JPH06330979A - 液体封入式防振装置 - Google Patents

液体封入式防振装置

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JPH06330979A
JPH06330979A JP13677593A JP13677593A JPH06330979A JP H06330979 A JPH06330979 A JP H06330979A JP 13677593 A JP13677593 A JP 13677593A JP 13677593 A JP13677593 A JP 13677593A JP H06330979 A JPH06330979 A JP H06330979A
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JP
Japan
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chamber
liquid
insulator
main chamber
partition wall
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JP13677593A
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English (en)
Inventor
Kazutoshi Miyake
和俊 三宅
Tatsuo Suzuki
達雄 鈴木
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Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高圧室となる主室を内側に設け、その外側に
低圧室となる副室を形成させ、この副室の外側にダイヤ
フラムを形成させる。 【構成】 エンジンに取付けられる連結金具91と、車
体側に取付けられるホルダ9との間に、コイルスプリン
グ1を設け、当該コイルスプリング1を被覆するように
インシュレータ2を設け、これらインシュレータ2等を
もって剛性の高い隔壁を形成する。この隔壁の内部をも
って主室7を形成させ、外側に副室8を形成させる。こ
の隔壁の一部にオリフィス3を設ける。主室7の内部に
フロート5を設置する。副室8の外側に副室8の外側部
材と兼用のダイヤフラム4を設ける。 【効果】 スプリング1とインシュレータ2とからなる
隔壁内に高圧の主室7が設けられるので、高温下におい
てもゴム部等が疲労破壊しない。フロート5の作用によ
り比較的高周波の振動に対しても動バネ定数を低く保つ
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内部に封入された液体
(流体)の流動に基づいて、防振効果の得られるように
した液体封入式の防振装置に関するものであり、特に、
高温下での耐久性の向上を図るために、弾性体として金
属スプリングを用いることとした防振装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】防振装置のうち、特に、自動車用のエン
ジンマウント等にあっては、動力源であるところのエン
ジンが、アイドリング運転の状態から最大回転速度まで
の間、種々の状況下で使用されるものであるため、広い
範囲の周波数に対応できるものでなければならない。一
般にエンジンマウントとしての防振装置は、エンジンの
爆発燃焼に起因するトルク変動を対象としたアイドリン
グ振動、あるいはエンジンとエンジンマウントとの共振
現象を対象としたシェーク等の振動を遮断することを目
的に、系の設定(チューニング)が行なわれる。しかし
ながら、これらの振動を遮断するためには、ばね定数を
低く設定することによって共振現象を避けるようにする
場合と、共振現象を避けることは難しいので、減衰係数
を大きくすることによって車体側への振動遮断を図るよ
うにする場合とが考えられる。これら複数の条件に対応
するため、内部に二つの液室を設け、その間をオリフィ
スをもって連結するようにした、いわゆる液体封入式の
エンジンマウント(防振装置)がすでに案出されてお
り、公知となっている。
【0003】しかしながら、このような従来の液体封入
式のエンジンマウントは、エンジンルーム内等の高温下
に置かれるものであるとともに、常に一定の静荷重(静
的負荷)を受ける状態に置かれるものであるため、防振
ゴム材等からなるインシュレータの部分が疲労変形(へ
たり)等を起こすという問題点がある。このような高温
下での疲労変形(へたり)等の問題点を解決するため
に、図3に示す如く、主に静的負荷を受けるための弾性
体として金属製のコイルスプリング10を用いるように
した液体封入式のエンジンマウント(防振装置)が既に
開発されている。当該金属製スプリングを用いることと
した従来の液体封入式の防振装置は、図3に示す如く、
エンジン等の振動体側に取付けられる連結金具910と
車体側メンバ等に取付けられるホルダ90との間に、防
