JP3911444B2 - フィードフォワード歪補償増幅器の制御回路およびフィードフォワード歪補償増幅器 - Google Patents

フィードフォワード歪補償増幅器の制御回路およびフィードフォワード歪補償増幅器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主増幅器において発生する歪み、たとえば相互変調歪みを補償するためのフィードフォワード(以下「FF」と略す)ループを備えたFF歪補償増幅器について、特にFFループを最適化するための、フィードフォワード歪補償増幅器の制御回路やフィードフォワード歪補償増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動体通信用の基地局などでは、所定の周波数間隔を有しそれぞれ適宜変調されているマルチキャリア信号を、高周波増幅した後で無線送信する。高周波増幅に用いる増幅器の線形性が十分良好でないと、たとえば相互変調歪み等、各種の歪みが発生する。この歪みは、正常かつ高品質な通信を実現する上で支障になる。そのため、マルチキャリア信号の増幅に対しては、マルチキャリア信号が属する周波数帯域全体に亘り良好な線形性が要求され、この歪みの許容値には厳しい仕様がある。
【0003】
このようなマルチキャリア信号の増幅に適する歪補償増幅器を実現する手法の一つとして、特開2000−196366号公報等に記載されているFF増幅方式がある。
【0004】
FF増幅方式では、信号入力端から主増幅器を経て信号出力端に到る信号経路、即ち増幅すべき信号および増幅した信号を伝送するための信号経路(以下、この信号経路を本線と呼ぶものとする)上で、主増幅器より後段にある点から分岐した信号と、この本線上で主増幅器より前段にある点から分岐した信号に関して、それぞれ経由した信号経路の電気長が互いに等しく、且つ、両信号が互いに同振幅かつ逆位相になっていれば、この両信号を結合させることにより搬送波成分を打ち消し、主増幅器およびその周辺回路によって生じた歪みに相当する信号を取り出すことができる。
【0005】
このようにして取り出された歪みに相当する信号を歪補償ループを通過させ、本線上の信号と再結合させる。本線上で生じる信号遅延が歪補償ループにおける信号遅延で補償され、または本線上の信号に含まれる歪成分と歪補償ループから得られる信号とが互いに同振幅で逆位相になるように歪補償ループまたは本線にて振幅や位相の調整が適宜行われると、上述した信号再結合作用によって、主増幅器にて発生した歪みを補償することができる。
【0006】
図8に、従来におけるFF増幅器の一構成例を示す。この図において、信号入力端INから入力される例えばマルチキャリア信号は、ハイブリッドHYB1により2分岐される。2分岐された信号の一方は、主増幅器A1にて増幅され、ハイブリッドHYB2に到る。もう一方の信号は、遅延線D1を介してHYB2に供給される。この遅延線D1は主増幅器A1にて発生する信号遅延を補償するための遅延線であり、D1を介して遅延された信号は、HYB2によって主増幅器A1にて発生した歪みを含む信号と結合される。
【0007】
このように主増幅器A1の出力信号から分岐された信号と遅延線D1を経由した信号とを結合させることによって搬送波成分をキャンセルし、主増幅器A1で発生する歪みを取り出す(検知する)には、HYB2における結合時点で、両信号の搬送波成分が互いに逆位相で同タイミングかつ同振幅でなければならない。遅延線D1は搬送波成分同士を同タイミングにするための手段であり、可変減衰器ATT1、可変移相器PS1並びにこれらにおける信号減衰量G1および移相量θ1を最適な値に調整および制御する制御回路110は、搬送波成分同士を逆位相で同振幅にするための手段である。
【0008】
次に、図8に記載のFF増幅器において、主増幅器A1で増幅され、歪み成分を含む搬送波成分は、ハイブリッドHYB2に供給される。そして、搬送波信号を含まない歪み成分のみの信号は一方で遅延線D2を経由してハイブリッドHYB3に供給され、搬送波信号を含まない歪み成分のみの信号は他方で補助増幅器A2で増幅され、HYB3に供給される歪補償ループL2を構成している。この歪補償ループL2において、遅延線D2経由の信号と補助増幅器A2経由の信号とを結合させることによって歪みを補償(キャンセル)するには、HYB3における結合時点で両信号が互いに逆位相で同タイミングかつ同振幅でなければならない。遅延線D2は歪み成分同士を同タイミングにするための手段であり、可変減衰器ATT2における信号減衰量G2および可変移相器PS2における移相量θ2を最適な値に調整および制御する制御回路110は、歪み成分同士を逆位相で同振幅にするための手段である。
【0009】
図8に記載のFF増幅器おいて、この歪補償ループL2の最適化処理は、以下のようにパイロット信号を挿入および検出することによって、実行されている。制御回路110は、同期検波器138、パイロット信号を発生させるための発振器OSC2、およびこの発振器OSC2の信号を同相で2分配し、一方をパイロット信号とし、他方を参照信号REFとする同相分配器128を備えている。このような歪補償ループL2の構成において、遅延線D2経由のパイロット信号と補助増幅器A2経由のパイロット信号とを結合させることによって歪みをキャンセルさせるため、可変減衰器ATT2の振幅減衰量G2および可変移相器PS2の移相量θ2を同期検波器138の出力信号によって最適な値に調整および制御する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような構成の回路によって、マルチキャリア信号の増幅に適するFF増幅器を実現することができる。
【0011】
しかるに、図8に示した従来例では、パイロット信号は、1波であるので増幅器の使用帯域からある程度離れた上側または下側周波数のいずれかの信号となる。従って、たとえばこのパイロット信号が使用帯域の上側周波数のパイロット信号である場合には、その上側周波数またはそれに近い周波数における歪の除去または抑圧の性能は最適になるにしても、増幅器が実際に使用される周波数帯域の下側周波数帯域では、歪の除去または抑圧の性能は、必ずしも最適にはならない。このため、使用帯域の下側周波数のパイロット信号と上側周波数のパイロット信号の2波を用いることが望まれていた。
【0012】
