JP3462628B2 - 超伝導加速空洞 - Google Patents
超伝導加速空洞Info
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Description
伝導加速空洞に利用される空洞本体と極低温液溜槽の構
造に関する。
の研究において、電子や陽電子などの荷電粒子13を光
速近くまで加速する実験装置として使用されている。従
来の超伝導加速空洞を図5〜図8に示す。
b材)で製造された空洞本体である。空洞本体1は、超
伝導状態を維持する為、−269℃付近の極低温状態に
する必要がある。
側に装着し、その極低温液溜槽2の中に極低温の冷媒
3、例えば液体ヘリウム等を充填している。極低温の冷
媒3は一般に沸点が非常に低く、例えば液体ヘリウムの
場合では、−269℃であり、冷媒の蒸発量を抑制する
為に、周囲から極低温液溜槽2への侵入熱量を極力低減
する必要がある。その為、極低温液溜槽2は真空断熱容
器4に内装して、真空断熱を行ない、侵入熱量の低減を
計っている。
3の通路となるビームパイプ5を接続する。図6は、従
来のビームパイプの接続部の詳細を示したものである。
空洞フランジ7とステンレスで製造されたビームパイプ
フランジ8は、締め付けフランジ6を介して、ボルト1
0で締結されている。
ウム9を使用している。空洞1とビームパイプ5の内側
には、超高真空が要求されており、冷媒3と超高真空の
気密性をこのインジウム9で達成している。
合、通常のゴムや合成樹脂材料のパッキンでは、低温で
もろくなり、ほとんど使用に耐えられない。その為、純
金属で、かつ極低温で特性が変化せず、非常に柔らか
い、インジウム9が一般によく使用されている。
密性を確保する通常のパッキンと異なり、塑性変形によ
る歪によってシール効果を得ているが、経年劣化により
インジウム表面が脆くなり、気密性が低下する。
5の内側へ漏洩し、ビームパイプ5内部の真空度が悪化
し、超伝導加速空洞の運転を停止せざるを得ない不具合
が発生している。
を分解して、インジウム9を新しいものと交換し、気密
性を得ているが、分解、再組立時に、旧インジウム9を
フランジ面から除去する作業は、多大な時間と配慮を要
し、実験効率の低下をきたしている。
トカプラフランジ14と空洞フランジ7の間のシール
材、及び15Dポートフランジ15と空洞フランジ7の
間のシール材としても、インジウムシール9を採用して
いるため、これらの接合部にも同様の問題がある。
洞本体1の両端に設けられたビームパイプ5において、
空洞本体1側のニオブ材で製造された空洞フランジ7と
ステンレスで製造されたビームパイプフランジ8の締結
部に用いているインジウムのシール性が経年劣化により
低下するため、極低温冷媒3がビームパイプ5の内側へ
漏洩する。
内側の真空度が悪化し、超伝導加速空洞の運転を停止せ
ざるを得ない不具合が発生するという問題がある。同様
の不具合は、インプットカプラフランジ接合部及び15
Dポート接合部のインジウムシール9においても発生し
ている。本発明は、これらの問題を解決することができ
る超伝導加速空洞を提供することを目的とする。
に、本発明は、空洞本体(1)と極低温液溜槽(2)と
が、空洞本体(1)のうち該空洞本体(1)外に開口す
る開口部分とそれに対応する極低温液溜槽(2)の部分
とがロー付されることによって一体型に構成され、この
一体型となった極低温液溜槽(2)に、空洞本体(1)
の開口部分に配置される部材が、金属Oリング(11)
を挟んだフランジ(6)のボルト止め(10)で固定さ
れるようにしたことを特徴とする。
材が、ビームパイプと、インプットカプラのフランジ
と、15Dポートのフランジとであることを特徴とす
る。
ウムシール9よりもシールの信頼性が向上でき、冷媒3
が空洞本体1の内部へ漏洩するのを防ぐ事ができる。ビ
ームパイプ、インプットカプラ、15Dポートの各箇所
をロー付けよって一体化すると、従来のインジウム9よ
りもシールの信頼性を向上することができる。
本発明の第1実施例の外形を示し、図2〜図4は第1実
施例の接続部分の詳細を示す。
るニオブ材で成形加工と、電子ビーム溶接等により図1
に示すような形状に製作する。そして、空洞本体1の両
端に位置する空洞ビームパイプフランジ7の外周と適合
するようにステンレス製の(例えばSUS316L)極
低温液溜槽2の鏡板の部分を加工する。
ば金ロー)を置き、真空炉に入れ、加熱溶融し、ロー付
け接合を行なう。ここでは、極低温液溜槽2はステンレ
スを例に挙げたが、アルミ(例えばA5083やA50
52)でも良い。
と、空洞本体1と極低温液溜槽2を溶接接合できるメリ
ットがあるが、ステンレスやアルミに比較して、材料費
が非常に高価になり経済的でない事と、ニオブ材は機械
的強度が低い(引張強度約12kg/mm2 、0.2%
耐力約9kg/mm2 )割に、比重が8.56と高い
為、非常に容器が厚板で大重量となり、装置組立、裾付
をする際、ハンドリングしにくいという欠点がある。
ームパイプ7と極低温液溜槽2の鏡板の部分は、ビーム
パイプフランジ8を接続するが、その部分の構造は鏡板
の部部を機械加工してシール面をつくり、また、フラン
ジを取り付ける為のボルトタップ穴を施工する。
ケット溝を加工しておく。それらを組み合わせた状態を
図2に示す。極低温液溜槽2の内部にも充填された冷媒
3(一般的には、液体ヘリウムを使用している)と荷電
粒子13が通過するビームパイプ5の内部との間のシー
ルは、前述したロー付12によって気密性が得られてい
る。
電粒子13の寿命を極力長く保つ為に、10-9〜10
-11 Torr台の超高真空が要求されている。また、真空断
熱容器4の内部は10-5〜10-6Torrの真空度であり、
この間も気密性を確保する必要がある。
槽2とビームパイプフランジ8の間には、金属Oリンク
11を設けている。ここで、金属Oリンク11を使用す
る理由は、同接合箇所が極低温雰囲気となるからであ
る。
ート接続部についてであるが、まずインプットカプラの
部分(図3)を例に挙げて説明を行なう。この箇所は空
洞本体1から鉛直上方に設けられたノズル(材質はニオ
ブ材)と極低温液溜槽インプットカプラフランジ17
(材質はステンレス又はアルミ)の間をロー付12す
る。
内部と同様の雰囲気で10-9〜10-11 Torr台の超高真
空であり、前述のロー付12によって冷媒3の気密性を
保っている。
10-6Torr)とインプットカプラ内部との間のシール
は、ビームパイプ5の箇所と同様に、金属Oリンク11
で気密性を保っている。
前述の各ポートやノズル部(図2〜図4)のニオブとス
テンレス/アルミの異材をロー付けする事により、空洞
本体1と極低温液溜槽2を一体化する事ができる。
極低温に冷却されるが、異種の材料を一体化している事
により、線膨張係数の差による熱応力が発生する。その
ため、各接合部近傍には、ベローズ16を設けて、この
熱応力の緩和を行なっている。
使用していたインジウムシール9を排除し、ロー付12
を採用する事ができ、装置の気密信頼性向上が計ること
ができる。それと共に、ビームパイプ箇所の大きなフラ
ンジをなくすことができ、コンパクトで軽量な超伝導加
速空洞を実現することができる。
で、以下に記載するような効果を奏する。 (1)本発明によれば、超伝導加速空洞において、従来
のインジウム9よりもシールの信頼性を向上することが
できる。 (2)そのため超伝導加速空洞を長時間運転(2〜3年
以上)しても接合部からの漏洩を防止でき安定した物理
実験を行うことができる。 (3)また、ロー付け接合する為、インジウムシール9
の使用時に必要となる厚板のフランジが不要となり、極
低温液溜槽2自体を非常に軽量、かつコンパクトにでき
る。そのため低コストにつながると共に、装置組立のハ
ンドリングや据付も容易になる。
形図。
図。
図。
Claims (2)
- 【請求項1】 空洞本体(1)と、前記空洞本体が内側
に装着され該空洞本体を極低温状態にするための極低温
液溜槽(2)と、冷媒(3)と、真空断熱容器(4)と
を有してなる超伝導加速空洞において、 前記空洞本体(1)と前記極低温液溜槽(2)とが、前
記空洞本体(1)のうち該空洞本体(1)外に開口する
開口部分とそれに対応する前記極低温液溜槽(2)の部
分とがロー付されることによって一体型に構成され、こ
の一体型となった極低温液溜槽(2)に、前記空洞本体
(1)の開口部分に配置される部材が、金属Oリング
(11)を挟んだフランジ(6)のボルト止め(10)
で固定されることを特徴とする超伝導加速空洞。 - 【請求項2】 前記開口部分に配置される部材は、 (A)ビームパイプと、 (B)インプットカプラのフランジと、 (C)15Dポートのフランジとであることを特徴とす
る請求項1に記載の超伝導加速空洞。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15760695A JP3462628B2 (ja) | 1995-06-23 | 1995-06-23 | 超伝導加速空洞 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15760695A JP3462628B2 (ja) | 1995-06-23 | 1995-06-23 | 超伝導加速空洞 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH097796A JPH097796A (ja) | 1997-01-10 |
JP3462628B2 true JP3462628B2 (ja) | 2003-11-05 |
Family
ID=15653408
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15760695A Expired - Lifetime JP3462628B2 (ja) | 1995-06-23 | 1995-06-23 | 超伝導加速空洞 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3462628B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102477688B (zh) * | 2010-11-29 | 2013-10-30 | 佛山市顺德区盛熙电器制造有限公司 | 挂烫机 |
KR101569521B1 (ko) * | 2014-08-28 | 2015-11-17 | 기초과학연구원 | 초전도 가속관용 극저온 유지용기 |
-
1995
- 1995-06-23 JP JP15760695A patent/JP3462628B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH097796A (ja) | 1997-01-10 |
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