JP3457883B2 - 貯湯タンクの蓋固定構造 - Google Patents

貯湯タンクの蓋固定構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、給茶機等に装備さ
れる貯湯タンクの蓋の固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術】給茶機の基本的な構造は、給茶機本体内
の上部位置に、湯を所定温度に保持して貯溜する貯湯タ
ンクが装備され、この貯湯タンクから引き出された給湯
管が、茶葉を収容する茶漉しの設けられた注出位置に臨
んでいて、給湯管に設けられた電磁弁を開いて所定量の
湯を茶漉しに向けて吐出することで、お茶を注出するよ
うになっている。
【0003】ところで上記した貯湯タンクは、有底の円
筒形をなすタンク本体の上面の開口に蓋を被せた構造と
なっているが、従来、蓋をタンク本体の開口縁に固定す
る構造は、図9に示すものが採用されていた。このもの
は、タンク本体aの開口縁に取付用のフランジbが内向
きに形成される一方、給茶機本体の天板cに、タンク本
体aの上縁部が挿通される窓孔dが開口されていて、タ
ンク本体aは周面に断熱材eが装着されたのち、その上
縁を天板cの窓孔dから突出させた状態で給茶機本体内
に取り付けられ、突出したフランジbに蓋fが当てられ
て複数個所をネジgで止めることで固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構造のものは、蓋
fが給茶機本体の天井面の外から比較的簡単に外せ、タ
ンク本体a内に装備されたフロートスイッチや温度セン
サのメンテナンス等を行う場合に便利である。しかしな
がら、貯湯タンクの蓋fを含む天井部分が外部に露出し
た状態にあるため、断熱性を考慮した場合に必ずしも好
適とは言えなかった。本発明は上記のような事情に基づ
いて完成されたものであって、その目的は、断熱性を十
分に確保しつつ着脱も容易にできるようにした貯湯タン
クの蓋の固定構造を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの手段として、請求項1の発明は、給茶機等の機器本
体内に装備され、上面に開口したタンク本体の前記上面
に蓋を被せてなる貯湯タンクにおいて、前記蓋を固定す
る構造であって、前記タンク本体がブラケットにより前
記機器本体内に取り付けられ、この機器本体の天板が断
熱材を介して前記蓋を前記タンク本体の開口縁に押し付
けることで、前記蓋が固定されている構成としたところ
に特徴を有する。請求項2の発明は、請求項1の発明に
おいて、前記蓋と前記タンク本体との間には、前記蓋の
回転方向の位置決めを行う位置決め手段が設けられてい
るところに特徴を有する。
【0006】
【発明の作用及び効果】<請求項1の発明>蓋が機器本
体の天板により断熱材を介してタンク本体の開口縁に押
し付けられているから、断熱性に優れる。また、天板を
外せばそのまま蓋を外すことができるから、タンク本体
内に設けられたフロートスイッチや温度センサのメンテ
ナンスを行う場合に便利である。
【0007】<請求項2の発明>貯湯タンクでは、上部
側の所定位置に給水口が設けられる一方、フロートスイ
ッチや温度センサが蓋から垂下状に設けられる場合があ
る。そのときフロートスイッチは、給水に伴う波立ちの
影響を回避して水位が正確に検知できるように、給水口
からできるだけ離間した位置に設けることが望ましく、
また、温度センサについても、給水に伴う湯温変化の影
響を回避できるように、同じく給水口から離間した位置
で、特に出湯口に近い個所に設けることが望ましい。そ
の点、本発明では、蓋とタンク本体との間に位置決め手
段が設けられているから、フロートスイッチや温度セン
サを所望個所に正確に位置させて蓋を固定することがで
きる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
ないし図8に基づいて説明する。まず給茶機の全体的な
