JP3456627B2 - 繊維強化軽金属複合材料 - Google Patents

繊維強化軽金属複合材料

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JP3456627B2 JP10435298A JP10435298A JP3456627B2 JP 3456627 B2 JP3456627 B2 JP 3456627B2 JP 10435298 A JP10435298 A JP 10435298A JP 10435298 A JP10435298 A JP 10435298A JP 3456627 B2 JP3456627 B2 JP 3456627B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化軽金属複合材
料に係り、更に詳細には摺動材料として使用できる繊維
強化軽金属複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維強化軽金属複合材料としては、例え
ば特開平6−322459号公報に記載されている如
く、強化材が2〜12体積%のアルミナ短繊維と5〜2
5体積%の非球状ムライト粒子とマトリックスがアルミ
ニウム合金とからなるアルミニウム合金製摺動部材が知
られている。かかる摺動部材は耐摩耗性に優れているば
かりではなく、相手材に対する摩擦摩耗特性にも優れ、
従来に比して低廉で高性能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述した従来の
アルミニウム合金製摺動部材をエンジンの材料に用い、
かつ燃料として有鉛燃料やイオウ分の多い燃料を用いる
と、相手材のピストンリングの摩耗が大きいことがわか
った。本発明は、従来のアルミニウム合金製摺動部材に
於ける上述の如き問題に鑑み、それ自身の耐摩耗性に優
れているだけでなく相手材に対する摩擦摩耗特性にも優
れた高性能な繊維強化軽金属複合材料を提供することを
目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は相手材の摩耗
の原因を調べ、燃料として有鉛燃料やイオウ分の多い燃
料を用いると、燃焼室内に生成する酸性物質により油膜
が切れ、相手部材との直接接触になり相手材の摩耗が増
すことを突き止めた。そして種々検討を重ね、本発明の
繊維強化軽金属複合材料を完成したものである。
【0005】すなわち、本発明の繊維強化軽金属複合材
料は、35〜65重量%Al23、65〜35重量%S
iO2および10重量%以下の他の成分からなる組成を
有しムライト結晶量が15重量%以上であるアルミナ−
シリカ繊維と、40〜86重量%Al23、14〜60
重量%SiO2および5重量%以下の他の成分からなる
組成を有し平均粒径が3〜60μmである非球状ムライ
ト粒子と、無機バインダとしての窒化ホウ素または窒素
化合物とホウ素化合物の粉末を該アルミナ−シリカ繊維
100重量部に対してB23換算で2〜7重量部と、コ
ロイダルシリカを該アルミナ−シリカ繊維100重量部
に対して5〜30重量部とからなる強化材と、マトリッ
クスとしての軽金属とからなり、該アルミナ−シリカ繊
維が2〜12体積%、該非球状ムライト粒子が5〜25
体積%と、残部が該無機バインダーと該マトリックスと
からなることを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明の繊維強化軽金属複合材料では、従来の
硬いアルミナ繊維に代えて、軟らかいアルミナ−シリカ
繊維を用いている。これにより相手材への攻撃性を低減
し、相手材の摩耗量を低下させている。一方、アルミナ
繊維をアルミナ−シリカ繊維に変更することにより自己
の耐摩耗性が低下する。本発明では自己の耐摩耗性の低
下をバインダーを特定し、バインダーにより繊維同士、
粒子同士、あるいは繊維と粒子の強化材同士の結合を密
にすることにより自己の耐摩耗性の低下を抑えることに
成功した。このため、本発明の繊維強化軽金属複合材料
は、従来の複合材料より相手材の摩耗を少なくすること
ができ、自己の耐摩耗性は従来と同じ程度の高い耐摩耗
性をもつ。
【0007】
【課題を解決するための手段の補足説明】本発明の繊維
強化金属複合材料はアルミナ−シリカ繊維と非球状ムラ
