JP3425828B2 - 乾式分析素子の搬送方法および搬送装置 - Google Patents
乾式分析素子の搬送方法および搬送装置Info
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液、尿等の試料
液をマウントを有しないフイルム片からなる乾式分析素
子の試薬層（展開層）に点着し、試料液に含まれる所定
の生化学物質と試薬層との化学反応または免疫反応等に
よる光学濃度変化から生化学物質の濃度を測定する生化
学分析装置等における乾式分析素子の搬送方法および搬
送装置に関するものである。
液をマウントを有しないフイルム片からなる乾式分析素
子の試薬層（展開層）に点着し、試料液に含まれる所定
の生化学物質と試薬層との化学反応または免疫反応等に
よる光学濃度変化から生化学物質の濃度を測定する生化
学分析装置等における乾式分析素子の搬送方法および搬
送装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来より、試料液の小滴を点着供給する
だけでこの試料液中に含まれている特定の化学成分また
は有形成分を定量分析することのできるドライタイプの
化学分析スライドが実用化されている。また、このよう
な化学分析スライドを用いて試料液中の化学成分等の定
量的な分析を行うには、試料液を化学分析スライドに点
着させた後、これをインキュベータ（恒温器）内で所定
時間恒温保持（インキュベーション）して呈色反応（色
素生成反応）させ、次いで試料液中の所定の生化学物質
と化学分析スライドに含まれる試薬との組み合わせによ
り予め選定された波長を含む測定用照射光をこの化学分
析スライドに照射してその光学濃度を測定し、この光学
濃度から、あらかじめ求めておいた光学濃度と所定の生
化学物質の物質濃度との対応を表わす検量線を用いて該
試料液中の所定の生化学物質の物質濃度を求めるように
構成された生化学分析装置が用いられる。
だけでこの試料液中に含まれている特定の化学成分また
は有形成分を定量分析することのできるドライタイプの
化学分析スライドが実用化されている。また、このよう
な化学分析スライドを用いて試料液中の化学成分等の定
量的な分析を行うには、試料液を化学分析スライドに点
着させた後、これをインキュベータ（恒温器）内で所定
時間恒温保持（インキュベーション）して呈色反応（色
素生成反応）させ、次いで試料液中の所定の生化学物質
と化学分析スライドに含まれる試薬との組み合わせによ
り予め選定された波長を含む測定用照射光をこの化学分
析スライドに照射してその光学濃度を測定し、この光学
濃度から、あらかじめ求めておいた光学濃度と所定の生
化学物質の物質濃度との対応を表わす検量線を用いて該
試料液中の所定の生化学物質の物質濃度を求めるように
構成された生化学分析装置が用いられる。
【０００３】また、化学分析スライドに代えて、マウン
トを有しないフイルム片単体で構成された乾式分析素子
が、特開平７−３５７４６号公報に見られるように公知
である。この乾式分析素子は、プラスチックシート等か
らなる支持体上に試薬層を設けてなるフイルム片で構成
される。
トを有しないフイルム片単体で構成された乾式分析素子
が、特開平７−３５７４６号公報に見られるように公知
である。この乾式分析素子は、プラスチックシート等か
らなる支持体上に試薬層を設けてなるフイルム片で構成
される。
【０００４】さらに、上記先行技術では、乾式分析素子
を使用して生化学分析を行うについて、その分析の自動
化のためにも乾式分析素子の取り出し、インキュベータ
への搬送が確実に行えるようにする必要があり、その搬
送に吸盤を使用して乾式分析素子を吸着保持し、搬送す
るようにしている。
を使用して生化学分析を行うについて、その分析の自動
化のためにも乾式分析素子の取り出し、インキュベータ
への搬送が確実に行えるようにする必要があり、その搬
送に吸盤を使用して乾式分析素子を吸着保持し、搬送す
るようにしている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかして、上記のよう
な乾式分析素子を吸盤の吸着保持で搬送するものでは、
この搬送手段で吸着したままでは、例えば、インキュベ
ータに搬送しセル内に挿入するように設けると、このイ
ンキュベータには吸着具が移動する通路を開口しなけれ
ばならず、この通路に対して密閉状態で乾式分析素子を
収容してインキュベーションを行うことが困難となる問
題を有している。密閉状態でないと試料液の蒸発もしく
は気化ガスの汚染により測定精度が低下することにな
る。
な乾式分析素子を吸盤の吸着保持で搬送するものでは、
この搬送手段で吸着したままでは、例えば、インキュベ
ータに搬送しセル内に挿入するように設けると、このイ
ンキュベータには吸着具が移動する通路を開口しなけれ
ばならず、この通路に対して密閉状態で乾式分析素子を
収容してインキュベーションを行うことが困難となる問
題を有している。密閉状態でないと試料液の蒸発もしく
は気化ガスの汚染により測定精度が低下することにな
る。
【０００６】この点から、上記吸盤を有する搬送手段
は、吸着保持した乾式分析素子をその吸盤の吸着圧を開
放して他の搬送手段あるいはインキュベータに移し替え
ることが必要になるが、その移し替え時に乾式分析素子
が飛び上がって搬送手段から落下して移し替えが不能と
なったり、移し替え位置がずれてその後の処理に不具合
を招くことがまれに発生する問題を有する。
は、吸着保持した乾式分析素子をその吸盤の吸着圧を開
放して他の搬送手段あるいはインキュベータに移し替え
ることが必要になるが、その移し替え時に乾式分析素子
が飛び上がって搬送手段から落下して移し替えが不能と
なったり、移し替え位置がずれてその後の処理に不具合
を招くことがまれに発生する問題を有する。
【０００７】上記乾式分析素子の飛び上がりは、吸盤で
保持している状態から乾式分析素子を移し替える際に、
吸盤に供給している吸着圧を大気圧に開放して保持力を
解除するものであるが、その際、吸着時の吸盤の変形状
態が開放されることでこの吸盤の弾力によって重量の軽
い乾式分析素子が跳ね上げられて生じる。しかし、通常
は吸盤と乾式分析素子とは静電気等によって接触してい
て、乾式分析素子が飛ばされる現象は殆ど発生しないも
のであるが、吸盤と乾式分析素子との接触部分に異物が
付着していたりすることで、上記のような現象が生起す
ることになる。
保持している状態から乾式分析素子を移し替える際に、
吸盤に供給している吸着圧を大気圧に開放して保持力を
解除するものであるが、その際、吸着時の吸盤の変形状
態が開放されることでこの吸盤の弾力によって重量の軽
い乾式分析素子が跳ね上げられて生じる。しかし、通常
は吸盤と乾式分析素子とは静電気等によって接触してい