構造を図1ないし図4により説明する。符号1は給茶機
の本体であって、上部側が前面に張り出した縦長の箱形
に形成され、底面の四隅に設けられた脚2によって支持
されており、張り出した部分の前面の開口に、扉3がヒ
ンジ4を介して開閉可能に装着されている。本体1内に
は、右側の前面から奥面に向けてL形のパネル5が設け
られ、パネル5の内側(右側)が機械室となっていると
ともに、外側の底部に給水カセット7が収容可能とされ
ている。機械室6の奥側の上部には、ヒータを備えて湯
を貯留しておくための貯湯タンク9が配置されており、
上記した給水カセット7からポンプ10(図5参照)を
介して清水が補給されるようになっている。
【0009】パネル5の前面部5Aの上部位置には、茶
葉を貯蔵するキャニスタ11が設けられている。キャニ
スタ11の下部には、茶葉を掬って所定量ずつ落下させ
ることのできる定量ドラム(図示せず)を内蔵した茶葉
供給部13が設けられ、その下端の茶葉供給口14が開
閉可能なシャッタ15で覆われている。貯湯タンク9か
らは、図示しない電磁弁を介設した給湯管16が引き出
されてパネル5の前面部5Aから突出し、その突出端に
シャワー式の給湯口17が取り付けられて、上記の茶葉
供給口14と並んで配設されている。
【0010】パネル5の前面部5Aにおける茶葉供給口
14と給湯口17の下方位置には、茶葉を収容する茶漉
し19がファンネル20に取り付けられて設けられ、軸
21を中心として図3の左側に反転可能とされている。
ファンネル20の下方位置には、湯呑み等の容器Aを載
置する載置台22が取り付けられているとともに、上記
した給水カセット7の前面に茶捨て容器23が設けられ
ている。また、機械室内の手前側の位置には、ファンネ
ル20の反転駆動、茶葉供給部13の定量ドラムの回転
駆動、並びにシャッタ15の開閉駆動を行うための駆動
機構が装備されている。
【0011】そして、扉3の前面に設けられたお茶スイ
ッチ25を操作すると、茶葉の入れられた茶漉し19に
向けて給湯口17から所定量の湯が吐出され、お茶が注
出されて容器Aに入れられる。所定回数(例えば5回)
のお茶の注出が行われると、ファンネル20すなわち茶
漉し19が茶捨て容器23側に反転駆動されて、茶殻が
茶捨て容器23内に廃棄される。続いて茶漉し19が元
位置に復帰する途中において、斜め姿勢で茶葉供給口1
4の直下に停止し、所定量の新たな茶葉が茶漉し19内
に供給される。そののち茶漉し19が元位置に復帰し
て、次のお茶の注出が可能となる。なお、ファンネル2
0の注出口20Aの側方には、貯湯タンク9から引き出
された補助給湯管27が臨んでいて、お湯スイッチ26
を操作すると、補助給湯管27に介設された電磁弁が開
放して、所定量の白湯が容器Aに注がれるようになって
いる。
【0012】続いて、貯湯タンク9の配設部分の構造を
詳細に説明する。貯湯タンク9は、図6に示すように、
有底の円筒形をなすタンク本体31と、その上面の開口
に被せられる円板状の蓋32から構成されている。タン
ク本体31の外周面には断熱材33が巻装されていると
ともに、その外周面に突設されたブラケットを給茶機の
本体1の内壁にネジ止めすることによって、上記のよう
に機械室の奥側の上部に取り付けられるようになってい
る。タンク本体31の内周面の上端側の所定位置には給
水口35が設けられ、ポンプ10を介設した給水管36
により給水カセット7と接続されている(図5参照)。
このタンク本体31の上縁には、外向きのフランジ37
が形成されている。
【0013】蓋32は上記のように円板状に形成され、
その中央部分に円形の凹陥部38が形成されており、蓋
32の外周部39が、タンク本体31のフランジ37に
当接可能となっている。ここで、蓋32の外周縁の所定
位置には、上記した給水口35の外方への突出部分に上
方から嵌まる二股状の位置決め部材41が設けられてい
る。したがって、位置決め部材41を給水口35に嵌め
ることにより蓋32の回転方向の位置決めがなされる。
【0014】蓋32の凹陥部38の下面側には、タンク
