JP3459613B2 - シート状多層積層体の製造方法 - Google Patents

シート状多層積層体の製造方法

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JP3459613B2
JP3459613B2 JP2000141341A JP2000141341A JP3459613B2 JP 3459613 B2 JP3459613 B2 JP 3459613B2 JP 2000141341 A JP2000141341 A JP 2000141341A JP 2000141341 A JP2000141341 A JP 2000141341A JP 3459613 B2 JP3459613 B2 JP 3459613B2
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征夫 神田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器部品
用などの積層構造機能性材料などとして使用することが
できる、複数のシートを積層してなるシート状積層体の
製造方法に関するものである。
【従来の技術】コンピュータ、プリンター、電子カメ
ラ、ビデオレコーダー、携帯用通信機等の各種電子機器
部品として広く使用されている積層構造機能性材料は、
積層構造体とするために用いる接着層の強度によって性
能が大きく左右されてきた。
【0002】積層構造体における接着層の強度が弱いと
電子機器部品の性能が十分に発揮されなかったり、経時
的な劣化が発生し機器の故障が生じることがあった。こ
れらの電子機器は総じて高度な品質性能信頼性が求めら
れており、積層構造体の材料間の強度低下や層間剥離が
あってはならない。積層間の接着強度や接着強度の安定
性は、接着剤そのものの組成だけに依存するのではなく
て、接着されるべきシート材料の物理的、化学的な表面
状態や汚れの状態に大きく影響を受けるが、又、接着剤
と被着体との間や接着剤中に存在する空気やガスなどの
気体や水などによっても大きく影響を受ける。ここで、
接着されるべきシート材料の物理的及び化学的な表面状
態や汚れは、シート材料の前処理により対応可能である
が、接着剤と被着体との間や接着剤中に存在する空気や
ガスなどの気体や水などを工業的に除去するのは非常に
困難である。一方、ラミネートシートの製造方法として
は、例えば、特公平2-26581号公報には、2枚の
アルミニウム合金シートの間に、芳香族ポリアミドを基
材とする繊維を120℃まで加熱したときに硬化するこ
とができる型の接着剤を入れ、可動性支持体上に重ね、
オートクレーブに入れ、6バールの空気圧下、温度を1
20℃に上昇させ、30分間加熱して、ラミネートを製
造することがきさいされている(第7欄14行〜第8欄
8行)。又、特開昭63-182149号公報には、積
層シートをオートクレーブひ入れる場合、積層シートの
箔面を他の箔貼り合わせ金属板に接触させないように注
意して積層することのみを考えればよいことが記載され
(第3頁左下欄)、ラミネートの両端のみを支えられる
ラックを作成し、このラックに1.5mmの空間をあけ
て、2.5mmごとに1枚の銅張板を差し込んで、計20
0枚のラミネートを収容して、このラックをオートクレ
ーブにいれ、圧力7kg/cm3まで10分間で上げ、そ
の後20分間で常温より200℃まであげ、そんまま1
0分間保持し、その後20分間かけて冷却することがか
開示されている。これらの方法では、接着層に発生した
気体、特に気泡形状空隙(以下、気泡という)の発生や
大きさを効率的に制御することが困難である上、支持体
や特殊なラックなどが必要で、長いラミネートを広い場
所を取らずに処理することが困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、層間接着力
に優れたシート状多層積層体を工業的に極めて効率的に
製造することができるシート状積層材料の製造方法を提
供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも1
層のシート材料を接着剤を介して基材シート上に積層し
てシート状多層積層体を調製した後、該多層積層体を芯
部材に特定の巻き数となるように巻きつけ、気体による
加圧条件下で12時間以上加熱すると、接着層における
気体による空間の発生、特に、気泡の発生や大きさを効
率的に制御でき、層間接着力に優れたシート状多層積層
体を製造することができるとの知見に基づいてなされた
のである。
【0004】すなわち、本発明は、接着剤を介して金属
箔上に金属箔を積層してなるシート状多層積層体を、芯
部材にロ−ル状に巻かれた状態で、気体による加圧条件
下、シート状多層積層体を構成するシート部材の溶融点
