JP3455975B2 - カラー液晶表示装置およびカラーフィルタ基板の製造方法 - Google Patents

カラー液晶表示装置およびカラーフィルタ基板の製造方法

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JP3455975B2 JP30678594A JP30678594A JP3455975B2 JP 3455975 B2 JP3455975 B2 JP 3455975B2 JP 30678594 A JP30678594 A JP 30678594A JP 30678594 A JP30678594 A JP 30678594A JP 3455975 B2 JP3455975 B2 JP 3455975B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラー液晶表示装置とカ
ラーフィルタ基板の製造方法に係り、特に表示品質に優
れ、信頼性の高いカラー液晶表示装置と、これに用いる
カラーフィルタ基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フラットディスプレイとして、カ
ラーの液晶表示装置が注目されている。一般に、カラー
液晶表示装置は、ブラックマトリックスと複数の色(通
常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色)からなる
着色層を備えたカラーフィルタ基板と対向電極基板との
間に液晶層を挟持した構造である。そして、各色の着色
層R、G、Bのそれぞれの画素に対応する部分の液晶層
の光透過率を制御することによりカラー画像を得るよう
に構成されている。したがって、上記のカラーフィルタ
基板は、カラー液晶表示装置にとり必須であり、カラー
液晶表示装置の表示品位そのものを左右する重要な部材
である。
【0003】従来、カラーフィルタ基板のブラックマト
リックスや着色層は、染色基材を塗布し、フォトマスク
を介して露光・現像して形成したパターンを染色する染
色法、感光性レジスト内に予め着色顔料を分散させてお
き、フォトマスクを介して露光・現像する顔料分散法、
および、印刷インキで各色を印刷する印刷法等により形
成されていたが、製造コストがより低く、かつ、高性能
なカラーフィルタ基板が要望されていた。このような要
望に応えるものとして、塗料の使用効率が高く、ブラッ
クマトリックスや着色層の形成時間が短時間(数十秒)
で生産能力の優れた電着法により製造されたカラーフィ
ルタ基板が注目されている。
【0004】上述の電着法では、透明基板上に透明導電
膜を形成し、その透明導電膜上にポジレジスト層を形成
して所定のパターンを有するマスクを介して露光を行
い、次いで、露光部分を溶解除去して透明導電膜の所定
箇所を露出させ、その後、透明基板を所定色の電着液中
に浸漬した状態で、透明基板の周辺の透明導電膜から通
電して電着を行い、このような電着操作を繰り返すこと
によって順次ブラックマトリックス、着色層が形成され
る。このようにしてブラックマトリックスと着色層が形
成された後、基板の全面に紫外線を照射してポジレジス
ト層を除去し、その後、ブラックマトリックスと着色層
の上に液晶層を駆動するための透明導電層を形成し、さ
らに、配向層としてポリイミドを塗布、焼成してから配
向処理(ラビング)を行ってカラーフィルタ基板とされ
る。
【0005】ここで、カラー液晶表示装置に用いるカラ
ーフィルタ基板および対向電極基板は、生産効率を向上
させるために、通常、大型のOA用途では2面以上、小
型の4〜6インチクラスのハンディテレビ用途では6面
乃至12面程度の多面付けで製造されている。そして、
このような多面付けのカラーフィルタ基板と対向電極基
板とを貼り合わせて多数のセル状態とした後、ガラス切
断機(スクライバー)によって単位セルに分割し、液晶
注入、注入口の封止、偏光板の貼付、駆動ICおよび周
辺回路の形成、バックライトの配設、ケーシング等の製
造工程を経てカラー液晶表示装置が完成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような電着法によって作製されたカラーフィルタ基板を
用いたカラー液晶表示装置では、ブラックマトリックス
や着色層を形成するために設けた透明導電膜がカラー液
晶表示装置の外周部に露出していることにより種々の問
題を生じている。図9は電着法によって作製されたカラ
ーフィルタ基板を用いた従来のカラー液晶表示装置の端
部近傍を示す部分断面図である。図9において、従来の
カラー液晶表示装置101は、カラーフィルタ基板10
2と対向電極基板103とを所定の間隔で対向させ、周
辺部をシール部材104により封止し、両基板間に液晶
層105が形成され、カラーフィルタ基板102と対向
電極基板103の外側には、それぞれ偏光板106が配
設されている。上記のカラーフィルタ基板102は、透
明基板111上に透明導電膜112を介してブラックマ
トリックス116と着色層117が所定のパターンで形
成されており、さらに、この上に液晶駆動用の透明電極
118、配向層119が形成されている。また、対向電
極基板103は、透明基板121上に液晶駆動用の透明
電極122および薄膜トランジスタ(TFT)123を
備え、透明電極122を覆うように配向層124が形成
されている。この対向電極基板103には、薄膜トラン
ジスタ(TFT)123を開閉するゲート線群(図示せ
ず)、映像信号を供給する信号線群(図示せず)、およ
び、カラーフィルタ基板側のコーナーの取り出し部から
受け渡し(トランスファー部(設計により1〜3か所の
取り出し部に設ける))されたカラーフィルタ電極への
電圧供給線が配設されており、これらのリード線125
は、通常、薄膜トランジスタ(TFT)123の製造工
程で一括して形成されたAl等の金属からなるものであ
り、透明電極122に接続されているとともに、外部の
駆動IC131からの電気的な接続線132に接続され
ている。
【0007】このような従来のカラー液晶表示装置10
1では、透明導電膜112はブラックマトリックス11
6と着色層117が形成されている領域に連続してカラ
ーフィルタ基板102の端面にまで存在し、透明導電膜
112の端部112aがカラー液晶表示装置の外周部に
露出している。このため、カラー液晶表示装置101が
高温多湿雰囲気あるいは結露を生じるような雰囲気下に
置かれた場合、透明導電膜端部112aと近傍の接続線
132との間に電気的な迂回路が形成されて、リード線
や接続線が電気分解されて断線する(電蝕)という問題
がある。
【0008】また、カラーフィルタ基板102と対向電
極基板103とを貼り合わせてセルを形成する際に使用
する接着剤は、特殊なエポキシ樹脂が使用されるが、カ
ラーフィルタ基板102の端面にまで存在する透明導電
膜112(通常、酸化インジウムスズ(ITO)の薄
膜)と上記接着剤との接着強度は充分なものではなく、
この点でも従来のカラー液晶表示装置101は、信頼性
の低いものであった。
【0009】本発明は、上記のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、高温多湿雰囲気あるいは結露を生じる
雰囲気のもとでも、優れた表示品質を示す信頼性の高い
カラー液晶表示装置と、このカラー液晶表示装置に用い
るカラーフィルタ基板の製造方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明のカラー液晶表示装置は相対向するカ
ラーフィルタ基板および対向電極基板と、前記両基板間
に密封された液晶層とを有するカラー液晶表示装置にお
いて、前記カラーフィルタ基板は、透明基板と該透明基
板上に形成された透明導電膜と、該透明導電膜の所定領
域Aに電着によって所定のパターンで形成されたブラッ
クマトリックスおよび複数色からなる着色層と、該着色
層を覆うように形成された透明電極とを備え、前記透明
導電膜は前記領域Aと該領域Aの外側に位置する領域B
とからなり、該領域Bの端部と前記領域Aとを電気的に
絶縁分離する切欠き部を前記領域Bに有するような構成
とした。
【0011】また、本発明のカラーフィルタ基板の製造
方法は透明基板上に透明導電膜を形成する工程1と、前
記透明導電膜の所定領域Aに電着によって所定のパター
ンのブラックマトリックスおよび複数色からなる所定の
パターンの着色層とを形成する工程2と、前記着色層を
覆うように透明電極を形成する工程3と、前記透明導電
膜のうち前記領域Aの外側に位置する領域Bに、前記領
域Aと前記領域Bの端部とを電気的に絶縁分離する切欠
き部を形成する工程4と、を有するような構成とした。
【0012】
【作用】カラー液晶表示装置を構成するカラーフィルタ
基板に形成された透明導電膜は、領域Aとこの領域Aの
外側に位置する領域Bとからなり、領域Bに設けられた
切欠き部は、ブラックマトリックスおよび複数色からな
る着色層が電着により形成された領域Aと、領域Bの端
部とを電気的に絶縁分離し、これにより、カラー液晶表
示装置が高温多湿雰囲気あるいは結露を生じるような雰
囲気下に置かれ、カラーフィルタ基板の端部に存在する
透明導電膜と対向電極基板のリード線や接続線との間に
電気的な迂回路が形成されても、ブラックマトリックス
や着色層が形成された透明導電膜の領域Aとリード線や
接続線とは電気的に絶縁される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0014】図1は本発明のカラー液晶表示装置の一例