さらに、図8に示すような従来の構成例によれば、歪補償ループL2の出力信号が方向性結合器DC4からバンドパスフィルタBPF3に供給され、パイロット信号だけが抽出されて同期検波器38に誤差信号ERRとして供給される。しかし、DC4から取り出される出力信号には、HYB2でキャンセルされていても増幅された搬送波信号が含まれているので、この搬送波信号成分を除去して微弱なパイロット信号を抽出するのに非常に急峻な特性のフィルタが必要になる。しかし、このようなフィルタを実現するには物理的なサイズの大きなものが必要となり、回路を小型化することが難しかった。
【0013】
また、この問題を回避するためには歪み補償ループL2の出力信号を一度IF帯へその周波数をダウンコンバートしてからフィルタリングすることも考えられるが、ダウンコンバート用のローカル発振器や、IFローカル発振器などの余分な発振器が必要となり、回路規模が大きくなっていた。
【0014】
本発明は、このような課題を考慮して、ローカル信号源用の発振器が削減され、マルチキャリア信号の周波数全体にわたる歪み抑圧を最適化することができる、ィードフォワード歪補償増幅器の制御回路フィードフォワード歪補償増幅器提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためのの本発明は、周波数が相異なる複数の搬送波を含む主増幅器への入力信号から分岐した信号と前記主増幅器の出力信号から分岐した信号とを結合させ、この結合により搬送波成分同士が打ち消し合うことにより、前記主増幅器で発生した歪成分を検出する歪み検出ループと、前記結合により得られた信号を前記主増幅器の出力信号に再結合させる歪み補償ループと、並びにこの再結合に際してその対象となる信号のうち少なくとも一方に関し再結合時に歪み成分同士が打ち消し合うよう振幅および位相調整を施す手段と、を含むフィードフォワード歪補償増幅器の制御回路において、
第1および第2のパイロット信号源から得られる第1および第2のパイロット信号を前記主増幅器の入力信号または出力信号に挿入し、前記再結合を経た信号の一部を分岐して取り出し、
前記分岐して取り出した信号を帯域通過させて前記第1のパイロット信号を含み前記第2のパイロット信号を含まない第1のパイロット信号成分を得、前記第1のパイロット信号成分を前記第2のパイロット信号によって直交ミキシングすることにより前記第1のパイロット信号の周波数と前記第2のパイロット信号の周波数の差の周波数にダウンコンバートして、互いに位相が直交する関係にある一組の第1のダウンコンバート信号とし、前記分岐して取り出した信号を別に帯域通過させて前記第2のパイロット信号を含み前記第1のパイロット信号を含まない第2のパイロット信号成分とし、前記第2のパイロット信号成分を前記第1のパイロット信号によって直交ミキシングすることにより前記差の周波数にダウンコンバートして、互いに位相が直交する関係にある一組の第2のダウンコンバート信号とし、
前記第1のパイロット信号と前記第2のパイロット信号を利用して同期検波のための信号を発生する同期検波用信号発生手段から供給される、前記第1のパイロット信号の周波数と前記第2のパイロット信号の周波数との差の周波数の同期検波用信号を用いて、
前記互いに位相が直交する関係にある一組の第1のダウンコンバート信号の同相成分、および前記互いに位相が直交する関係にある一組の第2のダウンコンバート信号の同相成分を合成した信号と、前記互いに位相が直交する関係にある一組の第1のダウンコンバート信号の直交成分、および前記互いに位相が直交する関係にある一組の第2のダウンコンバート信号の直交成分を合成した信号とを、それぞれ同期検波することにより前記手段への制御信号を発生させる、フィードフォワード歪補償増幅器の制御回路である。
【0023】
の本発明は、前記同期検波用信号発生手段は、前記第1のパイロット信号と前記第2のパイロット信号とをミキシングして、前記ミキシングした信号のうち、前記第1のパイロット信号の周波数と前記第2のパイロット信号の周波数との差の周波数の信号を帯域通過させ、前記帯域通過した信号を複数の経路に分配する、第の本発明のィードフォワード歪補償増幅器の制御回路である。
【0024】
の本発明は、前記第1のダウンコンバート信号と前記第2のダウンコンバート信号とを切り替えて検波する、第1の本発明のフィードフォワード歪補償増幅器の制御回路である。
【0025】
の本発明は、前記第1のダウンコンバート信号を使用して検波する時間と、前記第2のダウンコンバート信号を使用して検波する時間は、重み付けされて決定される、第の本発明のフィードフォワード歪補償増幅器の制御回路である。
【0026】
の本発明は、前記第1および第2のパイロット信号の周波数は、全ての前記搬送波に基づいて決定されており、前記重み付けは、前記全ての搬送波のうち、実際に使用される搬送波によって決定される、第の本発明のフィードフォワード歪補償増幅器の制御回路である。
【0027】
の本発明は、前記第1および第2のパイロット信号源の発振器を構成する素子と、前記第1のパイロット信号を帯域通過させて取り出すための帯域通過フィルタを構成する素子と、前記第2のパイロット信号を帯域通過させて取り出すための帯域通過フィルタを構成する素子と、が実質的に同一の温度特性の素子である、第1の本発明のフィードフォワード歪補償増幅器の制御回路である。
【0028】
の本発明は、前記第1および第2のパイロット信号源の発振器を構成する素子と、前記第1のパイロット信号を帯域通過させて取り出すための帯域通過フィルタを構成する素子と、前記第2のパイロット信号を帯域通過させて取り出すための帯域通過フィルタを構成する素子と、が同一温度制御のオーブン上に設置されている、第1の本発明のフィードフォワード歪補償増幅器の制御回路である。
【0029】
の本発明は、周波数が相異なる複数の搬送波を含む主増幅器への入力信号から分岐した信号と前記主増幅器の出力信号から分岐した信号とを結合させ、この結合により搬送波成分同士が打ち消し合うことにより、前記主増幅器で発生した歪成分を検出する歪み検出ループと、上記結合により得られた信号を前記主増幅器の出力信号に再結合させる歪み補償ループと、並びにこの再結合に際してその対象となる信号のうち少なくとも一方に関し再結合時に歪み成分同士が打ち消し合うよう振幅および位相調整を施す手段と、を含むフィードフォワード歪補償増幅器において、
の本発明のフィードフォワード歪補償増幅器の制御回路を備えるフィードフォワード歪補償増幅器である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0031】
