JP3462133B2 - ホール素子を用いた電力量計 - Google Patents

ホール素子を用いた電力量計

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JP3462133B2 JP34427899A JP34427899A JP3462133B2 JP 3462133 B2 JP3462133 B2 JP 3462133B2 JP 34427899 A JP34427899 A JP 34427899A JP 34427899 A JP34427899 A JP 34427899A JP 3462133 B2 JP3462133 B2 JP 3462133B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ホール素子を用い
て電力量を計測する電力量計の改良に関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】従来利用されているホール素子を用いた
電力量計の基本構成を図3に示す。101はホール素
子、102は差動増幅回路、103は積分回路である。
電圧入力端子P1 ,P2 に、計測電圧Vを入力して、計
測電圧Vに相当するホール電流Ic を抵抗Rを経て流
し、計測電流Iに相当する磁界Bを与えると、ホール素
子101からはホール電圧Vh =K×B×Ic が出力さ
れる。積感度Kはホール素子が持つ定数である。但し、
ホール素子101からの出力には、電力計測には不要な
同相電圧Vcmと不平衡電圧Vhoとが含まれる。同相電圧
Vcmはホール素子101の出力端子V+とV−の両方の
出力に含まれる電圧であり、その値はホール電流Ic に
ホール素子101の入力抵抗Rinの半分を乗じたもので
ある。不平衡電圧Vhoはホール電圧Vh と同様に出力端
子V+とV−の間に発生する電圧で、その値はホール電
流Ic に不平衡抵抗Rhoを乗じたものである。ホール電
圧Vh は微小であるため増幅率Gの差動増幅回路102
に入力されて増幅される。この差動増幅回路102によ
り同相電圧Vcmが除去される。差動増幅回路102の出
力は積分回路103に入力されて積分されるが、この時
不平衡電圧Rhoが不平衡電圧の周期ごとに除去される。
従って、積分回路103において電力量に相当する電圧
値G×Vh が検出される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】図3の回路構成の場
合、差動増幅回路を用いることにより同相電圧Vcmは除
去されるが、差動増幅回路を構成するオペアンプの入力
オフセット電圧や、入力バイアス電流によるオフセット
電圧が誤差要因として発生する。軽負荷でのホール電圧
の値はマイクロボルト・オーダーであり、高精度なオペ
アンプを用いたとしても、これらのオフセット電圧値は
同レベルとなり、大きな誤差要因となる。 【0004】図4は、このような問題点を解決するため
に差動増幅回路を2つのオペアンプOP1 とOP2 で構
成した回路の基本構成である。オペアンプOP1 とOP
2 は、それぞれ入力オフセット電圧Vio1 ,Vio2 及び
入力バイアス電流Ib1,Ib2を持つ。この回路構成で
は、差動増幅回路102の出力は、 -(1+R2/R1)(-Vh-Vho+Vio1-Vio2)-R2(Ib1-Ib2) となり、入力オフセット電圧Vio1 ,Vio2 と、入力バ
イアス電流Ib1,Ib2によるオフセット電圧が重畳す
る。ただし、R1 ,R2 は抵抗である。ところが、オペ
アンプOP1 とOP2 によるオフセット電圧は各々正負
極性が反対に現われる。このため、同一ペレット上に作
られ、トラッキング特性を保証したオペアンプを使用す
れば、Vio1 ≒Vio2 ,Ib1≒Ib2となり、オフセット
電圧は打ち消される。しかし、トラッキング特性を保証
したオペアンプとはいえ、入力オフセット電圧や入力バ
イアス電流が完全に同値となるわけではなく、軽負荷に
おいて高精度な計測をする際に誤差要因となることがあ
る。また、トラッキング特性を保証していないオペアン
プを用いる場合には図4の回路は誤差を除去することは
できない。 【0005】これらの問題点への対策として、ホール電
流を周期的に反転させ、差動増幅回路の後段でその反転
