JP3675694B2 - 貯液タンク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水等の液体を定量貯留することに用いる貯液タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の貯液タンクの一例として、給茶機に装備されてお茶を注出すべく温水を貯留する貯湯タンクが知られている。この貯湯タンクは、供給口から清水が吐出されてタンク本体内に貯留され、タンク本体の水位が上限水位に達したことがフロートスイッチにより検知されると清水の供給が停止されるとともに、温度センサからの信号に基づいて装備されたヒータが入り切りされることによって、所定温度の温水が所定量貯留されるようになっている。
また、上記の上限水位よりも少し上にオーバフロー管が設けられていて、仮にフロートスイッチに故障があって清水の供給が停止されなかったとしても、オーバフローした水がオーバフロー管から排出されることで、タンク本体から水が溢れないような手当が施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、水位が供給口に達した状態で、さらに給水が継続されると、水面が波打つような状態となって、特に供給口と対向した周壁等で部分的に水位が高くなって、水が溢れるおそれがあった。
これを回避するには、タンク本体の周壁の上縁を上に延ばしたり、あるいはオーバフロー管の排水能力を上げるべくその口径を大きくすることが考えられるが、いずれの場合も、貯湯タンクの大型化ひいては給茶機の大型化を招く欠点がある。また、ポンプの能力を落とすことも考えられるが、通常の給水時に時間が掛かり過ぎるという問題があって簡単には対応できず、有効な対策が切望されていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、簡単な構造でもってタンクからの液体の溢れを防止するところにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、タンク本体の周壁の上部位置には液体が吐出される供給口が横向きに設けられる一方、前記タンク本体内にはこのタンク本体内の液位が上限液位に達したことを検知する液位センサが備えられ、この液位センサの検知に基づいて前記液体の供給を停止することで所定量の液体が貯留可能とされているとともに、前記上限液位よりも上の位置にオーバフロー液を流出させるオーバフロー口が設けられた貯液タンクにおいて、前記タンク本体内には、前記供給口から吐出された液体流を当ててその裏側の液位の上昇を抑える突当板が設けられ、かつこの突当板の下端が前記供給口とほぼ同じ高さ位置にある構成としたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記液位センサは、前記タンク本体の上面板から取付部材を介して垂下状に取り付けられており、この取付部材に、前記突当板が一体的に形成されているところに特徴を有する。
【0005】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
例えば液位が上限液位を越えた状態に陥り、供給口から液体が吐出されると、供給口と対向した側等で液位が上昇しやすい。
その点この発明では、供給口から吐出された液体流が突当板に当たることにより、その裏側である供給口と対向した周壁側での液位上昇が抑えられ、もってタンク本体の上縁から液体が溢れることが防止される。
<請求項2の発明>
突当板が、液位センサを取り付けることに用いる取付部材に一体的に形成されているから、設計変更も最小限に抑えられて、コンパクトにかつ安価に製造することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図5に基づいて説明する。この実施形態では、給茶機に装備されてお茶を注出すべく温水を貯留する貯湯タンクを例示している。
この貯湯タンクは、図1に示すように、有底の円筒形をなすタンク本体10と、その上面の開口に被せられる円板状の蓋11から構成されている。タンク本体10の周壁の上端部には、取付筒13が横向きの貫通状に設けられており、この取付筒13にジョイント管14が嵌着されている。
【0007】
