JP3460758B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

トナーの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナーの製造方
関する。更に詳しくは、本発明は、電子写真分野で使
用される粒度分布がシャープなトナーの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真の分野で使用されるトナーは、
樹脂中に電荷制御剤、着色剤等の他の添加物を配合した
組成物を、一定の粒子径の範囲としたものからなってい
る。上記のトナーの製造方法としては、溶融混練粉砕
法、重合法及びスプレードライ法等が知られており、中
でも溶融混練粉砕法が一般的である。しかし、溶融混練
粉砕法は、トナーの収率が低く、粉砕及び分級工程に多
大な設備を必要とするため、乳化重合法、懸濁重合法等
の重合法、特に懸濁重合法が注目されている。懸濁重合
法は、重合時の条件を調節することにより、球状粒子を
高収率で得ることができる。より具体的には、懸濁重合
法は、重合性モノマー、重合開始剤及び着色剤等の混合
物からなる油相を、任意に界面活性剤及び分散安定剤の
存在する水相中に攪拌下で導入することにより油滴と
し、更に攪拌下で油滴を懸濁重合させる工程からなって
いる。
【0003】従来の懸濁重合法における攪拌は、ホモジ
ナイザー等の高剪断力を利用した攪拌を利用していた。
この方式の攪拌では、油滴個々の攪拌部通過頻度のばら
つきや、高速攪拌によりキャピテーションが生じ、得ら
れた油滴の粒度分布はブロードとなる。そのため、油滴
を重合させることにより得られるトナーの粒度分布もブ
ロードとなり、トナー粒子個々の帯電量の分布が広が
り、印字性能に悪影響を与えていた。
【0004】上記のような問題を解決するために、特公
平7−19076号公報には、高圧衝突を利用した分散
装置が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の発明者等は、
上記公報に記載された高圧衝突を利用した分散装置を使
用して、実際にトナーを製造したが、衝突が強すぎて1
〜3μmの超微粒子トナーが副生し、十分シャープな粒
度分布を有するトナーは得られなかった。そこで、発明
者等は鋭意検討の結果、微細な孔を有する多孔質膜を使
用して、均一な粒径の油滴を形成することにより、粒度
分布がシャープなトナーを製造することができることを
見いだし本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、重合性モノマー、有機溶媒及びトナーを構成するの
に必要な他の添加物からなる油相を、所望するトナーの
粒子径より小さい孔の多孔質膜を通した後、任意に界面
活性剤と分散安定剤を含有する水相に分散させて水性懸
濁液とし、水性懸濁液から有機溶媒を除去した後、重合
反応に付してトナーを形成さすことを特徴とするトナー
の製造方法が提供される。
【0007】
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法は、油相を水相
へ分散させ、油滴を含む水性懸濁液を形成する手段とし
て、多孔質膜を使用したことを特徴の1つとする。図1
は、多孔質膜を備えた水性懸濁液形成装置を使用した水
性懸濁液の製造方法の原理図である。図1中、1は油
相、2は水相、3は多孔質膜、4はO−リング、5は油
滴、6は孔を示している。図1に示すように、油相1
は、孔6を通過することにより、油滴5となり、水相2
へ分散し、水性懸濁液となる。ここで、多孔質膜は、所
望するトナーの粒子径より小さく、かつ均一な孔を有す
ることが好ましい。より好ましい孔の直径は、所望する
トナー粒子径の約4/5〜1/5である。具体的には、
孔の直径は、所望するトナーの粒子径、油相の粘度、油
相の供給速度に応じて1〜5μm程度の範囲で選択する
ことが好ましい。ここで、油相の粘度が高いときは、孔
の直径は大きいほうが好ましく、油相の供給速度を上げ
たい場合は、孔の直径は小さいほうが好ましい。なお、
孔の直径が約1/5より大きいことにより、油相に含ま
れる固形物が目詰まりすることを避けることができ、約
4/5より小さいことにより粒子径の均一なトナーが得
られる。上記のような孔を有する多孔質膜として、例え
ば、しらすポーラスガラス(以下SPGと称する)、エ