(実施の形態1)
図1に、本発明の実施の形態1に係る回路の構成を示す。図1において、信号入力端INに信号たとえばマルチキャリア信号が方向性結合器11に印加されると、この方向性結合器11により二分岐される。二分岐された信号の一方は、ベクトル調整器14に入力され、振幅および位相の調整がされ、主増幅器16により増幅される。主増幅器16により増幅された信号は、方向性結合器12および遅延線19を介して方向性結合器13に入力され、更に、方向性結合器13から信号出力端OUTを経由して後段の回路に出力される。
【0032】
方向性結合器11により二分岐されたもう一方の信号は遅延線18を経由して方向性結合器12に入力される。この遅延線18は、方向性結合器11の信号分岐点から主増幅器16を経て方向性結合器12の信号合成点までの経路で生じる信号遅延を補償するためのものである。
【0033】
方向性結合器12は主増幅器16から出力される歪みを含む信号を二分岐する。二分岐された一方の信号は遅延線19へ供給され、もう一方の信号は前記遅延線18経由の信号と結合される。この結合により、搬送波成分がキャンセルされ、歪み成分が取り出される。このキャンセルをするために、前記ベクトル調整器14において方向性結合器11で二分岐された一方の信号の振幅および位相が調整される。このように方向性結合器11、ベクトル調整器14、増幅器16、方向性結合器12、遅延線18によりひずみ検出ループが構成されている。
【0034】
この結合の結果得られた信号は、方向性結合器12から可変ベクトル調整器15に入力され、振幅および位相の調整を受け、補助増幅器17により増幅される。補助増幅器17により増幅された信号は方向性結合器13に入力される。方向性結合器13に入力された信号は、遅延線19を経由して入力された信号とこの方向性結合器13において結合され(歪み成分のキャンセル)、信号出力端OUTから出力される。このように方向性結合器12、ベクトル調整器15、増幅器17、方向性結合器13、遅延線19によりひずみ補償ループが構成されている。
【0035】
この歪み成分のキャンセルは、本発明においては制御回路20の働きにより、2波のパイロット信号を挿入、検出することによって実現することができる。従来の技術では1波のパイロット信号でこの機能をさせていることに対して、2波のパイロット信号を活用する本発明による方法を以下に説明する。
【0036】
制御回路20は、2波のパイロット信号源としてfp1のパイロット信号を発信するパイロット信号源26、およびfp2のパイロット信号を発信するパイロット信号源27を有しており、パイロット信号源26から得られる第1のパイロット信号およびパイロット信号源27から得られる第2のパイロット信号は、それぞれハイブリッド10に印加される。このハイブリッド10に印加された両パイロット信号はハイブリッド10の内部で結合されて出力され、方向性結合器22を介して方向性結合器12への入力信号中に挿入され重畳される。
【0037】
一方、ハイブリッド10で結合された第1および第2のパイロット信号は、方向性結合器21により取り出され、ミキサ33に印加される。たとえば、ダイオードの2次非線形特性を利用したミキサ33は、入力された2波のパイロット信号から直流成分と和および差のビート信号成分をIFフィルタ43に出力する。IFフィルタ43は、差のビート信号成分、いわゆる中間周波数にビートダウン(ダウンコンバート)された信号だけを取り出し、分配器51に出力する。
【0038】
さて、前記のように挿入され重畳された第1および第2のパイロット信号は、上述したように主増幅器16で増幅された搬送波信号とともに方向性結合器12の一方の出力端から遅延線19を経由して方向性結合器13に入力され、もう一方の出力端から搬送波成分がキャンセルされた信号となって、可変ベクトル調整器15および補助増幅器17を経由して方向性結合器13に供給される。
【0039】
方向性結合器13の出力信号は、方向性結合器25により抽出され、分配器52において2分岐され、それぞれバンドパスフィルタ41およびバンドパスフィルタ42に供給される。ここで、バンドパスフィルタ41の帯域通過特性は第1のパイロット信号を帯域通過させるが第2のパイロット信号を通過させないように設定され、バンドパスフィルタ42の特性は第2のパイロット信号を帯域通過させるが第1のパイロット信号成分を通過させないように設定されているので、バンドパスフィルタ41の出力信号として第1のパイロット信号を含む第1のパイロット信号成分がミキサ31の一方の入力端に供給される。ミキサ31のもう一方の入力端には、第2のパイロット信号源27から方向性結合器24により抽出され、移相器29で位相調整された第2のパイロット信号が印加される。同様に、バンドパスフィルタ42から取り出される第2のパイロット信号を含む第2のパイロット信号成分がミキサ32の一方の入力端に供給され、もう一方の入力端には第1のパイロット信号源26から方向性結合器23により抽出され、移相器28で位相調整された第1のパイロット信号が印加される。
【0040】
この結果、ミキサ31において、バンドパスフィルタ41から入力された第1のパイロット信号成分と移相器29を経由して入力された第2のパイロット信号がミキシングされ、IFフィルタ44に出力される。同様に、バンドパスフィルタ42から入力された第2のパイロット信号成分と移相器28を経由して入力された第1のパイロット信号がミキサ32においてミキシングされ、IFフィルタ45に供給される。IFフィルタ44および45は、それぞれミキサ31、ミキサ32から供給されるミキシング出力信号から第1のパイロット信号の周波数と第2のパイロット信号の周波数の差の周波数、即ち中間周波数にビートダウンされた信号(第1のダウンコンバート信号および第2のダウンコンバート信号)を取り出し、直交ミキサ35および直交ミキサ36のそれぞれの一方の入力端に印加する。
【0041】
直交ミキサ35および36のそれぞれのもう一方の入力端には分配器51から前述のように第1のパイロット信号と第2のパイロット信号の間でビートダウンした中間周波数の信号が印加されている。その結果、直交ミキサ35は、両入力端から供給された信号間で直交ミキシングを行い、低域フィルタ(図示省略されている)を通して、同相分(I)および直交分(Q)の出力信号を結合点37および38に出力する。同様にして直交ミキサ36から得られるI出力信号が結合点37に印加され、Q出力信号が結合点38に印加される。このようにバンドパスフィルタ41から取り出され、中間周波数に変換された第1のパイロット信号成分の振幅情報および位相情報が直交ミキサ35のI出力信号およびQ出力信号に含まれる。同様に、バンドパスフィルタ42を経由した第2のパイロット信号成分の振幅情報および位相情報が直交ミキサ36のI出力信号およびQ出力信号に含まれる。
