JP3461894B2 - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JP3461894B2
JP3461894B2 JP2435794A JP2435794A JP3461894B2 JP 3461894 B2 JP3461894 B2 JP 3461894B2 JP 2435794 A JP2435794 A JP 2435794A JP 2435794 A JP2435794 A JP 2435794A JP 3461894 B2 JP3461894 B2 JP 3461894B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、振動を発生する部材か
らの振動の伝達を防止する防振装置に関し、例えば車両
に搭載されるエンジンからの振動の伝達を防止するエン
ジンマウント等に適用可能なものである。 【0002】 【従来の技術】例えば、振動発生部となる車両のエンジ
ンと振動受部となる車体との間にエンジンマウントとし
ての防振装置が配設されていて、エンジンが発生する振
動をこの防振装置が吸収し、車体側に伝達されるのを阻
止するような構造が存在する。また、この防振装置とし
ては、外筒とこの外筒の内側に配置された内筒との間に
ゴム製の弾性体を加硫接着し、さらに、この弾性体の変
形により内容積が変化する受圧液室及び、制限通路でこ
の受圧液室と連通された副液室を設けたものが知られて
いる。 【0003】さらに、高周波数帯域等を含む広範囲な周
波数帯域における防振効果を向上する為、本来の副液室
の他に高周波数帯域用の副液室を設けることによって複
数の副液室を設けると共に、これら副液室と受圧液室と
の間をそれぞれ連通するように制限通路を複数配置した
防振装置が考えられるようなった。 【0004】このような防振装置の例として、図12及
び図13に示すような防振装置が知られており、この防
振装置を以下に説明する。 【0005】まず、図12及び図13に示すように、こ
の防振装置210は、ブラケット250に嵌入された状
態の外筒214を有し、この外筒214内に装着された
中間筒218と内筒212をゴムなどの弾性体216で
連結し、この弾性体216にてエンジンの重量Pを支持
する構造となっている。 【0006】さらに、この防振装置210は、弾性体2
16の下部に配置された受圧液室220と、それぞれブ
ラケット250の内周面にダイヤフラム222、224
を介して対向して配置された一対の副液室226、22
8との間で液体を流通させて、液体の抵抗等により振動
の低減効果を向上するようになっている。 【0007】また、この防振装置210は、エンジン搭
載時におけるエンジンの重量Pにより内筒212の変位
を吸収する為の貫通孔230を有している。 【0008】しかし、エンジンを搭載した際に、貫通孔
230による隙間だけでは内筒212の変位を吸収しき
れず、内筒212が下側に変位し、この変位に伴って受
圧液室220側から副液室226、228側に液体が流
動して、ダイヤフラム222、224が膨らむことにな
る。この為、ダイヤフラム222、224がブラケット
250の内周面に接触して、ダイヤフラム222、22
4に傷が生じたり、あるいは、空気抜きの為の孔(図示
せず)がブラケット250の内周面に形成されていると
きには、この孔のエッジ部分にダイヤフラム222、2
24が接触して傷が生じたりすることがあり、防振装置
の耐久性を低下させる原因となっていた。 【0009】一方、このような複数の副液室226、2
28を持つ防振装置210において、例えば低周波数帯
域の振動が入力された場合、低周波数帯域用の副液室で
ある副液室226だけでなく、高周波数帯域用の副液室
である副液室228側にも液体が流通するため、受圧液
室220と副液室226との間で充分な振動の減衰を達
成することができない虞を有していた。 【0010】例えば、低周波数帯域の振動であるシェイ
ク振動域での加振振幅は、一般に1.0mmから0.5mm