ジョイント管14は、外側にオーバフロー管15を、内側に給水管16を配した二重構造となっていて、オーバフロー管15の外周に装着されたシールリング17を介して水密に取り付けられている。給水管16はL字形に形成され、その屈曲部がオーバフロー管15の内底面の一部と一体に結合されている。給水管16の一端の吐出口19は、オーバフロー管15の内側の開口の中心を通ってタンク本体10内に水平姿勢で突出している。他端の接続口20はオーバフロー管15の下面を貫通して下向きに突出しており、この接続口20が、ポンプ21を介設した給水路22により清水の供給源となる給水カセット(図示せず)と接続されている。
オーバフロー管15の外側の開口にはホース24が接続され、このホース24が給水カセットに還流状に接続されている。
【0008】
蓋11の中央部には凹陥部26が形成され、この凹陥部26の下面側に、タンク本体10内に貯溜された温水の水位を検知するフロートスイッチ30が設けられている。このフロートスイッチ30は、縦向きの案内パイプ31にマグネット33の装着されたフロート32が昇降自由に嵌装されているとともに、案内パイプ31の上下2箇所に設けられたストッパ34の近傍の内部にリードスイッチ35U,35Lが設けられていて、フロート32の浮き沈みにより、上限水位と下限水位とが検知されるようになっている。例えば上限水位は満水位を示し、下限水位は補給を必要とする水位を示すことに利用される。案内パイプ31の上端からは、各リードスイッチ35U,35Lに接続されたリード線36が引き出されている。
【0009】
このフロートスイッチ30の蓋11に対する取付構造を、図2と図3も参照して説明する。案内パイプ31の上端側の外周には取付溝38が周設され、ここにCリング等の止め輪39が嵌着可能とされている。一方、蓋11の凹陥部26の所定位置、詳細には、凹陥部26の中心から上記した給水管16の吐出口19の延長線と交差する方向に所定寸法離間した位置に、上記した止め輪39を収容できる収容部41が上方に隆起して形成され、この収容部41の天井面の中心に、案内パイプ31が略緊密に挿通される振れ止め筒部42がバーリングにより形成されている。また、収容部41の奥側(図1の右側)には、上方に突出した筒部43が同じくバーリングにより形成され、その内周にネジ孔44が切られている。
【0010】
一方、取付部材50が装備されている。この取付部材50は、図3に示すように、蓋11の凹陥部26の直径に匹敵する長さ寸法を持ったアングル状をなしていて、水平面が押さえ板51に、垂下面が詳しくは後記する突当板52となっている。押さえ板51の突出縁の一端側には、案内パイプ31の外周を挟み付けるように挿入可能なU溝54が切り込み形成されているとともに、その奥方にネジ55の挿通孔56が開口されている。
【0011】
そして案内パイプ31は、取付溝38に止め輪39が嵌着されたのち、その上端が蓋11の振れ止め筒部42に下面側から挿通され、止め輪39が収容部41の天井に当たったところで挿通が停止される。そののち取付部材50が、図2に示すように、給水管16の突出方向と交差した姿勢で、かつ押さえ板51の突出縁を給水管16側に向けた姿勢で配され、押さえ板51のU溝54が案内パイプ31の外周に嵌められる。そうすると、押さえ板51の挿通孔56と蓋11のネジ孔44とが整合するので、挿通孔56に下面側からネジ55を通してネジ孔44にねじ込むことによって、押さえ板51すなわち取付部材50が固定される。これにより、フロートスイッチ30の案内パイプ31は、蓋11の凹陥部26の下面から垂下状に取り付けられる。
【0012】
このとき、上記した取付部材50に設けられた突当板52は、給水管16の吐出口19の突出方向と交差した向きで蓋11の凹陥部26から所定寸法垂下した状態となる。突当板52の垂下端は、ほぼ給水管16の吐出口19の高さ位置に達している。
なお、タンク本体10の周壁の下端部には、電磁弁の付設された出湯口58が設けられている。またタンク本体10には、ともに図示しないが、湯温を検知するための温度センサと、加熱用のヒータとが装備されている。
【0013】
続いて、本実施形態の作用を説明する。温水を貯留する場合は、ポンプ21が駆動されることで、給水カセットから清水が圧送されて給水管16の吐出口19から吐出され、タンク本体10内に次第に貯留される。水位が上昇して上限水位に達したことがフロートスイッチ30(上側のリードスイッチ35U)で検知されると(図1の鎖線)、ポンプ21が停止されて清水の供給が停止される。それとともにヒータによって加熱され、以降は検知された湯温に基づいてヒータが入り切りされて、所定温度に保持されて待機する。