イト粒子と無機バインダーとからなる強化材とマトリッ
クスを形成する軽金属とからなる。本発明のアルミナ−
シリカ繊維は、35〜65重量%Al23、65〜35
重量%SiO2および10重量%以下の他の成分からな
る組成を有しムライト結晶量が15重量%以上のもので
ある。
【0008】一般にアルミナーシリカ系繊維はその組成
及び製法の点からアルミナ繊維とアルミナ−シリカ繊維
に大別される。Al23含有量が70wt%以上であり
SiO2含有量が30wt%以下の所謂アルミナ繊維
は、有機の粘調な溶液とアルミニウム無機塩との混合物
にて繊維化し、これを高温にて酸化焙焼することにより
製造されるので、強化繊維としての性能には優れている
が、非常に高価である。
【0009】一方Al23含有量が35〜65wt%で
ありSiO2含有量が35〜65wt%であるいわゆる
アルミナ−シリカ繊維は、アルミナとシリカの混合物が
アルミナに比して低融点であるため、アルミナとシリカ
の混合物を電気炉などにて溶融し、その融液をフローイ
ング法やスピニング法にて繊維化することにより比較的
低廉に且大量に生産されている。特にAl23含有量が
65wt%以上でありSiO2含有量が35wt%以下
の場合にはアルミナとシリカとの混合物の融点が高くな
り過ぎまた融液の粘性が低く、一方Al23含有量が3
5wt%以下でありSiO2含有量が65wt%以上の
場合には、フローイングやスピニングに必要な適正な粘
性が得られない等の理由から、これらの低廉な製造法を
適用し難い。
【0010】またアルミナとシリカとの混合物の融点や
粘性を調整したり、繊維に特殊な性能を付与する目的か
ら、アルミナとシリカとの混合物にCaO、MgO、N
2O、Fo23、Cr23、ZrO2、TiO2、Pb
O、SnO2、ZnO、MoO3 、NiO、K2O、Mn
2、B23、V25、CuO、Co34などの金属酸
化物が添加されることがある。これらの成分は10wt
%以下に抑えられることが好ましいことが認められ、従
って本発明の複合材料に於ける強化繊維としてのアルミ
ナ−シリカ繊維の組成は35〜65wt%Al23、6
5〜35wt%SiO2、0〜10wt%他の成分に設
定される。
【0011】フローイング法やスピニング法にて製造さ
れたアルミナ−シリカ繊維は非晶質の繊維であり、繊維
の硬さはHv700程度である。かかる非晶質状態のア
ルミナ−シリカ繊維を950℃以上の温度に加熱すると
繊維内にムライト結晶が析出し、繊維の硬さが上昇す
る。実験的研究の結果によればムライト結晶量が15w
t%程度に於て繊維の硬さが急激に増大し、ムライト結
晶量が19wt%に於ては繊維の硬さがHv1000程
度となり、ムライト結晶量がこれ以上に増大されても繊
維の硬さはそれ程増大しないことが認められた。かかる
ムライト結晶を含むアルミナ−シリカ繊維にて強化され
た金属の耐摩耗性や強度はアルミナ−シリカ繊維自身の
硬さとよく対応しており、ムライト結晶量が15wt%
以上、特に19wt%以上の場合に耐摩耗性や強度に優
れた複合材料を得ることができる。従って本発明の複合
材料に於てはアルミナ−シリカ繊維のムライト結晶量は
15wt%以上、好ましくは19wt%以上とされる。
【0012】またフローイング法等によるアルミナ−シ
リカ繊維の製造に於ては、繊維と同時に非繊維化粒子が
不可避的に多量に生成し、従ってアルミナ−シリカ繊維
の集合体中には比較的多量の非繊維化粒子が含まれてい
る。アルミナ−シリカ繊維の特性を向上させるべく繊維
を熱処理してムライト結晶の析出を行うと、非繊維化粒
子もムライト結晶化して硬化する。特に粒径が150μ
を越える巨大な粒子は複合材料の機械的性質及び加工性
を悪化させ、複合材料の強度を低下せしめる原因とな
る。更には粒子の脱落に起因して相手材に対し異常摩耗
の如き不具合を発生させる原因ともなる。従って本発明
の複合材料に於ては、アルミナ−シリカ繊維の集合体に
含まれる粒径150μ以上の非繊維化粒子の含有量は5
wt%以下、特に2wt%以下、更には1wt%以下に
抑えるのが好ましい。
【0013】また、上述の如き優れた性質を有するムラ
イト結晶を含むアルミナ−シリカ繊維を強化繊維とし、
アルミニウム、マグネシウム、銅、亜鉛、鉛、スズ及び
これらを主成分とする合金をマトリックス金属とする複
合材料に於ては、アルミナ−シリカ繊維の体積率が2.