ッチング加工膜等が挙げられる。
【0009】以下では、バッチ法によるトナーの製造方
法について説明する。バッチ法によるトナーの製造方法
は、例えば図2に示す如き装置を使用し、重合性モノマ
ー及びトナーを構成するのに必要な他の添加物を含有す
る油相11が、定量ポンプ12等の輸送手段により、水
相13中に配置した多孔質膜14を通過することによ
り、油滴16となる。油滴の形成後、重合に必要な条件
下で、油滴を重合させることにより、トナーを形成する
方法である。
【0010】本発明に使用できる重合性モノマーとして
は、当該分野において公知のモノマーを使用することが
できる。例えば、モノビニル芳香族モノマー、アクリル
系モノマー、ビニルエステル系モノマー、ビニルエーテ
ル系モノマー、モノオレフィン系モノマー、ジオレフィ
ン系モノマー、ビニルケトン系モノマー等が挙げられ
る。
【0011】モノビニル芳香族モノマーは、具体的に
は、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、エチ
ルスチレン、メトキシスチレン、スチレンスルホン酸ナ
トリウム、アミノスチレン、ニトロスチレン、カルボキ
シスチレン等が挙げられる。アクリル系モノマーは、具
体的には、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、ア
クリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒ
ドロキシアクリル酸エチル、γ−ヒドロキシアクリル酸
プロピル、δ−ヒドロキシアクリル酸ブチル、β−ヒド
ロキシメタクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロ
ピル、γ−N,N′−ジエチルアミノアクリル酸プロピ
ル、エチレングリコールジメタクリル酸エステル、テト
ラエチレングリコールジメタクリル酸エステル等が挙げ
られる。
【0012】ビニルエステル系モノマーは、具体的に
は、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が
挙げられる。ビニルエーテル系モノマーは、具体的に
は、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビ
ニル−n−ブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル、
ビニルシクロヘキシルエーテル等が挙げられる。
【0013】モノオレフィン系モノマーは、具体的に
は、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブテン−
1、ペンテン−2、4−メチルペンテン−1等が挙げら
れる。ジオレフィン系モノマーは、具体的には、ブタジ
エン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。ビニ
ルケトン系モノマーは、具体的には、ビニルメチルケト
ン、ベニルヘキシルケトン等が挙げられる。
【0014】上記重合性モノマーは、単独又は2種以上
組み合わせて使用することができる。本発明に使用でき
るトナーを構成するのに必要な他の添加物としては、例
えば着色剤、電荷制御剤等が挙げられる。着色剤として
は、カーボンブラック、ニグロシン染料、アニリンブル
ー、カルコオイルブルー、クロームイエロー、ウルトラ
マリンブルー、デュポンオイルレッド、オリエントオイ
ルレッド♯330、キノリンイエロー、メチレンブルー
クロライド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリー
ンオクサレート、ランプブラック、ローズベンガル、オ
イルブラック、アゾオイルブラック、その他のものを単
独又は2種以上混合して用いることができる。なお、黒
色のトナーを望む場合は、カーボンブラックを着色剤と
して使用することが好ましく、更にその粒径は1μm以
下が好ましい。
【0015】電荷制御剤としては、ニグロシンベース、
オイルブラック、スピロンブラック等の油溶性染料、ナ
フテン酸金属塩、脂肪族金属石鹸、樹脂酸石鹸、スチレ
ン−ジアリルアミン共重合体等のアミノ基含有共重合体
等が挙げられる。上記着色剤及び電荷制御剤は、重合性
モノマー100重量部に対して、1〜20重量部、0.
