JP3461744B2 - 水溶性重合体の製造方法 - Google Patents

水溶性重合体の製造方法

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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F20/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride, ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F20/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms, Derivatives thereof
    • C08F20/52Amides or imides
    • C08F20/54Amides, e.g. N,N-dimethylacrylamide or N-isopropylacrylamide

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性重合体の製
造方法に関し、詳しくは、水を重合溶媒として用い、高
い転化率で重合体を得る製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、N−イソプロピルアクリルア
ミドをはじめとするN−アクリルアミドの重合体を得る
ために水中での重合が行われてきた。N−イソプロピル
アクリルアミドおよびN−イソプロピルメタクリルアミ
ド(以下、一括してN−イソプロピル(メタ)アクリル
アミドと表記する。)は、分子内に親水性のアミド基と
疎水性のアルキル基を持つため、それらの重合体は水中
で下限臨界共溶温度を有する。すなわち、下限臨界共溶
温度以上の温度において重合を行うと、重合体は水に不
溶となり析出が起こるので、重合が進行しにくくなる。
【0003】N−イソプロピルアクリルアミド重合体の
水中での製造方法としては、例えばPolymer E
ngineering and Science,Vo
l.34,1419(1994)に、レドックス系開始
剤を用いた重合が報告されている。しかし、その転化率
は62%と低く、満足できる方法ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点に鑑みてなされたものであり、水を重合溶媒とし
て用い、高い転化率でN−イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミド重合体を製造する方法を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、単量体として
N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、重合溶媒と
して水、重合開始剤として水溶性のアゾ系化合物をそれ
ぞれ使用し、得られる重合体の水中の下限臨界共溶温度
未満の温度で重合し、得られた重合体は全て重合溶媒に
溶解していることを特徴とする水溶性重合体の製造方法
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の水溶性重合体の製造方法
に用いられるN−イソプロピル(メタ)アクリルアミド
は、次の式(I)で表される。
【0007】
【化1】 ここで、N−イソプロピルアクリルアミドの場合はR1
水素原子であり、N−イソプロピルメタクリルアミドの
場合はメチル基である。
【0008】本発明においては、重合開始剤として水溶
性のアゾ系化合物を用いることが必須であり、得られる
重合体の水中の下限臨界共溶温度未満の温度で重合する
ことと相俟って高い転化率で重合体を得ることができる
のである。
【0009】このようなアゾ系化合物としては、例えば
2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、2,2’
−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2
−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2
−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸
塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2
−イル)プロパン]二硫酸塩二水和物、2,2’−アゾ
ビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン
−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス
{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾ
リン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−ア
ゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミジ
ノ]プロパン}等を挙げることができる。
【0010】アゾ系化合物の添加量は、単量体であるN
−アクリルアミド全量に対し、0.01〜10重量%、
好ましくは、0.05〜5重量%である。
【0011】また、本発明では前述のように重合を下限
臨界共溶温度未満の温度で行うが、下限臨界共溶温度は
水中での重合体の重量百分率に大きく依存し、さらに厳
密には重合体の分子量にも依存する。例えば、標準PM
