JP3464627B2 - 制御回路 - Google Patents

制御回路

Info

Publication number
JP3464627B2
JP3464627B2 JP14671299A JP14671299A JP3464627B2 JP 3464627 B2 JP3464627 B2 JP 3464627B2 JP 14671299 A JP14671299 A JP 14671299A JP 14671299 A JP14671299 A JP 14671299A JP 3464627 B2 JP3464627 B2 JP 3464627B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
distortion
pilot
circuit
saw filter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14671299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000341050A (ja
Inventor
英紀 高橋
博美 谷津田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Radio Co Ltd filed Critical Japan Radio Co Ltd
Priority to JP14671299A priority Critical patent/JP3464627B2/ja
Publication of JP2000341050A publication Critical patent/JP2000341050A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3464627B2 publication Critical patent/JP3464627B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Amplifiers (AREA)
  • Transmitters (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィードフォワー
ド型の歪補償増幅回路等を制御する制御回路に関し、特
に、パイロット信号の生成、注入、抽出及び利用に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、800MHz、2GHz等の
周波数帯域を用いて、携帯電話サービスが実施されてい
る。携帯電話サービスを実施する際には、必要かつ十分
な電力での無線送信を行う必要上、基地局にて無線周波
数或いは中間周波数での電力増幅を行う。基地局におけ
る電力増幅に際しては、使用する周波数帯域全体に亘り
線形性が良好で低歪な増幅回路が、必要である。仮に、
十分な線形性を有していない増幅回路を用いたとする
と、近接周波数成分同士の相互変調による歪成分(相互
変調歪)等、増幅回路出力を濾波しただけでは容易に取
り除けない性質の歪成分が残存してしまう。この問題
は、CDMA(Code Division Multiple Access)方式携
帯電話等、信号(キャリア)成分が比較的広い周波数帯
域に亘り密に分布するシステムにて、特に顕著になる。
また、携帯電話以外のシステムでも、同様の問題が生じ
うる。例えば地上波ディジタルテレビジョン放送システ
ムでは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Mul
tiplex)方式を用いている。OFDM方式では、隣接キ
ャリア同士が相直交する関係にある多数のキャリアを周
波数軸上で密に配置している。即ち、増幅時に相互変調
歪が発生しやすいため、放送局或いは中継局向けに、線
形性の高い電力増幅回路が必要である。
【0003】主増幅器の非線形性が原因で生じる歪を抑
圧乃至補償する手法として、従来から、プリディストー
ション方式やフィードフォワード方式に代表される歪補
償手法が開発されている。主増幅器の線形性がある程度
以上良好であるならば、プリディストーション方式に比
べてフィードフォワード方式の方が、効果的に線形性を
改善できる。フィードフォワード方式は、主増幅器にて
発生する歪成分を抽出するための歪抽出ループ及び抽出
された歪成分に応じて主増幅器出力中の歪成分を除去乃
至抑圧するための歪除去ループという2種類のフィード
フォワードループを設ける方式である。図4に、この方
式に従い構成された回路の一例を示す。
【0004】図4中、左端に描かれている入力端子IN
から入力された信号は、主増幅器A1により電力増幅さ
