JP3453497B2 - 電磁駆動弁制御装置 - Google Patents

電磁駆動弁制御装置

Info

Publication number
JP3453497B2
JP3453497B2 JP21783197A JP21783197A JP3453497B2 JP 3453497 B2 JP3453497 B2 JP 3453497B2 JP 21783197 A JP21783197 A JP 21783197A JP 21783197 A JP21783197 A JP 21783197A JP 3453497 B2 JP3453497 B2 JP 3453497B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
valve
control
duty
coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21783197A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1162529A (ja
Inventor
昭宏 柳内
秀昭 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP21783197A priority Critical patent/JP3453497B2/ja
Publication of JPH1162529A publication Critical patent/JPH1162529A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3453497B2 publication Critical patent/JP3453497B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetically Actuated Valves (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電磁駆動弁制御装
置に係り、特に、内燃機関の吸気弁または排気弁を構成
する機構として好適な電磁駆動弁制御装置。 【0002】 【従来の技術】従来より、例えば特開平8−28462
6号に開示される如く、内燃機関の吸気弁または排気弁
を電磁力を用いて開閉動作させる電磁駆動弁制御装置が
知られている。上記従来の装置は、弁体と一体に変位す
るアーマチャ、アーマチャの上下に配設されるアッパコ
イルおよびロアコイル、および、アーマチャを中立位置
に向けて付勢するスプリングを備えている。 【0003】アーマチャおよび弁体は、アッパコイルお
よびロアコイルに励磁電流が供給されていない場合は中
立位置に保持される。また、アーマチャおよび弁体は、
アッパコイルに励磁電流が供給されている場合は中立位
置からアッパコイル側に吸引され、一方、ロアコイルに
励磁電流が供給されている場合は中立位置からロアコイ
ル側に吸引される。従って、上記従来の装置によれば、
アッパコイルおよびロアコイルに交互に適当な励磁電流
を供給することで、弁体を開閉動作させることができ
る。 【0004】ところで、アッパコイルまたはロアコイル
に励磁電流が供給されている場合に、アッパコイルとア
ーマチャとの間、または、ロアコイルとアーマチャとの
間に作用する電磁力は、それら両者の間隔が短くなるに
つれて急激に大きくなる。このため、アーマチャをアッ
パコイルまたはロアコイルに密着した状態に保持するた
めに必要な励磁電流は、アーマチャをアッパコイルまた
はロアコイルまで吸引するために必要な励磁電流に比し
て小さくなる。以下、アーマチャがアッパコイルまたは
ロアコイルに密着した状態に保持される期間を保持期
間、また、アーマチャがアッパコイルまたはロアコイル
に向けて吸引される期間を吸引期間と称す。 【0005】上記従来の装置は、アッパコイルおよびロ
アコイルに流れる励磁電流を保持期間と吸引期間とで変
更する機能、より具体的には、上記の励磁電流を吸引期
間で大きく、また、保持期間で小さく変更する機能を備
えている。このため、上記従来の装置によれば、少ない
消費電力で確実に弁体を開閉動作させることができる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の装置におい
て、アッパコイルおよびロアコイルに供給される励磁電
流は、スイッチング素子をデューティ駆動することによ
り制御される。この場合、励磁電流の制御精度を高める
うえでは、デューティ駆動の制御周波数が高周波である
ほど望ましい。 【0007】上記従来の装置において、吸引期間におけ
る励磁電流を精度良く制御すると、弁体およびアーマチ
ャが変位端に到達するタイミングを正確に制御するこ
と、および、弁体およびアーマチャが変位端に到達する
際に生ずる着座音を低減すること、等が可能となる。こ
のため、デューティ駆動の制御周波数は、吸引期間にお
ける励磁電流に、十分な制御精度を付与し得る値である
ことが望ましい。 【0008】しかし、スイッチング素子のオン・オフ状
態が切り換えられる際には、スイッチングロスにより電
気エネルギの一部が熱エネルギとして消費される。この
ため、スイッチング素子の環境を低温に維持し、また、
スイッチングロスによるエネルギ消費を抑制するために
は、スイッチング素子のオン・オフ状態が切り換わる周
波数が長いほど有利である。この点、デューティ駆動に
用いられる制御周波数は低いほど好ましい。 【0009】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、吸引期間の励磁電流に高い制御精度を付与しつ
つ、スイッチングロスによるエネルギ消費量を少量に抑
制する電磁駆動弁制御装置を提供することを目的とす
る。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、電磁コイルの発する電磁力を用いて弁
体を開閉動作させる電磁駆動弁制御装置において、前記
電磁コイルをデューティ駆動するデューティ駆動手段
と、前記デューティ駆動の制御周波数を変更する制御周
波数変更手段と、を備え、前記制御周波数変更手段が、
前記弁体が変位中である場合に前記制御周波数を第1の
周波数とする第1周波数設定手段と、前記弁体が非変位
中である場合に前記制御周波数を、前記第1の周波数に
比して低い第2の周波数とする第2周波数設定手段と、
を備えることを特徴とする電磁駆動弁制御装置により達