0%程度であっても複合材料の耐摩耗性が著しく向上
し、これ以上アルミナ−シリカ繊維の体積率が高くなっ
ても、少なくとも12体積%程度でも相手材の摩耗量は
それ程増大しない。従って本発明の複合材料に於ては、
アルミナ−シリカ繊維の体積率は2〜12%とされる。
【0014】尚強度、耐摩耗性の如き機械的性質に優
れ、しかも相手材に対する摩擦摩耗特性に優れた複合材
料を得るためには、ムライト結晶を含むアルミナ−シリ
カ繊維は、短繊維の場合には1.5〜5.0μの平均繊
維及び20μ〜3mmの平均繊維長を有し、長繊維の場
合には3〜30μの繊維径を有することが好ましい。本
発明の非球状ムライト粒子は40〜86重量%Al
23、14〜60重量%SiO2および5重量%以下の
他の成分からなる組成を有し平均粒径が3〜60μmで
ある。
【0015】ムライトの結晶構造は斜方晶であり、ムラ
イト結晶は針状結晶である。そのためムライトの塊体を
機械的に粉砕すると塊体は針状結晶の針状繊維の方向に
劈開破壊し、アトマイズ法等により製造される実質的に
球状またはラグビーボール状をなす粒子形態とは全く異
なる角ばった形態になる。本発明の非球状ムライト粒子
とは表面の少なくとも一部に劈開破面を有し球状又はラ
グビーボール状以外の角ばった形態をなすムライト粒子
を意味する。
【0016】また周知の如く、ムライトの理論組成は7
1.8wt%Al23−28.2wt%SiO2(3A
23・2SiO2)であり、ムライト粒子の組成が上
記組成よりずれるとムライト粒子中にはムライト結晶に
加えてアルミナ結晶やシリカ結晶が含まれることにな
る。本発明の非球状ムライト粒子はアルミナ含有量が4
0〜86wt%であり、この限りに於てムライト結晶に
加えてアルミナ結晶やシリカ結晶を含むものである。
【0017】また上述の如く本発明の非球状ムライト粒
子は非球状でありその大きさは表現することが困難であ
るので、本発明の非球状ムライト粒子についての平均粒
径とは便宜的に同一体積の球状粒子に換算した場合の平
均直径を意味する。本発明の無機バインダーは、窒化ホ
ウ素または窒素化合物とホウ素化合物の粉末をアルミナ
−シリカ繊維100重量部に対してB23換算で2〜7
重量部と、コロイダルシリカをアルミナ−シリカ繊維1
00重量部に対して5〜30重量部とからなる。
【0018】窒素化合物とホウ素化合物は、水に溶解せ
ず加熱によりコロイダルシリカと反応し、Al、Si、
B、O、N又はSi、B、O、Nからなるガラス網目状
構造体を形成する。これら無機バインダーは強化材を構
成するアルミナ−シリカ繊維及び非球状ムライト粒子と
ともにスラリー状に混合され、水分を真空吸引等で除去
し強化材成形体を得る。この強化材成形体を焼成焼結し
てアルミナ−シリカ繊維、非球状ムライト粒子相互の接
触部が窒素及びホウ素含有ガラスにより融着され、一体
化された強化材が得られる。
