JP2961619B2 - 冷却手段付きクライオスタット - Google Patents

冷却手段付きクライオスタット

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JP2961619B2
JP2961619B2 JP2162041A JP16204190A JP2961619B2 JP 2961619 B2 JP2961619 B2 JP 2961619B2 JP 2162041 A JP2162041 A JP 2162041A JP 16204190 A JP16204190 A JP 16204190A JP 2961619 B2 JP2961619 B2 JP 2961619B2
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    • F25D19/006Thermal coupling structure or interface
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    • F02GHOT GAS OR COMBUSTION-PRODUCT POSITIVE-DISPLACEMENT ENGINE PLANTS; USE OF WASTE HEAT OF COMBUSTION ENGINES; NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • F02G1/043Hot gas positive-displacement engine plants of closed-cycle type the engine being operated by expansion and contraction of a mass of working gas which is heated and cooled in one of a plurality of constantly communicating expansible chambers, e.g. Stirling cycle type engines
    • F02G1/044Hot gas positive-displacement engine plants of closed-cycle type the engine being operated by expansion and contraction of a mass of working gas which is heated and cooled in one of a plurality of constantly communicating expansible chambers, e.g. Stirling cycle type engines having at least two working members, e.g. pistons, delivering power output
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、冷却手段付きクライオスタットに係り、核
磁気共鳴装置等の超電導マグネットを内蔵したクライオ
スタットに装置される冷却手段の取付け方法及び熱シー
ルド体の冷却方法に配慮した冷却手段付きクライオスタ
ットに関する。
〔従来の技術〕
従来の装置では、例えば特開昭63−51849号公報に記
載されているように、超電導マグネットを使用している
核磁気共鳴装置の低温保持装置(以下クライオスタット
という)内には、マグネット冷却用の極低温の寒剤であ
る液体ヘリウムが内蔵されている。この液体ヘリウムは
非常に高価な寒剤であり、かつ、わずかな熱で蒸発して
しまうので、クライオスタットの真空中に熱保護用の熱
シールド板が設けられ、これが、同真空中に設置された
小形ヘリウム冷凍機で冷却されていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術では、小形ヘリウム冷凍機と熱シールド
板との結合部は、液体ヘリウム槽を内蔵したクライオス
タットの同一真空中に設置されていた。
この小形ヘリウム冷凍機のシリンダ内が傷ついたなど
の理由で、正常な運転ができなくなった場合、該冷凍機
全体を交換する必要が生じる。この交換作業を行うに
は、クライオスタット内を一度大気に開放して該冷凍機
と熱シールド板が解放されねばならない。このために、
超電導マグネットの電流を一旦、外部に取り出し、ヘリ
ウム槽の液体ヘリウムを全量蒸発させて、クライオスタ
ット全体を昇温する必要がある。冷凍機交換終了後も、
装置を稼働状態に復帰させるには、クライオスタットの
真空引き、液体ヘリウムによる再冷却、貯液、及び超電
導マグネットの再励磁等の作業が必要である。
このように、従来技術で冷却手段である小形ヘリウム
冷凍機を交換うるためには、多量の液体ヘリウムが消費
され、装置が稼働状態に復帰するまでに長時間が必要で
あった。
本発明は、上記従来技術における課題を解決するため
になされたもので、その目的は、冷却手段交換時に、液
体ヘリウムを多量に蒸発させることなく、かつ、超電導
マグネットも冷凍機交換中に超電導状態を維持でき、冷
凍機交換後、短時間でクライオスタットの機能を再開し
うる冷却手段付きクライオスタットを提供するにある。
本発明の他の目的は、冷却手段交換時に、内外圧力差に
よる不具合な歪が発生することのない冷却手段付きクラ
イオスタットを提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題は、超電導マグネット及び該超電導マグネッ
トを冷却する寒剤を収めた低温容器と、該低温容器の周
りに配置された熱シールド体と、該熱シールド体および
前記低温容器を内蔵する真空容器と、該真空容器に着脱
可能に装着され、該真空容器内に配置された低温部によ
り前記熱シールド体を冷却する寒冷発生手段とを含んで
なる冷却手段付きクライオスタットにおいて、前記真空
容器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シールド体を
内蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁を介し
て隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真空室と
に区画され、前記低温部と前記熱シールド体の間を前記
隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動手段が設
けられ、前記第2真空室に該第2真空室を大気開放可能
な少なくとも2個の開口扉が互いに対向する位置に設け
られ、前記互いに対向する開口扉の一つに前記冷却手段
が保持されている冷却手段付きクライオスタットによっ
て達成される。
上記の課題はまた、超電導マグネット及びこれを冷却
する寒剤を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置
された熱シールド体と、該熱シールド体および前記低温
容器を内蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された
低温部により前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを
含んでなる冷却手段付きクライオスタットにおいて、前
記真空容器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シール
ド体を内蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁
を介して隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真
空室に区画され、前記低温部と前記熱シールド体の間を
前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動手段
が設けられ、前記第2真空室に該第2真空室を大気開放
可能な少なくとも2個の開口扉が互いに対向する位置に
設けられ、前記開口扉の一つに前記冷却手段が保持さ
れ、前記低温部と前記熱移動手段とは互いに前記冷却手