を戻して、その間に発生するオフセット電圧を積分回路
で除去する方法がある。図5は、そのような回路の基本
構成を示す図である。SWa1,SWa2,SWb1,SWb2
は切換スイッチであり、不図示の反転クロック回路から
の信号によって、反転周期aの間はSWa1,SWa2がオ
ンで、SWb1,SWb2がオフ、反転周期bの間はその逆
に制御されてホール電流の向きを変える。反転周期a及
び反転周期bの間のホール素子の出力は、 a:-Vh-Vho b:Vh+Vho となり、同相電圧Vcmを除去した後の差動増幅回路10
2の出力は、 a:G1(-Vh-Vho+Vio1-Vio2)-R2(Ib1-Ib2) b:G1(Vh+Vho+Vio1-Vio2)-R2(Ib1-Ib2) となる。G1 は差動増幅回路102の利得で、−(1+
R2 /R1 )である。ここで、反転周期bの間だけ、反
転回路104により差動増幅回路102の出力を反転さ
せる。すなわち、反転回路104の出力は a:G1(-Vh-Vho+Vio1-Vio2)-R2(Ib1-Ib2) b:G1(-Vh-Vho-Vio1+Vio2)+R2(Ib1-Ib2) となる。この両者を比較すると、ホール電圧は同じ極性
に戻り、オフセット成分の極性は正負逆転しているた
め、入力オフセット電圧Vio1 とVio2 、入力バイアス
電流Ib1とIb2がそれぞれ等しくなくても、積分回路1
03により反転周期a,bを合わせた周期でオフセット
電圧の除去が可能となる。従って、不平衡電圧の周期と
反転クロックの周期が同期した時に電力量を検出する
と、不平衡電圧とオフセット電圧の両方の誤差要因を除
去することができる。よって、計測電圧Vのゼロクロス
信号を分周し、不平衡電圧と同期した反転クロック信号
を作ることになる。しかし、元となる計測電圧Vの精度
が良くなく、不平衡電圧と同期した状態でデューティー
比a:bが1:1に等しい反転クロック信号を作ること
が困難であることから、図5の回路においてもオフセッ
ト電圧が完全に除去されずに残り、誤差要因となること
があった。 【0006】(発明の目的)本発明の目的は、誤差要因
となるホール素子の不平衡電圧及び差動増幅手段のオフ
セット電圧を高精度で除去することのできるホール素子
を用いた電力量計を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するた
めに、本発明は、ホール素子により計測電圧と計測電流
の積に相当するホール電圧を出力し、スイッチング手段
により前記ホール電圧の正負の極性を所定の周期毎に反
転させ、差動増幅手段により差動増幅し、反転手段によ
り前記差動増幅手段の差動増幅出力の極性を前記スイッ
チング手段による極性反転が戻った状態に再反転させ、
積分手段により積分するようにした、ホール素子を用い
た電力量計において、前記ホール素子として、同一極性
のホール電圧と異なる極性の不平衡電圧を出力する2つ
のホール素子を用い、該2つのホール素子の入力側を直
列に接続することによって計測電圧に相当する同一のホ
ール電流が該2つのホール素子に逆向きに流れるように
し、前記2つのホール素子の一方の差動増幅出力を利得
調整回路により調整することによって前記2つのホール
素子の不平衡電圧が等しくなるようにし、前記積分手段
による積分の前に、前記利得調整回路により不平衡電圧
が等しくされた前記2つのホール素子のそれぞれの差動
増幅出力を、加算手段により加算するようにしたことを
特徴とするものである。 【0008】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
あるホール素子を用いた電力量計の基本構成を示す図で
ある。1及び2はホール素子であり、各々磁界の向きが
反対に当たるように、計測電流に相当する磁界Bに対し
て表裏を逆向きに配置する。さらにホール素子1とホー
ル素子2とでは計測電圧Vに相当する同一のホール電流
Ic が逆向きに流れるように、入力端子の正負極性を反
対に接続する。SWa1,SWa2,SWb1,SWb2は切換
スイッチであり、不図示の反転クロック回路からのデュ
ーティー比1:1の信号(不平衡電圧Vho1 ,Vho2 に
同期していなくてよい)によって、反転周期aの間はS
Wa1,SWa2がオンで、SWb1,SWb2がオフ、反転周
期bの間はその逆に制御される。これにより、ホール素
