JP3457117B2 - 活性エネルギー線架橋型ポリエステルエラストマー樹脂組成物および該ポリエステルエラストマー樹脂の製造法 - Google Patents

活性エネルギー線架橋型ポリエステルエラストマー樹脂組成物および該ポリエステルエラストマー樹脂の製造法

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JP3457117B2 JP05845496A JP5845496A JP3457117B2 JP 3457117 B2 JP3457117 B2 JP 3457117B2 JP 05845496 A JP05845496 A JP 05845496A JP 5845496 A JP5845496 A JP 5845496A JP 3457117 B2 JP3457117 B2 JP 3457117B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性エネルギー線
架橋型ポリエステルエラストマー樹脂組成物および該ポ
リエステルエラストマー樹脂の製造法に関し、更に詳し
くは、活性エネルギー線架橋により耐熱性(加熱処理時
の機械的特性の保持性)等に優れたポリエステルエラス
トマー樹脂組成物及び該ポリエステルエラストマー樹脂
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコール
からなるポリエステルエラストマーは、耐寒性、耐熱
性、耐油性、耐屈曲疲労性、機械的強度等に優れ、自動
車用部品、工業用部品、電気・電子部品等に使用されて
いる。そして、これらの成形材料用のポリエステルエラ
ストマーは、通常、ブロック重合体よりなり、そのハー
ドセグメント及びソフトセグメントをコントロールする
ことにより、良好な弾性を有しているもので、近年かか
るポリエステルエラストマーに活性エネルギー線を照射
することにより架橋させて、上記の諸物性を更に改善し
たエステル型ポリエステルエラストマーが特公昭48−
4116号公報(結晶性芳香族ポリエステルとラクトン
類を特定の割合で反応させる)、特開昭55−5613
5号公報(芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸及
び/又は脂肪族オキシジカルボン酸からなる酸成分と脂
肪族グリコールからなるジオール成分とからなる)、特
開平2−199708号公報(ハードセグメント/ソフ
トセグメント比を規定した融点200℃以上のポリエス
テルエラストマーに酸化防止剤、安定剤、架橋剤等を添
加)に、また、エーテル型ポリエステルエラストマーが
特公昭61−60854号公報(特定のエステル単位と
エーテルエステル単位からなりエーテルエステル単位が
5〜85重量%)にそれぞれ開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
48−4116号公報開示のポリエステルエラストマー
は、エステル型エラストマーの典型的なものであるが、
活性エネルギー線架橋の処理を行っても十分な耐熱性は
得られず、特開昭55−56135号公報開示のポリエ
ステルエラストマーは、上記開示技術のポリエステルエ
ラストマーに更に不飽和基の導入等が考慮されている
が、まだ耐熱性の点では満足のいくものではなく、更に
特開平2−199708号公報開示のポリエステルエラ
ストマーは非晶領域が狭いため耐熱性はそこそこである
が、まだまだ満足できるものではなく、また、特公昭6
1−60854号公報開示のポリエステルエラストマー
はエーテル型であるため十分な耐熱性を得ることは困難
で、いずれの開示技術も加熱処理時の強度や伸び等の機
械的特性の保持率を向上させるという耐熱性に優れたポ
リエステルエラストマーを得るには十分とは言い難い。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、か
かる事情に鑑みて鋭意研究した結果、酸成分(A)とし
て(A1)テレフタル酸又はその低級アルキルエステル、
(A2)テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸又はその
低級アルキルエステル、(A3)脂肪族オキシカルボン酸
を含有し、グリコール成分(B)として(B1)炭素数2
〜4の脂肪族直鎖状ジオール単独又は該(B1)と(B2)
