JP3460289B2 - 金型みがき方法およびその装置 - Google Patents

金型みがき方法およびその装置

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JP3460289B2
JP3460289B2 JP624194A JP624194A JP3460289B2 JP 3460289 B2 JP3460289 B2 JP 3460289B2 JP 624194 A JP624194 A JP 624194A JP 624194 A JP624194 A JP 624194A JP 3460289 B2 JP3460289 B2 JP 3460289B2
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健一 河田
勝行 今村
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Daikin Industries Ltd
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金型みがき方法およ
びその装置に関し、さらに詳細にいえば、ロボットを使
用して金型をみがく場合に適用される金型みがき方法お
よびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】産業用ロボットを利用した自動金型みが
き装置は、みがこうとする金型に応じて所定の教示を行
なうことにより、多種多様の金型をみがくことができる
こと、一連のみがき作業を自動化することにより、人手
作業に比べて著しい効率の向上が図れることなどの理由
により広く使用されている。上記自動金型みがき装置に
おいて金型をみがく方法としては、ユニバーサルジョイ
ントなどを使用して、砥石等のみがき部材をみがき部材
保持軸に対して傾き可能に保持するとともに、みがき部
材保持軸を金型の固定平面に対して垂直な鉛直軸と平行
に保った状態で金型をみがく方法(以下、姿勢固定みが
き方法と称する)と、みがき部材を金型表面に対して常
に垂直に当接させるようにみがき部材保持軸をロボット
アームにより制御する方法(以下、面直みがき方法と称
する)とが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の姿勢固定みがき
方法においては、みがき部材保持軸の制御が簡単である
という利点はあるものの、金型においてみがける範囲が
狭くなり、みがき作業の効率が低下するという問題があ
る。さらに詳細に説明すると、みがき部材がみがき部材
保持軸に対して傾くことのできる限界の最大傾き角度を
超える金型の部分(鉛直軸に対して大きな角度をもつ金
型の部分)においては、この姿勢固定みがき方法におい
てはみがくことができないのであるから、そのような金
型の部分においては、手みがきなどの方法によりみがく
ことが必要になり、みがき作業の効率が著しく低下する
のである。
【0004】一方、上記面直みがき方法においては、金
型表面に対して常にみがき部材が垂直に当接するので、
金型表面に対して同一の圧力、同一の当接状態でみがく
ことができ、高品質なみがきを達成できる利点がある
が、ロボットアームの干渉が生じやすいとともに、金型
の形状によってはみがき軌跡精度が低下する問題があ
る。さらに詳しく説明すると、金型表面に対して垂直に
当接するためにロボットの手先部の傾きを大きくしなけ
ればならない金型の部分がある場合には、ロボットアー
ムが金型の領域から大きくはみ出し、金型の回りにある
障害物との干渉が生じやすくなるのである。また、表面
形状の変化の大きい金型の場合においては、みがき部材
を金型表面と垂直に保つためにみがき部材保持軸の動き
が大きくなり、みがき部材の軌跡精度が低下してしまう
のである。
【0005】上記面直みがき方法はみがき品質を重視す
るみがき作業に使用されるのに対し、上記姿勢固定みが
き方法は、簡単なみがき機構(みがき部材保持軸の鉛直
軸に対する姿勢が変化できない機構)を使用し、みがき
品質を犠牲にしてみがき効率の向上を図るものであり、
両者を組み合わせることは両者がそれぞれが持つ本来の
目的に相反することなるので、両者を組み合わせること
は全く考えられていなかった。
【0006】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、金型の大部分を鉛直軸に対して姿勢固定
でみがくことができるとともに、従来の姿勢固定みがき
