JP3464710B2 - 生化学分析装置 - Google Patents
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Description
マウントを有しない乾式分析フイルム片の試薬層(展開
層)に点着し、試料液に含まれる所定の生化学物質と試
薬層との化学反応または免疫反応等による光学濃度変化
から生化学物質の濃度を測定する生化学分析装置に関す
るものである。
だけでこの試料液中に含まれている特定の化学成分また
は有形成分を定量分析することのできるドライタイプの
化学分析スライドが実用化されている。また、このよう
な化学分析スライドを用いて試料液中の化学成分等の定
量的な分析を行うには、試料液を化学分析スライドに点
着させた後、これをインキュベータ(恒温器)内で所定
時間恒温保持(インキュベーション)して呈色反応(色
素生成反応)させ、次いで試料液中の所定の生化学物質
と化学分析スライドに含まれる試薬との組み合わせによ
り予め選定された波長を含む測定用照射光をこの化学分
析スライドに照射してその光学濃度を測定し、この光学
濃度から、あらかじめ求めておいた光学濃度と所定の生
化学物質の物質濃度との対応を表わす検量線を用いて該
試料液中の所定の生化学物質の物質濃度を求めるように
構成された生化学分析装置が用いられる。
は、プラスチック等からなる支持体上に試薬を含有した
試薬層と展開層を設けてなる乾式分析フイルム片をプラ
スチック製のマウントによって挾持することにより、乾
燥すると反りやすい乾式分析フイルム片が平面状態を保
持するように構成されている。
イドは、前記のような生化学分析装置において試料液の
点着からインキュベータによる恒温保持を行うについて
順次搬送されるものであるが、その搬送は、例えば、往
復運動を行う爪によって行う技術が、米国特許第4,296,
069 号、同第4,568,519 号明細書等に開示されている。
そして、上記のような搬送機構による搬送が行えるよう
にするためにも前記化学分析スライドにはマウントが設
けられているものである。
な乾式分析フイルム片にマウントを設けた化学分析スラ
イドを使用するものでは、この化学分析スライドを収容
して恒温保持するインキュベータのセル等の各部におい
て、乾式分析フイルム片に対してマウントが設けられて
いる分だけ機構が大きくなり、分析装置のコンパクト化
を図る際の障害となり、また、インキュベータでの収容
フイルム数の減少は生化学分析装置全体としての処理能
力の増大が得られないものである。
除去して乾式分析フイルム片単体で生化学分析装置に使
用することを想定した場合に、その分析の自動化のため
にも乾式分析フイルム片のインキュベータへの搬送およ
び恒温保持が確実に行えるようにする必要があるが、前
述のように乾燥状態の乾式分析フイルム片は瓦状に湾曲
(カール)しやすく、試料液の点着に応じて湾曲程度が
変化するするものであって、この乾式分析フイルム片に
正確に試料液を点着するとともに、点着され展開する試
料液に触れることなく乾式分析フイルム片をインキュベ
ータに搬送し、さらに、該インキュベータ内で乾式分析
フイルム片を平坦状態に保持して測光を行うとともに、
密閉状態に保持する必要がある。
ている状態で測光を行うと、平坦なものとの測定誤差が
大きくなり、また、カールしているものと平坦なものと
では加熱時の温度上昇に差が生じ、呈色反応の進行速度
が相違して測定誤差を生起することから、平坦な状態で
測定する必要がある。さらに、点着後の乾式分析フイル
ム片を試料液に触れた状態で保持して搬送すると、この
搬送具に付着した試料液が次に保持した乾式分析フイル
ム片の試薬層(展開層)に展開して、この試薬層を汚染
し測定精度に悪影響を与えることになる。
体底面を吸着保持した状態で、インキュベータに搬送し
セル内に挿入するように設けると、このインキュベータ
には吸着具が移動する通路を開口しなければならず、こ
の通路に対して密閉状態で乾式分析フイルム片を収容し
てインキュベーションを行うことが困難となる問題を有
している。密閉状態でないと試料液の蒸発もしくは気化