程度の大きな振幅となるが、この時、副液室228側に
も液体が流通する疑似漏れ状態となるため、受圧液室2
20と副液室226との間で充分な振動の減衰を達成す
ることができないようになる。 【0011】この為、図14及び図15に示すような防
振装置310が案出された。この防振装置310は、複
数の副液室226、228にそれぞれ配置されるダイヤ
フラム222、224の剛性差を無くした状態で、副液
室228及びこの副液室228に対向する空気室230
側の空間を小さくしたものである。このようにすれば、
上記した疑似漏れを外筒214と嵌合されたブラケット
250の内周面で押さえることができる。 【0012】しかし、ブラケット250の内周面とダイ
ヤフラム224との間の隙間が小さくなる結果として、
高周波数帯域の振動であるアイドル振動域の振動発生時
において、ブラケット250の内周面にダイヤフラム2
24が当たってダイヤフラム224に傷が生じたり、あ
るいは空気室230が小さくなるのに伴って内部の空気
量が足りなくなり、動ばね定数が大きくなる欠点を有し
ていた。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、耐久性が向上された防振装置を得ることを目的と
し、また、耐久性を向上しつつ幅広い周波数の振動を充
分に吸収することのできる防振装置を得ることを目的と
する。 【0014】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方へ連結される連結部
材と、前記連結部材の内側に配置され且つ振動発生部及
び振動受部の他方へ連結される内筒と、前記連結部材と
前記内筒との間に設けられ振動発生時に変形する弾性体
と、前記弾性体を隔壁の少なくとも一部として拡縮可能
とされ且つ液体が充填される受圧液室と、前記受圧液室
と隔離されて前記連結部材内に配設され且つ前記受圧液
室とそれぞれ通路によって繋がれると共に、低周波数帯
域及び高周波数帯域の振動をそれぞれ減衰するための第
1及び第2の副液室と、前記連結部材と対向して位置し
且つ前記第1及び第2の副液室の隔壁の一部としてそれ
ぞれ配置された第1及び第2弾性膜と、前記第2の弾性
膜の表面に前記連結部材の内周面と対向して形成された
突起とを有し前記低周波数帯域の振動入力時に、前記
第2の弾性膜が前記突起を介して前記連結部材の内周面
に接するように、前記第2の弾性膜体と前記連結部材の
内周面との間の隙間を設定したことを特徴とする。 【0015】 【0016】 【作用】請求項1に係る防振装置の作用を以下に説明す
る。 【0017】振動発生部及び振動受部の一方に連結部材
が連結され、振動発生部及び振動受部の他方に連結部材
の内側に配置された内筒が連結され、これら連結部材と
内筒との間が弾性体を介して連結される。また、隔壁の
少なくとも一部が弾性体により形成されると共に液体が
充填される受圧液室に、第1及び第2の副液室がそれぞ
通路によって繋がれる。そして、第1及び第2の副液
室に隔壁の一部として配置された第2の弾性膜の表面に
連結部材と対向して突起が形成されている。また低周
波数帯域の振動入力時に、第2の弾性膜が突起を介して
前記連結部材の内周面に接するように、第2の弾性膜体
と連結部材の内周面との間の隙間が設定されている。 【0018】以上より、振動発生部が振動を発生させた
場合、連結部材あるいは内筒を介して振動が弾性体に伝
達され、弾性体の変形により振動が吸収されて内筒ある
いは連結部材に連結された振動受部側に振動が伝達され
難くなる。また、弾性体の変形に伴って受圧液室が拡縮
し、これに合わせて通路内を液体が流通して、通路を介
して繋がる第1の副液室における第1の弾性膜又は第2
の副液室における第2の弾性膜が拡縮するので、液体流
動の粘性抵抗及び液体共振に基づく減衰作用で、防振効
果を向上することができる。このとき、第1の副液室及
び第2の副液室が低周波数帯域及び高周波数帯域の振動
にそれぞれ対応していることから、低周波数帯域及び高
周波数帯域の振動を有効に減衰することが可能となる。 【0019】さらに、第2の弾性膜の表面に連結部材と