振ゴム等からなるインシュレータ20にて囲まれた主室
70、当該主室70の下方部に設けられた副室80等の
液室、これら液室の間を仕切る仕切板50、上記副室8
0と空気室60との間を仕切るダイヤフラム40等が直
列状態に設けられている構成からなるものである。そし
て更に、上記連結金具910と仕切板50との間に形成
された主室70内には、非圧縮性流体(液体)と一緒に
金属製のコイルスプリング10が設置されている構成か
らなるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような構成からな
る防振装置において、振動体側から静的負荷あるいは大
変位の振動が連結金具910に伝達されると、上記コイ
ルスプリング10及びインシュレータ20が変形をする
とともに、主室70内のボリュームが変化する。これに
よって、当該主室70内に封入されていた液体は、オリ
フィス30を経由して副室80へと流動するとともに、
ダイヤフラム40を作動させ、更にこれによって空気室
60内の圧縮性流体である空気を圧縮する。これら一連
の作動により、振動の吸収あるいは減衰作用が行なわれ
ることとなるが、このとき、上記主室70内の圧力が上
昇する。従って、当該主室70の隔壁を形成するインシ
ュレータ20には高い圧力が加わることとなり、応力も
高くなる。しかもエンジンルーム内は高温状態になって
いる。従って、当該インシュレータ20の部分は、高温
下における繰返し負荷等の影響により疲労破壊等を起し
易く、耐久性も低下するという問題点がある。また、仕
切板50等を初めとした部品点数の多いことにも起因し
て、組立作業が複雑化するという問題点がある。そこ
で、このような問題点を解決することとした、耐熱性、
耐久性に優れ、かつ、部品点数の少ない液体封入式の防
振装置を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては次のような手段を講ずることとし
た。すなわち、振動体側に取付けられる連結金具と、車
体側に取付けられるホルダと、これら連結金具とホルダ
との間にあって上記振動体からの振動を遮断するインシ
ュレータと、同じく連結金具とホルダとの間に設けられ
るものであって非圧縮性流体(液体)の封入される主室
及び副室等にて形成される液室等からなる液体封入式の
防振装置に関して、上記連結金具とホルダとの間にコイ
ルスプリングを設け、当該コイルスプリングのコイル部
を弾性材からなるインシュレータにて被覆するとともに
当該被覆部をもって隔壁を形成し、当該隔壁の内側に主
室を設けるとともにその外側に副室を設け、このような
構成からなる上記主室内にフロートを設け、更に上記隔
壁の一部に上記主室と副室との間を連通させるオリフィ
スを設け、これら主室及び副室等の液室を包むように当
該副室の外側にダイヤフラムを設けてなる構成を採るこ
ととした。
【0006】
【作用】上記構成を採ることにより、本発明においては
次のような作用を呈することとなる。すなわち、図1に
おいて、エンジン等の振動体からの振動は、連結金具9
1を介してスプリング1及び当該スプリング1を包むよ
うに設けられたインシュレータ2に伝播される。これに
よって、当該スプリング1及びインシュレータ2は共に
振動あるいは変形をして、上記入力振動等を吸収あるい
は遮断する。ここで吸収あるいは遮断のされなかった振
動は、当該インシュレータ2の内外に設けられた主室
7、副室8等の液室に封入された非圧縮性流体(液体)
の流動作用等によって吸収されることとなる。その具体
的作用について以下に説明する。
【0007】まず、図1において、エンジン等の振動体
(図示せず)側からの振動及び変位は、連結金具91か
らスプリング1及びインシュレータ2に伝播される。こ
の場合、上記連結金具91から伝播される振動の振幅が
大きい場合には、上記スプリング1及びインシュレータ
2は共にその軸方向(上下方向)に大きく変位をする。
そしてその場合、連結金具91が上下方向に大きくスト
ロークすることによって、当該連結金具91の下端面に
設けられているストッパ6がフロート5の上面と接触す
るとともに、当該フロート5の下面は車体側メンバ等に
取付けられるホルダ9とも接触する。これによって、上
記連結金具91の下方(軸方向)への変位が規制され
る。すなわち、大きな振幅を有する振動に対しては、ス
トッパ6とフロート5との接触作用によって振動が規制
されることとなる。また、当該振動が低周波の振動であ
る場合には、上記インシュレータ2及びスプリング1の
変位により主室7内のボリュームも大きく変化すること
となり、当該主室7内の液体はオリフィス3を経由して
副室8へと流動することとなる。従って、このオリフィ
ス3内における流体(液体)の流動作用によって減衰力
が発生し、この減衰力の作用によって、当該低周波の振
動が吸収(減衰)されることとなる。
【0008】次に、上記スプリング1及びインシュレー
タ2の作動によっては吸収され得なかった成分の振動
は、当該スプリング1及びインシュレータ2によって形
成される隔壁の内外に設けられた主室7及び副室8内の