ガスの汚染により測定精度が低下することになる。
析フイルム片をフイルム収納手段から取り出して試料液
の点着を行ってからインキュベータに搬送する場合に、
その搬送機構をフイルム収納手段とインキュベータとの
間に設置して、化学分析スライドまたは乾式分析フイル
ム片を直線的に搬送するものでは、前記フイルム収納手
段とインキュベータとの設置間隔が広くなって生化学分
析装置の全体構成が大型化することになる。
なされたもので、マウントを有しない乾式分析フイルム
片を試料液による汚染を生じることなくインキュベータ
に搬送し、密閉状態でインキュベーションが行えるよう
にした生化学分析装置を提供することを目的とするもの
である。
本発明の生化学分析装置は、支持体上に試薬層を設けて
なるマウントを有しない乾式分析フイルム片をカートリ
ッジに積層収容し、上記カートリッジから取り出された
乾式分析フイルム片に試料液を点着し、点着後の乾式分
析フイルム片をインキュベータに搬送して恒温保持し、
試料液中の生化学物質と試薬層との化学反応による生化
学物質の濃度を測定するものであって、前記インキュベ
ータは乾式分析フイルム片が挿入可能なセルを有し、前
記カートリッジから取り出された乾式分析フイルム片を
移し替えて前記インキュベータのセルに挿入可能に保持
する移載手段と、該移載手段に保持された状態で前記イ
ンキュベータのセル内に挿入された乾式分析フイルム片
を、上記セルの下方から進入して保持する保持手段と、
前記移載手段がインキュベータから後退した状態で前記
保持手段に保持されている乾式分析フイルム片の隅角部
のみをセル底面に押圧固定する固定手段と、該固定手段
で固定された乾式分析フイルム片を密閉状態で覆う密閉
手段とを備えたことを特徴とするものである。
乾式分析フイルム片を吸引保持する略馬蹄形の移載部材
を備えている。さらに、前記保持手段は、インキュベー
タのセルの下面に開口した測光窓から該セル内に昇降移
動する吸着部材で構成されている。
ータセルの底面は、所定間隔で測光窓が開口された上面
が平坦な基盤で構成するのが好適である。
ッジから乾式分析フイルム片を取り出し搬送するフイル
ム取出手段をさらに備え、前記移載手段は前記フイルム
取出手段によって取り出された乾式分析フイルム片を移
し替えて前記インキュベータに搬送挿入するものであ
り、前記フイルム取出手段による前記乾式分析フイルム
片の搬送方向と前記移載手段による乾式分析フイルム片
の搬送方向とが異なっているように設けるのが好適であ
る。
析フイルム片の搬送方向と前記移載手段による乾式分析
フイルム片の搬送方向とを直交させるのが好ましい。一
方、前記フイルム取出手段の搬送方向と前記移載手段の
搬送方向との交点の近傍で試料液を点着するのが好適で
ある。さらに、前記フイルム取出手段を吸着部材で前記
移載手段を略馬蹄形の移載部材で構成するのが好適であ
る。
では、カートリッジに収容した乾式分析フイルム片は取
り出された後、試薬層を上側にして移載手段に移し替え
られてその試薬層に試料液が点着され、点着後の乾式分
析フイルム片は移載手段によってインキュベータのセル
に挿入され、該セル内で移載手段に保持されている乾式
分析フイルム片はセルの下方から進入した保持手段で保
持された後、上記移載手段がインキュベータから後退
し、前記保持手段は乾式分析フイルム片をセル内の所定
位置にセットして後退するものであり、このセル内で乾
式分析フイルム片の隅角部のみをセル底面に固定手段で
押圧固定し、密閉手段で乾式分析フイルム片を密閉状態
で覆って所定のインキュベーションが確実に行われ、セ
ル底部の測光窓を通して乾式分析フイルム片の呈色反応
を測定するものである。
度の低下を招くことなくインキュベータへの挿入および
インキュベーション、測定を行って、上記マウントを有
しない乾式分析フイルム片が使用できるものであり、こ
の乾式分析フイルム片のマウントを不要とした寸法の小
形化によって、生化学分析装置の各装置の大きさが小さ
くなりコンパクト化が図れるとともに、マウントの排除
に伴って分析コストの低減が図れる。
構成し、前記保持手段をセルの測光窓から昇降移動する
吸着部材で構成すると、簡易な構造で所期の乾式分析フ