【0042】
直交ミキサ35および36のそれぞれのI出力信号は、結合点37において加え合わされ、レベル変換器39によりレベル変換されてから可変ベクトル調整器15へ振幅調整用の信号として供給される。同様に、直交ミキサ35および36のそれぞれのQ出力信号は、結合点38で加え合わされ、レベル変換器40によりレベル変換されてから可変ベクトル調整器15へ位相調整用の信号として供給される。
【0043】
可変ベクトル調整器15は、結合点37および38の出力信号がそれぞれ最小(またはゼロ)になるように方向性結合器12から供給された信号のベクトル(振幅および位相)を制御し、方向性結合器13の出力信号に含まれるパイロット信号が最も小さくなるようにする。
【0044】
このようにして、本発明によるFF増幅器の制御回路は、FF増幅されるマルチキャリア信号の周波数帯域の上側および下側周波数の外側でかつ適当に近接する2波のパイロット信号を利用して、FF増幅器の非直線性に起因して生じる歪みを除去することを実現できる。
【0045】
ここで、本発明による上記制御回路の動作機能をさらに分かりやすくするため、簡単に2波の搬送波信号の場合を例にして、2波のパイロット信号との関係を図2のスペクトル図を用いて説明する。
【0046】
図2において、2つの搬送波の周波数がf1およびf2で示され、両搬送波の相互変調により生じる歪み成分の中で最も搬送波周波数に近接する歪み成分(相互変調歪み成分)の周波数がfxおよびfyで示されている。さらに、これらの歪み成分を補償するためのパイロット信号の周波数は、歪み成分の周波数の外側に位置し、fp1およびfp2で示されている。
【0047】
周知のように、増幅器で非直線歪みが発生している場合、非直線歪みはかなり高次のものまで発生するが、実用上は2次歪み成分および3次歪み成分を考えればよいので、その入力信号電圧(e)と出力信号電圧(E)の関係は次式で示される。
【0048】
E=K1e+K22+K33 (式1)
ここに、Knは増幅器の直線性を表す係数である。
【0049】
いま、増幅器の入力に次式のように2つの周波数成分をもつ信号が加わったものとする。
【0050】
e=Acosω1t+Bcosω2t (式2)
ここに、ω1=2πf1、 ω2=2πf2
(式2)を(式1)に代入して展開整理すると、3次歪みの中から次の相互変調歪み成分が得られる。
【0051】
3/4[K32Bcos(2ω1±ω2)t]
および、
3/4[K32Acos(2ω2±ω1)t]
従って、これら4つの相互変調歪み成分の中で搬送波周波数f1およびf2に最も近接する周波数は、fx=(2f1−f2)およびfy=(2f2−f1)の成分である。
【0052】
たとえば、f1=2130(MHz)、f2=2150(MHz)とすると、相互変調歪み成分は、図2に示すようにfx=2110(MHz)およびfy=2170(MHz)になる。従って、パイロット信号として、fxに対して外側になるfp1=2105(MHz)、同様に、fyに対してfp2=2175(MHz)の周波数が選ばれている。このパイロット信号の周波数を使い、既に述べた図1の制御回路20の動作を、さらに補足説明する。
【0053】
即ち、図2においてパイロット信号源26のパイロット信号周波数を2105(MHz)とし、パイロット信号源27の発振周波数を2175(MHz)とする。前記の説明に従い、IFフィルタ43から70MHzにビートダウンされた信号が、分配器51で2分配され、直交ミキサ35および36に供給される。
【0054】
一方、方向性結合器25から抽出され、分配器52で2分配された信号は、バンドパスフィルタ41および42に印加される。
【0055】
バンドパスフィルタ41は、fp1=2105(MHz)の周波数のパイロット信号(第1のパイロット信号成分)を通過させ、ミキサ31の一方の入力端に出力する。ミキサ31のもう一方の入力端には、方向性結合器24で抽出されたfp2=2175(MHz)のパイロット信号が移相器29を経由して、入力されているので、ミキサ31の両入力端から供給された信号がミキサ31で混合され、ビート信号となってIFフィルタ44に出力される。
【0056】
IFフィルタ44は入力信号の中から差のビート信号、即ち70(MHz)の中間周波数にビートダウンされた信号を通過させ、直交ミキサ35の一方の入力端に印加する。従って、方向性結合器25から抽出され、バンドパスフィルタ41を経由して得られた周波数fp1のパイロット信号成分が、中間周波数にダウンコンバートされて直交ミキサ35に印加される。
【0057】
直交ミキサ35は、既に述べたように、分配器51から両パイロット信号の差周波数(70(MHz))の信号がもう一方の入力端に与えられているので、たとえば同期検波あるいは乗積検波のような処理により、前記のように方向性結合器25から抽出された出力信号に含まれる周波数fp1のパイロット信号成分の振幅情報および位相情報をそれぞれI出力信号およびQ出力信号として出力する。
【0058】
同様に、方向性結合器25で抽出され、バンドパスフィルタ42を介して取り出された周波数fp2のパイロット信号成分が、方向性結合器23から抽出され、移相器28を経由したfp1のパイロット信号とミキサ32において混合される。その結果、中間周波数(70(MHz))にビートダウン(ダウンコンバート)されたfp2のパイロット信号成分がIFフィルタ45を介して取り出され、直交ミキサ36に供給される。直交ミキサ36の動作機能は、直交ミキサ35と同様であり、方向性結合器25により抽出された信号に含まれる周波数fp2のパイロット信号成分の振幅情報および位相情報をI出力信号およびQ出力信号として出力する。
【0059】
直交ミキサ段以降の動作については、既に説明しているので、ここでは省略する。
【0060】
(実施の形態2)
図3に本発明の実施の形態2に係る回路の構成を示す。図3において、図1に示した実施の形態1の回路と同様の、または対応する構成ブロックには同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0061】