【0019】バインダーに使用できる窒素化合物として
はAlN、Si34、Si−Al−O−N、Si2
2O、Ca22、Li3N、Mg32等を挙げることがで
きる。又、ホウ素化合物としてはB4C、TiB2、Cr
2、TaB2、MnB2、MoB2、VB2、HfB2、A
lB2、MgB2、ZrB2、W25、Mo25等を挙げ
ることができ、これら窒素化合物、ホウ素化合物は強化
材の繊維及び粉末を劣化させないものであれば何れても
良い。
【0020】窒化ホウ素や上記化合物粉末の粒度は、小
さすぎると真空成形した成形物を乾燥の際、粒子が水と
共に表面まで移動し、乾燥板に貼りつき、取外しに苦労
し、商品性を損なうことがしばしば生じる。又連動が大
きすぎると、真空成形時に一方に片寄り、焼結状態が不
均一となるので、平均10μm前後で80重量%以上が
粒径1〜44μmの粒度分布を有するものを使用するの
が好ましい。
【0021】ホウ素化合物粉末は強化材を構成するアル
ミナ−シリカ繊維100重量部に対しB23換算で2〜
7重量部を使用する。2重量部未満では、焼結性が不足
し、7重量部を超える量使用しても、焼結した後の強度
はもはや向上せず、更に未反応のホウ素化合物が焼結体
中に残存するようになるため、再加熱時に製品の強度が
低下するようになる。
【0022】BNの代りに窒素化合物粉末とホウ素化合
物粉末とを混合して使用する場合はB原子とN原子の数
が1:1の割合になるように使用するのが好ましい。コ
ロイダルシリカはアルミナ−シリカ繊維100重量部に
対して5〜30重量部使用する。本発明のマトリックス
は軽金属で構成される。具体的には、アルミニウム、マ
グネシウム、銅、亜鉛、鉛、錫及びこれらを主成分とす
る合金を採用できる。
【0023】本発明の繊維強化軽金属複合材料は、全体
を100体積%としたとき、アルミナ−シリカ繊維が2
〜12体積%、非球状ムライト粒子が5〜25体積%、
残部が無機バインダーとマトリックスとからなる。アル
ミナ−シリカ繊維および非球状ムライト粒子の組成割合
を前記したように規定したのは、吸引成形等での成形体
の成形し易さと、コストと、軽合金との複合のし易さに
よる。成形のし易さとしては、繊維の量が少なすぎると
粒子の捕捉能力がなくなり、均一な成形体が製造できな
い。逆にコストの面では繊維の方が粒子より高いので、
極力繊維の使用量を削減したい。また、合計体積率37
%以上になると、軽合金との複合性が著しく低下し、成
形体を高温で余熱するなどの対応が必要となる。これら
のバランスから組成割合を前記のようにした。
【0024】本発明の強材料は、強化材を形成するアル
ミナ−シリカ繊維、非球状ムライト粒子及び無機バイン
ダーを水に分散させ、真空等で吸引して成形すると共に
水分を除去して成形体としこれを焼成し、無機バインダ
ーよりガラスを生成させて溶着することにより得られ
る。焼成温度は1100〜1400℃、焼成時間は0.
5〜1.5時間程度でよい。この焼成により繊維多孔質
耐火物からなる強化材が得られる。そしてこの強化材に
溶融した軽金属を含浸させてマトリックスとすることに
より複合材とするものである。
【0025】無機バインダーの作用を説明すると次のよ
うになる。すなわち、水中にアルミナ−シリカ繊維及び
ムライト粒子と共に分散された窒化ホウ素粉末又は窒素
化合物粉末とホウ素化合物粉末及びコロイダルシリカ
は、真空成形後乾燥されるとき、毛細管現象により繊
維、粒子の相互の接触部に主に沈着する。乾燥沈着した
これら粉末は、高温に加熱されるとコロイダルシリカと
反応し、窒素含有アルミノボロシリケートガラス又は窒
素含有ボロシリケートガラスとなり、Al、Si、B、
O、N又はSi、B、O、Nによるガラス網目構造体を
形成してアルミナ−シリカ繊維及びムライト粒子相互の
接触部を強固に結合する。そしてこれら化合物は焼成の
際、高温で分解や昇華するまで、成形体にとどまる。
【0026】本発明のマトリックスは軽金属で構成され
る。具体的には、アルミニウム、マグネシウム、銅、亜
鉛、鉛、錫及びこれらを主成分とする合金を採用でき
る。本発明の繊維強化軽金属複合材料は、全体を100
体積%としたとき、アルミナ−シリカ繊維が2〜12体
積%、非球状ムライト粒子が5〜25体積%、残部が無
機バインダーとマトリックスとからなる。アルミナ−シ
リカ繊維および非球状ムライト粒子の組成割合を前記し
たように規定したのは吸引成形等での成形体の成形し易
さと、コストと、軽合金との複合のし易さによる。成形
のし易さとしては、繊維の量が少なすぎると粒子の捕捉
能力がなくなり、均一な成形体が製造できない。逆にコ
ストの面では繊維の方が粒子より高いので、極力繊維の
使用量を削減したい。また、合計体積率37%以上にな
ると、軽合金との複合性が著しく低下し、成形体を高温
で予熱するなどの対応が必要となる。これらのバランス
から組成割合を前記のようにした。
【0027】なお、強化材はマトリックスの必要とする
部分のみに配置するものでも良い。また、本発明の繊維
強化軽金属複合材料を目的の部品、部分に合わせて所定
の形状をもつものとして形成するのが好ましい。本発明
の繊維強化軽金属複合材料は摺動材料としてシリンダー
ボアー等に最適に使用できる。
【0028】
【実施例】以下実施例を示し本発明を具体的に説明す
る。アルミナ−シリカ繊維としてはアルミナ48重量
%、シリカ51重量、残り不純物で、繊維中のムライト
結晶の量が55重量%、平均繊維長さ0.2mm、平均
繊維径2.6μmのものを採用した。また、ムライト粒
子としてはアルミナ72重量%、シリカ27重量%、残
り不純物からなるものを用い、Aシリーズは平均粒径1
2μm(篩い目開き42μm通過)Cシリーズは平均粒
径3μmのものを採用した。無機バインダーとしてはコ
ロイダルシリカとB23源として平均粒径5〜25μm
のBNを用いた。
【0029】これらのアルミナ−シリカ繊維、ムライト
粒子及びコロイダルシリカとBNを表1に示す組成で混
合し、水を加えてスラリー状とした。なお、表1のB2
3の欄にある4個の数字は試料No.の4個の数字と
対応している。例えば試料No.A1のBNは配合量0
であり、試料No.A2のBNは配合量B23換算で2
%となる。
【0030】 これらのスラリーを用いて吸引成形を行うことにより、
アルミナ−シリカ繊維が外径φ40mm、内径φ25m
mの円周面内に沿って二次元ランダムにて配向され、ム
ライト粒子が繊維中に分散した強化材成形体を形成し
た。なお、BNの配合量がB23換算で10%の試料N
o.A4及び試料No.A16のものはスラリー粘度が
高く、成形体を得ることができなかった。次にこの成形
体を1200℃で40分間焼成して強化成形体を得た。
【0031】得られた強化成形体についてはJIS A
DC12(組成;11%Si−2.4%Cu−残部Al
と1%以下の不純物)のアルミニウム合金をマトリック
ス材料として用い、アルミニウム合金の溶湯温度750
℃、成形体の予熱温度700℃、加圧力100MPaで
アルミニウム合金を高圧鋳造して成形体中に含浸させ、
冷却凝固させて外径φ40mm、内径φ26mm、高さ
12mmの寸法を有する円柱状の繊維強化軽金属複合材
料を製造した。
【0032】同様にして表2に示すように、アルミナ−
シリカ繊維に代えて、アルミナ含量が96重量%のアル
ミナ繊維を用い、また、無機バインダーとしてコロイダ
ルシリカのみを使用し、表1の組成のものと同様にして
比較品である繊維強化軽金属複合材を製造した。ムライ
ト粒子はAシリーズと同じものを使用した。 次にこれらの複合材料より図2に示す各円柱18の外径
φ36×巾11mmの外周面18Aを試験片として作成
した。相手材として17Cr鋼に窒化処理を施したもの
を使用し、7×10×15mmの寸法を有する角棒(2
0)を用意した。次いで図2に示す角棒20の巾7mm
の面に対し、外周面18Aが垂直になるよう当接させ、
加圧力60kg、回転数160rpm、時間60分の条
件にて摩耗試験を行った。そしてこれら複合材料と相手
材との両者の摩耗量を摩耗した厚さμmで計測した。得
られた値を表3に示す。
【0033】また、得られた結果を、図1に示す縦軸に
相手材摩耗量、横軸に複合材料の摩耗量を示す図表上に
示した。図1上で本発明の複合材料の場合は複合材料の
摩耗量が4.0〜5.2μmと少なく、相手材摩耗量も
2.8〜6.3μmと少ない。これに対して、無機パイ
ンダーとしてBNを配合しなかったコロイダルシリカの
みを用いたものは、相手材摩耗量は本発明の複合材料と
同じ程度の少ない摩耗量であつたが、自己の摩耗量は
5.4〜7.4μmと摩耗量が多い。
【0034】 一方、比較品であるアルミナ繊維を用い、かつバインダ
ーもBNを使用せず、コロイダルシリカのみを用いた複
合材料(B1、B2)は相手材摩耗量が10.2〜1
1.5と極めて多く、かつ自己の摩耗量も4.7〜5.
9と比較的多かった。
【0035】これらの結果より本発明の繊維強化複合材
料は、自己の摩耗量も相手材の摩耗量も少ないことがわ
かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明及び比較例の繊維強化軽金属複合材料の
自己摩耗量と相手材摩耗量の関係を示す図である。
【図2】摩耗試験に用いた試験状態を模式的に示す図で
ある。
【符号の説明】
18…円柱 18A…円柱外周面 2
0…角棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−194132(JP,A) 特開 平6−322459(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 49/00 - 49/14 B22D 19/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 35〜65重量%Al23、65〜35
    重量%SiO2および10重量%以下の他の成分からな
    る組成を有しムライト結晶量が15重量%以上であるア
    ルミナ−シリカ繊維と、40〜86重量%Al23、1
    4〜60重量%SiO2および5重量%以下の他の成分
    からなる組成を有し平均粒径が3〜60μmである非球
    状ムライト粒子と、無機バインダとしての窒化ホウ素ま
    たは窒素化合物とホウ素化合物の粉末を該アルミナ−シ
    リカ繊維100重量部に対してB 23換算で2〜7重量
    部と、コロイダルシリカを該アルミナ−シリカ繊維10
    0重量部に対して5〜30重量部とからなる強化材と、
    マトリックスとしての軽金属とからなり、該アルミナ−
    シリカ繊維が2〜12体積%、該非球状ムライト粒子が
    5〜25体積%と、残部が該無機バインダーと該マトリ
    ックスとからなることを特徴とする繊維強化軽金属複合
    材料。
  2. 【請求項2】 前記軽金属はアルミニウムあるいはアル
    ミニウム合金である請求項1記載の繊維強化軽金属複合
    材料。
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