JP3464538B2 - 繊維損傷の発生を防止する浴中柔軟剤組成物及び繊維製品の加工方法並び加工繊維製品 - Google Patents

繊維損傷の発生を防止する浴中柔軟剤組成物及び繊維製品の加工方法並び加工繊維製品

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種繊維製品の浴中操
作時において繊維損傷(スレ、ロープシワ等)の発生を
防止し、かつ、品質の維持と広範な染色機器及び加工方
法の選択を可能とし、生産の効率化を高めることを目的
とするトリメチルグリシンを主剤とする浴中柔軟剤組成
物及びこれを用いる加工方法及び該加工方法が施された
各種繊維製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種繊維製品の繊維損傷(スレ、ロープ
シワ等)の発生はその多くが浴中操作時、特に染色加工
時に発生する。その要因は各種繊維の固有する諸性質、
即ち繊維の構造上の特徴によって支配される場合が多
く、鎖状分子の配向状態や結合状態など微細構造が重要
な意義をもち、絹、レーヨン、合成繊維の大部分に見ら
れる繊維軸の方向に並列しているもの、綿、麻に代表さ
れる繊維軸に螺旋状に撚回して網目状をしているものな
どがある。これは繊維の耐久性にも密接な関係をもって
いる。もとより繊維の密度の大小にもよるが並行配列を
なすものは、摩擦や屈曲などの作用で容易に損傷され
る。これは絹製品、毛製品、ポリノジック製品、ベンベ
ルグ製品、合成極細繊維製品等に認められるところであ
る。
【0003】従来、各種繊維製品の繊維損傷(スレ、ロ
ープシワ等)の発生を防止するいわゆる浴中柔軟剤組成
物としては、ポリオキシエチレン誘導体、ポリアミド高
分子誘導体、高分子エステル化合物、硫酸エステル塩
類、ラノリンエトキシ化合物、アルキルポリアミン誘導
体、ポリアクリル誘導体、等のアニオン系、カチオン
系、非イオン系活性剤が用いられる。また各種繊維製品
の耐久性及び生産の効率化に対応して数多くの染色用機
器及び加工方法が開発されたが絹製品、ポリノジック製
品、ベンベルグ製品、合成極細繊維製品等で多くの制約
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特に、絹製品で通常の
染色機、例えば、ウインス染色機,液流型染色機等によ
って染色する場合、投下される摩擦屈曲が大きいため繊
維構造の特性と染色操作の物理的要因により繊維損傷
(スレ、ロープシワ等)の発生を防止することは極めて
困難であった。
【0005】本発明は、各種繊維製品の浴中操作時にお
いて繊維損傷(スレ、ロープシワ等の発生を防止し、か
つ広範な染色機器及び加工方法に対応するための浴中柔
軟剤組成物を見出し、その加工方法を開発することにあ
る。
【0006】本発明は、上述の現況下において、これら
の問題点を解決するための浴中柔軟剤組成物及びこれら
を用いる各種繊維製品の繊維損傷(スレ、ロープシワ等)
の発生を防止する加工方法及び該加工方法が施された各
種繊維製品を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)トリメチルグリシンを主剤とする
ことを特徴とする各種繊維製品の浴中柔軟剤組成物、
(2)前述の浴中柔軟剤組成物で加工処理することを特
徴とする各種繊維製品の繊維損傷(スレ、ロープシワ
等)の発生を防止する加工方法、(3)前述の加工方法
で加工処理されている各種繊維製品を特徴とするもので
ある。
【0008】
【作用】トリメチルグリシンを主剤とする浴中柔軟剤組
成物を提供し、もって、各種繊維製品の浴中操作時にお
ける繊維損傷の発生を防止し、かつ、品質の維持と広範
な染色機器及び加工方法の選択を可能とし、生産性の効
率化を高める。
【0009】
【実施例】本発明による浴中柔軟剤組成物は、トリメチ
ルグリシンを主剤とするアミノ酸系湿潤剤である。この
ため繊維との親和性、湿潤性、反撥性等の特性を固有し
優れた柔軟性と弾性回復および繊維の膨潤を抑止する等
の総合効果によって繊維製品の繊維損傷(スレ、ロープ
シワ等)の発生を防止する。上記浴中柔軟剤組成物の油
剤及びビルダーとして、N−脂肪酸アシルグルタミン酸
・ポリオキシエチレン(5モル)ジオクチルドデシルエ
ーテルジエステル(アミノ酸系油剤)及び界面活性剤
(例−アニオン界面活剤剤「アミソフト」,ノニオン界
面活剤剤等)が使用される。
【0010】本発明においての浴中柔軟剤組成物の主剤
として用いられるトリメチルグリシンは次の化学式
(1)により示される。
【0011】
【化1】
【0012】上記N−脂肪酸アシルグルタミン酸・ポリ
オキシエチレ(5モル)ジーオクチルドデシルエーテル
ジエステルは次の化学式(2)により示される。
【0013】
【化2】
【0014】上記アミソフトはN−アシルアミノ酸塩で
次の化学式(3)により示される。
【0015】
【化3】
【0016】本発明による浴中柔軟剤組成物の各種繊維
製品の浴中操作時における繊維損傷(スレ、ロープシワ
等)の発生を防止する効果、特に、天然繊維である絹、
羊毛、綿及びレーヨン、綿等において次の(1)〜
(3)の項目について検討を行った。
【0017】(1)弾性回復 水分が繊維に入り込むと一般に分子間力を弱め、ぬれた
繊維は乾燥時より引き延ばされる。特に、絹、羊毛で弾
性回復は著しく低下する。
【0018】(2)膨潤度 天然繊維及びレーヨン等の溶媒による膨潤度 溶媒は繊維の空隙に浸透し高分子と相互作用し膨潤圧に
よって特に非晶性領域は容易に広がり繊維(糸)間の強
度が低下する。膨潤率は溶媒に大きく依存する。
【0019】(3)シワの原因と抑制法 シワは水にぬれた時(膨潤)に生ずること、布に蓄積さ
れた歪みの解放、繊維(糸)の膨潤によるクリンプの増
大等に基因するとされている。この考察から溶媒の選択
は繊維の膨潤度の抑制が防シワに必須とすると考えられ
る。
【0020】本発明による各種繊維製品の浴中柔軟剤組
成物は上述の(1)〜(3)においてその有効性が確認
された。また、本発明の浴中柔軟剤組成物は非イオン、
アニオン、カチオン系素材のいづれとも相溶性を共有し
染着機構に重要な意味をもつものである。染浴はPH4
〜PH9で使用される。また、本発明の浴中柔軟剤組成
物と油剤及びビルダーの配合比は90〜50:50〜1
0の範囲内で使用される。
【0021】(実験例) (1)本発明に用いる各種繊維製品とは絹糸または毛糸
で構成された製品及びその他の繊維との混紡、交編織さ
れた製品及びポリノジック、ベンベルグ、合成極細繊維
製品またはこれらと類似の物性を固有する各種繊維製品
とする。本発明の浴中柔軟剤組成物の使用量は0.1%
〜10%で好ましくは0.5〜5%水溶液の範囲内で用
いられる。 (2)使用染色機は、ウインス染色機及び液流型染色機
またはこれらと同等の性能をもつ染色機とする。
【0022】(予備試験) 次の目的及び手法によって行った。 (1)本発明の浴中柔軟剤組成物及び対照浴中柔軟剤
(市販品)と前述の各種繊維製品のスレ防止の有効性 (2)上述の浴中柔軟剤組成物の染着性及び色相等の相
容性 (3)試験は、JIS C9606により常温で上述の
浴中柔軟剤組成物の使用濃度、操作時間を任意に設定操
作し、これを染色し、判定を行った。
【0023】結果と判定 (1)スレ防止の有効性 本発明の浴中柔軟剤組成物及び対照浴中柔軟剤(市販
品)の硫酸エステル塩類、ポリアミド高分子誘導体でそ
の有効性が確認された。 (2)前述の各種繊維製品のスレ発生率 絹製品、ポリノジック製品でスレの発生率が高い。特
に、絹製品がその上位にある。 (3)染着性及び色相等の相容性 ・本発明の浴中柔軟剤組成物:使用濃度に制約が少なく
染着性、色相等で相容性を固有する。 ・硫酸エステル塩類:使用濃度の上限値0.3%以上で
染着性が逐次減少する。 ・ポリアミド高分子誘導体:使用濃度に制約が少なく染
着性、色相等で優れた相容性を固有する。
【0024】(本実験)次の条件下において行った。 ・被基布:絹製品(綾羽二重、デシンクレープ、富士
絹) ・使用染色機: a:ウインス染色機 b:液流型染色機 ・使用浴中柔軟剤組成物: A:本発明の浴中柔軟剤組成物 B:硫酸エステル塩類(対照品) C:ポリアミド高分子誘導体(対照品) D:本発明の浴中柔軟剤のビルダー及び油剤 ・加工方法:通常の絹染法に準じ行った。
【0025】以下、表1〜3に各実験例を記載する。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】判定は次の5段階(5級〜1級)により判
定した。 (1)スレの発生度: 目立たないもの(5級) 僅かに目立つもの(4級) やや目立つもの(3級) 目立つもの(2級) 著しく目立つもの(1級) (2)染着度、光沢度、風合い: 良好とするもの(5級) やや良好とするもの(4級) 良とするもの(3級) 可とするもの(2級) 不可とするもの(1級)
【0030】(実験の結果) 1)実施例1〜4すなわち対照浴中柔軟剤(市販品)の
硫酸エステル塩類及びポリアミド高分子誘導体の単独及
びその配合物で繊維損傷(スレ、ロープシワ等)の発生
を防止することは不可能である。 2)実施例5〜11 本発明の浴中柔軟剤組成物は有効使用濃度の範囲が広く
絹製品でスレの発生率が異なる綾羽二重、デシクレー
プ、富士絹等においてスレの発生を防止し、かつ、染着
性および色相の相容性等でその有効性が確認された。ま
た、ビルダー及び油剤としてN−脂肪酸アシルグルタミ
ン酸・ポリオキシエチレン(5モル)ジオクチルドデシ
ルエーテルジエチル及びN−アシルアミノ酸塩の配合物
によって多くの成果が得られた。
【0031】
【発明の効果】上述のように、本発明は、各種繊維製品
の繊維損傷(スレ、ロープシワ等)の発生を防止し品質
を維持し、かつ広範囲な染色用機器及び加工方法の選択
を可能とし生産の効率化を高めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−189170(JP,A) 特開 平10−18179(JP,A) 特開 平4−361669(JP,A) 特許3349661(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 13/00 - 15/72 C11D 1/00 - 19/00 Fターム(4L033,4H003)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリメチルグリシンを主剤とすることを
    特徴とする繊維製品の繊維損傷の発生を防止する浴中柔
    軟剤組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の浴中柔軟剤組成物で加工
    処理することを特徴とする繊維製品の繊維損傷の発生を
    防止する加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の浴中柔軟剤組成物で繊維
    損傷の発生を防止する加工処理が施こされている繊維製
    品。
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