタリングの及ぶ範囲内ではタイル内部のウェー
ブレット変換係数を対称拡張して畳み込み演算するよう
にしている。
ト符号化の概念を説明するための図である。この図9の
(A)に示す原画像は、(B)に示すようにタイル画像
に分割された後、各タイル画像毎に(C)の破線に示す
フィルタ処理が及ぶ範囲まで、タイル外の領域に画素の
対称拡張を行う。
ものであり、符号化又は復号対象のタイルの領域RT 内
の水平方向のc, b, a の画素列が、タイル境界を境にし
て、対称的にa, b, c の並び順に、フィルタリングの及
ぶ範囲RF まで拡張されていることがわかる。同様に、
垂直方向では、タイル領域RT 内のf, e, d の画素列
が、タイル境界を境にして、対称的にd, e, f の並びに
フィルタリングの及ぶ範囲RF まで拡張される。このよ
うな鏡像関係の対称拡張を行えば、タイル画像内部の画
素数と同数だけしかウェーブレット変換係数が生成され
ないことが知られている。すなわち、冗長度が無い利点
がある。
タイルに対して、WT(ウェーブレット変換)を掛け
る。その結果、既に図3で説明したように、例えば4つ
の帯域成分に分割される(図9の(D)参照)。図9の
(D)中の斜線部は、上述した低域のLL成分である。さ
らに、この斜線部の低域成分(LL)のタイルは、図9の
(E)に示すように、同様に対称拡張を行い、ウェーブ
レット変換(WT)が施される。以後同様の操作が、所
定のウェーブレット分割数まで繰り返される。以上が、
この第2の実施の形態のウェーブレット変換部での、タ
イル毎の対称拡張のウェーブレット変換の動作説明であ
る。
説明する。この第3の実施の形態は、上述したウェーブ
レット変換を実現するためのローパスフィルタ及びハイ
パスフィルタとして、リフティング手段を用いた整数精
度のフィルタを用いるような画像のウェーブレット符号
化の実施の形態である。これは、ウェーブレット変換手
段として、整数精度のフィルタとリフティング手段を備
え、量子化手段を省略することでロスレス圧縮を行うこ
ともできる。
数精度型のウェーブレット変換(以下IWTという。)
を用いた本発明の第3の実施の形態について、図11を
用いて説明する。なお、上記リフティングという名称
は、図11中にもある通り、低域(Low) 側と高域(Hi
gh)側の双方から相手側に対してフィルタリングされた
係数を加算もしくは減算する操作から由来している。
ベル分の回路部201、202あるいは203として用
いられるものである。この図11において、入力信号1
20の各画素は、偶数番目の画素Xevenと奇数番目の画
素Xodd とに分けられる。偶数番目の画素Xevenは、遅
延器18で時間遅延され、さらに1/2のダウンサンプ
ラ19aで解像度を2分の1に落とされて出力121が
生成され、加算器20に送られる。一方、奇数番目の画
素Xodd は、1/2のダウンサンプラ19bで解像度を
2分の1に落とされ、減算器21に送られる。上記出力
121は係数列pのフィルタ22によりフィルタ処理さ
れ、このフィルタ出力と、上記奇数番目の画素Xodd の
ダウンサンプラ19bを介して得られた出力との差分
が、差分器21で算出される。この減算器21からの出
力123は、高域側、すなわちHP(High Pass) 側の
出力として送出される。他方、出力123に対して、係
数列uのフィルタ23によりフィルタ処理された出力と
上記出力121とが加算器122で加算され、加算出力
122は、低域側、すなわちLP(Low Pass)側の出力
122として送出される。
いて以下述べる。例えば、ローパスフィルタ(Low Pas
s)が9タップ、ハイパスフィルタ(High Pass) が7
タップのフィルタをそれぞれ実現する場合、IWT(整
数精度型ウェーブレット変換)では、 p = (−1,9,9,−1)/16 u = (1,1)/4 という具合に、係数列pのフィルタ22は4タップ、係
数列uのフィルタ23は2タップで済み、しかも、どち
らも割り算はビットシフトで演算が出来る(除数がそれ
ぞれ2のべき乗、すなわち16=24 、4=22 なの
で)という優れた特徴を持っている。この時、Low Pas