対向して突起が形成されているので、振動発生部より振
動が伝達された場合には、第2の弾性膜が拡縮して連結
部材に接することがあるが、この際、第2の弾性膜に形
成された突起が連結部材に直接接するようになるため、
第2の弾性膜の他の薄い部分に傷等が生じることがなく
なり、防振装置の耐久性が向上することになる。 【0020】 【0021】 【0022】 【0023】 【実施例】本発明の第1実施例に係る防振装置を図1乃
至図7に示し、これらの図にしたがって本実施例を説明
する。 【0024】図1から図3に示すように、本実施例の防
振装置10は、防振装置10の外枠を構成するブラケッ
ト50が、ブラケット50に形成されたねじ孔52にボ
ルト(図示せず)を挿通させて図示しない振動受部とし
ての車体へねじ止めされることによって、車体に取付け
られており、円筒状に形成される外筒16がこのブラケ
ット50に嵌合されて圧入された状態となっている。従
って、これらブラケット50及び外筒16が連結部材と
なる。 【0025】また、この外筒16の内周面には、ゴム材
17が加硫接着されており、このゴム材17を介して外
筒16内に中間筒18が挿入される形となっている。つ
まり、図3及び図4に示す如く、この中間筒18の軸方
向両端部には、外周側に突出するフランジ部18Aがそ
れぞれ形成されており、これらフランジ部18Aの外周
面が外筒16の内周面に密着されている。そして、一対
のフランジ部18A間には、フランジ部18Aより小径
であって上部側に左右方向にぞれぞれ延びる斜面を有し
た連結部18Bが形成されており、この連結部18Bの
下部側に連結部18Bを一部切り欠いて形成された開口
部18Cが設けられている。 【0026】この開口部18Cには、図2に示す如く、
外筒16の軸方向から見て円弧形状に形成される仕切ブ
ロック20が嵌入されており、この図に示すように、仕
切ブロック20内には、上下方向に仕切ブロック20を
貫通すると共に下部側で左右方向に延びる孔部20Aが
穿設されている。 【0027】この円弧状に形成された仕切ブロック20
の下部側は、中間筒18のフランジ部18Aと同様に外
筒16の内周面に密着している。従って、外筒16内
に、中間筒18及び仕切ブロック20が組み合わされた
状態で、これらが挿入されていることになる。 【0028】また、図2及び図3に示す如く、この中間
筒18の中央部に形成された連結部18B内には、円筒
形状の内筒金具12が円筒形状の外筒16とほぼ平行と
なるように配設されており、そして、この内筒金具12
は振動発生部としての図示しないエンジンにねじ止め等
により連結されている。さらに、この内筒金具12と中
間筒18との間には、弾性体であってゴム製の本体ゴム
14が掛け渡されている。これによって、内筒金具12
は外筒16に対して相対移動可能となっている。 【0029】さらに、この本体ゴム14の中間部下側に
は開口部18Cに対応して切欠部14Aが形成されてお
り、この切欠部14Aと仕切ブロック20との間に、本
体ゴム14を隔壁の少なくとも一部として拡縮可能とさ
れる受圧液室28が形成されている。また、外周面が外
筒16に加硫接着されたゴム材17と繋がる一対の弾性
膜であるダイヤフラム22、24によって区画されると
共に、内周面が連結部18Bの外周面によって区画され
た副液室30が、中間筒18のフランジ部18A間に形
成されている。 【0030】そして、連結部18Bの上部側に形成され
る斜面部分の左側寄りには、ダイヤフラム22をその隔
壁の一部とする第1の副液室30Aと、ダイヤフラム2
4をその隔壁の一部し且つ第1の副液室30Aより内部
の空間が狭い第2の副液室30Bとに、副液室30を区
画するゴム製の隔壁部材32が加硫接着されている。 【0031】尚、第1の副液室30A及び第2の副液室
30Bの空間の大きさは相違するが、図14及び図15
に示す従来の防振装置310の副液室228より、第2
の副液室30Bの空間は大きくされており、そして、ダ
イヤフラム24とブラケット50の内周面との間の隙間