未満の温度で24時間以上加熱することを特徴とするシ
ート状多層積層体の製造方法を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で対象とするシート状多層
積層体は、折り曲げ可能で物理的な力により比較的容易
に変形するフレキシブルなシート状多層積層体を意味す
る。このシート状多層積層体は、基材シート上に、同種
類あるいは異種材料に拘わらず少なくとも1層のシート
材料を接着剤を介して積層してなるものであり、具体的
には、2層構造体、3層層構造体又は4層以上の構造体
である。第1のシート部材である基材シートとしては、
金属シートがあげられ特に、厚さが1mm以下のものが
好ましく、より好ましくは500μm以下である。ここ
で、金属シートとしては、金属箔が好ましく、例えば、
銅箔、アルミ箔、亜鉛箔、錫箔、鉄箔、ニッケル箔、鉛
箔の他にステンレス箔等のアロイ物やメッキ処理、酸化
処理等を施した箔、さらには各種金属合金による箔など
があげられる。
【0006】1のシート部材である基材シートの上に
接着剤を介して積層される第2のシート部材や第3のシ
ート部材、又はそれ以上のシート部材としては、上記金
属シートがあげられる。
【0007】発明のシート状多層積層体の厚みは、任
意とすることができるが、3mm以下であるのが好まし
く、より好ましくは2mm以下である。
【0008】本発明に用いられる接着剤としては、アク
リル系、ゴム系、シリコン系、ポリエステル系やポリウ
レタン系等の感圧型接着剤(以下、粘着剤と略称する)
があげられる。アクリル系粘着剤としては、ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、イソノニル(メタ)アクリレート、オクチル
(メタ)アクリレ−ト、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アク
リレート類、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフリル(メ
タ)アクリレ−ト等のアクリル(メタ)アクリレートの
アルキル基が芳香族基、脂環族基、複素環族基若しくは
ハロゲン原子で置換されたされたアクリレート類、酢酸
ビニル、ビニルエーテル、スチレン、アクリロニトリル
等のアクリロイル基を有する物に官能基として、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、N−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシアク
リレート類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の
アクリルカルボン酸類、アクリルアミド、メタクリルア
ミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキ
シメチル(メタ)アミド、N−エトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリル
アミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−
tert−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリ
ルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミ
ド類、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル
アクリレート類など、一般にアクリルポリマーの合成に
用いられるモノマーを用い合成された単一重合体若しく
は共重合体であり、化合物の重合方法若しくは分子量に
は特に制限は無い。
【0009】また、上記の化合物を粘着主剤とし任意に
タッキファイヤーを用いることも可能であり、タッキフ
ァイヤーの代表例として、ロジン系樹脂では、ガムロジ
ン、トール油ロジン、ウッドロジン等の天然ロジン、水
添ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジン等の変性ロジ
ン、ロジングリセリンエステル、水添ロジングリセリン
エステル、重合ロジングリセリンエステル、重合ロジン
ペンタエリスリトールエステル等のロジンエステル類、
またテルペン系樹脂としては、α−ピネン、β−ピネ
ン、ジペンテン、リモネン類等、またテルペンフェノー
ル、芳香族変性ポリテルペン、脂肪族変性ポリテルペ
ン、水添ポリテルペン等のテルペンフェノール系樹脂、
芳香族炭化水素変性テルペン樹脂も使用できる。また、
合成樹脂としては脂肪属系、脂環族系、芳香族系等の石
油系樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン樹脂、キシ
