JP3416249B2 - 超伝導加速器 - Google Patents
超伝導加速器Info
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Description
器システムに使用される超伝導機器としての超伝導加速
器に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、超伝導加速空洞と極低温容器を一
体化した超伝導加速器としては、例えば図2あるいは図
3に示すものが知られている。 (1) 図2の超伝導加速器は、超伝導加速空洞21と極低
温容器22をフランジ/インジウム組立で一体化を計っ
たものである。前記超伝導加速空洞21はニオブ製であ
り、5連×2=10連構造の空洞を示す。前記超伝導加
速空洞21は、ステンレス製の極低温容器22の内部に
納められている。ここで、極低温容器22には液体ヘリ
ウム23を浸し、超伝導加速空洞21を極低温にし、超
伝導状態に保っている。前記超伝導加速空洞21と極低
温容器22の接合部には、図4に示す如くインジウム材
24をガスケットして気密性を保っている。なお、図中
の符番25は真空容器である。 【0003】超伝導加速空洞21は、図6に示す如くそ
の内面及びその内面の表層のニオブ純度が超伝導加速空
洞21の性能,即ち荷電粒子ビーム26(図では、例と
して電子ビームを示す)を加速する電界27の強さを左
右する。つまり、高いニオブ純度をもつ超伝導加速空洞
21は高い加速電界27を得る。ニオブ材に含まれる元
素のうち、特に超伝導加速空洞21の性能を低下させる
ものは水素である。よって、超伝導加速空洞21は、そ
の製造段階や長時間(一般には1年から2年)荷電粒子
ビームを加速した後には、脱水素を行う目的で焼鈍を行
っている。この時、より効率的に脱水素を行うため、チ
タン製容器に水素を吸着させ、超伝導加速空洞21の内
面及びその内面の表層の純度を上げている。近年、この
焼鈍温度を1300℃まで上げると、超伝導加速空洞の
性能即ち加速電界27がより高く得られることが判明し
ている。 【0004】(2) 図3の超伝導加速器は、図5に示す如
く超伝導加速空洞21と極低温容器22をロー材31で
組立一体化を計ったものである。但し、図2と同部材は
同符号を付して説明を省略する。この超伝導加速器は、
ニオブ製の超伝導加速空洞21(図3では4連構造)が
ステンレス製の極低温容器22の内部に納められ、ニオ
ブ製の超伝導加速空洞21とステンレス製の極低温容器
22の間をロー材31により異種金属接合を行い、気密
性を保っている。前記極低温容器22の外側は断熱のた
めに真空容器25で覆われて、極低温容器22の中には
液体ヘリウム23を浸し、超伝導加速空洞21を極低温
にし、超伝導状態を保っている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術によれば、以下に述べる問題点を有する。 (1) 図2の場合、接続部がフランジとインジウム材24
で気密性を確保しているため、容器の冷却時発生するス
テンレス製極低温容器22の熱歪による変形や熱サイク
ルで気密性が損なわれ、極低温容器22内部の液体ヘリ
ウム23が真空容器25へリークし、真空断熱が保たれ
ない不具合が多々発生し、その度毎に装置の分解,再組
立をし、復旧をはかっている。 【0006】(2) 図3や図5のように、超伝導加速空洞
21とステンレス製極低温容器22の接合は、ニオブ材
とステンレス材の溶接接合が不可能であるため、ロー材
31によって接合している場合、その界面の接合力の不
足より冷却時の熱歪による変型や熱サイクルでロー材3
1に割れが生じ、極低温容器22の気密性が損なわれ
る。また、ニオブ材とステンレス材の異種金属を接合す
るロー材31(一般には、金系,パラジウム系,銅系が
用いられる)では、融点が1000℃前後であり、超伝
導加速空洞21性能向上のための高温(1300℃)に
おける焼鈍が、ロー材による一体組み立てを行った後に
は、行えないため、一度性能劣化した超伝導加速空洞2
1の性能回復を計ることが困難である。 【0007】この発明はこうした事情を考慮してなされ
たもので、ニオブ製の超伝導加速空洞とチタン製の極低
温容器とを溶接により一体的に接合した構成にすること
により、冷却時や熱サイクルによる接合部のリークタイ
トの信頼性を向上させるとともに、接合部が高温焼鈍に
も十分耐えうる超伝導加速器を提供することを目的とす
る。 【0008】 【課題を解決するための手段】この発明は、荷電粒子ビ
ームを加速するニオブ製の超伝導加速空洞と、この超伝
導加速空洞を極低温に冷却し、液体ヘリウムを超伝導加
速空洞の外周に満たして超伝導状態を保つチタン製の極
低温容器とを具備し、前記超伝導加速空洞と極低温容器
とが溶接により一体的に接合されていることを特徴とす
る超伝導加速器である。 【0009】 【作用】この発明においては、ニオブ製の超伝導加速空
洞とチタン製の極低温容器を溶接接合することにより、
フランジ結合やロー材結合に比較して冷却時や熱サイク
ルによる接合部のリールタイトの信頼性が向上する。ま
た、ニオブ材の融点:2467℃,チタンの融点167
0℃と、どちらも高融点材料であるので、その接合部は
1300℃の高温焼鈍にも十分耐え得る。 【0010】 【実施例】以下、この発明の一実施例を図1(A),
(B)を参照して説明する。ここで、図1(A)は全体
図、図1(B)は図1(A)の要部Xの拡大図である。
図中の符番1は、荷電粒子ビーム2を加速するニオブ製
の超伝導加速空洞である。この超伝導加速空洞1は5連
×2=10連構造であり、両端にニオブ製の突起付リン
グ3が溶接により接合されている。前記超伝導加速空洞
1には、前記突起付リング3の部分を開先にしてチタン
製の極低温容器4が電子ビーム溶接により一体に接合さ
れている。この極低温容器4には、液体ヘリウム(LH
e)注入用ポート5、Heガス排出用ポート6が夫々設
けられている。前記極低温容器の開先部には、荷電粒子
ビーム2を加速するためのマイクロ波を投入するポート
であるインプットカプラ7が、前記突起付リング3を介
して溶接により接合されている。また、図示しないが、
上述した一体構造物は真空容器等を用いて断熱されてい
る。なお、図中の符番8は、超伝導加速空洞1の外周に
満たされた液体ヘリウム(LHe)である。 【0011】上述したように、上記実施例に係る超伝導
加速器は、ニオブ製の超伝導加速空洞1とチタン製の極
低温容器4とが溶接により一体的に接合された構成にな
ってるため、装置組立時の部品点数が低減され、組み立
て工数を低減できる。また、接合部のリークタイトの信
頼性を向上でき、冷却時及び熱サイクルによるLHe8
の漏洩を避けることができ、復旧に要する再組立の工数
を低減できる。 【0012】更に、高温焼鈍が行えるため、高い超伝導
加速空洞1の性能が維持できると共に、極低温容器4そ