段の長手方向軸線に垂直な平面で接している冷却手段付
きクライオスタットによっても達成される。
上記の課題はまた、超電導マグネット及びこれを冷却
する寒剤を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置
された熱シールド体と、該熱シールド体および前記低温
容器を内蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された
低温部により前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを
含んでなる冷却手段付きクライオスタットにおいて、前
記真空容器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シール
ド体を内蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁
を介して隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真
空室に区画され、前記低温部と前記熱シールド体の間を
前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動手段
が設けられ、前記第2真空室に該第2真空室を大気開放
可能な少なくとも2個の開口扉が互いに対向する位置に
設けられ、前記開口扉の一つに前記冷却手段が保持さ
れ、前記低温部と前記熱移動手段との接触部の少なくと
も一部は前記冷却手段の長手方向軸線に対して傾斜面を
なして接している冷却手段付きクライオスタットによっ
ても達成される。
上記の課題はまた、超電導マグネット及びこれを冷却
する寒剤を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置
された熱シールド体と、該熱シールド体および前記低温
容器を内蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された
低温部により前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを
含んでなる冷却手段付きクライオスタットにおいて、前
記真空容器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シール
ド体を内蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁
を介して隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真
空室に区画され、前記低温部と前記熱シールド体の間を
前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動手段
が設けられ、前記第2真空室に該第2真空室を大気開放
可能な少なくとも2個の開口扉が互いに対向する位置に
設けられ、前記開口扉の一つに前記冷却手段が保持さ
れ、前記気密隔壁は前記熱移動手段を貫通している冷却
手段付きクライオスタットによっても達成される。
上記の課題はまた、超電導マグネット及びこれを冷却
する寒剤を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置
された熱シールド体と、該熱シールド体および前記低温
容器を内蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された
低温部により前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを
含んでなる冷却手段付きクライオスタットにおいて、前
記真空容器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シール
ド体を内蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁
を介して隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真
空室に区画され、前記低温部と前記熱シールド体の間を
前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動手段
が設けられ、前記第2真空室に該第2真空室を大気開放
可能な少なくとも2個の開口扉が互いに対向する位置に
設けられ、前記開口扉の一つに前記冷却手段が保持さ
れ、前記熱移動手段は前記気密隔壁を貫通している冷却
手段付きクライオスタットによっても達成される。
上記の課題はまた、超電導マグネット及びこれを冷却
する寒剤を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置
された熱シールド体と、該熱シールド体および前記低温
容器を内蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された
低温部により前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを
含んでなる冷却手段付きクライオスタットにおいて、前
記真空容器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シール
ド体を内蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁
を介して隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真
空室に区画されて、前記低温部と前記熱シールド体の間
を前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動手
段が設けられ、前記第2真空室に該第2真空室を大気開
放可能な少なくとも2個の開口扉が互いに対向する位置
に設けられ、前記開口扉の一つに前記冷却手段が保持さ
れ、前記第2真空室の長手方向壁面の少なくとも一部は
ベローズにより形成されている冷却手段付きクライオス
タットによっても達成される。
上記の課題はまた、超電導マグネット及びこれを冷却
する寒剤を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置
された熱シールド体と、該熱シールド体および前記低温
容器を内蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された
低温部により前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを
含んでなる冷却手段付きクライオスタットにおいて、前
記真空容器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シール
ド体を内蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁
を介して隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真
空室に区画され、前記低温部と前記熱シールド体の間を
前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動手段
が設けられ、前記第2真空室に該第2真空室を大気開放
可能な少なくとも2個の開口扉が互いに対向する位置に
設けられ、前記開口扉の一つに前記冷却手段が保持さ
れ、前記第2真空室の長手方向壁面の少なくとも一部は
金属膜により形成されている冷却手段付きクライオスタ
ットによっても達成される。
上記の課題はまた、超電導マグネット及びこれを冷却
する寒剤を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置
された熱シールド体と、該熱シールド体および前記低温
容器を内蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された
低温部により前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを
含んでなる冷却手段付きクライオスタットにおいて、前