レン樹脂、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂
等用いることが出来る。
【0010】粘着剤については架橋剤を添加して架橋す
ることもできる。イソシアネート系架橋剤としては、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネ
ート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
m−キシレンンジイソシアネート、p−キシレンジイソ
シアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、
水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水
添トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート類、
あるいはこれとグリコール類、ジアミン類との両末端イ
ソシアネートアダクト類、またはこれらイソシアネート
の2量体、3量体、多量体、トリフェニルメタントリイ
ソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネー
ト等の3官能イソシアネートも用いることも可能であ
る。また、その他架橋剤としてメラミン系樹脂、エポキ
シ系樹脂、金属キレート、アジリジン系樹脂、オキサゾ
リン系樹脂等が挙げられ、またこれら架橋剤は架橋反応
の機能があれば、種類や配合物も使用でき、添加量につ
いても特に制限はない。
【0011】さらに、ゴム系粘着剤としては、天然ゴム
(NR)、スチレン/ブタジエン共重合ゴム(SB
R)、さらにはポリイソプロピレン(PIB)、イソブ
チレン/イソプレン共重合ゴム(ブチルゴム:II
R)、熱可塑性ゴム(スチレン/イソプレン/スチレン
ブロックコポリマー、SISまたはスチレン/ブタジエ
ン/スチレンブロックコポリマー、SBSまたはスチレ
ン/エチレン/ブタジエン/スチレン:SEBS)など
があげられる。また、クロロプレンゴム(CR)、ブタ
ジエン/アクリロニトリル共重合ゴム(NBR)、及び
ポリブタジエン(BR)などがあげられる。また更に
は、これらを素練り、混合、粉体混合、加硫、助剤添加
することも可能であり、アクリル系粘着剤に示したタッ
キファイヤーも任意に添加できる。ポリエステル系、ウ
レタン系、シリコン系等の粘着剤についてはアクリル系
と同様の配合や処理が可能であり、感圧型粘着剤として
機能があれば広く使用できる。
【0012】又、接着剤として熱硬化性接着剤を用いる
ことができ、これらは、フェノール、レゾルシノール、
尿素、メラミン、ベンゾグアナミン、フラン、キシレン
等のホルムアルデヒド系樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、ポリジアリルフタレート又はこの縮合
体、ビスマレイミド、トリアジン、ビスマレイミドトリ
アジン等であり、一般的に熱硬化性樹脂として分類され
るものであれば特に制限なく用いることができる。さら
には本発明における接着剤として用いることが出来る熱
可塑性樹脂の代表例は、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルア
クリレ−ト、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルブチラール、メチルシアノアクリレート、ポリ
スルフォン、ポリイミド、ポリベンゾイミダゾ−ル、ナ
イロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、ポリウレタン、エチレンビニルアセテート、セルロ
ース等があり、一般的に熱可塑性樹脂として分類される
物であれば特に制限なく用いることができる。
【0013】ゴム系接着剤の代表例としては、ゴム系粘
着剤の組成と同じくして一般的にゴム系接着剤として分
類される物であれば特に制限なく用いることができる。
以上本発明に適用される代表的な接着剤を記述したが、
所定の多層積層体の要求特性によって決定するべきもの
であり、接着剤の組成を限定するものではないが、強い
て言えば組成物の混合物や共重合体、ブロック体、グラ
フト体も用いることができ、架橋剤、粉体混合、助剤を
添加したもの等も用いることが出来る。
【0014】上記接着剤のうち、本発明では、熱可塑性
と熱硬化性混合の接着剤に任意量架橋剤を添加したもの
を用いるのがさらに好ましい。本発明では、上記接着剤
を、基材シート上や、その上の少なくとも1層のシート
材料の上に、任意の厚みに施すことができるが、厚みは
所定の積層体の要求特性によって、決定されるべきもの
であるが500μm以下となるようにするのが好まし
く、より好ましくは100μm以下である。接着剤は、
常法により、基材シート上や、その上の少なくとも1層
のシート材料の上に施すことできるが、少量生産の場
合、マイヤ−バ−、アプリケ−タ−、シルクスクリ−ン
にて枚葉製造も可能であるが、好ましくはコンマ、リバ
−ス、ダイレクトグラビア、マイクログラビア、ダイ、
エアナイフ、バ−、ビ−ド、カ−テン、スプレ−、ブレ
−ド等の各種コ−ティング方法により施すのがよい。本
発明では、先ず、基材シート上に接着剤を施した後、そ
の上に第2のシートを積層し、次いで所望により、さら
に第2のシート上に接着剤を施し、その上に第3のシー
トを積層するといった具合に順次積層操作を繰り返し
て、所望の層構成を有するシート状多層積層体を製造す
ることができる。尚、本発明のシート状多層積層体の幅
や長さは任意とすることができる。
【0015】上記積層工程は、室温で行うことができる
が、300℃以上といった高い温度で行うことも可能で
ある。尚、積層工程において溶媒蒸発型の接着剤を用い
る場合には、接着剤を塗布した後、その上にシート部材
を乗せて積層する前に、溶媒を蒸発除去するのがよい。
加熱は熱風加熱等の常法により行うことができる。又、
接着剤層の上に、シート部材を乗せて積層する場合に
は、シート部材に圧力を加えて積層するのがよく、更に
は加熱しながら圧力を加えて積層するのが好ましい。本
発明での特徴は、上記製造工程で得た多層積層体をさら
に加圧の条件下で加熱作用を施すことであるここで、加
圧の要件は、気体による多層積層体への加圧であり、加
熱の要件は、30℃以上で且つ多層積層体を構成するシ
ート部材の溶融点未満の温度での加熱であることを特徴
とする。この際、多層積層体全体を加圧及び加熱するの
が好ましい。具体的には、多層積層体を密閉容器、好ま
しくはオートクレーブに収容し、加圧・加熱するのがよ
い。この際、シート状多層積層体を、心材、例えば、断
面が直径70〜200mm程度の円形の円柱や円筒形の
ものに、巻数150以上、好ましくは、250巻以上、
より好ましくは300巻以上、一方、4000巻以下が
好ましく、さらに好ましくは2000巻以下、特に好ま
しくは300〜2000巻でロ−ル状に巻いた状態でオ
ートクレーブに収容するのがさらに好ましい。この際、
支柱を用いてシート状多層積層体を巻きつけた心材の両
端を上方に支え、シート状多層積層体の最下部がオート
クレーブの底面に接触しない様にするのがよい。さら
に、心材を、オートクレーブ中で、心材に巻いたシート
状多層積層体と共に、回転させることがより好ましい。
【0016】加圧は、シート状多層積層体が芯部材に巻
き数150回以上でロ−ル状に巻かれた状態で行う。加
熱温度の条件は、シート状多層積層体を構成するシート
部材の溶融点未満の温度であり、接着剤が硬化する範囲
の温度である。好ましくは100℃以下、特に好ましく
は、40〜60℃である。又、加圧加熱時間は、24時
間以上、特に好ましくは、3〜10日である。
【0017】
【発明の効果】本発明の方法によると、多層積層体の接
着剤層中の気泡の大きさを制御・抑制することが可能と
なり、各種電子機器部品に要求される均質な接着力が必
要になる高精度・高信頼性材料として有用な多層積層体
を製造することができる。また、気泡の大きさを制御す
ることで均一・微細化が可能となったため、製品の接着
力向上、更には接着力の不均一性が少なくなり、特にロ
−ル状に巻きつけてあるので、使用空間を少なくでき、
生産性を向上させることができる。そしてまた、接着剤
設計においても化学反応により副生物が生成する系につ
いての気泡制御が可能となり、設計範囲が広がりより用
途に見合った接着剤設計が可能となった。次に実施例に
より本発明を説明する。
【0018】
【実施例】実施例1 表−1に示す組成の接着剤イを、電解銅箔(a)〔厚さ
35μm、幅210mm、長さ297m〕にアプリケータ
ーを用い接着剤層が均一になるように塗布して接着剤層
(b)を成形した(塗布厚み20μm)。接着剤塗布
後、希釈溶媒分の乾燥を行うために120℃×20秒の
熱乾燥を行い、その後ラミネートロールにて電解銅箔
(a)と同様の電解銅箔(c)をその上に乗せラミネー
トを行い、図1に示す2層構造の積層体を製造した。こ
の積層体を直径200mmの円筒に巻付け(巻き数41
0)、オートクレーブに入れ、温度50℃、強制圧力1
00KPa(ゲ−ジ圧)の条件で7日間加圧・加熱処理
した(この加圧・加熱処理条件を以下、50℃×100
KPa×7日と表す)。この際、支柱を用いてシート状
多層積層体を巻きつけた心材の両端を上方に支え、シー
ト状多層積層体の最下部がオートクレーブの底面に接触
しない様にした。 実施例2 シート(a)及び(c)としてアルミ箔〔A1N30H
−O(JIS−H−4160):厚さ30μm、幅21
0mm、長さ297m〕を用い、接着剤として表−1に示
す接着剤ロを用いて接着層(b)の厚みを3μmにした
以外は、実施例1と同様にして、図1に示す2層構造の
積層体を製造した。加圧・加熱処理条件として45℃×
100KPa×3日を採用した以外は、実施例1と同様
にして加圧・加熱処理した。 実施例3 シート(a)及び(c)としてSUS箔(SUS30
4:厚さ50μm、幅210mm、長さ297m)を用
い、接着剤として接着剤イを用いて接着剤層(b)の厚
みを5μmにした以外は、実施例1と同様にして、図1
に示す2層構造の積層体を製造した。加圧・加熱処理条
件として50℃×100KPa×10日を採用した以外
は、実施例1と同様にして加圧・加熱処理した。
【0019】
【表1】 表−1 処方 組成 固形分 配合量(重量部) 接着剤イ ポリエステル− エポキシ系主剤 51.0% 100.0 トリレンシ゛イソシアネ-ト トリメチロ-ルフ゜ロハ゜ンアタ゛クト 75.0% 10.0 酢酸エチル − 110.0 接着剤ロ ポリエステル系主剤 30.0% 100.0 トリレンシ゛イソシアネ-ト トリメチロ-ルフ゜ロハ゜ンアタ゛クト 75.0% 6.0 酢酸エチル − 71.6
【0020】実施例4 表−1に示す組成の接着剤イを、電解銅箔(a)〔厚さ
35μm、幅210mm、長さ297m〕にアプリケータ
ーを用い接着剤層が均一になるように塗布して接着剤層
(b)を成形した(塗布厚み20μm)。接着剤塗布
後、希釈溶媒分の乾燥を行うために120℃×20秒の
熱乾燥を行い、その後ラミネートロールにてPETフィ
ルム(c)(東レ株式会社製ルミラ−#25S10:厚
さ25μm、幅210mm、長さ297m)をその上に乗
せラミネートした。その上に、さらに接着剤イをアプリ
ケーターを用い接着剤層が均一になるように塗布して接
着剤層(d)を成形した(塗布厚み20μm)。接着剤
塗布後、希釈溶媒分の乾燥を行うために120℃×20
秒の熱乾燥を行い、その後ラミネートロールにて、電解
銅箔(a)と同様の電解銅箔(e)をその上に乗せラミ
ネートを行い、図2に示す3層構造の積層体を製造し
た。この積層体を直径200mmの円筒に巻付け(巻き
数384)、オートクレーブに入れ、温度50℃、強制
圧力100KPa(ゲ−ジ圧)の条件で7日間加圧・加
熱処理した。
【0021】実施例5 シート(a)及び(e)としてアルミ箔〔A1N30H
−O(JIS−H−4160):厚さ30μm、幅21
0mm、長さ297m〕を用い、接着剤として表−1に示
す接着剤ロを用いて接着層(b)と(d)の厚みを3μ
mにした以外は、実施例4と同様にして、図2に示す3
層構造の積層体を製造した(巻き数400)。加圧・加
熱処理条件として50℃×50KPa×4日を採用した
以外は、実施例4と同様にして加圧・加熱処理した。 実施例6 シート(a)及び(e)としてSUS箔(SUS30
4:厚さ50μm、幅210mm、長さ297m)を用
い、シート(c)としてPPSフィルムを(東レ株式会
社製トレリナ1000#9両面コロナ 放電処理品:厚さ9
μm、幅210mm、長さ297m)、接着剤として接着
剤イを用いて接着剤層(b)と(d)の厚みを5μmに
した以外は、実施例4と同様にして、図2に示す3層構
造の積層体を製造した(巻き数385)。加圧・加熱処
理条件として50℃×100KPa×10日を採用した
以外は、実施例4と同様にして加圧・加熱処理した。 比較例1〜6 実施例1〜6における加圧・加熱処理条件を採用せず、
その代わりに常温・常圧に変更したものを、それぞれ比
較例1〜6とした。
【0022】
【表2】 表−2 材 料 (a) (c) (e) 材料種 厚み 材料種 厚み 材料種 厚み (μm) (μm) (μm) 実施例1 電解Cu箔 35 電解Cu箔 35 − − 比較例1 実施例2 A1N30H-O 30 A1N30H-O 30 − −比較例2 (アルミ箔) (アルミ箔) 実施例3 SUS304 50 SUS304 50 − − 比較例3 (SUS 箔) (SUS 箔) 実施例4 電解Cu箔 35 PETフィルム 25 電解Cu箔 35比較例4 実施例5 A1N30H-O 30 PETフィルム 25 A1N30H-O 30比較例5 (アルミ箔) (アルミ箔) 実施例6 SUS304 50 PPSフィルム 9 SUS304 50 比較例6 (SUS 箔) (SUS 箔)
【0023】このようにして加圧・加熱工程を経て製造
した多層構造体の物性を次の方法で測定した。接着力 JIS K 6854浮動ロ−ラ−剥離試験に基づき測
定を行った。尚、実施例4〜6と比較例4〜6について
は、シ−ト(a)/シ−ト(e)のそれぞれの引き剥が
し時の測定結果を示した。最大気泡径 光学顕微鏡を用い試験片サイズ130mm×130mm
中の最大気泡を確認し、その気泡の直径を測定した。結
果をまとめて表−3に示す。
【0024】
【表3】 表−3 実施例 最大気泡径(μm) 接着力(g/10mm) ラミネート直後 加圧・加熱後 実施例1 40 5以下 900 比較例1 40 1000以上 750 実施例2 60 5以下 600 比較例2 60 1000以上 450 実施例3 30 5以下 1450 比較例3 30 500以上 1350 実施例4 40 5以下 850/800 比較例4 40 10000以上 700/680 実施例5 60 5以下 550/530 比較例5 60 5000以上 420/430 実施例6 30 5以下 450/430 比較例6 30 5000以上 370/350
【0025】表−3の結果から明らかなように、多層積
層体を製造後、大気圧下に放置しておいた場合では(比
較例)、多層積層体の接着剤層中の最大気泡径は10000
μm以上であるが、本発明により加圧・加熱工程を施す
と(実施例)、最大気泡径が5μm以下と小さくなり、
高い気泡抑制効果が確認できた。そして、比較例と実施
例との比較から明白なように、接着剤層中の最大気泡径
が小さい場合には、接着力が高くなっていることがわか
る。 実施例7 表−1に示す組成の接着剤イを、SUS箔(a)〔SU
S304、厚さ80μm、幅145mm、長さ50m〕に
グラビアロール(斜線板:80線)を用い接着剤層が均
一になるように塗布して接着剤層(b)を成形した(塗
布厚み18〜19μm)。接着剤塗布後、希釈溶媒分の
乾燥を行うために120℃×20秒の熱乾燥を行った。
このようにして得られた接着層を有するSUS箔(a)
を、熱ラミネートロールの直前にて、SUS箔(b)
〔SUS304、厚さ30μm、幅145mm、長さ50
m〕と重ね合わせ、これを熱ラミネートロール(温度5
0℃、圧力0.61MPa)を通過させて、2層構造のラ
ミネートを製造した。上記工程を連続して行い、製造し
た2層の積層体を直径76mmの円筒にロール状に巻き
取った(巻き数170)。これをオートクレーブに入
れ、温度53℃、強制圧力200KPa(ゲ−ジ圧)の
条件で加圧・加熱処理し、3〜168時間の間所定間隔
でサンプリングし、気泡の発生状態を評価した。この
際、支柱を用いてシート状多層積層体を巻きつけた心材
の両端を上方に支え、シート状多層積層体の最下部がオ
ートクレーブの底面に接触しない様にした。 実施例8 オートクレーブ中での強制圧力を500KPa(ゲ−ジ
圧)とした以外は、実施例7と同様にしてシート状多層
積層体を得た。実施例7及び8で得られたシート状多層
積層体のSUS箔(b)側を、常温の塩化第2鉄(濃
度:42°Be)に接触せしめ、SUS箔(b)を完全
に溶解除去し、現われた接着剤層10cm2当りの気泡
の個数を顕微鏡(倍率:50倍)で計測した。結果を表
−4に示した。
【0026】
【表4】 表−4 加熱・加圧時間 1cm2 当たりの気泡の個数(個) (時間) 実施例7 実施例8 3 744 1005 6 170 315 9 108 138 12 19 31 24 6 10 48 0 0 72 0 0 168 0 0
【0027】この結果から、処理時間が12時間を超え
ると気泡の量が激減し、さらに24時間を越えると一層
少なくなることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1〜3で製造した本発明の2層構造の
積層体の断面図を示す。
【図2】 実施例4〜6で製造した本発明の3層構造の
積層体の断面図を示す。図中、(a)、(c)及び
(e)はシート部材、(b)及び(d)は接着剤層nの
力を向上させ且つ接着剤層中の気体の発生及び気泡の形
状を制御するシートを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−23732(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着剤を介して金属箔上に金属箔を
    層してなるシート状多層積層体を、芯部材にロ−ル状に
    巻かれた状態で、気体による加圧条件下、シート状多層
    積層体を構成するシート部材の溶融点未満の温度で24
    時間以上加熱することを特徴とするシート状多層積層体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記した芯部材にロ−ル状に巻かれた
    状態が巻き数150回以上である請求項1記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 気体圧力が40KPa以上で、加熱温
    度が30℃以上で且つ多層積層体を構成するシ−ト材料
    の融点未満である請求項1又は2記載の製造方法。
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