のものが焼鈍時の水素吸着剤としても使用でき、真空焼
鈍炉に新たにチタン容器を用意する必要がなくなり、焼
鈍設備としてのコスト低減が計れる。 【0013】 【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
ニオブ製の超伝導加速空洞とチタン製の極低温容器とを
溶接により一体的に接合した構成にすることにより、冷
却時や熱サイクルによる接合部のリークタイトの信頼性
を向上させるとともに、接合部が高温焼鈍にも十分耐え
られ、もって真空焼鈍炉に新たにチタン容器を用意する
必要がなくなり、焼鈍設備としてのコスト低減をなしえ
る超伝導加速器を提供できる。
図であり、図1(A)は全体図、図1(B)は図1
(A)の要部の拡大図。 【図2】従来の超伝導加速器の説明図であり、超伝導加
速空洞と極低温容器をフランジ/インジウム組立で一体
化を計ったもの。 【図3】従来のその他の超伝導加速器の説明図であり、
超伝導加速空洞と極低温容器をロー材で組立一体化を計
ったもの。 【図4】図2の要部Xの拡大図。 【図5】図3の要部Xの拡大図。 【図6】超伝導加速空洞の荷電粒子ビームの加速原理を
示す図。 【符号の説明】 1…超伝導加速空洞、 2…荷電粒子ビーム、 3…
突起付リング、4…極低温容器、 5…LHe注入
用ポート、6…He排出用ポート、7…インプットカプ
ラ、8…液体ヘリウム。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 荷電粒子ビームを加速するニオブ製の超
伝導加速空洞と、この超伝導加速空洞を極低温に冷却
し、液体ヘリウムを超伝導加速空洞の外周に満たして超
伝導状態を保つチタン製の極低温容器とを具備し、前記
超伝導加速空洞と極低温容器とが溶接により一体的に接
合されていることを特徴とする超伝導加速器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03583794A JP3416249B2 (ja) | 1994-03-07 | 1994-03-07 | 超伝導加速器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03583794A JP3416249B2 (ja) | 1994-03-07 | 1994-03-07 | 超伝導加速器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07245199A JPH07245199A (ja) | 1995-09-19 |
JP3416249B2 true JP3416249B2 (ja) | 2003-06-16 |
Family
ID=12453095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03583794A Expired - Lifetime JP3416249B2 (ja) | 1994-03-07 | 1994-03-07 | 超伝導加速器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3416249B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011142348A1 (ja) | 2010-05-12 | 2011-11-17 | 三菱重工業株式会社 | 超伝導加速空洞および超伝導加速空洞の製造方法 |
EP2882265A1 (en) | 2013-12-05 | 2015-06-10 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Superconducting accelerating cavity and electropolishing method for superconducting accelerating cavity |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107941261B (zh) * | 2017-12-05 | 2019-07-09 | 中国科学院高能物理研究所 | 一种传感器设备低温测试台 |
-
1994
- 1994-03-07 JP JP03583794A patent/JP3416249B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
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WO2011142348A1 (ja) | 2010-05-12 | 2011-11-17 | 三菱重工業株式会社 | 超伝導加速空洞および超伝導加速空洞の製造方法 |
US20130012394A1 (en) * | 2010-05-12 | 2013-01-10 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Superconducting accelerator cavity and method of manufacturing superconducting accelerator cavity |
US8630689B2 (en) * | 2010-05-12 | 2014-01-14 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Superconducting accelerator cavity and method of manufacturing superconducting accelerator cavity |
EP2882265A1 (en) | 2013-12-05 | 2015-06-10 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Superconducting accelerating cavity and electropolishing method for superconducting accelerating cavity |
US9674936B2 (en) | 2013-12-05 | 2017-06-06 | Mitsubishi Heavy Industries Mechatronics Systems, Ltd | Superconducting accelerating cavity and electropolishing method for superconducting accelerating cavity |
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JPH07245199A (ja) | 1995-09-19 |
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