JP3454804B2 - 自動車の衝突模擬体験装置 - Google Patents
自動車の衝突模擬体験装置Info
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Description
た自動車の衝突模擬体験装置の技術分野に属するもので
ある。
を保護するためエアバッグが設けられたものが多いが、
衝突時のエアバッグの膨張体験は、実際に事故にあった
場合でなければできなかった。そこで従来、特許第29
87035号公報、特開平10−20764号公報に示
すようなエアバッグ膨張の模擬体験装置が知られてい
る。前者のものは、自動車用の模擬シート部の前方に配
したハンドルにエアバッグを設け、該エアバッグを、圧
縮空気を充填したエアボンベに電磁弁を有したホースを
介して連通し、作動釦等の操作具の操作に基づいて前記
電磁弁を開成して圧縮空気をエアバッグに供給して瞬時
的に膨張させるようにしたものである。また、後者のも
のは、移送装置に、座席を備えたスライドベースを移動
自在に設け、該スライドベースが移送装置に設けた抑止
装置に当接することの検知に連動して電磁弁が開成し、
これに基づいてエアタンク内の圧縮空気が座席前方に設
けたエアバッグに供給されて瞬時に膨張するように構成
したものである。
は、停止した状態で単純にエアバッグが膨張するのを体
験するだけであるから衝突時の衝撃がないもので、衝突
に伴うエアバッグの膨張という実際に近い体験ができ
ず、単にエアバッグの膨張の体験をするに留まってい
る。これに対し、後者のものは、移動しているスライド
ベースの移動抑止に連繋してエアバッグが膨張するもの
であるため、移動抑止が衝突時の衝撃になると共にエア
バッグの膨張が実行されることになって前者のものより
は実際に近い模擬体験ができるものの、実際に走行して
いる車両の衝突に合わせてエアバッグが膨張するという
実体験には程遠いものがあるだけでなく、構造的にも、
移動装置にスライドベースを移動自在に設けると共に、
抑止装置がさらに必要になる等、各種の複雑な部材装置
が多数必要になって構造が複雑なうえ汎用性が損なわれ
るだけでなく、コスト的にも高価なものになってしまう
などの問題が残されており、ここに本発明の解決すべき
課題がある。
情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作
されたものであって、請求項1の発明は、運転ハンドル
および座席シートを備えた走行車両と、前記ハンドルに
備えられるエアバッグと、走行車両に搭載され、圧縮空
気が充填されるエアタンクと、該エアバッグおよびエア
バッグを連通連結するための配管と、該配管に設けられ
る開閉用の電磁弁と、前記走行車両が前方の障害物に当
接することにタイミングを合わせて前記電磁弁を開閉切
換えするための検知スイッチとを備えて構成され、該検
知スイッチは、走行車両の前部バンパに取付けられる筒
状部材からなるスイッチ本体を、障害物に当接してスイ
ッチ本体内を後退移動する棒状部材からなる可動体の該
後退移動の過程を利用して電磁弁の給電回路を開成→閉
成→開成に切換える構成にして、電磁弁をスイッチ本体
が閉成状態のあいだ開き側に切換えるようにしたことを
特徴とする自動車の衝突模擬体験装置である。そしてこ
のようにすることで、実際に走行している車両の衝突に
合わせたエアバッグの膨張−収縮体験が可能になって、
実体験に近い模擬体験ができると共に、実車両に簡単に
設けることができて、模擬体験装置の構造の簡略化が計
れ、低コストで提供することができる。請求項2の発明
は、請求項1において、検知スイッチは、電磁弁の給電
回路に接続される給電用電極が設けられたスイッチ本体
と、前端がスイッチ本体の前端から突出する状態で初期
セットされ、走行車両が前進して突出先端が前方障害物
に当接してから前部バンパが前方障害物に当接して前進
走行が規制されるまでのあいだ後退移動する可動体と、
該可動体の初期セット状態では前記給電用電極よりも前
方の給電開路開成位置に位置し、可動体の前記後退移動
により給電用電極に接触する給電開路閉成状態を通り過
ぎて給電用電極よりも後方の給電開路開成位置に位置す
るよう可動体に設けられた導電体とを備えて構成されて
いることを特徴とするもので、このようにすることで、
エアタンクからエアバッグへの圧縮空気の供給とその停
止を簡単なスイッチ構成によってできる。請求項3の発
明は、請求項2において、スイッチ本体は、前端が走行
車両の前 部バンパ前端縁と面一状となるようにして前部
バンパに取付けられていることを特徴とする自動車の衝
突模擬体験装置。請求項4の発明は、請求項1、2また
は3において、可動体はスイッチ本体よりも長く設定さ
れていて全てがスイッチ本体内に没入することがないよ
うに構成されていることを特徴とするものである。請求
項5の発明は、請求項4において、可動体は、最も後退
移動したときスイッチ本体から突出している後端部分を
前方に押し戻すことで初期セット位置に移動するように
設定されていることを特徴とするものであり、このよう
にすることで、可動体は常にスイッチ本体から突出する
ことになって、障害物への当接後において可動体の初期
セット位置への復帰作業が容易となる。
いて図面を用いて説明する。図面において、1は走行車
両の一例であるゴーカートであって、該ゴーカート1
は、機体フレーム2にシートベルト3a付きの座席シー
ト3、該座席シート3の前側に配される運転ハンドル
4、座席シート3の後側に配される駆動装置5、そして
前後輪6、7が設けられたもので、これらの具体的構成
の詳細については汎用のものであるので省略する。
部フレームであって、該後部フレーム8は、駆動装置5
を囲繞する状態に設定されるが、その上端部に圧縮空気
を充填するためのエアタンク9が組み付けられている。
一方、運転ハンドル4のハンドルパッド4a内にはエア
バッグ10が装備され、該エアバッグ10のガス流入口
10aには配管11に一端が連結されている。また該配
管11の他端は前記エアタンク9に連結されており、こ
のようにしてエアタンク9とエアバッグ10とが連通連
結されている。
電磁弁、13はエアタンク9に設けられる圧力計であ
る。そして前記電磁弁12は、非給電時は閉成している
が、後述する検知スイッチ14が閉成することに伴い電
源供給されると開成側に切換えられ、これによってエア
タンク9に充填された圧縮空気をエアバッグ10側に供
給するようになっている。
て、該給電回路15は、バッテリ16、メインスイッチ
17、前記検知スイッチ14が直列配線される関係で電
磁弁12に接続されているが、検知スイッチ14は、筒
状部材によって形成されるスイッチ本体18と、該スイ
ッチ本体18に出没自在に挿入する棒状部材から構成さ
れた可動体19とで構成されている。そしてスイッチ本
体18は、前端部がコ字形のフレーム形状で機体フレー
ム2と一体になる状態で前方に突出する前部バンパ20
に取付けられるが、本実施の形態ではスイッチ本体18
の前端が前部バンパ20の前端縁と面一状となるように
して取付けられている。また、スイッチ本体18の後端
部は前部バンパ20に対して間隙を存する状態で機体前
部に配した前部フレーム2aに取付けられており、この
様に取付けられることで、スイッチ本体18は前後方向
に長い状態で組込まれている。そしてスイッチ本体18
の内周面には、前後方向中間に位置して前記給電回路1
5に接続される一対の給電用電極18a、18bが左右
または上下に離間対向する状態で組込まれている。
8よりも長い長さに設定され、これによって可動体19
はスイッチ本体18内に全てが没入してしまう場合がな
く、必ず一部がスイッチ本体18から突出(露出)する
構成になっている。そして可動体19の中間部には導電
体19aが設けられており、検知スイッチ14は、導電
体19aの給電用電極18a、18bへの接触で閉成す
るようになっているが、その接触の設定は次のようにな
っている。
体18の前端から前方に突出する状態で初期セットさ
れ、この初期セット状態では、導電体19aが給電用電
極18a、18bよりも前方に位置する設定になってい
る。そしてゴーカート1が前進走行をしている過程で可
動体19の突出先端が前方障害物21に当接すると、該
可動体19は、前部バンパ20が障害物21に当接して
前進走行が規制されるまでのあいだ、後退する状態でス
イッチ本体18内を移動することになるが、この移動過
程において、前記導電体19aは、給電用電極18a、
18bより前側に位置して回路15を開成していたもの
が、給電用電極18a、18bに接触して回路15を閉
成して給電状態にした後、給電用電極18a、18bよ
り後方に移動して回路15を再び開成することになり、
これによって検知スイッチ14は、ゴーカートが障害物
21に当接(衝突)する殆ど直前にタイミングを合わせ
て給電用回路15を開成→閉成→開成し、前記閉成状態
のあいだ電磁弁12を開き側に切換えてエアタンク9内
の圧縮空気をエアバッグ10に供給し、これによって衝
突にほぼタイミングを合わせた瞬時のバッグ膨張が実体
験できるようになっている。尚、エアバッグ10に供給
された圧縮空気は、エアバッグ10に設けられる孔から
漏れ出るようになっていることは従来通りである。
において、スイッチ本体14の可動体19を初期セット
位置にセットした状態でゴーカート1を前進走行してい
き、前部バンパ20が障害物21に当接する殆ど直前か
ら当接するまでのあいだ、可動体19が障害物21に当
接してスイッチ本体18内を後退移動することになり、
この移動過程で、導電体19aが給電用電極18a、1
8bに接触して電磁弁12を開き、エアタンク9内の圧
縮空気をエアバッグ10に供給して衝突に殆どタイミン
グを合わせたエアバッグ10の瞬時的膨張の実体験がで
きることになる。
では、実走行するゴーカート1が障害物に衝突すること
にタイミングを合わせたエアバッグ10の膨張体験が、
殆ど実体験に近い状態でできることになるが、この模擬
体験装置は、実車両に搭載するものであるため、従来の
ように座席シートをわざわざ移動させる構造にして走行
体験を加味するような配慮が不要で、構造簡単で安価な
ものとして提供できることになる。
の検知スイッチ14は、該検知スイッチ14を構成する
可動体19が障害物21に当接して後退移動する過程を
利用して開成→閉成→開成と切換わって電磁弁12の実
際のエアバッグに近い作動をさせるよう切換えをするこ
とになるため、時限タイマーのような部材装置等が不要
になって構造簡単なもので実施できる。
ッチ本体18よりも長い設定になっているため、可動体
19は、障害物21に押されて最も後退移動したとき、
後端部側がスイッチ本体18から突出することになるた
め、該突出した部分を前方に押し戻すことで初期セット
位置への移動が簡単にできることになって都合がよい。
そしてこのものにおいて、エアバッグ10の膨張圧(膨
張時の硬さ)は、電磁弁12の開成時間によって調整さ
れるが、この調整は、可動体19に設けられる導電体1
9aの長さ、スイッチ本体18に設けられる給電用電極
18a、18bの長さの少なくとも一方によって決定さ
れる。従って、これら長さの異なった可動体またはスイ
ッチ本体を用意しておくことで種々の硬さのエアバッグ
膨張体験を衝突ショックのある状態ですることができ
る。
図である。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 運転ハンドルおよび座席シートを備えた
走行車両と、前記ハンドルに備えられるエアバッグと、
走行車両に搭載され、圧縮空気が充填されるエアタンク
と、該エアバッグおよびエアバッグを連通連結するため
の配管と、該配管に設けられる開閉用の電磁弁と、前記
走行車両が前方の障害物に当接することにタイミングを
合わせて前記電磁弁を開閉切換えするための検知スイッ
チとを備えて構成され、該検知スイッチは、走行車両の
前部バンパに取付けられる筒状部材からなるスイッチ本
体を、障害物に当接してスイッチ本体内を後退移動する
棒状部材からなる可動体の該後退移動の過程を利用して
電磁弁の給電回路を開成→閉成→開成に切換える構成に
して、電磁弁をスイッチ本体が閉成状態のあいだ開き側
に切換えるようにしたことを特徴とする自動車の衝突模
擬体験装置。 - 【請求項2】 請求項1において、検知スイッチは、電
磁弁の給電回路に接続される給電用電極が設けられたス
イッチ本体と、前端がスイッチ本体の前端から突出する
状態で初期セットされ、走行車両が前進して突出先端が
前方障害物に当接してから前部バンパが前方障害物に当
接して前進走行が規制されるまでのあいだ後退移動する
可動体と、該可動体の初期セット状態では前記給電用電
極よりも前方の給電開路開成位置に位置し、可動体の前
記後退移動により給電用電極に接触する給電開路閉成状
態を通り過ぎて給電用電極よりも後方の給電開路開成位
置に位置するよう可動体に設けられた導電体とを備えて
構成されていることを特徴とする自動車の衝突模擬体験
装置。 - 【請求項3】 請求項2において、スイッチ本体は、前
端が走行車両の前部バンパ前端縁と面一状となるように
して前部バンパに取付けられていることを特徴とする自
動車の衝突模擬体験装置。 - 【請求項4】 請求項1、2または3において、可動体
はスイッチ本体よりも長く設定されていて全てがスイッ
チ本体内に没入することがないように構成されているこ
とを特徴とする自動車の衝突模擬体験装置。 - 【請求項5】 請求項4において、可動体は、最も後退
移動したときスイッチ本体から突出している後端部分を
前方に押し戻すことで初期セット位置に移動するように
設定されていることを特徴とする自動車の衝突模擬体験
装置。
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