炭素数5以上の脂肪族直鎖状ジオールを含有してなり、
酸成分中の(A1)/(A2)/(A3)のモル比が35〜7
5/0〜30/20〜50でグリコール成分中の(B1)
/(B2)のモル比が70〜100/0〜30で、かつ差
動走査型熱量計(DSC)による融点が180℃未満の
ポリエステルエラストマー樹脂100重量部に対して
(C)エチレン性不飽和化合物を5〜20重量部配合す
ことを特徴とする活性エネルギー線架橋型ポリエステ
エラストマー樹脂組成物が上記の要求性能を満足する
ことを見いだし本発明を完成するに至った。また、かか
るポリエステルエラストマー樹脂を製造するに当たっ
て、成分(A)及び成分(B)を一括仕込みにより重合
させることにより目的とするポリエステルエラストマー
樹脂を効率よく製造できることも見いだし本発明を完成
するに至った。以下に本発明を詳細に説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステルエラストマ
樹脂は、(A1)テレフタル酸又はその低級アルキルエ
ステル、(A2)テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸
又はその低級アルキルエステル、(A3)脂肪族オキシカ
ルボン酸を含有する酸成分(A)と(B1)炭素数2〜4
の脂肪族直鎖状ジオール及び/又は(B2)炭素数5以上
の脂肪族直鎖状ジオールを含有するグリコール成分
(B)からなるもので、(A1)テレフタル酸又はその低
級アルキルエステルとしては、テレフタル酸やテレフタ
ル酸ジメチル等が挙げられ、テレフタル酸ジメチルが好
適に用いられ、(A2)テレフタル酸以外の芳香族ジカル
ボン酸又はその低級アルキルエステルとしてはイソフタ
ル酸、フタル酸、2,5−ノルボナンジカルボン酸、
1,4−ナフタル酸、1,5−ナフタル酸、4,4−オ
キシ安息香酸及びそれらの低級アルキルエステル(イソ
フタル酸ジメチル等)等が挙げられ、イソフタル酸ジメ
チルが好適に用いられ、(A3)脂肪族オキシカルボン酸
としては、ε−オキシカプロン酸、ε−カプロラクトン
等が挙げられ、ε−カプロラクトンが好適に用いられ
る。
【0006】また、(B1)炭素数2〜4の脂肪族直鎖状
ジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール等が挙げら
れ、(B2)炭素数5以上の脂肪族直鎖状ジオールとして
は、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジ
オール、1,9−ノナンジオール、1,10−ドデカン
ジオール挙げられ、(B1)炭素数2〜4の脂肪族直鎖状
ジオールとしては、1,4−ブタンジオールが、(B2)
炭素数5以上の脂肪族直鎖状ジオールとしては、1,6
−ヘキサンジオールが好適に用いられる。
【0007】かかる(A1)〜(A3)及び(B1)〜(B2)
の含有比率は、酸成分(A)中の(A1)/(A2)/(A
3)のモル比が35〜75/0〜30/20〜50(好
ましくは40〜65/0〜25/25〜40)でグリコ
ール成分(B)中の(B1)/(B2)のモル比が70〜1
00/0〜30(好ましくは80〜100/0〜20)
であることが必要で、(A1)のモル比が35未満では、
架橋(硬化)後のポリエステルエラストマーの強度が低
下し、逆に75モル比を越えると、伸びが低下し、(A
2)のモル比が30モル比を越えると、強度が低下し、
更に(A3)のモル比が20未満でも強度が低下し、逆に
50モル比を越えても強度が低下して不適となり、ま
た、(B1)のモル比が70未満では、良好なゴム弾性を
得ることができず、(B2)のモル比が30モル比を越え
ると、強度が低下して不適となる。
【0008】本発明においては、上記の如き構成を有す
るポリエステルエラストマー樹脂の差動走査型熱量計
(DSC)による融点が180℃未満であることが重要
で、かかる融点が180℃以上ではポリエステルエラス
トマー樹脂の構造がブロック的になって耐熱性が低下し
て本発明の目的を達成することはできない。かかるポリ
エステルエラストマー樹脂を製造する方法としては、特
に限定されないが、上記の(A1)〜(A3)及び(B1)〜
(B2)を一括に仕込んで反応させる方法が好ましく、以
下かかる方法について具体的に説明する。
【0009】かかる反応においては、チタン系の触媒が