れ、図中右端に描かれている出力端子OUTから後段の
回路、例えば送信アンテナやその前段に設けられ高調波
等を除去する出力フィルタ(図示せず)に、供給され
る。ここでは、入力端子INから主増幅器A1や遅延回
路DL2を経て出力端子OUTに到る信号経路を、本線
と呼ぶことにする。
【0005】本線上の所定の位置から信号を分岐しより
後段に送るループ、即ちフィードフォワードループとし
ては、方向性結合器H1から遅延回路DL1を経て方向
性結合器H2に到る歪抽出ループL1と、方向性結合器
H2から歪増幅器A2を経て方向性結合器H3に到る歪
除去ループL2が設けられている。方向性結合器H1
は、入力端子INからの入力信号を主増幅器A1に供給
する一方で、そのごく一部を分岐し遅延回路DL1経由
で方向性結合器H2に供給する。方向性結合器H2は、
主増幅器A1により増幅された信号を遅延回路DL2経
由で即ち本線に沿い方向性結合器H3に供給する一方
で、そのごく一部を分岐し遅延回路DL1経由の信号即
ちフィードフォワードされた信号と結合させ、抽出歪信
号として歪増幅器A2に供給する。方向性結合器H3
は、遅延回路DL2経由の信号と歪増幅器A2により増
幅された信号とを結合させ、その結果得られる信号を歪
補償出力信号として後段の回路に供給する。
【0006】方向性結合器H1の分岐出力は、いずれ
も、電力増幅されるべき成分(以下、単にキャリア分と
呼ぶ)を含んでいる。主増幅器A1では、キャリア分が
増幅されるだけでなく、その非線形性により生ずる歪成
分が付加される。従って、方向性結合器H2にて得られ
歪増幅器A2に供給される抽出歪信号は、主増幅器A1
にて発生した歪成分を含む信号となる。ここに、遅延回
路DL1例えば同軸遅延線における遅延時間と、主増幅
器A1等本線上の回路における遅延時間とが同じ時間で
あり、方向性結合器H2にて結合の対象となる2種類の
信号中のキャリア分同士が同振幅・逆位相の関係にある
ならば、方向性結合器H2にて得られ歪増幅器A2に供
給される抽出歪信号は、キャリア分を含まず歪成分を含
む信号となる(歪抽出の原理)。
【0007】また、方向性結合器H2から遅延回路DL
2例えば同軸遅延線を介し方向性結合器H3に供給され
る信号は歪成分を含んでおり、また歪増幅器A2から出
力される歪補償用信号は抽出歪信号を増幅した信号であ
るから専ら歪成分のみを含んでいる。従って、遅延回路
DL2における遅延時間と、歪増幅器A2等歪除去ルー
プL2上の回路における遅延時間とが同じ時間であり、
方向性結合器H3にて結合の対象となる2種類の信号中
の歪成分同士が同振幅・逆位相の関係にあるならば、方
向性結合器H3にて得られる歪補償出力信号は、電力増
幅されかつ相互変調歪等の歪成分が除去乃至抑圧された
信号となる(歪除去の原理)。
【0008】なお、方向性結合器H1〜H3は様々な回
路で実現可能である。図4では、いわゆるハイブリッド
回路を用いた例を示している。図中R1及びR2は終端
抵抗である。
【0009】こういった原理に基づく歪抽出及び除去を
実現するには、歪抽出ループL1及び歪除去ループL2
における振幅及び位相調整が必須である。そのための回
路として、図4においては振幅位相調整回路3及び4を
設けている。振幅位相調整回路3及び4は、例えば、可
変減衰器若しくは可変利得増幅器と可変移相器との組合
せ、又は、入力信号をI,Q各成分に分解し各成分の振
幅を調整する直交変調器により、実現することができ
る。図中、これらは主増幅器A1及び歪増幅器A2の前
段に設けられているが、後段に設けてもよいし、或いは
遅延回路DL1又はDL2の前段又は後段に設けてもよ
い。更に、振幅位相調整回路3及び4における振幅位相
調整量を決定し制御する手段が必須である。図中、L1
制御部1は、振幅位相調整回路3における振幅位相調整
量を決定し制御している。L2制御部2は、振幅位相調
整回路4における振幅位相調整量を決定し制御してい
る。L1制御部1及びL2制御部2による振幅位相調整
量の決定及び制御は、いずれも、パイロット信号を利用
して行われている。
【0010】例えばL1制御部1では、入力端子INと
方向性結合器H1の間に設けたカプラC1によりパイロ
ット信号を注入している。このパイロット信号はキャリ
ア分と同様本線側にも歪抽出ループL1側にも現れる。
従って、方向性結合器H2から歪増幅器A2を経て方向
性結合器H3に到る経路上にカプラC3を設けておい
て、カプラC3により検出されるパイロット信号の振幅
がより低下する方向へと振幅位相調整回路3を制御する
ことにより、パイロット信号の周波数においては、方向
性結合器H2を介した歪増幅器A2へのキャリア分の漏
れを抑えることができる。更に、パイロット信号の周波
数を、キャリア分との相関が十分強い周波数、より具体