記真空容器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シール
ド体を内蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁
を介して隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真
空室に区画され、前記低温部と前記熱シールド体の間を
前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動手段
が設けられ、前記第2真空室に該第2真空室を大気開放
可能な少なくとも2個の開口扉が互いに対向する位置に
設けられ、前記開口扉の一つに前記冷却手段が保持さ
れ、前記低温部にガス吸着手段が設けられている冷却手
段付きクライオスタットによっても達成される。
上記の課題はまた、超電導マグネット及びこれを冷却
する寒剤を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置
された熱シールド体と、該熱シールド体および前記低温
容器を内蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された
低温部により前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを
含んでなる冷却手段付きクライオスタットにおいて、前
記真空容器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シール
ド体を内蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁
を介して隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真
空室に区画され、前記低温部と前記熱シールド体の間を
前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動手段
が設けられ、前記第2真空室に該第2真空室を大気開放
可能な少なくとも2個の開口扉が互いに対向する位置に
設けられ、前記開口扉の一つに前記冷却手段が保持さ
れ、前記真空容器周囲に磁気シールド板が配置され、前
記冷却手段を保持する開口扉は、該磁気シールド板に固
着されて第1真空室の壁面の一部を形成するフランジ部
材に締結されている冷却手段付きクライオスタットによ
っても達成される。
上記の課題はまた、超電導マグネット及びこれを冷却
する寒剤を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置
された熱シールド体と、該熱シールド体および前記低温
容器を内蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された
低温部により前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを
含んでなる冷却手段付きクライオスタットにおいて、前
記真空容器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シール
ド体を内蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁
を介して隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真
空室に区画され、前記低温部と前記熱シールド体の間を
前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動手段
が設けられ、前記第2真空室に該第2真空室を大気開放
可能な少なくとも2個の開口扉が互いに対向する位置に
設けられ、前記開口扉の一つに前記冷却手段が保持さ
れ、前記冷却手段を保持する開口扉は、前記第1真空室
の壁面にベローズを介して結合されて該第1真空室の壁
面の一部を形成するとともに該第1真空室に対し冷却手
段の長手方向に進退可能なフランジ部材に締結されてい
る冷却手段付きクライオスタットによっても達成され
る。
上記の課題はまた、超電導マグネット及びこれを冷却
する寒剤を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置
された熱シールド体と、該熱シールド体および前記低温
容器を内蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された
低温部により前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを
含んでなる冷却手段付きクライオスタットにおいて、前
記真空容器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シール
ド体を内蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁
を介して隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真
空室に区画され、前記低温部と前記熱シールド体の間を
前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動手段
が設けられ、前記第2真空室に該第2真空室を大気開放
可能な少なくとも1個の開口扉が設けられ、該開口扉に
対向する第2真空室の壁は外面を大気に接して設けら
れ、前記外面を大気に接して設けられている壁に対向す
る開口扉の一つに前記冷却手段が保持され、前記第2真
空室の長手方向壁面の少なくとも一部は金属膜により形
成されている冷却手段付きクライオスタットによっても
達成される。
上記の課題はまた、超電導マグネット及びこれを冷却
する寒剤を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置
された熱シールド体と、該熱シールド体および前記低温
容器を内蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された
低温部により前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを
含んでなる冷却手段付きクライオスタットにおいて、前
記真空容器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シール
ド体を内蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁
を介して隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真
空室に区画され、前記低温部と前記熱シールド体の間を
前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動手段
が設けられ、前記第2真空室に該第2真空室を大気開放
可能な少なくとも1個の開口扉が設けられ、該開口扉に
対向する第2真空室の壁は外面を大気に接して設けら
れ、前記外面を大気に接して設けられている壁に対向す
る開口扉の一つに前記冷却手段が保持され、前記真空容
器周囲に磁気シールド板が配置され、前記冷却手段を保
持する開口扉は、該磁気シールド板に固着されて第1真
空室の壁面の一部を形成するフランジ部材に締結されて
いる冷却手段付きクライオスタットによっても達成され
る。
〔作用〕
上記技術的手段の働きは次のとおりである。
冷却手段は低温部と熱移動手段との結合部を収納した
第2真空室は、通常、真空断熱されている。冷却手段交
換時には、第2真空室内が、乾燥した不活性ガス、例え
ばガスヘリウムやガスネオンで満たされ、該第2真空室
内の圧力が大気圧となったのち、前記冷却手段が保持さ
れている開口扉に対向する位置に配置されている開口扉
が開放され、第2真空室は、大気に開放される。次い
で、開放された前記開口扉を通して、前記冷却手段と熱
移動手段の間の機械的な結合部、例えばボルト結合が開
放される。前記結合部が開放されたのち、冷却手段が保
持されている開口扉が冷却手段と共に取り外され、新し
い冷却手段が前記開口扉に装着される。新しい冷却手段
が装着された開口扉が、もとの位置に取付けられ、冷却