非圧縮性流体(液体)に伝播される。そしてこの場合、
まず主室7のボリュームを変化させるように作用する。
この作用により、主室7内の液体は、インシュレータ2
にて形成される隔壁の一部に設けられた通路状のオリフ
ィス3を通って副室8へと流動する。その結果、副室8
のボリュームが増加し、当該副室8の外側に設けられた
ダイヤフラム4を変形させてバネ作用を行なわせる。こ
のような一連の作動を経ることによって、上記スプリン
グ1及びインシュレータ2のところでは吸収されなかっ
た振動が吸収されることとなる。特に、当該振動が比較
的高周波のものである場合、上記スプリング1及びイン
シュレータ2が変位した際、当該スプリング1の共振現
象により、一般には動バネ定数が高くなるものである
が、本発明においては、主室7内に設けられたフリーピ
ストン状のフロート5の作動により主室7内の上記連結
金具91側のボリュームが振動数に応じて変化すること
となるため、これに応じて動バネ定数が低下することと
なる。これら一連の作用により、本発明においては、エ
ンジンアイドリング振動等の比較的低周波の振動から、
室内こもり音等の比較的高周波の振動までを効果的に遮
断することができるようになる。
【0009】また、本発明にかかる液体封入式防振装置
は、図1に示す如く、主室7及び副室8を区切る仕切板
が別部品等にて特別に設けられているものではなく、ス
プリング1を被覆するインシュレータ2によって形成さ
れる隔壁にて兼用されていることより、また、当該隔壁
の一部に連通路を設けることによってオリフィス3を形
成させることとしていることより、更には、副室8の一
部を形成するようにその外側に設けられた隔膜をもって
ダイヤフラム4を兼用させることとしていることより、
部品点数が削減化され、部品の製作及び管理を初めとし
て、組立作業の簡素化等をも含めた製造コストの低減化
が図られている。
【0010】また、本発明の液体封入式防振装置は、主
に静的負荷を受けるスプリング1及びインシュレータ2
を初めとして、主室7及び副室8等の液室、更には液体
の流動に伴って作動するダイヤフラム4等の機能部品
が、すべて並列に設置されていることより、防振装置と
しての軸方向(上下方向)のスペースが縮減化され、エ
ンジンマウントとして装着される場合、エンジンルーム
内のスペースを有効利用することができる。また、非圧
縮性流体(液体)の作動によって圧力の上昇する液室
は、最も圧力の上昇する主室7が中心に配置され、これ
を厚い隔壁で囲んだその外側に副室8が配置されるよう
になっているので、当該副室8の外側部材を形成するダ
イヤフラム4には比較的低圧の圧力しか作用しない。従
って、副室8の外側部材を兼用するダイヤフラム4は、
その厚さを薄くすることができるとともに、耐熱性に優
れた素材(例えばEPDM)等を用いることができる。
【0011】
【実施例】本発明の実施例について、図1及び図2を基
に説明する。本実施例の構成は、図1に示す如く、エン
ジン等の振動体側に取付けられる連結金具91、車体側
メンバ等に取付けられるカップ状のホルダ9、これら連
結金具91とホルダ9との間にあって主に静的負荷等を
受けるスプリング1及びインシュレータ2、当該スプリ
ング1及びインシュレータ2によって形成される隔壁に
よって仕切られ、かつ、非圧縮性流体(液体)の封入さ
れる主室7及び副室8、これら主室7及び副室8の間を
連通する通路状のオリフィス3、上記副室8の外側部材
をも形成するダイヤフラム4等からなることを基本とす
るものである。
【0012】このような基本構成において、上記連結金
具91には、エンジン(図示せず)等の振動体への連結
部をなす取付ボルト99が設けられており、また、ホル
ダ9の下方部には、車体側メンバ(図示せず)等への取
付部をなす取付ボルト98が設けられている。これら連
結金具91とホルダ9との間に設置される機能部品のう
ちの一つであるスプリング1は、金属製のコイルスプリ
ング等からなるものである。このコイルスプリング1の
コイル部を被覆するように設けられるインシュレータ2
は、防振ゴム等からなるものであり、上記連結金具91
とホルダ9との間に、後に述べるダイヤフラム4等と共
に加硫接着等の接着手段により一体的に成形されるもの
である。また、このような防振ゴム等からなるインシュ
レータ2は、非圧縮性流体である液体を封入する主室7
と副室8との間を区切る隔壁を形成するものである。
【0013】このような隔壁にて形成される主室7内に
は非圧縮性の流体である液体が充填されるとともに、プ
ラスチック製のフロート5が内蔵されている。また、上
記主室7の上面部を形成する上記連結金具91の下面部
には、ゴム材等からなるストッパ6が設けられている構
成となっている。また、上記インシュレータ2等によっ
て形成される隔壁の下方部には、上記主室7と副室8と
の間を連通させる通路状のオリフィス3が上記隔壁に沿
って円孤状に設けられている。なお、このオリフィス3
については、このような円孤状のものの外に、図2に示
す如く、直接上記隔壁を貫くように設けられるものも考
えられる。
【0014】このような構成からなる隔壁の外側には、