が小さく設定されている。また、第1の副液室30A及
び第2の副液室30Bの空間の相違に合わせて、ダイヤ
フラム22の表面積よりダイヤフラム24の表面積が小
さくされている。 【0032】以上のような構造となっていることより、
第1の副液室30Aが低周波数帯域のシェイク振動等を
有効に吸収するための副液室となり、第2の副液室30
Bが高周波数帯域のアイドル振動等を有効に吸収するた
めの副液室となる。尚、これらの受圧液室28及び一対
の副液室30A、30B内には、水、オイル等の液体が
充填されている。 【0033】また、以上のような構造とされていること
から、ダイヤフラム22、24と外筒16の内周面との
間に、それぞれ空気を溜める空気室26、27が形成さ
れることになり、ダイヤフラム22に対向した外筒16
の部分には、開口部36が穿設され、ダイヤフラム24
に対向した外筒16の部分には、開口部38が穿設され
ている。 【0034】従って、ダイヤフラム22、24がそれぞ
れ空気室26、27を介して、ブラケット50の内周面
と直接対向していることになり、第2の副液室30Bの
隔壁となるダイヤフラム24には、図2、図5及び図6
に示すように、ダイヤフラム24の表面からそれぞれ突
出する複数の突起54がブラケット50の内周面と対向
して配置されている。 【0035】一方、図4に示すように、中間筒18の連
結部18Bの外周に沿っても本体ゴム14が延びていて
いて、連結部18Bの外周に加硫接着されている。そし
て、連結部18Bの外周に延びる本体ゴム14の部分に
は、溝状の制限通路34が連結部18Bの外周に沿って
形成され、この制限通路34が受圧液室28と一対の副
液室30A、30Bとの間をそれぞれ繋いでいる。 【0036】つまり、この制限通路34は、その中程が
仕切ブロック20の孔部20Aと繋がることにより、仕
切ブロック20を介して受圧液室28と連通しており、
また、外筒16の内周面と連結部18Bの外周面との間
に沿って延出されることになるこの制限通路34は、そ
の両端部でそれぞれ一対の副液室30A、30Bと連通
している。 【0037】以上より、第1の副液室30Aは、低周波
数帯域のシェイク振動等を有効に吸収でき、第2の副液
室30Bは、高周波数帯域のアイドル振動等を有効に吸
収できるようになる。 【0038】以下に本実施例の作用を説明する。内筒金
具12に搭載されるエンジンが作動すると、エンジンの
振動が内筒金具12を介して本体ゴム14に伝達され
る。本体ゴム14は吸振主体として作用し、本体ゴム1
4の内部摩擦に基づく制振機能によって振動を吸収する
ことができる。 【0039】また、本体ゴム14の変形に伴って受圧液
室28が拡縮し、これに合わせて制限通路34内を液体
が流通して、制限通路34を介して繋がる一対の副液室
30A、30Bが拡縮するので、液体流動の粘性抵抗及
び液体共振に基づく減衰作用で、防振効果を向上するこ
とができる。 【0040】さらに、ダイヤフラム24の表面にブラケ
ット50と対向して突起54が形成されているので、エ
ンジンより振動が伝達された場合には、ダイヤフラム2
4が拡縮してブラケット50に接することがあるが、こ
の際、ダイヤフラム24に形成された突起54がブラケ
ット50に直接接するようになるため、ダイヤフラム2
4はブラケット50に接触することがなくなってダイヤ
フラム24の他の薄い部分に傷等が生じることがなくな
り、防振装置10の耐久性が向上することになる。 【0041】また、受圧液室28に制限通路34によっ
て繋がれる一対の副液室30A、30Bがあり、これら
副液室30A、30Bが相互に異なる周波数帯域の振動
を減衰する。つまり、本実施例のように、減衰すべき振
動数帯域に対応するように副液室30A、30Bをそれ
ぞれ形成しておけば、広範囲な振動数の振動を有効に減
衰することが可能となる。 【0042】具体的には、以下のようになる。例えば、
低周波数帯域のシェイク振動(例えば、周波数が10Hz
程度で振幅が1.0mm程度)が生じた場合、液体は制限