的には、キャリア分が占有する周波数帯域(例えば80
0〜820MHz)に十分近い周波数(例えば780M
Hz)に設定しておくことにより、キャリア分が占有す
る周波数帯域においても、方向性結合器H2を介した歪
増幅器A2へのキャリア分の漏れを抑えることができ
る。
【0011】また、L2制御部2では、方向性結合器H
1から主増幅器A1を経て方向性結合器H2に到る経路
上に設けたカプラC2によりパイロット信号を注入して
いる。このパイロット信号は歪成分と同様本線側にも歪
除去ループL2側にも現れる。従って、方向性結合器H
3と出力端子OUTとの間にカプラC4を設けておい
て、カプラC4により検出されるパイロット信号の振幅
がより低下する方向へと振幅位相調整回路4を制御する
ことにより、パイロット信号の周波数においては、方向
性結合器H3を介した歪成分の出力を抑えることができ
る。更に、パイロット信号の周波数を、キャリア分との
相関が十分強い周波数に設定しておくことにより、キャ
リア分が占有する周波数帯域においても、方向性結合器
H3を介した歪成分の出力を抑えることができる。
【0012】L1制御部1及びL2制御部2は、それぞ
れ、パイロット信号を発生させる回路部材と、パイロッ
ト信号を抽出して制御信号を発生させる回路部材とを備
える。例えば、図5に示すように、TCXO(Temperatu
re Compensated X'tal Oscillator)等の温度補償発振器
5の発振出力を、位相ロックループにて周波数安定化し
て、パイロット信号を発生させる。位相ロックループ
は、温度補償発振器5の出力と分周器6の出力を位相検
波器7にて位相比較し、その結果得られた電圧に従い電
圧制御発振器8の発振周波数を制御し、電圧制御発振器
8の発振出力を分周器6にて分周するとともに、このル
ープをループフィルタ9により安定させる構成を有して
いる。これによって、温度変化によらずほぼ一定の周波
数を有するパイロット信号、例えば周波数変動=数pp
mといった高い周波数安定度のパイロット信号が得られ
る。
【0013】また、カプラC3又はC4により分岐入力
された信号はSAW(表面弾性波)フィルタ10により
帯域通過濾波され、その結果得られた信号に基づき制御
信号発生部11が振幅位相調整回路3又は4における振
幅位相調整量の制御信号を発生させる。SAWフィルタ
10は、カプラC3又はC4により分岐入力される信号
に含まれている(かもしれない)パイロット信号を抽出
するためのフィルタであるから、周囲温度が変動した結
果SAWフィルタ10自身の特性例えば通過帯域がシフ
トしたときでもパイロット信号の周波数がその通過帯域
内にあるように、温度変化による通過帯域シフトに比べ
やや広めの通過帯域幅を有していなければならない。同
時に、パイロット信号の周波数はキャリア分が占有する
周波数帯域に近接しているため、パイロット信号のみを
抽出するには即ちキャリア分に対しパイロット信号を好
適に分離するには、できる限り、その通過帯域を狭くし
なければならない(図6参照)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このように、パイロッ
ト信号をキャリア分から分離して抽出するためのSAW
フィルタについては、抽出されるパイロット信号の信号
純度をできるだけ高くするため(C/N比を高くするた
め)できるだけ狭帯域であることが要請されている。し
かし、例えば800MHz帯或いは2GHz帯向けのS
AWフィルタの通過帯域を、比帯域=0.1%程度の狭
帯域とした場合、使用周波数が比較的高いため微細加工
が必要になるのに加え、製造ばらつきも顕在化しやすく
なり、わずかな中心周波数のずれで以て不良とされてし
まうケースが多い。即ち、製造歩留まりが低いため、高
価格にならざるをえない。
【0015】また、上記SAWフィルタに対しては、更
に、温度変化に伴いその通過帯域がシフトしても引き続
き高純度でパイロット信号を抽出できるようにするため
通過帯域シフトに比べ広い通過帯域を有することも、要
請されている。温度による通過帯域シフトを考慮に入れ
て設計する、ということは、上述の狭帯域化ひいてはパ
イロット信号抽出性能(信号純度)の向上にも限度があ
るということである。
【0016】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、パイロット信号の
周波数設定に関する着眼点の変更、ひいてはパイロット
信号の発生と抽出に関連する回路の変更により、温度変
化に伴う当該SAWフィルタの通過帯域シフトがパイロ
ット信号の抽出動作に影響しないようにすると共に、パ
イロット信号抽出用のSAWフィルタを製造する際の歩
留まりの向上ひいては低価格化を実現しSAWフィルタ