て、乾式分析素子が飛ばされる現象は殆ど発生しないも
のであるが、吸盤と乾式分析素子との接触部分に異物が
付着していたりすることで、上記のような現象が生起す
ることになる。
【０００８】本発明はかかる点に鑑み、マウントを有し
ないフイルム片からなる乾式分析素子を吸盤によって吸
着して保持し搬送するについて、吸盤の吸着圧の解放時
の乾式分析素子の飛び上がり現象の発生を防止し、確実
に移し替えが行えるようにした乾式分析素子の搬送方法
および搬送装置を提供せんとするものである。
ないフイルム片からなる乾式分析素子を吸盤によって吸
着して保持し搬送するについて、吸盤の吸着圧の解放時
の乾式分析素子の飛び上がり現象の発生を防止し、確実
に移し替えが行えるようにした乾式分析素子の搬送方法
および搬送装置を提供せんとするものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の乾式分析素子の搬送方法は、支持体上に試薬層を設
けてなるフイルム片からなる乾式分析素子を弾力のある
吸盤を有する搬送手段に載置された状態で吸着保持し、
この乾式分析素子を上記吸盤の吸着圧を開放して他に移
し替えるについて、吸盤の吸着圧の開放を、該吸盤の弾
力によって復元する時間と同じかそれ以上の長い時間を
かけて乾式分析素子が該吸盤に載置されたまま吸着圧を
開放圧に漸次変化させることを特徴とするものである。
明の乾式分析素子の搬送方法は、支持体上に試薬層を設
けてなるフイルム片からなる乾式分析素子を弾力のある
吸盤を有する搬送手段に載置された状態で吸着保持し、
この乾式分析素子を上記吸盤の吸着圧を開放して他に移
し替えるについて、吸盤の吸着圧の開放を、該吸盤の弾
力によって復元する時間と同じかそれ以上の長い時間を
かけて乾式分析素子が該吸盤に載置されたまま吸着圧を
開放圧に漸次変化させることを特徴とするものである。
【００１０】前記吸着圧の開放は、オリフィスを設置し
たり開放通路を長くすることによって開放通路の抵抗を
増大するか、開放弁の作動速度を遅くして徐々に開放す
ることで、圧力開放時間を長くするものである。
たり開放通路を長くすることによって開放通路の抵抗を
増大するか、開放弁の作動速度を遅くして徐々に開放す
ることで、圧力開放時間を長くするものである。
【００１１】また、本発明の乾式分析素子の搬送装置
は、支持体上に試薬層を設けてなるフイルム片からなる
乾式分析素子を吸着保持する弾力のある吸盤を有する搬
送手段を備え、この搬送手段は載置され保持した乾式分
析素子を吸盤の吸着圧を開放してから他に移し替えるに
ついて、吸盤に吸着圧を供給する圧力系に、吸着圧を開
放する際の空気導入量を調整する流量調整手段を備え、
開放圧に変化させる時間を吸盤が吸着変形した状態から
弾力によって元の形状に復元する時間と同じかそれ以上
の長い時間をかけて乾式分析素子が該吸盤に載置された
まま吸着圧を開放圧に漸次変化させることを特徴とする
ものである。
は、支持体上に試薬層を設けてなるフイルム片からなる
乾式分析素子を吸着保持する弾力のある吸盤を有する搬
送手段を備え、この搬送手段は載置され保持した乾式分
析素子を吸盤の吸着圧を開放してから他に移し替えるに
ついて、吸盤に吸着圧を供給する圧力系に、吸着圧を開
放する際の空気導入量を調整する流量調整手段を備え、
開放圧に変化させる時間を吸盤が吸着変形した状態から
弾力によって元の形状に復元する時間と同じかそれ以上
の長い時間をかけて乾式分析素子が該吸盤に載置された
まま吸着圧を開放圧に漸次変化させることを特徴とする
ものである。
【００１２】
【発明の効果】上記のような本発明によれば、乾式分析
素子を吸盤で吸着保持して搬送し、その移し替えのため
に吸着圧を開放するときには、吸盤の弾力によって復元
する時間と同じかそれ以上の長い時間をかけて吸着圧を
開放圧に漸次変化させることにより、吸盤の変形が徐々
に復元することになり、弾力が一度に作用することな
く、吸着圧開放後でも安定して吸盤上に乾式分析素子が
載置した状態となって、次の搬送手段等への移し替えが
行え、弾力による乾式分析素子の飛び上がりが防止でき
る。
素子を吸盤で吸着保持して搬送し、その移し替えのため
に吸着圧を開放するときには、吸盤の弾力によって復元
する時間と同じかそれ以上の長い時間をかけて吸着圧を
開放圧に漸次変化させることにより、吸盤の変形が徐々
に復元することになり、弾力が一度に作用することな
く、吸着圧開放後でも安定して吸盤上に乾式分析素子が
載置した状態となって、次の搬送手段等への移し替えが
行え、弾力による乾式分析素子の飛び上がりが防止でき
る。
【００１３】これにより、フイルム片による乾式分析素
子の搬送が確実に行え、生化学分析装置等での測定の信
頼性が高まり、乾式分析素子のマウントを不要とした寸
法の小形化によって、生化学分析装置等の各装置の大き
さが小さくなりコンパクト化が図れるとともに、マウン
トの排除に伴って分析コストの低減が図れる。
子の搬送が確実に行え、生化学分析装置等での測定の信
頼性が高まり、乾式分析素子のマウントを不要とした寸
法の小形化によって、生化学分析装置等の各装置の大き
さが小さくなりコンパクト化が図れるとともに、マウン
トの排除に伴って分析コストの低減が図れる。
【００１４】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に沿って説明する。図１は一例の搬送装置を備えた生化
学分析装置の概略機構を示す斜視図である。
に沿って説明する。図１は一例の搬送装置を備えた生化
学分析装置の概略機構を示す斜視図である。
【００１５】生化学分析装置10は、未使用の矩形状のフ
イルム片からなる乾式分析素子１を貯蔵しているフイル
ム収納手段11（フイルムサプライヤ）と、上記フイルム
収納手段11の側方に配設され乾式分析素子１を所定時間
恒温保持するインキュベータ12と、前記フイルム収納手
段11からインキュベータ12に乾式分析素子１を搬送する
フイルム搬送手段13と、たとえば血清，尿等の複数の試
料液を収容する試料液収容手段14（サンプラ）と、試料
液収容手段14の試料液をフイルム搬送手段13による搬送
途中の乾式分析素子１に点着する点着手段15と、インキ
ュベータ12の下方に配設された測定手段16とを備えてい
る。
イルム片からなる乾式分析素子１を貯蔵しているフイル
ム収納手段11（フイルムサプライヤ）と、上記フイルム
収納手段11の側方に配設され乾式分析素子１を所定時間
恒温保持するインキュベータ12と、前記フイルム収納手
段11からインキュベータ12に乾式分析素子１を搬送する
フイルム搬送手段13と、たとえば血清，尿等の複数の試
料液を収容する試料液収容手段14（サンプラ）と、試料
液収容手段14の試料液をフイルム搬送手段13による搬送
途中の乾式分析素子１に点着する点着手段15と、インキ