通路34を介して受圧液室28と第1の副液室30Aと
の間を行き来することになる。この為、液体が制限通路
34を通過する際の抵抗及び液柱共振により、高減衰な
状態となりシェイク振動が吸収される。 【0043】そしてこの際、第2の副液室30B側にも
液体が流れるが、ダイヤフラム24とブラケット50の
内周面との間の隙間を小さく設定してあるので、第2の
副液室30B側のダイヤフラム24の突起54がブラケ
ット50の内周面に接して、突起54がダイヤフラム2
4のストッパとして役割を有すことになり、ダイヤフラ
ム24の変形量を小さくすることができる。この為、第
2の副液室30B側に液体が流れて生じる疑似漏れ状態
が改善される。一方、エンジンの搭載時に加重Pが加わ
って、副液室30A、30B側に液体が流れてダイヤフ
ラム22、24が膨らむが、空気室26、27内の空気
によりブラケット50の内周面等との間に必要な隙間が
確保される。 【0044】さらに、高周波数帯域のアイドル振動(例
えば、周波数が30Hz程度で振幅が0.1mm程度)が発
生した場合、第1の副液室30A側に繋がる制限通路3
4が目詰まり状態となり、液体は制限通路34を通って
受圧液室28と第2の副液室30Bとの間で行き来する
ことになる。この為、これら液室間の制限通路34内で
液柱共振して、低動倍となりアイドル振動が吸収され
る。 【0045】そしてこの際、振幅が小さい為、空気室2
7を小さくしても第2の副液室30B側のダイヤフラム
24は、ブラケット50の内周面に接することがなくな
り、低動倍を維持することができる。つまり、突起54
を設けることにより、第2の副液室30Bと空気室27
とを合わせた空間の大きさを維持しつつダイヤフラム2
4とブラケット50の内周面との間の隙間を小さくする
ことができ、この結果として、防振装置10の耐久性が
向上すると共に、広範囲な振動数の振動を有効に減衰す
ることが可能となる。 【0046】尚、ダイヤフラム24の突起は、図6に示
すような点状の突起54だけでなく、突起によるストッ
パとしての機能向上の為に、図7に示すような線状の突
起56とすることとしてもよい。 【0047】次に、本発明の第2実施例に係る防振装置
を図8から図11にしたがって説明する。 【0048】図8から図11に示すように、本実施例の
防振装置110は、防振装置110の外枠を構成するブ
ラケット150が、ブラケット150に形成されたねじ
孔152にボルト(図示せず)を挿通させて図示しない
振動受部としての車体へねじ止めされることによって、
車体に取付けられており、円筒状に形成される外筒11
6がこのブラケット150に嵌合されて圧入された状態
となっている。従って、これらブラケット150及び外
筒116が連結部材となる。 【0049】また、この外筒116の内周面には、ゴム
材117が加硫接着されており、このゴム材117を介
して外筒116に中間筒118が挿入される形となって
いる。つまり、図9に示す如く、この中間筒118の軸
方向両端部には、外周側に突出するフランジ部118A
がそれぞれ形成されており、これらフランジ部118A
の外周面が外筒116の内周面に密着されている。そし
て、一対のフランジ部118A間には、フランジ部11
8Aより小径の連結部118Bが形成されており、この
連結部118Bの上部側に連結部118Bを一部切り欠
いて形成された開口部118Cが設けられている。 【0050】図9及び図10に示す如く、この開口部1
18Cに仕切板120が嵌入されており、また、仕切板
120は外筒116の軸方向から見て略半円形状にプレ
ス加工等で屈曲されて形成されている。この仕切板12
0の円弧状に形成された外周部120Aは、中間筒11
8のフランジ部118Aと同様に外筒116の内周面に
密着している。従って、外筒116内に、中間筒118
及び仕切板120が組み合わされた状態で、これらが挿
入されていることになる。 【0051】また、図9及び図10に示す如く、この中
間筒118の中央部に形成された連結部118B内に
は、円筒形状の内筒金具112が円筒形状の外筒116