イルム片の搬送が行えるものである。さらに、前記イン
キュベータのセル底面を平坦面に構成すると、クリーニ
ングが極めて容易に行えるものである。
から乾式分析フイルム片を取り出し搬送するフイルム取
出手段の搬送方向と、フイルム取出手段によって取り出
した乾式分析フイルム片を移し替えてインキュベータに
搬送挿入する移載手段の搬送方向とが異なるようにした
ものでは、フイルム収納手段とインキュベータとの間に
搬送機構を設置しないことで、両者を密に並べて設置す
ることができ、生化学分析装置としての全体構成のコン
パクト化が図れる。特に、両者の搬送方向を直交させた
ものでは、フイルム取出手段と移載手段とによる乾式分
析フイルム片の保持位置を回転させることなく移載して
搬送することが可能であり、機構の簡素化が得られる。
移載手段の搬送方向との交点の近傍で試料液を点着する
ものでは、点着機構がフイルム収納手段およびインキュ
ベータに干渉しないように設置でき、より一層全体のレ
イアウトが良好に行える。さらに、フイルム取出手段を
吸着部材で移載手段を略馬蹄形の移載部材でそれぞれ構
成すると、乾式分析フイルム片を回転させることなく搬
送方向を直角に変更することが容易に行え、移し替えの
機構が簡素化できるものである。
る。図1は一実施例の生化学分析装置の概略機構を示す
斜視図である。
式分析フイルム片1を貯蔵しているフイルム収納手段11
(フイルムサプライヤ)と、上記フイルム収納手段11の
側方に配設され乾式分析フイルム片1を所定時間恒温保
持するインキュベータ12と、前記フイルム収納手段11か
らインキュベータ12に乾式分析フイルム片1を搬送する
フイルム搬送手段13と、たとえば血清,尿等の複数の試
料液を収容する試料液収容手段14(サンプラ)と、試料
液収容手段14の試料液をフイルム搬送手段13による搬送
途中の乾式分析フイルム片1に点着する点着手段15と、
インキュベータ12の下方に配設された測定手段16とを備
えている。
ように、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)
等のプラスチックフイルムによる光透過性支持体1a(ベ
ースフイルム)上に展開層を含む試薬層1bが積層されて
いる。また、必要に応じてその試薬層1b上に布等の繊維
質素材による耐磨耗性の保護層(図示せず)が積層され
るか、保護層が展開層を兼ねるように構成されたもので
もよい。
燥状態においては試薬層1bを内側にして湾曲した形状と
なる傾向にあり、その湾曲程度は試薬層1bの種類、乾燥
程度によって異なる。この乾式分析フイルム片1の試薬
層1bは、点着手段15のノズルチップ88より滴下された試
料液の所定成分と混合されると、所定時間恒温保持(イ
ンキュベーション)後に呈色反応(色素生成反応)を生
じる試薬(化学分析試薬または免疫分析試薬が含まれて
いる)を含有しており、測定項目に対応して試料液中の
測定したい化学成分または有形成分毎に設定された試薬
層1bを有する乾式分析フイルム片1が複数の種類用意さ
れている。
図3に示すようなカートリッジ20内に収容される。該カ
ートリッジ20は、内部に多数の乾式分析フイルム片1を
光透過性支持体1aを下にして積み重ねた状態で収容し
て、前記図1のように、フイルム収納手段11の円盤状の
架体22に配設された内周側もしくは外周側のカートリッ
ジ収納部22a に複数並列に装填されている。上記架体22
は基部24に回転可能に支持され、基部24に設置された図
示しないサプライヤモータによって回転駆動され、所定
のカートリッジ収納部22a がフイルム搬送手段13に対応
する取出位置に停止するように制御される。
25が配設されて内部が密閉され、上面に配設された開閉
蓋を有する挿入口25a から、前記カートリッジ20の挿
入、取出しを行うように設けられている。また、上記架
体22の中心部分には除湿剤収容部27が設けられ、該除湿
剤収容部27にはカバー25上面の中心部に形成された開閉
蓋を有する投入口25b から除湿剤が装填され、このフイ
ルム収納手段11の内部が低湿度の乾燥状態に保たれる。
バー25の下面の取出位置にはフイルム取出口(図示せ
ず)が開口され、該フイルム取出口には各カートリッジ
20から所定の乾式分析フイルム片1を取り出す際に開く
開閉シャッター(図示せず)が設けられ、該シャッター
を通して挿入されたフイルム搬送手段13におけるフイル
ム取出手段としての取出用吸盤70によってカートリッジ
20の最下段の乾式分析フイルム片1が外部に取り出され
る。
出用の開口20a (図3参照)が架体22の中心方向に向く
ように装填され、底面のフイルム取出口は半径方向に長
い開口形状に設けられ、取出用吸盤70が該フイルム取出
口から挿入され、カートリッジ20の底部から最下部の乾
式分析フイルム片1を吸着保持した後、架体22の中心方
向に移動して乾式分析フイルム片1の引き出しを可能と
している。
が中心下部の回転駆動機構41によって回転自在に支持さ
れ、上記本体40の円周上には所定間隔で前記乾式分析フ
イルム片1を収容するセル42が複数配設され、このセル
42内で乾式分析フイルム片1がインキュベーションされ
る。
いし図8に示すように、前記本体40は下部の上面が平坦
な金属製の下ディスク45と、該下ディスク45上に配設さ
れ止めネジ47によって締結された金属製の上ディスク46
を有する。上ディスク46は外周部分が上方に環状に膨出
して形成され、外周下端部と下ディスク45の上面との間
にはセル42の側方開口部42a となる隙間が形成されてい
る。上記下ディスク45と上ディスク46との間にはヒータ
48が内蔵され、両ディスク45,46 は熱伝導性の高い材料
(例えばアルミニウム)で形成され、セル42近傍の下デ
ィスク45に配設された温度センサ49(図5参照)の検出
に基づいて、乾式分析フイルム片1を所定温度(たとえ
ば37℃)に加熱保持する。また、上ディスク46および下
ディスク45の外表面部分には断熱材51,52 が被覆されて
いる。
面に配設された軸受50によってベース53に対して回転自
在に支承されるとともに、その中心部に設けられた回転
軸45a にギヤ54が固着され、このギヤ54にディスクドラ
イブモータ55の駆動ギヤ56が噛合されて回転駆動が行わ
れる。
上記下ディスク45にセル42の形成位置に対応して所定間
隔で測光窓59が開口され、この測光窓59上部には、該セ
ル42内に挿入された乾式分析フイルム片1を所定位置に
固定する固定手段としてのフイルム押え61が配設される
とともに、乾式分析フイルム片1を密閉状態で覆う密閉
手段としてのセルカバー64が配設されている。また、測
定位置における前記セル42の底部に開口された測光窓59
の下方すなわち本体40の下方には、測定手段16の測光ヘ
ッド95が配設されている。
析フイルム片1の試料液の展開S(図8参照)が届かな
い隅角部を押えるものであり、その底面形状(図6およ
び図8参照)に示すように、周囲に矩形状の枠部61a が
形成され、この枠部61a の内側寸法は乾式分析フイルム
片1の形状より大きく、その隅角部に内方に突出して乾
式分析フイルム片1の四隅に接触する突部61b が形成さ
れている。このフイルム押え61の上面には押えスプリン
グ62が縮装されて下方に付勢されている。
え61の外周を囲んで角筒状に形成され、上ディスク46に
上下方向に摺動自在に嵌挿され、上方に縮装されたセル
スプリング65によって下方に付勢されている。そして、
該セルカバー64の外周部の底面が前記下ディスク45の上
面に圧接して密閉状態を得るものであり、内部には前記
押えスプリング62を縮装しつつフイルム押え61を摺動可
能に収容し、該フイルム押え61はセルカバー64に係止さ
れて一体に上昇するように設けられている。
え61は黒色のポリエチレンで構成し、ガスの吸着による
汚染、乾式分析フイルム片1を透過するわずかな光の内
部反射による測光への影響を低減している。
側方に突出したつば状の係合部64a(図6、図7参照)
が形成され、該係合部64a の下方に対応して前記下ディ
スク45には貫通孔45c が開口されている。該貫通孔45c
には下方から押上棒67が挿通されるものであり、この押
上棒67の先端が上記セルカバー64の係合部64a の下面に
当接してセルカバー64全体をセルスプリング65に抗して
押し上げるように構成されている。この押上棒67は、フ
イルム挿入位置およびフイルム排出位置に配設され、そ
れぞれの挿入排出時期にセルカバー64をフイルム押え61
とともに上昇作動するものである。
タ12に乾式分析フイルム片1を搬送する搬送手段13は、
前記カートリッジ20から乾式分析フイルム片1を取り出
すとともに移し替え位置に搬送するフイルム取出手段と
しての取出用吸盤70と、この取出用吸盤70に保持されて
いる乾式分析フイルム片1を、試薬層1bが上面となって
いる状態のまま下方から保持して受け取るとともにイン
キュベータ12のセル42に側方開口部42a から挿入する移
載手段としての略馬蹄形の移載部材73と、インキュベー
タ12のセル42内で上記移載部材73に保持されている乾式
分析フイルム片1をセル42の下方から進退して保持する
保持手段としての吸着部材76とを備えている。そして、
前記取出用吸盤70の搬送方向と、移載部材73の搬送方向
とが直交するように設定されている(図12参照)。
に、乾式分析フイルム片1の支持体1aの下面を吸着保持
する上向きのサクションカップ70a を備え、該サクショ
ンカップ70a が搬送基部に70b に支持されるとともに、
図示しないサクションポンプからの減圧パイプが接続さ
れ、該搬送基部70b が図示しない移動機構によってフイ
ルム収納手段11の中心に向う前後動および昇降動自在に
設けられている。
ートリッジ20の底面に形成された開口から挿入されて最
下段の乾式分析フイルム片1の支持体1a側を吸着保持す
るとともに、若干下降して湾曲させた状態で水平に架体
22の中心方向に移動してカートリッジ20の側面に形成さ
れた開口20a から横方向に取り出した後、下方に移動し
てフイルム収納手段11のカバー25のフイルム取出口から
抜け出て、さらに架体22の半径方向に中心と反対側に移
動し、前方の点着位置側に搬送するように駆動される。
板状で上面に乾式分析フイルム片1を吸引保持する略馬
蹄形に形成され、その先端中央部に切欠き凹部73a が形
成され両側部が前方に延びるフォーク部73b に形成さ
れ、この両側のフォーク部73bおよび凹部73a の背部に
吸引孔74が設けられている。上記吸引孔74には図示しな
いサクションポンプからの減圧パイプ75が接続される。
また、上記移載部材73の基部73c は、点着位置からイン
キュベータ12の回転中心に向けて移動し、そのセル42内
に側方開口部42a を通って挿入可能なように図示しない
駆動機構に連係されている。
盤70から乾式分析フイルム片1を受け取る際には、図1
0の(A)に示すように、乾式分析フイルム片1を保持
している取出用吸盤70に向けて移動し、(B)のように
その凹部73a 内に該取出用吸盤70が位置し、上方に乾式
分析フイルム片1が位置する状態で停止し、続いて、取
出用吸盤70が下降移動して(C)のように該取出用吸盤
70に保持している乾式分析フイルム片1を、移載部材73
のフォーク部73b と凹部73a 周辺で吸引保持するもので
ある。また、前記取出用吸盤70による乾式分析フイルム
片1の吸着位置精度を確保していることで、移載部材73
での乾式分析フイルム片1の保持位置精度が良好であ
り、この移載部材73に保持した状態の乾式分析フイルム
片1の試薬層1bの中心部分に点着手段15によって所定量
の試料液を点着するものである。
にインキュベータ12のセル42下方に位置し、上端の上向
きのサクションカップ76a が搬送基部76b に支持され、
図示しない駆動機構によって昇降移動可能に設けられて
いる。そして、前記インキュベータ12のセル42の底面に
開口された測光窓59から該セル42内に進退移動するよう
に駆動される。また、このサクションカップ76a には図
示しないサクションポンプからの減圧パイプが接続され
る。
出位置にはフイルム排出手段17(図1参照)が配設さ
れ、該フイルム排出手段17は、セル42内の測定後の乾式
分析フイルム片1を吸着して持ち上げる排出用吸盤81
と、該排出用吸盤81で持ち上げられた乾式分析フイルム
片1を受け取りインキュベータ12の外方に搬出するフイ
ルム取出用の略馬蹄形の移載部材82と、この移載部材82
によって取り出された乾式分析フイルム片1を受け取っ
て廃却箱84に廃棄する廃却用吸盤83とによって構成され
ている。
によって回転操作される回転テーブル85を備え、該回転
テーブル85の外周部には試料液を収容した複数のサンプ
ルチューブ87を保持し、サンプルチューブ87が順次供給
位置に移動される。また、内周側には後述の点着用ノズ
ル91の先端に装着されるノズルチップ88が収容される。
をインキュベータ12に搬送された乾式分析フイルム片1
に点着する点着手段15は、試料液の吸引吐出を行う点着
用ノズル91を有し、該点着用ノズル91の先端にはピペッ
ト状の上記ノズルチップ88が着脱自在に装着され、駆動
機構92により上下動および回動可能に移動され、試料液
収容手段14から試料液を吸引し移動して前記移載部材73
の上に保持されている乾式分析フイルム片1に点着す
る。この点着位置は、前記移載部材73の移動経路上の点
であり、前記取出用吸盤70の移動方向との交点またはそ
の近傍に設定されている。また、上記点着手段15の点着
用ノズル91における先端のノズルチップ88は、試料液の
変更に伴って交換される。
キュベータ12によりインキュベーションが行われ、この
インキュベータ12の下方に配設された測定手段16(図1
参照)により測定される。この測定手段16は、乾式分析
フイルム片1と試料液との呈色反応による光学濃度を測
定するための測光ヘッド95を有する。上記測光ヘッド95
は所定波長の光を含む測定用照射光を光透過性支持体1a
を透過し試薬層1bに照射して、反射光を光検出素子で検
出するものであり、測光ヘッド95には光源96(ランプ)
からの光がフィルタ97を介して入射され、測光ヘッド95
内で上記光が試薬層1bに照射される。前記フィルタ97
は、検査項目に対応する複数種類のものが円板98に設置
され、該円板98をモータ99よって回転して測定項目に対
応する所定の特性のフィルタ97を選択するように構成さ
れている。
で生成された色素量に応じた光情報(具体的には光量)
を担持しており、この光情報を担持した反射光が測光ヘ
ッド95の光検出素子に入射して光電変換され、図示しな
いアンプを介して判定部に送出される。判定部では、入
力された電気信号のレベルに基づき試薬層1b中で生成さ
れた色素の光学濃度を判定し、試料液中の所定の生化学
物質の物質濃度を特定する。
れば、まず、搬送手段13の取出用吸盤70によってフイル
ム収納手段11より測定項目に対応する乾式分析フイルム
片1を収容したカートリッジ20から乾式分析フイルム片
1を取り出す。この取出用吸盤70に保持された乾式分析
フイルム片1は、そのまま試薬層1bを上側にして移載部
材73に移し替えられてその試薬層1bに試料液が点着され
る。
の先端にノズルチップ88を装着した後、試料液収容手段
14の所定サンプルチューブ87上に移動させてノズルチッ
プ88の先端を試料液に浸漬し、該ノズルチップ88内
に所定量の試料液を吸引する。そして、この点着用ノズ
ル91を移載部材73上の乾式分析フイルム片1の中心に移
動させ、次いで点着用ノズル91を下動させて、ノズルチ
ップ88から乾式分析フイルム片1の試薬層1b上に試料液
を所定量だけ滴下する。滴下された試料液は展開拡散さ
れ、試薬と混合する。
73の搬送によって、インキュベータ12のセル42に側方開
口部42a から挿入される。このインキュベータ12のセル
42への乾式分析フイルム片1の挿入を詳しく説明すれ
ば、図11に工程順に示すように、まず(A)のように
インキュベータ12の挿入位置に空状態のセル42が回転さ
れ、この挿入位置で(B)のように押上棒67の操作によ
ってセルカバー64をフイルム押え61とともに上昇作動し
てから、前記移載部材73の先端を開口部から中心側のセ
ル42内に挿入する。その後、吸着部材76を上昇作動して
(C)のように移載部材73に保持されていた乾式分析フ
イルム片1を保持しつつ移載部材73より上方に持ち上げ
る。そして、(D)のように移載部材73を後退させてか
ら、吸着部材76を下降させて(E)のように乾式分析フ
イルム片1の下面を下ディスク45の上面に当接させると
ともに押上棒67を下降作動して(F)のようにセルカバ
ー64を下げる。そして、セルカバー64内の固定手段とし
てのフイルム押え61の突部61b によって乾式分析フイル
ム片1の四隅を押えて固定した後に、(G)のように前
記吸着部材76を下降させる。
片1は固定手段のフイルム押え61によって所定位置に固
定されるとともに、密閉手段としてのセルカバー64によ
って周囲が密閉されたセル室内に保持される。なお、底
面の測光窓59の部分は乾式分析フイルム片1によって閉
じて密閉状態となるものである。
析フイルム片1は密閉状態で所定のインキュベーション
により所定温度に加熱されると試薬層1bが呈色反応(色
素生成反応)を生起する。そして、呈色反応中の所定時
間毎もしくは所定時間経過後に、この呈色反応により生
じた色素の光学濃度を測定手段16の測光ヘッド95で測定
する。
での乾式分析フイルム片1の搬送経路を示す。フイルム
取出手段としての取出用吸盤70によってフイルム収納手
段11のカートリッジ20から取り出された乾式分析フイル
ム片1は、フイルム収納手段11の半径方向外側に向う第
1搬送方向Xに搬送され、移替点Pで移載部材73に移し
替えられる。この移載部材73は受け取った乾式分析フイ
ルム片1をインキュベータ12の半径方向にその中心に向
う第2搬送方向Yに搬送してセル42に挿入するものであ
る。そして、前記取出用吸盤70による第1搬送方向Xと
移載部材73による第2搬送方向Yとが直交するように両
搬送方向が設定され、両者の交点が前記移替点Pであ
り、また、この移替点Pが前記点着手段15の点着用ノズ
ル91による点着点に設定されている。
ルム片1の中心部に所定量の試料液を点着しインキュベ
ータ12に挿入すると試料液が展開し、その展開が試薬層
1bの側部に達して試料液の一部が滲み出す場合がある
が、その滲み出す液量は垂れる程ではなく側面に付着し
た状態となっている。そして、この状態において乾式分
析フイルム片1の側面がセル42のフイルム押え61等に接
触すると、試料液が付着することになるが、フイルム押
え61によって乾式分析フイルム片1の側方に空間を持っ
て固定しているとともに、該フイルム押え61は試料液の
展開していない四隅を押えていることで上記試料液によ
る汚染を防止している。
いても、移載部材73および吸着部材76は試薬層の面には
接触せず、点着された試料液による汚染を防止して測定
精度を確保している。
は、ヒータ48によって金属製の上下のディスク45,46 を
直接加熱するようにしているので、温度調整したチャン
バー内にディスクを配設して乾式分析フイルム片1を加
熱する方式に比べて、チャンバーを不要として熱効率を
向上するとともに、温度上昇が迅速で予熱時間が短縮で
き、チャンバーに必要なフイルム挿入用のシャッターも
不要となって構造が簡単になる。
嵌め込む構造であり、容易に脱着して洗浄および交換が
行える。また、上ディスク46は止めネジ47を外すことで
分解でき、下ディスク45の上面は平坦面になっているこ
とで洗浄が容易に行える。上記セル42空間はセルカバー
64と乾式分析フイルム片1によって閉じられて、乾式分
析フイルム片1から発生する蒸気、ガスが流出しない密
閉状態が簡易に得られる。上記フイルム押え61は上下に
スライドして、厚さの異なる乾式分析フイルム片1も確
実に固定することができる。
側で外周側と内周側とに交互に配設することで、押上棒
67による上昇作動がバランスをとって昇降移動できる上
に、セルカバー64の配設間隔を短縮して密接に配置で
き、装置の小型化が得られる。
の乾式分析フイルム片1を排出するするとき、乾式分析
フイルム片1が移載部材82に移され、セル42から取り出
される際に、上記乾式分析フイルム片1を持ち上げた排
出用吸盤81は吸引を継続することで、該セル42の空間お
よび近傍の残留ガスおよびエアを吸い込むことで清浄化
が得られるものである。
と試薬層との化学反応による光学濃度の変化から生化学
物質の濃度を測定する生化学分析装置について述べた
が、別の分析方法で例えば、電解質の濃度を電位差を用
いて測定する生化学分析装置についても利用できる。
向をフイルム収納手段11の中心に向う前後動とし、移載
部材73の移動方向をインキュベータ12の回転中心に向け
て移動させるようにしているが、それぞれ前記中心に向
う方向とは限らず、少なくとも一方が前記中心よりずれ
ていても適用が可能である。
搬送方向と、移載部材73の搬送方向とが直交するように
設定されているが、前記両方向が直交するように設定さ
れていなくとも、前記取出用吸盤70が前記乾式分析フイ
ルム片1を保持した後、前記移載部材73に移し替えるま
での間に所定角度を回転させることにより、前記移載部
材73の搬送方向と一致させれば適用が可能である。
構成を示す斜視図
向に見た要部断面図
フイルム片を示す斜視図
ム片の受渡しを順に示す説明図
入過程を順に示す説明図
式分析フイルム片の搬送経路を示す説明図
Claims (8)
- 【請求項1】 支持体上に試薬層を設けてなるマウント
を有しない乾式分析フイルム片をカートリッジに積層収
容し、上記カートリッジから取り出された乾式分析フイ
ルム片に試料液を点着し、点着後の乾式分析フイルム片
をインキュベータに搬送して恒温保持し、試料液中の生
化学物質と試薬層との化学反応による生化学物質の濃度
を測定する生化学分析装置において、 前記インキュベータは乾式分析フイルム片が挿入可能な
セルを有し、 前記カートリッジから取り出された乾式分析フイルム片
を移し替えて前記インキュベータのセルに挿入可能に保
持する移載手段と、 該移載手段に保持された状態で前記インキュベータのセ
ル内に挿入された乾式分析フイルム片を、上記セルの下
方から進入して保持する保持手段と、 前記移載手段がインキュベータから後退した状態で前記
保持手段に保持されている乾式分析フイルム片の隅角部
のみをセル底面に押圧固定する固定手段と、 該固定手段で固定された乾式分析フイルム片を密閉状態
で覆う密閉手段とを備えたことを特徴とする生化学分析
装置。 - 【請求項2】 前記移載手段が、上面に乾式分析フイル
ム片を吸引保持する略馬蹄形の移載部材で構成されてい
ることを特徴とする請求項1記載の生化学分析装置。 - 【請求項3】 前記保持手段が、インキュベータのセル
の下面に開口した測光窓から該セル内に昇降移動する吸
着部材で構成されていることを特徴とする請求項1記載
の生化学分析装置。 - 【請求項4】 前記インキュベータのセル底面は、平坦
面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の生
化学分析装置。 - 【請求項5】 前記フイルム収納手段内のカートリッジ
から乾式分析フイルム片を取り出し搬送するフイルム取
出手段をさらに備え、 前記移載手段は前記フイルム取出手段によって取り出さ
れた乾式分析フイルム片を移し替えて前記インキュベー
タに搬送挿入するものであり、前記フイルム取出手段に
よる前記乾式分析フイルム片の搬送方向と前記移載手段
による乾式分析フイルム片の搬送方向とが異なっている
ことを特徴とする請求項1記載の生化学分析装置。 - 【請求項6】 前記フイルム取出手段による前記乾式分
析フイルム片の搬送方向と前記移載手段による乾式分析
フイルム片の搬送方向とが直交していることを特徴とす
る請求項5記載の生化学分析装置。 - 【請求項7】 前記フイルム取出手段の搬送方向と前記
移載手段の搬送方向との交点の近傍で試料液を点着する
ことを特徴とする請求項5記載の生化学分析装置。 - 【請求項8】 前記フイルム取出手段が乾式分析フイル
ム片を吸着保持する吸着部材で構成され、前記移載手段
が略馬蹄形の移載部材で構成されていることを特徴とす
る請求項5記載の生化学分析装置。
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1994
- 1994-07-11 JP JP15832994A patent/JP3464710B2/ja not_active Expired - Fee Related
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