1〜5重量部添加することができる。
【0016】更に、他の添加剤として磁性体粉末を油相
に加えてもよい。磁性体粉末を添加することにより一成
分系磁性トナーを得ることができる。使用できる磁性体
粉末としては、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウ
ム、銅、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリ
リウム、ビスマス、カルシウム、セレン、チタン、タン
グステン、バナジウム等の金属、その合金及びそれらの
混合物が挙げられる。これら磁性体粉末は、0.01〜
1μm程度の平均粒径を有していることが好ましい。ま
た、磁性体粉末は、重合性モノマー100重量部に対し
て、20〜300重量部、好ましくは50〜150重量
部使用することができる。なお、磁性体粉末を添加しな
い場合は、一成分系非磁性トナーとなる。
【0017】更に、必要に応じて重合開始剤及び架橋剤
を油相に添加してもよい。重合開始剤としては、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4
−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物、クメンヒド
ロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸
化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物が挙げら
れる。
【0018】架橋剤としては、ジエチレングリコール、
ジエチル−2−グリコールメタクリレート、ジビニルベ
ンゼン等が挙げられる。上記重合開始剤及び架橋剤は、
重合性モノマーの合計量100重量部に対して、それぞ
れ0.01〜20重量部及び0.1〜5重量部で添加す
ることができる。
【0019】また、油相に含まれる固体、例えば着色剤
及び電荷制御剤を、その添加量を3〜30重量%と高濃
度で配合したい場合には、これら固体が多孔質膜を通過
しやすくするために、油相に有機溶媒を添加してもよ
い。有機溶媒を添加することにより固体の濃度が下が
り、多孔質膜を通過しやすくなる。有機溶媒としては、
重合性モノマーに溶解し、非水溶性で、沸点20〜90
℃、特に30〜70℃の低沸点有機溶媒が好ましい。具
体的には、ジクロロメタン(沸点40℃)、シクロペン
タン(沸点49℃)、2,2−ジメチルブタン(沸点5
0℃)等が挙げられる。有機溶媒の添加量は、重合性モ
ノマー100重量部に対して、20〜400重量部(油
相に対して約20〜80重量%である。)使用すること
ができる。ここで20重量部以下の場合、多孔質膜の通
過抵抗は十分に下がっておらず、目詰まりが発生しやす
い。一方、400重量部以上では、多孔質膜の通過抵抗
が低く、高速で液滴を調整することができるが、除去す
る有機溶媒量が多いため、液中乾燥に時間がかかり高散
るがよくない。
【0020】次に油相を、上記の多孔質膜を用いて水相
中に油滴として分散させ、水性懸濁液を形成する。水相
には、必要に応じて、油相を油滴に分散させ易くするた
めに界面活性剤が、後に形成される重合体の合着を防止
するために分散安定剤が添加される。本発明に使用でき
る界面活性剤は、例えば、ステアリン酸ナトリウム、オ
レイン酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル
硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム等のアニオン性界面活性剤、ステアリルアミンアセ
テート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、
セチルメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリ
メチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメ
チルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤
等が挙げられる。
【0021】界面活性剤は、重合性モノマー100重量
部に対して、0.01〜0.5重量部使用することがで
きる。上記範囲では、水相で油滴の懸濁状態を安定にす
ることができ、かつ、乳化重合により微細粒子が生じる
ことを防止することができると共に界面活性剤がトナー
粒子に付着することにより電気特性や湿度依存性に与え
る悪影響を防止することができる。
【0022】本発明に使用できる分散安定剤としては、
ポリビニルアルコール、メチルセルロース等の水溶性高
分子、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、水酸化ア
ルミニウム等の難水溶性無機塩等が挙げられる。この
内、第三リン酸カルシウムが特に好ましい。分散安定剤
は、重合性モノマー100重量部に対して、5〜50重
量部使用することにより、後に形成される重合体粒子の
合着を防止でき、狭い粒子径分布のトナーを得ることが
できる。
【0023】次いで、上記油滴を重合反応させることに
より、重合体粒子(トナー)が生成する。重合条件は、
使用する重合性モノマー、重合開始剤等の種類によって
も相違するが、一般に温度40〜100℃(好ましくは
50〜90℃)、2〜20時間で重合反応さすことが好
ましい。ここで、油相に有機溶媒を添加した場合は、重
合反応前に、有機溶媒を液中乾燥法により揮発させ除去
することが好ましい。液中乾燥法は、有機溶媒の沸点程
度の温度で、3〜20時間行うことが好ましい。温度が
有機溶媒の沸点より低すぎると、有機溶媒の揮発速度が
遅くなる。一方、温度が高すぎると、重合反応が進行す
るので、油滴内部の粘性抵抗が上昇し、逆に揮発速度が
遅くなる。液中乾燥時の温度は、具体的には25〜60
℃が特に好ましい。
【0024】上記では、バッチ式によるトナーの製造方
法について説明したが、本発明では油相供給手段、水相
供給手段、多孔質膜を備えた水性懸濁液形成ユニット及
び重合反応部を接続した、連続重合システムによりトナ
ーを製造することもできる。油相供給手段とは、油相を
一定量で供給しうる手段であれば特に限定されず、例え
ば、油相を溜める槽と定量ポンプからなる。一方、水相
供給手段も、水相を一定量で供給しうる手段であれば特
に限定されず、例えば、水相を溜める槽と定量ポンプか
らなる。また、油相供給速度及び水相供給速度は、細孔
膜面積1m2あたり、それぞれ50〜1000ml/
分、100〜5000ml/分が好ましい。
【0025】次に、油相供給手段及び水相供給手段から
供給される油相及び水相は、水性懸濁液形成ユニットに
導入される。水性懸濁液形成ユニット内では、油相が多
孔質膜を通過することにより油滴となり、該油滴が水相
に分散して水性懸濁液が形成される。かかる、水性懸濁
液形成ユニットは、多孔質膜を介して水相と油相が接し
ていればその形状は特に限定されない。例えば、図1の
様に中心が水相で、多孔質膜を介して外周が油相の管の
形状を有していてもよく、それとは逆に中心が油相で外
周が水相であってもよい。
【0026】上記水性懸濁液形成ユニットにより形成さ
れた水性懸濁液は、重合反応部に導入される。重合反応
部で、水性懸濁液中の油滴を構成する重合性モノマーを
重合させ、連続的にトナーを形成する。重合反応部とし
ては、例えば、上部から下部へプラグフロー(押し出し
ながれ)になるように構成した縦型の重合塔等を使用す
ることができる。重合条件は、重合反応部中の滞留時間
3〜24時間、50〜90℃で行うことが好ましい。
【0027】なお、油相に有機溶媒を添加した場合は、
液中乾燥装置を重合反応部の前に設置してもよい。次い
で、上記バッチ法及び連続重合システムにより生成した
重合体粒子(トナー)を、水相から分離し、必要に応じ
て酸又はアルカリで洗浄し、乾燥することによりトナー
が単離される。
【0028】本発明のトナーの製造方法によれば、平均
粒子径が4〜15μmであり、かつD25/D75が
1.02〜1.40である粒度分布のシャープなトナー
が得られる。ここでD25/D75は、積算粒子径の上
位25%径と75%径の比を意味し、この値が1に近い
ほど粒度分布がシャープであることを意味する。なお、
単離したトナーに、更にカーボンブラック、疎水性シリ
カ等をまぶしてもよい。
【0029】また、本発明のトナーは、キャリアーと混
合し現像剤とすることで2成分現像方式用トナーとして
も使用することができる。キャリアーとしては、平均粒
径が10〜200μmであること以外は、上記記載の磁
性体粉末と同種の磁性体粉末が使用できる。また、キャ
リアー表面にアクリル樹脂等をコーティングすれば、使
用時の耐久性を向上させることができる。なお、トナー
は、キャリアー100重量部に対して、1〜10重量
部、好ましくは1〜5重量部使用することができる。
【0030】
【実施例】 実施例1(参考例) (1)油相の調整 スチレンモノマー 80重量部 メタクリル酸−2−エチルヘキシルモノマー 20重量部 カーボンブラック 2重量部 スチレン−ジアリルアミン共重合体(電荷制御樹脂) 10重量部 アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤) 4重量部 ジビニルベンゼン(架橋剤) 1重量部 上記の組成物を十分混合及び分散し、油相(重合性トナー組成物)を得た。 (2)水相の調整 イオン交換水 400重量部 第3リン酸カルシウム(分散安定剤) 20重量部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤) 0.5重量部 上記の組成物を十分混合及び分散し、水相(重合媒体)
を得た。 (3)トナー製造 上記油相及び水相を図2に示すSPG装置(SPGの孔
径:3μm)を用いて油滴を形成した。即ち、油相11
を定量ポンプ12により水相13中に配置した多孔質膜
14を有するSPG管15に供給した。油相11を多孔
質膜を通過させて、油滴16として水相12中に押し出
し、水性懸濁液を形成した。
【0031】得られた水性懸濁液を、80℃で8時間重
合処理に付したところ、平均粒子径8μm、D25/D
75=1.25のシャープな粒度分布のトナーが得られ
た。ここで、D25/D75は、積算粒子径の上位25
%径と75%径の比を示し、この値が1に近いほど粒度