図1に示す如く、副室8が設けられている。そして、こ
の副室8の外側には、当該副室8の外側部材をも形成す
る隔膜状のダイヤフラム4が設けられている構成からな
るものである。このダイヤフラム4は本液体封入式防振
装置全体の外側部材を形成するものであり、また、上記
副室8の外側部材をも兼用するものである。ところで、
当該副室8には、液体が流動した際、主室7程には圧力
が上昇しないものであるところから、上記ダイヤフラム
4の膜厚をあまり厚くする必要がない。従って、本実施
例においては、ダイヤフラムとしての機能を発揮する程
度の比較的薄めの隔膜が採用されており、かつ、耐熱性
等を考慮してエチレン−プロピレン共重合体からなるE
PDM等が採用されている。なお、当該ダイヤフラム4
は、副室8の外側部材の一部をも兼ねているので、本防
振装置が作動したとき、そのストローク量に見合うだけ
の自由長を有するように、上下方向に余裕をもたせた形
態を採らせるようにしている。このような自由長を有す
る状態で、上記インシュレータ2と一緒に加硫接着手段
等により、上記連結金具91とホルダ9との間にこれら
と一体的に設けられる構成となっている。
【0015】上記構成からなる本実施例の作用について
説明する。図1において、エンジン等の振動体からの振
動は、連結金具91を介してスプリング1及び当該スプ
リング1を包むように設けられたインシュレータ2に伝
播される。これによって、当該スプリング1及びインシ
ュレータ2は共に振動あるいは変位をして、上記入力振
動等を吸収あるいは遮断する。ここで吸収あるいは遮断
のされなかった振動は、当該インシュレータ2の内外に
設けられた主室7、副室8等の液室内に封入された非圧
縮性流体(液体)の流動作用等によって吸収されること
となる。
【0016】すなわち、図1において、エンジン等の振
動体(図示せず)側からの振動及び変位は、連結金具9
1からスプリング1及びインシュレータ2に伝播され
る。この場合、上記連結金具91から伝播される振動の
振幅が大きい場合には、上記スプリング1及びインシュ
レータ2は共にその軸方向(上下方向)に大きく変位す
る。そしてその場合、連結金具91が上下方向に大きく
ストロークすることによって、当該連結金具91の下端
面に設けられているストッパ6がフロート5の上面と接
触するとともに、当該フロート5の下面は車体側メンバ
等に取付けられるホルダ9とも接触する。これによっ
て、上記連結金具91の下方(軸方向)への変位が規制
される。すなわち、大きな振幅を有する振動に対しては
ストッパ6とフロート5との接触作用によって振動が規
制されることとなる。また、当該振動が低周波の振動で
ある場合には、上記インシュレータ2及びスプリング1
の変位により主室7内のボリュームも大きく変化するこ
ととなり、当該主室7内の液体はオリフィス3を経由し
て副室8へと流動することとなるので、このオリフィス
3内における流体(液体)の流動によって減衰力が発生
し、この減衰力の作用によって、当該低周波の振動が吸
収されることとなる。
【0017】次に、上記スプリング1及びインシュレー
タ2の作動によっては吸収され得なかった成分の振動
は、当該スプリング1及びインシュレータ2によって形
成される隔壁の内外に設けられた主室7及び副室8内の
非圧縮性流体(液体)に伝播される。そしてこの場合、
まず主室7のボリュームを変化させるように作用する。
この作用により、主室7内の液体は、インシュレータ2
にて形成される隔壁の一部に設けられた通路状のオリフ
ィス3を通って副室8へと流動する。その結果、副室8
のボリュームが増加し、当該副室8の外側に設けられた
ダイヤフラム4を変形させてバネ作用を行なわせる。こ
のような一連の作動を経ることによって、上記スプリン
グ1及びインシュレータ2のところでは吸収されなかっ
た振動が吸収されることとなる。特に、当該振動が比較
的高周波のものである場合、上記スプリング1及びイン
シュレータ2が変位した際、当該スプリング1の共振現
象により、一般的には動バネ定数が高くなるものである
が、本実施例においては、主室7内に設けられたフリー
ピストン状のフロート5の作動により主室7内の上記連
結金具91側のボリュームが振動数に応じて変化するこ
ととなるため、これに応じて動バネ定数が低下すること
となる。これら一連の作用により、本実施例において
は、エンジンアイドリング振動等の比較的低周波の振動
から、室内こもり音等の比較的高周波の振動までを効果
的に遮断することができるようになる。
【0018】また、本実施例にかかる液体封入式防振装
置は、図1に示す如く、主室7及び副室8を区切る仕切
板が別部品にて特別に設けられているものではなく、ス
プリング1を被覆するインシュレータ2によって形成さ
れる隔壁にて兼用されていることより、また当該隔壁の
一部に連通路を設けることによってオリフィス3を形成
させることとしていることより、更には副室8の一部を
形成するようにその外側に設けられた隔膜をもってダイ
ヤフラム4を兼用させることとしていることより、部品
点数が少なくなり、部品の製作及び管理を初めとして組