子1及び2へ入力されるホール電流Ic の向きが周期的
に反転する。ホール素子1及び2の出力側には、それぞ
れ同相電圧を除去するための差動増幅回路3,4とA/
D変換を行うデルタ・シグマ回路5,6とが接続され
る。 【0009】反転周期aの状態で、ホール素子1の出力
端子間に発生するホール電圧Vh1と不平衡電圧Vho1
は、入力端子の正負極性が反対に接続されているため、 Vh1=K1×B×(-Ic) Vho1=(-Ic)×Rho1 となり、どちらもマイナスの値となる。積感度K1 及び
不平衡抵抗Rho1 はホール素子1が持つ定数である。ま
た、ホール素子2の出力端子間に発生するホール電圧V
h2と不平衡電圧Vho2 は、ホール素子1とは表裏が逆向
きで磁界Bが逆方向にあたり、さらにホール電流Ic も
逆向きに流れるため、 Vh2=K2×(-B) ×Ic Vho2=Ic ×Rho2 となり、ホール電圧Vh2はマイナス、不平衡電圧Vho2
はプラスとなる。反転周期bの場合も同様に、両ホール
素子1,2の出力端子間からは同じ極性のホール電圧
と、異なる極性の不平衡電圧が得られる。 【0010】ホール素子1の出力は差動増幅回路3に入
力されて同相電圧Vcm1 が除去されるが、その際差動増
幅回路3内のオペアンプOP1 及びOP2 の入力オフセ
ット電圧Vio1 ,Vio2 及び入力バイアス電流Ib1,I
b2により、出力にオフセット電圧が重畳する。従って、
差動増幅回路3の反転周期a及び反転周期bの間の出力
は、 a:G1(-Vh1-Vho1+Vio1-Vio2)-R2(Ib1-Ib2) b:G1(Vh1+Vho1+Vio1-Vio2)-R2(Ib1-Ib2) となる。ただしR1 ,R2 は抵抗、G1 は差動増幅回路
3の利得で、−(1+R2 /R1 )である。同様にホー
ル素子2に接続された差動増幅回路4の出力は、差動増
幅回路4内のオペアンプOP4 及びOP5 の入力オフセ
ット電圧Vio4 ,Vio5 及び入力バイアス電流Ib4,I
b5とすると、 a:G1(-Vh2+Vho2+Vio4-Vio5)-R2(Ib4-Ib5) b:G1(Vh2-Vho2+Vio4-Vio5)-R2(Ib4-Ib5) となる。ここで式の簡略化のために、オペアンプOP1
,OP2 ,OP4 ,OP5 のオフセット成分をそれぞ
れVos1 ,Vos2 ,Vos4 ,Vos5 としてまとめる。す
なわち、 Vos1=G1 ×Vio1-R2 ×Ib1 Vos2=-G1×Vio2+R2 ×Ib2 Vos4=G1 ×Vio4-R2 ×Ib4 Vos5=-G1×Vio5+R2 ×Ib5 とすると、差動増幅回路3の出力は a:G1(-Vh1-Vho1)+Vos1+Vos2 b:G1(Vh1+Vho1)+Vos1+Vos2 に、また差動増幅回路4の出力は a:G1(-Vh2+Vho2)+Vos4+Vos5 b:G1(Vh2-Vho2)+Vos4+Vos5 と書き換えられる。 【0011】差動増幅回路3及び4の出力は、それぞれ
デルタ・シグマ回路5及び6に入力されてA/D変換さ
れるが、その際デルタ・シグマ回路5内のオペアンプO
P3及びデルタ・シグマ回路6内のオペアンプOP6 の
入力オフセット電圧Vio3 ,Vio6 及び入力バイアス電
流Ib3,Ib6によるオフセット電圧がさらに重畳され
る。これらのオフセット成分を同様にVos3 ,Vos6 と
すると、デルタ・シグマ回路5の出力は a:G1(-Vh1-Vho1)+Vos1+Vos2+Vos3 b:G1(Vh1+Vho1)+Vos1+Vos2+Vos3 となり、デルタ・シグマ回路6の出力は a:G1(-Vh2+Vho2)+Vos4+Vos5+Vos6 b:G1(Vh2-Vho2)+Vos4+Vos5+Vos6 となる。前述したとおり、デルタ・シグマ回路5及び6
の出力を比較すると、ホール電圧Vh1,Vh2は同じ極性
であるのに対して不平衡電圧Vho1 ,Vho2 は反対の極
性になっている。従って、両者を加算することで不平衡
電圧を除去することができる。ただし、ホール素子1と
2の不平衡電圧Vho1 ,Vho2 にはばらつきがあるた
め、デルタ・シグマ回路6の後段に利得調整回路7を設
けてホール素子2側の出力を調整する。利得調整回路7
の利得G2は、計測前に磁界を与えない無負荷の状態で