とほぼ平行となるように配設されており、そして、この
内筒金具112は振動発生部としての図示しないエンジ
ンにねじ止め等により連結されている。さらに、この内
筒金具112と中間筒118との間には、弾性体であっ
てゴム製の本体ゴム114が掛け渡されている。これに
よって、内筒金具112は外筒116に対して相対移動
可能となっている。 【0052】さらに、この本体ゴム114の中間部上側
には切欠部114Aが形成されており、この切欠部11
4Aと仕切板120との間に、本体ゴム114を隔壁の
少なくとも一部として拡縮可能とされる受圧液室128
が形成されている。また、外周面が外筒116に加硫接
着されたゴム材117と繋がる弾性膜であるダイヤフラ
ム122によって区画されると共に、内周面及び側面が
仕切板120によって区画された第1の副液室130A
が、中間筒118のフランジ部118A間に形成されて
いる。 【0053】そして、図9及び図11に示すように、外
周面が同じくゴム材117と繋がる弾性膜であるダイヤ
フラム124によって区画されると共に、内周面が中間
筒118の連結部118Bの下部側によって区画された
第2の副液室130Bが、中間筒118のフランジ部1
18A間に形成されている。 【0054】尚、第1の副液室130A及び第2の副液
室130Bの空間の大きさは相違するが、図14及び図
15に示す従来の防振装置310の副液室228より、
第2の副液室130Bの空間は大きくされており、そし
て、ダイヤフラム124とブラケット150の内周面と
の間の隙間が小さく設定されている。さらに、これらの
受圧液室128、第1の副液室130A及び第2の副液
室130B内には、水、オイル等の液体が充填されてい
る。 【0055】また、以上のような構造とされていること
から、ダイヤフラム122、124と外筒116の内周
面との間に、それぞれ空気を溜める空気室126、12
7が形成されることになり、ダイヤフラム122に対向
した外筒116の部分には、貫通孔142が穿設されて
いる。さらに、ダイヤフラム124に対向した外筒11
6の部分には、開口部138が穿設されている。 【0056】従って、ダイヤフラム122が空気室12
6を介して、外筒116の内周面と直接対向しているこ
とになり、第1の副液室130Aの隔壁となるダイヤフ
ラム122には、第1実施例の図5及び図7に示すよう
に、ダイヤフラム124の表面からそれぞれ突出する複
数の線状の突起56が外筒116の内周面と対向して配
置されている。また、ダイヤフラム124が空気室12
7を介して、ブラケット150の内周面と直接対向して
いることになり、第2の副液室130Bの隔壁となるダ
イヤフラム124には、第1実施例の図5及び図6に示
すように、ダイヤフラム24の表面からそれぞれ突出す
る複数の突起54がブラケット150の内周面と対向し
て配置されている。 【0057】一方、中間筒118の連結部118Bの外
周に沿っても本体ゴム114が延びていていて、連結部
118Bの外周に加硫接着されている。そして、連結部
118Bの外周に延びる本体ゴム114の部分には、溝
状の制限通路134及び制限通路136がそれぞれ連結
部118Bの外周に沿って形成され、この内の制限通路
134が受圧液室128と第1の副液室130Aとの間
を繋いでおり、制限通路136が受圧液室128と第2
の副液室130Bとの間を繋いでいる。 【0058】この制限通路136の長手方向(液体の通
過方向)長さは、制限通路134の長手方向長さよりも
短くされ、制限通路136の通過抵抗は、制限通路13
4よりも小さく設定されている。これにより、制限通路
134は、低周波数帯域のシェイク振動等を有効に吸収
でき、制限通路136は、高周波数帯域のアイドル振動
等を有効に吸収できるようになっている。 【0059】尚、本体ゴム114には、円弧状であって
本体ゴム114の切欠部114Aに対応して切り欠きを
有するように形成されたインターリーフ140が埋め込
まれている。 【0060】以下に本実施例の作用を説明する。内筒金