を示す部分断面図である。図1において、本発明のカラ
ー液晶表示装置1は、カラーフィルタ基板2と対向電極
基板3とを所定の間隔で対向させ、周辺部をシール部材
4により封止し、両基板間に厚さ5〜10μm程度の液
晶層5が形成されたものである。また、カラーフィルタ
基板2と対向電極基板3の外側には、それぞれ偏光板6
が配設されている。
【0015】本発明のカラー液晶表示装置1を構成する
カラーフィルタ基板2は、透明基板11上に透明導電膜
12を介してブラックマトリックス16と着色層17が
所定のパターンで形成されており、さらに、この上に液
晶駆動用の透明電極18、配向層19が形成されてい
る。上記の透明導電膜12は、ブラックマトリックス1
6と着色層17が形成されている領域Aと、この領域A
の周囲に位置する領域Bとに分けられ、領域Bにおいて
シール部材4と接着されている。そして、図1に示され
る本発明のカラー液晶表示装置1では、透明導電膜12
の領域Bに3か所の切欠き部13が形成されており、カ
ラー液晶表示装置1の外周部に露出している透明導電膜
の端部12aと、上記領域Aの透明導電膜12とが電気
的に絶縁されていることを特徴とする。これにより、カ
ラー液晶表示装置1が高温多湿雰囲気あるいは結露を生
じるような雰囲気下にあって、透明導電膜の端部12a
と後述する接続線32との間に電気的な迂回路が形成さ
れても、透明導電膜の端部12aとブラックマトリック
ス16や着色層17が形成された透明導電膜の領域Aと
が切欠き部13によって電気的に絶縁分離されているの
で、後述する対向電極基板3のリード線25や接続線3
2が電気分解されて断線する電蝕が防止され、信頼性が
きわめて高いものとなる。さらに、上記の切欠き部13
では透明基板11が露出しており、シール部材4が直接
透明基板11に接着することが可能となる。シール部材
4としては、通常、特殊なエポキシ樹脂が使用される
が、このシール部材4と透明導電膜12(通常、酸化イ
ンジウムスズ(ITO)の薄膜)との接着強度は充分な
ものではなく、従来からセル強度の点で問題となってい
た。しかし、本発明のカラー液晶表示装置は、シール部
材4が直接透明基板11に接着することが可能であり、
構造的にも強固で安定したものとなり、かつ、製造コス
トの増大や工程の複雑化を来すことがない。
【0016】尚、図1に示される例では、切欠き部13
は領域Bに3本形成されているが、後述するように、こ
れに限定されるものではない。
【0017】着色層17は赤色パターン17R、緑色パ
ターン17Gおよび青色パターン17Bがモザイク型、
ストライプ型、トライアングル型、4画素配置型等の所
望の形態で配列されてなり、ブラックマトリックス16
は各着色パターンの間および着色層17形成領域の外側
に設けられている。
【0018】一方、本発明のカラー液晶表示装置1を構
成する対向電極基板3は、透明基板21上に液晶駆動用
の透明電極22および薄膜トランジスタ(TFT)23
を備え、透明電極22を覆うように配向層24が形成さ
れている。この対向電極基板3には、薄膜トランジスタ
(TFT)23を開閉するゲート線群(図示せず)、映
像信号を供給する信号線群(図示せず)、および、カラ
ーフィルタ基板側のコーナーの取り出し部から受け渡し
(トランスファー部(設計により1〜3か所の取り出し
部に設ける))されたカラーフィルタ電極への電圧供給
線が配設されている。これらのリード線25は、通常、
薄膜トランジスタ(TFT)23の製造工程で一括して
形成されたAl等の金属からなるものであり、透明電極
22に接続されているとともに、外部の駆動IC31か
らの電気的な接続線32に接続されている。
【0019】上述のカラー液晶表示装置1のカラーフィ
ルタ基板2と対向電極基板3を構成する透明基板11、
21としては、石英ガラス、パイレックスガラス、合成
石英板等の可撓性のないリジット材、あるいは透明樹脂
フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有するフレキシブ
ル材を用いることができる。この中で特にコーニング社
製7059ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり寸法
安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、ま
た、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラ
スであるため、アクティブマトリックス方式によるLC
D用のカラー液晶表示装置に適している。
【0020】また、カラー液晶表示装置1を構成する透
明導電膜12、透明電極18、22は、酸化インジウム
スズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(Sn
O)等、およびその合金等を用いて、スパッタリング
法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な成膜方法により
形成されたものである。このような透明導電膜12、透
明電極18、22の厚みは0.01〜1μm、好ましく
は0.03〜0.5μm程度である。
【0021】さらに、カラー液晶表示装置1を構成する
配向層6は、ポリイミド系、ポリアミド系、ポリウレタ
ン系およびポリ尿素系の有機化合物のなかの少なくとも
1種を含むような層であり、厚みは0.01〜1μm、
好ましくは0.03〜0.5μm程度とすることができ
る。このような配向層6は、種々の印刷法等、公知の塗
布方法により塗布した後、焼成してから配向処理(ラビ
ング)が行われる。
【0022】上述の実施例では、駆動方式としてTFT
アクティブマトリックス方式を用いているが、本発明の
カラー液晶表示装置はこれに限定されるものではなく、
例えば、単純マトリックスやセグメント等の方式、MI
M(金属/絶縁物/金属)等の2端子素子を用いたアク
ティブマトリックス方式等を用いたものでもよいことは
勿論である。
【0023】次に、本発明のカラーフィルタ基板の製造
方法の一例について、図2を参照しながら説明する。
【0024】まず、工程1として、多面付けの透明基板
11の全面に酸化インジウムスズ(ITO)等の透明導
電性物質により透明導電膜12を形成する(図2
(A))。
【0025】次に、工程2として、透明導電膜12上に
フォトレジストを塗布してレジスト層14を形成し、所
望のパターン、例えば、ブラックマトリックスパターン
に対応したフォトマスク15を介してレジスト層14を
露光する(図2(B))。その後、現像・乾燥してブラ
ックマトリックスパターンに対応した形状に透明導電膜
12を露出し、黒色顔料を分散させた電着浴中に上記の
透明基板11を浸漬し、透明導電膜12に電圧を印加し
て黒色電着材を析出させ、十分に水洗した後に乾燥して
ピンホールのないブラックマトリックスパターン16を
形成する(図2(C))。
【0026】同様にして、赤色パターン17R、緑色パ
ターン17G、青色パターン17Bを形成する(図2
(D))。以上で工程2が終了する。
【0027】上記の工程2において用いられる電着材料
は、一般に有機材料(高分子材料)からなり、その原形
は電着塗装法としてよく知られている。電着塗装では、
電気化学的な主電極との反応によりカチオン電着とアニ
オン電着とがある。これは、電着材料がカチオンとして
存在するか、アニオンとして挙動するかで分類される。
電着に用いられる有機高分子物質としては、天然油脂
系、合成油脂系、アルキッド樹脂系、ポリエステル樹脂
系、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系等の種々の有機高
分子物質が挙げられる。
【0028】アニオン型では、古くからマレイン化油や
ポリブタジエン系樹脂がしられており、電着物質に硬化
は酸化重合反応による。カチオン型はエポキシ系樹脂が
多く、単独あるいは変性されて使用できる。その他に、
メラミン系樹脂、アクリル系樹脂等のいわゆるポリアミ
ノ系樹脂が多く用いられ、熱硬化や光硬化等により強固
な着色層が形成できる。
【0029】カラーフィルタ基板製造における電着で
は、アニオン型またはカチオン型電着浴中に微粉砕され
た顔料や染料を分散させ、イオン性高分子材料とともに
導電性部に共析させる。
【0030】このようにブラックマトリックス16と着
色層17が形成された状態では、透明基板11上の透明
導電膜12は、ブラックマトリックス16と着色層17
が形成されている領域Aと、この領域Aの周囲に位置す
る領域Bとに分けられる。
【0031】その後、工程3として、着色層17を覆う
ように透明電極18を形成する(図2(E))。この透
明導電膜18は、上述ように酸化インジウムスズ(IT
O)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等、お
よびその合金等を用いて、スパッタリング法、真空蒸着
法、CVD法等の一般的な成膜方法により形成すること
ができる。
【0032】次に、工程4として、上記の透明導電膜1
2の領域Bに領域Aと透明導電膜の端部12aとを電気
的に絶縁分離する切欠き部13を形成する(図2
(F))。図3は、このようにして切欠き部が形成され
た透明導電膜12の例を示す平面図である。図3では、
1面のカラーフィルタ基板(単位セル)の切り出し予定
線L(点線部分)に略平行な3本の線状の切欠き部13
が形成されている。さらに、単位セルの4か所のコーナ
ーに設ける取り出し部7a,7b,7c,7dに対応し
た部分において上記の線状の切欠き部13の端部に連接
するように斜め方向に切り出し予定線Lの外側にまで達
する切欠き部13´が形成されている。これにより、切
り出し予定線Lで切り出されたカラーフィルタ基板2
は、その4つの端辺部にも透明導電膜12の領域Bが存
在するが、カラーフィルタ基板2の端辺に露出している
透明導電膜の端部12aと、カラーフィルタ基板中央の
透明導電膜の領域A(斜線領域)とは、上記の切欠き部
13、13´により電気的に絶縁分離されている。そし
て、取り出し部7a,7b,7c,7dにおいてのみ透
明導電膜の領域A(斜線領域)と外部との電気的接続が
保たれることになる。
【0033】上述のように、工程1、工程2、工程3、
工程4の順に進めることによって、本発明のカラーフィ
ルタ基板の製造を行うことができる。このような工程順
序とすることにより、液晶駆動用の透明電極18をマス
クを使用せずに全面に形成することができ、製造工程が
簡略になる。ここで、切欠き部の形成方法として、エッ
チング加工及びレーザー加工のいずれの方法も用いるこ
とができるが、エッチング加工の場合、レジストを用い
たフォトリソ技術が必要となり、工程が煩雑なために、
レーザー加工がより好ましい。このレーザー加工により
切欠き部を形成した残渣は、配向層19の形成工程前の
洗浄で除去できる。
【0034】また、本発明のカラーフィルタ基板の製造
方法では、工程順序は上述のものに限定されない。例え
ば、透明基板11に透明導電層12を形成(工程1)し
た後、まず切欠き部を形成し(工程4)、その後、ブラ
ックマトリックス、着色層の形成(工程2)、所定パタ
ーンの透明電極の形成(工程3)を行うような工程順序
でもよく、あるいは、透明基板11に透明導電層12を
形成(工程1)した後、ブラックマトリックスと着色層
を形成し(工程2)、その後、切欠き部を形成して(工
程4)、次いで、所定パターンの透明電極を形成(工程
3)するような工程順序でもよい。
【0035】また、透明導電膜12の領域Bに形成する
切欠き部は、図3に示されるものに限定されるものでは
ない。図3に示される切欠き部13は3本の線状の切欠
き部であるが、例えば、図4に示されるように、1本の
線状の切欠き部13としたり、あるいは、図5に示され
るように、幅広の1本の線状の切欠き部13とし、それ
ぞれ、単位セルの4か所のコーナーに設ける取り出し部
7a,7b,7c,7dに対応した部分において上記切
欠き部13から斜め方向に切り出し予定線Lの外側にま
で達する切欠き部13´を形成するようにしてもよい。
さらに、図6に示されるように、カラーフィルタ基板の
端面(切り出し予定線Lの位置)から所定の幅で形成さ
れた帯状の切欠き部13であってもよい。この場合、図
3〜図5に示されるような切欠き部13´の形成は不要
である。
【0036】図3〜図5に示されるような線状の切欠き
部の場合、切欠き部13、13´の幅は10〜1000
μm程度、好ましくは50〜300μm程度とすること
ができる。また、図6に示されるような帯状の切欠き部
の場合、切欠き部13の幅は10〜5000μm程度、
好ましくは200〜800μm程度とすることができ
る。
【0037】ここで、上記の切欠き部の形成方法につい
て説明する。
【0038】本発明のカラーフィルタ基板の製造方法で
は、その工程4における透明導電膜12の領域Bへの切
欠き部の形成は、エッチング加工あるいはレーザー加工
方法により行うことができる。エッチング加工の場合、
レジストを用いたフォトリソ技術を必要とし、工程が煩
雑となる。これに対し、加工方法としてレーザー加工を
用いれば、極めて簡単なプロセスで透明導電膜の除去が
可能となり、より好ましい。
【0039】レーザー加工方法は、NCステージ上に加
工対象物を載置し、レーザーパルスで透明導電膜を飛散
除去するものであり、ライン形状の切欠き部を短時間で
形成することができる。そして、NCステージを制御し
て透明導電膜の位置を変化させて、レーザーパルスを複
数回走査させたり、振幅を与えながらレーザーパルスを
走査させることにより、任意のライン幅の設定も可能で
ある。レーザーパルスの大きさや形状は、レーザーの種
類や光学系で変えることができ、10μm〜1mmの大
きさの任意の形状に結像できる。
【0040】例えば、図7は本発明のカラーフィルタ基
板の製造に使用できるレーザー加工装置の1例を示す該
略図である。図7において、レーザー加工装置51はY
AGレーザー加工装置(東芝精機(株)製 LAY−6
16C)であり、レーザー装置部52、レーザー光学系
53およびNCステージ54とを備えている。レーザー
装置部52は、制御装置55とYAGレーザー発振ロッ
ド56を有し、レーザー装置部52から照射されたレー
ザーはレーザー光学系53の反射ミラー57、集光レン
ズ58を介して直径50〜100μmに収束したレーザ
ースポットとしてNCステージ上に載置された透明基板
11上の透明導電膜12に照射される。YAGレーザー
の発振波長は1.06μmであり、直径50〜100μ
mに収束したレーザースポットを間欠的にパルス発振し
て、NCステージを移動させることにより、このレーザ
ースポットを透明導電膜12上で移動させて加工を行う
ことができる。
【0041】図8は上述のようなレーザー加工装置51
による切欠き部の形成を説明するための図である。例え
ば、パルス発振が10KHzの場合、図8(A)に示さ
れるように、直径50〜100μmに収束したレーザー
スポットを10〜20μm移動するごとにレーザー照射
すると、100〜200mm/秒の加工速度となる。し
たがって、多面付け(大型のOA用途で2面付け以上、
小型の4〜6インチクラスのハンディテレビ用途では6
面乃至12面程度)で製造されるカラーフィルタ基板の
透明導電膜への切欠き部の形成でも、上記のレーザー加
工装置を用いることによって10〜20秒間で加工を終
了することができる。
【0042】実際、上述の東芝精機(株)製 LAY−
616Cを用い、パルス発振7kHz 、レーザースポッ
ト径50μm、電流値28A、送り速度150、20
0、250mm/秒でレーザー加工を行ったところ、透
明導電膜(ITO)を除去することができ、領域Aと領
域Bとを完全に絶縁することができた。
【0043】また、図8(B)に示されるように、NC
ステージを制御することによって、直径50〜100μ
mに収束したレーザースポットを振幅を与えながら矢印
A方向に移動させることによって、広幅の線状の切欠き
部、あるいは、帯状の切欠き部を形成することができ
る。あるいは、出力の大きなYAGレーザー、例えば、
東芝精機(株)製 LAY−664Dを用いれば数百μ
m程度のスポット径でITOを除去可能なため、上記の
ような振幅を与えなくとも、広幅の線状切欠き部を形成
できる。実際、上述の東芝精機(株)製 LAY−66
4Dを用い、パルス発振1kHz 、レーザースポットサ
イズ0.5mm×0.5mmの正方形、電流値30A、
送り速度150mm/秒でレーザー加工を行ったとこ
ろ、透明導電膜(ITO)を除去することができ、領域
Aと領域Bとを完全に絶縁することができた。
【0044】本発明はカラー液晶表示装置およびカラー
フィルタ基板の製造方法は上述の実施例に限定されるも
のなく、例えば、上述の実施例では取り出し部7は単位
セルの4か所のコーナーに設けれれているが、これに限
定されるものではなく、単位セルの対角線上の2か所の
コーナー(例えば、7aと7d、あるいは、7bと7
c)に取り出し部7を形成してもよい。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によればカ
ラー液晶表示装置を構成するカラーフィルタ基板に形成
された透明導電膜の領域Bに設けられた切欠き部によっ
て、ブラックマトリックスおよび複数色からなる着色層
が電着により形成された透明導電膜の領域Aと、その外
側に位置する領域Bの端部とが電気的に絶縁分離される
ので、カラー液晶表示装置が高温多湿雰囲気あるいは結
露を生じるような雰囲気下に置かれ、カラーフィルタ基
板の端面部に存在する透明導電膜と対向電極基板のリー
ド線や接続線との間に電気的な迂回路が形成されても、
ブラックマトリックスや着色層が形成された透明導電膜
の領域Aとリード線や接続線とは電気的に絶縁され、信
頼性の高いカラー液晶表示装置が可能になるるととも
に、カラーフィルタ基板と対向電極基板とを貼り合わせ
てセルを形成する際に使用する接着剤が、上記の切欠き
部において直接透明基板に接着することが可能となり、
構造的にも強固で安定したカラー液晶表示装置を製造コ
ストの増大や工程の複雑化を来すことなく可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラー液晶表示装置の一例を示す端部
近傍の部分断面図である。
【図2】本発明のカラーフィルタ基板の製造方法を説明
するための図である。
【図3】透明導電膜に切欠き部が形成された状態の例を
示す平面図である。
【図4】透明導電膜に切欠き部が形成された状態の例を
示す平面図である。
【図5】透明導電膜に切欠き部が形成された状態の例を
示す平面図である。
【図6】透明導電膜に切欠き部が形成された状態の例を
示す平面図である。
【図7】本発明のカラーフィルタ基板の製造に使用でき
るレーザー加工装置の1例を示す該略図である。
【図8】レーザー加工装置による切欠き部の形成を説明
するための図である。
【図9】電着法によって作製されたカラーフィルタ基板
を用いた従来のカラー液晶表示装置の端部近傍を示す部
分断面図である。
【符号の説明】
1…カラー液晶表示装置 2…カラーフィルタ基板 3…対向電極基板 4…シール部材 5…液晶層 6…偏光板 11,21…透明基板 12…透明導電膜 13,13´…切欠き部 16…ブラックマトリックス 17(17R,17G,17B)…着色層 18,22…透明電極 25…リード線 31…駆動用IC 32…接続線
フロントページの続き (72)発明者 吉野 常一 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 大美賀 広芳 神奈川県横浜市港北区篠原東三丁目20番 17号 (56)参考文献 特開 平5−142418(JP,A) 特開 平5−158028(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1335 G02F 1/1343

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対向するカラーフィルタ基板および対
    向電極基板と、前記両基板間に密封された液晶層とを有
    するカラー液晶表示装置において、 前記カラーフィルタ基板は、透明基板と該透明基板上に
    形成された透明導電膜と、該透明導電膜の所定領域Aに
    電着によって所定のパターンで形成されたブラックマト
    リックスおよび複数色からなる着色層と、該着色層を覆
    うように形成された透明電極とを備え、前記透明導電膜
    は前記領域Aと該領域Aの外側に位置する領域Bとから
    なり、該領域Bの端部と前記領域Aとを電気的に絶縁分
    離する切欠き部を前記領域Bに有することを特徴とする
    カラー液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記切欠き部は、前記カラーフィルタ基
    板の端面に略平行な1本以上の線状の切欠き部であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のカラー液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記切欠き部は、前記カラーフィルタ基
    板の端面から所定の幅で形成された帯状の切欠き部であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のカラー液晶表示装
    置。
  4. 【請求項4】 前記切欠き部は、レーザー加工により形
    成されたものであることを特徴とする請求項1乃至請求
    項3のいずれかに記載のカラー液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 透明基板上に透明導電膜を形成する工程
    1と、 前記透明導電膜の所定領域Aに電着によって所定のパタ
    ーンのブラックマトリックスおよび複数色からなる所定
    のパターンの着色層とを形成する工程2と、 前記着色層を覆うように透明電極を形成する工程3と、 前記透明導電膜のうち前記領域Aの外側に位置する領域
    Bに、前記領域Aと前記領域Bの端部とを電気的に絶縁
    分離する切欠き部を形成する工程4と、 を有することを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記工程1、前記工程4、前記工程2、
    前記工程3の順序に工程を進めることを特徴とする請求
    項5に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記工程1、前記工程2、前記工程4、
    前記工程3の順序に工程を進めることを特徴とする請求
    項5に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記工程1、前記工程2、前記工程3、
    前記工程4の順序に工程を進めることを特徴とする請求
    項5に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記切欠き部をレーザー加工方法によっ
    て形成することを特徴とする請求項5乃至請求項8のい
    ずれかに記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
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