出力端子間に不平衡電圧のみが出力されている時に、ホ
ール素子1側の出力とホール素子2側の利得調整後の出
力の加算結果Vho1 −G2 ×Vho2 が0となるように調
整しておく。すなわち、G2 =Vho1 /Vho2 である。
従って、利得調整回路7の出力は、 a:G2×{G1(-Vh2+Vho2)+Vos4+Vos5+Vos6} b:G2×{G1(Vh2-Vho2)+Vos4+Vos5+Vos6} となる。この出力と、デルタ・シグマ回路5の出力が加
算回路8に入力されて加算されると、不平衡電圧Vho1
とVho2 は打ち消され、加算回路8の出力は a:-G1 ×Vh1+Vos1+Vos2+Vos3+G2(-G1 ×Vh2+Vos4+Vos
5+Vos6) b:G1×Vh1+Vos1+Vos2+Vos3+G2(G1×Vh2+Vos4+Vos5+Vo
s6) となる。 【0012】ここで、ホール電流の反転により反転した
ホール電圧を元に戻し、且つオフセット電圧の正負極性
を反転させるため、反転周期bの間だけ反転回路9によ
り加算回路8の出力を反転させると、反転回路9の出力
は a:-G1 ×Vh1+Vos1+Vos2+Vos3+G2(-G1 ×Vh2+Vos4+Vos
5+Vos6) b:-G1 ×Vh1-Vos1-Vos2-Vos3+G2(-G1 ×Vh2-Vos4-Vos
5-Vos6) となる。この両者を比較すると、ホール電圧Vh1とVh2
は同極性となり、オフセット電圧については全て異なる
極性となる。この反転回路9の出力を減算機能付積算回
路10(アナログ回路の積分手段に相当する)に入力し
て反転クロックの周期毎に積算すると、オフセット電圧
が除去される。すなわち減算機能付積算回路10では -G1(Vh1+G2×Vh2)=(1+R2/R1)(Vh1+G2 ×Vh2) と電力値に相当するホール電圧値が検出され、それに応
じた電力量値が積算される。なお、減算機能付積算回路
10としては具体的には例えばデジタルローパスフィル
タとアップダウンカウンタの組み合わせが用いられる。
また、デルタ・シグマ回路5,6の代わりに他のA/D
コンバータを用いることができる。 【0013】以上説明したように図1の実施形態によれ
ば、2つのホール素子1,2を用いて回路を構成し、ホ
ール電圧は同極性で不平衡電圧は反対極性となる両ホー
ル素子1,2の出力を加算することで不平衡電圧を除去
する。従来技術のように不平衡電圧を周期毎の積分によ
り除去するのではないため、計測電圧が急激に周波数変
化した場合でも精度よく不平衡電圧が除去される。オフ
セット電圧については、従来技術と同様に、ホール電流
を周期的に反転させた後に反転を戻すことで、オフセッ
ト電圧成分の極性のみを周期的に反転させ、それを積分
することで除去する。従来技術では不平衡電圧とオフセ
ット電圧の2つの誤差要因を積分により除去しており、
そのために反転クロックを不平衡電圧に同期させる必要
があったが、デューティー比のずれが生じるとオフセッ
ト電圧が除去しきれないことがあった。図1の実施形態
によれば、積分時点では不平衡電圧は既に除去されてい
るため、反転クロックを不平衡電圧に同期させる必要が
なく、デューティー比が等しい、精度のよい水晶発振器
を使用できる。従って、誤差要因の除去精度の向上を図
ることができる。さらに、2つのホール素子1,2を直
列に接続するため、ホール電流を増やすことなく2倍の
ホール電圧を得ることができ、ノイズに強く、消費電流
を抑えた回路となる。なお、図1の実施例はアナログ処
理とデジタル処理が混在した回路例としたが、A/D変
換を行わずアナログ処理のみの回路でも同様の効果が得
られる。 【0014】 図2は、本発明に係る参考技術例を示す
図である。前述の図1の実施形態では、2つのホール素
子1,2の不平衡電圧のばらつきをデルタ・シグマ回路
5,6後段の利得調整回路7によりデジタル的に調整し
ているが、図2の参考技術例は、その調整をホール電流
によって行う例である。ホール素子1,2は並列に接続
されており、ホール素子1にはホール電流Ic1が流れ
る。また、ホール素子2にはホール電流Ic2が流れる。
初期設定として、磁界を与えない無負荷の状態でホール
素子1,2の出力端子間から不平衡電圧のみが出力され
ている時に、ホール素子1側の出力とホール素子2側の
出力の加算結果Vho1 −Vho2 が0となるように、可変