本体31内に貯溜された湯の水位を検知するフロートス
イッチ43と、湯の温度を検知する温度センサ44とが
設けられている。フロートスイッチ43は、縦向きの案
内パイプ45にフロート46が昇降自由に嵌装されてい
るとともに、その上端部付近と下端とに設けられたスト
ッパ47の近傍の内部にリードスイッチ(図示せず)が
設けられていて、フロート46の浮き沈みにより、上限
水位と下限水位とが検知されるようになっている。例え
ば上限水位は満水位を示し、下限水位は補給を必要とす
る水位を示すことに利用される。案内パイプ45の上端
からは、各リードスイッチに接続されたリード線48が
引き出されている。
【0015】このフロートスイッチ43の蓋32に対す
る取り付け構造は、図7及び図8のようである。案内パ
イプ45の上端側の外周には取付溝50が周設され、こ
こにCリング等の止め輪51が嵌着可能とされている。
一方、蓋32の凹陥部38の所定位置には、上記した止
め輪51を収容できる収容部52が上方に持ち上がって
形成され、この収容部52の天井面の中心に、案内パイ
プ45が略緊密に挿通される振れ止め筒部53がバーリ
ングにより形成されている。また押さえ板54が設けら
れ、この押さえ板54は、一端に案内パイプ45の外周
を挟み付けるように挿入可能なU溝55が形成されてい
るとともに、他端側には下向きに筒部が形成されて、そ
の内周にネジ孔56が切られている。
【0016】したがって案内パイプ45は、取付溝50
に止め輪51が嵌着されたのち、その上端が蓋32の振
れ止め筒部53に下面側から挿通され、止め輪51が収
容部52の天井に当たったところで挿通が停止される。
そののち、U溝55内に案内パイプ45を挟むようにし
て収容部52の下面側に押さえ板54が側方から挿入さ
れ、凹陥部38に開口された挿通孔58に通したネジ5
9を押さえ板54のネジ孔56に螺合して締め付けるこ
とによって押さえ板54が固定され、これにより、フロ
ートスイッチ43の案内パイプ45は、蓋32の凹陥部
38の下面から垂下状に取り付けられる。
【0017】一方の温度センサ44は、その検知温度に
基づいてヒータの通断電を制御して、貯溜された湯をほ
ぼ一定の温度に保持するために用いられる。その取付構
造については、蓋32の凹陥部38の下面の所定位置
に、細長い取付板61がネジ60で垂下状に取り付けら
れ、その下端に温度センサ44が取り付けられるととも
に、リード線62が取付板61に沿って配線されて、凹
陥部38に形成された開口63からその上方に引き出さ
れている。
【0018】ここで、位置決め部材41を給水口35に
合わせて蓋32をタンク本体31のフランジ37の上に
被せた場合に、フロートスイッチ43と温度センサ44
とは、給水口35を挟んで左右に離れた所に位置し、か
つ、温度センサ44については出湯口35Aにできるだ
け近くなるように、その取付位置が設定されている。こ
れは、フロートスイッチ43については、給水口35か
ら給水された場合の水面の波立ちの影響ができるだけ及
ばないようにして、水位をより正確に検知するためであ
る。また、温度センサ44については、同じく給水され
た場合の湯温変化の影響をできるだけ受けないようにす
るためである。
【0019】また、蓋32の凹陥部38内に収容可能な
断熱材64が設けられている。この断熱材64は、厚肉
の円板状に形成されており、凹陥部38の深さよりも大
きい厚さを有している。この断熱材64には、蓋32に
形成された振れ止め筒部53とその回り部分並びにネジ
59を嵌めて逃がす逃がし孔65が形成されているとと
もに、温度センサ44側のリード線62の挿通孔66
と、ネジ60を嵌めて逃がす逃がし孔67が形成されて
いる。
【0020】本実施形態は上記のような構造であって、
貯湯タンク9の部分の取り付けは以下のようにして行わ
れる。まず、給茶機の本体1の天板70が開放された状
態において、周面に断熱材33を巻装したタンク本体3
1が給茶機の本体1の側壁にネジ止めされて固定され
る。次に蓋32に対して、フロートスイッチ43と温度
センサ44とが既述した要領で取り付けられる。そのの
