JP3456161B2 - 耐加熱変色性、加熱時発煙性、加熱後耐食性及び耐疵付き性に優れた亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents
耐加熱変色性、加熱時発煙性、加熱後耐食性及び耐疵付き性に優れた亜鉛系めっき鋼板Info
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- JP3456161B2 JP3456161B2 JP06355499A JP6355499A JP3456161B2 JP 3456161 B2 JP3456161 B2 JP 3456161B2 JP 06355499 A JP06355499 A JP 06355499A JP 6355499 A JP6355499 A JP 6355499A JP 3456161 B2 JP3456161 B2 JP 3456161B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車、家電製品、
建材の各種部品に使用可能な耐加熱変色性、加熱時発煙
性、加熱後耐食性および耐疵付き性に優れた亜鉛系めっ
き鋼板に関するものである。
建材の各種部品に使用可能な耐加熱変色性、加熱時発煙
性、加熱後耐食性および耐疵付き性に優れた亜鉛系めっ
き鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】亜鉛系めっき鋼板はその耐久性、経済性
の観点から、自動車、家電製品、建材などの幅広い分野
に使用されている。従来、耐食性、塗装性などの機能付
与を目的として、亜鉛系めっき鋼板表面にクロメート処
理を行い、更にその表面に数ミクロンの薄い樹脂皮膜を
形成させた薄膜樹脂塗装処理などが行われている。
の観点から、自動車、家電製品、建材などの幅広い分野
に使用されている。従来、耐食性、塗装性などの機能付
与を目的として、亜鉛系めっき鋼板表面にクロメート処
理を行い、更にその表面に数ミクロンの薄い樹脂皮膜を
形成させた薄膜樹脂塗装処理などが行われている。
【0003】しかし、このような亜鉛系めっき鋼板には
耐熱性がなく、自動車のエンジンルーム周辺やストー
ブ、電子レンジ、テレビのブラウン管のシュリンクバン
ド、また溶接部周辺といった高温環境にさらされる場
合、加熱による変色や発煙、臭気、耐食性の劣化といっ
た問題があった。また、クロメート処理のみの場合は、
有機成分がないために加熱時の変色は抑制されるもの
の、皮膜が極めて薄いために加工する際に傷がつき、外
観を劣化させたり傷部の耐食性が劣化するといった問題
があった。
耐熱性がなく、自動車のエンジンルーム周辺やストー
ブ、電子レンジ、テレビのブラウン管のシュリンクバン
ド、また溶接部周辺といった高温環境にさらされる場
合、加熱による変色や発煙、臭気、耐食性の劣化といっ
た問題があった。また、クロメート処理のみの場合は、
有機成分がないために加熱時の変色は抑制されるもの
の、皮膜が極めて薄いために加工する際に傷がつき、外
観を劣化させたり傷部の耐食性が劣化するといった問題
があった。
【0004】このような問題を解決するための方法とし
て、例えば、(1)特開平4−3384号公報、(2)特開平
6−179981号公報、(3)特開平7−278837
号公報等が提案されている。
て、例えば、(1)特開平4−3384号公報、(2)特開平
6−179981号公報、(3)特開平7−278837
号公報等が提案されている。
【0005】また、シリコーン樹脂を使用した技術とし
ては(4)特開昭63−102929号公報が提案されて
いる。
ては(4)特開昭63−102929号公報が提案されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記先行技術(1)、
(2)は、めっき鋼板の上にクロメート処理を行い、更
にその上層に珪酸をベースとし、アルカリ金属酸化物で
水溶化した処理液(水ガラス)を塗布、乾燥させたもの
であるが、上層の皮膜にアルカリ金属成分が残るため耐
水性に劣り、結果として耐食性に劣るという問題があ
る。また、(2)の従来技術は無機成分のみであるため
に、潤滑性に劣り、結果として加工時の耐疵付き性に劣
るという欠点がある。(3)は、Zn−Ni系合金めっ
きにシリカを添加したクロメート皮膜を形成したもので
あるが、シリカ添加では加熱変色を抑制することが困難
であり、加工時の耐疵付き性にも劣る欠点がある。
(2)は、めっき鋼板の上にクロメート処理を行い、更
にその上層に珪酸をベースとし、アルカリ金属酸化物で
水溶化した処理液(水ガラス)を塗布、乾燥させたもの
であるが、上層の皮膜にアルカリ金属成分が残るため耐
水性に劣り、結果として耐食性に劣るという問題があ
る。また、(2)の従来技術は無機成分のみであるため
に、潤滑性に劣り、結果として加工時の耐疵付き性に劣
るという欠点がある。(3)は、Zn−Ni系合金めっ
きにシリカを添加したクロメート皮膜を形成したもので
あるが、シリカ添加では加熱変色を抑制することが困難
であり、加工時の耐疵付き性にも劣る欠点がある。
【0007】また、(4)の従来技術はラダー型シリコ
ーン樹脂を化成処理皮膜を形成した亜鉛系めっき鋼板上
に形成したものであるが、ラダー型といわれるように橋
かけ構造を有しているために、硬化した皮膜が硬くなり
すぎて、加工時の耐疵付き性に劣り、加工した際に皮膜
の密着性にも劣るという問題があった。
ーン樹脂を化成処理皮膜を形成した亜鉛系めっき鋼板上
に形成したものであるが、ラダー型といわれるように橋
かけ構造を有しているために、硬化した皮膜が硬くなり
すぎて、加工時の耐疵付き性に劣り、加工した際に皮膜
の密着性にも劣るという問題があった。
【0008】以上のように、従来技術では加熱時の変色
性、耐食性、耐疵付き性および密着性に優れた亜鉛系め
っき鋼板はなかった。
性、耐食性、耐疵付き性および密着性に優れた亜鉛系め
っき鋼板はなかった。
【0009】したがって、本発明の目的は、このような
従来技術の問題点を解決し、耐加熱変色性、加熱時発煙
性、加熱後耐食性、耐疵付き性および密着性のいずれに
も優れた亜鉛系めっき鋼板を提供することにある。
従来技術の問題点を解決し、耐加熱変色性、加熱時発煙
性、加熱後耐食性、耐疵付き性および密着性のいずれに
も優れた亜鉛系めっき鋼板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するための手段について鋭意検討を重ねた結
果、クロメート処理液にリン酸を添加することによ
り、亜鉛系めっき鋼板のクロメート皮膜特有の黄色味を
減少させることができ、さらに加熱後の変色レベル抑制
に非常に効果的であること、特定のストレートシリコ
ーン樹脂を主成分とする処理液を用いて亜鉛系めっき鋼
板表面を処理することにより、耐加熱変色性、加熱時発
煙性、加熱後耐食性および耐疵付き性のいずれにも優れ
た亜鉛系めっき鋼板を新たに見出した。本発明はこのよ
うな知見に基づいてなされたもので、その特徴は以下の
通りである。
題を解決するための手段について鋭意検討を重ねた結
果、クロメート処理液にリン酸を添加することによ
り、亜鉛系めっき鋼板のクロメート皮膜特有の黄色味を
減少させることができ、さらに加熱後の変色レベル抑制
に非常に効果的であること、特定のストレートシリコ
ーン樹脂を主成分とする処理液を用いて亜鉛系めっき鋼
板表面を処理することにより、耐加熱変色性、加熱時発
煙性、加熱後耐食性および耐疵付き性のいずれにも優れ
た亜鉛系めっき鋼板を新たに見出した。本発明はこのよ
うな知見に基づいてなされたもので、その特徴は以下の
通りである。
【0011】すなわち、本発明は、亜鉛系めっき鋼板の
表面に、第1層として3価クロムイオン/全クロムイオ
ン(3価クロムイオン+6価クロムイオン)が重量比で
2/10〜6/10の範囲であり、さらにリン酸イオン
を重量比でリン酸イオン/全クロムイオン=1.0〜
4.0の範囲で含有する処理液を塗布し、乾燥すること
により形成された皮膜の付着量が金属Cr換算で100
mg/m2以下であるクロメート皮膜と、該クロメート
皮膜の上層に第2層として付着量がSiO2換算で0.
1〜3g/m2である、他の有機樹脂との変性がなされ
ていないストレートシリコーン樹脂を主成分とする樹脂
皮膜とを有し、前記ストレートシリコーン樹脂に含有さ
れる有機基がメチル基であることを特徴とする耐加熱変
色性、加熱時発煙性、加熱後耐食性および耐疵付き性に
優れた亜鉛系めっき鋼板を提供するものである。
表面に、第1層として3価クロムイオン/全クロムイオ
ン(3価クロムイオン+6価クロムイオン)が重量比で
2/10〜6/10の範囲であり、さらにリン酸イオン
を重量比でリン酸イオン/全クロムイオン=1.0〜
4.0の範囲で含有する処理液を塗布し、乾燥すること
により形成された皮膜の付着量が金属Cr換算で100
mg/m2以下であるクロメート皮膜と、該クロメート
皮膜の上層に第2層として付着量がSiO2換算で0.
1〜3g/m2である、他の有機樹脂との変性がなされ
ていないストレートシリコーン樹脂を主成分とする樹脂
皮膜とを有し、前記ストレートシリコーン樹脂に含有さ
れる有機基がメチル基であることを特徴とする耐加熱変
色性、加熱時発煙性、加熱後耐食性および耐疵付き性に
優れた亜鉛系めっき鋼板を提供するものである。
【0012】なお、前記クロメート処理液には、平均粒
子径5〜20nmのコロイダルシリカが重量比でコロイ
ダルシリカ/全クロムイオン=2.0〜6.0の範囲で
含有されていることが好ましい。
子径5〜20nmのコロイダルシリカが重量比でコロイ
ダルシリカ/全クロムイオン=2.0〜6.0の範囲で
含有されていることが好ましい。
【0013】
【0014】また、前記樹脂皮膜中のSiO2成分が該
樹脂皮膜重量の60%以上であることが好ましい。
樹脂皮膜重量の60%以上であることが好ましい。
【0015】また、前記樹脂皮膜中に、ストレートシリ
コーン樹脂100重量部に対して結晶性潤滑剤を20重
量部以下含有することが好ましい。
コーン樹脂100重量部に対して結晶性潤滑剤を20重
量部以下含有することが好ましい。
【0016】さらに、この結晶性潤滑剤として、使用の
目的により軟化点70℃以上の有機系潤滑剤を適宜用い
ることが好ましい。
目的により軟化点70℃以上の有機系潤滑剤を適宜用い
ることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳細に説明
する。本発明のめっき鋼板は、亜鉛系めっき鋼板の表面
に第1層としてクロメート皮膜が形成され、その上に第
2層として特定のストレートシリコーン樹脂を主成分と
する樹脂皮膜が形成される。但し、本発明においては、
クロメート皮膜を形成することなく、亜鉛系めっき鋼板
の表面に特定のストレートシリコーン樹脂を主成分とす
る樹脂皮膜を有するものも好適に使用可能である。
する。本発明のめっき鋼板は、亜鉛系めっき鋼板の表面
に第1層としてクロメート皮膜が形成され、その上に第
2層として特定のストレートシリコーン樹脂を主成分と
する樹脂皮膜が形成される。但し、本発明においては、
クロメート皮膜を形成することなく、亜鉛系めっき鋼板
の表面に特定のストレートシリコーン樹脂を主成分とす
る樹脂皮膜を有するものも好適に使用可能である。
【0018】シリコーンとは、一般的にシロキサン(−
Si−O−Si−)部分を有する素材の総称であり、樹
脂、オイル、ゴムなどが使用されている。そこで、本発
明で用いるストレートシリコーン樹脂について説明する
と、シロキサン(−Si−O−Si−)を骨格とし、ケ
イ素原子に水酸基(−OH)、アルコキシル基(−O
R:Rは有機基)又は有機基が結合していて有機、無機
双方の性質を有する素材であり、他の有機樹脂との変性
がなされていないことが特徴である。さらに、橋かけ構
造でないため皮膜に柔軟性があり、耐疵付き性優れるこ
とが特徴である。
Si−O−Si−)部分を有する素材の総称であり、樹
脂、オイル、ゴムなどが使用されている。そこで、本発
明で用いるストレートシリコーン樹脂について説明する
と、シロキサン(−Si−O−Si−)を骨格とし、ケ
イ素原子に水酸基(−OH)、アルコキシル基(−O
R:Rは有機基)又は有機基が結合していて有機、無機
双方の性質を有する素材であり、他の有機樹脂との変性
がなされていないことが特徴である。さらに、橋かけ構
造でないため皮膜に柔軟性があり、耐疵付き性優れるこ
とが特徴である。
【0019】ケイ素原子と結合している有機基として
は、メチル基(−CH3)、エチル基(−C2H5)、
フェニル基(−C6H5)、ビニル基(−CH=C
H2)、ブチル基(−C3H7)等が挙げられる。な
お、使用されるストレートシリコーン樹脂はこれらの有
機基を単独で含んでいてもよく、また2種以上の異なる
有機基を含んでいるものでもよい。ストレートシリコー
ン樹脂でない変性シリコーン樹脂を用いた場合は、変性
した有機樹脂成分が加熱時に熱分解し、変色、発煙の原
因となるため好ましくない。
は、メチル基(−CH3)、エチル基(−C2H5)、
フェニル基(−C6H5)、ビニル基(−CH=C
H2)、ブチル基(−C3H7)等が挙げられる。な
お、使用されるストレートシリコーン樹脂はこれらの有
機基を単独で含んでいてもよく、また2種以上の異なる
有機基を含んでいるものでもよい。ストレートシリコー
ン樹脂でない変性シリコーン樹脂を用いた場合は、変性
した有機樹脂成分が加熱時に熱分解し、変色、発煙の原
因となるため好ましくない。
【0020】さらに、ケイ素原子と結合している有機基
として炭素数の少ないメチル基を含有するシリコーン樹
脂が、加熱による有機成分の分解に起因する発煙の観点
からより好ましい。
として炭素数の少ないメチル基を含有するシリコーン樹
脂が、加熱による有機成分の分解に起因する発煙の観点
からより好ましい。
【0021】本発明においては、ストレートシリコーン
樹脂の付着量は、SiO2換算で0.1〜3g/m2と
するのが好ましい。付着量が0.1g/m2未満ではロ
ールフォーミングやプレス成形時の耐疵付き性に劣り、
3g/m2を超えると加熱時の発煙性、曲げ加工時の密
着性に劣る。
樹脂の付着量は、SiO2換算で0.1〜3g/m2と
するのが好ましい。付着量が0.1g/m2未満ではロ
ールフォーミングやプレス成形時の耐疵付き性に劣り、
3g/m2を超えると加熱時の発煙性、曲げ加工時の密
着性に劣る。
【0022】本発明に用いられるストレートシリコーン
樹脂皮膜中に含有されるSiO2成分は、この樹脂皮膜
重量の60%以上であることが好ましい。これはストレ
ートシリコーン樹脂中のSiO2成分以外は、水酸基も
しくは有機基であるため、有機基が増加すると発煙性が
劣化することに起因する。
樹脂皮膜中に含有されるSiO2成分は、この樹脂皮膜
重量の60%以上であることが好ましい。これはストレ
ートシリコーン樹脂中のSiO2成分以外は、水酸基も
しくは有機基であるため、有機基が増加すると発煙性が
劣化することに起因する。
【0023】また、本発明のストレートシリコーン樹脂
皮膜は、ストレートシリコーン樹脂100重量部に対し
て結晶性潤滑剤を20重量部以下含有することが好まし
い。結晶性潤滑剤としては、有機系潤滑剤及び無機系潤
滑剤を挙げることができるが、このような結晶性潤滑剤
を添加することにより、ロールフォーミング、プレス成
形等によって生ずる樹脂皮膜やめっき表面の傷及びかじ
りを、より効果的に防止することができる。
皮膜は、ストレートシリコーン樹脂100重量部に対し
て結晶性潤滑剤を20重量部以下含有することが好まし
い。結晶性潤滑剤としては、有機系潤滑剤及び無機系潤
滑剤を挙げることができるが、このような結晶性潤滑剤
を添加することにより、ロールフォーミング、プレス成
形等によって生ずる樹脂皮膜やめっき表面の傷及びかじ
りを、より効果的に防止することができる。
【0024】さらに、有機系潤滑剤としては、軟化点7
0℃以上のものが好適に使用可能である。軟化点が70
℃未満では有機成分が分解しやすく発煙性が劣る。軟化
点70℃以上の有機系潤滑剤としては、マイクロスタリ
ンワックス(軟化点70〜90℃)、ポリエチレン(軟
化点90〜140℃)、ポリプロピレン(軟化点140
〜170℃)、4フッ化エチレン(軟化点320℃)等
が挙げられる。なお、上述した潤滑剤は単独で添加して
もよく、また異なる2種以上の潤滑剤を併用してもよ
い。また、マイクロスタリンワックス、ポリエチレン、
ポリプロピレンは酸価が0又は0超のいずれであっても
よく、それらの組合せであってもよい。添加する状態と
しては、シリコーン樹脂が溶剤系であるため、粉体もし
くは予め溶剤に分散した状態のものが好ましく、その平
均粒径は耐疵付き性の点から20μm以下であることが
好ましい。
0℃以上のものが好適に使用可能である。軟化点が70
℃未満では有機成分が分解しやすく発煙性が劣る。軟化
点70℃以上の有機系潤滑剤としては、マイクロスタリ
ンワックス(軟化点70〜90℃)、ポリエチレン(軟
化点90〜140℃)、ポリプロピレン(軟化点140
〜170℃)、4フッ化エチレン(軟化点320℃)等
が挙げられる。なお、上述した潤滑剤は単独で添加して
もよく、また異なる2種以上の潤滑剤を併用してもよ
い。また、マイクロスタリンワックス、ポリエチレン、
ポリプロピレンは酸価が0又は0超のいずれであっても
よく、それらの組合せであってもよい。添加する状態と
しては、シリコーン樹脂が溶剤系であるため、粉体もし
くは予め溶剤に分散した状態のものが好ましく、その平
均粒径は耐疵付き性の点から20μm以下であることが
好ましい。
【0025】また、無機系潤滑剤としては、例えばグラ
ファイト、窒化ホウ素、二硫化モリブデンなどが挙げら
れる。このような潤滑剤は発煙性を重視する場合は好ま
しく使用することができるが、有機系のものに比べて耐
疵付き性にやや劣ることもあり、使用の目的により適宜
選択し、使用することができる。
ファイト、窒化ホウ素、二硫化モリブデンなどが挙げら
れる。このような潤滑剤は発煙性を重視する場合は好ま
しく使用することができるが、有機系のものに比べて耐
疵付き性にやや劣ることもあり、使用の目的により適宜
選択し、使用することができる。
【0026】有機系潤滑剤の添加量としては、ストレー
トシリコーン樹脂100重量部に対して0.5〜20重
量部の範囲で含有することが好ましい。添加量が20重
量部を超えると、有機成分が増加することから、加熱時
の発煙性が劣る。より好ましい添加量は10重量部以下
である。また、添加量が0.5重量部未満であると優れ
た耐疵付き性が得られないため好ましくない。他方、無
機系の結晶性潤滑剤の場合、添加量が20重量部を超え
ると耐疵付き性が劣化するため好ましくない。より好ま
しい添加量は10重量部以下である。また、添加量が
0.5重量部未満であると優れた耐疵付き性が得られな
いため好ましくない。
トシリコーン樹脂100重量部に対して0.5〜20重
量部の範囲で含有することが好ましい。添加量が20重
量部を超えると、有機成分が増加することから、加熱時
の発煙性が劣る。より好ましい添加量は10重量部以下
である。また、添加量が0.5重量部未満であると優れ
た耐疵付き性が得られないため好ましくない。他方、無
機系の結晶性潤滑剤の場合、添加量が20重量部を超え
ると耐疵付き性が劣化するため好ましくない。より好ま
しい添加量は10重量部以下である。また、添加量が
0.5重量部未満であると優れた耐疵付き性が得られな
いため好ましくない。
【0027】上述のようなストレートシリコーン樹脂を
主成分とする樹脂皮膜を形成する前に、クロメート処理
を行うことにより、さらなる耐食性の向上を図ることが
できる。
主成分とする樹脂皮膜を形成する前に、クロメート処理
を行うことにより、さらなる耐食性の向上を図ることが
できる。
【0028】本発明において、クロメート皮膜の付着量
は、金属Cr換算で鋼板片面あたり5〜100mg/m2
であることが好ましい。Cr付着量が5mg/m2未満で
は優れた耐食性が得られない。一方100mg/m2を超
えるとその付着量に見合った加熱後耐食性の向上効果が
得られないのみならず、加工時にクロメート皮膜自体の
凝集破壊が生じ、密着性が得られない。クロメート皮膜
は加熱前の耐食性を向上させるためには必要である。
は、金属Cr換算で鋼板片面あたり5〜100mg/m2
であることが好ましい。Cr付着量が5mg/m2未満で
は優れた耐食性が得られない。一方100mg/m2を超
えるとその付着量に見合った加熱後耐食性の向上効果が
得られないのみならず、加工時にクロメート皮膜自体の
凝集破壊が生じ、密着性が得られない。クロメート皮膜
は加熱前の耐食性を向上させるためには必要である。
【0029】また、クロメート皮膜を形成するための処
理液は、クロムイオンを重量比で3価クロムイオン/全
クロムイオン(3価クロムイオン+6価クロムイオン)
=2/10〜6/10の範囲で含有することが好まし
い。2/10未満では黄色味が増加し、加熱後変色が大
きくなり、また6/10を超えると処理液の安定性に劣
る。
理液は、クロムイオンを重量比で3価クロムイオン/全
クロムイオン(3価クロムイオン+6価クロムイオン)
=2/10〜6/10の範囲で含有することが好まし
い。2/10未満では黄色味が増加し、加熱後変色が大
きくなり、また6/10を超えると処理液の安定性に劣
る。
【0030】さらに、前記処理液は、リン酸イオンを重
量比でリン酸イオン/全クロムイオン=1.0〜4.0
の範囲で含有することが好ましい。リン酸イオンはクロ
メート皮膜の黄色味の低減に効果的であり、加熱後の変
色を非常に効果的に抑制することができる。リン酸イオ
ンの含有量が1.0未満では加熱後の変色抑制効果が充
分でなく、4.0を超えると処理液の安定性に劣る。
量比でリン酸イオン/全クロムイオン=1.0〜4.0
の範囲で含有することが好ましい。リン酸イオンはクロ
メート皮膜の黄色味の低減に効果的であり、加熱後の変
色を非常に効果的に抑制することができる。リン酸イオ
ンの含有量が1.0未満では加熱後の変色抑制効果が充
分でなく、4.0を超えると処理液の安定性に劣る。
【0031】また、本発明においては、耐食性のさらな
る向上を目的として、前記処理液にコロイダルシリカを
添加することができる。かかるコロイダルシリカとして
は、平均粒子径が5〜20nmであることが好ましく、
その添加量は重量比でコロイダルシリカ/全クロムイオ
ン=2.0〜6.0であることが好ましい。平均粒子径
が5nm未満では耐食性の向上効果に比べてコストが高
くなり、一方20nmを超えると耐食性の向上効果が充
分でない。また、添加量が2.0未満では耐食性の向上
効果が充分でなく、一方6.0を超えると耐食性の向上
効果が飽和するばかりか、処理液の安定性が劣る。
る向上を目的として、前記処理液にコロイダルシリカを
添加することができる。かかるコロイダルシリカとして
は、平均粒子径が5〜20nmであることが好ましく、
その添加量は重量比でコロイダルシリカ/全クロムイオ
ン=2.0〜6.0であることが好ましい。平均粒子径
が5nm未満では耐食性の向上効果に比べてコストが高
くなり、一方20nmを超えると耐食性の向上効果が充
分でない。また、添加量が2.0未満では耐食性の向上
効果が充分でなく、一方6.0を超えると耐食性の向上
効果が飽和するばかりか、処理液の安定性が劣る。
【0032】上述のような皮膜を形成するめっき鋼板と
しては、電気めっき、溶融めっき、蒸着めっきで製造さ
れる亜鉛めっき鋼板、亜鉛のほかにニッケル、鉄、アル
ミニウム、コバルト、モリブデン等から選択される少な
くとも1つの成分を含有する亜鉛系合金めっき鋼板、め
っき皮膜中にシリカ、アルミナ等を含有する分散めっき
鋼板などが挙げられる。より好ましくは、耐熱性の観点
から、めっきされた金属の融点が高い亜鉛−ニッケル合
金めっき鋼板、亜鉛−55%アルミニウム合金めっき鋼
板である。また、亜鉛系めっきではない溶融アルミニウ
ムめっき鋼板やめっき皮膜を有しない冷延鋼板、熱延鋼
板なども使用できる。
しては、電気めっき、溶融めっき、蒸着めっきで製造さ
れる亜鉛めっき鋼板、亜鉛のほかにニッケル、鉄、アル
ミニウム、コバルト、モリブデン等から選択される少な
くとも1つの成分を含有する亜鉛系合金めっき鋼板、め
っき皮膜中にシリカ、アルミナ等を含有する分散めっき
鋼板などが挙げられる。より好ましくは、耐熱性の観点
から、めっきされた金属の融点が高い亜鉛−ニッケル合
金めっき鋼板、亜鉛−55%アルミニウム合金めっき鋼
板である。また、亜鉛系めっきではない溶融アルミニウ
ムめっき鋼板やめっき皮膜を有しない冷延鋼板、熱延鋼
板なども使用できる。
【0033】本発明において亜鉛系めっき鋼板のベース
となる鋼板も、特に限定されるものではなく、種々の組
成、表面粗さ、圧延方法のものを使用できる。
となる鋼板も、特に限定されるものではなく、種々の組
成、表面粗さ、圧延方法のものを使用できる。
【0034】本発明におけるクロメート皮膜及び樹脂皮
膜の形成方法としては、塗布処理、電解処理、反応処理
などの既知のいずれの方法によってもよいが、処理液の
組成を皮膜に反映しやすい塗布型が好ましい。例えば、
亜鉛系めっき鋼板表面にロールコーター、カーテンフロ
ーコーター又はスプレー塗装等の既知の方法によって上
述したクロメート処理液を塗布し、熱風炉や誘導加熱炉
など既知の方法により乾燥させることによりクロメート
皮膜を形成する。次いで、同様にロールコーター、カー
テンフローコーター又はスプレー塗装等の既知の方法に
よって上述したストレートシリコーン樹脂を主成分とす
る塗料を塗布することによって、所望の付着量を有する
塗膜を形成する。次いで、塗料が塗布された亜鉛系めっ
き鋼板を熱風炉や誘導加熱装置により、所定温度で加熱
し、焼き付けることによって、塗料中の溶剤を揮発さ
せ、樹脂皮膜を形成する。
膜の形成方法としては、塗布処理、電解処理、反応処理
などの既知のいずれの方法によってもよいが、処理液の
組成を皮膜に反映しやすい塗布型が好ましい。例えば、
亜鉛系めっき鋼板表面にロールコーター、カーテンフロ
ーコーター又はスプレー塗装等の既知の方法によって上
述したクロメート処理液を塗布し、熱風炉や誘導加熱炉
など既知の方法により乾燥させることによりクロメート
皮膜を形成する。次いで、同様にロールコーター、カー
テンフローコーター又はスプレー塗装等の既知の方法に
よって上述したストレートシリコーン樹脂を主成分とす
る塗料を塗布することによって、所望の付着量を有する
塗膜を形成する。次いで、塗料が塗布された亜鉛系めっ
き鋼板を熱風炉や誘導加熱装置により、所定温度で加熱
し、焼き付けることによって、塗料中の溶剤を揮発さ
せ、樹脂皮膜を形成する。
【0035】上述した樹脂皮膜の焼付温度は、80〜3
50℃の範囲とすることが好ましい。焼付温度が80℃
未満では、樹脂皮膜の効果が不充分なため、加工時の耐
疵付き性に劣る。一方、350℃を超えると樹脂皮膜の
効果が進みすぎ、ストレートシリコーン樹脂中の有機基
が分解、揮発し、耐疵付き性に劣る。
50℃の範囲とすることが好ましい。焼付温度が80℃
未満では、樹脂皮膜の効果が不充分なため、加工時の耐
疵付き性に劣る。一方、350℃を超えると樹脂皮膜の
効果が進みすぎ、ストレートシリコーン樹脂中の有機基
が分解、揮発し、耐疵付き性に劣る。
【0036】
【実施例】下記の亜鉛系めっき鋼板の両面をアルカリ脱
脂した後、塗布型クロメート処理を金属Cr換算で3〜
120mg/m2となるように塗布・乾燥し、さらにその
表面にストレートシリコーン樹脂を主成分とする塗料を
ロールコーティング法により塗布(付着量はウェット塗
布量により調整)した後、これを誘導加熱炉により、最
高到達板温60〜400℃の範囲で焼き付け、供試材を
作成した。
脂した後、塗布型クロメート処理を金属Cr換算で3〜
120mg/m2となるように塗布・乾燥し、さらにその
表面にストレートシリコーン樹脂を主成分とする塗料を
ロールコーティング法により塗布(付着量はウェット塗
布量により調整)した後、これを誘導加熱炉により、最
高到達板温60〜400℃の範囲で焼き付け、供試材を
作成した。
【0037】(1)電気亜鉛めっき鋼板(板厚0.8m
m、めっき付着量20g/m2) (2)亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板(板厚0.8mm、
めっき付着量20g/m2) (3)溶融亜鉛めっき鋼板(板厚0.8mm、めっき付着
量90g/m2) (4)合金化溶融亜鉛めっき鋼板(板厚0.8mm、めっ
き付着量45g/m2) (5)溶融亜鉛鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板
(板厚0.8mm、めっき付着量90g/m2) (6)溶融亜鉛−55%アルミニウム合金めっき鋼板
(板厚0.8mm、めっき付着量70g/m2) 各供試材に使用した塗料の組成をクロム付着量、樹脂皮
膜付着量とともに表1に示す。
m、めっき付着量20g/m2) (2)亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板(板厚0.8mm、
めっき付着量20g/m2) (3)溶融亜鉛めっき鋼板(板厚0.8mm、めっき付着
量90g/m2) (4)合金化溶融亜鉛めっき鋼板(板厚0.8mm、めっ
き付着量45g/m2) (5)溶融亜鉛鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板
(板厚0.8mm、めっき付着量90g/m2) (6)溶融亜鉛−55%アルミニウム合金めっき鋼板
(板厚0.8mm、めっき付着量70g/m2) 各供試材に使用した塗料の組成をクロム付着量、樹脂皮
膜付着量とともに表1に示す。
【0038】さらに、表1に示す塗料により作成した供
試材について、耐熱変色性、発煙性、加熱後耐食性、耐
疵付き性および曲げ密着性を評価した。その結果を表2
に示す。
試材について、耐熱変色性、発煙性、加熱後耐食性、耐
疵付き性および曲げ密着性を評価した。その結果を表2
に示す。
【0039】以下に性能評価方法について示す。
[性能評価]
(1)耐熱変色性
各供試材を到達板温が600℃になった後、1時間均熱
処理し、供試材表面の変色状況を測色計にて測定した。
その評価基準は下記の通りである。
処理し、供試材表面の変色状況を測色計にて測定した。
その評価基準は下記の通りである。
【0040】
○○:△E≦2
○:2<△E≦5
△:5<△E≦10
×:△E>10
(2)発煙性
各供試材を到達板温が600℃になるまでの間に生じる
発煙状況を目視で判定した。その評価基準は下記の通り
である。
発煙状況を目視で判定した。その評価基準は下記の通り
である。
【0041】
○○:発煙なし
○:わずかに発煙が見られる
△:はっきりと発煙が確認できる
×:著しく発煙
(3)加熱前耐食性
供試材を70mm×150mmの試験片を数枚切り出し、こ
れらの試験片にJISZ2371に規定された塩水噴霧
試験を実施し、500時間後の白錆発生面積を目視で判
定した。その評価基準は下記の通りである。
れらの試験片にJISZ2371に規定された塩水噴霧
試験を実施し、500時間後の白錆発生面積を目視で判
定した。その評価基準は下記の通りである。
【0042】
○○:白錆発生なし
○:白錆発生面積5%以下
△:白錆発生面積5%超30%以下
×:白錆発生面積30%超
(4)加熱後耐食性
供試材を到達板温が600℃になった後、1時間均熱処
理したものから70mm×150mmの試験片を複数枚切り
出し、これらの試験片にJISZ2371に規定された
塩水噴霧試験を実施し、500時間後の赤錆発生面積を
目視で判定した。その評価基準は下記の通りである。
理したものから70mm×150mmの試験片を複数枚切り
出し、これらの試験片にJISZ2371に規定された
塩水噴霧試験を実施し、500時間後の赤錆発生面積を
目視で判定した。その評価基準は下記の通りである。
【0043】
○○:赤錆発生なし
○:赤錆発生面積5%以下
△:赤錆発生面積5%超30%以下
×:赤錆発生面積30%超
(5)耐疵付き性
図1に示す試験機を使用した。試験機は図1に示すよう
に箱状の枠2の一側2aに固定されたフラット面を有す
る雌ダイス1と、雌ダイス1と向き合った、所定の高さ
の実質的に水平な突条3を有する雄ダイス4と、雄ダイ
ス4を支持し、そして雄ダイス4を雌ダイス1に向けて
水平移動させるための、枠2の他側2bに固定された油
圧シリンダ5とからなっている。雄ダイス4は油圧シリ
ンダ5のロッド5aに、ロードセル6を介して固定され
ている。なお、雄ダイス4の突条3の幅は10mであ
り、その先端の長さは1mmである。
に箱状の枠2の一側2aに固定されたフラット面を有す
る雌ダイス1と、雌ダイス1と向き合った、所定の高さ
の実質的に水平な突条3を有する雄ダイス4と、雄ダイ
ス4を支持し、そして雄ダイス4を雌ダイス1に向けて
水平移動させるための、枠2の他側2bに固定された油
圧シリンダ5とからなっている。雄ダイス4は油圧シリ
ンダ5のロッド5aに、ロードセル6を介して固定され
ている。なお、雄ダイス4の突条3の幅は10mであ
り、その先端の長さは1mmである。
【0044】供試材を、雌ダイス1と雄ダイス4との間
の間隙に垂直に挿入し、油圧シリンダ5を作動させて、
雌ダイス1と雄ダイス4とにより供試材7を50kgf
(500kgf/cm2)の圧力で押し付けた。次い
で、供試材7を矢印に示すように、500mm/分の速度
で上方に引き抜き、そのときに摺同された部分の皮膜お
よびめっきの損傷を目視で評価した。その評価基準は下
記の通りである。
の間隙に垂直に挿入し、油圧シリンダ5を作動させて、
雌ダイス1と雄ダイス4とにより供試材7を50kgf
(500kgf/cm2)の圧力で押し付けた。次い
で、供試材7を矢印に示すように、500mm/分の速度
で上方に引き抜き、そのときに摺同された部分の皮膜お
よびめっきの損傷を目視で評価した。その評価基準は下
記の通りである。
【0045】
○○:傷発生なし
○:皮膜にわずかに損傷が見られるが、めっき損傷はな
し △:皮膜が損傷し、めっき損傷小 ×:皮膜が損傷し、めっき損傷大 (6)曲げ密着性 供試材を0T密着曲げを行い、曲げ部分にセロハンテー
プを貼り付け、よくこすって十分密着させた後に剥離
し、剥離した皮膜の程度を目視で評価した。その評価基
準は下記の通りである。
し △:皮膜が損傷し、めっき損傷小 ×:皮膜が損傷し、めっき損傷大 (6)曲げ密着性 供試材を0T密着曲げを行い、曲げ部分にセロハンテー
プを貼り付け、よくこすって十分密着させた後に剥離
し、剥離した皮膜の程度を目視で評価した。その評価基
準は下記の通りである。
【0046】
○○:剥離なし
○:わずかに剥離
△:部分的に剥離
×:ほぼ剥離
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】表1及び表2から明らかなように、本発明
による皮膜を形成した亜鉛系めっき鋼板は、いずれも耐
加熱変色性、発煙性、加熱後耐食性、耐疵付き性及び曲
げ密着性のいずれかにおいても優れている。
による皮膜を形成した亜鉛系めっき鋼板は、いずれも耐
加熱変色性、発煙性、加熱後耐食性、耐疵付き性及び曲
げ密着性のいずれかにおいても優れている。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の亜鉛系めっ
き鋼板は、高温にさらされるような環境において、熱変
色性、発煙性に優れ、加熱後耐食性に優れた特性を有し
ている。さらに、部品として加工する際の皮膜及びめっ
き表面の疵付き性、皮膜の密着性に優れた特性を有して
いる。
き鋼板は、高温にさらされるような環境において、熱変
色性、発煙性に優れ、加熱後耐食性に優れた特性を有し
ている。さらに、部品として加工する際の皮膜及びめっ
き表面の疵付き性、皮膜の密着性に優れた特性を有して
いる。
【図1】供試材の耐疵付き性を評価するための試験機の
概略正面図。
概略正面図。
1 雌ダイス
2 枠
3 突条
4 雄ダイス
5 油圧シリンダ
6 ロードセル
7 供試材
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平9−241860(JP,A)
特開 昭60−203680(JP,A)
特開 平8−230100(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C23C 22/00 - 22/86
B05D 7/14
B32B 15/08
Claims (5)
- 【請求項1】 亜鉛系めっき鋼板の表面に、第1層とし
て3価クロムイオン/全クロムイオン(3価クロムイオ
ン+6価クロムイオン)が重量比で2/10〜6/10
の範囲であり、さらにリン酸イオンを重量比でリン酸イ
オン/全クロムイオン=1.0〜4.0の範囲で含有す
る処理液を塗布し、乾燥することにより形成された皮膜
の付着量が金属Cr換算で100mg/m2以下である
クロメート皮膜と、該クロメート皮膜の上層に第2層と
して付着量がSiO2換算で0.1〜3g/m2であ
る、他の有機樹脂との変性がなされていないストレート
シリコーン樹脂を主成分とする樹脂皮膜とを有し、前記
ストレートシリコーン樹脂に含有される有機基がメチル
基であることを特徴とする、耐加熱変色性、加熱時発煙
性、加熱後耐食性および耐疵付き性に優れた亜鉛系めっ
き鋼板。 - 【請求項2】 前記クロメート処理液には、平均粒子径
5〜20nmのコロイダルシリカが重量比でコロイダル
シリカ/全クロムイオン=2.0〜6.0の範囲で含有
されていることを特徴とする、請求項1に記載の耐加熱
変色性、加熱時発煙性、加熱後耐食性および耐疵付き性
に優れた亜鉛系めっき鋼板。 - 【請求項3】 前記樹脂皮膜中のSiO2成分が該樹脂
皮膜重量の60%以上であることを特徴とする、請求項
1又は2に記載の耐加熱変色性、加熱時発煙性、加熱後
耐食性および耐疵付き性に優れた亜鉛系めっき鋼板。 - 【請求項4】 前記樹脂皮膜中に、ストレートシリコー
ン樹脂100重量部に対して結晶性潤滑剤を20重量部
以下含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれ
かに記載の耐加熱変色性、加熱時発煙性、加熱後耐食性
および耐疵付き性に優れた亜鉛系めっき鋼板。 - 【請求項5】 前記結晶性潤滑剤は、軟化点70℃以上
の有機系潤滑剤であることを特徴とする、請求項4に記
載の耐加熱変色性、加熱時発煙性、加熱後耐食性および
耐疵付き性に優れた亜鉛系めっき鋼板。」
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06355499A JP3456161B2 (ja) | 1999-03-10 | 1999-03-10 | 耐加熱変色性、加熱時発煙性、加熱後耐食性及び耐疵付き性に優れた亜鉛系めっき鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06355499A JP3456161B2 (ja) | 1999-03-10 | 1999-03-10 | 耐加熱変色性、加熱時発煙性、加熱後耐食性及び耐疵付き性に優れた亜鉛系めっき鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000256872A JP2000256872A (ja) | 2000-09-19 |
JP3456161B2 true JP3456161B2 (ja) | 2003-10-14 |
Family
ID=13232569
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06355499A Expired - Fee Related JP3456161B2 (ja) | 1999-03-10 | 1999-03-10 | 耐加熱変色性、加熱時発煙性、加熱後耐食性及び耐疵付き性に優れた亜鉛系めっき鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3456161B2 (ja) |
-
1999
- 1999-03-10 JP JP06355499A patent/JP3456161B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000256872A (ja) | 2000-09-19 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |