JP3997877B2 - 電気湯沸かし器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は一般家庭または事務所等で使用される電気湯沸かし器に関し、特に湯沸かし器本体に併設して貯水タンクを備えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電気湯沸かし器としては、湯沸かし容器の下部に貯水タンクを配し、湯沸かし容器内の湯が所定量までに減少したとき、それを検知し、湯沸かし容器と貯水タンクとを連結する給水管を介して貯水タンクの水を湯沸かし容器に自動的に補給していた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−293046号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、貯水タンクが湯沸かし容器の下方にあるため、貯水タンクの出し入れが不便でありまた貯水タンクの水量が少なくなると器体の重心が高くなり不安定になりやすい。そこで、貯水タンクを湯沸かし容器の側面に併設する事が考えられた。しかし、貯水タンクを湯沸かし容器の側面に取り付けるとき貯水タンクの流出口と湯沸かし容器の給水口とを一致させるように注意しなければならないという問題や、貯水タンクに水がないのに湯沸かし容器の水位が低下すると給水ポンプが作動してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、簡単な構成で、取扱いやすく、利便性の良い電気湯沸かし器を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気湯沸かし器は側面に内蔵した湯沸かし容器に給水するための凸部を有する湯沸かし器本体と、給水された水を加熱する加熱手段と、前記湯沸かし器本体の側面に設けられ前記湯沸かし容器に供給する水を貯水する貯水タンクと、前記貯水タンクの水を前記湯沸かし容器に給水する給水路と、前記貯水タンクの水を前記給水路に給水する給水手段と、前記貯水タンクの水の有無を検知する水有無検知手段と、制御手段とを備え、前記水有無検知手段は給水手段の給水ポンプに併設一体として設ける構成とした。この構成により、水有無検知手段の取り付け位置を簡単な構成で安定させることができるとともに、水有無検知手段と給水手段とを一体として取り出すことが出来るため清掃が簡単となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、側面に内蔵した湯沸かし容器に給水するための凸部を有する湯沸かし器本体と、給水された水を加熱する加熱手段と、前記湯沸かし器本体の側面に設 けられ前記湯沸かし容器に供給する水を貯水する貯水タンクと、前記貯水タンクの水を前記湯沸かし容器に給水する給水路と、前記貯水タンクの水を前記給水路に給水する給水手段と、貯水タンクの水の有無を検知する水有無検知手段と、制御手段とを備え、前記水有無検知手段は給水手段の給水ポンプに併設一体として設ける構成としたことにより、水有無検知手段の取り付け位置を簡単な構成で安定させることができるとともに、水有無検知手段と給水手段とを一体として取り出すことが出来るため清掃が簡単となる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0009】
図1は本発明の一実施例における電気湯沸かし器の湯沸かし器本体と貯水タンクとの係合部の要部断面図、図2は同電気湯沸かし器の断面図である。以下、本実施例の構成および動作作用について述べる。図2において、1は湯沸かし容器で、収容している水2を底部に付設した加熱手段である発熱体3により所定温度まで加熱する。所定温度まで加熱された水2は導出手段であるポンプ4によって導出路5を通り導出口6より器体外へ導出される。7は蓋体で湯沸かし容器1の上部開口部を覆っており、蓋体7には湯沸かし容器1内で発生した蒸気を器体外に導く蒸気口8を設けている。9は水位センサで湯沸かし容器1内の水2が満水になっているかどうかを検知する満水検知9a、給水を開始する位置を検知する給水検知9bおよび給水が充分されていないときの空焚きを防止する加熱停止検知9cの3つの検知を発光素子および受光素子を用いて行っている。
【0010】
10は制御部で、湯沸かし容器1内の水2が一定量、本実施例では水位センサ9の給水検知9bまで低下すると信号を発し、湯沸かし容器1に着脱可能に併設した貯水タンク11に設けた給水手段12を作動する。給水手段12は給水ポンプ13と揚水路14とで構成している。給水手段12が作動すると、貯水タンク11に収容されている水2が揚水路14を通り、揚水路出口14aから給水受け部15に注がれ、水受け部15の底部に設けた流出口16の断面積により流量が一定に制限されて給水路17を通り、給水口17aより一定量自動的に追加される。そして、水位センサ9の水位が満水検知9aに到達すると水の補充は中止される。
【0011】
なお、水の補充は上述の方法に限定されるものではなく必要な時間給水ポンプ13を駆動し必要な水量が得られるようにしても良い。また、水受け部15は貯水タンク14の一部として一体形成してもよいし、別部品としても良い。
【0012】
また、水受け部は平面とし水の流れが流出口16を通過する構成としてもよい。
【0013】
また、給水ポンプ13により揚水して流出口16に導くとともに、揚水路14から流出口16に至る途中において、揚水路14で揚水された水を溢水可能とする溢水部を設けたことにより、流出口16にかかる水圧が一定となり、湯沸かし容器1に所定量以上給水されることをなく安定させることが可能になる。この溢水部は揚水路出口14aと給水受け部15との間に大気に開放された空間を設けることにより容易に得られる。この溢水部を設けることにより、貯水タンク11から湯沸かし容器1への給水時に、通常は水位センサ9によって水2が満水検知9aまで給水されたことを検知して給水ポンプ13を停止させるが、水位センサ9が何らかの異常により水位を誤検知したり、制御部10の異常などにより給水ポンプ13が停止しない場合でも、湯沸かし容器1内の水量が給水受け部15以上に達すると、水2は給水受け部15の上端から貯水タンク11内に溢水するため、それ以上湯沸かし容器1へ給水されることはない。
【0014】
また、溢水のさせ方としては給水受け部15の一部に切り欠き部15aを設けこの部分より溢水するようにすると、溢水方向が一定になるとともに、揚水路出口14aと給水受け部15との間に空間を設ける必要はなくなる。
【0015】
以上のような構成により、湯沸かし容器1で湯沸かし・保温を行い、予備タンクである貯水タンク11には今後湯を沸かす水2を貯蔵し、一定量出湯すると貯水タンク11から湯沸かし容器1に水を自動的に補給するので、常に必要量のお湯を確保しやすくなるので利便性がよくなる。
【0016】
また、本実施例では衛生面を考え後述のような構成としている。貯水タンク11内の水は最終的には加熱沸騰させてから使用するとはいえ、貯水タンク11内は清潔である必要がある。そのため、貯水タンク11は定期的に清掃するのが好ましい。本実施例では給水手段12を貯水タンク11内に着脱自在に設ける構成とした。この構成は貯水タンク11と給水手段12とが一箇所または数箇所で嵌合する構成とすれば容易に得られる。この構成により、清掃時は給水手段12を取外して清掃できるので貯水タンク11を容易に水洗いする事ができる。
【0017】
給水手段12を清掃する方法について図3を用いて説明する。図3は給水手段12の外観斜視図である。図において、給水手段12は揚水路14の一部とカバー20を含む給水手段上部12aと、揚水路の大部分からなる給水手段中央部12bと給水ポンプを内蔵した給水ポンプケース13aからなる給水手段下部12cとに3分割できる構成としている。そして、各分割の接合は一方に突起21を設け、他方に突起21を挿入し回転することにより突起21を固定できる回転嵌合部22を回転させて接合している。したがって、分解するときは逆方向に回転させることにより容易に分解できる。
【0018】
例えば、給水手段上部12aと給水手段中央部12bとの分解は、図において矢印で示すように右回りに、給水手段中央部12bと給水手段下部12cとの分解は左回りに回すと容易に分解できる。分解後の給水手段上部12aと給水手段中央部12bとはほぼ直線状の円筒であり、かつ長さが短いため容易に清掃ができる。
【0019】
また、給水手段下部12cは分解後、給水ポンプケース13aのケース上蓋13bを取外し給水ポンプを取り出し洗浄する事により用意に清掃できる。以上のように本実施例の構成によれば容易に貯水タンク11および給水手段12を清掃する事ができる。
【0020】
なお、給湯手段の分割は3分割に限定されるものではなく、清掃がしやすい分割とすれば良い。また、分割の接合構成は前記構成に限定されるものではなく、確実に一体化が出来、かつ分割が容易な構成であればよい。
【0021】
次に、本実施例の特徴である湯沸かし器本体26に貯水タンク11を取り付ける構成について述べる。図1は湯沸かし器本体26と貯水タンク11との係合部の要部断面図である。
【0022】
湯沸かし容器本体26に貯水タンク11を併設する場合、容易に係合できる事および貯水タンク11の流出口16と給水路7の流入口17bとが一致するようにしなければならない。そこで、本実施例では湯沸かし器本体26の側面に給水のための給水路17を備えた柱状の凸部23を設け、貯水タンク11の側面に凸部23に対応して柱状の凹部24を設けた。しかも、凹部24は上部に行くにしたがってその開口部25(点線で示す)の巾を狭くするとともに、上部はかぎ状の凹部になるようにした。この構成により、湯沸かし器本体26に貯水タンク11を係合する場合、貯水タンク11の凹部24の下部に湯沸かし器本体の凸部23の上部を係合させながら、貯水タンク11を下ろしていき湯沸かし器本体の位置決めの位置に合わせることにより併設するようにする。このとき、貯水タンク11の下部は開口部25が幅広いので凸部23を容易に係合させることができる。
【0023】
また、設置すると凸部23は貯水タンク11のかぎ部に入り込むので凸部23は動き難くなり係合によるがたつきはほとんどなくなる。そのため、湯沸かし器本体26に貯水タンク11を併設したとき、凸部23の上部に設けた流入口17bが流出口16に臨むようになる。
【0024】
また、併設したとき凸部23の流入口17bが貯水タンク11の流出口16に設けたタンク弁19を押し上げ流出口16を開口する。これにより、貯水タンク11を移動中は流出口16が閉じているため水は外部に流水しないが、湯沸かし器本体26に併設する事により貯水タンク11の水を給水路17に導入するようにする事ができる。
【0025】
次に、本実施例の貯水タンク11の貯水量の有無を検知する構成について図2を用いて説明する。貯水タンク11の湯沸かし器本体26に対向する面に磁性体を有する水位検出手段であるフロート27と、フロート27の上昇を制限する上昇制限手段であるストッパー28とを設ける。
【0026】
また、湯沸かし器本体26にはストッパー27の上限位置、すなわち、ストッパー27により上昇が抑えられた位置に対応して磁気により開閉する水位検知手段であるリードスイッチ29を設ける。貯水タンク11に水がない、または所定量以下の場合はフロート27は下部にあるのでリードスイッチ29はその磁気の影響を受けないため開の状態となっている。給水され水位がストッパー28より上になるとフロート27はストッパー28の位置に固定される。このときリードスイッチ29はフロート27の磁気の影響を受け閉の状態になる。そして、制御手段10はリードスイッチ29の信号により給水手段12を動作可能な状態にする。この構成により、貯水タンク11に水がないとき給水ポンプが作動しないようにする事ができる。
【0027】
また、給水中に貯水タンク11の水がなくなった場合、水位センサ9からの信号により給水のためいつまでも給水ポンプ13を運転し続けるのを防ぐ事ができ、安心して使用できる。なお、磁性を有するフロートとは磁性材料からなるバルーンのようなものであってもよいし、フロートと磁性体とが一体となった構成、またはフロートを構成する物質内に磁性体を混入する構成でもよい。
【0028】
また、図2ではストッパー28の位置を給水ポンプ13よりかなり上方の位置に設けた場合を示しているが、実用上はストパー28の位置は給水ポンプ13の位置と同等か、やや高めに設けるのが良い。
【0029】
また、上昇制限手段としては前記構成に限定されるものではなく水位検出手段であるフロート27を貯水タンク11の一部または給水手段12と連結し、連結する事でフロート27の上昇を制限するようにしても良い。この構成の位置決めについて以下に説明する。
【0030】
図4は水有無検知手段を説明するための要部断面図である。図4において、湯沸かし器本体26と貯水タンク11の隣接面は空間を介して対向している。貯水タンク11の底部にフロート27を図3に示すように給水手段12に回動自在に取り付けている。この回動自在の取り付けが先の上昇制限手段に相当する。そして、湯沸かし器本体26に対向する部分には磁石27aを設けている。
【0031】
また、湯沸かし器本体26のフロート27に対向する隣接面には空間側に突出した突起部30を設け、この突起部30の内側上部にリードスイッチ29を設けている。図の実線は貯水タンク11内の水2が少ないためフロート27は底部(Aの状態)にある。このときリードスイッチ29と磁石27aとは離れているため、リードスイッチ29は開の状態となり給水ポンプ13は作動しない。貯水タンク11に水2が注入されるとフロート27は上昇し、点線で示す最高点(Bの状態)に至る。最高点付近ではリードスイッチ29と磁石27aとは対向する事になり、リードスイッチ29は磁力により閉となり給水ポンプ13は作動可能な状態になる。
【0032】
さらに水2が注入されてもフロート27は給水手段12に係合されているため上昇しない。水2が例えば点線で示す位置にあってもフロート27は最高点(B)の位置にある。給水により水が減少する場合でも同様にして給水ポンプを作動させたりさせなかったりすることができる。
【0033】
すなわち、給水により水位が低下し、最高点(B)の位置から低下していくとフロート27の位置も次第に低下していく。したがって、磁石27aのリードスイッチ29に対する磁力の影響は次第に低下し、ついにリードスイッチ29は閉から開となり給水ポンプ12は作動しないようになる。
【0034】
このような構成にすることにより、フロート27およびリードスイッチ29の位置決めを確実にすることができるので実質的な水の有り無しを確実に判定することができる。また、給水手段12にフロート27を係合すると貯水タンク11からの取り出しが容易となり清掃がしやすくなる。
【0035】
なお、前記説明ではフロート27の磁気を利用してリードスイッチ29を開閉する構成を示したがこれに限定されるものではなく、水位センサ9のように発光素子と受光素子とを組合せたものでも良い。
【0036】
また、フロート27がストッパー28に接触したのを検知してスイッチが作動する構成にしても良い。ただし、これらの場合は一般的に磁気の利用に比べ構成が複雑になる。また、表示や音声などの報知手段を設けることにより、貯水タンク内の水がなくなったことを報知できるようにしても良い。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、簡単な構成で、取扱いやすく、利便性の良いものにする事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例における電気湯沸かし器の湯沸かし容器と貯水タンクとの係合部の要部断面図
【図2】 同電気湯沸かし器の給水手段の断面図
【図3】 同電気湯沸かし器の給水手段の外観斜視図
【図4】 同電気湯沸かし器の要部断面図
【符号の説明】
1 湯沸かし容器
2 水
3 加熱手段(発熱体)
11 貯水タンク
12 給水手段
13 給水ポンプ
16 流出口
17 給水路
23 凸部
24 凹部
26 湯沸かし器本体
27 フロート(水位検出手段)
28 ストッパー(上昇制限手段)
29 リードスイッチ(水位検知手段)
Claims (1)
- 側面に内蔵した湯沸かし容器に給水するための凸部を有する湯沸かし器本体と、給水された水を加熱する加熱手段と、前記湯沸かし器本体の側面に設けられ前記湯沸かし容器に供給する水を貯水する貯水タンクと、前記貯水タンクの水を前記湯沸かし容器に給水する給水路と、前記貯水タンクの水を前記給水路に給水する給水手段と、前記貯水タンクの水の有無を検知する水有無検知手段と、制御手段とを備え、前記水有無検知手段は前記給水手段の給水ポンプに併設一体として設ける構成とした電気湯沸かし器。
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