具112に搭載されるエンジンが作動すると、エンジン
の振動が内筒金具112を介して本体ゴム114に伝達
される。本体ゴム114は吸振主体として作用し、本体
ゴム114の内部摩擦に基づく制振機能によって振動を
吸収することができる。 【0061】また、本体ゴム114の変形に伴って受圧
液室128が拡縮し、これに合わせて制限通路134、
136内を液体が流通して、制限通路134、136を
介して繋がる副液室130A、130Bが拡縮するの
で、液体流動の粘性抵抗及び液体共振に基づく減衰作用
で、防振効果を向上することができる。 【0062】さらに、ダイヤフラム124の表面にブラ
ケット150と対向して突起54が形成されているの
で、第1実施例と同様にエンジンより振動が伝達された
場合に、ダイヤフラム124の突起54以外の他の薄い
部分に傷等が生じることがなくなり、防振装置110の
耐久性が向上することになる。 【0063】また、受圧液室128に制限通路134に
よって繋がれる第1の副液室130Aと、受圧液室12
8に制限通路136によって繋がれる第2の副液室13
0Bとがあり、これら副液室130A、130Bが相互
に異なる周波数帯域の振動を減衰する。つまり、本実施
例のように、減衰すべき振動数帯域に対応するように副
液室130A、130Bをそれぞれ形成しておけば、広
範囲な振動数の振動を有効に減衰することが可能とな
る。 【0064】具体的には、以下のようになる。例えば、
低周波数帯域のシェイク振動が生じた場合、液体は制限
通路134を介して受圧液室128と第1の副液室13
0Aとの間を行き来することになる。この為、液体が制
限通路134を通過する際の抵抗及び液柱共振により、
高減衰な状態となりシェイク振動が吸収される。 【0065】そしてこの際、第2の副液室130B側に
も若干液体が流れるが、ダイヤフラム24とブラケット
150の内周面との間の隙間を小さく設定してあるの
で、第2の副液室130B側のダイヤフラム124の突
起54がブラケット150の内周面に接して、突起54
がダイヤフラム124のストッパとして役割を有すこと
になり、ダイヤフラム124の変形量を小さくすること
ができる。この為、第2の副液室130B側に液体が流
れて生じる疑似漏れ状態が改善される。一方、エンジン
の搭載時に加重Pが加わって、副液室130A、130
B側に液体が流れてダイヤフラム122、124が膨ら
むが、空気室126、127内の空気によりブラケット
150の内周面等との間に必要な隙間が確保される。 【0066】さらに、高周波数帯域のアイドル振動が発
生した場合、高周波数帯域の振動であることから、通過
抵抗の大きい制限通路134は目詰まり状態にされる。
この結果、液体は制限通路136を通って受圧液室12
8と第2の副液室130Bを行き来することになる。こ
の為、制限通路136内で液柱共振して、低動倍となり
アイドル振動が吸収される。 【0067】そしてこの際、振幅が小さい為、空気室1
27を小さくしても第2の副液室130B側のダイヤフ
ラム124は、ブラケット150の内周面に接すること
がなくなり、低動倍を維持することができる。つまり、
ダイヤフラム124に突起54を設けることにより、第
2の副液室130Bと空気室127とを合わせた空間の
大きさを維持しつつダイヤフラム124とブラケット1
50の内周面との間の隙間を小さくすることができ、こ
の結果として、防振装置110の耐久性が向上すると共
に、広範囲な振動数の振動を有効に減衰することが可能
となる。 【0068】また、ダイヤフラム122に突起56を設
けることにより、ダイヤフラム122が拡縮して貫通孔
142のエッジ部分に当たっても、ダイヤフラム122
の薄い部分に傷が生じることがなく、同じく防振装置1
10の耐久性が向上することになる。 【0069】尚、上記実施例において、内筒金具12、
112、外筒16、116及び中間筒18、118等
は、鋼板等の金属板がプレス加工との関係より考えられ
るが、例えばアルミニウム材及び黄銅などの金属材料を
用いることもできる。一方、ブラケット50、150も