ち、逃がし孔65に蓋32の振れ止め筒部53等を、ま
た挿通孔66と逃がし孔67をそれぞれ開口63とネジ
60にそれぞれ合わせて、凹陥部38に断熱材64を入
れ、接着により固定する。このとき、フロートスイッチ
43のリード線48と、温度センサ44のリード線62
は、逃がし孔65と挿通孔66を通して、断熱材64の
上面に引き出され、所定方向に向けて流される。このよ
うな蓋32が、外周縁の位置決め部材41を給水口35
に嵌めつつ、タンク本体31のフランジ37の上に当て
られる。最後に、図5に示すように、給茶機の本体1に
天板70を被せて側板71の上縁に対してネジ72で止
めると、断熱材64を介して蓋32の外周部39がタン
ク本体31のフランジ37に押し付けられ、蓋32がタ
ンク本体31の上面の開口を覆って固定された状態とな
る。
【0021】なお、タンク本体31内に配されたフロー
トスイッチ43や温度センサ44のメンテナンスを行う
場合は、ネジ72を緩めて天板70を外し、そのまま蓋
32を持ち上げれば、フロートスイッチ43や温度セン
サ44を一緒に外部に取り出すことができる。
【0022】以上説明したように本実施形態によれば、
蓋32が給茶機の本体1の天板70により断熱材64を
介してタンク本体31のフランジ37に押し付けられて
固定されているから、周面に加えて上面も外部から断熱
され、断熱性に優れたものとなる。また、天板70を外
せばそのまま蓋32を持ち上げて外すことができるか
ら、フロートスイッチ43や温度センサ44のメンテナ
ンスを行う場合に便利である。
【0023】また蓋32には、給水口35に嵌まる位置
決め部材41を設けたから、蓋32を位置決めして被せ
るだけで、フロートスイッチ43や温度センサ44をタ
ンク本体31内の所定位置に配することができる。なお
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る給茶機の斜視図
【図2】 扉を開いた状態の斜視図
【図3】 扉を除去した正面図
【図4】 側板を除去した側面図
【図5】 貯湯タンクの配設部分の断面図
【図6】 貯湯タンクの分解斜視図
【図7】 フロートスイッチの案内パイプの取付構造を
示す分解斜視図
【図8】 その取付部分の断面図
【図9】 従来例の断面図
【符号の説明】
1…給茶機本体 9…貯湯タンク 31…タンク本体
32…蓋 35…給水口 37…フランジ 38…凹陥
部 41…位置決め部材 43…フロートスイッチ 4
4…温度センサ 64…断熱材 70…天板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島 剛史 愛知県豊明市栄町南館3番の16 ホシザ キ電機株式会社内 (72)発明者 広沢 優 愛知県豊明市栄町南館3番の16 ホシザ キ電機株式会社内 (56)参考文献 実開 昭59−172954(JP,U) 実開 昭50−157381(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 31/00 - 31/54 F24H 1/18 F24H 9/00 - 9/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給茶機等の機器本体内に装備され、上面
    に開口したタンク本体の前記上面に蓋を被せてなる貯湯
    タンクにおいて、前記蓋を固定する構造であって、前記タンク本体がブラケットにより前記機器本体内に取
    り付けられ、この 機器本体の天板が断熱材を介して前記
    蓋を前記タンク本体の開口縁に押し付けることで、前記
    蓋が固定されていることを特徴とする貯湯タンクの蓋固
    定構造。
  2. 【請求項2】 前記蓋と前記タンク本体との間には、前
    記蓋の回転方向の位置決めを行う位置決め手段が設けら
    れていることを特徴とする貯湯タンクの蓋固定構造。
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