立作業の簡素化等をも含めた製造コストの低減化が図ら
れている。
【0019】また、本実施例の液体封入式防振装置は、
主に静的負荷を受けるスプリング1及びインシュレータ
2を初めとして、主室7及び副室8等の液室、更には液
体の流動に伴って作動するダイヤフラム4等の機能部品
が、すべて並列に設置されていることより、防振装置と
しての軸方向(上下方向)のスペースが縮減化されてお
り、エンジンマウントとして装着される場合、エンジン
ルーム内のスペースを有効に利用することができる。ま
た、非圧縮性流体(液体)の作動によって室内の圧力が
上昇する液室は、最も圧力の上昇する主室7が中心に配
置され、これを厚い隔壁で囲んだその外側に副室8が配
置されるようになっているので、当該副室8の外側部材
を形成するダイヤフラム4には比較的低圧の圧力しか作
用しない。従って、副室8の外側部材を兼用するダイヤ
フラム4はその厚さを薄くすることができるとともに、
その素材に、例えばEPDM等を採用することによって
耐熱性に優れた防振装置を提供することができる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、振動体側に取付けられ
る連結金具と、車体側に取付けられるホルダと、これら
連結金具とホルダとの間にあって上記振動体からの振動
を遮断するインシュレータと、同じく連結金具とホルダ
との間に設けられるものであって、非圧縮性流体(液
体)の封入される主室及び副室等にて形成される液室等
からなる液体封入式の防振装置に関して、上記連結金具
とホルダとの間にコイルスプリングを設け、当該コイル
スプリングのコイル部を弾性材からなるインシュレータ
にて被覆するとともに当該被覆部をもって隔壁を形成
し、当該隔壁の内側に主室を設けるとともにその外側に
副室を設け、このような構成からなる上記主室内にフロ
ートを設け、更に上記隔壁の一部に上記主室と副室との
間を連通させるオリフィスを設け、これら主室及び副室
等の液室を包むように当該副室の外側にダイヤフラムを
設けることとした構成を採ることとしたので、広範囲の
周波数の振動を吸収あるいは遮断することができるとと
もに、外側の部材に耐熱性に優れたゴム材を採用するこ
とにより、耐熱性に優れた防振装置を設けることができ
るようになった。また、主室と副室との間を仕切る仕切
板等を別途新たに設ける必要がなくなり、全体の構成部
品点数が削減化され、従来のものにおいて問題とされて
いた仕切板や、ダイヤフラムの装着等に関する組立作業
の煩雑さが解消され、部品管理を初めとして組立作業の
簡素化が図られるようになり、これらによって製造コス
トの低減化を図ることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明にかかるオリフィスについての他の実施
例の構造を示す部分断面図である。
【図3】従来例についての全体構成を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 スプリング(コイルスプリング) 2 インシュレータ 3 オリフィス 4 ダイヤフラム 5 フロート 6 ストッパ 7 主室 8 副室 9 ホルダ 91 連結金具 98 取付ボルト 99 取付ボルト

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体側に取付けられる連結金具と、車
    体側に取付けられるホルダと、これら連結金具とホルダ
    との間にあって上記振動体からの振動を遮断するインシ
    ュレータと、同じく連結金具とホルダとの間に設けられ
    るものであって非圧縮性流体(液体)の封入される主室
    及び副室等にて形成される液室等からなる液体封入式の
    防振装置において、上記連結金具とホルダとの間にコイ
    ルスプリングを設け、当該コイルスプリングのコイル部
    を弾性材からなるインシュレータにて被覆するとともに
    当該被覆部をもって隔壁を形成し、当該隔壁の内側に主
    室を設けるとともにその外側に副室を設け、このような
    構成からなる上記主室内にフロートを設け、更に上記隔
    壁の一部に上記主室と副室との間を連通させるオリフィ
    スを設け、これら主室及び副室等の液室を包むように当
    該副室の外側にダイヤフラムを設けることとした構成か
    らなることを特徴とする液体封入式防振装置。
JP13677593A 1993-05-15 1993-05-15 液体封入式防振装置 Pending JPH06330979A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20130055112A (ko) * 2011-11-18 2013-05-28 현대자동차주식회사 하이드로 트랜스미션 마운트
CN104343882A (zh) * 2014-09-24 2015-02-11 长城汽车股份有限公司 减震器及汽车
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