抵抗VRによりホール電流Ic2を調整しておく。 【0015】ホール素子1に入力されるホール電流Ic1
の向きは、切換スイッチSWa1,SWa2,SWb1,SW
b2により制御される。また、ホール素子2に入力される
ホール電流Ic2の向きは、切換スイッチSWa3,SWa
4,SWb3,SWb4により制御される。反転周期aの間
はSWa1〜4 がオンでSWb1〜4 がオフ、反転周期bの
間はその逆に制御され、これによりホール素子1及び2
へ入力されるホール電流の向きが周期的に反転する。 【0016】反転周期aの状態で、ホール素子1の出力
端子間に発生するホール電圧Vh1と不平衡電圧Vho1
は、入力端子の正負極性が反対に接続されているため、 Vh1=K1×B×(-Ic1) Vho1=(-Ic)×Rho1 となる。また、ホール素子2の出力端子間に発生するホ
ール電圧Vh2と不平衡電圧Vho2 は、ホール素子1とは
表裏が逆向きで磁界Bが逆方向にあたり、さらにホール
電流Ic2も逆向きに流れるため、 Vh2=K2×(-B) ×Ic2 Vho2=Ic2×Rho2 となる。反転周期bの場合も同様に、両ホール素子1,
2の出力端子間からは同じ極性のホール電圧Vh1,Vh2
と、異なる極性の不平衡電圧Vho1 ,−Vho2 が得られ
る。 【0017】ホール素子1の出力は差動増幅回路3に入
力されて同相電圧Vcm1 が除去されるが、その際差動増
幅回路3内のオペアンプOP1 及びOP2 の入力オフセ
ット電圧Vio1 ,Vio2 及び入力バイアス電流Ib1,I
b2により、出力にオフセット電圧が重畳する。従って、
差動増幅回路3の反転周期a及び反転周期bの間の出力
は、 a:G1(-Vh1-Vho1+Vio1-Vio2)-R2(Ib1-Ib2) b:G1(Vh1+Vho1+Vio1-Vio2)-R2(Ib1-Ib2) となる。G1 は差動増幅回路3の利得で、−(1+R2
/R1 )である。同様にホール素子2に接続された差動
増幅回路4の出力は、差動増幅回路4内のオペアンプO
P3 及びOP4 の入力オフセット電圧をVio3 ,Vio4
及び入力バイアス電流をIb3,Ib4とすると、 a:G1(-Vh2+Vho2+Vio3-Vio4)-R2(Ib3-Ib4) b:G1(Vh2-Vho2+Vio3-Vio4)-R2(Ib3-Ib4) となる。ここで式の簡略化のために、オペアンプOP1
,OP2 ,OP3 ,OP4 のオフセット成分をそれぞ
れVos1 ,Vos2 ,Vos3 ,Vos4 としてまとめる。す
なわち、 Vos1=G1 ×Vio1-R2 ×Ib1 Vos2=-G1×Vio2+R2 ×Ib2 Vos3=G1 ×Vio3-R2 ×Ib3 Vos4=-G1×Vio4+R2 ×Ib4 とすると、差動増幅回路3の出力は a:G1(-Vh1-Vho1)+Vos1+Vos2 b:G1(Vh1+Vho1)+Vos1+Vos2 に、また差動増幅回路4の出力は a:G1(-Vh2+Vho2)+Vos3+Vos4 b:G1(Vh2-Vho2)+Vos3+Vos4 と書き換えられる。 【0018】この両者が加算回路8で加算されるが、初
期設定において不平衡電圧Vho1 とVho2 は等しくなる
ように調整されているから加算後は打ち消される。従っ
て加算回路8の出力は、 a:-G1 ×Vh1+Vos1+Vos2-G1×Vh2+Vos3+Vos4 b:G1×Vh1+Vos1+Vos2+G1×Vh2+Vos3+Vos4 となり、ここで誤差成分である不平衡電圧が除去され
る。 【0019】加算回路8の出力はデルタ・シグマ回路5
に入力されてA/D変換されるが、その際デルタ・シグ
マ回路5内のオペアンプOP5 の入力オフセット電圧V
io5及び入力バイアス電流Ib5によるオフセット電圧が
さらに重畳される。これらのオフセット成分を同様にV
os5 とすると、デルタ・シグマ回路5の出力は a:-G1 ×Vh1+Vos1+Vos2-G1×Vh2+Vos3+Vos4+Vos5 b:G1×Vh1+Vos1+Vos2+G1×Vh2+Vos3+Vos4+Vos5 となる。ここで、ホール電流の反転により反転したホー
ル電圧を元に戻し、且つオフセット電圧の正負極性を反
転させるため、反転周期bの間だけ反転回路9によりデ
ルタ・シグマ回路5の出力を反転させると、反転回路9
