JP3512346B2 - ウェーブレット復号化装置及び方法 - Google Patents

ウェーブレット復号化装置及び方法

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  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像の効率的伝送
もしくは蓄積を行うシステムに供することのできるもの
であり、特に、ウェーブレット変換符号化を用いて符号
化されたビットストリームを入力して、任意の有理数倍
の解像度変換を伴う復号化を実現するウェーブレット復
号化装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の代表的な画像圧縮方式としては、
ISO(Internatioal Organizationfor Standardizati
on)によって標準化されたJPEG(Joint Photograph
ic Coding Experts Group)方式がある。これはDCT
(discrete cosine transform)を用いて主に静止画像
信号を圧縮符号化する方式であり、比較的高いビットが
割り当てられる場合には良好な符号化・復号画像を供す
ることが知られている。しかし、当該DCTの場合、あ
る程度符号化ビット数を少なくすると、DCT特有のブ
ロック歪みが顕著になり、主観的に劣化が目立つように
なる。
【0003】これとは別に、最近は、フィルタバンクと
呼ばれるハイパスフィルタとローパスフィルタを組み合
わせたフィルタを用いて画像信号を複数の帯域に分割
し、それらの各帯域毎に符号化を行う方式の研究が盛ん
になっている。その中でも、ウェーブレット符号化は、
DCTにて問題になる高圧縮でブロック歪みが顕著にな
る、という欠点が無いことから、DCTに代わる新たな
技術として有力視されている。
【0004】現在の電子スチルカメラやビデオムービ等
の製品では、画像圧縮方式にJPEGやMPEG(Movi
ng Picture image coding Experts Group)を使用し、
変換方式にDCTを用いているが、今後は、上記ウェー
ブレット変換をベースにした変換方式を採用した製品が
市場に出現するものと推測される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、符号化方式の
効率向上のための検討は各研究機関で盛んに行われてい
るが、ウェーブレット変換の特徴を生かした具体的な製
品化を目指した発明は未だ少ない。
【0006】また、従来のウェーブレット変換・逆変換
は、その性質上、2のべき乗でしか解像度を縮小又は拡
大(スケーリング)することができないとされている
が、例えば原画像の解像度が大きくなると上記2のべき
乗以外の解像度でデコードする要求も増えて来ると考え
られる。すなわち、2のべき乗だけでなくそれ以外も含
む任意有理数の解像度でデコード(復号化)することが
できるようになれば、端末側の制約条件に左右されるこ
とが無くなるため、非常に用途が広まると考えられる。
【0007】そこで、本発明はこのような状況に鑑みて
なされたものであり、変換方式にウェーブレット変換を
用いて圧縮符号化がなされた画像信号を、端末側の制約
条件に左右されること無く、任意有理数の解像度でデコ
ード(復号化)可能とし、その結果として、例えば電子
スチルカメラやプリンタ等で多用されるいわゆるサムネ
イル画像や原画像を解像度変換した画像(縮小又は拡大
した画像)の記憶・表示を効率的に行えるようにし、各
種の製品への使用用途を大幅に広げることを可能とす
る、ウェーブレット復号化装置及び方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のウェーブレット
復号化装置及び方法は、符号化ビットストリームをエン
トロピー復号化して量子化係数を送出し、上記量子化係
数を逆量子化して変換係数を送出し、上記変換係数を所
定の方法でスキャニングして変換係数を並び換え、解像
度変換によって、並び換えられた変換係数の少なくとも
一部のレベルの低域側の信号をウェーブレット逆変換し
て復号画像を生成し、ウェーブレット逆変換の際には、
複数のアップサンプラ及び合成フィルタからなるウェー
ブレット逆変換基本構成のうち、高域成分の復号化を行
うアップサンプラ及び合成フィルタにおけるアップサン
プリング処理及び合成フィルタリング処理の所定レベル
の該高域成分を省略して所望の解像度変換倍率に応じた
画像を生成し、さらにダウンサンプラにおけるダウンサ
ンプリング処理によって上記所望の解像度変換倍率に応
じた画像を間引いて、所望の大きさの上記復号画像を供
することにより、任意有理数倍の解像度変換を伴う復号
化を実現し、上述した課題を解決する。
【0009】
【0010】
【0011】なお、アップサンプリングは解像度を上げ
る作用を行う。具体的には零値の画素補填を行う。他
方、ダウンサンプリングは、解像度を落とす作用を行
う。具体的には数画素毎にサンプリングを行う。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態につ
いて、図面を参照しながら説明する。
【0013】本発明実施の形態は、画像の効率的伝送も
しくは蓄積を行うシステムに好適なものであり、特にウ
ェーブレット変換符号化を用いて符号化されたビットス
トリームを入力して、任意の有理数倍の解像度変換を伴
う復号化を実現するウェーブレット復号化装置及び方法
を実現するものである。具体的な応用例としては、電子
カメラ、携帯・移動体画像送受信端末(PDA)、プリ
ンタ、衛星画像、医用画像等の圧縮・伸張器またはその
ソフトウェアモジュール、ゲーム、3次元CGで用いる
テクスチャの伸張器またはそのソフトウェアモジュール
等がある。
【0014】図1には、本発明のウェーブレット復号化
装置及び方法が適用される一実施の形態のウェーブレッ
ト復号化装置の全体構成を示す。
【0015】この図1に示す本発明実施の形態のウェー
ブレット復号化装置は、符号化ビットストリーム100
をエントロピー復号化するエントロピー復号化部1と、
量子化係数101を逆量子化して変換係数102を送出
する逆量子化部2と、変換係数102を所定の方法でス
キャニングして並び換えた変換係数103を送出する変
換係数逆スキャニング部3と、並び換えられた変換係数
103を逆変換して復号画像104を供するウェーブレ
ット逆変換部4とを備えてなるものである。
【0016】より具体的に説明すると、エントロピー復
号化部1は、ウェーブレット符号化装置または符号化モ
ジュールより送出された符号化ビットストリーム100
に対して所定のエントロピー復号化を行う。ここで、エ
ントロピー復号化としては、一般的に用いられているハ
フマン復号化や算術復号化を用いれば良い。但し当然で
あるが、ウェーブレット符号化装置で行われたエントロ
ピー符号化処理と対応する手法を行う必要がある。
【0017】逆量子化部2は、エントロピー復号化部1
により復号化されて出力された量子化係数101を逆量
子化して変換係数102を出力する。この逆量子化部2
も、ウェーブレット符号化装置で行われた量子化処理と
表裏一体の動作を行う必要がある。
【0018】変換係数逆スキャニング部3は、逆量子化
部2で得られた変換係数102を並び換えて、新たな変
換係数103を出力する。ここでの逆スキャニング方法
は、ウェーブレット符号化装置で行われたスキャニング
処理の逆処理を行うことになる。
【0019】ウェーブレット逆変換部4は、変換係数1
03を逆変換して最終的な復号画像信号104を供す
る。
【0020】ここで、本発明実施の形態のウェーブレッ
ト復号化装置では、上記ウェーブレット逆変換部4に、
アップサンプラ、ダウンサンプラ及び合成フィルタを、
所定の解像度変換の倍率に応じて適応的に配置すること