好適に用いられ、具体的にはテトライソプロピルチタネ
ート、テトラ−n−ブチルチタネート等が挙げられ、好
ましくはテトラ−n−ブチルチタネートが用いられる。
また、これらの触媒は2種以上併用してもよく、添加方
法も最初に一括添加しても良く、2回以上に分割して添
加してもよい。更に触媒の添加量は芳香族ジカルボン酸
1モルに対して、0.0001〜0.1モルが好まし
く、特に好ましくは1/0.001〜0.01モルであ
る。
【0010】本発明では、得られたポリエステルエラス
トマー樹脂の190℃、5kgにおけるメルトインデッ
クス(MI)が5〜200(更には10〜100)であ
ることが好ましく、MIが5未満では反応に長時間を要
し、更に装置も大掛かりとなり、逆に200を越えると
反応物の取り出しに支障をきたしたり、成形性を著しく
損なう結果となって好ましくない。かかるMIの調整は
一般的には反応時の撹拌所要動力を目安にコントロール
することができる。
【0011】上記の如き方法で得られた本発明のポリエ
ステルエラストマー樹脂には、必要に応じてヒンダード
フェノール系等の酸化防止剤、アルカリ金属化合物,タ
ルク等の結晶核剤、ガラス繊維、難燃剤、紫外線吸収
剤、着色剤、触媒失活剤等を配合することができ、かか
る配合は反応時或いは反応後いずれも可能である。かく
して得られたポリエステルエラストマー樹脂を主成分と
し、更に(C)エチレン性不飽和化合物を特定量配合す
ることにより活性エネルギー線架橋型ポリエステルエラ
ストマー樹脂組成物とすることができる。
【0012】かかる(C)エチレン性不飽和化合物とし
ては、エチレン性不飽和結合を有する化合物であれば特
に限定されず、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、n−ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレ
ート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−
ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、メ
トキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル
(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリ
レート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、テ
トラヒドロフリフリル(メタ)アクリレート、カルビト
ールアクリレート、ベンジルアクリレート、アリルアク
リレート、フェノキシエチルアクリレート、スチレン、
ビニルトルエン、クロロスチレン、α−メチルスチレ
ン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリ
ドン、アクリロキシエチルフォスフェート、2−ビニル
ピリジン、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、エチルカルビトールアクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエ
チレングリコール(#200,#400,#600)ジ
アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピ
ルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク
酸、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、EO(エチレンオ
キサイド)変性トリメチロールプロパントリアクリレー
ト等が挙げられ、好適にはトリメチロールプロパントリ
アクリレートが用いられる。かかる(C)エチレン性不
飽和化合物の添加量はポリエステルエラストマー樹脂1
00重量部に対して5〜20重量部の範囲であることが
必要である。
【0013】更に本発明の樹脂組成物には、必要に応じ
て光重合開始剤を用いることも可能で、該光重合開始剤
としては、オクテン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、
オクテン酸マンガン、ナフテン酸マンガン、メチルエチ
ルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサ
イド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパー
ベンゾエート、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピ
ルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾイ
ンフェニルエーテル、アントラキノン、ナフトキノン、
ヒバロインエチルエーテル、ベンジルケタール、1,1
−ジクロロアセトフェノン、p−t−ブチルジクロロア
セトフェノン、2−クロロチオキサントン、2,2−ジ
エトキシアセトフェノン、ミヒラーズケトン、2,2−
ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン、2,2−ジ
メトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノ
ン、2−メチルチオキサントン、フェニルグリオキシレ
ート、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、ジベンゾス
パロン、ベンゾフェノンアミン系(N−メチルジエタノ
ールアミン、トリエチルアミンなど)、ベンジルジフェ
ニルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノサルファ
イド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジア
セチル、アセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ンメチルベンゾイルフォルメートなどが挙げられる。か
かる光重合開始剤の添加量は、ポリエステル樹脂100
部に対して0.5〜10部(好ましくは2〜5部)であ
る。
【0014】本発明の樹脂組成物は、活性エネルギー線
照射によって架橋(硬化)されるのであるが、該エネル
ギー線としては、遠紫外部、紫外部、近紫外部、赤外部
の光線、X線、γ線等の電磁波のほか、電子線、プロト
ン線、中性子線等が利用でき、架橋(硬化)速度、放射
線照射装置の入手のし易さ、価格等から、電子線照射に
よる架橋(硬化)方法が有利である。かかる電子線の照
射量は特に限定されないが、1〜30Mrad程度の範
囲から任意に選択される。また、本発明の樹脂組成物
は、フィルム、シート、チューブ等の一般的成形物用途
に利用することもできるが、金属等の基材の被覆・ラミ
ネート(各種材料の表面に塗布して硬化皮膜を形成させ
る)等の用途も有用である。
【0015】かかる硬化皮膜を形成させる具体的な方法
としては、架橋前のポリエステルエラストマー樹脂組成
物を溶媒(塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、トルエン、メチルエチルケトン
等)に溶解させて溶液状とした後、各種材料の表面に塗
布して硬化皮膜を形成させるもので、該塗布方法として
は、カーテンコーター、ロールコーター、フローコータ
ー、スプレー、ディッピング等の公知の方法を採用する
ことができる。また溶媒を使用せずに公知のホットメル
トコーター等を用いて塗布することも有効である。
【0016】更に被塗布物としては、塩化ビニル樹脂,
ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリメタクリ
レート,ポリカーボネート,ナイロン(ポリアミド)等
のプラスチックスから、木材、金属板、紙、コンクリー
トに至るまで、幅広く利用することができる。本発明の
ポリエステルエラストマー樹脂組成物は、自動車用部
品、工業用部品、電気・電子部品、医療用途(救急絆創
膏,サージカルテープ,リハビリテープ等の医療補助用
テープの基材、消炎・鎮痛・血行促進等の疾患治療用テ
ープの基材、手術用手袋等)、衛生用途(紙おむつ固定
用テープの基材、ナプキン固定用テープの基材)、スポ
ーツ衣料用途等の成形物に利用することができ、更に
は、各種建築材料、家具、印刷紙、缶製品、家庭用電気
製品等のコーティング用途にも有用である。
【0017】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。尚、実施例中、「%」、「部」とあるの
は、特に断りのない限り重量部を意味する。 実施例1 撹拌機、温度計、窒素ガス吹き込み口及び蒸留口を備え
た反応器に窒素ガス雰囲気下で(A1)テレフタル酸ジメ
チル4.4モル、(A2)イソフタル酸ジメチル1.9モ
ル、(A3)ε−カプロラクトン3.7モル、(B1)1,
4−ブタンジオール10.0モルを一括仕込みして、チ
タン酸n−ブチル(触媒)100ppmを添加して16
0〜240℃で窒素ガス中でエステル交換反応を行い理
論量の98%のメタノールを溜出した。その後更にチタ
ン酸n−ブチル(触媒)150ppmを添加し、240
〜260℃、0.1Torrの減圧下で重縮合反応を3
時間行った後、該チタン触媒を失活させるためにリン化
合物(チバガイギー社製、イルガノックス1222)を
600ppm添加した後払い出しを行って、融点140
℃、MI(190℃、5kgにおける値。以下同様)が
39のポリエステルエラストマー樹脂を得た。
【0018】得られたポリエステルエラストマー樹脂1
00部に(C)トリメチロールプロパントリアクリレー
ト10部を添加して、二軸押出機により溶融混練して活
性エネルギー線架橋型ポリエステルエラストマー樹脂組
成物を得た。かかる樹脂組成物をJIS K 6301
に規定される1号ダンベル形状に射出成形して窒素雰囲
気下で紫外線照射(20Mrad)して試験片を作製し
て、180℃で30日及び60日及び90日の各条件で
熱処理を行った後、ASTM−D−638に準じて引張
強度及び伸びを測定して耐熱性の評価とした。なお、紫
外線照射前の試験片及び紫外線照射後の熱処理前の引張
強度及び伸びの測定も行った。
【0019】実施例2 実施例1において(A1)テレフタル酸ジメチル6.3モ
ル、(A3)ε−カプロラクトン3.7モル、(B1)1,
4−ブタンジオール8.3モル、(B2)1,6−ヘキサ
ンジオール1.7モルを一括仕込みした以外は同様に行
って、融点126℃、MIが20のポリエステルエラス
トマー樹脂を得た後、同様に耐熱性の評価を行った。
【0020】実施例3 実施例1において、(A1)テレフタル酸ジメチル4.8
モル、(A2)イソフタル酸ジメチル2.0モル、(A3)
ε−カプロラクトン3.2モル、(B1)1,4−ブタン
ジオール10.0モルを一括仕込みした以外は同様に行
って、融点118℃、MIが30のポリエステルエラス
トマー樹脂を得た後、同様に耐熱性の評価を行った。
【0021】実施例4 実施例1において(A1)テレフタル酸ジメチル6.3モ
ル、(A3)ε−カプロラクトン3.7モル、(B1)1,
4−ブタンジオール10.0モルを一括仕込みした以外
は同様に行って、融点151℃、MIが23のポリエス
テルエラストマー樹脂を得た後、同様に耐熱性の評価を
行った。
【0022】実施例5 実施例1において、(A1)テレフタル酸ジメチル5.0
モル、(A2)イソフタル酸ジメチル1.3モル、(A3)
ε−カプロラクトン3.0モル、(B1)1,4−ブタン
ジオール10.0モルを一括仕込みした以外は同様に行
って、融点159℃、MIが50のポリエステルエラス
トマー樹脂を得た後、同様に耐熱性の評価を行った。
【0023】実施例6 実施例1において、(A1)テレフタル酸ジメチル3.5
モル、(A2)イソフタル酸ジメチル2.5モル、(A3)
ε−カプロラクトン4.0モル、(B1)1,4−ブタン
ジオール10.0モルを一括仕込みした以外は同様に行
って、融点114℃、MIが30のポリエステルエラス
トマー樹脂を得た後、同様に耐熱性の評価を行った。
【0024】実施例7 実施例1において、(A1)テレフタル酸ジメチル3.5
モル、(A2)イソフタル酸ジメチル1.5モル、(A3)
ε−カプロラクトン5.0モル、(B1)1,4−ブタン
ジオール9.0モル、(B2)1,6−ヘキサンジオール
1.0モルを一括仕込みした以外は同様に行って、融点
118℃、MIが35のポリエステルエラストマー樹脂
を得た後、同様に耐熱性の評価を行った。
【0025】実施例8 実施例1において、(A1)テレフタル酸ジメチル7.5
モル、(A3)ε−カプロラクトン2.5モル、(B1)
1,4−ブタンジオール7.0モル、(B2)1,6−ヘキ
サンジオール3.0モルを一括仕込みした以外は同様に
行って、融点105℃、MIが50のポリエステルエラ
ストマー樹脂を得た後、同様に耐熱性の評価を行った。
【0027】比較例1 撹拌機、温度計、窒素ガス吹き込み口及び蒸留口を備え
た反応器に窒素ガス雰囲気下で(A1)テレフタル酸ジメ
チル5.0モル、(A2)イソフタル酸ジメチル1.3モ
ル、(B1)1,4−ブタンジオール10.0モルを一括
仕込みして、チタン酸n−ブチル(触媒)100ppm
を添加して160〜240℃で窒素ガス中でエステル交
換反応を行い理論量の98%のメタノールを溜出した。
その後更にチタン酸n−ブチル(触媒)150ppmを
添加し、240〜260℃、0.1Torrの減圧下で
重縮合反応を4時間行って溶融粘度3400Poise
/250℃のポリエステルプレポリマーを得た。次い
で、該チタン触媒を失活させるためにリン化合物(チバ
ガイギー社製、イルガノックス1222)を600pp
m添加した後、(A3)ε−カプロラクトン3.7モルを
添加して、常圧、260℃で4時間反応を行って、融点
182℃、MIが50のポリエステルエラストマー樹脂
を得た。かかるポリエステルエラストマー樹脂を用いて
実施例と同様の評価を行った。
【0028】比較例2 実施例1において、(A1)テレフタル酸ジメチル2.5
モル、(A2)イソフタル酸ジメチル3.0モル、(A3)
ε−カプロラクトン4.5モル、(B1)1,4−ブタン
ジオール10.0モルを一括仕込みした以外は同様に行
って、融点115℃、MIが100のポリエステルエラ
ストマー樹脂を得た後、同様に耐熱性の評価を行った。
【0029】比較例3 実施例1において、(A1)テレフタル酸ジメチル8.5
モル、(A3)ε−カプロラクトン1.5モル、(B1)
1,4−ブタンジオール10.0モルを一括仕込みした
以外は同様に行って、融点218℃、MIが0.1以下
のポリエステルエラストマー樹脂を得た後、同様に耐熱
性の評価を行った。
【0030】比較例4 実施例1において、(A1)テレフタル酸ジメチル3.5
モル、(A2)イソフタル酸ジメチル3.5モル、(A3)
ε−カプロラクトン3.0モル、(B1)1,4−ブタン
ジオール10.0モルを一括仕込みした以外は同様に行
って、融点115℃、MIが30以下のポリエステル
ラストマー樹脂を得た後、同様に耐熱性の評価を行っ
た。
【0031】比較例5 実施例1において、(A1)テレフタル酸ジメチル2.0
モル、(A2)イソフタル酸ジメチル2.0モル、(A3)
ε−カプロラクトン6.0モル、(B1)1,4−ブタン
ジオール10.0モルを一括仕込みした以外は同様に行
って、融点105℃、MIが50のポリエステルエラス
トマー樹脂を得た後、同様に耐熱性の評価を行った。
【0032】比較例6 実施例1において、(A1)テレフタル酸ジメチル6.0
モル、(A2)イソフタル酸ジメチル3.0モル、(A3)
ε−カプロラクトン1.0モル、(B1)1,4−ブタン
ジオール10.0モルを一括仕込みした以外は同様に行
って、融点172℃、MIが8のポリエステルエラスト
マー樹脂を得た後、同様に耐熱性の評価を行った。
【0033】比較例7 実施例1において、グリコール成分(B)の仕込み量を
(B1)1,4−ブタンジオール6.0モル及び(B2)1,
6−ヘキサンジオール4.0モルとした以外は同様に行
って、融点97℃、MIが47のポリエステルエラスト
マー樹脂を得た後、同様に耐熱性の評価を行った。上記
実施例及び比較例の耐熱性の評価結果を表1及び2に示
す。
【0034】
【表1】 電子線照射前 電子線照射後 180℃熱処理条件 (熱処理前) 30日 60日 90日 実施例1(Ts) 2.54 2.85 1.90 1.12 1.10 (El) 816 636 456 236 86 〃 2(Ts) 2.29 2.87 1.72 1.09 1.25 (El) 786 678 443 253 80 〃 3(Ts) 2.23 2.82 1.98 1.53 1.50 (El) 765 680 450 262 96 〃 4(Ts) 2.27 2.62 2.26 1.49.1.33 (El) 744 575 420 40 72 〃 5(Ts) 2.15 2.56 1.96 1.22 1.97 (El) 690 598 356 40 75 〃 6(Ts) 2.15 2.75 1.70 1.11 1.18 (El) 750 685 435 235 87 〃 7(Ts) 2.17 2.79 1.93 1.48 1.45 (El) 758 682 448 257 93 〃 8(Ts) 2.08 2.19 1.96 1.51 1.50 (El) 705 695 467 288 98 注)表中(Ts)は引張強度(kg/mm)、(El)は伸び(%)をそれぞれ表す。
【0035】
【表2】 電子線照射前 電子線照射後 180℃熱処理条件 (熱処理前) 30日 60日 90日 比較例1(Ts) 1.55 1.89 2.10 1.64 1.38 (El) 150 358 193 60 0 〃 2(Ts) 1.10 1.58 1.20 1.04 0.85 (El) 650 523 320 105 0 〃 3(Ts) 2.57 2.69 2.03 1.62 1.55 (El) 215 170 153 72 3 〃 4(Ts) 2.18 2.53 1.72 1.03 0.81 (El) 700 652 410 187 0 〃 5(Ts) 2.15 2.57 1.57 1.00 0.74 (El) 702 698 407 155 0 〃 6(Ts) 2.47 2.55 2.08 1.68 1.12 (El) 250 208 182 117 7 〃 7(Ts) 1.83 2.07 1.82 1.13 0.97 (El) 650 613 425 195 12 注)表中(Ts)は引張強度(kg/mm)、(El)は伸び(%)をそれぞれ表す。
【0036】
【発明の効果】本発明のポリエステルエラストマー樹脂
組成物は、特定(量)の酸成分及びグリコール成分を用
い、かつ融点が180℃未満のポリエステルエラストマ
ー樹脂100重量部に対して(C)エチレン性不飽和化
合物を5〜20重量部配合しているので、耐熱性に優れ
た成形物や皮膜等を得ることができ、自動車用部品、工
業用部品、電気・電子部品、医療用途(救急絆創膏,サ
ージカルテープ,リハビリテープ等の医療補助用テープ
の基材、消炎・鎮痛・血行促進等の疾患治療用テープの
基材、手術用手袋等)、衛生用途(紙おむつ固定用テー
プの基材、ナプキン固定用テープの基材)、スポーツ衣
料用途等の成形物に利用することができ、更には、各種
建築材料、家具、印刷紙、缶製品、家庭用電気製品等の
コーティング用途にも有用である。
フロントページの続き (72)発明者 原 幸嗣 岐阜県大垣市神田町2丁目35番 日本合 成化学工業株式会社 大垣工場内 (56)参考文献 特開 昭57−14616(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91 C08L 67/00 - 67/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸成分(A)として(A1)テレフタル酸
    又はその低級アルキルエステル、(A2)テレフタル酸以
    外の芳香族ジカルボン酸又はその低級アルキルエステ
    ル、(A3)脂肪族オキシカルボン酸を含有し、グリコー
    ル成分(B)として(B1)炭素数2〜4の脂肪族直鎖状
    ジオール単独又は該(B1)と(B2)炭素数5以上の脂肪
    族直鎖状ジオールを含有してなり、酸成分中の(A1)/
    (A2)/(A3)のモル比が35〜75/0〜30/20
    〜50でグリコール成分中の(B1)/(B2)のモル比が
    70〜100/0〜30で、かつ差動走査型熱量計(D
    SC)による融点が180℃未満のポリエステルエラス
    トマー樹脂100重量部に対して(C)エチレン性不飽
    和化合物を5〜20重量部配合することを特徴とする活
    性エネルギー線架橋型ポリエステルエラストマー樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 ポリエステルエラストマー樹脂の190
    ℃、5kgにおけるメルトインデックス(MI)が5〜
    200であることを特徴とする請求項1記載の活性エネ
    ルギー線架橋型ポリエステルエラストマー樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のポリエステルエラ
    ストマー樹脂を製造するに当たり、成分(A)及び成分
    (B)を一括仕込みにより重合させることを特徴とする
    請求項1または2記載のポリエステルエラストマー樹脂
    の製造法。
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