お茶または白湯の注出スイッチが操作されると、出湯口58から温水が所定量ずつ出湯される。温水の消費により水位が下がって、下限水位に達したことがフロートスイッチ30(下側のリードスイッチ35L)で検知されると、再びポンプ21が駆動されて上限水位まで清水が補給されるとともに、湯温の制御が行われ、以上の動作が繰り返されつつ温水が貯留される。
【0014】
上記のように清水が補給された際、上限水位に達するとポンプ21が停止して補給が停止されるのであるが、例えば上側のリードスイッチ35Uが故障する等、フロートスイッチ30に故障が生じて上限水位に達したことが検知できないと、ポンプ21の停止制御ができず、すなわち清水の補給が継続されることになる。こうした場合のことを考慮し、上限水位よりも少し上の位置にはオーバフロー管15が開口されていて、上記した補給の継続に伴ってオーバフローした清水はオーバフロー管15に流入し、ホース24から給水カセットに還流される。これにより、タンク本体10から清水が溢れることが防止される。
しかるに、水位が給水管16の吐出口19に達する程度に上昇してさらに給水が継続されると、水面が波打つような状態となって、例えば吐出口19と対向した周壁側で水位が高くなり、特に貯湯タンクのコンパクト化を図るべくタンク本体10の周壁の背の高さが抑えられていると、上記の給水管16の吐出口19と対向した周壁の上縁から水が溢れるおそれがある。
【0015】
その点この実施形態では、補給されている清水の水位が上限水位を越えた状態に陥り、給水管16の吐出口19からさらに清水が吐出されたとしても、給水管16の前方には遮るようにして突当板52が配されているから、図4及び図5に示すように、給水管16から吐出された清水の流れが突当板52に当たってせき止められ、水位が最も高くなりやすい突当板52の裏側に位置する周壁部分での水位の上昇が抑えられ、もってタンク本体10の上縁から水が溢れることが防止できる。
【0016】
しかも、タンク本体10の上縁を延ばしたり、オーバフロー管15の口径を大きくしていないから、貯湯タンクがこれまで通り小型にでき、ひいては給茶機全体もコンパクトにまとめることができる。また、給水用のポンプ21の性能も落とす必要がないから、迅速な給水を図ることができる。
さらに突当板52は、フロートスイッチ30を取り付けることに用いる取付部材50に一体的に形成したから、実質的に部品点数の増加を招かず、安価に対応することができる。
【0017】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、押さえ板51の奥縁のみに突当板52が垂下して形成されているが、押さえ板51の短寸側の両側縁からも同様の突当板を垂下して形成してもよい。
こうすると、例えば蓋11が回転方向にずれて取り付けられた場合にも、3面あるうちのいずれかの突当板が給水管16の吐出口19と対向して、清水の流れをせき止める機能を果たすことができる。
(2)本発明は、給茶機に装備された貯湯タンクに限らず、液体を定量貯留する貯液タンク全般に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る貯湯タンクの断面図
【図2】取付部材の配設位置を示す平面図
【図3】フロートスイッチの案内パイプの取付構造を示す分解斜視図
【図4】補給清水がせき止められている状態を示す断面図
【図5】その突当板の正面側から見た部分断面図
【符号の説明】
10…タンク本体
11…蓋
15…オーバフロー管
16…給水管
19…吐出口
21…ポンプ
30…フロートスイッチ
31…案内パイプ
32…フロート
33…マグネット
35U,35L…リードスイッチ
50…取付部材
52…突当板
Claims (2)
- タンク本体の周壁の上部位置には液体が吐出される供給口が横向きに設けられる一方、前記タンク本体内にはこのタンク本体内の液位が上限液位に達したことを検知する液位センサが備えられ、この液位センサの検知に基づいて前記液体の供給を停止することで所定量の液体が貯留可能とされているとともに、前記上限液位よりも上の位置にオーバフロー液を流出させるオーバフロー口が設けられた貯液タンクにおいて、
前記タンク本体内には、前記供給口から吐出された液体流を当ててその裏側の液位の上昇を抑える突当板が設けられ、かつこの突当板の下端が前記供給口とほぼ同じ高さ位置にあることを特徴とする貯液タンク。 - 前記液位センサは、前記タンク本体の上面板から取付部材を介して垂下状に取り付けられており、この取付部材に、前記突当板が一体的に形成されていることを特徴とする請求項1記載の貯液タンク。
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