鋼材や他の金属材等の材料を用いることができるが、合
成樹脂等の他の材料を用いて、製造工程を簡略化するこ
ともできる。 【0070】そして、上記実施例において、副液室及び
弾性膜となるダイヤフラムをそれぞれ2つづつ設けた防
振装置を通して説明したが、これらを3以上の複数とし
てもよい。このように副液室及びダイヤフラムを増加す
ることにより、より広範囲な振動周波数に対応すること
が可能となる。 【0071】さらに、上記実施例において、内筒をエン
ジンに連結し、外筒を車体側に連結するような構造とし
たが、この逆としてもよい。一方、上記実施例におい
て、車両に搭載されるエンジンの防振を目的としたが、
本発明の防振装置は他の用途にも用いられることはいう
までもなく、また、形状等も実施例のものに限定される
ものではない。 【0072】 【発明の効果】本発明に係る防振装置は、上記の如く構
成したので、耐久性が向上し、また、耐久性を向上しつ
つ幅広い周波数の振動を充分に吸収することができると
いう優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1実施例に係る防振装置の斜視図で
ある。 【図2】本発明の第1実施例に係る防振装置の断面図で
あって、図3の2−2矢視線断面図である。 【図3】図2の3−3矢視線断面図である。 【図4】本発明の第1実施例に係る防振装置の中間筒の
斜視図である。 【図5】本発明の第1実施例に係る防振装置の外筒の断
面図である。 【図6】図5の6−6矢視線断面図である。 【図7】本発明の第1実施例に係る防振装置の外筒の別
例を示す図であって、図5の7−7矢視線断面図であ
る。 【図8】本発明の第2実施例に係る防振装置の斜視図で
ある。 【図9】本発明の第2実施例に係る防振装置の断面図で
ある。 【図10】図9の10−10矢視線断面図である。 【図11】図9の11−11矢視線断面図である。 【図12】従来技術に係る第1の防振装置の断面図であ
る。 【図13】図12の13−13矢視線断面図である。 【図14】従来技術に係る第2の防振装置の断面図であ
る。 【図15】図14の15−15矢視線断面図である。 【符号の説明】 10 防振装置 12 内筒金具 14 本体ゴム(弾性体) 16 外筒(連結部材) 24 ダイヤフラム(弾性膜) 28 受圧液室 30A 第1の副液室 30B 第2の副液室 50 ブラケット(連結部材) 54 突起 56 突起 110 防振装置 112 内筒金具 114 本体ゴム(弾性体) 116 外筒(連結部材) 122 ダイヤフラム(弾性膜) 124 ダイヤフラム(弾性膜) 128 受圧液室 130A 第1の副液室 130B 第2の副液室 150 ブラケット(連結部材)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方へ連結さ
    れる連結部材と、 前記連結部材の内側に配置され且つ振動発生部及び振動
    受部の他方へ連結される内筒と、 前記連結部材と前記内筒との間に設けられ振動発生時に
    変形する弾性体と、 前記弾性体を隔壁の少なくとも一部として拡縮可能とさ
    れ且つ液体が充填される受圧液室と、 前記受圧液室と隔離されて前記連結部材内に配設され且
    つ前記受圧液室とそれぞれ通路によって繋がれると共
    、低周波数帯域及び高周波数帯域の振動をそれぞれ減
    衰するための第1及び第2の副液室と、 前記連結部材と対向して位置し且つ前記第1及び第2の
    副液室の隔壁の一部としてそれぞれ配置された第1及び
    第2弾性膜と、 前記第2の弾性膜の表面に前記連結部材の内周面と対向
    して形成された突起とを有し前記低周波数帯域の振動入力時に、前記第2の弾性膜が
    前記突起を介して前記連結部材の内周面に接するよう
    に、前記第2の弾性膜体と前記連結部材の内周面との間
    の隙間を設定した ことを特徴とする防振装置。
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