s, High Pass のそれぞれのフィルタ係数は、 Low = (1,0,-8,16,46,16,-8,0,1)/64 High = (1,0,-9,16,-9,0,1)/16 に相当することになる。
に、実際の画素とのフィルタリングでは演算精度を上げ
るために四捨五入を用いている。例えば、画素配列
(a,b,c,d)を上記pのフィルタでフィルタリン
グすると、 round(a*(-1)+b*9+c*9+d*(-1)) ただし、round(x)は、xを四捨五入することを表す
という操作を行うことになる。従って、ここでround の
誤差が発生する可能性がある。このround の誤差につい
ては、後述する第11の実施の形態で説明するようなウ
ェーブレット復号を用いることにより解決できる。
説明する。この第4の実施の形態は、画像のウェーブレ
ット符号化の際に、出力された符号化ビットストリーム
の符号長をヘッダ情報に配置して記憶・保持するもので
ある。なおこれは、復号側に送られてきた符号化ビット
ストリームの画像中の特定のタイルを部分復号するため
の符号化側の条件として必要である。
12を用いて説明する。図12は符号化ビットストリー
ムの具体的な構成例を示しており、先頭から順に、原画
像の水平サイズ情報61、原画像の垂直サイズ情報6
2、水平方向のタイル数情報63、垂直方向のタイル数
情報64、及びタイルヘッダ65の構成からなる。さら
に、該タイルヘッダ65は、各タイル毎の符号長(例え
ば圧縮バイト長)を記憶・保持する。図12の例では、
タイル#1の圧縮バイト長情報71、タイル#2の圧縮
バイト長情報72、・・・、タイル#Nの圧縮バイト長
情報73が配されている。これによって、あるタイルだ
けを復号器側で復号したい場合には、全体の符号化ビッ
トストリームのどの位置から符号語を読み出せば良いか
が即座にわかるので、最初から読み出し、復号する必要
が無く、効率的であり且つメモリも節約できる利点があ
る。
説明する。この第5の実施の形態は、画像のウェーブレ
ット符号化において、低域成分を階層的に分割する、あ
るいは全帯域成分を均等に分割する場合の分割数を、外
部からの入力手段により決定するようにしたものであ
る。
装置を例に取れば、ウェーブレット変換部2に対して、
外部からの分割数を指定する信号が入力して所定回数の
ウェーブレット分割が行われることになる。この利点と
しては、入力画像の特徴によっては、ウェーブレット分
割数によって大きく圧縮効率が変わる可能性があるから
であり、その場合予め何らかの外部入力によって、最適
なウェーブレット分割数が決定されれば、常に効率的な
符号化が実現できるからである。
説明する。本実施の形態は、上述したような画像のウェ
ーブレット符号化が施されて得られた符号化ビットスト
リームが供給される画像のウェーブレット復号装置及び
方法の一実施形態である。
像のウェーブレット復号装置の概略構成を示すブロック
図であり、上記図1に示したウェーブレット符号化装置
に対応したものである。
ト復号装置は、符号化ビットストリームを入力または読
み出してエントロピー復号するエントロピー復号部6
と、得られた量子化係数を逆量子化する逆量子化部7
と、得られた変換係数を逆スキャニングして元の係数の
順番に戻す変換係数逆スキャニング部8と、逆スキャニ
ング後の係数をウェーブレット逆変換する手段してタイ
ル画像を生成するウェーブレット逆変換部9と、得られ
た各タイル画像を合成して最終的な出力画像を供するタ
イル合成部10とを有して構成される。
ストリーム105を入力したエントロピー復号部6で
は、所定の手段によってエントロピー復号を行い、量子
化係数104を送出する。エントロピー復号手段は、上
記第1の実施の形態で述べたエントロピー符号化手段に
対応したものである必要がある。なお、エントロピー復
号手段としては、可変長復号手段や算術復号手段があ
る。
力して、同部で逆量子化が行われ変換係数106が出力
される。ここで逆量子化手段としては、通常用いるスカ
ラー逆量子化(下記:式2)を用いれば良い。 x=Q x Δ ・・・(式2) ここで、Qは量子化係数値、Δは量子化インデックス値
である。
ャニング部8において、逆方向のスキャニングが行わ
れ、スキャン後のウェーブレット変換係数107が出力