図3の方向性結合器13から出力される信号は、実施の形態1と同様に、方向性結合器25を介して分配器52に供給され、ここで2分配されて、バンドパスフィルタ41および42に入る。バンドパスフィルタ41は、実施の形態1で説明したように、バンドパスフィルタ41に入力された信号の中から第1のパイロット信号源26から出力される周波数fp1のパイロット信号成分(第1のパイロット信号成分)を帯域通過させ、直交ミキサ35の一方の入力端に印加する。同様に、バンドパスフィルタ42は、第2のパイロット信号源27から出力される周波数fp2のパイロット信号成分(第2のパイロット信号成分)を帯域通過させ、直交ミキサ36の一方の入力端に印加する。
【0062】
直交ミキサ35では、このバンドパスフィルタ41から入力してきたfp1のパイロット信号成分が、もう一方の入力端から入力される、方向性結合器24により取り出され移相器29で位相調整されたfp2の第2のパイロット信号により、直交ミキシングされる。直交ミキサ35の出力端には、直交ミキシングされた結果得られる同相分(I)並びに直交分(Q)の出力信号が得られる。この出力信号を図示されていないが、フィルタ処理して高調波成分を除去すると、中間周波数(fp2とfp1の差の周波数)にダウンコンバートされた上記第1のパイロット信号成分(第1のダウンコンバート信号)のI出力信号(I−IF)およびQ出力信号(Q−IF)が得られ、ミキサ55および56の一方の入力端にそれぞれ印加される。すなわち、I出力信号(I−IF)とQ出力信号(Q−IF)は、位相が互いに直交する関係にある一組の第1のダウンコンバート信号として、ミキサ55および56にそれぞれ入力される。
【0063】
同様に、直交ミキサ36では、バンドパスフィルタ42から入力されたfp2のパイロット信号成分が、もう一方の入力端から供給される方向性結合器23で取り出され、移相器28で位相調整されたfp1の第1のパイロット信号により、直交ミキシングされる。この結果、直交ミキサ35の出力信号と同様に中間周波数にダウンコンバートされた第2のパイロット信号成分(第2のダウンコンバート信号)のI出力信号(I−IF)およびQ出力信号(Q―IF)が得られ、ミキサ53および54の一方の入力端にそれぞれ印加される。すなわち、I出力信号(I−IF)とQ出力信号(Q−IF)は、位相が互いに直交する関係にある一組の第2のダウンコンバート信号として、ミキサ53および54にそれぞれ入力される。
【0064】
上記ミキサ55のもう一方の入力端には実施の形態1と同様に、分配器51から第1のパイロット信号の周波数fp1と第2のパイロット信号の周波数fp2の差周波数(中間周波数)にビートダウンされた信号が印加されており、上記のように入力されている中間周波数にビートダウン(ダウンコンバート)された第1のダウンコンバート信号(I−IF)を同期検波する。こうして、ミキサ55で同期検波された信号は、フィルタ(図示されていない)により高調波成分が除去されることにより、第1のパイロット信号成分のI出力信号として結合点37に印加される。
【0065】
同様に、ミキサ56では、直交ミキサ35から供給される第1のパイロット信号成分の中間周波数にビートダウンされた第1のダウンコンバート信号(Q−IF)信号が同期検波され、高調波成分がフィルタ除去され、Q出力信号として結合点38に印加される。ミキサ53および54においても同様に、直交ミキサ36から供給された第2のパイロット信号成分が中間周波数にビートダウンされた第2のダウンコンバート信号(I−IF)および(Q−IF)が同期検波され、I出力信号およびQ出力信号としてそれぞれ結合点37および結合点38に印加される。
【0066】
結合点37において、第1のダウンコンバート信号の上記I出力信号および第2のダウンコンバート信号の上記I出力信号が合成され、実施の形態1と同様にレベル変換器39を経由して可変ベクトル調整器15にフィードバックされる。同様に、結合点38では上記Q出力信号が合成され、レベル変換器40を経由して可変ベクトル調整器15にフィードバックされる。
【0067】
可変ベクトル調整器15は、実施の形態1と同様に、FF増幅器の出力端に出力される出力信号に含まれる第1および第2のパイロット信号が最小になるようにするために、結合点37および38の出力信号が最小(ゼロ)になるように方向性結合器12から供給された信号のベクトル(振幅および位相)を制御する。
【0068】
なお本実施の形態の変形例として、図4に示す回路も考えられる。図4の回路において図3の回路と異なる点は、図4の回路では、直交ミキサ35を経て第1のパイロット信号成分が中間周波数(fp1とfp2の差の周波数)にダウンコンバートされた第1のダウンコンバート信号のI出力信号(I−IF)と、直交ミキサ36を経て第2のパイロット信号成分が中間周波数にダウンコンバートされた第2のダウンコンバート信号のI出力信号(I−IF)とが結合点37で同相合成され、同様に、直交ミキサ35を経て第1のパイロット信号成分が中間周波数にダウンコンバートされた第1のダウンコンバート信号のQ出力信号(Q−IF)と、直交ミキサ36を経て第2のパイロット信号成分が中間周波数にダウンコンバートされた第2のコンバート信号のQ出力信号(Q−IF)とが結合点38で同相合成され、それらがそれぞれミキサ57、ミキサ58で、第1のパイロット信号の周波数fp1と第2のパイロットの信号周波数fp2の差周波数(中間周波数)にビートダウンされた信号により同期検波されている点である。それ以外の動作は、図3の回路と同様である。
【0069】
図3の回路ではI−IFおよびQ−IFを同期検波するのにミキサが4個必要であったのが、図4の回路では必要なミキサの数は2個になっている。つまりこのような回路構成とすることにより、同期検波で必要なミキサの数を少なくすることができる。
【0070】
実施の形態2の回路によれば、位相が互いに直交する関係の信号にしているので検波処理が簡単になる。
【0071】
(実施の形態3)
図5に本発明による実施の形態3に係る回路の構成を示す。図5において、図1および図3に示した実施の形態1および2の回路と同様の、または対応する構成ブロックには同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0072】
実施の形態2と同様に、図5に記載の回路においても方向性結合器25を介して分配器52に印加される方向性結合器13からの出力信号は、2分配され、バンドパスフィルタ41および42に入る。バンドパスフィルタ41は、入力された信号から周波数fp1の第1のパイロット信号成分を帯域通過させ、帯域通過された第1のパイロット信号成分は、直交ミキサ35の一方の入力端に印加する。
【0073】
直交ミキサ35は、この第1のパイロット信号成分を、もう一方の入力端から入力された周波数fp2の第2のパイロット信号と直交ミキシングして、同相分(I)および直交分(Q)のミキシング出力信号を出力する。これらのミキシング出力信号をフィルタ(図示省略)に通して高調波成分を除去すると、第1のパイロット信号成分が中間周波数(fp1とfp2の差の周波数)にダウンコンバートされた第1のダウンコンバート信号のI信号(I−IF)およびQ信号(Q−IF)が得られ、それぞれ検波器ミキサ55aおよび56aに印加され、レベル検波される。
【0074】
同様に、直交ミキサ36は、バンドパスフィルタ42を帯域通過した周波数fp2の第2のパイロット信号成分を第1のパイロット信号と直交ミキシングする。こうして、第2のパイロット信号成分が中間周波数にダウンコンバートされた第2のダウンコンバート信号のI信号(I−IF)およびQ信号(Q−IF)もまた得られ、それぞれ検波器ミキサ53aおよび54aに印加され、レベル検波される。
【0075】
検波器ミキサ53aによりレベル検波された上記第1のパイロット信号成分のI信号(I−IF)は、図示されていないが、低域フィルタ処理されて、I信号として結合点37に印加される。同様に、検波器ミキサ53aによりレベル検波された第2のパイロット信号成分のI信号(I−IF)も低域フィルタ処理され、I信号として結合点37に印加される。こうして低域フィルタ処理されたI信号同士が結合点37において合成される。
【0076】
同様に、検波器ミキサ56aおよび検波器ミキサ54aにより、レベル検波され、低域フィルタ処理された第1および第2のパイロット信号成分のQ信号が、結合点38に印加され、結合点38において合成される。
【0077】
結合点以降の機能動作は、前記実施の形態1および2と同様であるので、記述を省略する。なお、上記検波器ミキサ53a〜56aは、2次非線形検波器または包絡線検波器または直線検波器のいずれでもよい。この場合図5に示すように、図1あるいは図2に示すミキサ33、IFフィルタ43および分配器51を省略することができる。
【0078】
(実施の形態4)
以上までの本発明の実施の形態の制御回路においては、第1のダウンコンバート信号および第2のダウンコンバート信号の両方を検波することにより、レベル変換した後、可変ベクトル調整器14に導入する、として説明してきたが、第1のダウンコンバート信号と、第2のダウンコンバート信号とを切り替えて、検波してレベル調整した後、可変ベクトル調整器に導入してもよい。このような例を実施の形態4として図6に示す。
【0079】
図6に示す回路構成は、図1に示す回路構成を変形したものである。図1に示される回路と同様の、または対応する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図6に示す回路構成においては、分配器51、結合点37、38が無く、直交ミキサ35、36の代わりに直交ミキサ62が使用される。そして、直交ミキサ62にはスイッチ61の出力端が接続され、スイッチ61の入力端の一方にはIFフィルタ44の出力側が接続され、スイッチ61の入力端の他方にはIFフィルタ45の出力側が接続されている。ここでスイッチ61としては、半導体スイッチが使用されている。そして、直交ミキサ62の出力側は、レベル変換器39、40に接続されている。
【0080】
次にこのような構成の回路の動作を説明する。
【0081】
スイッチ61は、まずIFフィルタ44と直交ミキサ62を接続し、直交ミキサ62は第1のダウンコンバート信号を検波する。そして、所定時間の経過後、スイッチ62は、IFフィルタ45と直交ミキサ62を接続するように切り替わり、直交ミキサ62は第2のダウンコンバート信号を検波する。その後スイッチ61は、上記所定の時間の経過後再びIFフィルタ44と直交ミキサ62を接続し、直交ミキサ62は第1のダウンコンバート信号を検波する。スイッチ61は、以上の動作を繰り返すことにより、次々と第1のダウンコンバート信号と第2のダウンコンバート信号を選択し、直交ミキサ62は、交互に第1のダウンコンバート信号と第2のダウンコンバート信号を検波する。
【0082】
このとき、スイッチ61が十分に速く第1のダウコンバート信号と第2のダウンコンバート信号を次々と切り替えることができれば、実施の形態1〜3までに記載の回路と同様の効果を得ることができる。また、このような構成の回路によれば、実施の形態1から3に記載した構成の回路に比べて、直交ミキサの数が削減され、分配器51、結合点37、38が不要となるので、さらに回路構成を小型化することができる。
【0083】
なお、上記の動作は、スイッチ61が第1のダウンコンバート信号を選択する時間と第2のダウンコンバート信号を選択する時間が同一時間として切り替わるとして説明したが、第1のダウンコンバート信号を選択している時間と、第2のダウンコンバート信号を選択する時間が変えられて、スイッチ61が切り替えられてもよい。すなわち、第1のダウンコンバート信号を選択する時間と第2のダウンコンバート信号を選択する時間に重み付けがされてスイッチ61が切り替えられてもよい。次にそのような場合の例を説明する。
【0084】
図7は、等間隔に配置された4つの搬送波が使用される場合の相互変調歪、パイロット信号のスペクトルを示す。4つの搬送波の周波数は、f1、f2、f3、f4(f1<f2<f3<f4)で示され、これら4つの搬送波の相互変調により生じる歪み成分の中で最も搬送周波数に近接する歪み成分(相互変調歪み成分)の周波数が上記と同様にfx、fyで示される。さらに、これらの歪み成分を補償するためのパイロット信号の周波数は、上記と同様に4つの搬送波の周波数f1、f2、f3、f4 により決定され、図7に、歪み成分の外側に位置するfp1およびfp2として示されている。
【0085】
例えば、4つの搬送波のうちの2つの搬送波が選択されて使用している基地局の場合、2つの搬送波の選択の仕方によって、最も搬送波に近接する各歪み成分の周波数が上記のように決定されたfxおよびfyからずれることがある。この場合、ずれている割合に応じて、あらかじめ第1のダウンコンバート信号を選択する時間と、第2のダウンコンバート信号を選択する時間に重み付けがされてスイッチ61が切り替わる。すなわち、ずれている割合によって、各歪み成分の所望の抑圧比を決定し、その決定した歪み成分の抑圧比が、第1のダウンコンバート信号を選択する時間の合計と第2のダウンコンバート信号を選択する時間の合計との比に一致してスイッチ61が切り替わるように切替周期があらかじめ設定される。例えば、各歪み成分の所望の抑圧比が7:3であれば、スイッチ61が第1のダウンコンバート信号を選択する時間の合計と、第2のダウンコンバート信号を選択する時間の合計の比が7:3となるように、スイッチ61が切り替えられる。このとき、スイッチ61は、Wideband CDMAの基地局ではパワーコントロールの周期である300μsecより充分に速い速度で動作する必要がある。このようにすることにより、搬送波の選択の仕方により、搬送波に近接する各歪み成分の周波数がfx、fyからずれていても効果的に各歪み成分を除去することができる。
【0086】
なお、図7に示す例では、4つの搬送波が等間隔に配置されているとして示しているが、間隔が不均一に配置された4つの搬送波が使用されることもある。その場合、搬送波に最も近い各歪み成分の周波数は、上記の等間隔に配置された4つの搬送波が使用される場合に決定された周波数fx、fyから、ずれる。そして、ずれている割合に応じて上記と同様にしてスイッチ61が第1のダウンコンバート信号と第2のダウンコンバート信号を重み付けされた周期で切り替えられる。
【0087】
また、搬送波が使用帯域内で低域側または高域側に偏った配置で使用されることもあるが、このような場合も、上記と同様に所望の抑圧比でスイッチ61が切り替えられ、上記と同様の効果を得ることができる。
【0088】
また、本実施の形態においては、スイッチ61が周期的に切り替えられる、として説明してきたが、基地局によっては、搬送波の片側の歪み成分しか問題にならない場合もある。その場合は、スイッチ61が第1のダウンコンバート信号、または第2のダウンコンバート信号のいずれか一方のみを選択する、ということも有り得る。
【0089】
また、本実施の形態においては、図1に記載の回路においてスイッチ61が導入され、第1のダウンコンバート信号と第2のダウンコンバート信号とを切り替える、として説明してきたが、図3および図5の回路において、切替手段が導入されて第1のダウンコンバート信号と第2のダウンコンバート信号とが切り替えられる構成であってもよい。その場合は(I−IF)信号と(Q−IF)信号において、それぞれ第1コンバート信号と第2コンバート信号とを切り替える必要があるため、切替手段としては、連動するスイッチ(図示せず)が使用される。
【0090】
また、本実施の形態においては、第1のパイロット信号成分に近接する歪み成分と、第2のパイロット信号成分に近接する歪み成分の所望の抑圧比が7:3の例で示したが、任意の他の比であってもよく、10:0、5:5、0:10等であってもよい。その場合は、これらの比の時間で第1のダウンコンバート信号と第2のダウンコンバート信号が選択されるようにスイッチ61が動作する。
【0091】
また、上記の歪み成分の所望の抑圧比は、温度変化による増幅器の歪み特性の変化により変動することがある。その場合は、所望の歪み成分の抑圧比の変動に応じて第1のダウンコンバート信号と第2のダウンコンバート信号とを選択するようにスイッチ61を動作させればよい。
【0092】
上記説明した本発明による実施の形態1〜4では、第1および第2のパイロット信号源から発生された第1および第2のパイロット信号成分が、バンドパスフィルタ41および42を帯域通過して取り出されている。したがって、温度の変化に伴って生ずる発振周波数の変化並びにフィルタ特性の変化は、制御回路20の性能に影響する。このため、発振素子ならびにフィルタを構成する素子の温度特性が同一の特性を有する素子を選択することにより、またはこれらの素子が同一の傾向の温度特性になるように補償することにより、あるいは各温度素子が同一の温度に維持されるように同一のオーブンにより加温して制御することにより、温度変化による回路特性の低下を軽減することができる。
【0093】
また、以上までの実施の形態の説明においては、方向性結合器25から取り出された信号は、分配器52によって分配され、分配された信号がバンドパスフィルタ41、42に通過されてからそれぞれミキシングされるとして説明してきたが、方向性結合器25から取り出された信号が、分配器52により分配されその一方が第2のパイロット信号によりミキシングされ、他方が第1のパイロット信号によりミキシングされ、ミキシングされた信号がそれぞれフィルタを通過することにより、第1のダウンコンバート信号、および第2のダウンコンバート信号として取り出されてもよい。
【0094】
また、以上までの説明では、第1のパイロット信号および第2のパイロット信号は、主増幅器16の入力側に挿入され重畳される、として説明してきたが、主増幅器16の出力側に挿入され重畳される構成であってもよく、その場合も上記と同様の効果を得ることができる。
【0095】
上記までの実施の形態のフィードフォワード歪補償増幅器の制御回路によれば、2波のパイロット信号を用いてFF増幅器の非直線歪みの抑圧制御を行なうようにしたことにより、実際に使用されるマルチキャリア信号の周波数帯域全体にわたる歪み抑圧を最適化することを可能にする。
【0096】
さらに、ローカル発振器を別に設けることなく、パイロット信号を利用して信号を中間周波数帯へダウンコンバートして、フィルタリングや増幅等の信号処理をすることにより、これらの信号処理が高周波帯で行なわれるよりも容易にできるばかりでなく、回路実装も容易且つ小形化される。従って、ローカル発振器の削減も含め、小形低価格のFF増幅器の制御回路が提供できる。
【0097】
【発明の効果】
本発明によれば、ローカル発振器が削減され、FF増幅器の実際に使用されるマルチキャリア信号の周波数帯域全体にわたる歪み抑圧を最適化することを可能にした、ィードフォワード歪補償増幅器の制御回路フィードフォワード歪補償増幅器提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1に係る回路の構成を示す図である。
【図2】図2は、実施の形態1〜3の回路の動作機能の説明に用いる搬送波信号、歪み成分およびパイロット信号の周波数スペクトルを示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態2に係る回路の構成を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態2の変形例に係る回路の構成を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態3に係る回路の構成を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態4に係る回路の構成を示す図である。
【図7】図7は、実施の形態4の動作機能の説明に用いる搬送波信号、歪み信号およびパイロット信号の周波数スペクトルを示す図である。
【図8】図8は、従来のFF増幅器の一例構成を示す図である。
【符号の説明】
11,12,13 方向性結合器
14 ベクトル調整器
15 可変ベクトル調整器
16,17 増幅器
18,19 遅延線
20 制御回路
21〜25 方向性結合器
26,27 パイロット信号源
28,29 移相器
31,32,33 ミキサ
35,36 直交ミキサ
37,38 結合点
39,40 レベル変換器
41,42 バンドパスフィルタ
43,44,45 IFフィルタ
51,52 分配器

Claims (8)

  1. 周波数が相異なる複数の搬送波を含む主増幅器への入力信号から分岐した信号と前記主増幅器の出力信号から分岐した信号とを結合させ、この結合により搬送波成分同士が打ち消し合うことにより、前記主増幅器で発生した歪成分を検出する歪み検出ループと、前記結合により得られた信号を前記主増幅器の出力信号に再結合させる歪み補償ループと、並びにこの再結合に際してその対象となる信号のうち少なくとも一方に関し再結合時に歪み成分同士が打ち消し合うよう振幅および位相調整を施す手段と、を含むフィードフォワード歪補償増幅器の制御回路において、
    第1および第2のパイロット信号源から得られる第1および第2のパイロット信号を前記主増幅器の入力信号または出力信号に挿入し、前記再結合を経た信号の一部を分岐して取り出し、
    前記分岐して取り出した信号を帯域通過させて前記第1のパイロット信号を含み前記第2のパイロット信号を含まない第1のパイロット信号成分を得、前記第1のパイロット信号成分を前記第2のパイロット信号によって直交ミキシングすることにより前記第1のパイロット信号の周波数と前記第2のパイロット信号の周波数の差の周波数にダウンコンバートして、互いに位相が直交する関係にある一組の第1のダウンコンバート信号とし、前記分岐して取り出した信号を別に帯域通過させて前記第2のパイロット信号を含み前記第1のパイロット信号を含まない第2のパイロット信号成分とし、前記第2のパイロット信号成分を前記第1のパイロット信号によって直交ミキシングすることにより前記差の周波数にダウンコンバートして、互いに位相が直交する関係にある一組の第2のダウンコンバート信号とし、
    前記第1のパイロット信号と前記第2のパイロット信号を利用して同期検波のための信号を発生する同期検波用信号発生手段から供給される、前記第1のパイロット信号の周波数と前記第2のパイロット信号の周波数との差の周波数の同期検波用信号を用いて、
    前記互いに位相が直交する関係にある一組の第1のダウンコンバート信号の同相成分、および前記互いに位相が直交する関係にある一組の第2のダウンコンバート信号の同相成分を合成した信号と、前記互いに位相が直交する関係にある一組の第1のダウンコンバート信号の直交成分、および前記互いに位相が直交する関係にある一組の第2のダウンコンバート信号の直交成分を合成した信号とを、それぞれ同期検波することにより前記手段への制御信号を発生させる、フィードフォワード歪補償増幅器の制御回路。
  2. 前記同期検波用信号発生手段は、前記第1のパイロット信号と前記第2のパイロット信号とをミキシングして、前記ミキシングした信号のうち、前記第1のパイロット信号の周波数と前記第2のパイロット信号の周波数との差の周波数の信号を帯域通過させ、前記帯域通過した信号を複数の経路に分配する、請求項1に記載のフィードフォワード歪補償増幅器の制御回路。
  3. 前記第1のダウンコンバート信号と前記第2のダウンコンバート信号とを切り替えて検波する、請求項1に記載のフィードフォワード歪補償増幅器の制御回路。
  4. 前記第1のダウンコンバート信号を使用して検波する時間と、前記第2のダウンコンバート信号を使用して検波する時間は、重み付けされて決定される、請求項に記載のフィードフォワード歪補償増幅器の制御回路。
  5. 前記第1および第2のパイロット信号の周波数は、全ての前記搬送波に基づいて決定されており、前記重み付けは、前記全ての搬送波のうち、実際に使用される搬送波によって決定される、請求項に記載のフィードフォワード歪補償増幅器の制御回路。
  6. 前記第1および第2のパイロット信号源の発振器を構成する素子と、前記第1のパイロット信号を帯域通過させて取り出すための帯域通過フィルタを構成する素子と、前記第2のパイロット信号を帯域通過させて取り出すための帯域通過フィルタを構成する素子と、が実質的に同一の温度特性の素子である、請求項1に記載のフィードフォワード歪補償増幅器の制御回路。
  7. 前記第1および第2のパイロット信号源の発振器を構成する素子と、前記第1のパイロット信号を帯域通過させて取り出すための帯域通過フィルタを構成する素子と、前記第2のパイロット信号を帯域通過させて取り出すための帯域通過フィルタを構成する素子と、が同一温度制御のオーブン上に設置されている、請求項1に記載のフィードフォワード歪補償増幅器の制御回路。
  8. 周波数が相異なる複数の搬送波を含む主増幅器への入力信号から分岐した信号と前記主増幅器の出力信号から分岐した信号とを結合させ、この結合により搬送波成分同士が打ち消し合うことにより、前記主増幅器で発生した歪成分を検出する歪み検出ループと、前記結合により得られた信号を前記主増幅器の出力信号に再結合させる歪み補償ループと、並びにこの再結合に際してその対象となる信号のうち少なくとも一方に関し再結合時に歪み成分同士が打ち消し合うよう振幅および位相調整を施す手段と、を含むフィードフォワード歪補償増幅器において、
    請求項に記載のフィードフォワード歪補償増幅器の制御回路を備えるフィードフォワード歪補償増幅器。
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