手段と熱移動手段との機械的な結合部が、再び結合され
る。該結合が終了すると、冷却手段が保持されている開
口扉に対向する位置の開口扉が閉鎖される。次いで、第
2真空室内が真空排気され、真空断熱されて、交換作業
は終了する。
この冷却手段交換作業は、第1真空室を高真空状態に
保ったままで実施されるので、液体ヘリウムの蒸発も少
く、また、超電導マグネットも冷却手段の交換作業の間
極低温状態に維持されるので、装置の稼働状態への復帰
が短時間で行われる。
冷却手段交換の際は、前述のように、第2真空室は大
気圧となり、隣接する第1真空室は高真空に維持される
が、第2真空室の互いに対向する開口扉が開放されるの
で、両扉を結ぶ方向、すなわち第2真空室の長手軸方向
には、第1真空室と第2真空室の圧力差に基づく力が働
くことはなく、クライオスタット各部に不要な歪が発生
することもない。
また、開口扉が、冷却手段を保持している開口扉のみ
とした場合、該開口扉に対向する位置の第2真空室の壁
は、その外面が大気に接する位置に設けられるので、開
口扉が開かれ、第2真空室内が大気圧となっても、第2
真空室の長手軸方向(つまり、開口扉と該開口扉に対向
し、外面を大気に接している壁を結ぶ方向)に、第1、
第2真空室の圧力差に基づく力が加わることがなく、従
ってクライオスタット各部に有害な歪が生ずることもな
い。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を、第1図、第2図を参照し
て説明する。核磁気共鳴装置等に使用される低温保持装
置(以下、クライオスタットという)は、均一でかつ高
い磁場を必要とするため、超電導マグネット1を内蔵す
る。図に示す実施例において、超電導マグネット1は、
低温容器である液体ヘリウム槽2に内蔵され、マグネッ
トの超電導状態を維持するために、寒剤である液体ヘリ
ウム3で冷却されている。
液体ヘリウム3は、わずかな熱で蒸発してしまうた
め、前記液体ヘリウム槽2は、クライオスタット4を構
成する真空容器をなす第1真空室5内に設置され、該液
体ヘリウム槽2に周りには熱シールド体である第2シー
ルド筒7A、その外側に第1シールド筒6Aが配置され、そ
れぞれ冷却手段を構成する小形ヘリウム冷凍機8で冷却
されるようになっている。
小形ヘリウム冷凍機8には、圧縮機9から高圧ガスヘ
リウムが配管10を通して供給され、該ガスヘリウムは、
冷凍機内で断熱膨張して寒冷を発生する。膨張した後の
ガスヘリウムは、配管11を通して圧縮機9に戻される。
冷却手段の低温部、すなわち小形ヘリウム冷凍機8の
第1コールドステーション12および第2コールドステー
ション13は、ガスヘリウムの断熱膨張によって、それぞ
れ約80Kと約20Kに冷却される。
この小形ヘリウム冷凍機8の低温部(第1,第2のコー
ルドステーション12,13)は、ベローズ14,ベローズ15,
ステンレス製のシエル16A,16B,16C,16D,ベローズ17、お
よび銅やアルミニウムの熱伝導良導体で構造した第1伝
熱フランジ18A,18B、第2伝熱フランジ19A,19B,熱シー
ルドフランジ20を一体化して、その内部に形成された冷
凍機の装着室である第2真空室21に配置されている。
小形ヘリウム冷凍機8の第1、第2コールドステーシ
ョン12,13は、第1シールド筒6Aおよび第2シールド筒7
A(熱シールド体)に、それぞれ熱移動手段を介して一
体的に連結される。すなわち、銅板等の伝熱板22,23が
それぞれ第1、第2シールド筒6A,7Aの座6B,7Bに一体的
(例えばボルト28による締結)に結合され、この伝熱板
22,23に、第1,第2伝熱フランジ18B,19Bが一体的(例え
ばボルト28による締結)に接合され、第1,第2伝熱フラ
ンジ18A,19Aが、第1、第2コールドステーション12,13
に、インジューム24等の軟質材を介してボルト25で機械
的に締結されている。
ここで、ステンレス製のシエル16Aをはさむ第1伝熱
フランジ18A,18B及び同ステンレス製のシエル16Cをはさ
む第2伝熱フランジ19A,19Bの接触面は、シエルと伝熱
フランジ間の熱伝導を良くするために、ハンダまたはロ
ウ材等で、冶金的に一体化されている。
第1真空室5には、図面上方に凸な膨出部5Aが形成さ
れ、その両端壁面の互いに対向する位置に開口が設けら
れている。図上左方の開口には、ベローズ45を介して前
フランジ29が取り付けられ、図上右方の開口には気密の
後開口扉26Bが、脱着可能に装着されている。前記前フ
ランジ29には、前記膨出部の開口とほぼ同心状に開口29
Aが設けられ、該開口29Aには、シエル16A,ベローズ14,
シエル16B,ベローズ15、シエル16C、ベローズ17、シエ
ル16Dが、順に、同心状に接続されて、筒状の気密の隔
壁をなして第2真空室21を形成している。前記シエル16
Dの端部は、前記膨出部5Aの図上右側の壁の開口内周に
気密に接続されている。
筒状をなす第2真空室21の長手軸方向、図上、右側の
端部(後端部)は、後開口扉26Bにより、Oリング27、
ボルト28で密閉されて大気と隔離され、他方の端部は、
冷却手段である小形ヘリウム冷凍機8の一部をなす前開
口扉26Aにより、Oリング30、ボルト31で密閉されてい
る。
前フランジ29には、大気側と第2真空室21を連通する
導孔29Bが形成され、該導孔29Bの大気側は、弁33A,33B
を介装する導管32により、真空ポンプ34に接続されてい
る。また、前記弁33A,33B間の導管32には、弁33Cを介し
てヘリウムガスボンベ46が接続されている。
前記小形ヘリウム冷凍機8は、前記前開口扉26Aの一
方の側に配管10,11に接続される部分を備え、該開口扉2
6Aの他方の側に円筒状の第1コールドステーション12
を、更に該第1コールドステーション12の図上右方(後
方)に接続して同じく円筒状で前記第1コールドステー
ションより小径の第2コールドステーション13を同軸上
に備えている。第1,第2コールドステーションの図上右
側端面は、小形ヘリウム冷凍機8の長手方向軸線に対し
て垂直な面をなしており、第2コールドステーションの
端面はボルト25で締結される冷却パネル35との間に第2
伝熱フランジ19Aを挾持している。また、第1コールド
ステーションの図上右側端面は、内径を変化させて階段
状に形成されたシエル16Bと第1伝熱フランジ18Aを介し
て接触している。前記冷却パネル35表面には、吸着剤で
ある活性炭36が貼付されている。
第2真空室21の真空排気の際は、まず、導管32、弁33
A,33Bを介して、真空ポンプ34による荒引きが行われ、
その後、第2伝熱フランジ19Aに接して配置された冷却
パネル35、およびその表面に貼付された活性炭で、残留
ガスが凝縮、吸着され、高真空域まで排気される。
また、第2伝熱フランジ19Aは、第2コールドステー
ション13で、20Kの極低温に冷却されるので、常温部か
らの輻射熱の侵入を防ぐため、第1コールドステーショ
ン12で冷却される熱シールド半円筒体37が第2伝熱フラ
ンジ19Bの囲りに配置される。さらに、第1伝熱フラン
ジ18Bに接触する伝熱板38の端は銅網の伝熱体39を介し
て熱シールドフランジ20に結合されている。
シエル16Cは、長手方向断面がS字状となるように屈
曲されており、円環状の熱シールドフランジ20は、シエ
ル16Cの外周側に同心状に配置され、かつ該シエル16Cの
屈曲部に接触して配置されている。シエル16Cの前記屈
曲部は、後開口扉26と第1コールドステーションの中間
位置に形成されており、該屈曲部の第2真空室側端部に
は、第2真空室長手方向に垂直に、熱シールド円板41
が、ビス40で締結され、常温部からの輻射熱の侵入が防
止されている。
このように、第1真空室5内の第1,第2シールド筒6
A,7Aは、第1,第2伝熱フランジ18A,18B,19A,19Bを介し
て、第2真空室21内の冷凍機コールドステーションで冷
却される。
ベローズ14,15,17は、小形ヘリウム冷凍機8の熱収縮
の吸収、冷凍機運転振動の吸収を行い、第2真空室壁の
疲労破壊を防止するとともに、各フランジ間、および、
クライオスタット、フランジ間の距離を長くとり、伝導
伝熱による熱移動を少なくして、各コールドステーショ
ンへの熱侵入を極力少なくする効果がある。
また、第2真空室21の気密隔壁の一部であるベローズ