により、任意有理数倍率の解像度変換機能を実現してい
る。
【0021】本実施の形態のウェーブレット復号化装置
における上記任意有理数倍率の解像度変換処理のための
構成及び動作の詳細な説明を行う前に、図2から図6を
用いて通常のウェーブレット変換処理及びウェーブレッ
ト逆変換処理のための構成及び動作について以下に説明
する。
【0022】図2には、通常のウェーブレット符号化装
置の基本的構成を示す。
【0023】図2に示すウェーブレット符号化装置は、
ウェーブレット変換部5と、変換係数スキャニング部6
と、量子化部7と、エントロピー符号化部8を、その基
本構成要素として有する。
【0024】ウェーブレット変換部5は、入力された画
像信号105をウェーブレット変換してその変換係数1
06を出力する。変換係数スキャニング部6は、ウェー
ブレット変換部5からの変換係数106を並び換えて、
新たな変換係数107を出力する。なお、前記図1の変
換係数逆スキャニング部3でのスキャニングは、当該変
換係数スキャニング部6でのスキャニングの反対の並び
換え処理である。
【0025】量子化部7は、変換係数スキャニング部6
から供給された変換係数107を量子化し、その量子化
係数108を出力する。なお、前記図1の逆量子化部2
での処理は、当該量子化部7での処理と対を成すもので
ある。
【0026】エントロピー符号化部8は、量子化部7か
ら供給された量子化係数108に所定のエントロピー符
号化を施し、その符号化ビットストリーム100を出力
する。なおここでのエントロピー符号化としては、一般
的に用いられているハフマン符号化や算術符号化を用い
れば良く、前記図1のエントロピー復号化部1での処理
は、当該エントロピー符号化部8での処理と対応してい
る。
【0027】図3には、通常のウェーブレット変換処理
を行う構成を示す。この図3の構成は、幾つかある手法
の中で最もポピュラーなウェーブレット変換処理である
オクターブ分割を複数レベルに渡って行う場合の構成例
である。なお、図3の場合はレベル数が3(レベル1〜
レベル3)であり、画像信号を低域と高域に分割し、且
つ低域側の信号のみを階層的に分割する構成を取ってい
る。また、図3では、便宜上、1次元の信号(例えば画
像の水平成分)についてのウェーブレット変換処理を例
に挙げているが、これを2次元に拡張することで2次元
画像信号に対応することができる。
【0028】図3において、入力画像信号105は、先
ず分析用ローパスフィルタ81と分析用ハイパスフィル
タ82とによって帯域分割され、得られた低域側の信号
と高域側の信号は、それぞれ対応するダウンサンプラ8
3,84によって解像度がそれぞれ2分の1倍に間引か
れる(レベル1)。
【0029】上記ダウンサンプラ83,84からの信号
のうち、低域側の信号は分析用ローパスフィルタ85と
分析用ハイパスフィルタ86とによってさらに帯域分割
される。これら帯域分割により得られた信号は、さらに
ダウンサンプラ87,88によって解像度がそれぞれ2
分の1倍に間引かれる(レベル2)。
【0030】上記ダウンサンプラ87,88からの出力
信号のうち、低域側の信号は分析用ローパスフィルタ8
9と分析用ハイパスフィルタ90によってさらに帯域分
割される。これら帯域分割された信号は、さらにダウン
サンプラ91,92によって解像度がそれぞれ2分の1
倍に間引かれる(レベル3)。
【0031】このような処理を所定のレベルまで行うこ
とで、低域側の信号を階層的に帯域分割した各帯域の信
号が順次生成されていくことになる。図3の例では、レ
ベル3まで帯域分割した結果、LLL信号109、LL
H信号110、LH信号111、H信号112が生成さ
れていることを示している。なお、上記LLL信号10
9やLLH信号110のLは低域成分であることを表
し、Hは高域成分であることを表している。
【0032】図4には、レベル2まで2次元画像を帯域
分割した結果得られる帯域成分を図示する。ただし、こ
の図4でのL及びHの表記法は1次元信号を扱った図3
とは異なる。なお、図4中のLLは水平・垂直成分が共
にL(低域)であること、LHは水平成分がH(高域)
で垂直成分がL(低域)であることを意味している。ま
た、図中のX_SIZEは垂直方向(X方向)の解像度
を、Y_SIZEは水平方向(Y方向)の解像度を意味
している。
【0033】すなわちこの図4において、2次元の原画
像は、先ずレベル1の帯域分割(水平・垂直方向)によ
り4つの成分LL、LH、HL、HHに分けられ、次い
で、LL成分は、レベル2の帯域分割(水平・垂直方
向)により更に4つの成分LLLL、LLHL、LLL
H、LLHHに分けられる。
【0034】図5には、図4の帯域分割を実際の画像に
応用した場合の画像例を示しており、この図5から、画
像は低域の成分にその大部分の情報が含まれていること
がわかる。
【0035】次に、図6には、解像度変換の動作を行わ
ない通常のウェーブレット逆変換処理を行う構成を示
す。また、以下の説明では、この図6の各構成部位全体
を総称してウェーブレット逆変換基本構成部35と呼ぶ
ことにする。
【0036】図3で説明したウェーブレット変換部の出
力である各帯域成分(LLL信号109、LLH信号1
10、LH信号111、H信号112)は、当該ウェー
ブレット逆変換基本構成部35に入力すると、先ずLL
L信号109及びLLH信号110が、それぞれアップ
サンプラ9,11によって2倍の解像度にアップサンプ
ルされる。
【0037】上記アップサンプラ9にてLLL信号10
9をアップサンプルして生成された信号は合成用ローパ
スフィルタ10により、また、アップサンプラ11にて
LLH信号110をアップサンプルして生成された信号
は合成用ハイパスフィルタ12によって、それぞれフィ
ルタリングされて加算器13に送られる。
【0038】加算器13では、両者の信号を帯域合成す
る。ここまでの処理により、上記レベル3の逆変換が完
了する。
【0039】以下同様に、上述の処理をレベル1まで繰
り返すことで、最終的な逆変換後の復号画像104が出
力されることになる。
【0040】すなわち、加算器13の出力信号は、更に
アップサンプラ14にて2倍の解像度にアップサンプル
された後、合成用ローパスフィルタ15にてフィルタリ
ングされて加算器18に送られる。
【0041】また、LH信号111は、アップサンプラ
16によって2倍の解像度にアップサンプルされた後、
合成用ハイパスフィルタ17にてフィルタリングされて
加算器18に送られる。
【0042】加算器18では、合成用ローパスフィルタ
15と合成用ハイパスフィルタ17からの両者の信号を
帯域合成する。ここまでの処理により、上記レベル2の
逆変換が完了する。
【0043】この加算器18の出力信号は、更にアップ
サンプラ19にて2倍の解像度にアップサンプルされた
後、合成用ローパスフィルタ20にてフィルタリングさ
れて加算器23に送られる。
【0044】また、H信号112は、アップサンプラ2
1によって2倍の解像度にアップサンプルされた後、合
成用ハイパスフィルタ22にてフィルタリングされて加
算器23に送られる。
【0045】加算器23では、合成用ローパスフィルタ
20と合成用ハイパスフィルタ22からの両者の信号を
帯域合成する。ここまでの処理により、上記レベル1の
逆変換が完了する。
【0046】以上が、通常のウェーブレット変換処理及
びウェーブレット逆変換処理の基本構成及び基本動作で
ある。
【0047】以下、上述したウェーブレット符号化及び
復号化の基本構成及び動作をふまえて、本発明実施の形
態の任意有理数倍の解像度変換機能を備えたウェーブレ
ット復号化装置について説明する。
【0048】本発明実施の形態の第1の具体例のウェー
ブレット復号化装置について説明する。
【0049】当該第1の具体例の場合、図1に示したウ
ェーブレット復号化装置のウェーブレット逆変換部4
は、解像度を縮小する際の当該縮小率に併せて、所定の