の更なる狭帯域化を可能にすることを目的とする。本発
明は、更に、パイロット信号を発生させるための回路を
従来より小型、低消費電力、低価格、高性能にすること
を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
べく、本発明は、(1)パイロット信号を発生させ所定
の注入位置にて制御対象回路中の信号に注入する発振手
段と、(2)この注入位置から見て後段に存する抽出位
置から制御対象回路中の信号を分岐する分岐部材及び分
岐された信号を狭帯域通過濾波するパイロット抽出用S
AWフィルタを有する抽出手段と、(3)このパイロッ
ト抽出用SAWフィルタの出力を参照して制御信号を発
生させる制御信号発生部と、を備え、(4)上記制御対
象回路の動作を制御乃至調整する制御回路において、
(5)上記発振手段が、上記パイロット抽出用SAWフ
ィルタと実質同一の温度特性を有する(即ち温度変化に
伴う中心周波数や通過帯域の変化が実質同一である)パ
イロット発振用SAWフィルタ及びこのパイロット発振
用SAWフィルタの出力から入力に到る帰還路上に設け
られた正帰還用増幅器を含む正帰還ループを備え、この
正帰還ループの発振によりパイロット信号を発生させる
ことを特徴とする。
【0018】このように、本発明においては、パイロッ
ト信号の発振周波数を決める正帰還ループ内に、パイロ
ット抽出用SAWフィルタと実質同一の温度特性を有す
るパイロット発振用SAWフィルタを設けている。従っ
て、温度による通過帯域シフトは、パイロット発振用S
AWフィルタ及びパイロット抽出用SAWフィルタの双
方に、概ね同様に現れる。即ち、温度変化に伴いパイロ
ット発振用SAWフィルタの通過帯域がシフトしたと
き、パイロット抽出用SAWフィルタの通過帯域もシフ
トする。
【0019】両フィルタにおける通過帯域シフト量の間
には、両フィルタの温度特性差及び温度差に依存する差
が生じうる。しかし、両フィルタが同じ制御対象回路に
付設されており従って互いにほぼ同じ温度環境下におか
れていると見なせることと、本発明にて両フィルタの温
度特性を実質同一としていることから、両フィルタにお
ける通過帯域シフト量の間には、実質的な相違が生じな
い。従って、両フィルタ特にパイロット抽出用SAWフ
ィルタの通過帯域を、専ら、必要とされるパイロット信
号抽出時信号純度に応じて、即ち温度変化に伴う通過帯
域シフトを考慮せずに、決定・設計することができる。
そのため、従来に比べ、パイロット信号抽出動作ひいて
はその結果に基づく制御動作の性能を向上させることが
できる。
【0020】このように、本発明においては、パイロッ
ト信号の周波数を一定としておらず、むしろ、温度変化
に伴うSAWフィルタの通過帯域シフトに任せて変動さ
せている。温度変化に伴うパイロット信号の周波数変動
を許容したとしても、その変動量は一般にわずかであ
り、制御対象回路内の信号(図4の例で言えばキャリア
分)とパイロット信号の間の相関の度合はさほど変化し
ない。即ち、本発明においては、温度補償や周波数安定
化によりパイロット信号の周波数を一定にするという従
来の発想を改め、温度変化に伴う周波数変動という比較
的小規模な周波数変動については許容するという新たな
観点を採用することによって、上述の効果に加え次のよ
うな各種の利点を達成している。
【0021】まず、従来技術では、温度補償及び安定化
が施されたパイロット信号周波数がパイロット抽出用S
AWフィルタの通過帯域からはずれないように当該フィ
ルタを設計する、という観点が採用されていた。即ち、
パイロット抽出用SAWフィルタの良否判定は、パイロ
ット信号周波数を基準としてかつ当該フィルタの温度特
性を考慮に入れて行う必要があった。これに対し、本発
明においては、パイロット発振用SAWフィルタとパイ
ロット抽出用SAWフィルタとの間で、通過帯域乃至そ
の温度特性に実質差がなければよい、という観点を採用
できる。言い換えれば、製造したSAWフィルタの中か
ら通過帯域乃至その温度特性に実質差がないペア、即ち
温度変化により一方の通過帯域がシフトしたときそれに
つれて他方の通過帯域もほぼ同じ量だけシフトするよう
なペアを選び、それらをパイロット抽出用SAWフィル
タ及びパイロット発振用SAWフィルタとして使用すれ
ばよい。これにより、従来に比べ、不良扱いとなるSA
Wフィルタ製品の個数が減る。即ち製造歩留まりが向上
する。
【0022】また、温度補償及び周波数安定化が施され
たパイロット信号が不要であるため、温度補償回路や位
相ロックループ等は不要になる。更に、電圧制御発振器
等を用いる必要もない。従って、回路の小型化、部品点
数の低減、消費電力の低減、設計の簡略化、信号純度等
の性能面での向上を始め、各種の効果が生じる。