14,15の内周側には、一端をそれぞれシエル16B、シエル
16Cに固定されたスリーブ42,43が前記ベローズと同心状
に配置され、これらスリーブの自由端は,それぞれ、シ
エル16A,16Bの内周面に所定の間隔をおいて配置され、
小形ヘリウム冷凍機8が、第2真空室内に装置されてい
ない場合でも、シエル16A,16B,16Cの軸芯がずれないよ
うにしてある。
前フランジ29は、クライオスタット4の外周に配置さ
れた、質量がクライオスタットの容器に比べて大きい磁
気シールド体44にボルト締結等の締結手段で一体化さ
れ、前フランジ29とクライオスタットは、前述のよう
に、ベローズ45で気密連結されている。この構造によ
り、小形ヘリウム冷凍機8は所定の位置に固定され、か
つ、該小形ヘリウム冷凍機8の運転に伴う振動を、クラ
イオスタットに伝播させないで、運転騒音が低く抑えら
れる。
故障等の理由で、小形ヘリウム冷凍機8を交換する必
要性が生じた場合、まず、冷凍機の運転が停止され、第
2真空室21内にガスボンベ46からガスヘリウムが弁33
A、33Cを介して注入され、室内がほぼ大気圧と同程度に
加圧される。つぎに、後開口扉26Bが取り外され、大気
が第2真空室に侵入しないように、第2真空室にガスヘ
リウムの注入を続けて、ガスヘリウムを漏らしながら、
前記後開口扉26Bが開放された後の開口がビニールカバ
ー等で覆われる。続いて、該ビニールカバーが一部開か
れ、熱シールド板41、冷却パネル35が取外される。
次いで、第2伝熱フランジ19Aに形成されている孔47
を通じて第1伝熱フランジ18Aを第1コールドステーシ
ョンに締結しているボルト25が取外され、第1、第2コ
ールドステーション12,13と第1、第2伝熱フランジ18
A,19Aの締結が解除される。
その後、後開口扉26Bが仮取付けされ、大気の侵入を
防止した状態で、ボルト31が外され、前の作業と同様に
大気の侵入が防止されながら、小形ヘリウム冷凍機8が
取出され、新しい冷凍機が装着される。この後、今まで
の作業の手順の逆手順で作業が行われ、後開口扉26Bが
取り付けられる。次いで、弁33Cが閉じられ、弁33が開
かれて真空ポンプ34で荒引き排気された後、弁33A,33B
が閉じられて、冷凍機が再スタートされる。数時間後、
冷凍機の冷却により、伝熱フランジ等の温度は定常状態
に戻り、クライオスタットの機能が復帰する。
小形ヘリウム冷凍機8の交換作業の間、第1真空室5
は、大気に開放されないので真空状態を維持している。
よって、液体ヘリウム槽の断熱は損なわれず、このた
めに液体ヘリウムの消費量が増加することはない。
また、冷凍機の交換作業も、ボルトの取り外し、再締
結および第2真空室21の真空排気で終了し、短時間内で
処理できるので、クライオスタットの機能も数時間で復
帰する。
一方、第2真空室21は、冷凍機挿入方向に構成されて
おり、その両端が大気開放の構造となっているので、大
気圧加圧時と真空排気時に、冷凍機挿入方向に圧縮荷
重、引張荷重が真空室壁に作用することがない。したが
って、真空室を形成するベローズ等の肉厚を薄くしても
強度上十分で、肉厚を薄くすることによって、伝導伝熱
量を小さくすることができ、シエル16A,16B,16C及びベ
ローズ14,15,17を通じて、極低温部に侵入する熱侵入量
を小さくでき、熱シールド体である第1、第2シールド
筒6A,7Aを低温に冷却できる。
また、本実施例では、前フランジ、第2真空室の隔壁
のシェル及びベローズ及びクライオスタット4が全てス
テンレス鋼の同一材質で構成され、それぞれの結合部が
溶接で気密良く一体化されるので、第1、第2真空室間
の気密性が良好に確保される。
本実施例によれば、液体ヘリウム槽を収納した第1真
空室の真空を高真空に維持したまま冷凍機が交換される
ので、冷凍機交換時に液体ヘリウムを大量に蒸発させる
ことなく、かつ、超電導マグネットも、冷凍機交換中、
超電導状態を維持できるので、冷凍機交換後、数時間で
クライオスタットを復帰できるという効果がある。
なお、本実施例では、冷凍機にヘリウムガスを作動ガ
スとした小形ヘリウム冷凍機(フォードマクマホン冷凍
機、ソルベイ冷凍機、スターリング冷凍機、クワード式
冷凍機、ビルマイヤ冷凍機、パルスチューブ冷凍機等)
が使用されたが、ヘリウムガスを使用しない、ベルチェ
素子を使用した電子冷凍機を適用しても同様な効果を生
じる。
第3図に本発明の第2の実施例を示す。本実施例と前
記第1の実施例との相違は、第2図に記載された第1の
実施例において、熱移動手段の一部をなす銅又はアルミ
ニウム等の第1、第2の伝熱フランジが、第2真空室を
形成する気密隔壁であるシェル16A,16Cにより、第2真
空室内の部分と第2真空室外の部分に分断されているの
に対し、本実施例においては、第1、第2の伝熱フラン
ジは、いずれも第2真空室内の部分と、第2真空室外の
部分とが銅又はアルミニウム等の連続した一個の部品1
8,19で形成され、該第1、第2伝熱フランジ18,19は、
それ自身が第2真空室の気密隔壁の一部をなし、ステン
レス製のシェル16A,16B及びシェル16B,16Cは、前記第
1、第2伝熱フランジに気密に接合されている点にあ
る。銅又はアルミニウム等からなる第1、第2伝熱フラ
ンジとステンレス製のシェルとの異種金属接合部は、ろ
う付け、拡散接合、摩擦圧接または爆着等により接合さ
れ、気密一体化されている。
本実施例によれば、熱移動手段を構成する第1、第2
伝熱フランジが同一部材でそれぞれ一体化されているの
で、伝熱フランジ内の熱移動抵抗が小さく、第1、第2
シールド筒6A,7Aがさらに低温度に冷却され、液体ヘリ
ウム槽2内の液体ヘリウムの蒸発量がさらに低減され
る。
第4図に本発明になる第3の実施例を示す。本実施例
が前記第2の実施例と相違する点の一つは、前フランジ
29が、前記実施例では磁気シールド板44に固定されてい
るのに対し、本実施例においては、該前フランジ29が、
磁気シールド板44に固定されていない点である。第2の
相違点は、小形ヘリウム冷凍機8の第1、第2コールド
ステーション12,13の図上右側端面に、右方に凸な円錐
状のフランジ48,49が該第1、第2コールドステーショ
ンの軸線と同心状にろう付等により面を接して固着さ
れ、第1、第2伝熱フランジ18,19に前記円錐状のフラ
ンジ48,49と、それぞれ係合する円錐状の傾斜面が形成
されている点である。第3の相違点は、第2真空室内の
第2伝熱フランジ19の表面に活性炭36が吸着剤として装
着されている点である。
本実施例によれば、小形ヘリウム冷凍機8は、第2真
空室21内の圧力と大気圧との差により、図上、左から右
へ押され、円錐状のフランジ48,49は、それぞれ、第
1、第2伝熱フランジ18,19に形成されている円錐状の
傾斜面に圧着されている。したがって、小形ヘリウム冷
凍機8の取外しに際しては、第2真空室21へのガスヘリ
ウム注入により、該第2真空室21内圧力が大気圧に昇圧
された後、前開口扉26Aを、前フランジ29に締結してい
るボルト31が取外されれば、小形ヘリウム冷凍機8は容
易に取出し可能となる。小形ヘリウム冷凍機8の取付に
際しては、該小形ヘリウム冷凍機8が第2真空室21に挿
入された後、前記ボルト31が締結され、第2真空室21が
排気されれば、円錐状のフランジ48,49が、第1、第2
の伝熱フランジの円錐状の傾斜面に圧着されて安定的に
保持されるとともに、前記傾斜面を通る熱の移動が保証
される。小形ヘリウム冷凍機8の脱着に際し、後開口扉
26Bの開閉が不要であり、小形ヘリウム冷凍機8の交換
作業が容易である。
本実施例においては、前述のように、小形ヘリウム冷
凍機8の脱着に際し、後開口扉26Bが不要なので、この
扉をクライオスタット4の壁面に、Oリングを用いるこ
となく、溶接等により気密一体化し、第2真空室と大気
の圧力差によって生じる力をクライオスタット4の剛性
で受けるようにしても良い。また、前フランジ29が磁気
シールド板44で小形ヘリウム冷凍機8の挿入方向に摺動
可能に支持され、該小形ヘリウム冷凍機8及び前フラン
ジ29の自重が前記磁気シールド板44で支持されるように
してもよい。
第5図は本発明になる第4の実施例を示す。本実施例
が前記第1の実施例と相違するのは、第1コールドステ
ーション12と第1伝熱フランジ18Aとの締結に、長尺六