MA換算で重量平均分子量が22,000、数平均分子
量が81,000のN−イソプロピルメタクリルアミド
重合体の蒸留水中における下限臨界共溶温度は、重合体
の濃度が0.5重量%の時、約41℃であるが、濃度が
30重量%になると49℃となる。従って、本発明では
最終的に得られる重合体の濃度や分子量などから予め下
限臨界共溶温度を求めて、それに基づいて重合温度を決
定する必要がある。
【0012】この時、重合温度が低すぎると重合開始剤
としてのアゾ化合物の開始剤効率が低下すると共に重合
反応速度が小さくなったり、単量体の転化率の低下と共
に得られる重合体の分子量が目的とする分子量よりも大
幅に大きくなり、下限臨界共溶温度が重合温度以下とな
って共重合体が析出することがある。従って、重合温度
は、生成する重合体の濃度に対応する下限臨界共溶温度
未満とし、その温度から10℃以下の温度を下限とする
範囲がさらに好ましい。
【0013】N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド
重合体は、N−イソプロピルアクリルアミドおよびN−
イソプロピルメタクリルアミドのどちらの場合であって
も水に可溶であるが、その単量体に関しては、30℃の
水100gに対してN−イソプロピルアクリルアミドで
は約28g溶解するが、N−イソプロピルメタクリルア
ミドでは約2.0gしか溶解しない。本発明の重合方法
では、重合開始時に単量体は完全には溶解していない。
このように単量体が重合溶媒である水に溶解していなく
ても、重合体は水に可溶であるため、重合の進行と共に
溶解している単量体が重合して消費されると、溶解して
いない単量体が徐々に溶解していく。そのため、重合終
了時には、未溶解の単量体は存在せず、得られた重合体
はすべて重合溶媒である水に溶解している。従って、通
常の重合のように、単量体、重合体および重合開始剤の
すべてを溶解する溶媒を用いなくても、本発明では効率
よく高い転化率で重合することができる。
【0014】得られる共重合体は重合溶媒である水に溶
解しているため、必要により真空乾燥、熱風乾燥等の公
知の乾燥法により水を除去した後、固体として利用する
ことができる。あるいは重合後の共重合体を水溶液とし
てそのまま、または用途に合せて任意の濃度に希釈して
利用することができる。
【0015】本発明で製造される重合体は、種々の用途
に使用することが可能であり、例えば感温性材料、感温
性ゲル、印刷インク、感温遮光シート、湿度センサー、
温度センサー、土壌保水材、天然ガス抽出でのガス水和
物生成の抑制、ヘアセッティング又はヘアスプレー添加
剤、入浴剤、保護コーティング、感温性分離材料、凝集
剤、汚泥脱水装置、保冷剤、水性塗料、記録媒体、形状
記憶材料、テキスタイル染色用のストリッピング及びレ
ベリング助剤、写真工業での助剤、医薬徐放性担体、膜
製造、水溶性皮膜及び煙草用フィルター等の用途を挙げ
ることができる。
【0016】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明
するが、これに限定されるものではない。
【0017】(実施例1)50ml三つ口フラスコ中
に、N−イソプロピルメタクリルアミド7.0gおよび
水15mlを加えた後、窒素バブリングを行って溶存酸
素を除去した。その後、40℃まで温度を上げ、アゾ系
化合物として2、2’−アゾビス[2−(2−イミダゾ
リン−2−イル)プロパン]二塩酸塩0.2gを投入し
て重合を開始し、6時間その温度で攪拌を続けた。放冷
後、70℃において真空乾燥して重合溶媒として使用し
た水を除いて重合体を得た。
【0018】得られた重合体を1H−NMRを用いて測
定したところ目的の重合体であることが確認された。重
合体の水中の30重量百分率の濃度における下限臨界共
溶温度は49℃であった。また、クロロホルムを移動相
としたGPCにより得られた重合体の分子量を測定した
結果、標準PMMA換算で数平均分子量が22,00
0、重量平均分子量が81,000であった。
【0019】また、ガスクロマトグラフィーによる分析
の結果、単量体の転化率は99.9%以上であった。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、水を重合溶媒として用
い、高い転化率でN−イソプロピル(メタ)アクリルア
ミド重合体を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−117016(JP,A) 特開 昭63−117017(JP,A) 特開 平7−222919(JP,A) 特開 平4−298203(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/60 C08F 20/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単量体としてN−イソプロピル(メタ)
    アクリルアミド、重合溶媒として水、重合開始剤として
    水溶性のアゾ系化合物をそれぞれ使用し、得られる重合
    体の水中の下限臨界共溶温度未満の温度で重合し、得ら
    れた重合体は全て重合溶媒に溶解していることを特徴と
    する水溶性重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記重合温度が、得られる重合体の水中
    の下限臨界共溶温度未満からその10℃以下までの範囲
    の温度であることを特徴とする請求項1記載の水溶性重
    合体の製造方法。
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