レベルでの低域側の信号のみを復号化する構成を有して
なる。言い換えれば、第1の具体例のウェーブレット逆
変換部4は、縮小率に併せて、所定のレベルでの高域側
の信号を復号化する構成を図6の構成から省略(削除)
したものである。
【0050】図7には、当該第1の具体例として、原画
像の2のべき乗分の1の縮小画像を復号化するウェーブ
レット復号化装置の概略構成を示す。図7に例では、上
記原画像の2のべき乗分の1の縮小画像の一例として、
原画像の2分の1の縮小画像を復号化するウェーブレッ
ト変換装置の概略構成を示している。なお、この図7の
構成において、前記図6と同じ構成要素には図6と同一
の指示符号を付している。また、図7中の点線にて示す
高域側の経路は、図6に示した通常のウェーブレット復
号化装置には設けられている経路であるが、本実施の形
態のウェーブレット復号化装置では省略された経路を表
している。
【0051】ここで、アップサンプラ9で2倍にアップ
サンプルされた後のレベル3の合成用ローパスフィルタ
(合成フィルタ)10から出力される信号113は、既
に述べた説明から原画像の4分の1の縮小画像に相当す
ることが容易にわかる。同様に、レベル2の合成用ロー
パスフィルタ15から出力される信号114は、原画像
の2分の1の縮小画像に相当することがわかる。したが
って、当該第1の実施の形態のウェーブレット復号化装
置において、原画像の例えば4分の1の縮小画像を得る
ためには、合成用ローパスフィルタ10の出力信号を取
り出せばよく、また、原画像の例えば2分の1の縮小画
像を得るためには合成用ローパスフィルタ15の出力信
号を取り出せばよいことがわかる。またこの場合、H信
号112は、4分の1、2分の1の縮小画像の何れの復
号化においても不要となる。このようなことから、当該
第1の具体例では、原画像の2のべき乗分の1の縮小画
像の復号画像信号115を生成する場合に、図6のよう
にレベル1での高域側の信号を復号化するための構成を
省略している。
【0052】すなわち図7に示す第1の具体例のウェー
ブレット逆変換部4において、LLL信号109及びL
LH信号110は、それぞれアップサンプラ9,11に
よって2倍の解像度にアップサンプルされ、さらにそれ
ぞれ対応する合成用ローパスフィルタ10と合成用ハイ
パスフィルタ12によりフィルタリングされた後、加算
器13にて両者の信号が帯域合成される。ここまでの処
理により、レベル3の逆変換が完了する。
【0053】当該加算器13の出力信号は、更にアップ
サンプラ14にて2倍の解像度にアップサンプルされた
後、合成用ローパスフィルタ15にてフィルタリングさ
れて加算器18に送られる。
【0054】また、LH信号111は、アップサンプラ
16によって2倍の解像度にアップサンプルされた後、
合成用ハイパスフィルタ17にてフィルタリングされて
加算器18に送られる。
【0055】加算器18では、合成用ローパスフィルタ
15と合成用ハイパスフィルタ17からの両者の信号を
帯域合成する。ここまでの処理により、上記レベル2の
逆変換が完了する。
【0056】この加算器18の出力信号は、更にアップ
サンプラ19にて2倍の解像度にアップサンプルされた
後、合成用ローパスフィルタ20にてフィルタリングさ
れる。
【0057】図7の構成では、当該合成用ローパスフィ
ルタ20からの出力画像信号115が、当該第1の具体
例のウェーブレット復号化装置による2分の1の縮小画
像の復号画像信号として出力されることになる。
【0058】次に、本発明実施の形態の第2の具体例の
ウェーブレット復号化装置について説明する。
【0059】当該第2の具体例の場合、図1に示したウ
ェーブレット復号化装置のウェーブレット逆変換部4
は、解像度を縮小する際の当該縮小率に併せて、所定の
レベルでの高域側の信号を復号化するための構成を図6
の構成から省略(削除)すると共に、当該省略された側
の高域成分の解像度を上記縮小率で与えられる解像度よ
りも小さいか又は同値とし、また、最終段にダウンサン
プラを配置して、復号画像を間引いて最終的な復号画像
を供するようにしている。
【0060】図8には、当該第2の具体例として、図1
のウェーブレット復号化装置において原画像の3分の1
の縮小画像を復号化する場合の、ウェーブレット逆変換
部4の概略構成を示す。なお、この図8の構成におい
て、前記図7と同じ構成要素には図7と同一の指示符号
を付している。また、図8中の点線にて示す各高域側の
経路は、図6に示した通常のウェーブレット復号化装置
には設けられている経路であるが、本実施の形態のウェ
ーブレット復号化装置では省略された経路を表してい
る。
【0061】ここで、前記第1の具体例で述べた様に、
レベル3の合成用ローパスフィルタ10から出力される
信号113は原画像の4分の1の縮小画像に相当し、ま
た、レベル2の合成用ローパスフィルタ15から出力さ
れる信号114は原画像の2分の1の縮小画像に相当す
る。したがって、2分の1の縮小率 > 3分の1の縮小
率 > 4分の1の縮小率であることを利用すれば、3分
の1の帯域成分しか必要無い場合には、原画像と同じ解
像度の画像を生成するためのH信号112の帯域成分
と、2分の1の解像度の画像を生成するためのLH信号
111の帯域成分は不要となることが容易にわかる。
【0062】このようなことから、当該第2の具体例で
は、原画像の3分の1の縮小画像の復号画像信号118
を生成するために、図6のようにレベル1での高域側の
信号を復号化するための構成と、レベル2での高域側の
信号を復号化するための構成とを省略するとともに、最
終段に3分の1のダウンサンプラ24を設けるようにし
ている。
【0063】すなわち図8に示す第2の具体例のウェー
ブレット逆変換部4において、LLL信号109及びL
LH信号110は、それぞれアップサンプラ9,11に
よって2倍の解像度にアップサンプルされ、さらにそれ
ぞれ対応する合成用ローパスフィルタ10と合成用ハイ
パスフィルタ12によりフィルタリングされた後、加算
器13にて両者の帯域合成がなされる。ここまでの処理
により、レベル3の逆変換が完了する。
【0064】当該加算器13の出力信号は、アップサン
プラ14にて2倍の解像度にアップサンプルされた後、
合成用ローパスフィルタ15にてフィルタリングされ、
更にアップサンプラ19にて2倍の解像度にアップサン
プルされた後、合成用ローパスフィルタ20にてフィル
タリングされる。
【0065】この合成用ローパスフィルタ20にてフィ
ルタリングされた信号117は、ダウンサンプラ24に
て3分の1にダウンサンプル(間引き)される。
【0066】当該第2の具体例では、上記ダウンサンプ
ラ24からの出力信号118が、当該3分の1の縮小画
像の復号画像信号として出力されることになる。
【0067】この第2の具体例によれば、3分の1の縮
小画像の復号画像を生成できるだけでなく、H信号11
2用の2倍のアップサンプラ及び合成用ハイパスフィル
タ、LH信号111用の2倍のアップサンプラ及び合成
用ハイパスフィルタが不要になるので、計算量の削減が
可能になると共に、回路構成の小型化が可能となる。
【0068】また、当該第2の具体例のウェーブレット
復号化装置により得られる復号画像信号118は、前段
の処理によって2分の1の解像度の高域成分と原画像と
同じ解像度を持つ高域成分とが合成されていないので、
エリアシングといったノイズが発生することが無い。
【0069】次に、本発明実施の形態の第3の具体例の
ウェーブレット復号化装置について説明する。
【0070】当該第3の具体例においても、第2の具体
例と同様に、図1に示したウェーブレット復号化装置の
ウェーブレット逆変換部4は、解像度を縮小する際の当
該縮小率に併せて、所定のレベルでの高域側の信号を復
号化する構成を図6の構成から省略すると共に、当該省
略された側の高域成分の解像度を上記縮小率で与えられ
る解像度よりも小さいか又は同値とし、また、最終段に
ダウンサンプラを配置して、復号画像を間引いて最終的
な復号画像を供するようにしている。
【0071】図9には、当該第3の具体例として、図1
のウェーブレット復号化装置において原画像の5分の1
の縮小画像を復号化する場合の、ウェーブレット逆変換
部4の概略構成を示す。なお、この図9の構成におい
て、前記図7及び図8と同じ構成要素には図7及び図8
と同一の指示符号を付している。また、図9中の点線に
て示す各高域側の経路は、図6に示した通常のウェーブ
レット復号化装置には設けられている経路であるが、本
実施の形態のウェーブレット復号化装置では省略された
経路を表している。
【0072】ここで、前記第1の具体例で述べた様に、
レベル3の合成用ローパスフィルタ10から出力される
信号113は原画像の4分の1の縮小画像に相当し、レ
ベル2の合成用ローパスフィルタ15から出力される信
号120は原画像の2分の1の縮小画像に相当する。ま
た、前記第2の具体例で述べたことから、4分の1の縮
小率 > 5分の1の縮小率 > 8分の1の縮小率である
ことを利用すれば、5分の1の帯域成分しか必要無い場
合には、原画像と同じ解像度の画像を生成するためのH
信号112の帯域成分と、2分の1の解像度の画像を生
成するためのLH信号111の帯域成分と、4分の1の
解像度の画像を生成するためのLLH信号110の帯域
成分は不要となることが容易にわかる。
【0073】このようなことから、当該第3の具体例で
は、原画像の5分の1の縮小画像の復号画像信号122
を生成するために、図6のようにレベル1での高域側の
信号を復号化するための構成と、レベル2での高域側の
信号を復号化するための構成と、レベル3での高域側の
信号を復号化するための構成を省略するとともに、最終
段に5分の1のダウンサンプラ25を設けるようにして
いる。
【0074】すなわち図9に示す第3の具体例のウェー
ブレット逆変換部4において、LLL信号109は、ア
ップサンプラ9によって2倍の解像度にアップサンプル
され、合成用ローパスフィルタ10によりフィルタリン
グされ、更にアップサンプラ14にて2倍の解像度にア
ップサンプルされた後、合成用ローパスフィルタ15に
てフィルタリングされる。
【0075】続いて、この合成用ローパスフィルタ15
でのフィルタリング後の信号120は、更にアップサン
プラ19にて2倍の解像度にアップサンプルされた後、
合成用ローパスフィルタ20にてフィルタリングされ
る。
【0076】この合成用ローパスフィルタ20にてフィ
ルタリングされた信号121は、ダウンサンプラ25に
て5分の1にダウンサンプル(間引き)される。
【0077】当該第3の具体例では、上記ダウンサンプ
ラ25からの出力信号122が、当該5分の1の縮小画
像の復号画像信号として出力されることになる。この第
3の具体例によれば、5分の1の縮小画像の復号画像を
生成できるだけでなく、H信号112用の2倍のアップ
サンプラ及び合成用ハイパスフィルタ、LH信号111
用の2倍のアップサンプラ及び合成用ハイパスフィル
タ、LLH信号110用の2倍のアップサンプラ及び合
成用ハイパスフィルタが不要になるので、計算量の削減
が可能になると共に、回路構成の小型化が可能となる。
【0078】また、当該第3の具体例のウェーブレット
復号化装置により得られる復号画像信号122は、前段
の処理によって5分の1の解像度以上の解像度を持つ高
域成分が合成されていないので、エリアシングといった
ノイズが発生することが無い。
【0079】次に、本発明実施の形態の第4の具体例の
ウェーブレット復号化装置について説明する。
【0080】当該第4の具体例の場合、図1に示したウ
ェーブレット復号化装置のウェーブレット逆変換部4
は、前記ウェーブレット逆変換基本構成部35の後段に
アップサンプラ及び合成フィルタを配置して解像度変換
画像を生成し、その後の最終段にダウンサンプラを配置
して、復号画像を間引いて最終的な復号画像を供するよ
うにし、また、アップサンプラは解像度を縦方向または
横方向を2倍に解像度を上げ、アップサンプラ及び合成
フィルタは1組みとなされている。
【0081】図10には、当該第4の具体例として、図
1のウェーブレット復号化装置において原画像の3分の
2の縮小画像を復号化する場合の、ウェーブレット逆変
換部4の概略構成を示す。なお、この図10の構成にお
いて、前記図6と同じ構成要素には図6と同一の指示符
号を付している。また、図10中の点線にて示す高域側
の経路は、通常のウェーブレット復号化装置には設けら
れている経路であるが、本実施の形態のウェーブレット
復号化装置では省略された経路を表している。
【0082】この図10に示す第4の具体例のウェーブ
レット逆変換部4において、ウェーブレット逆変換基本
構成部35から出力された逆変換後の復号画像信号10
4は、2倍のアップサンプラ26によって2倍の解像度
にアップサンプルされ、2倍の解像度の復号画像信号1
25となされる。この2倍の解像度の復号画像信号12
5は、さらに合成用ローパスフィルタ27においてフィ
ルタリングされて、復号画像信号126が得られる。
【0083】上記復号画像信号126は、最終段で3分
の1のダウンサンプラ28で間引き処理される。これに
より、3分の2の解像度の復号画像信号127が出力さ
れる。
【0084】なお、この第4の具体例において、ウェー
ブレット逆変換基本構成部35には、前記図6の構成に
代えて、図7の構成を使用することも可能である。特
に、縮小率が1に近いときには図6の構成からなるウェ
ーブレット逆変換基本構成部35を使用するが、縮小率
が1から離れ1/2に近いときには図7の構成を使用す
ることが望ましい。
【0085】次に、本発明実施の形態の第5の具体例の
ウェーブレット復号化装置について説明する。
【0086】当該第5の具体例の場合、図1に示したウ
ェーブレット復号化装置のウェーブレット逆変換部4
は、前記ウェーブレット逆変換基本構成部35の後段に
所定の拡大率の合成画像を得るためのアップサンプラ及
び合成フィルタを配置しており、アップサンプラでは解
像度を縦方向又は横方向で解像度を2倍に上げるように
している。
【0087】図11には、当該第5の具体例として、図
1のウェーブレット復号化装置において解像度を2のべ
き乗に拡大して復号化する場合の、ウェーブレット逆変
換部4の概略構成を示す。なお、この図11の構成にお
いて、前記図10と同じ構成要素には図10と同一の指
示符号を付している。また、図11中の点線にて示す高
域側の経路は、通常のウェーブレット復号化装置には設
けられることになる経路であるが、本実施の形態のウェ
ーブレット復号化装置には設けられない経路を表してい
る。
【0088】この図11に示す第5の具体例のウェーブ
レット逆変換部4において、ウェーブレット逆変換基本
構成部35から出力された逆変換後の復号画像信号10
4は、2倍のアップサンプラ26によって2倍の解像度
にアップサンプルされ、さらに合成用ローパスフィルタ
27においてフィルタリングされて、2倍の解像度の復
号画像信号126が生成される。
【0089】上記復号画像信号126は、さらに2倍の
アップサンプラ29によって2倍にアップサンプルさ
れ、4倍の解像度の復号画像信号128となされる。こ
の復号画像信号128は、さらに合成用ローパスフィル
タ30においてフィルタリングされて、復号画像信号1
29が得られる。これにより、4倍の解像度の復号画像
信号129が出力される。
【0090】なお、この図11では図示を省略している
が、上記復号画像信号129をさらにアップサンプラ及
び合成フィルタに通せば、8倍の解像度の復号画像信号
が得られることになり、また、この8倍の解像度の復号
画像信号をさらにアップサンプラ及び合成フィルタに通
せば、16倍の解像度の復号画像信号が得られることに
なる。このようにアップサンプラ及び合成フィルタを通
す処理を繰り返せば2のべき乗倍に解像度を拡大した復
号画像信号が順次得られることになる。合成フィルタ
は、全て同じ構成からなるものを使うことができ、ハー
ドウェアで実現する場合は例えばパイプライン処理、時
分割処理によって構成を簡略化でき、また、ソフトウェ
アで実現する場合は例えばフィルタ係数の共通化が可能
となる。
【0091】この第5の具体例においては、図11に示
した通り、低域側にのみアップサンプラ及び合成用ロー
パスフィルタを配置しているが、例えば図中の点線で示
される経路の高域側の信号が何らかの手法で得られる場
合には、当該高域側の信号に対してアップサンプルと合
成用ハイパスフィルタの処理を施し、得られた信号を、
前記低域側の信号と合成することで復号画像信号を生成
するようなことも可能である。
【0092】また、当該第5の具体例においては、図1
1に示した通り、2倍のアップサンプラと合成用ローパ
スフィルタとを1組としてこれを多段構成としたが、第
6の具体例として、例えば図12に示すように、目的と
する解像度に一度に上げるためのアップサンプラ(図1
2の場合では4倍のアップサンプラ41)とそれに対応
した合成用ローパスフィルタ42とを配置する構成を取
ることもできる。
【0093】すなわち この図12に示す第6の具体例
のウェーブレット逆変換部4において、ウェーブレット
逆変換基本構成部35から出力された逆変換後の復号画
像信号104は、4倍のアップサンプラ41によって4
倍の解像度にアップサンプルされ、この画像信号133
はさらに合成用ローパスフィルタ42においてフィルタ
リングされて、4倍の解像度の復号画像信号134が生
成される。
【0094】なお、この第6の具体例のような構成は、
当該4倍以外の解像度についても同様に構成できること
は言うまでもない。
【0095】また、前記図10の合成用ローパスフィル
タ27は、前記ウェーブレット逆変換基本構成部35の
構成要素である合成用ローパスフィルタと同じ特性のフ
ィルタを用いている。他方、ウェーブレット逆変換基本
構成部35以降の後段での処理は、解像度を拡大するフ
ィルタリング処理であることに着目すれば、ウェーブレ
ット逆変換基本構成部35内部での合成用ローパスフィ
ルタよりも簡易(例えばタップ長が短い)なフィルタを
配置することが可能である。この場合、ハードウェアコ
スト(H/Wコスト)を削減できるという効果がある。
【0096】次に、本発明実施の形態の第7の具体例の
ウェーブレット復号化装置について説明する。
【0097】当該第7の具体例の場合、図1に示したウ
ェーブレット復号化装置のウェーブレット逆変換部4
は、前記ウェーブレット逆変換基本構成部35の後段に
アップサンプラ及び合成フィルタを多段に構成て解像度
を拡大した復号画像を生成し、さらに最終段にダウンサ
ンプラを配置してその復号画像を間引いて最終的な復号
画像を供するようにしている。
【0098】図13には、当該第7の具体例として、図
1のウェーブレット復号化装置において解像度をN分の
8倍にして復号化する場合の、ウェーブレット逆変換部
4の概略構成を示す。なお、この図13の構成におい
て、前記各図と同じ構成要素には各図と同一の指示符号
を付している。また、図12中の点線にて示す高域側の
経路は、通常のウェーブレット復号化装置には設けられ
ることになる経路であるが、本実施の形態のウェーブレ
ット復号化装置には設けられない経路を表している。
【0099】この図13に示す第7の具体例のウェーブ
レット逆変換部4において、ウェーブレット逆変換基本
構成部35から出力された逆変換後の復号画像信号10
4は、2倍のアップサンプラ26によって2倍の解像度
にアップサンプルされ、さらに合成用ローパスフィルタ
27においてフィルタリングされて、2倍の解像度の復
号画像信号126が生成される。
【0100】上記復号画像信号126は、さらに2倍の
アップサンプラ29によって2倍の解像度にアップサン
プルされ、4倍の解像度の復号画像信号128となされ
る。この復号画像信号128は、さらに合成用ローパス
フィルタ30においてフィルタリングされて、復号画像
信号129が得られる。
【0101】上記復号画像信号129は、さらに2倍の
アップサンプラ31によって2倍の解像度にアップサン
プルされ、8倍の解像度の復号画像信号130となされ
る。この復号画像信号130は、さらに合成用ローパス
フィルタ32においてフィルタリングされて、復号画像
信号131が得られる。
【0102】上記復号画像信号131は、最終段でN分
の1のダウンサンプラ33で間引き処理される。これに
より、N分の8の解像度の復号画像信号132が出力さ
れる。
【0103】なお、この第7の具体例では、図13に示
される通り、画像の低域側の信号経路にのみ、前記アッ
プアサンプラと合成用ローパスフィルタを配置している
が、一方で、図中点線で示される経路の高域側の信号が
何らかの手法で得られる場合には、当該高域側の信号を
アップサンプル及び合成用ハイパスフィルタに通す処理
を行い、得られた高域側の信号を、前記低域側の信号と
合成することで復号画像信号を生成することもできる。
また、この処理を多段に構成することで所定の拡大画像
が幾らでも生成することができる。
【0104】また、図13の各合成用ローパスフィルタ
は、ウェーブレット逆変換基本構成部35の構成要素で
ある合成用ローパスフィルタと同じ特性のフィルタを用
いている。他方、ウェーブレット逆変換基本構成部35
以降の後段での処理は解像度を拡大するフィルタリング
処理であることに着目すれば、ウェーブレット逆変換基
本構成部35内部での合成用ローパスフィルタよりも簡
易(例えばタップ長が短い)なフィルタを配置すること
が可能である。その場合、ハードウェアコストを削減で
きるという効果がある。
【0105】次に、本発明実施の形態の第8の具体例の
ウェーブレット復号化装置について説明する。
【0106】当該第8の具体例の場合、図1に示したウ
ェーブレット復号化装置のウェーブレット逆変換部4
は、所定の解像度変換倍率によって得られる画像よりも
大きい解像度の逆変換画像を、ディジタルフィルタ、ダ
ウンサンプラ、アップサンプラの何れか又は複数個の組
み合わせによって解像度変換するようにしている。
【0107】図14には、当該第8の具体例として、図
1のウェーブレット復号化装置において解像度を3分の
1倍に縮小して復号化する場合の、ウェーブレット逆変
換部4の概略構成を示す。なお、この図14の構成にお
いて、前記各図と同じ構成要素には各図と同一の指示符
号を付している。
【0108】ここで、当該第8の具体例と前記第2の具
体例とでは、共に3分の1の縮小率を例に挙げている
が、前述したように、第2の具体例では、2分の1の縮
小率 > 3分の1の縮小率 >4分の1の縮小率である
ことを利用して、3分の1の帯域成分しか必要無い場合
には、原画像と同じ解像度を生成するH信号112の帯
域成分と、2分の1の解像度を生成するLH信号111
の帯域成分を不要としている。
【0109】しかし、図15に示す周波数帯域図で明ら
かなように、前記第2の具体例の場合は、π/4の帯域
しか用いていないため、本来π/3までの帯域を使って
復元することが出来なく、π/3−π/4=π/12だ
けの帯域の損失(図15中の斜線部分)が生じてしま
う。これは復号画像のシャープネスの損失として検知さ
れる。なお、図15は、前記LLL信号109、LLH
信号110、LH信号111、H信号112の帯域分割
特性を示したものである。本発明は、ディジタル信号を
対象としているので、図15において、横軸は0、2π
に近づくほど低域成分、πに近づくほど高域成分を示し
ていることになる。
【0110】このようなことから、当該第8の具体例で
は、この問題を克服すべく、2/3倍フィルタ部40を
設け、損失を発生させない解像度変換を実現するように
している。
【0111】すなわち、図14に示す第8の具体例のウ
ェーブレット逆変換部4において、前記LLL信号10