角穴付ボルト50が用いられている点にある。本実施例に
よれば、小形ヘリウム冷凍機8の交換に際し、後開口扉
26Bが開放され、ここから第2伝熱フランジ19Aに形成さ
れている孔47を通じて、該孔47の近くに位置している長
尺六角穴付ボルト50の六角穴に締結用工具を係合させる
ので、操作が容易である。
第6図に本発明になる第5の実施例を示す。本実施例
では、液体ヘリウム槽2には、超電導マグネット1に代
えてジョセフソン素子やSQUIDセンサ等の電気的素子51
が内蔵され、液体ヘリウム槽2に内包されているヘリウ
ムはそれらの素子を冷却している。液体ヘリウム槽2に
形成された開口部は、一方の面を大気に接するフランジ
52により開閉可能に開鎖され、該フランジ52の常温部
(大気側)には、接続器53が配置されている。該接続器
53は、リード線54により、前記電気的素子51と接続され
ている。また、前フランジ29はクライオスタット4の周
囲に配置された、パーマロイ製やステンレス製の非磁性
体55に固定支持されている。その他の構成は前記第1の
実施例と同一である。
本実施例によれば、電気的素子を冷却する冷却手段付
クライオスタットにおいても、超電導マグネットを冷却
する冷却手段付きクライオスタットの場合と同様に、冷
却手段の交換が、第1真空室5を真空に維持したままで
行われ、液体ヘリウムを多量に消費することが避けられ
ると共に交換中も電気的素子の動作が停止されない。
上記第1の実施例においては、第2真空室を構成する
筒状の気密隔壁は、シェル16A,16B,16Cおよびベローズ1
4,15,17を含んで形成されている。前述のように該気密
隔壁には長手方向には、大きな圧縮力は加わらないの
で、シェルとして、内圧に耐えるだけの金属の薄い膜、
金属箔が用いられても良い。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、本発明によれば、冷却手
段交換時に、液体ヘリウムを多量に蒸発させることな
く、かつ、超電導マグネットも冷却手段交換中に超電導
状態を維持できるので、冷却手段交換後、短時間でクラ
イオスタットの機能を復帰しうる冷却手段付きクライオ
スタットを提供することができる。
また、本発明によれば、冷却手段の低温部と熱シール
ド体とが金属熱良導体で連結されるので、該低温部によ
る熱シールド体の冷却が効果的に行われ、熱シールド体
の極低温への冷却が可能となって、冷却手段動作時の液
体ヘリウム蒸発量が低減される効果がある。
さらに、冷却手段が装着される区画は、その長手方向
両端を形成する壁の外面が大気に接するか、もしくは大
気に接する壁面に固定されているので、該区画の内圧が
大気圧もしくはその近くになった際、該区画の軸方向変
位が少く、該区画を構成する壁の板厚を薄くすることが
可能となり、外部から該壁を経て極低温部へ伝導により
侵入する熱量を低下させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例である冷却手段付クライ
オスタットの縦断面図、第2図は第1図の部分の詳細を
示す断面図、第3図、第4図、第5図は本発明の第2、
第3、第4の実施例の主要部分を示す断面図で、第6図
は本発明の第5の実施例である冷却手段クライオスタッ
トの縦断面図である。 1……超電導マグネット、2……低温容器、3……液体
ヘリウム、4……クライオスタット、5……第1真空
室、6A,7A……熱シールド体、8……冷却手段、12,13…
…低温部、14,15,17……ベローズ、18,19,22,23……熱
移動手段、21……第2真空室、26A,26B……開口扉、36
……ガス吸着手段、44……磁気シールド板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−164205(JP,A) 特開 昭63−263707(JP,A) 特開 昭62−88378(JP,A) 実開 昭63−75007(JP,U) 実開 昭63−75765(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 39/04

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超電導マグネット及び該超電導マグネット
    を冷却する寒剤を収めた低温容器と、該低温容器の周り
    に配置された熱シールド体と、該熱シールド体および前
    記低温容器を内蔵する真空容器と、該真空容器に着脱可
    能に装着され、該真空容器内に配置された低温部により
    前記熱シールド体を冷却する寒冷発生手段とを含んでな
    る冷却手段付きクライオスタットにおいて、前記真空容
    器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シールド体を内
    蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁を介して
    隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真空室に区
    画されていることと、前記低温部と前記熱シールド体の
    間を前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動
    手段が設けられていることと、前記第2真空室に該第2
    真空室を大気開放可能な少なくとも2個の開口扉が互い
    に対向する位置に設けられていることと、前記互いに対
    向する開口扉の一つに前記冷却手段が保持されているこ
    とと、を特徴とする冷却手段付きクライオスタット。
  2. 【請求項2】超電導マグネット及びこれを冷却する寒剤
    を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置された熱
    シールド体と、該熱シールド体および前記低温容器を内
    蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された低温部に
    より前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを含んでな
    る冷却手段付きクライオスタットにおいて、前記真空容
    器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シールド体を内
    蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁を介して
    隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真空室に区
    画されていることと、前記低温部と前記熱シールド体の
    間を前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動
    手段が設けられていることと、前記第2真空室に該第2
    真空室を大気開放可能な少なくとも2個の開口扉が互い
    に対向する位置に設けられていることと、前記開口扉の
    一つに前記冷却手段が保持されていることと、前記低温
    部と前記熱移動手段とは互いに前記冷却手段の長手方向
    軸線に垂直な平面で接していることと、を特徴とする冷
    却手段付きクライオスタット。
  3. 【請求項3】超電導マグネット及びこれを冷却する寒剤
    を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置された熱
    シールド体と、該熱シールド体および前記低温容器を内
    蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された低温部に
    より前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを含んでな
    る冷却手段付きクライオスタットにおいて、前記真空容
    器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シールド体を内
    蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁を介して
    隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真空室に区
    画されていることと、前記低温部と前記熱シールド体の
    間を前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動
    手段が設けられていることと、前記第2真空室に該第2
    真空室を大気開放可能な少なくとも2個の開口扉が互い
    に対向する位置に設けられていることと、前記開口扉の
    一つに前記冷却手段が保持されていることと、前記低温
    部と前記熱移動手段との接触部の少なくとも一部は前記
    冷却手段の長手方向軸線に対して傾斜面をなして接して
    いることと、を特徴とする冷却手段付きクライオスタッ
    ト。
  4. 【請求項4】超電導マグネット及びこれを冷却する寒剤
    を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置された熱
    シールド体と、該熱シールド体および前記低温容器を内
    蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された低温部に
    より前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを含んでな
    る冷却手段付きクライオスタットにおいて、前記真空容
    器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シールド体を内
    蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁を介して
    隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真空室に区
    画されていることと、前記低温部と前記熱シールド体の
    間を前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動
    手段が設けられていることと、前記第2真空室に該第2
    真空室を大気開放可能な少なくとも2個の開口扉が互い
    に対向する位置に設けられていることと、前記開口扉の
    一つに前記冷却手段が保持されていることと、前記気密
    隔壁は前記熱移動手段を貫通していることと、を特徴と
    する冷却手段付きクライオスタット。
  5. 【請求項5】超電導マグネット及びこれを冷却する寒剤
    を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置された熱
    シールド体と、該熱シールド体および前記低温容器を内
    蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された低温部に
    より前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを含んでな
    る冷却手段付きクライオスタットにおいて、前記真空容
    器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シールド体を内
    蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁を介して
    隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真空室に区
    画されていることと、前記低温部と前記熱シールド体の
    間を前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動
    手段が設けられていることと、前記第2真空室に該第2
    真空室を大気開放可能な少なくとも2個の開口扉が互い
    に対向する位置に設けられていることと、前記開口扉の
    一つに前記冷却手段が保持されていることと、前記熱移
    動手段は前記気密隔壁を貫通していることと、を特徴と
    する冷却手段付きクライオスタット。
  6. 【請求項6】超電導マグネット及びこれを冷却する寒剤
    を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置された熱
    シールド体と、該熱シールド体および前記低温容器を内
    蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された低温部に
    より前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを含んでな
    る冷却手段付きクライオスタットにおいて、前記真空容
    器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シールド体を内
    蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁を介して
    隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真空室に区
    画されていることと、前記低温部と前記熱シールド体の
    間を前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動
    手段が設けられていることと、前記第2真空室に該第2
    真空室を大気開放可能な少なくとも2個の開口扉が互い
    に対向する位置に設けられていることと、前記開口扉の
    一つに前記冷却手段が保持されていることと、前記第2
    真空室の長手方向壁面の少なくとも一部はベローズによ
    り形成されていることと、を特徴とする冷却手段付きク
    ライオスタット。
  7. 【請求項7】超電導マグネット及びこれを冷却する寒剤
    を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置された熱
    シールド体と、該熱シールド体および前記低温容器を内
    蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された低温部に
    より前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを含んでな
    る冷却手段付きクライオスタットにおいて、前記真空容
    器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シールド体を内
    蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁を介して
    隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真空室に区
    画されていることと、前記低温部と前記熱シールド体の
    間を前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動
    手段が設けられていることと、前記第2真空室に該第2
    真空室を大気開放可能な少なくとも2個の開口扉が互い
    に対向する位置に設けられていることと、前記開口扉の
    一つに前記冷却手段が保持されていることと、前記第2
    真空室の長手方向壁面の少なくとも一部は金属膜により
    形成されていることと、を特徴とする冷却手段付きクラ
    イオスタット。
  8. 【請求項8】超電導マグネット及びこれを冷却する寒剤
    を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置された熱
    シールド体と、該熱シールド体および前記低温容器を内
    蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された低温部に
    より前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを含んでな