方法に比べてみがける範囲を拡大することのできる金型
みがき方法およびその装置を提供すること、および表面
形状の変化の大きい金型でも、金型の大部分を面直の状
態でみがくことができ、干渉の恐れを低減させることが
できるとともに、みがき部材の軌跡精度を安定させるこ
とのできる金型みがき方法およびその装置を提供するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの、請求項1の金型みがき方法は、砥石等のみがき部
材をロボット装置のアームの手先部にあるみがき部材保
持軸に対して最大傾き角度内において傾き可能に保持し
てみがき作業を行なう金型みがき装置において、みがき
部材保持軸と金型表面の法線とのなす角度である当接角
度を算出し、当接角度が最大傾き角度よりも大きいか否
かを判別し、大きくないと判別された場合はみがき部材
保持軸を鉛直軸と所定角度になるように制御してみがき
作業を行ない、大きいと判別された場合はみがき部材保
持軸を金型表面の法線に対して最大傾き角度になるよう
に制御してみがき作業を行なう。
【0008】請求項2の金型みがき装置は、砥石等のみ
がき部材をアームの手先部にあるみがき部材保持軸に対
して最大傾き角度内において傾き可能に保持してみがき
作業を行なうロボット装置と、みがき部材保持軸と金型
表面の法線とのなす角度である当接角度を算出する当接
角度算出手段と、当接角度が最大傾き角度よりも大きい
か否かを判別する大きさ判別手段と、当接角度が最大傾
き角度よりも大きくないと大きさ判別手段が判別したこ
とに応答してみがき部材保持軸を鉛直軸と所定角度にな
るように制御してみがき作業を行なう第1の制御手段
と、当接角度が最大傾き角度よりも大きいと大きさ判別
手段が判別したことに応答してみがき部材保持軸を金型
表面の法線に対して最大傾き角度になるように制御して
みがき作業を行なう第2の制御手段とを有する。
【0009】上記の目的を達成するための、請求項3の
金型みがき方法は、砥石等のみがき部材をロボット装置
のアームの手先部にあるみがき部材保持軸に対して傾き
可能に保持してみがき作業を行なう金型みがき装置にお
いて、鉛直軸とみがき部材保持軸とのなす角度である姿
勢角度を算出し、姿勢角度が所定設定角度よりも大きい
か否かを判別し、大きくないと判別された場合はみがき
部材が金型表面に対して垂直に当接するようにみがき工
具保持軸を制御してみがき作業を行ない、大きいと判別
された場合はみがき部材保持軸を鉛直軸に対して所定設
定角度に固定してみがき作業を行なう。
【0010】請求項4の金型みがき装置は、砥石等のみ
がき部材をアームの手先部にあるみがき部材保持軸に対
して傾き可能に保持してみがき作業を行なうロボット装
置と、鉛直軸とみがき部材保持軸とのなす角度である姿
勢角度を算出する姿勢角度算出手段と、姿勢角度が所定
設定角度よりも大きいか否かを判別する大きさ判別手段
と、姿勢角度が所定設定角度よりも大きくないと大きさ
判別手段が判別したことに応答してみがき部材を金型表
面に対して垂直に当接するようにみがき部材保持軸を制
御してみがき作業を行なう第1の制御手段と、姿勢角度
が所定設定角度よりも大きいと大きさ判別手段が判別し
たことに応答してみがき部材保持軸を鉛直軸に対して所
定設定角度に固定してみがき作業を行なう第2の制御手
段とを有する。
【0011】
【作用】請求項1の金型みがき方法であれば、当接角度
が最大傾き角度よりも大きくないと判別された場合は、
みがき部材保持軸を鉛直軸と所定角度になるように制御
してみがき作業を行なうので、金型表面の傾きが大きく
ない金型の大部分はみがき部材保持軸の姿勢を固定した
状態でみがけることになり、みがき部材保持軸を細かく
制御する必要のない利点を享受できる。また、当接角度
が最大傾き角度よりも大きいと判別された場合は、みが
き部材保持軸を金型表面の法線に対して最大傾き角度に
なるように制御してみがき作業を行なうので、みがき品
質を低下させることなく、みがける金型の領域を拡げる
ことがきる。したがって、金型の大部分を鉛直軸に対し
て姿勢固定でみがくことができるとともに、従来の姿勢
固定みがき方法に比べてみがける範囲を拡大することが
できる。
【0012】請求項2の金型みがき装置であれば、当接
角度算出手段がみがき部材保持軸と金型表面の法線との
なす角度である当接角度を算出し、大きさ判別手段が、
当接角度が最大傾き角度よりも大きいか否かを判別す
る。そして、当接角度が最大傾き角度よりも大きくない
と大きさ判別手段が判別したことに応答して、第1の制
御手段がみがき部材保持軸を鉛直軸と所定角度になるよ
うに制御してみがき作業を行なうのであるから、金型表
面の傾きが大きくない金型の大部分はみがき部材保持軸
の姿勢を固定した状態でみがけることになり、みがき部
材保持軸を細かく制御する必要のない利点を享受でき
る。また、当接角度が最大傾き角度よりも大きいと大き
さ判別手段が判別したことに応答して、第2の制御手段
がみがき部材保持軸を金型表面の法線に対して最大傾き
角度になるように制御してみがき作業を行なうのである
から、みがき品質を低下させることなく、みがける金型
の領域を拡げることがきる。したがって、金型の大部分
を鉛直軸に対して姿勢固定でみがくことができるととも
に、従来の姿勢固定みがき方法に比べてみがける範囲を
拡大することができる。
【0013】請求項3の金型みがき方法であれば、姿勢
角度が所定設定角度よりも大きくないと判別された場合
は、みがき部材が金型表面に対して垂直に当接するよう
にみがき工具保持軸を制御してみがき作業を行なうので
あるから、高いみがき品質で金型の大部分をみがくこと
ができる。また、姿勢角度が所定設定角度よりも大きい
と判別された場合は、みがき部材保持軸を鉛直軸に対し
て所定設定角度に固定してみがき作業を行なうのである
から、従来のように金型表面に対して垂直で当接するみ
がき状態を得るために、ロボットアームが金型領域から
大きく逸脱することがなくなり、金型の近くにある障害
物と干渉する恐れを低減することができる。さらに、み
がき部材保持軸の姿勢の動きが所定設定角度に制限され
るのであるから、みがき部材の軌跡精度が極端に悪くな
ることもなくなる。したがって、表面形状の変化の大き
い金型でも金型の大部分を面直の状態でみがくことがで
き、干渉の恐れを低減させることができるとともに、み
がき部材の軌跡精度を安定させることができる。
【0014】請求項4の金型みがき装置であれば、姿勢
角度算出手段が鉛直軸とみがき部材保持軸とのなす角度
である姿勢角度を算出し、大きさ判別手段が、姿勢角度
が所定設定角度よりも大きいか否かを判別する。そし
て、姿勢角度が所定設定角度よりも大きくないと大きさ
判別手段が判別したことに応答して、第1の制御手段が
みがき部材を金型表面に対して垂直に当接するようにみ
がき部材保持軸を制御してみがき作業を行なうのである
から、高いみがき品質で金型の大部分をみがくことがで
きる。また、姿勢角度が所定設定角度よりも大きいと大
きさ判別手段が判別したことに応答して、第2の制御手
段がみがき部材保持軸を鉛直軸に対して所定設定角度に
固定してみがき作業を行なうのであるから、従来のよう
に金型表面に対して垂直で当接するみがき状態を得るた
めに、ロボットアームが金型領域から大きく逸脱するこ
とがなくなり、金型の近くにある障害物と干渉する恐れ
を低減することができる。さらに、みがき部材保持軸の
姿勢の動きが所定設定角度に制限されるのであるから、
みがき部材の軌跡精度が極端に悪くなることもなくな
る。したがって、表面形状の変化の大きい金型でも金型
の大部分を面直の状態でみがくことができ、干渉の恐れ
を低減させることができるとともに、みがき部材の軌跡
精度を安定させることができる。
【0015】
【実施例】以下、実施例を示す添付図面によって詳細に
説明する。図6はこの発明の金型みがき方法を実施する
ための金型みがきロボットの一例を示す概略図であり、
図6(A)は正面図、図6(B)は側面図、図6(C)
は平面図である。この金型みがきロボットは機枠1の上
部に左右方向に移動する第1軸2が設けられており、第
1軸2に対して前後方向に移動する第2軸3が設けられ
ており、第2軸3に対して上下方向に移動する第3軸4
が設けられている。そして、第3軸4の下端部に水平面
内において回動する第4軸5が設けられており、第4軸
5に対して垂直面内において回動する第5軸6が設けら
れている。さらに機枠1の下部所定位置にワークテーブ
ル7が設けられており、ワークテーブル7は少なくとも
ワークを支承する部分が昇降可能に構成されている。ま
た、機枠1の所定位置にはみがき工具が支承されるツー
ルマガジン8が設けられている。なお、上記第1軸2か
ら第3軸4までは直動型ダイレクトドライブモータによ
り動作させられ、第4軸5及び第5軸6は回転型ダイレ
クトドライブモータにより動作させられるようにして、
ダイレクト教示時の操作力を低減している。さらに第5
軸6には、フローティング機構を介してみがき工具を支
持するようにしているとともに、フローティング機構に
圧力流体を供給することにより、みがき工具への押し付
け力を制御するようにしている。
【0016】図7は上記第5軸6に脱着可能に保持され
るみがき工具10の構成を示す図である。この実施例で
使用されるみがき工具10は砥石などのみがき部材11
が、みがき部材11を回転させるみがき部材保持軸12
に、最大傾き角度εの範囲内において傾き可能に保持す
る保持部材13により保持されている。なお、保持部材
13としては、ユニバーサルジョイントや、弾力性があ
り変形可能なゴム部材などが採用できる。
【0017】図8は金型みがき装置の構成の一例を示す
概略ブロック図である。この金型みがき装置は、産業用
ロボット本体15と、ロボットコントローラ16と、コ
ンピュータなどで構成されるシステムコントローラ17
とを有している。システムコントローラ17にはディス
プレイ装置18、キーボード19およびメモリ装置20
が接続されており、システムコントローラ17はロボッ
トコントローラ16を通して供給される教示データ等に
基づいて金型の形状を算出し、算出された形状に基づい
てみがき部材を金型に対して押し当てるための指令デー
タを生成する。ロボットコントローラ16には教示ペン
ダント21が接続されており、ロボットコントローラ1
6は教示ペンダント21からの信号に基づいてロボット
動作制御信号を出力するとともに、システムコントロー
ラ17からの指令データに基づいてロボット動作制御信
号を出力するものである。また、上記産業用ロボット本
体15にはみがき工具自動交換装置22および図6に示
したツールマガジン8などの周辺装置23が接続されて
おり、産業用ロボット本体15はロボットコントローラ
16からのロボット動作制御信号に基づいて必要なロボ
ット動作を行なうものである。なお、他の周辺装置23
としては、テーブル昇降装置、研磨液循環装置なども設
けられている。
【0018】図1はこの発明の金型みがき方法の一実施
例を説明するためのフローチャートである。まず、ステ
ップSP1においてみがき部材保持軸12(図2参照)
と金型表面の法線33(図2参照)とのなす角度である
当接角度θ(図2参照)を算出し、ステップSP2にお
いて算出された当接角度θがみがき部材11(図2参
照)の最大傾き角度ε(図2参照)よりも大きいか否か
を判別し、大きくないと判別された場合は、ステップS
P3においてみがき部材保持軸を鉛直軸32(図2参
照)と常に平行となるように制御してみがき作業を行な
う。一方、ステップSP2において算出された当接角度
θがみがき部材の最大傾き角度εよりも大きいと判別さ
れた場合は、ステップSP4においてみがき部材保持軸
を金型表面の法線に対して最大傾き角度εになるように
制御してみがき作業を行なう。そして、ステップSP3
あるいはステップSP4の処理が終了した場合はステッ
プSP5において金型のみがき対象面をみがくことが全
て終了したか否かを判別し、終了していないと判別され
た場合はステップSP1の処理を再び行なう。そしてス
テップSP5においてみがき対象面をみがくことが全て
終了したと判別された場合は一連の処理を終了する。
【0019】図2はこの実施例の金型みがき方法をさら
に説明するための概略図である。図2において保持部材
13に保持されたみがき部材11が、みがき部材保持軸
12に対して傾くことができる最大傾き角度ε内の金型
表面においては、みがき部材保持軸12は金型30の固
定平面31に対して垂直(鉛直軸32に対して平行)に
保持されるので、保持部材13の傾きが金型表面の傾き
に応じて変わることによりみがき作業が行なえる(図2
においてS1の領域)。一方、当接角度θが最大傾き角
度εを超える金型表面(図2においてS2の領域)にお
いては、ロボットアームを駆動制御して当接角度θが最
大傾き角度εになるように、みがき部材保持軸12を傾
けてみがき作業を行なうようにする。
【0020】前述した従来の姿勢固定みがき方法におい
ては最大傾き角度εを超える金型表面はみがくことがで
きなかったが、この実施例の方法によれば、上記のよう
に金型の広い範囲において、みがくことが可能となる。
さらに鉛直軸32とみがき部材11の当接角度θが最大
傾き角度εを超える金型表面のみがき作業においても、
みがき部材11の金型表面への当接状態は、みがき部材
保持軸12が鉛直軸32と平行である場合の最大傾き角
度εでのみがき状態(図2において符号35で示す状
態)と同等であるから、みがき品質が劣化することもな
い。
【0021】図3から図5は当接角度θが最大傾き角度
εを超える金型表面において、みがき部材保持軸の姿勢
方向ベクトルaを算出する一方法を示す図である。図3
は金型30の表面における各ベクトルを示す図であり、
nは金型表面の法線方向の単位ベクトル、vはみがき部
材保持軸の姿勢方向の単位ベクトル、θはnとvのなす
角度(当接角度)、εはみがき部材の最大傾き角度であ
る。図より、cosθ=n・vとなる。そしてθ≧εで
あるときは、図4に示すようにn、vを含む平面と垂直
方向の単位ベクトルIを求める。すなわち、 I=n×v/|n×v| 次いで、同じく図4に示すようにn、Iを含む平面と垂
直方向のベクトルmを求める。すなわち、 m=I×n=(n×v/|n×v|)×n=(v−n・c
os)/sinθ 最後に、図5に示すように姿勢方向ベクトルaを求め
る。 a=n・cosε+m・sinε=(sinε/sin
θ)v+(cosε−sinε・cosθ/sinθ)
【0022】
【実施例2】図9はこの発明の金型みがき装置の一実施
例を示す概略ブロック図である。この金型みがき装置
は、教示により金型の形状データが記憶されている金型
形状データ記憶部41と、みがき部材を所定のみがき動
作パターンで動作させるためのパターンを算出するみが
き動作パターン算出部42と、みがこうとする金型表面
の法線ベクトルとみがき部材保持軸の方向ベクトルとか
ら当接角度θを算出する当接角度算出部43と、算出さ
れた当接角度θと最大傾き角度εの大小を比較する大き
さ判別部44と、当接角度θが最大傾き角度εよりも大
きくないと判別したことに応答してみがき部材保持軸を
鉛直軸と常に平行となるようにロボットコントローラ1
6に制御信号を送る第1制御部45と、当接角度θが最
大傾き角度εよりも大きいと判別したことに応答してみ
がき部材保持軸を金型表面の法線に対して最大傾き角度
εになるようにロボットコントローラ16に制御信号を
送る第2制御部46とを有している。
【0023】上記構成の金型みがき装置によれば、当接
角度θが最大傾き角度εよりも大きいか否かによって、
みがき部材のみがき方を変えることにより、みがき部材
保持軸の制御が簡単であるという姿勢固定みがきの利点
を生かしつつ、みがき品質を低下させることなく、みが
ける範囲を拡げることができる。
【0024】
【実施例3】図10はこの発明の金型みがき方法の他の
実施例を説明するためのフローチャートである。この金
型みがき方法においては、図7に示すように、みがき部
材11を産業用ロボット装置のアームの手先部にあるみ
がき部材保持軸12に傾き可能に保持してみがき作業を
行なう金型みがき装置に適用される。まず、ステップS
P1において金型50(図11参照)の固定平面と直交
する鉛直軸51(図11参照)とみがき部材保持軸12
(図11参照)とのなす角度である姿勢角度φ(図11
参照)を算出し、ステップSP2において算出された姿
勢角度φが所定設定角度α(図11参照)よりも大きい
か否かを判別し、大きくないと判別された場合はステッ
プSP3においてみがき部材が金型表面に対して常に垂
直に当接するようにみがき部材保持軸を制御してみがき
作業を行ない、ステップSP2において大きいと判別さ
れた場合はみがき部材保持軸を鉛直軸に対して所定設定
角度αに固定してみがき作業を行なう。そして、ステッ
プSP3あるいはステップSP4の処理が終了した場合
はステップSP5において金型のみがき対象面をみがく
ことが全て終了したか否かを判別し、終了していないと
判別された場合はステップSP1の処理を再び行なう。
そしてステップSP5においてみがき対象面をみがくこ
とが全て終了したと判別された場合は一連の処理を終了
する。
【0025】図11はこの実施例の金型みがき方法をさ
らに説明するための概略図である。この金型みがき方法
では、みがき部材11が鉛直軸51に対して傾く角度で
ある所定設定角度α内においてみがき部材11を傾ける
ことにより、みがき部材11が金型50の表面と垂直に
当接することができる範囲(図11においてS3の領
域)においては、みがき部材11を金型表面に対して垂
直状態で当接させてみがき作業を行なう。また、みがき
部材11を所定設定角度α以上、鉛直軸51から傾けな
いと垂直状態で当接することができない金型表面(図1
1においてS4の領域)は、鉛直軸51に対して所定設
定角度αを保持したままでみがき作業を行なうようにす
る。
【0026】この金型みがき方法であれば、鉛直軸51
に対するみがき部材11の傾きの最大角度が所定設定角
度αに制限されるのであるから、金型表面に対して垂直
で当接するみがき状態を得るために、ロボットアームが
金型50から大きく逸脱することがなくなり、金型50
の近くにある障害物と干渉する恐れを低減することがで
きる。さらに、みがき部材保持軸12の姿勢の動きが一
定範囲内に制限されるので、軌跡精度が極端に悪化する
こともなくなる。
【0027】なお、この金型みがき方法においては、所
定設定角度αをみがき部材11が鉛直軸51に対して傾
くことのできる最大傾き角度に設定すれば、金型表面に
対して垂直でみがける範囲を最も広くすることができる
とともに、所定設定角度α以上、みがき部材11を鉛直
軸51から傾けないと垂直状態で当接することができな
い金型表面(図11においてS4の領域)もみがくこと
ができるのであるから、従来の面直みがき方法に比べて
みがき範囲を拡大することができる。
【0028】
【実施例4】図12はこの発明の金型みがき装置の他の
実施例を示す概略ブロック図である。この金型みがき装
置は、教示により金型の形状データが記憶されている金
型形状データ記憶部61と、みがき部材を所定のみがき
動作パターンで動作させるためのパターンを算出するみ
がき動作パターン算出部62と、鉛直軸とみがき部材保
持軸とのなす角度である姿勢角度φを算出する姿勢角度
算出部63と、算出された姿勢角度φが所定設定角度α
よりも大きいか否かを判別する大きさ判別部64と、姿
勢角度φが所定設定角度αよりも大きくないと判別した
ことに応答してみがき部材を金型表面に対して常に垂直
に当接するようにロボットコントローラ16に制御信号
を送る第1制御部65と、姿勢角度φが所定設定角度α
よりも大きいと判別したことに応答してみがき部材保持
軸を鉛直軸に対して所定設定角度αに固定するようにロ
ボットコントローラ16に制御信号を送る第2制御部6
6とを有している。
【0029】上記構成の金型みがき装置によれば、姿勢
角度φが所定設定角度αよりも大きいか否かによって、
みがき部材のみがき方を変えることにより、高いみがき
品質が得られるという面直みがき方法の利点を金型の大
部分の領域で生かしつつ、干渉の恐れを低減させるとと
もに、みがき部材の軌跡精度が大幅に低下する危険性を
なくすることができる。
【0030】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明は、金型
の大部分を鉛直軸に対して姿勢固定でみがくことができ
るとともに、みがき品質を低下させることなく、みがけ
る範囲を拡大することができるという特有の効果を奏す
る。請求項2の発明も、金型の大部分を鉛直軸に対して
姿勢固定でみがくことができるとともに、みがき品質を
低下させることなく、みがける範囲を拡大することがで
きるという特有の効果を奏する。
【0031】請求項3の発明は、表面形状の変化の大き
い金型でも金型の大部分を面直の状態でみがくことによ
り、高いみがき品質を得ることができるとともに、みが
き部材の軌跡精度を安定させることができ、さらに金型
近くの障害物との干渉の恐れを低減させることができる
という特有の効果を奏する。請求項4の発明も、表面形
状の変化の大きい金型でも金型の大部分を面直の状態で
みがくことにより、高いみがき品質を得ることができる
とともに、みがき部材の軌跡精度を安定させることがで
き、さらに金型近くの障害物との干渉の恐れを低減させ
ることができるという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の金型みがき方法の一実施例を説明す
るためのフローチャートである。
【図2】図1に示す金型みがき方法の一実施例をさらに
説明するための概略図である。
【図3】金型表面における各ベクトルの関係を示す図で
ある。
【図4】各ベクトルの関係を示す図である。
【図5】当接角度が最大傾き角度より大きい場合に、姿
勢方向ベクトルを算出するための関係図である。
【図6】この発明の金型みがき方法を実施するための金
型みがきロボットの一例を示す概略図である。
【図7】金型みがきロボットの手先部に装着されるみが
き工具の構成を示す図である。
【図8】金型みがき装置の構成の一例を示す概略ブロッ
ク図である。
【図9】この発明の金型みがき装置の一実施例を示す概
略ブロック図である。
【図10】この発明の金型みがき方法の他の実施例を説
明するためのフローチャートである。
【図11】図10に示す金型みがき方法をさらに説明す
るための概略図である。
【図12】この発明の金型みがき装置の他の実施例を示
す概略ブロック図である。
【符号の説明】 11 みがき部材 12 みがき部材保持軸 15 産業用ロボット本体 32 鉛直軸 43 当接角度算出部 44 大きさ判別部 45 第1制御部 46 第2制御部 51 鉛直軸 63 姿勢角度算出部 64 大きさ判別部 65 第1制御部 66 第2制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 13/00 B24B 17/10 B24B 27/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥石等のみがき部材(11)をロボット
    装置のアームの手先部にあるみがき部材保持軸(12)
    に対して最大傾き角度(ε)内において傾き可能に保持
    してみがき作業を行なう金型みがき装置において、みが
    き部材保持軸(12)と金型表面の法線とのなす角度で
    ある当接角度(θ)を算出し、当接角度(θ)が最大傾
    き角度(ε)よりも大きいか否かを判別し、大きくない
    と判別された場合はみがき部材保持軸(12)を鉛直軸
    (32)と所定角度になるように制御してみがき作業を
    行ない、大きいと判別された場合はみがき部材保持軸
    (12)を金型表面の法線に対して最大傾き角度(ε)
    になるように制御してみがき作業を行なうことを特徴と
    する金型みがき方法。
  2. 【請求項2】 砥石等のみがき部材(11)をアームの
    手先部にあるみがき部材保持軸(12)に対して最大傾
    き角度(ε)内において傾き可能に保持してみがき作業
    を行なうロボット装置(15)と、みがき部材保持軸
    (12)と金型表面の法線とのなす角度である当接角度
    (θ)を算出する当接角度算出手段(43)と、当接角
    度(θ)が最大傾き角度(ε)よりも大きいか否かを判
    別する大きさ判別手段(44)と、当接角度(θ)が最
    大傾き角度(ε)よりも大きくないと大きさ判別手段
    (44)が判別したことに応答してみがき部材保持軸
    (12)を鉛直軸(32)と所定角度になるように制御
    してみがき作業を行なう第1の制御手段(45)と、当
    接角度(θ)が最大傾き角度(ε)よりも大きいと大き
    さ判別手段(44)が判別したことに応答してみがき部
    材保持軸(12)を金型表面の法線に対して最大傾き角
    度(ε)になるように制御してみがき作業を行なう第2
    の制御手段(46)とを有することを特徴とする金型み
    がき装置。
  3. 【請求項3】 砥石等のみがき部材(11)をロボット
    装置のアームの手先部にあるみがき部材保持軸(12)
    に対して傾き可能に保持してみがき作業を行なう金型み
    がき装置において、鉛直軸(51)とみがき部材保持軸
    (12)とのなす角度である姿勢角度(φ)を算出し、
    姿勢角度(φ)が所定設定角度(α)よりも大きいか否
    かを判別し、大きくないと判別された場合はみがき部材
    (11)が金型表面に対して垂直に当接するようにみが
    き工具保持軸(12)を制御してみがき作業を行ない、
    大きいと判別された場合はみがき部材保持軸(12)を
    鉛直軸(51)に対して所定設定角度(α)に固定して
    みがき作業を行なうことを特徴とする金型みがき方法。
  4. 【請求項4】 砥石等のみがき部材(11)をアームの
    手先部にあるみがき部材保持軸(12)に対して傾き可
    能に保持してみがき作業を行なうロボット装置(15)
    と、鉛直軸(51)とみがき部材保持軸(12)とのな
    す角度である姿勢角度(φ)を算出する姿勢角度算出手
    段(63)と、姿勢角度(φ)が所定設定角度(α)よ
    りも大きいか否かを判別する大きさ判別手段(64)
    と、姿勢角度(φ)が所定設定角度(α)よりも大きく
    ないと大きさ判別手段(64)が判別したことに応答し
    てみがき部材(11)を金型表面に対して垂直に当接す
    るようにみがき部材保持軸(12)を制御してみがき作
    業を行なう第1の制御手段(65)と、姿勢角度(φ)
    が所定設定角度(α)よりも大きいと大きさ判別手段
    (64)が判別したことに応答してみがき部材保持軸
    (12)を鉛直軸(51)に対して所定設定角度(α)
    に固定してみがき作業を行なう第2の制御手段(66)
    とを有することを特徴とする金型みがき装置。
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