【0023】更に、本発明は、製造したSAWフィルタ
の中から通過帯域乃至その温度特性に実質差がないペア
を選ぶ、という発想にとどまるものではない。例えば、
同じ特性になるように最初からペアで設計製造すること
も、可能である。具体的には、パイロット抽出用及び発
振用SAWフィルタを、同一チップ上に同一プロセスで
実質同時に形成することにより、ペアを構成するSAW
フィルタの温度特性を精密にかつ容易に一致させること
ができる。なお、このような単一チップ化まですすまな
いにしても、例えば、同一パッケージ内に同一特性の2
個のSAWチップを収納することによって、次善の効果
が得られる。
【0024】更に、本発明は、2個のSAWフィルタに
代えて1個のSAWフィルタを時分割使用する構成とす
ることもできる。具体的には、パイロット抽出用及び発
振用SAWフィルタに代え、単一のSAWフィルタと、
このSAWフィルタを正帰還用増幅器及び分岐部材に交
互に接続するスイッチとを設ける。更に、この単一のS
AWフィルタが上記正帰還用増幅器に接続されていると
き注入位置から制御対象回路中の信号に注入されたパイ
ロット信号が、当該単一のSAWフィルタが分岐部材に
接続されているときに当該単一のSAWフィルタの入力
端に現れうる時間関係となるよう、発振手段中に、発生
させたパイロット信号を所定時間遅延させる遅延回路を
設ける。これにより、SAWフィルタの個数を低減でき
る。
【0025】また、注入位置から制御対象回路内を経て
抽出位置への伝送に伴い信号遅延が生じるのであれば、
当該信号遅延を以て、遅延回路にて発生させるべき信号
遅延の一部の代用とすることが可能である。これによ
り、発振手段内に設ける遅延回路の小型化例えば同軸遅
延線の線路長の短縮を、実現できる。
【0026】そして、本発明は、フィードフォワード型
の歪補償増幅回路を構成する歪抽出ループ及び歪除去ル
ープの制御に適用できる。また、これらのループのうち
一方のみに適用することもできるし、双方に適用するこ
ともできる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
関し図面に基づき説明する。
【0028】図1に、本発明の第1実施形態に係るL1
制御部1又はL2制御部2の構成を示す。この実施形態
では、温度補償発振器5、分周器6、位相検波器7、電
圧制御発振器8及びループフィルタ9に代えて、SAW
フィルタ12及びその入出力間に接続された正帰還発振
用の増幅器A3が、設けられている。
【0029】SAWフィルタ12はSAWフィルタ10
と実質同一の特性を有している。より詳細には、両SA
Wフィルタ10及び12は、その中心周波数及び通過帯
域が互いに等しく、温度変化が生じたときの通過帯域シ
フト量が互いに等しい、という特性を有している。従っ
て、温度が変化したためSAWフィルタ12の通過帯域
乃至中心周波数がずれその結果SAWフィルタ12から
カプラC1又はC2へのパイロット信号出力周波数がず
れたとしても、同時にほぼ同じ量だけSAWフィルタ1
0の通過帯域乃至中心周波数もずれる。なお、SAWフ
ィルタ10とSAWフィルタ12とを相互に近接配置し
外部環境例えば温度の影響が相等しくなるようにするの
が望ましい。
【0030】従って、従来のように通過帯域シフト分を
吸収できるよう通過帯域を拡げる必要はなく、SAWフ
ィルタ10及び12の通過帯域を、パイロット信号の信
号純度等性能面での要請に従い狭くすることができる。
また、キャリア分の占有周波数帯域から顕著に離隔しな
いことと、SAWフィルタ10及び12が実質同一の温
度特性を有することという2条件を満足している限り、
微細加工との関連で多少中心周波数がばらついたとして
もSAWフィルタ製品をSAWフィルタ10及び12と
して用いることができるため、SAWフィルタ10及び
12製造時の歩留まりも向上する。更に、発振のための
回路も簡素になり、小型化、低価格化等を始め各種の効
果が得られる。
【0031】更に、ペア13を構成するSAWフィルタ
10及び12の実現形態としては、大まかには、第1
に、別々にパッケージングされた2個のSAWフィルタ
製品を近接配置する、第2に、同一パッケージ中に2個
のSAWチップ(それぞれフィルタである)を収納す
る、第3に、同一基板上に同一プロセスにより同時に2
個のSAWフィルタを作り込みその結果得られたSAW
フィルタ2個分の単一のチップを同一パッケージ中に収
納する、という3形態がある。第1の形態に比べると第
2の形態の方が、また第2の形態に比べると第3の形態
の方が、SAWフィルタ間で温度特性を一致させやす
い。特に、第2及び第3の形態では単一パッケージにな
るため集積性が高まり小型になる。第3の形態ではチッ
プ個数が1個になるためパッケージングの工程が簡素に
なる。
【0032】図2に、本発明の第2実施形態に係るL1
制御部1又はL2制御部2の構成を示す。この実施形態
では、SAWフィルタ10及び12に代えてSAWフィ
ルタ10及びスイッチSWを設けている。即ち、単一の
SAWフィルタ10を、スイッチSWにより、あるとき
はカプラC3又はC4側へ、後には増幅器A3側へと、
交互に接続している。SAWフィルタ10がスイッチS
Wにより図中a側に接続されているときには正帰還発振
ループが形成されカプラC1又はC2によるパイロット
信号の注入が行われる。注入されたパイロット信号は、
注入に用いられたカプラC1又はC2から、抽出に用い
られているカプラC3又はC4(より上位概念的に表現
すると分岐部材)へと、伝送される。その際に主増幅器
A1、遅延回路DL1及びDL2、歪増幅器A2等の部
材により遅延を受けるため、スイッチSWがb側即ちカ
プラC3又はC4側に切り替わった時点でも、SAWフ
ィルタ10によるパイロット信号の抽出が可能である。
従って、本実施形態は、第1実施形態に比べ部品点数が
少なく小型になる。また、1個のSAWフィルタ10を
発振用及び抽出用に時分割使用しているため、前述した
“温度特性の一致”の度合は第1実施形態に比べ高くな
る。なお、スイッチSWを交番切替する手段について図
2には明示していないが、これは、例えば外部から与え
られるクロックに応じ周期的に切り替える等、スイッチ
自動切替に関連する従来公知の技術の転用により実現で
きる。
【0033】図3に、本発明の第3実施形態に係るL1
制御部1又はL2制御部2の構成を示す。この実施形態
では、制御信号発生部11の後段に同軸遅延線等の遅延
回路DL3を設けている。この遅延回路DL3は、カプ
ラC1又はC2からカプラC3又はC4に到る伝送経路
での信号遅延を補う。このように、スイッチSWをb側
に転じた後パイロット信号を抽出できなくなるまでの時
間を、遅延回路DL3による遅延時間により延長してい
るため、本実施形態は、当該伝送経路での遅延時間が比
較的短いような応用例にてパイロット信号抽出期間を確
保する上で有用である。
【0034】なお、以上の説明は図4に示したフィード
フォワード型の歪補償増幅器を前提として行った。これ
は、説明の具体性と理解しやすさを保つためである。本
発明は、図4に示したもの以外にも、適用できる。例え
ば、本願出願人が特願平10−300667号にて開示
した如く、歪抽出ループL1側の振幅位相調整回路3に
対する制御信号を、定レベル化された本線信号を基準と
する抽出歪信号の同期検波により生成する構成、即ち歪
抽出ループL1側についてはパイロット信号を使用しな
い構成においても、歪除去ループL2側について本発明
を適用できる。また、本願におけるSAWには、狭義の
SAWのみならずLSAW(Leaky SAW)も含むものと
する。更には、SSBW(Surface Skimming Bulk Wav
e)、STW(Surface Transverse Wave)等、バルク波
に属するものをも、本願ではSAWに含めることとす
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る回路の構成を示
すブロック図である。
【図2】 本発明の第2実施形態に係る回路の構成を示
すブロック図である。
【図3】 本発明の第3実施形態に係る回路の構成を示
すブロック図である。
【図4】 フィードフォワード型の歪補償増幅回路の一
例構成を示すブロック図である。
【図5】 従来における回路の構成を示すブロック図で
ある。
【図6】 (a)はキャリア分により占有される周波数
帯域(主波)とパイロット信号の関係を、(b)はパイ
ロット信号抽出用のSAWフィルタの特性を、それぞれ
示す図である。
【符号の説明】
1,2 制御部、3,4 振幅位相調整回路、10,1
2 SAWフィルタ、11 制御信号発生部、13 S
AWフィルタペア、A1 主増幅器、A2 歪増幅器、
A3 増幅器、C1〜C4 カプラ、DL1〜DL3
遅延回路、H1〜H3 方向性結合器、L1 歪抽出ル
ープ、L2 歪除去ループ、SW スイッチ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−90843(JP,A) 特開 平2−194704(JP,A) 特開 平5−95253(JP,A) 特開 平7−106861(JP,A) 特開 平11−68658(JP,A) 特開 平10−267649(JP,A) 実開 平5−63131(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03F 1/00 - 3/72 H03B 5/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイロット信号を発生させ所定の注入位
    置にて制御対象回路中の信号に注入する発振手段と、こ
    の注入位置から見て後段に存する抽出位置から制御対象
    回路中の信号を分岐する分岐部材及び分岐された信号を
    狭帯域通過濾波するパイロット抽出用SAWフィルタを
    有する抽出手段と、このパイロット抽出用SAWフィル
    タの出力を参照して制御信号を発生させる制御信号発生
    部と、を備え、上記制御対象回路の動作を制御乃至調整
    する制御回路において、 上記発振手段が、上記パイロット抽出用SAWフィルタ
    と実質同一の温度特性を有するパイロット発振用SAW
    フィルタ及びこのパイロット発振用SAWフィルタの出
    力から入力に到る帰還路上に設けられた正帰還用増幅器
    を含む正帰還ループを備え、この正帰還ループの発振に
    よりパイロット信号を発生させることを特徴とする制御
    回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の制御回路において、 上記パイロット抽出用及び発振用SAWフィルタが、同
    一チップ上に同一プロセスで実質同時に形成されたSA
    Wフィルタのペアであることを特徴とする制御回路。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の制御回路におい
    て、 上記パイロット抽出用及び発振用SAWフィルタに代
    え、単一のSAWフィルタと、このSAWフィルタを上
    記正帰還用増幅器及び上記分岐部材に交互に接続するス
    イッチとを設け、 更に、上記単一のSAWフィルタが上記正帰還用増幅器
    に接続されているとき上記注入位置から制御対象回路中
    の信号に注入されたパイロット信号が、当該単一のSA
    Wフィルタが上記分岐部材に接続されているときに当該
    単一のSAWフィルタの入力端に現れうる時間関係とな
    るよう、上記発振手段中に、発生させたパイロット信号
    を所定時間遅延させる遅延回路を設けたことを特徴とす
    る制御回路。
  4. 【請求項4】 上記注入位置からその内部を経て上記抽
    出位置に到る伝送に伴い信号遅延が生じる回路を上記制
    御対象回路とする請求項3記載の制御回路において、 上記伝送に伴い生じる上記信号遅延を以て、上記遅延回
    路にて発生させるべき信号遅延の一部の代用とすること
    を特徴とする制御回路。
  5. 【請求項5】 主増幅器と、主増幅器への入力信号の一
    部を主増幅器からの出力信号の一部と結合させることに
    より抽出歪信号を生成する歪抽出ループと、抽出歪信号
    に基づき歪補償用信号を生成し主増幅器からの出力信号
    と結合させることにより歪補償出力信号を生成する歪除
    去ループと、抽出歪信号が主増幅器にて生じた歪成分を
    表す信号となるよう歪抽出ループを制御しまた歪補償出
    力信号に含まれる上記歪成分の量がより少なくなるよう
    歪除去ループを制御する制御回路と、を備えるフィード
    フォワード型の歪補償増幅回路において、 上記制御回路が、請求項1乃至4のいずれかに記載の制
    御回路であり、歪抽出ループ及び歪除去ループのうち少
    なくとも一方を上記制御対象回路とすることを特徴とす
    る歪補償増幅回路。
JP14671299A 1999-05-26 1999-05-26 制御回路 Expired - Fee Related JP3464627B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14671299A JP3464627B2 (ja) 1999-05-26 1999-05-26 制御回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14671299A JP3464627B2 (ja) 1999-05-26 1999-05-26 制御回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000341050A JP2000341050A (ja) 2000-12-08
JP3464627B2 true JP3464627B2 (ja) 2003-11-10

Family

ID=15413845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14671299A Expired - Fee Related JP3464627B2 (ja) 1999-05-26 1999-05-26 制御回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3464627B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5107155B2 (ja) * 2008-06-25 2012-12-26 パナソニック株式会社 無線送信装置、及びこれを用いた無線通信システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000341050A (ja) 2000-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3533351B2 (ja) フィードフォワード増幅器及びその制御回路
US4943783A (en) Feed forward distortion correction circuit
US9143136B2 (en) Pumped distributed wave oscillator system
US6369655B2 (en) Feedback circuit and amplifier and mixer comprising the same
EP0552059B1 (en) Power amplifier device
KR100553251B1 (ko) 전력 증폭기 및 증폭 방법
US6750706B2 (en) Control method and circuit for feedforward distortion compensation amplifier
US6393011B1 (en) Receiving circuit of mobile communication terminal having feed forward linearizer
JP3464627B2 (ja) 制御回路
KR100429956B1 (ko) 피드포워드 증폭기
JP4498620B2 (ja) 増幅回路
US6400223B1 (en) Double carrier cancellation in wide band multi-carrier feed forward linearized power amplifier
US6388515B1 (en) Feedforward amplifier
JP3764088B2 (ja) フィードフォワード増幅器及びその制御回路
KR100371531B1 (ko) 에러 피드백을 이용한 피드포워드 선형 전력 증폭기
JPH10303777A (ja) 無線装置の相互変調歪低減回路
JP3911444B2 (ja) フィードフォワード歪補償増幅器の制御回路およびフィードフォワード歪補償増幅器
JP2590850B2 (ja) 発振器
JP3358240B2 (ja) フィードフォワード増幅器
JP4348466B2 (ja) マイクロ波増幅回路
KR20230117827A (ko) Dds 칩 동작을 위한 외부 기준 신호원 생성기
JPH0828619B2 (ja) フィードフォワード増幅器
JPH11355057A (ja) 歪み補償アンプの制御方法
KR100406872B1 (ko) 전력 증폭기의 혼변조 성능 개선을 위해 다이오드 믹서를이용한 포스트디스토션 선형화기
JP2006013733A (ja) 電圧制御発振器

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080822

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090822

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100822

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110822

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110822

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120822

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120822

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130822

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees