JP3455034B2 - 高炭素特殊鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

高炭素特殊鋼の連続鋳造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炭素特殊鋼の連
続鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、省エネルギーや工程省略等の観点
から、連続鋳造鋳片を常温まで低下させずに温片あるい
は熱片のまま熱延(熱間圧延)工程に送り、加熱時間を
短縮しあるいは加熱を省略して熱延するいわゆる直送圧
延プロセスが検討され、これまでに特公昭56-21330号公
報、特公昭56-24018号公報などに開示されるような種々
の方法が提案されて、現在では、鋳片表面に割れの発生
しにくいアルミキルド鋼等はこの直送圧延プロセスで製
造されるようになっている。
【0003】しかし、C濃度0.30重量%程度以上の
(この鋼を以下「高炭素特殊鋼」と呼ぶ)の連続鋳造鋳
片は、表面割れが特に発生しやすいため、熱延工程に送
る前に表面を検査し、欠陥部が検出されればその部位を
研削して表面欠陥を除去することが一般的に行われ、か
かる検査・除去工程は作業の性格上、常温で実施せざる
を得ず、必然的に鋳片は常温まで冷却されなければなら
ず、直送圧延プロセスで製造することが困難であった。
【0004】高炭素特殊鋼の鋳造時の表面欠陥の発生を
抑制する方法として、一つには鋳片に生じる歪みを極小
化するために垂直型連続鋳造機にて鋳造する方法が挙げ
られる。しかし、この方法は、鋳片の内部品質からは有
利だが、生産性の観点からは不利である。そこで、現在
は曲げ部、もしくは曲げ部と矯正部を有する連続鋳造機
(垂直曲げ型連続鋳造機という)も使用されている。
【0005】垂直曲げ型連続鋳造機を使用する場合に
は、例えば特公平2-18936 号公報、特開平1-95801 号公
報に提案されるように、二次冷却帯の水量分布(二次冷
却パターン)や具体的なスプレー方法を規定することで
鋳造時の鋳片表面割れ防止が図られている。これらの対
策は既に常法となっており、曲げ部・矯正部を通過す
る鋳片が脆化温度域に入らないよう二次冷却水量パター
ンを制御して弱冷却する、特に冷えやすく熱応力起因
の引張歪みが生じやすい鋳片コーナ部への注水を制限し
て局部的に表面温度を上昇させる、の二つに要約され
る。なお、は「二次冷却の弱冷化」、は「二次冷却
の幅切り」と称される。
【0006】しかし、これら二つの対策を推し進めて
も、垂直曲げ型連続鋳造機にて鋳造される高炭素特殊鋼
では鋳造時の割れ発生を十分には抑えきれず、相変わら
ず相当程度の鋳片表面手入れが必要であり、直送圧延に
供することができるまでに至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、高炭
素特殊鋼鋳造時の鋳片表面の割れ発生を従来以上に抑制
できる連続鋳造方法を提供し、もって、高炭素特殊鋼を
直送圧延プロセスに供用できるようにすることを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、垂直曲げ型連
続鋳造機を用いてC濃度0.30重量%以上の高炭素特殊鋼
を鋳造するにあたり、二次冷却水の温度を38℃以上に保
つことを特徴とする高炭素特殊鋼の連続鋳造方法であ
る。
【0009】そして、本発明に係る高炭素特殊鋼の鋳片
は無研削、もしくは無検査かつ無研削にて熱延に供され
るものであることが最適である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において「高炭素特殊鋼」
とは、C濃度0.30重量%程度以上の鋼を意味する。本発
明者らは、垂直曲げ型連続鋳造機を用いて高炭素特殊鋼
を鋳造する際の鋳片表面欠陥の発生を種々の角度から検
討した結果、前記した従来の二つの対策において唯一の
制御要因であった二次冷却水の水量以外に、二次冷却水
の温度(以下単に「水温」ともいう)も鋳片の割れ発生
を左右する大きな要因であることがわかった。
【0011】例えば図1は、高炭素特殊鋼の一種である
JIS−SK2相当の1.2 重量%C鋼を垂直曲げ型連続
鋳造機により鋳造した時の水温と鋳片表面の割れ発生率
との関係を示すグラフである。この鋳造において、前記
従来の割れ防止対策(二次冷却の弱冷化および幅切り)
は当然ながら実施されている。なお、割れ発生率の定義
は、割れ発生スラブ枚数/鋳造スラブ枚数である。
【0012】同図に示すように、水温38℃未満では発生
率の高い割れが、38℃以上で極端にその発生率を下げ、
40℃以上ではほぼ皆無となる。水温が冬期の気温低下に
伴って低下し、特に冬期の定期整備工事などによる長時
間の鋳造停止中には外気温度と同等にまで低下すること
は以前からわかっていたのであるが、この水温が、高炭
素特殊鋼の鋳造時の割れ発生にこれほどまでに大きく影
響するというのは従来になかった知見である。
【0013】この新知見に基づき完成された本発明によ
れば、垂直曲げ型連続鋳造機を用いて高炭素特殊鋼を鋳
造する際に、従来の割れ防止対策(前記、)に重ね
て二次冷却水の温度を38℃以上に規制することにより、
鋳造時の鋳片表面の割れ発生を従来に比べて格段に低減
させることができ、高炭素特殊鋼の表面検査・欠陥除去
工程が省略でき、高炭素特殊鋼を直送圧延プロセスに供
することが可能となる。
【0014】また、図2は水温28℃での高炭素特殊鋼の
C濃度と割れ発生率の関係を示すグラフである。この
は水温上昇(38℃以上)により割れ発生率が10%程度
以下に抑えられた。従って同図縦軸は水温上昇措置によ
る割れ発生率の低下代を示すものでもある。
【0015】図示のように、水温上昇に伴う割れ発生率
の低下代はC濃度が高いところで大きいがC濃度の低下
につれて小さくなり、C濃度が0.30重量%未満で割れ発
生率の低下代が小さくなることから、本発明方法は、C
濃度0.30重量%以上の鋼種に対して実施する。
【0016】なお、水温を38℃以上に上昇させる手段は
特に限定されるものではなく、例えば、タンク内に貯蔵
されたあるいは供給本管内を流れる二次冷却水を、電気
ヒータで加熱する、あるいは高温水蒸気等の高温物と熱
交換させて加熱するなど様々な手段が採用できる。ま
た、本発明により鋳造された高炭素特殊鋼鋳片を無手入
れで熱延工程に直送し、加熱炉に熱片装入して抽出後熱
延して得た熱延板は、従来の高炭素特殊鋼熱延板に比較
して欠陥が少ない傾向が認められた。
【0017】この理由は詳らかでないが、従来は鋳片が
鋳造されてから加熱炉に装入されるまでの間に常温まで
冷却されるので、この間に各鋼種ごとに特有の脆化温度
域に到達したとき、ハンドリングその他に起因して、常
温で発見できずしかも下流での欠陥発生の原因となるよ
うな表面直下割れが発生するのに対し、本発明により鋳
造された鋳片は、脆化温度域まで冷却されずに加熱炉に
熱片装入され次いで熱延されるので、かような割れが発
生しにくくなることによるのであろう。
【0018】
【実施例】垂直部2.5mを有する垂直曲げ型連続鋳造機を
用いて、C濃度0.10〜1.30重量%の高炭素特殊鋼を、比
水量0.6 〜1.6l/kg-steel の範囲で、常法である曲げ部
・矯正部での鋳片表面温度管理(成分系によって異なる
脆化温度域の回避)ならびに鋳片コーナより50〜200mm
の範囲に対する幅切りを採用した二次冷却を行いつつ、
鋳込み速度0.6 〜2.0m/minで鋳造し、厚み200mm および
260mm 、幅650 〜1650mmの鋳片を製造するにあたり、タ
ンク内の二次冷却水に水蒸気を吹き込んで水温を40℃±
1℃に保ち、実施例とした。また、水温調節を行わず水
温が30〜35℃の範囲であった以外は実施例と同じ鋳造条
件を従来例とした。
【0019】施例と従来例の鋳片表面の割れ発生率を
表1に示す。同表から明らかなように、実施例は従来例
に比べ格段に割れ発生率が低下すること、さらに、割れ
発生率の低減効果は、C濃度0.30重量%以上の鋼で特に
顕著であることが確認された。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、従来は鋳片の表面割れ
発生を抑制できず全て常温まで冷却して検査・欠陥除去
を行った後に熱延工程の加熱炉に装入せざるを得なかっ
た高炭素特殊鋼の、連続鋳造時の表面割れ発生が大幅に
低減し、高炭素特殊鋼を直送圧延プロセスに供しうるか
ら、工程・納期が大幅に短縮するとともにエネルギーが
一段と節減できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】1.2 重量%C鋼を垂直曲げ型連続鋳造機により
鋳造した時の水温と割れ発生率との関係を示すグラフで
ある。
【図2】水温28℃での高炭素特殊鋼のC濃度と割れ発生
率の関係を示すグラフである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−275258(JP,A) 特開 昭59−215253(JP,A) 特開 平7−204811(JP,A) 特開 平4−220150(JP,A) 実開 昭62−174763(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直曲げ型連続鋳造機を用いてC濃度0.
    30重量%以上の高炭素特殊鋼を鋳造するにあたり、二次
    冷却水の温度を38℃以上に保つことを特徴とする高炭素
    特殊鋼の連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 高炭素特殊鋼の鋳片が無研削、もしくは
    無検査かつ無研削にて熱延に供されるものである請求項
    1記載の連続鋳造方法。
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