される。さらにウェーブレット変換係数107は、ウェ
ーブレット逆変換部9において逆変換されて、タイル画
像108が同部9より送出される。最後に、タイル画像
108は必要に応じてタイル同士を合成されて合成画像
109が出力される。以上が本実施の形態の復号装置の
基本動作である。
構成について、図14を用いて説明する。上記図2で説
明したウェーブレット変換部2の出力である各帯域成分
113、114、115、116は、ウェーブレット逆
変換部部9に入力すると、図14において、まず上記LL
L成分113及びLLH成分114が、それぞれアップサン
プラ14a、14bによって2倍の解像度にアップサン
プルされる。引き続いて低域成分はローパスフィルタ1
5、高域成分はハイパスフィルタ16によってフィルタ
リングされて、加算器17において、両者の帯域成分は
合成される。ここまでの回路部206により、上記図2
のレベル3の回路部203での変換の逆の処理としての
逆変換が完了して、レベル2の低域側の帯域成分である
LL成分117が得られる。この処理を以後レベル1まで
繰り返すことで、最終的な逆変換後の復号画像119が
出力されることになる。すなわち、レベル2の回路部2
07及びレベル1の回路部208は、上記レベル3の回
路部206と同様な構成を有し、レベル3の回路部20
6の出力がレベル2の回路部207の低域側の入力とし
て、また、レベル2の回路部207の出力がレベル1の
回路部208の低域側の入力として、それぞれ送られ
る。以上が、通常のウェーブレット逆変換部9の基本構
成である。
のオーバーラップ型タイルベース・ウェーブレット符号
化に対応する復号処理を説明するための図であり、図1
5の(A)に示すように、オーバーラップ部分を含めた
タイルの1枚分の符号化ビットストリームを復号するこ
とで、符号化対象タイルとその外部のフィルタリングの
及ぶ範囲までの部分が復号される。これを隣のタイルと
繋ぎ合わせて、図15の(B)に示すように再構成され
たタイル群を得ることで、最終的な復号画像を求めるわ
けである。
説明する。この第7の実施の形態は、上述したような画
像のウェーブレット復号に用いられるウェーブレット逆
変換手段として、タイル内部のウェーブレット変換係数
を、タイル外部でフィルタリングの及ぶ範囲内まで、対
称拡張して畳み込み演算するようにしたものである。図
16はこれを具体的に説明するための図である。
成分LL,LH,HL,HH のウェーブレット変換係数を図16の
(B)に示すように対称拡張して、それぞれをウェーブ
レット逆変換(IWT)する。これによって、図16の
(C)に示すように、各タイル画像が復号出力されるこ
とになる。なお、対称拡張については、既に図10で述
べた手段を用いれば良い。ただし、上記第2の実施の形
態で述べたウェーブレット変換の説明では、図10のa,
b,c,・・・は画素を示していたが、今回のウェーブレッ
ト逆変換手段では、これらはウェーブレット変換係数を
意味していることに注意しなければならない。
を用いる利点としては、隣接する周囲のタイルとは全く
独立して、逆変換そして復号が行えることが挙げられ
る。また比較的高ビットレート(低圧縮率)の場合に
は、タイル間の境界部分の劣化が殆ど検知できない。す
なわち、これらは、上述した問題点の(1)と(2)と
を解決するものである。
説明する。この第8の実施の形態では、ウェーブレット
逆変換手段として、該タイルの外側でフィルタリングが
及ぶ範囲内のウェーブレット変換係数をすべて0とし
て、畳み込み演算する手段を用いる。次に動作について
説明する。
である。例えば、図17の(A)に示す4つの帯域成分
LL,LH,HL,HH のウェーブレット変換係数はそのままにし
て、図17の(B)に示すように、該タイルの外側でフ
ィルタリングが及ぶ範囲(点線領域)内のウェーブレッ
ト変換係数をすべて0とし、それぞれのタイルをウェー
ブレット逆変換(IWT)する。これで各タイル画像が
復号出力されることになる。この時のウェーブレット逆
変換の畳み込み演算を直線畳み込みと呼ぶとする。
を用いて以下説明する。図18中で、符号化あるいは復
号対象タイルRT の外部については、水平方向のフィル
タリングの及ぶ範囲RF をすべて0と置くことで、c,b,
a,0,0,0 となり、同様に垂直方向のフィルタリングの及
ぶ範囲RF をすべて0と置くことで、f,e,d,0,0,0 とな
る。これにウェーブレットフィルタの係数を畳み込み演
算することで、ウェーブレット逆変換を行うことができ
る。
トレート(高圧縮)下でもタイル境界部が検知されない
という優れた特徴がある。これは、隣接するタイルとの
境界部の係数を0として均一にすることで境界部に、ウ
ェーブレット・フィルタリングによる直線補間の効果が
出て、滑らかに接続されることに起因する。
も、隣接するタイルのウェーブレット変換係数までオー
バーラップして読み出す必要がないので、隣接する周囲
のタイルとは全く独立して、逆変換そして復号が行える
ことが挙げられる。
て、上記タイルの外側でフィルタリングが及ぶ範囲内の
ウェーブレット変換係数をすべて0として、畳み込み演
算するようにすることは、高圧縮下での高画質と部分タ
イル復号の実現の両方を兼ね備えた優れたものである。
説明する。この第9の実施の形態は、ウェーブレット復
号の際に、圧縮率が低い場合には上記第7の実施の形態
のように対称拡張型の畳み込み処理によるウェーブレッ
ト逆変換手段を用い、逆に圧縮率が高い場合には上記第
8の実施の形態のように0値挿入型の直線畳み込み処理
によるウェーブレット逆変換手段を採用することとす
る。これによって、圧縮率に関係無く、タイル境界部で
の歪みが検知できない高画質な復号画像を得ることがで
きる。
実施の形態の対称拡張型の畳み込み処理によるウェーブ
レット逆変換手段を用いることで実現することができ
る。
て説明する。この第10の実施の形態は、画像のウェー
ブレット符号化/復号において、画像をタイルに分割し
てタイル毎にウェーブレット変換する際に、上記タイル
は、隣接するタイル画像間にオーバーラップする領域が
無く、タイル外部でフィルタリングの及ぶ範囲内ではタ
イル内部のウェーブレット変換係数を対称拡張して畳み
込み演算する手段を備えていて、他方、それに呼応する
ウェーブレット逆変換手段では、タイル内部のウェーブ
レット変換係数を対称拡張して畳み込み演算する手段、
または該タイルの外側でフィルタリングが及ぶ範囲内の
ウェーブレット変換係数をすべて0として畳み込み演算
する手段を有するものである。
て、ウェーブレット符号化におけるウェーブレット変換
手段としては、タイル外部でフィルタリングの及ぶ範囲
内でタイル内部の画素を対称拡張して畳み込み演算する
手段を用い(画素の対称畳み込み)、復号器におけるウ
ェーブレット逆変換手段としては、タイル内部のウェー
ブレット変換係数を対称拡張して畳み込み演算する手段
(ウェーブレット変換係数の対称畳み込み)、または該
タイルの外側でフィルタリングが及ぶ範囲内のウェーブ
レット変換係数をすべて0として畳み込み演算する手段
(ウェーブレット変換係数の直線畳み込み)を用いるも
のある。これによって、ウェーブレット変換手段とウェ
ーブレット逆変換手段との整合が取れるので、高能率な
符号化、及び高画質な復号が可能になる。
て説明する。この第11の実施の形態は、画像のウェー
ブレット復号の際に、上記タイル画像として、隣接する
タイル画像間にオーバーラップする領域が無いものを用
いるものである。この第11の実施の形態の例として、
リフティング手段を用いた整数精度型のウェーブレット
逆変換(以下I−IWT)を用いた実施形態について、
図19を用いて説明する。
は、上記第3の実施の形態で説明した図11のウェーブ
レット変換部の逆の処理を行うものであり、図11のウ
ェーブレット変換部からの出力である低域(LP)側の
出力122と、高域(HP)側の出力123とが供給さ
れる。LP側の出力122は減算器31に送られて、出
力123に対して係数列uのフィルタ33を介して得ら
れた出力との差分がとられ、出力124となって2倍の
アップサンプラ34aに送られる。また、出力123
は、加算器30に送られて、出力124に対して係数列
pのフィルタ32を介して得られた出力とが加算され、
2倍のアップサンプラ34bに送られる。アップサンプ
ラ34aからの出力は遅延器35で時間遅延されて出力
125として加算器36に送られ、アップサンプラ34
bからの出力126と加算されて、最終的な出力127
として取り出される。
に、オーバーラップ型タイルベース・ウェーブレット復
号では、周辺タイルとのオーバーラップ領域同士で加算
を取るので、同領域での画素値に前記pとuによるフィ
ルタリングによるround の誤差が影響を及ぼすことにな
る。従って、圧縮率が高くなるとオーバーラップ領域で
の劣化が目立つようになる。これに対して、この第11
の実施の形態によれば、符号化側にIWT(整数精度型
のウェーブレット変換)、復号側にI−IWTを用いて
も、オーバーラップを用いないので、上述のような問題
点が発生しない。従って、整数型のウェーブレット変換
との親和性が高いという利点がある。
7の実施の形態のようにタイル内部のウェーブレット変
換係数を対称拡張して畳み込み演算(ウェーブレット変
換係数の対称畳み込み)する場合も、上記第8の実施の
形態のようにタイルの外側でフィルタリングが及ぶ範囲
内のウェーブレット変換係数をすべて0として畳み込み
演算(ウェーブレット変換係数の直線畳み込み)する場
合も、どちらでも適用可能である。
て説明する。この第12の実施の形態は、画像のウェー
ブレット符号化において、その構成要素であるウェーブ
レット変換手段として、整数精度のフィルタとリフティ
ング手段を備え、量子化手段を省略することでロスレス
圧縮を行い、他方画像のウェーブレット復号において
は、ロスレス圧縮された符号化ビットストリームを入力
して、ロスレス復号の場合には対称拡張の畳み込み演算
によりウェーブレット逆変換手段を用い、他方ロッシー
復号の場合は上記対称拡張の畳み込み演算、またはタイ
ル外部の変換係数に0値を挿入した畳み込み演算による
ウェーブレット逆変換手段を用いるものである。
べた符号化装置、復号装置の組み合わせ例であり、特に
符号化装置で上記第3の実施の形態の整数精度のフィル
タとリフティング手段を用いたロスレス圧縮を行い、発
生した符号化ビットストリームをウェーブレット復号器
で、ロスレスまたはロッシーに所定のビットレートで復
号するものである。
手段は、画素の対称拡張の畳み込み演算を行っているの
で、復号器側でもウェーブレット変換係数の対称拡張の
畳み込み演算のウェーブレット逆変換を行えば、問題無
くロスレス復号が出来る。他方、復号器側でロッシー復
号を所定のビットレートで行いたい場合には、前記ウェ
ーブレット変換係数の対称拡張の畳み込み演算のウェー
ブレット逆変換、またはタイル外部の変換係数に0値を
挿入した畳み込み演算によるウェーブレット逆変換手段
のどちらかを選択すれば良い。ただし、上記第9の実施
の形態で述べたように、圧縮率が低い場合には、上記第
7の実施の形態で述べた対称拡張型の畳み込み処理によ
るウェーブレット逆変換手段を用い、逆に圧縮率が高い
場合には、上記第8の実施の形態で述べたの0値挿入型
の直線畳み込み処理によるウェーブレット逆変換手段を
用いる手段を取ることも有効である。
て説明する。この第13の実施の形態は、ウェーブレッ
ト逆変換手段の上述した第7、第8の実施の形態のフィ
ルタの畳み込み演算手段を、ウェーブレット分割レベル
数に応じて切り換えて利用するものである。
レット変換手段で、画像をレベル数4までウェーブレッ
ト分割する場合、これまでの実施の形態では、復号器側
のウェーブレット逆変換手段では、その4つの全てのレ
ベルで同一の畳み込み演算手段、例えば上記第7の実施
の形態の対象畳み込み演算手段、又は上記第8の実施の
形態の線形畳み込み演算手段のいずれかを用いていた。
は、例えば、分割レベル数が3までは、上記第7の実施
の形態の対称畳み込み演算手段を用い、最後の4番目の
レベルで線形畳み込み演算手段を用いる。これによっ
て、ウェーブレット変換手段が対称拡張によるが増幅器
の畳み込み演算手段を用いていた場合、分割レベル3ま
では変換手段と逆変換手段との間で整合がとれる。
手段を用いることで、既に述べたように、タイル画像の
隣接部分での劣化を低減させることができる。従って、
このような組み合わせによる実施の形態によれば、メモ
リ使用量を抑制しながら、高圧縮下でも画質を維持する
ことができる、という効果がある。
を逆にしてもよい。すなわち、最初に所定分割レベルま
で線形畳み込み演算手段を用い、それ以降の分割レベル
では対称畳み込み演算手段を用いるようにしてもよい。
ェーブレット変換で高能率圧縮を行う際に問題とされて
きたメモリ容量の大きさを削減することを目的としてい
る。ウェーブレット符号化では通常画像全体にウェーブ
レット変換を掛け、発生したウェーブレット変換係数を
一時的にメモリ内に記憶・保持する必要がある。従っ
て、画像サイズが大きいと非常に多くのメモリ容量を必
要とし、電子スチルカメラ、カムコーダ、PDA等の、
メモリ搭載容量が限定された装置には不適である。従っ
て、本発明ではこれらの装置化でキーとなる技術となる
低メモリ消費型で且つ高い圧縮効率を持った画像のウェ
ーブレット符号化器・復号化器及び方法を実現すること
を目的としている。
れば、画像をタイル画像に分割して、各タイル毎にウェ
ーブレット変換を施し符号化を行うので、従来の画像全
体にウェーブレット変換を施していた手段に比べて、大
幅なメモリ削減を実現した符号化器・復号化器が実現で
きる。また、特定のタイル画像だけを復号化したい場合
でも、画素の対称拡張型の畳み込み演算処理を施すウェ
ーブレット変換手段と、それに呼応したウェーブレット
変換係数の対称拡張型の畳み込み演算処理を施すウェー
ブレット逆変換手段とを組み合わせることにより、隣接
するタイルとは完全に独立に復号化が実現できるという
効果がある。さらに、オーバーラップ型タイルベース・
ウェーブレット符号化で問題になっていたウェーブレッ
ト分割数に関する制約条件も存在しないので、常に高い
符号化効率を維持できるという効果がある。
ては、電子カメラ、携帯・移動体画像送受信端末(PD
A)、プリンタ、衛星画像、医用用画像等の圧縮・伸張
器またはそのソフトウェアモジュール、ゲーム、3次元
CGで用いるテキスチャの圧縮・伸長装置またはそのソ
フトウェアモジュール等が挙げられる。
限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範
囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
ウェーブレット符号化装置及び方法において、入力画像
を複数個のタイルに分割し、各タイル画像毎にウェーブ
レット変換を施し、ウェーブレット変換係数をスキャニ
ングし、スキャニング後の係数を量子化し、量子化係数
をエントロピー符号化して符号化ビットストリームを出
力するようにしており、さらに上記ウェーブレット変換
は、タイル画像の外周部の画素を対称拡張して畳み込み
演算するようにしているため、従来の画像全体にウェー
ブレット変換を施していた手段に比べて、大幅なメモリ
削減を実現した符号化・復号が実現できる。また、オー
バーラップ型タイルベース・ウェーブレット符号化で問
題になっていたウェーブレット分割数に関する制約条件
も存在しないので、常に高い符号化効率を維持できる。
場合でも、画素の対称拡張型の畳み込み演算処理を施す
ウェーブレット変換手段と、それに呼応したウェーブレ
ット変換係数の対称拡張型の畳み込み演算処理を施すウ
ェーブレット逆変換手段とを組み合わせることにより、
隣接するタイルとは完全に独立に復号が実現できるとい
う効果がある。
ルタを用いたウェーブレット変換手段を用いた場合で
も、オーバーラップを伴わないウェーブレット逆変換手
段を用いているので、フィルタリングの際のrounding
(丸め処理)の誤差を加算する必要がない。従って、タ
イル周辺部の歪みが顕著にならないという効果がある。
び方法によれば、符号化ビットストリームを入力または
読み出してエントロピー復号し、得られた量子化係数を
逆量子化し、得られた変換係数を逆スキャニングして元
の係数の順番に戻し、逆スキャニング後の係数をウェー
ブレット逆変換してタイル画像を生成し、得られた各タ
イル画像を合成して最終的な出力画像を供するように
し、上記ウェーブレット逆変換においては、タイル内部
のウェーブレット変換係数を対称拡張して畳み込み演算
し、あるいはタイルの外側でフィルタリングが及ぶ範囲
内のウェーブレット変換係数をすべて0として畳み込み
演算することにより、隣接する周囲のタイルとは全く独
立して、逆変換そして復号化が行え、また比較的高ビッ
トレート(低圧縮率)の場合には、タイル間の境界部分
の劣化が殆ど検知できない、という効果がある。ここ
で、直線畳み込みの利点としては、低ビットレート(高
圧縮)下でもタイル境界部が検知されないという優れた
特徴がある。これは、隣接するタイルとの境界部の係数
を0として均一にすることで境界部に、ウェーブレット
・フィルタリングによる直線補間の効果が出て、滑らか
に接続されることに起因する。また、このウェーブレッ
ト逆変換手段でも、隣接するタイルのウェーブレット変
換係数までオーバーラップして読み出す必要がないの
で、隣接する周囲のタイルとは全く独立して、逆変換そ
して復号化が行えることが挙げられる。
画質と部分タイル復号化の実現の両方を兼ね備えてお
り、さらに、ウェーブレット変換手段とウェーブレット
逆変換手段との整合が取れるので、高能率な符号化、及
び高画質な復号化が可能になる。
ーブレット符号化装置の概略構成を示すブロック図であ
る。
ル3まで)を示すブロック図である。
明するための図である。
2)した場合の各帯域画像を示す図である。
例を示す図である。
ト符号化の概念を説明するための図である。
畳み込み演算を説明するための図である。
図である。
符号化の概念を説明するための図である。
である。
成を示すブロック図である。
を示す図である。
ーブレット復号装置の概略構成を示すブロック図であ
る。
(レベル3まで)を示すブロック図である。
ット復号化の概念を説明するための図である。
を施すウェーブレット復号化の概念を説明するための図
である。
を施すウェーブレット復号化の概念を説明するための図
である。
である。
構成を示すブロック図である。
変換係数スキャニング部、 4 量子化部、 5 エ
ントロピー符号化部、 6 エントロピー復号化部、
7 逆量子化部、 8 変換係数逆スキャニング部、
9 ウェーブレット逆変換部、 10 タイル合成部、
11 分析用ローパスフィルタ、 12 分析用ハイ
パスフィルタ、 13a,13b 2分の1倍のダウン
サンプラ、 14a,14b 2倍のアップサンプラ、
15 合成用ローパスフィルタ、 16 合成用ハイ
パスフィルタ、 17 加算器、 18,35 遅延
器、19a,19b 2分の1倍のダウンサンプラ、
20,30 加算器、 21,31 減算器、 22,
23,32,33 フィルタ、 34a,34b2倍の
アップサンプラ
Claims (2)
- 【請求項1】 入力される符号化ビットストリームをウ
ェーブレット変換係数に変換する手段と、 上記ウェーブレット変換係数をウェーブレット逆変換し
てタイル画像を生成する逆変換手段と、 得られた各タイル画像を合成して最終的な出力画像を供
する手段とを備え、 上記逆変換手段は、タイル外部でフィルタリングの及ぶ
範囲内ではタイル内部のウェーブレット変換係数を対称
拡張して畳み込み演算を行う対称畳み込み演算手段、お
よびタイル外部のフィルタリングの及ぶ範囲内ではウェ
ーブレット変換係数は全てゼロとして畳み込み演算を行
う線形畳み込み演算手段を有してなり、 ロスレス復号時には上記対称畳み込み演算手段、また、
ロッシー復号時には上記対称畳み込み演算手段若しくは
上記線形畳み込み演算手段を選択して利用することを特
徴とするウェーブレット復号装置。 - 【請求項2】 入力される符号化ビットストリームをウ
ェーブレット変換係数に変換するステップと、 上記ウェーブレット変換係数をウェーブレット逆変換し
てタイル画像を生成する逆変換ステップと、 得られた各タイル画像を合成して最終的な出力画像を供
するステップとからなり、 上記逆変換ステップにおいて、ロスレス復号時には、タ
イル外部でフィルタリングの及ぶ範囲内でタイル内部の
ウェーブレット変換係数を対称拡張して畳み込み演算を
行う対称畳み込み演算を選択し、また、ロッシー復号時
には、タイル外部のフィルタリングの及ぶ範囲内ではウ
ェーブレット変換係数は全てゼロとして畳み込み演算を
行う線形畳み込み演算、若しくは上記対称畳み込み演算
を選択して利用することを特徴とするウェーブレット復
号方法。
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