    る冷却手段付きクライオスタットにおいて、前記真空容
    器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シールド体を内
    蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁を介して
    隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真空室に区
    画されていることと、前記低温部と前記熱シールド体の
    間を前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動
    手段が設けられていることと、前記第2真空室に該第2
    真空室を大気開放可能な少なくとも2個の開口扉が互い
    に対向する位置に設けられていることと、前記開口扉の
    一つに前記冷却手段が保持されていることと、前記低温
    部にガス吸着手段が設けられていることと、を特徴とす
    る冷却手段付きクライオスタット。
  9. 【請求項9】超電導マグネット及びこれを冷却する寒剤
    を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置された熱
    シールド体と、該熱シールド体および前記低温容器を内
    蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された低温部に
    より前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを含んでな
    る冷却手段付きクライオスタットにおいて、前記真空容
    器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シールド体を内
    蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁を介して
    隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真空室に区
    画されていることと、前記低温部と前記熱シールド体の
    間を前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移動
    手段が設けられていることと、前記第2真空室に該第2
    真空室を大気開放可能な少なくとも2個の開口扉が互い
    に対向する位置に設けられていることと、前記開口扉の
    一つに前記冷却手段が保持されていることと、前記真空
    容器周囲に磁気シールド板が配置され、前記冷却手段を
    保持する開口扉は、該磁気シールド板に固着されて第1
    真空室の壁面の一部を形成するフランジ部材に締結され
    ることと、を特徴とする冷却手段付きクライオスタッ
    ト。
  10. 【請求項10】超電導マグネット及びこれを冷却する寒
    剤を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置された
    熱シールド体と、該熱シールド体および前記低温容器を
    内蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された低温部
    により前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを含んで
    なる冷却手段付きクライオスタットにおいて、前記真空
    容器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シールド体を
    内蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁を介し
    て隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真空室に
    区画されていることと、前記低温部と前記熱シールド体
    の間を前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移
    動手段が設けられていることと、前記第2真空室に該第
    2真空室を大気開放可能な少なくとも2個の開口扉が互
    いに対向する位置に設けられていることと、前記開口扉
    の一つに前記冷却手段が保持されていることと、前記冷
    却手段を保持する開口扉は、前記第1真空室の壁面にベ
    ローズを介して結合されて該第1真空室の壁面の一部を
    形成するとともに該第1真空室に対し冷却手段の長手方
    向に進退可能なフランジ部材に締結されていることと、
    を特徴とする冷却手段付きクライオスタット。
  11. 【請求項11】超電導マグネット及びこれを冷却する寒
    剤を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置された
    熱シールド体と、該熱シールド体および前記低温容器を
    内蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された低温部
    により前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを含んで
    なる冷却手段付きクライオスタットにおいて、前記真空
    容器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シールド体を
    内蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁を介し
    て隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真空室に
    区画されていることと、前記低温部と前記熱シールド体
    の間を前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移
    動手段が設けられていることと、前記第2真空室に該第
    2真空室を大気開放可能な少なくとも1個の開口扉が設
    けられ、該開口扉に対向する第2真空室の壁は外面を大
    気に接して設けられていることと、前記外面を大気に接
    して設けられている壁に対向する開口扉の一つに前記冷
    却手段が保持されているここと、前記第2真空室の長手
    方向壁面の少なくとも一部は金属膜により形成されてい
    ることと、を特徴とする冷却手段付きクライオスタッ
    ト。
  12. 【請求項12】超電導マグネット及びこれを冷却する寒
    剤を収めた低温容器と、該低温容器の周りに配置された
    熱シールド体と、該熱シールド体および前記低温容器を
    内蔵する真空容器と、該真空容器内に配置された低温部
    により前記熱シールド体を冷却する冷却手段とを含んで
    なる冷却手段付きクライオスタットにおいて、前記真空
    容器が、少なくとも、前記低温容器及び熱シールド体を
    内蔵する第1真空室と該第1真空室に気密の隔壁を介し
    て隣接し前記冷却手段の低温部を内蔵する第2真空室に
    区画されていることと、前記低温部と前記熱シールド体
    の間を前記隔壁を介して金属の熱良導体で連結する熱移
    動手段が設けられていることと、前記第2真空室に該第
    2真空室を大気開放可能な少なくとも1個の開口扉が設
    けられ、該開口扉に対向する第2真空室の壁は外面を大
    気に接して設けられていることと、前記外面を大気に接
    して設けられている壁に対向する開口扉の一つに前記冷
    却手段が保持されていることと、前記真空容器周囲に磁
    気シールド板が配置され、前記冷却手段を保持する開口
    扉は、該磁気シールド板に固着されて第1真空室の壁面
    の一部を形成するフランジ部材に締結されることと、を
    特徴とする冷却手段付きクライオスタット。
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