の出力は a:-G1 ×Vh1+Vos1+Vos2-G1×Vh2+Vos3+Vos4+Vos5 b:-G1 ×Vh1-Vos1-Vos2-G1×Vh2-Vos3-Vos4-Vos5 となる。この両者を比較すると、ホール電圧Vh1とVh2
は同極性となり、オフセット電圧については全て異なる
極性となる。この反転回路9の出力を減算機能付積算回
路10に入力して反転クロックの周期毎に積算すると、
オフセット電圧が除去される。すなわち、減算機能付積
算回路10では -G1(Vh1+Vh2)=(1+R2/R1)(Vh1+Vh2) と電力値に相当するホール電圧値が検出され、それに応
じた電力量値が積算される。 【0020】 このように図2の参考技術例において
も、図1の実施形態と同様に誤差要因の除去精度の向上
を図ることができる。ただし図2の参考技術例において
は、2つのホール素子を並列に接続しているため、図1
の実施形態と同じホール電圧を得るためには2倍のホー
ル電流が必要となる。 【0021】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
加算手段により不平衡電圧を除去し、積分手段によりオ
フセット電圧を除去するようにしたから、精度よく不平
衡電圧の除去を行うことができ、且つオフセット電圧の
除去を不平衡電圧の除去と別々に行うことにより高精度
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の実施の一形態である、ホール素子を
用いた電力量計を示すブロック図である。 【図2】 本発明に係る参考技術例である、ホール素子
を用いた電力量計を示すブロック図である。 【図3】 従来のホール素子を用いた電力量計の回路例
を示すブロック図である。 【図4】 従来のホール素子を用いた電力量計の別の回
路例を示すブロック図である。 【図5】 従来のホール素子を用いた電力量計の別の回
路例を示すブロック図である。 【符号の説明】 1,2 ホール素子 3,4 差動増幅回路 5,6 デルタ・シグマ回路 7 利得調整回路 8 加算回路 9 反転回路 10 減算機能付積算回路 SWa1,SWa2,SWa3,SWa4,SWb1,SWb2,S
Wb3,SWb4切換スイッチ VR 可変抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−40384(JP,A) 特開 昭53−57940(JP,A) 特開 平5−142272(JP,A) 特開 昭54−94376(JP,A) 特開 平7−294561(JP,A) 特開 昭53−115159(JP,A) 実開 昭56−124870(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 21/08

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ホール素子により計測電圧と計測電流の
    積に相当するホール電圧を出力し、スイッチング手段に
    より前記ホール電圧の正負の極性を所定の周期毎に反転
    させ、差動増幅手段により差動増幅し、反転手段により
    前記差動増幅手段の差動増幅出力の極性を前記スイッチ
    ング手段による極性反転が戻った状態に再反転させ、積
    分手段により積分するようにした、ホール素子を用いた
    電力量計において、前記ホール素子として、同一極性の
    ホール電圧と異なる極性の不平衡電圧を出力する2つの
    ホール素子を用い、該2つのホール素子の入力側を直列
    に接続することによって計測電圧に相当する同一のホー
    ル電流が該2つのホール素子に逆向きに流れるように
    し、前記2つのホール素子の一方の差動増幅出力を利得
    調整回路により調整することによって前記2つのホール
    素子の不平衡電圧が等しくなるようにし、前記積分手段
    による積分の前に、前記利得調整回路により不平衡電圧
    が等しくされた前記2つのホール素子のそれぞれの差動
    増幅出力を、加算手段により加算するようにしたことを
    特徴とする、ホール素子を用いた電力量計。
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