分布がシャープであることを示している。 比較例1(参考例) 実施例1と同一組成の水相と油相を、T.Kホモミキサ
ーM型(特殊機化工業社製)を用いて、攪拌速度100
00rpm、10分間の条件下で攪拌処理して水性懸濁
液を形成した。得られた水性懸濁液を、80℃で8時間
重合処理に付し、平均粒子径は8μmであったが、粒度
分布D25/D75は1.55とブロードであった。
【0032】実施例2 (1)油相の調整 スチレンモノマー 80重量部 メタクリル酸−2−エチルヘキシルモノマー 20重量部 カーボンブラック 5重量部 スチレン−ジアリルアミン共重合体(電荷制御樹脂) 10重量部 アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤) 4重量部 ジクロロメタン(希釈溶媒) 100重量部 ジビニルベンゼン(架橋剤) 1重量部 上記の組成物を十分混合及び分散し、油相(重合性トナ
ー組成物)を得た。 (2)水相の調整 水相は実施例1と同様のものを使用した。 (3)トナー製造 上記油相及び水相を図2に示すSPG装置(SPG孔
径:3μm)を用いて実施例1と同様にして水性懸濁液
を形成した。次いで、全体を緩やかに攪拌しながら、4
0℃で8時間加温することにより液中乾燥処理に付し、
水性懸濁液中のジクロロメタンを除去した。この後、8
0℃で8時間重合処理に付したところ、平均粒子径8μ
m、D25/D75=1.22のシャープな粒度分布の
トナーが得られた。
【0033】比較例2 ジクロロメタンを使用しないこと以外は、実施例2と同
様にして水性懸濁液の形成を行ったところ、SPG管の
孔に目詰まりが生じ、水性懸濁液を形成することができ
なかった。 実施例3(参考例) 実施例1と同一組成の水相と油相を図3に示す装置(細
孔径3μm、膜面積40cm )に供給し、連続的に
水性懸濁液の形成及び重合を行った。即ち、油相21及
び定量ポンプ22からなる油相供給部から油相を2ml
/分(500ml/分/m )で、水相23及び定量
ポンプ24からなる水相供給装置から水相を10ml/
分(2500ml/分/m )でSPGユニット(水
性懸濁液形成ユニット)に供給し、水性懸濁液を形成し
た。得られた水性懸濁液を、重合反応部26(上部から
下部へプラグフロー(押し出し流れ)になる縦型の連続
重合塔)に導入し、滞留時間8時間、80℃で重合させ
たところ、平均粒子径8μm、D25/D75:1.2
5の粒度分布のシャープなトナーが得られた。
【0034】
【発明の効果】本発明のトナーの製造方法は、重合性モ
ノマー及びトナーを構成するのに必要な他の添加物から
なる油相を、所望するトナーの粒子径より小さい孔の多
孔質膜を通した後、任意に界面活性剤と分散安定剤を含
有する水相に分散させて水性懸濁液とし、これを重合反
応に付してトナーを形成さすことを特徴とするので、得
られたトナーの粒度分布がシャープである。そのため、
トナーの帯電性及び蓄電性能を向上させることができ
る。
【0035】また、油相が有機溶媒を含有し、この有機
溶媒が重合反応前に除去されることにより、油相中に含
まれる固体(例えば着色剤及び電荷制御剤)の添加量を
多くしても、油滴中のそれらの濃度を下げることがで
き、多孔質膜の目詰まりを防ぐことができる。更に、有
機溶媒が、ジクロロメタンであることにより、油滴を重
合させることなく有機溶媒のみを簡便に液中乾燥させる
ことができる。
【0036】また、多孔質膜が、所望するトナー粒子径
の約4/5〜1/5の孔を有することにより、粒度分布
の揃った油滴を得ることができる。従って、その油滴か
ら得られたトナーの粒度分布もシャープとなる
【0037】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーの製造方法の原理図である。
【図2】本発明のトナーの製造方法に使用した製造装置
の概略図である。
【図3】本発明のトナーの製造方法に使用した製造装置
の概略図である。
【符号の説明】
1、11、21 油相 2、13、23 水相 3、14 多孔質膜 4 O−リング 5、16 油滴 6 孔 12、22、24 定量ポンプ 15 SPG管 25 SPGユニット 26 連続重合反応部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性モノマー、有機溶媒及びトナーを
    構成するのに必要な他の添加物からなる油相を、所望す
    るトナーの粒子径より小さい孔の多孔質膜を通した後、
    任意に界面活性剤と分散安定剤を含有する水相に分散さ
    せて水性懸濁液とし、水性懸濁液から有機溶媒を除去し
    た後、重合反応に付してトナーを形成さすことを特徴と
    するトナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 有機溶媒が、非水溶性で、重合性モノマ
    ーに可溶で、沸点が20〜90℃である請求項1記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 多孔質膜が、所望するトナー粒子の4/
    5〜1/5の孔を有する請求項1又は2に記載の製造方
    法。
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