9及びLLH信号110は、それぞれアップサンプラ
9,11によって2倍の解像度にアップサンプルされ、
さらにそれぞれ対応する合成用ローパスフィルタ10と
合成用ハイパスフィルタ12によりフィルタリングされ
た後、加算器13にて両者の帯域合成がなされる。ここ
までの処理により、レベル3の逆変換が完了する。
【0112】また、加算器13からの信号135とLH
信号111は、それぞれアップサンプラ14,16によ
って2倍の解像度にアップサンプルされ、さらにそれぞ
れ対応する合成用ローパスフィルタ15と合成用ハイパ
スフィルタ17によりフィルタリングされた後、それら
信号114,136が加算器18にて帯域合成される。
ここまでの処理により、レベル2の逆変換が完了する。
なお、当該加算器18から出力される信号137が持つ
周波数帯域は、図15で示す様にπ/2に相当する。こ
の加算器18から出力された信号137は、2/3倍フ
ィルタ部40に送られる。
【0113】当該2/3倍フィルタ部40では、先ず、
上記信号137をアップサンプラ43によって2倍の解
像度にアップサンプルする。このアップサンプラ43に
てアップサンプルされた信号138は、さらに3分の2
倍の解像度変換に対応したディジタルフィルタ44にて
フィルタリングされる。
【0114】このディジタルフィルタ44でのフィルタ
リングにより得られたフィルタ済み信号139は、その
後、ダウンサンプラ45によって3分の1倍の解像度に
ダウンサンプル(間引き)され、このダウンサンプラ4
5の出力信号が3分の1倍の解像度に縮小された復号画
像信号140として出力される。
【0115】次に、上記ディジタルフィルタ44の具体
的な構成及び動作について、以下に詳細に説明する。
【0116】ここで、通常、ディジタルフィルタは、複
数個のフィルタ係数(インパルス応答)を持っている。
これらの係数長をタップ長と言い、このフィルタ係数群
で示されるものを伝達関数と呼ぶ。従って、一般にディ
ジタルフィルタの特性を決定するのは、この伝達関数を
どの様に決めるかである。しかし、本発明が目的とする
ディジタルフィルタでは、非整数を含む任意有理数倍の
解像度変換を行うため、リンギングやチェス歪みといっ
た雑音を発生する可能性がある。そのため、これを解決
した形の伝達関数を設定する必要がある。
【0117】上記ディジタルフィルタ44の伝達関数を
G(z)とし、これがアップサンプル用の伝達関数をG
U(z)とダウンサンプル用の伝達関数をGD(z)とから下記
式(1)のように表されるとする。
【0118】 G(z)= GU(z)×GD(z) (1) この式(1)の形式にするのは、解像度変換倍率がU/
D倍であるとして、U<Dの場合である。
【0119】次に、式(1)の各構成である各伝達関数
は下記式(2)、式(3)で与えられる。
【0120】 GU(z)=1+z-1+z-2+z-3+・・・+z-(U-1) (2) GD(z)=(1+z-1+z-2+z-3+・・・+z-(D-1))/D (3) 以上により、逆変換後の信号137を、2/3倍フィル
タ部40により3分の2倍に解像度変換することができ
る。
【0121】なお、第8の具体例では、3分の1の解像
度変換倍率よりも大きく且つ最も近い倍率として2分の
1の解像度で逆変換された画像を元にして、これを3分
の2倍に解像度変換するようにしているが、完全な逆変
換再構成画像である前記復号画像信号104を元にし
て、3分の1倍に解像度変換することも可能であること
は自明である。ただし、通常は計算処理の省略化の点か
ら言うと、解像度変換される前の逆変換画像は、所定の
解像度変換倍率によって得られる画像よりも大きく且つ
最も解像度変換倍率が近い倍率で逆変換されたものであ
ることが望ましい。
【0122】また、第8の具体例の構成は、冗長性を除
去した利点がある。これは、通常U/D倍の解像度変換
をする場合、U倍の解像度の画像を一度生成し、これを
中間画像としてさらに1/Dに解像度変換して最終的な
U/D倍の画像を得るが、その場合、U倍の画像を記憶
する広大なメモリが必要となるからである。しかし、当
該第8の具体例では、U/D倍の解像度変換倍率に合わ
せたディジタルフィルタを用意することで、完全に冗長
度が省略できている特徴がある。
【0123】次に、本発明実施の形態の第9の具体例の
ウェーブレット復号化装置について説明する。
【0124】当該第9の具体例の場合、図1に示したウ
ェーブレット復号化装置のウェーブレット逆変換部4
は、所定の解像度変換倍率によって得られる画像よりも
大きい解像度の逆変換画像を、ディジタルフィルタ、ダ
ウンサンプラ、アップサンプラの何れか又は複数個の組
み合わせによって解像度変換するようにしている。
【0125】図16には、当該第9の具体例として、図
1のウェーブレット復号化装置において解像度を5分の
1倍に縮小して復号化する場合の、ウェーブレット逆変
換部4の概略構成を示す。なお、この図16の構成にお
いて、前記各図と同じ構成要素には各図と同一の指示符
号を付している。
【0126】ここで、当該第9の具体例と前記第3の具
体例とでは、共に5分の1の縮小率を例に挙げている
が、前述したように、第3の具体例では、4分の1の縮
小率 > 5分の1の縮小率 > 8分の1の縮小率である
ことを利用して、5分の1の帯域成分しか必要無い場合
には、原画像と同じ解像度を生成するH信号112の帯
域成分と、2分の1の解像度を生成するLH信号111
の帯域成分と、4分の1の解像度を生成するLLH信号
110の帯域成分を不要として省略している。
【0127】しかし、図17の周波数帯域図で明らかな
ように、前記第3の具体例の場合は、π/8の帯域しか
用いていないため、本来π/5までの帯域を使って復元
することが出来なく、π/5−π/8=3π/40だけ
の帯域の損失(図17中の斜線部分)が生じてしまう。
これは復号画像のシャープネスの損失として検知され
る。
【0128】このようなことから、当該第9の具体例で
は、この問題を克服すべく、4/5倍フィルタ部49を
設け、損失を発生させない解像度変換を実現するように
している。
【0129】すなわち、図16に示す第9の具体例のウ
ェーブレット逆変換部4において、前記LLL信号10
9及びLLH信号110は、それぞれアップサンプラ
9,11によって2倍の解像度にアップサンプルされ、
さらにそれぞれ対応する合成用ローパスフィルタ10と
合成用ハイパスフィルタ12によりフィルタリングされ
た後、加算器13にて両者の帯域合成がなされる。ここ
までの処理により、4分の1の解像度に相当する信号1
35が生成される。なお、当該加算器13から出力され
る信号135が持つ周波数帯域は、図17で示す様にπ
/4に相当する。この加算器13から出力された信号1
35は、4/5倍フィルタ部49に送られる。
【0130】当該4/5倍フィルタ部49では、先ず、
上記信号135をアップサンプラ46によって4倍の解
像度にアップサンプルする。このアップサンプラ46に
てアップサンプルされた信号141は、さらに5分の4
倍の解像度変換に対応したディジタルフィルタ47にて
フィルタリングされる。
【0131】このディジタルフィルタ47でのフィルタ
リングにより得られたフィルタ済み信号142は、その
後、ダウンサンプラ48によって5分の1倍の解像度に
ダウンサンプル(間引き)され、このダウンサンプラ4
8の出力が5分の4倍の解像度に縮小された復号画像信
号143として出力される。
【0132】なお、上記ディジタルフィルタ47の伝達
関数は、前述した式(1)、式(2)、式(3)に従っ
て計算すれば良い。但し、この第9の具体例の場合は、
U=4、D=5でU<Dである。
【0133】次に、本発明実施の形態の第10の具体例
のウェーブレット復号化装置について説明する。
【0134】当該第10の具体例の場合、図1に示した
ウェーブレット復号化装置のウェーブレット逆変換部4
は、所定の解像度変換倍率によって得られる画像よりも
大きい解像度の逆変換画像を、ディジタルフィルタ、ダ
ウンサンプラ、アップサンプラの何れか又は複数個の組
み合わせによって解像度変換するようにしている。
【0135】図18には、当該第10の具体例として、
図1のウェーブレット復号化装置において解像度を3分
の2倍に縮小して復号化する場合の、ウェーブレット逆
変換部4の概略構成を示す。なお、この図18の構成に
おいて、前記各図と同じ構成要素にはそれぞれ同一の指
示符号を付している。
【0136】この図18に示す第10の具体例のウェー
ブレット逆変換部4において、ウェーブレット逆変換基
本構成部35から出力された逆変換後の復号画像信号1
04は、前記図14の場合と同じ構成の2/3倍フィル
タ部40に送られる。
【0137】当該2/3倍フィルタ部40では、上記ウ
ェーブレット逆変換基本構成部35にて最後まで逆変換
再構成された復号画像信号104をアップサンプラ43
によって2倍の解像度にアップサンプルし、そのアップ
サンプル信号144をさらに3分の2倍の解像度変換に
対応したディジタルフィルタ44にてフィルタリングす
る。その後、このディジタルフィルタ44からのフィル
タ済み信号145は、ダウンサンプラ45によって3分
の1倍の解像度にダウンサンプル(間引き)され、3分
の2倍の解像度に縮小された復号画像信号146として
出力される。
【0138】次に、本発明実施の形態の第11の具体例
のウェーブレット復号化装置について説明する。
【0139】当該第11の具体例の場合、図1に示した
ウェーブレット復号化装置のウェーブレット逆変換部4
は、所定の解像度変換倍率によって得られる画像よりも
大きい解像度の逆変換画像を、ディジタルフィルタ、ダ
ウンサンプラ、アップサンプラの何れか又は複数個の組
み合わせによって解像度変換するようにしている。
【0140】図19には、当該第11の具体例として、
図1のウェーブレット復号化装置において解像度を3分
の5倍に拡大して復号化する場合の、ウェーブレット逆
変換部4の概略構成を示す。なお、この図19の構成に
おいて、前記各図と同じ構成要素にはそれぞれ同一の指
示符号を付している。
【0141】この図19に示す第11の具体例のウェー
ブレット逆変換部4において、ウェーブレット逆変換基
本構成部35から出力された逆変換後の復号画像信号1
04は、5/3倍フィルタ部50に送られる。
【0142】当該5/3倍フィルタ部50では、上記ウ
ェーブレット逆変換基本構成部35にて最後まで逆変換
再構成された復号画像信号104をアップサンプラ52
によって5倍の解像度にアップサンプルし、そのアップ
サンプル信号147をさらに3分の5倍の解像度変換に
対応したディジタルフィルタ53にてフィルタリングす
る。その後、このディジタルフィルタ53からのフィル
タ済み信号148は、ダウンサンプラ54によって3分
の1倍の解像度にダウンサンプル(間引き)される。こ
れにより、3分の5倍の解像度に拡大された復号画像信
号149が生成されることになる。
【0143】ここで、当該第11の具体例にて使用する
ディジタルフィルタ53の伝達関数について説明する。
【0144】この第11の具体例の場合、U>Dである
ので、ディジタルフィルタ53の伝達関数としては、前
記第8の具体例で述べた式(2)、式(3)の伝達関数
を用いることはできない。従って、当該第11の具体例
では、例えば下記の式(4)の構成を取るようにしてい
る。これは、画素繰り返し(零次ホールドとも呼ぶ)の
伝達関数の乗算で表されることを意味している。
【0145】 G(z)=GU(z)×GU(z-1)/U (4) 但し、GU(z)は以下の式(5),式(6)で表される。
【0146】 GU(z)=1+z-1+z-2+z-3+・・・+z-(U-1) (5) GU(z-1)=1+z+z2+z3+・・・+z(U-1) (6) 式(4)の結果は結局、直線補間を意味している。なぜ
ならば、例えばU=2の場合には、 G(z)=(1+z)(1+z-1)/2=(z+2+
-1)/2 となり、これはフィルタの次数が3次で、係数が(1/
2,1,1/2)であるから明らかに直線補間であるこ
とを示している。Uが2以外でも同様の結果になること
は自明である。
【0147】上述したように、本発明実施の形態におい
ては、復号化器(デコーダ)でウェーブレット逆変換を
行う過程において生成される帯域分割された画像を、任
意有理数の解像度でデコードすることが可能である。言
い換えると、本実施の形態によれば、従来は2のべき乗
でしか実現されていなかった解像度変換を伴うウェーブ
レット復号化を実現することが可能である。したがっ
て、端末側の制約条件に左右されることが無く、その結
果として当該任意有理数の解像度変換された画像を例え
ば電子スチルカメラやプリンタ等に記憶・表示でき、各
種の製品への使用用途を大幅に広げることが可能であ
る。
【0148】ここで、例えば縮小の場合には、縮小率で
与えられる以下の高域成分を復号化のプロセスから省略
することにより、計算量を削減することが可能である。
従って、ハードウェア化した際のコスト減につながる。
さらに、高域のシャットアウトによりエリアシングの発
生を防止することができるので、高画質な復号画像を得
ることもできるという効果がある。
【0149】一方、拡大の場合には、ウェーブレット逆
変換基本構成部を設け、その後段に所定の解像度変換率
に応じて、アップサンプラ及び合成用ローパスフィルタ
及びダウンサンプラを配置することで解像度変換を伴う
ウェーブレット復号化を実現することができる。また、
該ウェーブレット逆変換基本構成部よりも簡易な合成用
ローパスフィルタを配置することで、復号画像の画質を
維持しながら、計算コスト並びにハードウェアコストを
削減する効果もある。
【0150】また、本発明の全ての実施の形態に共通し
ている事項として、ウェーブレット符号化装置側には一
切制約条件が無いことである。従って、通常の最も一般
的なウェーブレット変換及びウェーブレット符号化装置
で生成された符号化ビットストリームを入力して、任意
有理数の解像度変換を伴うウェーブレット復号画像を得
ることができるという効果もある。
【0151】また、本実施の形態によれば、目的とする
解像度よりも大きい所定のレベル数までのウェーブレッ
ト逆変換を行って復号された画像を元に、これにアップ
サンプラ、ディジタルフィルタ、ダウンサンプラの各構
成部位による処理を加えて、所定の解像度変換画像を生
成するので、冗長度が省略されているため、ハードウェ
ア規模または計算量が削減できるという効果がある。
【0152】
【発明の効果】本発明のウェーブレット復号化装置及び
方法においては、ウェーブレット逆変換の際に、複数の
アップサンプラ及び合成フィルタからなるウェーブレッ
ト逆変換基本構成のうち、高域成分の復号化を行うアッ
プサンプラ及び合成フィルタにおけるアップサンプリン
グ処理及び合成フィルタリング処理の所定レベルの該高
域成分を省略して所望の解像度変換倍率に応じた画像を
生成し、さらにダウンサンプラにおけるダウンサンプリ
ング処理によって上記所望の解像度変換倍率に応じた画
像を間引いて、所望の大きさの復号画像を供するように
したことにより、変換方式にウェーブレット変換を用い
て圧縮符号化がなされた画像信号を、端末側の制約条件
に左右されること無く、任意有理数の解像度でデコード
(復号化)可能とし、その結果として、例えば電子スチ
ルカメラやプリンタ等で多用されるいわゆるサムネイル
画像や原画像を解像度変換した画像(縮小又は拡大した
画像)の記憶・表示を効率的に行えるようにし、各種の
製品への使用用途を大幅に広げることが可能となってい
る。
【0153】すなわち本発明によれば、必要に応じて画
像メモリ内に記憶された帯域画像をサムネイル画像また
は縮小画像として画面表示できるので、帯域分割画像を
生成する過程と符号化を行う過程とを共通化すること
で、処理の効率化が実現できるという効果がある。従っ
て、特別に、サムネイル画像等を生成する回路が必要無
いので、ハードウェア規模の削減という効果もある。さ
らに、例えば外部記憶媒体を本発明装置に付加して、こ
れに符号化ビットストリームを記憶・保持させることに
より、多くの画像の符号化ビットストリームを該外部記
憶媒体に記憶・保持させることができる。また、常にサ
ムネイル画像または縮小画像を画像メモリに記憶・保持
させておく必要がないので、見たいサムネイル画像また
は縮小画像の符号化ビットストリームを、外部記憶媒体
から随時読み出して、復号化して画面表示すれば良いの
で、使用効率が向上する効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態のウェーブレット復号化装置
の全体構成を示すブロック回路図である。
【図2】本発明実施の形態のウェーブレット復号化装置
に対応するウェーブレット符号化装置の全体構成を示す
ブロック回路図である。
【図3】通常のウェーブレット変換部の基本構成(レベ
ル3まで)を示すブロック回路図である。
【図4】2次元画像の帯域分割(分割レベル=2)を示
す図である。
【図5】実際の画像に対して帯域分割(分割レベル=
2)した場合の各帯域画像を示す図である。
【図6】通常のウェーブレット逆変換部の基本構成(レ
ベル3まで)を示すブロック回路図である。
【図7】第1の具体例として、2のべき乗分の1倍の解
像度変換を伴うウェーブレット逆変換部の構成を示すブ
ロック回路図である。
【図8】第2の具体例として、3分の1倍の解像度変換
を伴うウェーブレット逆変換部の構成を示すブロック回
路図である。
【図9】第3の具体例として、5分の1倍の解像度変換
を伴うウェーブレット逆変換部の構成を示すブロック回
路図である。
【図10】第4の具体例として、3分の2倍の解像度変
換を伴うウェーブレット逆変換部の構成を示すブロック
回路図である。
【図11】第5の具体例として、2のべき乗倍の解像度
変換を伴うウェーブレット逆変換部の構成を示すブロッ
ク回路図である。
【図12】第6の具体例として、4倍の解像度変換を伴
うウェーブレット逆変換部の構成例を示すブロック回路
図である。
【図13】第7の具体例として、N分の8倍の解像度変
換を伴うウェーブレット逆変換部の構成を示すブロック
回路図である。
【図14】第8の具体例として、3分の1倍の解像度変
換を伴うウェーブレット逆変換部の構成を示すブロック
回路図である。
【図15】第2の具体例の場合の周波数帯域を示す図で
ある。
【図16】第9の具体例として、5分の1倍の解像度変
換を伴うウェーブレット逆変換部の構成を示すブロック
回路図である。
【図17】第3の具体例の場合の周波数帯域を示す図で
ある。
【図18】第10の具体例として、3分の2倍の解像度
変換を伴うウェーブレット逆変換部の構成を示すブロッ
ク回路図である。
【図19】第11の具体例として、3分の5倍の解像度
変換を伴うウェーブレット逆変換部の構成を示すブロッ
ク回路図である。
【符号の説明】
1 エントロピー復号化部、 2 逆量子化部、 3
変換係数逆スキャニング部、 4 ウェーブレット逆変
換部、 5 ウェーブレット変換部、 6 変換係数ス
キャニング部、 7 量子化部、 8 エントロピー符
号化部、 9,11,14,16,19,21,26,
29,31,43 2倍のアップサンプラ、 10,1
5,20,27,30,32,42 合成用ローパスフ
ィルタ、12,17,22 合成用ハイパスフィルタ、
13,18,23 加算器、81,85,89 分析
用ローパスフィルタ、 82,86,90 分析用ハイ
パスフィルタ、 35 ウェーブレット逆変換基本構成
部、 83,84,87,88,91,92 2分の1
倍のダウンサンプラ、 24,28,45,54 3分
の1倍のダウンサンプラ、 25,48 5分の1倍の
ダウンサンプラ、 33 N分の1倍のダウンサンプ
ラ、 41,46 4倍のアップサンプラ、 40 2
/3倍フィルタ部、 44 2/3倍の解像度変換に合
わせたディジタルフィルタ、 49 4/5倍フィルタ
部、 47 4/5倍の解像度変換に合わせたディジタ
ルフィルタ、 50 5/3倍フィルタ部、 53 5
/3倍の解像度変換に合わせたディジタルフィルタ、
52 5倍のアップサンプラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 貴家 仁志 東京都八王子市南大沢1−1 東京都立 大学工学部電子情報工学科内 (56)参考文献 阿部淑人、菊池久和、佐々木重信,高 精細画像の多重解像度階層符号化,画像 符号化シンポジウム 第10回シンポジウ ム資料,電子情報通信学会画像工学研究 専門委員会,1995年10月 2日,p. 119−120 貴家仁志、村松正吾,マルチメディア 技術の基礎 DCT入門,CQ出版株式 会社,1997年 9月20日,p.142−144 貴家仁志,マルチレート信号処理,株 式会社昭晃堂,1995年10月 6日,p. 42−49 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 7/24 - 7/68 H04N 1/41

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 符号化ビットストリームをエントロピー
    復号化して量子化係数を送出するエントロピー復号化手
    段と、 上記量子化係数を逆量子化して変換係数を送出する逆量
    子化手段と、 上記変換係数を所定の方法でスキャニングして変換係数
    を並び換える変換係数逆スキャニング手段と、 解像度変換によって、上記並び換えられた変換係数の少
    なくとも一部のレベルの低域側の信号を逆変換して復号
    画像を供するウェーブレット逆変換手段とを備え、 上記ウェーブレット逆変換手段は、複数のアップサンプ
    ラ及び合成フィルタからなるウェーブレット逆変換基本
    構成のうち、高域成分の復号化を行うアップサンプラ
    び合成フィルタにおけるアップサンプリング処理及び合
    成フィルタリング処理の所定レベルの該高域成分を省略
    して所望の解像度変換倍率に応じた画像を生成し、さら
    にダウンサンプラにおけるダウンサンプリング処理によ
    って上記所望の解像度変換倍率に応じた画像を間引い
    て、所望の大きさの上記復号画像を供することを特徴と
    するウェーブレット復号化装置。
  2. 【請求項2】 符号化ビットストリームをエントロピー
    復号化して量子化係数を送出し、 上記量子化係数を逆量子化して変換係数を送出し、 上記変換係数を所定の方法でスキャニングして変換係数
    を並び換え、 解像度変換によって、上記並び換えられた変換係数の少
    なくとも一部のレベルの低域側の信号をウェーブレット
    逆変換して復号画像を生成し、 上記ウェーブレット逆変換の際には、複数のアップサン
    プラ及び合成フィルタからなるウェーブレット逆変換基
    本構成のうち、高域成分の復号化を行うアップサンプラ
    及び合成フィルタにおけるアップサンプリング処理及び
    合成フィルタリング処理の所定レベルの該高域成分を
    略して所望の解像度変換倍率に応じた画像を生成し、さ
    らにダウンサンプラにおけるダウンサンプリング処理に
    よって上記所望の解像度変換倍率に応じた画像を間引い
    て、所望の大きさの上記復号画像を供することを特徴と
    するウェーブレット復号化方法。
  3. 【請求項3】 上記所望の解像度変換倍率に応じた画像
    の解像度は、省略された高域成分の解像度よりも大きい
    か又は同値であることを特徴とする請求項2記載のウェ
    ーブレット復号化方法。
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