ュベータ12の下方に配設された測定手段16とを備えてい
る。
【００１６】上記乾式分析素子１は、図２に示すよう
に、例えばＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）等の
プラスチックフイルムによる光透過性支持体1a（ベース
フイルム）上に展開層を含む試薬層1bが積層されてい
る。また、必要に応じてその試薬層1b上に布等の繊維質
素材による耐磨耗性の保護層（図示せず）が積層される
か、保護層が展開層を兼ねるように構成されたものでも
よい。
に、例えばＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）等の
プラスチックフイルムによる光透過性支持体1a（ベース
フイルム）上に展開層を含む試薬層1bが積層されてい
る。また、必要に応じてその試薬層1b上に布等の繊維質
素材による耐磨耗性の保護層（図示せず）が積層される
か、保護層が展開層を兼ねるように構成されたものでも
よい。
【００１７】上記乾式分析素子１は、使用前の乾燥状態
においては試薬層1bを内側にして湾曲した形状となる傾
向にあり、その湾曲程度は試薬層1bの種類、乾燥程度に
よって異なる。この乾式分析素子１の試薬層1bは、点着
手段15のノズルチップ88より滴下された試料液の所定成
分と混合されると、所定時間恒温保持（インキュベーシ
ョン）後に呈色反応（色素生成反応）を生じる試薬（化
学分析試薬または免疫分析試薬が含まれている）を含有
しており、測定項目に対応して試料液中の測定したい化
学成分または有形成分毎に設定された試薬層1bを有する
乾式分析素子１が複数の種類用意されている。
においては試薬層1bを内側にして湾曲した形状となる傾
向にあり、その湾曲程度は試薬層1bの種類、乾燥程度に
よって異なる。この乾式分析素子１の試薬層1bは、点着
手段15のノズルチップ88より滴下された試料液の所定成
分と混合されると、所定時間恒温保持（インキュベーシ
ョン）後に呈色反応（色素生成反応）を生じる試薬（化
学分析試薬または免疫分析試薬が含まれている）を含有
しており、測定項目に対応して試料液中の測定したい化
学成分または有形成分毎に設定された試薬層1bを有する
乾式分析素子１が複数の種類用意されている。
【００１８】上記乾式分析素子１は測定項目別に図３に
示すようなカートリッジ20内に収容される。該カートリ
ッジ20は、内部に多数の乾式分析素子１を光透過性支持
体1aを下にして積み重ねた状態で収容して、前記図１の
ように、フイルム収納手段11の円盤状の架体22に配設さ
れた内周側もしくは外周側のカートリッジ収納部22aに
複数並列に装填されている。上記架体22は基部24に回転
可能に支持され、基部24に設置された図示しないサプラ
イヤモータによって回転駆動され、所定のカートリッジ
収納部22a がフイルム搬送手段13に対応する取出位置に
停止するように制御される。
示すようなカートリッジ20内に収容される。該カートリ
ッジ20は、内部に多数の乾式分析素子１を光透過性支持
体1aを下にして積み重ねた状態で収容して、前記図１の
ように、フイルム収納手段11の円盤状の架体22に配設さ
れた内周側もしくは外周側のカートリッジ収納部22aに
複数並列に装填されている。上記架体22は基部24に回転
可能に支持され、基部24に設置された図示しないサプラ
イヤモータによって回転駆動され、所定のカートリッジ
収納部22a がフイルム搬送手段13に対応する取出位置に
停止するように制御される。
【００１９】そして、上記架体22の外周部分にはカバー
25が配設されて内部が密閉され、上面に配設された開閉
蓋を有する挿入口25a から、前記カートリッジ20の挿
入、取出しを行うように設けられている。また、上記架
体22の中心部分には除湿剤収容部27が設けられ、該除湿
剤収容部27にはカバー25上面の中心部に形成された開閉
蓋を有する投入口25b から除湿剤が装填され、このフイ
ルム収納手段11の内部が低湿度の乾燥状態に保たれる。
25が配設されて内部が密閉され、上面に配設された開閉
蓋を有する挿入口25a から、前記カートリッジ20の挿
入、取出しを行うように設けられている。また、上記架
体22の中心部分には除湿剤収容部27が設けられ、該除湿
剤収容部27にはカバー25上面の中心部に形成された開閉
蓋を有する投入口25b から除湿剤が装填され、このフイ
ルム収納手段11の内部が低湿度の乾燥状態に保たれる。
【００２０】一方、前記フイルム収納手段11におけるカ
バー25の下面の取出位置にはフイルム取出口（図示せ
ず）が開口され、該フイルム取出口には各カートリッジ
20から所定の乾式分析素子１を取り出す際に開く開閉シ
ャッター（図示せず）が設けられ、該シャッターを通し
て挿入されたフイルム搬送手段13におけるフイルム取出
搬送手段としての吸着具70によってカートリッジ20の最
下段の乾式分析素子１が外部に取り出される。
バー25の下面の取出位置にはフイルム取出口（図示せ
ず）が開口され、該フイルム取出口には各カートリッジ
20から所定の乾式分析素子１を取り出す際に開く開閉シ
ャッター（図示せず）が設けられ、該シャッターを通し
て挿入されたフイルム搬送手段13におけるフイルム取出
搬送手段としての吸着具70によってカートリッジ20の最
下段の乾式分析素子１が外部に取り出される。
【００２１】前記各カートリッジ20は、そのフイルム取
出用の開口20a （図３参照）が架体22の中心方向に向く
ように装填され、底面のフイルム取出口は半径方向に長
い開口形状に設けられ、吸着具70の吸盤70a が該フイル
ム取出口から挿入され、カートリッジ20の底部から最下
部の乾式分析素子１を吸着保持した後、架体22の中心方
向に移動して乾式分析素子１の引き出しを可能としてい
る。
出用の開口20a （図３参照）が架体22の中心方向に向く
ように装填され、底面のフイルム取出口は半径方向に長
い開口形状に設けられ、吸着具70の吸盤70a が該フイル
ム取出口から挿入され、カートリッジ20の底部から最下
部の乾式分析素子１を吸着保持した後、架体22の中心方
向に移動して乾式分析素子１の引き出しを可能としてい
る。
【００２２】次にインキュベータ12は、円盤状の本体40
が中心下部の回転駆動機構41によって回転自在に支持さ
れ、上記本体40の円周上には所定間隔で前記乾式分析素
子１を収容するセル42が複数配設され、このセル42内で
乾式分析素子１がインキュベーションされる。
が中心下部の回転駆動機構41によって回転自在に支持さ
れ、上記本体40の円周上には所定間隔で前記乾式分析素
子１を収容するセル42が複数配設され、このセル42内で
乾式分析素子１がインキュベーションされる。
【００２３】上記インキュベータ12は図４に示すよう
に、本体40は上面が平坦な金属製の下ディスク45と、該
下ディスク45上に配設され止めネジ47によって締結され
た金属製の上ディスク46を有する。上ディスク46は外周
部分が上方に環状に膨出して形成され、外周下端部と下
ディスク45の上面との間にはセル42の側方開口部42a と
なる隙間が形成されている。上記下ディスク45と上ディ
スク46との間にはヒータ48が内蔵され、両ディスク45,4
6 は熱伝導性の高い材料（例えばアルミニウム）で形成
され、セル42近傍の下ディスク45に配設された図示しな
い温度センサの検出に基づいて、乾式分析素子１を所定
温度（たとえば37℃）に加熱保持する。また、上ディス
ク46および下ディスク45の外表面部分には断熱材51,52
が被覆されている。
に、本体40は上面が平坦な金属製の下ディスク45と、該
下ディスク45上に配設され止めネジ47によって締結され
た金属製の上ディスク46を有する。上ディスク46は外周
部分が上方に環状に膨出して形成され、外周下端部と下
ディスク45の上面との間にはセル42の側方開口部42a と
なる隙間が形成されている。上記下ディスク45と上ディ
スク46との間にはヒータ48が内蔵され、両ディスク45,4
6 は熱伝導性の高い材料（例えばアルミニウム）で形成
され、セル42近傍の下ディスク45に配設された図示しな
い温度センサの検出に基づいて、乾式分析素子１を所定
温度（たとえば37℃）に加熱保持する。また、上ディス
ク46および下ディスク45の外表面部分には断熱材51,52
が被覆されている。
【００２４】そして、上記本体40は、下ディスク45の下
面に配設された軸受50によってベース53に対して回転自
在に支承されるとともに、その中心部に設けられた回転
軸45a にギヤ54が固着され、このギヤ54にディスクドラ
イブモータ55の駆動ギヤ56が噛合されて回転駆動が行わ
れる。
面に配設された軸受50によってベース53に対して回転自
在に支承されるとともに、その中心部に設けられた回転
軸45a にギヤ54が固着され、このギヤ54にディスクドラ
イブモータ55の駆動ギヤ56が噛合されて回転駆動が行わ
れる。
【００２５】前記インキュベータ12のセル42の構造は、
上記下ディスク45にセル42の形成位置に対応して所定間
隔で測光窓59が開口され、この測光窓59上部には、該セ
ル42内に挿入された乾式分析素子１を所定位置に固定す
るフイルム押え61が配設されるとともに、乾式分析素子
１を密閉状態で覆うセルカバー64が配設されている。ま
た、測定位置における前記セル42の底部に開口された測
光窓59の下方すなわち本体40の下方には、測定手段16の
測光ヘッド95が配設されている。
上記下ディスク45にセル42の形成位置に対応して所定間
隔で測光窓59が開口され、この測光窓59上部には、該セ
ル42内に挿入された乾式分析素子１を所定位置に固定す
るフイルム押え61が配設されるとともに、乾式分析素子
１を密閉状態で覆うセルカバー64が配設されている。ま
た、測定位置における前記セル42の底部に開口された測
光窓59の下方すなわち本体40の下方には、測定手段16の
測光ヘッド95が配設されている。
【００２６】上記フイルム押え61は図５に示すように、
乾式分析素子１の試料液の展開Ｓが届かない隅角部を押
えるものであり、その底面形状は周囲に矩形状の枠部61
a が形成され、この枠部61a の内側寸法は乾式分析素子
１の形状より大きく、その隅角部に内方に突出して乾式
分析素子１の四隅に接触する突部61b が形成されてい
る。このフイルム押え61の上面には押えスプリング62が
縮装されて下方に付勢されている。
乾式分析素子１の試料液の展開Ｓが届かない隅角部を押
えるものであり、その底面形状は周囲に矩形状の枠部61
a が形成され、この枠部61a の内側寸法は乾式分析素子
１の形状より大きく、その隅角部に内方に突出して乾式
分析素子１の四隅に接触する突部61b が形成されてい
る。このフイルム押え61の上面には押えスプリング62が
縮装されて下方に付勢されている。
【００２７】一方、前記セルカバー64は上記フイルム押
え61の外周を囲んで角筒状に形成され、上ディスク46に
上下方向に摺動自在に嵌挿され、上方に縮装されたセル
スプリング65によって下方に付勢されている。そして、
該セルカバー64の外周部の底面が前記下ディスク45の上
面に圧接して密閉状態を得るものであり、内部には前記
押えスプリング62を縮装しつつフイルム押え61を摺動可
能に収容し、該フイルム押え61はセルカバー64に係止さ
れて一体に上昇するように設けられている。
え61の外周を囲んで角筒状に形成され、上ディスク46に
上下方向に摺動自在に嵌挿され、上方に縮装されたセル
スプリング65によって下方に付勢されている。そして、
該セルカバー64の外周部の底面が前記下ディスク45の上
面に圧接して密閉状態を得るものであり、内部には前記
押えスプリング62を縮装しつつフイルム押え61を摺動可
能に収容し、該フイルム押え61はセルカバー64に係止さ
れて一体に上昇するように設けられている。
【００２８】また、上記セルカバー64には前記下ディス
ク45を貫通する押上棒67の先端が当接してセルカバー64
全体をセルスプリング65に抗して押し上げるように構成
されている。この押上棒67は、フイルム挿入位置および
フイルム排出位置に配設され、それぞれの挿入排出時期
にセルカバー64をフイルム押え61とともに上昇作動する
ものである。
ク45を貫通する押上棒67の先端が当接してセルカバー64
全体をセルスプリング65に抗して押し上げるように構成
されている。この押上棒67は、フイルム挿入位置および
フイルム排出位置に配設され、それぞれの挿入排出時期
にセルカバー64をフイルム押え61とともに上昇作動する
ものである。
【００２９】前記フイルム収納手段11からインキュベー
タ12に乾式分析素子１を搬送する搬送手段13は、前記カ
ートリッジ20から乾式分析素子１を取り出すとともに移
し替え位置に搬送するフイルム取出搬送手段としての吸
着具70と、この吸着具70に保持されている乾式分析素子
１を、試薬層1bが上面となっている状態のまま下方から
保持して受け取るとともにインキュベータ12のセル42に
側方開口部42a から挿入する移載搬送手段としての略馬
蹄形の移載部材73と、インキュベータ12のセル42内で上
記移載部材73に保持されている乾式分析素子１をセル42
の下方から進退して保持する保持手段としての吸着部材
76とを備えている。
タ12に乾式分析素子１を搬送する搬送手段13は、前記カ
ートリッジ20から乾式分析素子１を取り出すとともに移
し替え位置に搬送するフイルム取出搬送手段としての吸
着具70と、この吸着具70に保持されている乾式分析素子
１を、試薬層1bが上面となっている状態のまま下方から
保持して受け取るとともにインキュベータ12のセル42に
側方開口部42a から挿入する移載搬送手段としての略馬
蹄形の移載部材73と、インキュベータ12のセル42内で上
記移載部材73に保持されている乾式分析素子１をセル42
の下方から進退して保持する保持手段としての吸着部材
76とを備えている。
【００３０】前記吸着具70は、前記図３に示すように、
乾式分析素子１の支持体1aの下面を吸着保持する上向き
の吸盤70a を備え、該吸盤70a が搬送基部70b に支持さ
れるとともに、サクションポンプＰからの減圧パイプ70
c が開放弁71を介して接続され、上記搬送基部70b が図
示しない移動機構によってフイルム収納手段11の中心に
向う前後動および昇降動自在に設けられている。
乾式分析素子１の支持体1aの下面を吸着保持する上向き
の吸盤70a を備え、該吸盤70a が搬送基部70b に支持さ
れるとともに、サクションポンプＰからの減圧パイプ70
c が開放弁71を介して接続され、上記搬送基部70b が図
示しない移動機構によってフイルム収納手段11の中心に
向う前後動および昇降動自在に設けられている。
【００３１】前記吸盤70a は弾力のある材料で形成さ
れ、開放弁71は図示しない制御回路によって作動が制御
され、吸盤70a に対しサクションポンプＰと開放通路71
a との接続を切り換える。つまり、乾式分析素子１の吸
着保持時に吸盤70a 内にサクションポンプＰによる吸着
圧を導入して減圧状態とする一方、移載部材73に移し替
える時には、開放通路71a 側に作動して吸盤70a 内の吸
着圧を大気開放する。この開放時には、吸盤70a がその
弾力によって復元する時間と同じかそれ以上の長い時間
をかけて吸着圧を開放圧に漸次変化させるものであり、
そのために吸盤70a 内への大気導入量を調整する流量調
整手段としてのオリフィス72が開放通路71a に介装され
ている。
れ、開放弁71は図示しない制御回路によって作動が制御
され、吸盤70a に対しサクションポンプＰと開放通路71
a との接続を切り換える。つまり、乾式分析素子１の吸
着保持時に吸盤70a 内にサクションポンプＰによる吸着
圧を導入して減圧状態とする一方、移載部材73に移し替
える時には、開放通路71a 側に作動して吸盤70a 内の吸
着圧を大気開放する。この開放時には、吸盤70a がその
弾力によって復元する時間と同じかそれ以上の長い時間
をかけて吸着圧を開放圧に漸次変化させるものであり、
そのために吸盤70a 内への大気導入量を調整する流量調
整手段としてのオリフィス72が開放通路71a に介装され
ている。
【００３２】上記オリフィス72は開放通路71a の通路径
を絞ることにより通気抵抗を増大して圧力開放時間を長
くするものであり、このほか開放通路71a の長さを長く
することにより通気抵抗を増大することで圧力開放時間
を長くするようにしてもよい。また、開放弁71の作動速
度を遅くすることで、吸着圧をゆっくり開放し圧力開放
時間を長くするように流量調整手段を構成してもよい。
を絞ることにより通気抵抗を増大して圧力開放時間を長
くするものであり、このほか開放通路71a の長さを長く
することにより通気抵抗を増大することで圧力開放時間
を長くするようにしてもよい。また、開放弁71の作動速
度を遅くすることで、吸着圧をゆっくり開放し圧力開放
時間を長くするように流量調整手段を構成してもよい。
【００３３】そして、上記吸着具70は、上昇してカート
リッジ20の底面に形成された開口から挿入されて最下段
の乾式分析素子１の支持体1a側を吸着保持するととも
に、若干下降して湾曲させた状態で水平に架体22の中心
方向に移動してカートリッジ20の側面に形成された開口
20a から横方向に取り出した後、下方に移動してフイル
ム収納手段11のカバー25のフイルム取出口から抜け出
て、さらに架体22の半径方向に中心と反対側に移動し、
前方の点着位置側に搬送するように駆動される。
リッジ20の底面に形成された開口から挿入されて最下段
の乾式分析素子１の支持体1a側を吸着保持するととも
に、若干下降して湾曲させた状態で水平に架体22の中心
方向に移動してカートリッジ20の側面に形成された開口
20a から横方向に取り出した後、下方に移動してフイル
ム収納手段11のカバー25のフイルム取出口から抜け出
て、さらに架体22の半径方向に中心と反対側に移動し、
前方の点着位置側に搬送するように駆動される。
【００３４】また、移載部材73は図６に示すように平板
状で上面に乾式分析素子１を吸引保持する略馬蹄形に形
成され、その先端中央部に切欠き凹部73a が形成され両
側部が前方に延びるフォーク部73b に形成され、この両
側のフォーク部73b および凹部73a の背部に吸引孔74が
設けられている。上記吸引孔74には図示しないサクショ
ンポンプからの減圧パイプ75が接続される。また、上記
移載部材73の基部73cは、点着位置からインキュベータ1
2の回転中心に向けて移動し、そのセル42内に側方開口
部42a を通って挿入可能なように図示しない駆動機構に
連係されている。
状で上面に乾式分析素子１を吸引保持する略馬蹄形に形
成され、その先端中央部に切欠き凹部73a が形成され両
側部が前方に延びるフォーク部73b に形成され、この両
側のフォーク部73b および凹部73a の背部に吸引孔74が
設けられている。上記吸引孔74には図示しないサクショ
ンポンプからの減圧パイプ75が接続される。また、上記
移載部材73の基部73cは、点着位置からインキュベータ1
2の回転中心に向けて移動し、そのセル42内に側方開口
部42a を通って挿入可能なように図示しない駆動機構に
連係されている。
【００３５】そして、上記移載部材73は、前記吸着具70
から乾式分析素子１を受け取る際には、図７の（Ａ）に
示すように、乾式分析素子１を保持している吸着具70に
向けて移動し、（Ｂ）のようにその凹部73a 内に該吸着
具70が位置し、上方に乾式分析素子１が位置する状態で
停止し、続いて、吸着具70が下降移動して（Ｃ）のよう
に該吸着具70に保持している乾式分析素子１を、移載部
材73のフォーク部73bと凹部73a 周辺で吸引保持するも
のである。この移載の途中の（Ｂ）と（Ｃ）との間で、
乾式分析素子１が移載部材73に接触する前に吸着具70の
吸着圧を開放してその吸着保持を停止するものであり、
その際前述のように流量調整手段72が圧力開放時間を長
くして乾式分析素子１が吸着具70から飛び上がらないよ
うにしている。また、前記吸着具70による乾式分析素子
１の吸着位置精度を確保していることで、移載部材73で
の乾式分析素子１の保持位置精度が良好であり、この移
載部材73に保持した状態の乾式分析素子１の試薬層1bの
中心部分に点着手段15によって所定量の試料液を点着す
るものである。
から乾式分析素子１を受け取る際には、図７の（Ａ）に
示すように、乾式分析素子１を保持している吸着具70に
向けて移動し、（Ｂ）のようにその凹部73a 内に該吸着
具70が位置し、上方に乾式分析素子１が位置する状態で
停止し、続いて、吸着具70が下降移動して（Ｃ）のよう
に該吸着具70に保持している乾式分析素子１を、移載部
材73のフォーク部73bと凹部73a 周辺で吸引保持するも
のである。この移載の途中の（Ｂ）と（Ｃ）との間で、
乾式分析素子１が移載部材73に接触する前に吸着具70の
吸着圧を開放してその吸着保持を停止するものであり、
その際前述のように流量調整手段72が圧力開放時間を長
くして乾式分析素子１が吸着具70から飛び上がらないよ
うにしている。また、前記吸着具70による乾式分析素子
１の吸着位置精度を確保していることで、移載部材73で
の乾式分析素子１の保持位置精度が良好であり、この移
載部材73に保持した状態の乾式分析素子１の試薬層1bの
中心部分に点着手段15によって所定量の試料液を点着す
るものである。
【００３６】さらに、インキュベータ12のセル42下方に
位置する吸着部材76は前記図４に示すように、上向きの
吸盤76a が搬送基部76b に支持され、図示しない駆動機
構によって昇降移動可能に設けられている。そして、前
記インキュベータ12のセル42の底面に開口された測光窓
59から該セル42内に進退移動するように駆動される。ま
た、この吸盤76a には図示しないサクションポンプから
の減圧パイプが接続されており、前記流量調整手段72も
接続して前記吸盤76a 内の吸着圧の大気開放時には、乾
式分析素子１が吸盤76a から飛び上がらないようにする
ことも可能である。
位置する吸着部材76は前記図４に示すように、上向きの
吸盤76a が搬送基部76b に支持され、図示しない駆動機
構によって昇降移動可能に設けられている。そして、前
記インキュベータ12のセル42の底面に開口された測光窓
59から該セル42内に進退移動するように駆動される。ま
た、この吸盤76a には図示しないサクションポンプから
の減圧パイプが接続されており、前記流量調整手段72も
接続して前記吸盤76a 内の吸着圧の大気開放時には、乾
式分析素子１が吸盤76a から飛び上がらないようにする
ことも可能である。
【００３７】一方、前記インキュベータ12のフイルム排
出位置にはフイルム排出手段17（図１参照）が配設さ
れ、該フイルム排出手段17は、セル42内の測定後の乾式
分析素子１を吸着して持ち上げる排出用吸盤81と、該排
出用吸盤81で持ち上げられた乾式分析素子１を受け取り
インキュベータ12の外方に搬出するフイルム取出用の略
馬蹄形の移載部材82と、この移載部材82によって取り出
された乾式分析素子１を受け取って廃却箱84に廃棄する
廃却用吸盤83とによって構成されている。また、この排
出用吸盤81には図示しないサクションポンプからの減圧
パイプが接続されており、前記流量調整手段72も接続し
て前記吸盤81内の吸着圧の大気開放時には、乾式分析素
子１が吸盤81から飛び上がらないようにすることも可能
である。
出位置にはフイルム排出手段17（図１参照）が配設さ
れ、該フイルム排出手段17は、セル42内の測定後の乾式
分析素子１を吸着して持ち上げる排出用吸盤81と、該排
出用吸盤81で持ち上げられた乾式分析素子１を受け取り
インキュベータ12の外方に搬出するフイルム取出用の略
馬蹄形の移載部材82と、この移載部材82によって取り出
された乾式分析素子１を受け取って廃却箱84に廃棄する
廃却用吸盤83とによって構成されている。また、この排
出用吸盤81には図示しないサクションポンプからの減圧
パイプが接続されており、前記流量調整手段72も接続し
て前記吸盤81内の吸着圧の大気開放時には、乾式分析素
子１が吸盤81から飛び上がらないようにすることも可能
である。
【００３８】前記試料液収容手段14は、回転駆動機構86
によって回転操作される回転テーブル85を備え、該回転
テーブル85の外周部には試料液を収容した複数のサンプ
ルチューブ87を保持し、サンプルチューブ87が順次供給
位置に移動される。また、内周側には後述の点着用ノズ
ル91の先端に装着されるノズルチップ88が収容される。
によって回転操作される回転テーブル85を備え、該回転
テーブル85の外周部には試料液を収容した複数のサンプ
ルチューブ87を保持し、サンプルチューブ87が順次供給
位置に移動される。また、内周側には後述の点着用ノズ
ル91の先端に装着されるノズルチップ88が収容される。
【００３９】また、上記サンプルチューブ87の各試料液
をインキュベータ12に搬送された乾式分析素子１に点着
する点着手段15は、試料液の吸引吐出を行う点着用ノズ
ル91を有し、該点着用ノズル91の先端にはピペット状の
上記ノズルチップ88が着脱自在に装着され、駆動機構92
により上下動および回動可能に移動され、試料液収容手
段14から試料液を吸引し移動して前記移載部材73の上に
保持されている乾式分析素子１に点着する。この点着位
置は、前記移載部材73の移動経路上の点であり、前記吸
着具70の移動方向との交点またはその近傍に設定されて
いる。また、上記点着手段15の点着用ノズル91における
先端のノズルチップ88は、試料液の変更に伴って交換さ
れる。
をインキュベータ12に搬送された乾式分析素子１に点着
する点着手段15は、試料液の吸引吐出を行う点着用ノズ
ル91を有し、該点着用ノズル91の先端にはピペット状の
上記ノズルチップ88が着脱自在に装着され、駆動機構92
により上下動および回動可能に移動され、試料液収容手
段14から試料液を吸引し移動して前記移載部材73の上に
保持されている乾式分析素子１に点着する。この点着位
置は、前記移載部材73の移動経路上の点であり、前記吸
着具70の移動方向との交点またはその近傍に設定されて
いる。また、上記点着手段15の点着用ノズル91における
先端のノズルチップ88は、試料液の変更に伴って交換さ
れる。
【００４０】点着された乾式分析素子１は、インキュベ
ータ12によりインキュベーションが行われ、このインキ
ュベータ12の下方に配設された測定手段16（図１参照）
により測定される。この測定手段16は、乾式分析素子１
と試料液との呈色反応による光学濃度を測定するための
測光ヘッド95を有する。上記測光ヘッド95は所定波長の
光を含む測定用照射光を光透過性支持体1aを透過し試薬
層1bに照射して、反射光を光検出素子で検出するもので
あり、測光ヘッド95には光源96（ランプ）からの光がフ
ィルタ97を介して入射され、測光ヘッド95内で上記光が
試薬層1bに照射される。前記フィルタ97は、検査項目に
対応する複数種類のものが円板98に設置され、該円板98
をモータ99よって回転して測定項目に対応する所定の特
性のフィルタ97を選択するように構成されている。
ータ12によりインキュベーションが行われ、このインキ
ュベータ12の下方に配設された測定手段16（図１参照）
により測定される。この測定手段16は、乾式分析素子１
と試料液との呈色反応による光学濃度を測定するための
測光ヘッド95を有する。上記測光ヘッド95は所定波長の
光を含む測定用照射光を光透過性支持体1aを透過し試薬
層1bに照射して、反射光を光検出素子で検出するもので
あり、測光ヘッド95には光源96（ランプ）からの光がフ
ィルタ97を介して入射され、測光ヘッド95内で上記光が
試薬層1bに照射される。前記フィルタ97は、検査項目に
対応する複数種類のものが円板98に設置され、該円板98
をモータ99よって回転して測定項目に対応する所定の特
性のフィルタ97を選択するように構成されている。
【００４１】また、試薬層1bからの反射光は試薬層1b中
で生成された色素量に応じた光情報（具体的には光量）
を担持しており、この光情報を担持した反射光が測光ヘ
ッド95の光検出素子に入射して光電変換され、図示しな
いアンプを介して判定部に送出される。判定部では、入
力された電気信号のレベルに基づき試薬層1b中で生成さ
れた色素の光学濃度を判定し、試料液中の所定の生化学
物質の物質濃度を特定する。
で生成された色素量に応じた光情報（具体的には光量）
を担持しており、この光情報を担持した反射光が測光ヘ
ッド95の光検出素子に入射して光電変換され、図示しな
いアンプを介して判定部に送出される。判定部では、入
力された電気信号のレベルに基づき試薬層1b中で生成さ
れた色素の光学濃度を判定し、試料液中の所定の生化学
物質の物質濃度を特定する。
【００４２】上記生化学分析装置10による測定を説明す
れば、まず、フイルム収納手段11より測定項目に対応す
る乾式分析素子１を収容したカートリッジ20から搬送手
段13の吸着具70に吸着圧を導入して吸盤70a により乾式
分析素子１を吸着保持して取り出す。この吸着具70に保
持された乾式分析素子１はその吸着圧を飛び上がりを防
止しつつ開放して、そのまま試薬層1bを上側にして移載
部材73に移し替えられてその試薬層1bに試料液が点着さ
れる。
れば、まず、フイルム収納手段11より測定項目に対応す
る乾式分析素子１を収容したカートリッジ20から搬送手
段13の吸着具70に吸着圧を導入して吸盤70a により乾式
分析素子１を吸着保持して取り出す。この吸着具70に保
持された乾式分析素子１はその吸着圧を飛び上がりを防
止しつつ開放して、そのまま試薬層1bを上側にして移載
部材73に移し替えられてその試薬層1bに試料液が点着さ
れる。
【００４３】この点着は、点着手段15の点着用ノズル91
の先端にノズルチップ88を装着した後、試料液収容手段
14の所定サンプルチューブ87上に移動させてノズルチッ
プ88の先端を試料液に浸漬し、該ノズルチップ88内に所
定量の試料液を吸引する。そして、この点着用ノズル91
を移載部材73上の乾式分析素子１の中心に移動させ、次
いで点着用ノズル91を下動させて、ノズルチップ88から
乾式分析素子１の試薬層1b上に試料液を所定量だけ滴下
する。滴下された試料液は展開拡散され、試薬と混合す
る。
の先端にノズルチップ88を装着した後、試料液収容手段
14の所定サンプルチューブ87上に移動させてノズルチッ
プ88の先端を試料液に浸漬し、該ノズルチップ88内に所
定量の試料液を吸引する。そして、この点着用ノズル91
を移載部材73上の乾式分析素子１の中心に移動させ、次
いで点着用ノズル91を下動させて、ノズルチップ88から
乾式分析素子１の試薬層1b上に試料液を所定量だけ滴下
する。滴下された試料液は展開拡散され、試薬と混合す
る。
【００４４】点着後の乾式分析素子１は移載部材73の搬
送によって、インキュベータ12のセル42に側方開口部42
a から挿入される。このインキュベータ12のセル42への
乾式分析素子１の挿入は、インキュベータ12の挿入位置
に空状態のセル42が回転され、この挿入位置で押上棒67
の操作によってセルカバー64をフイルム押え61とともに
上昇作動してから、前記移載部材73の先端を開口部から
中心側のセル42内に挿入する。その後、吸着部材76を上
昇作動して移載部材73に保持されていた乾式分析素子１
を保持しつつ移載部材73より上方に持ち上げる。そし
て、移載部材73を後退させてから、吸着部材76を下降さ
せて乾式分析素子１の下面を下ディスク45の上面に当接
させるとともに押上棒67を下降作動してセルカバー64を
下げ、フイルム押え61の突部61b によって乾式分析素子
１の四隅を押えて固定した後に、前記吸着部材76を下降
させる。
送によって、インキュベータ12のセル42に側方開口部42
a から挿入される。このインキュベータ12のセル42への
乾式分析素子１の挿入は、インキュベータ12の挿入位置
に空状態のセル42が回転され、この挿入位置で押上棒67
の操作によってセルカバー64をフイルム押え61とともに
上昇作動してから、前記移載部材73の先端を開口部から
中心側のセル42内に挿入する。その後、吸着部材76を上
昇作動して移載部材73に保持されていた乾式分析素子１
を保持しつつ移載部材73より上方に持ち上げる。そし
て、移載部材73を後退させてから、吸着部材76を下降さ
せて乾式分析素子１の下面を下ディスク45の上面に当接
させるとともに押上棒67を下降作動してセルカバー64を
下げ、フイルム押え61の突部61b によって乾式分析素子
１の四隅を押えて固定した後に、前記吸着部材76を下降
させる。
【００４５】このインキュベータ12のセル42内で乾式分
析素子１は密閉状態で所定のインキュベーションにより
所定温度に加熱されると試薬層1bが呈色反応（色素生成
反応）を生起する。そして、呈色反応中の所定時間毎も
しくは所定時間経過後に、この呈色反応により生じた色
素の光学濃度を測定手段16の測光ヘッド95で測定する。
析素子１は密閉状態で所定のインキュベーションにより
所定温度に加熱されると試薬層1bが呈色反応（色素生成
反応）を生起する。そして、呈色反応中の所定時間毎も
しくは所定時間経過後に、この呈色反応により生じた色
素の光学濃度を測定手段16の測光ヘッド95で測定する。
【００４６】なお、上記実施の形態における吸盤70a の
吸着圧の圧力開放時間を調整する流量調整手段として
は、上述した例のほか、公知の調整機構が適宜採用可能
である。
吸着圧の圧力開放時間を調整する流量調整手段として
は、上述した例のほか、公知の調整機構が適宜採用可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一つの実施の形態における乾式分析素
子の搬送装置を備えた生化学分析装置の概略構成を示す
斜視図
子の搬送装置を備えた生化学分析装置の概略構成を示す
斜視図
【図２】乾式分析素子の点着状態の斜視図
【図３】乾式分析素子の取出状態を吸着具とともに示す
斜視図
斜視図
【図４】インキュベータの部分断面正面図
【図５】フイルム押えおよび試料液展開状態の乾式分析
素子を示す斜視図
素子を示す斜視図
【図６】移載部材の要部斜視図
【図７】吸着具から移載部材への乾式分析素子の移し替
えを順に示す説明図
えを順に示す説明図
１ 乾式分析素子
1a 支持体
1b 試薬層
10 生化学分析装置
11 フイルム収納手段
12 インキュベータ
13 フイルム搬送手段
15 点着手段
20 カートリッジ
42 セル
70 吸着具（搬送手段）
70a 吸盤
70c 減圧パイプ
71 開放弁
71a 開放通路
72 オリフィス（流量調整手段）
73 移載部材
Ｐ サクションポンプ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
G01N 35/00 - 35/10
B65H 5/08 - 5/20
G01N 31/22 121
Claims (4)
- 【請求項１】 支持体上に試薬層を設けてなるフイルム
片からなる乾式分析素子を弾力のある吸盤を有する搬送
手段に載置された状態で吸着保持し、この乾式分析素子
を上記吸盤の吸着圧を開放して他に移し替える乾式分析
素子の搬送方法において、 前記吸盤の吸着圧の開放を、該吸盤の弾力によって復元
する時間と同じかそれ以上の長い時間をかけて乾式分析
素子が該吸盤に載置されたまま吸着圧を開放圧に漸次変
化させることを特徴とする乾式分析素子の搬送方法。 - 【請求項２】 前記吸着圧の開放は、開放通路の通気抵
抗を増大して圧力開放時間を長くすることを特徴とする
請求項１に記載の乾式分析素子の搬送方法。 - 【請求項３】 前記吸着圧の開放は、開放弁の作動速度
を遅くして圧力開放時間を長くすることを特徴とする請
求項１に記載の乾式分析素子の搬送方法。 - 【請求項４】 支持体上に試薬層を設けてなるフイルム
片からなる乾式分析素子を吸着保持する弾力のある吸盤
を有する搬送手段を備え、この搬送手段は載置され保持
した乾式分析素子を吸盤の吸着圧を開放してから他に移
し替えるようにした乾式分析素子の搬送装置において、 前記吸盤に吸着圧を供給する圧力系に、吸着圧を開放す
る際の空気導入量を調整する流量調整手段を備え、開放
圧に変化させる時間を吸盤が吸着変形した状態から弾力
によって元の形状に復元する時間と同じかそれ以上の長
い時間をかけて乾式分析素子が該吸盤に載置されたまま
吸着圧を開放圧に漸次変化させることを特徴とする乾式
分析素子の搬送装置。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20240395A JP3425828B2 (ja) | 1995-08-08 | 1995-08-08 | 乾式分析素子の搬送方法および搬送装置 |
| US08/698,162 US5731207A (en) | 1995-08-08 | 1996-08-07 | Transferring method and device for dry chemical analysis film |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20240395A JP3425828B2 (ja) | 1995-08-08 | 1995-08-08 | 乾式分析素子の搬送方法および搬送装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0949846A JPH0949846A (ja) | 1997-02-18 |
| JP3425828B2 true JP3425828B2 (ja) | 2003-07-14 |
Family
ID=16456933
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20240395A Expired - Fee Related JP3425828B2 (ja) | 1995-08-08 | 1995-08-08 | 乾式分析素子の搬送方法および搬送装置 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5731207A (ja) |
| JP (1) | JP3425828B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6776966B2 (en) * | 2001-08-08 | 2004-08-17 | Dade Behring Inc. | Canister for inventorying identification test devices in an automated microbiological analyzer |
| GB2441594B (en) * | 2006-09-08 | 2011-09-07 | Thermo Shandon Ltd | Hopper for storing coverslips |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CA1185280A (en) * | 1981-05-13 | 1985-04-09 | Frank Wogoman | Test device handling system |
| JPH0697305B2 (ja) * | 1986-02-18 | 1994-11-30 | 株式会社日立製作所 | スライド標本載置装置 |
| JPH0795070B2 (ja) * | 1986-06-10 | 1995-10-11 | 東ソー株式会社 | 生化学反応測定装置に用いられる反応カツプ搬送用の吸着ヘツド |
| JP2903273B2 (ja) * | 1992-04-20 | 1999-06-07 | 富士写真フイルム株式会社 | 乾式分析フィルム片の搬送方法及びカートリッジ |
-
1995
- 1995-08-08 JP JP20240395A patent/JP3425828B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1996
- 1996-08-07 US US08/698,162 patent/US5731207A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US5731207A (en) | 1998-03-24 |
| JPH0949846A (ja) | 1997-02-18 |
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