成される。 【0011】本発明において、電磁コイルは、その内部
に適当な励磁電流が流通し、その結果適当な電磁力が発
生するようにデューティ駆動される。励磁電流の制御精
度は、デューティ駆動の制御周波数が高いほど良好とな
る。一方、電磁コイルのデューティ駆動に伴うスイッチ
ングロスは、その制御周波数が高いほど多量となる。本
発明において、デューティ駆動の制御周波数は、励磁電
流に高い制御精度が要求される場合は高く、また、励磁
電流に高い制御精度が要求されない場合は低く設定され
る。この場合、励磁電流に十分な制御精度が確保される
と共に、スイッチングロスが少量に抑制される。 【0012】 【0013】また、電磁コイルのデューティ駆動の制御
周波数は、弁体が変位中である場合に第1の周波数に設
定される。弁体の変位中は励磁電流に高い制御精度が要
求される。第1の周波数は、かかる制御精度を満たすこ
とのできる高い周波数である。デューティ駆動の制御周
波数は、弁体が非変位中である場合は第2の周波数に設
定される。弁体が非変位中である場合は励磁電流に高い
制御精度は要求されない。第2の周波数は、このような
状況下で必要十分な制御精度を確保するための低い周波
数である。デューティ駆動の制御周波数が上記の如く変
更されると、弁体の変位中および非変位中において励磁
電流に十分な制御精度が確保されると共に、デューティ
駆動に伴うスイッチングロスが少量に抑制される。 【0014】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
電磁駆動弁制御装置のシステム構成図を示す。電磁駆動
弁制御装置は電子制御ユニット10(以下、ECU10
と称す)および電磁駆動弁12を備えている。ECU1
0には、クランクポジションセンサ14(以下、CPセ
ンサ14と称す)が接続されている。 【0015】CPセンサ14は、基準信号とクランク角
信号とを出力するセンサである。基準信号は、内燃機関
のクランク角が所定の基準角に一致する毎に出力され
る。また、クランク角信号はクランク角が所定角変化す
る毎に出力される。ECU10は、CPセンサ14の出
力信号に基づいて内燃機関のクランク角を検出し、その
検出結果を用いて電磁駆動弁12を制御する。 【0016】電磁駆動弁12は弁体16を備えている。
弁体16は、内燃機関の吸気弁を構成している。弁体1
6は、内燃機関の燃焼室内に露出するようにシリンダヘ
ッド18に配設されている。内燃機関のシリンダヘッド
18には、吸気ポート20が設けられている。吸気ポー
ト20には、弁体16に対する弁座22が形成されてい
る。吸気ポート20は、弁体16が弁座22から離座す
ることにより導通状態となり、また、弁体16が弁座2
2に着座することにより遮断状態となる。 【0017】弁体16には、弁軸24が固定されてい
る。弁軸24は、バルブガイド26により軸方向に摺動
可能に保持されている。バルブガイド26は、シリンダ
ヘッド18に支持されている。また、バルブガイド26
には、電磁駆動弁12のロアキャップ28が固定されて
いる。弁軸24の上部には、非磁性材料で構成されたア
ーマチャ軸30が配設されている。また、弁軸24の上
端部には、ロアリテーナ32が固定されている。ロアリ
テーナ32とロアキャップ28との間にはロアスプリン
グ34が配設されている。ロアスプリング34は、ロア
リテーナ32を、すなわち、アーマチャ軸30および弁
体16を、図1における上方へ向けて付勢している。 【0018】アーマチャ軸30の上端部には、アッパー
リテーナ36が固定されている。アッパーリテーナ36
の上部には、アッパースプリング38が配設されてい
る。アッパースプリング38は、アッパーリテーナ36
を、すなわち、アーマチャ軸30および弁体16を、図
1における下方へ向けて付勢している。アッパースプリ
ング38の周囲には、円筒状のアッパーキャップ40が
配設されている。アッパーキャップ40の上端部には、
アジャストボルト42が配設されている。アッパスプリ
ング38の上端は、アジャスタボルト42に当接してい
る。 【0019】アーマチャ軸30には、アーマチャ44が
接合されている。アーマチャ44は、磁性材料で構成さ
れた環状の部材である。アーマチャ44の上方には、第
1電磁石46が配設されている。第1電磁石46は、ア
ッパコイル48およびアッパコア50を備えている。ま
た、アーマチャ44の下方には、第2電磁石52が配設
されている。第2電磁石52は、ロアコイル54および
ロアコア56を備えている。 【0020】アッパコイル48およびロアコイル54
は、ECU10に接続されている。アッパコイル48お
よびロアコイル54には、ECU10から励磁電流が供
給される。アッパコア50およびロアコア56は磁性材
料で構成された部材であり、それらの中央部においてア
ーマチャ軸30を摺動可能に保持している。第1電磁石
46および第2電磁石52は、それらの間に所定の間隔
が確保されるように外筒58によって保持されている。
アーマチャ44の中立位置は、アジャスタボルト42に
より、第1電磁石46と第2電磁石52との中間点に調
整されている。 【0021】次に、図2を参照してECU10の内部構
造について説明する。図2は、ECU10の内部構造を
表す回路図を示す。図2に示す如く、ECU10は、C
PU60を備えている。CPU60には、バスライン6
2を介してROM64、RAM66、出力ポート68お
よび入力ポート70が接続されている。 【0022】ECU10は、また、駆動回路72〜78
および制御回路80を備えている。駆動回路72〜78
および制御回路80は、アッパコイル48に対して励磁
電流を供給するための回路である。ECU10は、駆動
回路72〜78および制御回路80と同様の回路をロア
コイル54に対応して備えている。アッパコイル48に
対応する回路とロアコイル54に対応する回路とは、構
成および動作において異なるところがない。このため、
以下に記載においては、アッパコイル48に対応する回
路の構成および動作のみを説明する。 【0023】制御回路80は、電源端子82および接地
端子84を備えている。電源端子82および接地端子8
4には、それぞれ、ECU10の電源電圧ラインおよび
接地電圧ラインが接続されている。制御回路80は、ま
た、♯1トランジスタ86、♯2トランジスタ88、♯
3トランジスタ90および♯4トランジスタ92を備え
ている。 【0024】♯1トランジスタ86のコレクタ端子およ
び♯2トランジスタ88のコレクタ端子は、共に電源端
子82に接続されている。また、♯1トランジスタ86
のエミッタ端子および♯2トランジスタ88のエミッタ
端子は、それぞれアッパコイル48の両端に接続されて
いる。一方、♯3トランジスタ90のコレクタ端子およ
び♯4トランジスタ92のコレクタ端子は、それぞれア
ッパコイル48の両端に接続されている。また、♯3ト
ランジスタ90のエミッタ端子および♯4トランジスタ
92のエミッタ端子は、共に接地端子84に接続されて
いる。 【0025】上述した駆動回路72〜78は、それぞれ
♯1トランジスタ86〜♯4トランジスタ92のベース
端子に接続されている。♯1トランジスタ86〜♯4ト
ランジスタ92は、駆動回路72〜78からハイ信号が
供給されることによりオン状態となる。また、♯1トラ
ンジスタ86〜♯4トランジスタ92は、駆動回路72
〜78からロー信号が供給されることによりオフ状態と
なる。 【0026】制御回路80において、♯1トランジスタ
86および♯2トランジスタ88はデューティ制御の対
象とされる。一方、♯3トランジスタ90および♯4ト
ランジスタ92はオン・オフ制御の対象とされる。更
に、♯1トランジスタ86および♯4トランジスタ92
は、アッパコイル48に正方向(図2中に実線で示す方
向)の励磁電流を流通させるために、また、♯2トラン
ジスタ88および♯3トランジスタ90は、アッパコイ
ル48に逆方向(図2中に破線で示す方向)の励磁電流
を流通させるためにそれぞれ用いられる。 【0027】すなわち、ECU10は、アッパコイル4
8に正方向の励磁電流を流通させることが要求される場
合は、♯4トランジスタ92をオン状態としたうえで♯
1トランジスタ86を所定のデューティ比Dutyでオン状
態とする。この場合、アッパコイル48には、図2中に
実線で示す正方向に励磁電流が流通する。また、この場
合、デューティ比Dutyを制御することで励磁電流の大き
さを制御することができる。 【0028】ECU10は、アッパコイル48に逆方向
の励磁電流を流通させることが要求される場合は、♯3
トランジスタ90をオン状態としたうえで♯2トランジ
スタ88を所定のデューティ比Dutyでオン状態とする。
この場合、アッパコイル48には、図2中に破線で示す
逆方向に励磁電流が流通する。また、この場合、デュー
ティ比Dutyを制御することで励磁電流の大きさを制御す
ることができる。 【0029】従って、ECU10は、アッパコイル48
に対して、双方向に任意の大きさの励磁電流を流通させ
ることができる。上述の如く、ECU10は、アッパコ
イル48に対応して設けられた回路と同様の回路を、ロ
アコイル54に対応して備えている。従って、ECU1
0は、アッパコイル48およびロアコイル54に対し
て、双方向に任意の大きさを有する励磁電流を流通させ
ることができる。 【0030】次に、電磁駆動弁12の動作について説明
する。電磁駆動弁12においては、アッパコイル48に
励磁電流を供給することで、アッパコイル48の内外を
還流する磁束を発生させることができる。アッパコイル
48の内外を還流する磁束は、アッパコア50およびア
ーマチャ44を含む経路を通って流通する。この際、ア
ーマチャ44と第1電磁石46との間には、アーマチャ
44を第1電磁石46側へ引き寄せる電磁力が発生す
る。 【0031】このため、電磁駆動弁12によれば、アッ
パコイル48に適当な励磁電流を供給することで、アー
マチャ44、アーマチャ軸30、および、弁体16等を
第1電磁石46側へ変位させることができる。アーマチ
ャ軸30は、アーマチャ44がアッパコア50と当接す
るまで第1電磁石46側へ変位することができる。弁体
16は、アーマチャ44がアッパコア50と当接する状
況下では吸気ポート20を閉塞する。従って、電磁駆動
弁12によれば、アッパコイル48に適当な励磁電流を
供給することで、弁体16を全閉状態とすることができ
る。 【0032】弁体16が全閉状態に維持されている場
合、アッパスプリング38およびロアスプリング34
は、アーマチャ軸30を中立位置に向けて付勢する。こ
のような状況下でアッパコイル48への励磁電流の供給
が停止されると、アーマチャ軸30は、以後、アッパス
プリング38とロアスプリング34のバネ力に従って単
振動の動作を開始する。 【0033】電磁駆動弁12によれば、ロアコイル54
に励磁電流を供給することで、ロアコイル54の内外を
還流する磁束を発生させることができる。ロアコイル5
4の内外を還流する磁束は、ロアコア56およびアーマ
チャ44を含む経路を通って流通する。この際、アーマ
チャ44と第2電磁石52との間に、アーマチャ44を
第2電磁石52側へ引き寄せる電磁力が発生する。この
ため、電磁駆動弁12によれば、ロアコイル54に適当
な励磁電流を供給することで、アーマチャ軸30の摺動
に伴うエネルギの損失を補って、アーマチャ44が第2
電磁石52に当接するまでアーマチャ軸30を変位させ
ることができる。 【0034】弁体16は、アーマチャ44が第2電磁石
52と当接する際に全開状態となる。従って、電磁駆動
弁20によれば、アッパコイル48への励磁電流の供給
を停止した後、所定のタイミングでロアコイル54への
励磁電流の供給を開始することで、少ない消費電力で弁
体16を全閉状態から全開状態に変化させることができ
る。 【0035】弁体16が全開状態に変化した後、ロアコ
イル54への励磁電流の供給が停止されると、弁体16
は、単振動の動作に従って全閉位置に向けて変位し始め
る。以後、適当なタイミングで、アッパコイル48およ
びロアコイル54に繰り返し励磁電流を供給すると、少
ない消費電力で弁体16を開閉動作させることができ
る。 【0036】ところで、アッパコイル48への励磁電流
の供給を停止した後ある程度の期間は、第1電磁石46
には残留磁気が残存する。同様に、ロアコイル54への
励磁電流の供給を停止した後ある程度の期間は、第2電
磁石52に残留磁気が残存する。電磁駆動弁12におい
て優れた応答性を確保するためには、励磁電流の供給を
停止した後、それらの残留磁気が速やかに消滅すること
が望ましい。 【0037】第1電磁石46に残存する残留磁気を速や
かに消滅させるためには、アッパコイル48への励磁電
流の供給を停止した後、アッパコイル48に、所定期間
だけ励磁電流を逆向きに流通させることが有効である。
同様に、第2電磁石52に残存する残留磁気を速やかに
消滅させるためには、ロアコイル54への励磁電流の供
給を停止した後、ロアコイル54に、所定期間だけ励磁
電流を逆向きに流通させることが有効である。 【0038】図3は、上記の観点より電磁駆動弁12に
おいて用いられている励磁電流の流通パターン(図3
(A),(B))、および、その流通パターンにより得
られる弁体16の変位パターン(図3(C))を示す。
図3(A)に示す如く、アッパコイル48に供給される
励磁電流は、弁体16が全閉位置に維持されるべき保持
期間においては所定の保持電流IH (>0)に制御され
る。保持電流IH は、♯4トランジスタ92をオン状態
とし、かつ、♯1トランジスタ86を、保持電流IH
対応するデューティ比Dutyでデューティ駆動することに
より生成される。 【0039】アッパコイル48に供給される励磁電流
は、弁体16を全閉位置から開弁させる要求が生じた時
点で、保持電流IH と逆向きの消磁電流IR (<0)に
制御される。消磁電流IR は、♯3トランジスタ90を
オン状態とし、かつ、♯2トランジスタ88を、消磁電
流IR に対応するデューティ比Dutyでデューティ駆動す
ることにより生成される。 【0040】また、アッパコイル48を流れる励磁電流
は、弁体16が全開位置から全閉位置に向けて変位する
吸引期間(図3(A)中に矢線で示す期間)において、
所定期間だけ所定値IMAX に制御される。そして、その
励磁電流は、弁体16が全閉位置に到達する時期とほぼ
同期して上記の保持電流IH と一致するように制御され
る。上記の制御は、♯4トランジスタ92をオン状態と
し、かつ、♯1トランジスタ86を、所定値IMAX に対
応するデューティ比Dutyで、または、励磁電流をIMAX
からIH に減少させる過程で発生させるべき電流値に応
じたデューティ比Dutyで駆動することにより実現され
る。 【0041】図3(B)に示す如く、ロアコイル54に
供給される励磁電流は、弁体16が全閉位置から全開位
置に向けて変位する吸引期間(図3(B)中に矢線で示
す期間)において、所定期間だけ所定値IMAX に維持さ
れた後、所定の保持電流IHに向けて低下するように制
御される。また、その励磁電流は、弁体16を全開位置
に維持すべき保持期間において保持電流IH に維持さ
れ、弁体16を全開位置から閉弁させる要求が生じた際
に逆方向に向かう消磁電流IR に制御される。上記の励
磁電流は、ロアコイル54に対応する制御回路を、アッ
パコイル48に対応する制御回路80と同様に駆動する
ことで実現される。 【0042】アッパコイル48を流れる励磁電流、およ
び、ロアコイル54を流れる励磁電流が、図3(A)お
よび図3(B)に示す如く制御されると、大きな消費電
力を伴うことなく、優れた応答性をもって弁体16を開
閉動作させることができる。従って、本実施例のシステ
ムによれば、電磁駆動弁12に、優れた省電力特性と優
れた応答性とを付与することができる。 【0043】電磁駆動弁12において、弁体16が全開
位置または全開位置に向かって変位する際の作動特性
は、吸引期間中にアッパコイル48またはロアコイル5
4に供給される励磁電流に大きく影響される。このた
め、弁体16が全閉位置または全開位置に到達するタイ
ミングのバラツキを抑制し、また、弁体16が全閉位置
または全開位置に到達する際に発生する着座音を抑制す
るうえでは、吸引期間中にアッパコイル48またはロア
コイル54に供給される励磁電流を精度良く制御するこ
とが重要である。 【0044】本実施例のシステムにおいて、アッパコイ
ル48に供給される励磁電流の制御精度は、♯1トラン
ジスタ86がデューティ駆動される際の制御周波数が高
いほど向上する。同様に、ロアコイル54に供給される
励磁電流の制御精度は、♯2トランジスタ88がデュー
ティ駆動される際の制御周波数が高いほど向上する。従
って、電磁駆動弁12の作動を高精度に制御するうえで
は、吸引期間中に用いられる制御周波数が高周波数であ
ることが望ましい。 【0045】これに対して、弁体16が全開位置または
全閉位置に保持されている場合は、アッパコイル48ま
たはロアコイル54に供給される励磁電流が多少変化し
ても、弁体16の保持状態を維持することが可能であ
る。このため、電磁駆動弁12においては、必ずしも保
持期間中における励磁電流を精度良く制御する必要はな
い。従って、保持期間中は、電磁駆動弁12の制御性を
確保するために高い制御周波数を用いることは要求され
ない。 【0046】ECU10に内蔵される♯1〜♯4トラン
ジスタ86〜92は、そのオン・オフ状態が切り換えら
れる際に、スイッチングロスにより熱を発生する。すな
わち、♯1〜♯4トランジスタ86〜92は、そのオン
・オフ状態が切り換えられる際に、外部から供給されて
いる電気エネルギの一部を熱エネルギに変換して消費す
る。従って、♯1〜第4トランジスタ86〜92の発熱
量を抑制し、また、電磁駆動弁12の省電力特性を高め
るためには、♯1〜♯4トランジスタ86〜92のオン
・オフ状態の切り換え頻度を低く抑えることが有効であ
る。 【0047】本実施例のシステムにおいて、♯3トラン
ジスタ90および♯4トランジスタ92のオン・オフ状
態が切り換えられる頻度は、弁体16を開閉動作させる
周波数により、すなわち、内燃機関の機関回転数により
決定される。一方、♯1トランジスタ86および♯2ト
ランジスタ88がのオン・オフ状態が切り換えられる頻
度は、それらがデューティ駆動される際の制御周波数に
より決定される。従って、電磁駆動弁12の作動に伴う
発熱量を抑制し、かつ、電磁駆動弁12の省電力特性の
向上を図るうえでは、♯1トランジスタ86および♯2
トランジスタ88を低い制御周波数でデューティ駆動す
ることが有効である。 【0048】上述の如く、電磁駆動弁12においては、
吸引期間中に高い制御周波数が要求されると共に、保持
期間中は高い制御周波数が要求されない。このため、吸
引期間中に高い制御周波数を用い、かつ、吸引期間を除
く他の期間中に低い制御周波数を用いることとすれば、
電磁駆動弁12の制御性を何ら損なうことなく、電磁駆
動弁12の作動に伴う発熱量を抑制し、かつ、電磁駆動
弁12の省電力特性を高めることができる。 【0049】本実施例のシステムは、上記の観点より、
吸引期間中とその他の期間中とで、励磁電流のデューテ
ィ制御に用いられる制御周波数を変更する点に特徴を有
している。以下、図4を参照して、上記の特徴部につい
て説明する。図4は、上記の機能を実現すべくECU1
0が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示
す。図4に示すルーチンは、内燃機関のクランク角が所
定角だけ変化する毎に起動されるルーチンである。図4
に示すルーチンが起動されると、先ずステップ100の
処理が実行される。 【0050】ステップ100では、電磁駆動弁12が吸
引期間中か否かが判別される。本ステップ100では、
具体的には、今回の処理サイクル以前にアッパコイル4
8またはロアコイル54に所定値IMAX の励磁電流を供
給することが要求されており、かつ、未だ弁体16が全
閉位置または全開位置に到達していない場合に電磁駆動
弁12が吸引期間中であると判別される。本ステップ1
00で電磁駆動弁12が吸引期間中であると判別される
場合は、次にステップ102の処理が実行される。一
方、電磁駆動弁12が吸引期間中でないと判別される場
合は、次にステップ104の処理が実行される。 【0051】ステップ102では、デューティ駆動の制
御周波数Fが高周波数FHに設定される。高周波数FH
は、吸引期間において励磁電流に十分な精度を付与し得
る周波数である。ステップ104では、デューティ駆動
の制御周波数Fが低周波数FLに設定される。低周波数
FLは、弁体16を全開位置または全閉位置に安定に保
持するうえで最低限必要な精度を励磁電流に付与するた
めの周波数である。 【0052】ステップ106では、励磁電流のデューテ
ィ制御に用いるべきデューティ比Dutyが読み込まれる。
デューティ比Dutyは、内燃機関のクランク角に基づいて
他のルーチンにおいて演算された値である。ステップ1
08では、スイッチング素子を駆動する処理が実行され
る。具体的には、アッパコイル48またはロアコイル5
4に対応する制御回路が備える♯1〜♯4トランジスタ
86〜92を、発生させるべき励磁電流の向きおよび大
きさに基づいてデューティ駆動またはオン・オフ駆動す
る処理が実行される。本ステップ108の処理が終了す
ると、今回のルーチンが終了される。 【0053】上記ステップ108において、スイッチン
グ素子のデューティ駆動(♯1トランジスタ86または
♯2トランジスタ88のデューティ駆動)は、上記ステ
ップ102または104で定められた制御周波数で、か
つ、上記ステップ106で定められたデューティ比Duty
で行われる。上記の処理によれば、吸引期間中は励磁電
流を高精度に制御するうえで有利な状況を形成し、か
つ、その他の期間中はスイッチングロスを抑制するうえ
で有利な状況を形成することができる。従って、本実施
例のシステムによれば、弁体16の開閉動作に関する制
御精度を何ら損なうことなく、電磁駆動弁12の作動に
伴うスイッチングロスを抑制して、電磁駆動弁12に優
れた省電力特性を付与することができる。 【0054】尚、上記の実施例においては、アッパコイ
ル48およびロアコイル54が前記請求項1記載の「電
磁コイル」に相当すると共に、ECU10が上記ステッ
プ108において♯1トランジスタ86または♯2トラ
ンジスタ88をデューティ駆動することにより前記請求
項1記載の「デューティ駆動手段」が、ECU10が上
記ステップ100〜104の処理を実行することにより
前記請求項1記載の「制御周波数変更手段」が、それぞ
れ実現されている。 【0055】また、上記の実施例においては高周波数F
Hが前記請求項記載の「第1の周波数」に、低周波数
FLが前記請求項記載の「第2の周波数」にそれぞれ
相当していると共に、ECU10が上記ステップ100
および102の処理を実行することにより前記請求項
記載の「第1周波数設定手段」が、ECU10が上記ス
テップ100および104の処理を実行することにより
前記請求項記載の「第2周波数設定手段」が、それぞ
れ実現されている。 【0056】次に、図5および図6を参照して、本発明
の第2実施例について説明する。図5は、本実施例のシ
ステムが備える電子制御ユニット110(以下、ECU
110と称す)の回路図を示す。本実施例のシステム
は、上記図1に示すシステム構成において、ECU10
に代えてECU110を用いることにより実現される。
尚、図5において上記図2に示す構成部分と同一の部分
には同一の符号を付してその説明を省略する。 【0057】ECU110はファンクションジェネレー
タ112,114(以下、FG112,114と称す)
を備えている。FG112およびFG114は、出力ポ
ート68に接続されている。出力ポート68は、FG1
12およびFG114に対してスイッチ切り換え信号V
sを出力する。FG112とFG114とは、構成およ
び動作において異なるとことがない。このため、以下の
記載においては、FG112の構成および動作のみを説
明する。 【0058】FG112は、出力電圧Eoを繰り返し三
角波形状に変化させる回路である。FG112は、スイ
ッチ切り換え信号Vsの電圧値に応じて、出力信号Eo
を三角波形状に変化させる周波数を、高周波数FHまた
は低周波数FLの一方に設定する。FG112は、第1
オペアンプ116を備えている。第1オペアンプ116
の反転入力端子はECU110内部で接地されている。
また、第1オペアンプ116の出力端子は、スイッチ回
路118に接続されている。スイッチ回路118には、
第1スイッチ120および第2スイッチ122が内蔵さ
れている。第1スイッチ120および第2スイッチ12
2は、ハイレベルの信号が供給されることによりオン状
態となるスイッチである。第1スイッチ120には出力
ポート68が接続されている。一方、第2スイッチ12
2には、インバータ124を介して出力ポート122が
接続さている。従って、出力ポート68からハイレベル
のスイッチ切り換え信号Vsが出力される場合は第1ス
イッチ120がオン状態となり、一方、出力ポート68
からローレベルのスイッチ切り換え信号Vsが出力され
る場合は、第2スイッチ122がオン状態となる。 【0059】第1スイッチ120には、第1抵抗器12
6が接続されている。一方、第2スイッチ122には、
第2抵抗器128が接続されている。第1抵抗器126
は所定の抵抗値R1 を有している。一方、第2抵抗器1
28は抵抗値R1 に比して大きな所定の抵抗値R2 を有
している。第1抵抗器126および第2抵抗器128
は、共に第2オペアンプ130の反転入力端子に接続さ
れている。 【0060】第2オペアンプの非反転入力端子はECU
110内部で接地されている。第2オペアンプ130の
反転入力端子と出力端子との間には、コンデンサ132
が配設されている。また、第2オペアンプ130の出力
端子は、抵抗器134を介して第1オペアンプ116の
非反転入力端子に接続されている。更に、第1オペアン
プ116の非反転入力端子と出力端子との間には抵抗器
136が配設されている。以下、第1オペアンプ116
の出力端子に現れる電圧を出力電圧Esと称す。 【0061】ECU10は、コンパレータ138,14
0を備えている。コンパレータ138,140の負極端
子には、それぞれ、FG112の出力電圧EoおよびF
G114の出力電圧Eoが供給されている。また、コン
パレータ138,140の正極端子には、出力ポート6
8から比較電圧Vrefが供給されている。コンパレー
タ138,140は、出力電圧Eoが比較電圧Vref
に比して高い場合に、その出力端子にローレベルの電圧
を出力する。また、コンパレータ138,140は、出
力電圧Eoが比較電圧Vrefに比して低い場合に、そ
の出力端子にハイレベルの電圧を出力する。コンパレー
タ138の出力端子は、制御回路80が備える♯2トラ
ンジスタ88のベース端子に接続されている。一方、コ
ンパレータ140の出力端子は、♯1トランジスタ86
のベース端子に接続されている。 【0062】FG112,114、コンパレータ13
8,140、駆動回路76,78および制御回路80
は、アッパコイル48に励磁電流を供給するための回路
である。ECU10は、これらと同様の回路をロアコイ
ル54に対応して備えている。アッパコイル48に対応
する回路とロアコイル54に対応する回路とは、構成お
よび動作において異なるところがない。このため、ロア
コイル54に対応する回路についてはその説明を省略す
る。 【0063】次に、ECU110の動作について説明す
る。ECU110において、第1オペアンプ116はシ
ュミット回路として機能する。このため、その出力端子
には、+側の飽和出力電圧(以下、+Esと称す)また
は−側の飽和出力電圧(以下、−Esと称す)の何れか
が現れる。上述の如く、ECU110の出力ポート68
がハイレベルのスイッチ切り換え信号Vsを出力してい
る場合は、第1スイッチ120がオン状態となる。従っ
て、スイッチ切り換え信号Vsがハイレベルである場合
は、第1抵抗器126に+Esまたは−Esの電圧が印
加される。 【0064】第2オペアンプ130の反転入力端子の電
位と非反転入力端子の電位とはイマジナリショートによ
りほぼ等電位に維持される。このため、第2オペアンプ
130の反転入力端子の電位は常に接地電位に維持され
る。この際、第1抵抗器126には、次式で表される電
流iがを流通する。尚、電流iの向きは、第2オペアン
プ130に流れ込む方向を正とする。 【0065】 i=Es/R1 ・・・(1) ECU110において、第2オペアンプ130およびコ
ンデンサ132は、積分器として機能する。すなわち、
上記の如く第1抵抗器126に電流iが流通する場合、
第2オペアンプ130およびコンデンサ132は、第2
オペアンプ130の出力電圧Eoに、次式で表される変
化ΔEo、すなわち、電流iの積分値に相当する変化が
現れるように機能する。 【0066】 ΔEo=−∫idt =−∫(Es/R1 )dt ・・・(2) 従って、第2オペアンプ130の出力電圧Eoは、第1
抵抗器126に電圧+Esが印加されている間は時間の
経過と共に一定の勾配で減少し続ける。また、その出力
電圧Eoは、第1抵抗器126に電圧−Esが印加され
ている間は時間の経過と共に一定の勾配で増加し続け
る。 【0067】第1オペアンプ116は、非反転入力端子
に印加される電圧が接地電位に比して高い場合に出力電
圧+Esを発生する。ところで、第1オペアンプ116
の非反転入力端子には、第2オペアンプ130の出力電
圧Eoと第1オペアンプ116の出力電圧Esとの差圧
を、2つの抵抗器134,で分圧して得られる電圧(以
下、分圧電圧と称す)が印加される。 【0068】第1オペアンプ116が出力電圧+Esを
出力している間は、上述の如く、第2オペアンプ130
の出力電圧Eoが時間の経過と共に減少する。分圧電圧
は、第2オペアンプ130の出力電圧Eoが減少するに
連れて減少する。このため、第1オペアンプ116が出
力電圧+Esを出力する状態が継続すると、分圧電圧は
やがて接地電位に比して低い電位に到達する。 【0069】分圧電圧が接地電位に比して低い電位に到
達すると、第1オペアンプ116は、その出力電圧Es
を+Esから−Esに反転させる。第1オペアンプ11
6の出力電圧Esが+Esから−Esに反転すると、分
圧電圧は、所定値だけステップ状に低下する。このた
め、第1オペアンプ116は、以後、安定して出力電圧
−Esを出力し続ける。 【0070】第1オペアンプ116が出力電圧−Esを
出力する間は、第2オペアンプ130の出力電圧Eoが
一定の勾配で増加し続ける。分圧電圧は、第2オペアン
プ130の出力電圧Eoが増加するに連れて増加する。
このため、第1オペアンプ116が出力電圧−Esを出
力する状態が継続すると、分圧電圧は、再び接地電位を
超える電位に復帰する。以後、上述した状態が繰り返さ
れることにより、所定の周期で繰り返し増減する三角波
形状の出力信号Eoが生成される。 【0071】FG112において、出力信号Eoの増減
が繰り返される周波数は、第1オペアンプ116側から
第2オペアンプ130側へ流れ込む電流iの値に応じて
変化する。従って、その周波数は、第1オペアンプ11
6の出力電圧Esが第1抵抗器126に印加される場合
と第2抵抗器128に印加される場合とで、すなわち、
第1スイッチ120がオン状態である場合と第2スイッ
チ122がオン状態である場合とで異なる値となる。 【0072】第1スイッチ120がオン状態である場合
に得られる周波数FHおよび第2スイッチ122がオン
状態である場合に得られる周波数FLは、それぞれ次式
の如く表すことができる。尚、次式においてKは、コン
デンサ132の容量および抵抗器134,136の抵抗
値によって定まる定数である。 FH=K/R1 ・・・(3) FL=K/R2 ・・・(4) 本実施例において、第1抵抗器126の抵抗値R1 は第
2抵抗器128の抵抗値R2 に比して小さな値に設定さ
れている。このため、周波数FHは、周波数FLに比し
て高周波である。従って、ECU110によれば、第1
スイッチ120をオン状態とすることで出力電圧Eoを
高い周波数FHで変化させることができ、また、第2ス
イッチ122をオン状態とすることで出力信号Eoを低
い周波数FLで変化させることができる。 【0073】上述の如く、FG114は、FG112と
同様に機能する。従って、ECU110によれば、FG
112およびFG114にハイレベルのスイッチ切り換
え信号Vsを供給することで、FG112,114の出
力信号Eoを高い周波数FHで変動させることができ
る。また、FG112およびFG114にローレベルの
スイッチ切り換え信号Vsを供給することで、FG11
2,114の出力信号Eoを低い周波数FHで変動させ
ることができる。 【0074】コンパレータ138,140には、それぞ
れ、アッパコイル48に逆方向に流通させるべき励磁電
流の値、または、正方向に流通させるべき励磁電流の値
に応じた比較電圧Vrefが供給される。コンパレータ
138,140は、それらの比較電圧VrefとFG1
12,114から供給される出力電圧Eoとを比較して
デューティ信号を発生する。 【0075】コンパレータ138,140から出力され
るデューティ信号は、出力電圧Eoの変動周波数と同じ
周波数で繰り返される。従って、ECU110によれ
ば、FG112およびFG114にハイレベルのスイッ
チ切り換え信号Vsを供給することで、高周波数FHを
制御周波数とするデューティ信号を生成し、また、FG
112およびFG114にローレベルのスイッチ切り換
え信号Vsを供給することで、低周波数FLを制御周波
数とするデューティ信号を生成することができる。 【0076】図6は、本実施例のシステムにおいてEC
U110が実行する制御ルーチンの一例のフローチャー
トを示す。図6に示すルーチンは、図6に示すルーチン
は、内燃機関のクランク角が所定角だけ変化する毎に起
動されるルーチンである。図4に示すルーチンが起動さ
れると、先ずステップ150の処理が実行される。ステ
ップ150では、電磁駆動弁12が吸引期間中か否かが
判別される。その結果、電磁駆動弁12が吸引期間中で
あると判別される場合は次にステップ152の処理が実
行される。一方、電磁駆動弁12が吸引期間中でないと
判別される場合は次にステップ154の処理が実行され
る。 【0077】ステップ152では、FG112,114
に対してハイレベルのスイッチ切り換え信号Vsが供給
される。本ステップ152の処理が実行されると、第1
スイッチ120がオン状態となり、高周波数FHを制御
周波数とするデューティ信号を発生し得る状態が形成さ
れる。ステップ154では、FG112,114に対し
てローレベルのスイッチ切り換え信号Vsが供給され
る。本ステップ154の処理が実行されると、第2スイ
ッチ122がオン状態となり、低周波数FLを制御周波
数とするデューティ信号を発生し得る状態が形成され
る。 【0078】ステップ156では、励磁電流のデューテ
ィ制御に用いるべきデューティ比Dutyが読み込まれる。
デューティ比Dutyは、内燃機関のクランク角に基づいて
他のルーチンにおいて演算された値である。ステップ1
58では、デューティ比Dutyに応じた比較電圧Vref
がコンパレータ138,140に供給される。本ステッ
プ158では、具体的には、例えばアッパコイル48に
正方向の励磁電流を流通させるべき状況下ではコンパレ
ータ140に比較電圧Vrefが供給される。また、例
えば、アッパコイル48に逆方向の励磁電流を流通させ
るべき状況下ではコンパレータ138に比較電圧Vre
fが供給される。 【0079】上記の処理によれば、例えば、アッパコイ
ル48に正方向の励磁電流を流通させるべき状況下では
♯1トランジスタ86にデューティ比Dutyを有するディ
ーティ信号を供給することができる。また、例えば、ア
ッパコイル48に逆方向の励磁電流を流通させるべき状
況下では♯2トランジスタ88にデューティ比Dutyを有
するディーティ信号を供給することができる。 【0080】ステップ160では、♯3トランジスタ9
0または♯4トランジスタ92をオン状態に駆動する処
理が実行される。本ステップ160では、具体的には、
例えば、アッパコイル48に正方向の励磁電流を流通さ
せるべき状況下では♯4トランジスタ92がオン状態に
駆動される。また、例えば、アッパコイル48に逆方向
の励磁電流を流通させるべき状況下では♯3トランジス
タ90がオン状態に駆動される。本ステップ160の処
理が終了すると、今回のルーチンが終了される。 【0081】上記の処理によれば、アッパコイル48お
よびロアコイル54に対して、適正に正方向および逆方
向の励磁電流を流通させ、かつ、その励磁電流の値を適
正値に制御することができる。また、上記の処理によれ
ば、吸引期間中は励磁電流を高精度に制御するうえで有
利な状況を形成し、かつ、その他の期間中はスイッチン
グロスを抑制するうえで有利な状況を形成することがで
きる。従って、本実施例のシステムによれば、第1実施
例の場合と同様に、弁体16の開閉動作に関する制御精
度を何ら損なうことなく、電磁駆動弁12の作動に伴う
スイッチングロスを抑制して、電磁駆動弁12に優れた
省電力特性を付与することができる。 【0082】尚、上記の実施例においては、ECU11
0がコンパレータ138,140からデューティ信号を
出力させることにより前記請求項1記載の「デューティ
駆動手段」が、ECU110が上記ステップ150〜1
54の処理を実行して第1スイッチ120と第2スイッ
チ122のオン・オフ状態を制御することにより前記請
求項1記載の「制御周波数変更手段」が、それぞれ実現
されている。 【0083】また、上記の実施例においては高周波数F
Hが前記請求項記載の「第1の周波数」に、低周波数
FLが前記請求項2記載の「第2の周波数」にそれぞれ
相当していると共に、ECU10が上記ステップ150
および152の処理を実行することにより前記請求項
記載の「第1周波数設定手段」が、ECU10が上記ス
テップ150および154の処理を実行することにより
前記請求項記載の「第2周波数設定手段」が、それぞ
れ実現されている。 【0084】 【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、電磁コイルのデューティ駆動の制御周波数を変更す
ることにより、励磁電流に要求される制御精度を満足し
つつ、スイッチングロスを少量に抑制することができ
る。また、弁体の変位中および非変位中において励磁電
流に十分な制御精度を確保しつつ、電磁コイルのデュー
ティ駆動に伴うスイッチングロスを少量に抑制すること
ができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1実施例の電磁駆動弁制御装置のシ
ステム構成図である。 【図2】図1に示す電子制御ユニット(ECU)の内部
構造を表す回路図である。 【図3】図1に示す電磁駆動弁の動作を説明するための
タイムチャートである。 【図4】本発明の第1実施例において実行される制御ル
ーチンの一例のフローチャートである。 【図5】本発明の第2実施例の電磁駆動弁制御装置が備
える電子制御ユニット(ECU)の内部構造を表す回路
図である。 【図6】本発明の第2実施例において実行される制御ル
ーチンの一例のフローチャートである。 【符号の説明】 10;110 電子制御ユニット(ECU) 12 電磁駆動弁 16 弁体 48 アッパコイル 54 ロアコイル 80 制御回路 86 ♯1トランジスタ 88 ♯2トランジスタ 90 ♯3トランジスタ 92 ♯4トランジスタ 112,114 ファンクションジェネレータ(FG) 138,140 コンパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−284626(JP,A) 特開 平5−248296(JP,A) 特開 昭61−65048(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 9/04 F16K 31/06 385 F16K 31/06 310 F02D 11/10 F02D 13/02 F02D 41/20

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 電磁コイルの発する電磁力を用いて弁体
    を開閉動作させる電磁駆動弁制御装置において、 前記電磁コイルをデューティ駆動するデューティ駆動手
    段と、 前記デューティ駆動の制御周波数を変更する制御周波数
    変更手段と、を備え 前記制御周波数変更手段が、 前記弁体が変位中である場合に前記制御周波数を第1の
    周波数とする第1周波数設定手段と、 前記弁体が非変位中である場合に前記制御周波数を、前
    記第1の周波数に比して低い第2の周波数とする第2周
    波数設定手段と、を備える ことを特徴とする電磁駆動弁
    制御装置。
JP21783197A 1997-08-12 1997-08-12 電磁駆動弁制御装置 Expired - Fee Related JP3453497B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21783197A JP3453497B2 (ja) 1997-08-12 1997-08-12 電磁駆動弁制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21783197A JP3453497B2 (ja) 1997-08-12 1997-08-12 電磁駆動弁制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1162529A JPH1162529A (ja) 1999-03-05
JP3453497B2 true JP3453497B2 (ja) 2003-10-06

Family

ID=16710439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21783197A Expired - Fee Related JP3453497B2 (ja) 1997-08-12 1997-08-12 電磁駆動弁制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3453497B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004285962A (ja) * 2003-03-25 2004-10-14 Toyota Motor Corp 電磁駆動バルブの制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1162529A (ja) 1999-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3134724B2 (ja) 内燃機関の弁駆動装置
JP3465568B2 (ja) 内燃機関の電磁駆動弁制御装置
US6216653B1 (en) Electromagnetic valve actuator for a valve of an engine
EP1036964A1 (en) Device for driving solenoid valve
JP3835024B2 (ja) 内燃機関の電磁駆動装置
US6201681B1 (en) Control apparatus for electromagnetic actuator
JP3453497B2 (ja) 電磁駆動弁制御装置
JPH06241137A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
US6690563B2 (en) Electromagnetic actuator controller
JPH08200025A (ja) 電磁駆動バルブ制御装置
JPH07293215A (ja) 内燃機関の弁駆動装置
JP2000110593A (ja) 電磁駆動吸排気弁の駆動回路
US7295417B2 (en) Electromagnetic valve actuation with series connected electromagnet coils
US7107945B2 (en) Electromagnetically driven valve control system and method
JP4228254B2 (ja) 電磁駆動式バルブ装置
JPH07335437A (ja) 電磁駆動装置における通電制御方法
JP2001165014A (ja) 燃料噴射装置
JP2002310030A (ja) 燃料噴射装置
JP3763492B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JPH11210916A (ja) 電磁駆動弁の制御装置
JP3059448B2 (ja) 内燃機関の停止制御装置
JP4306013B2 (ja) 内燃機関の電磁駆動装置
JP2000337177A (ja) 電磁駆動式バルブ装置
JPH0783012A (ja) 電磁駆動式バルブ
JPH0347414A (ja) 電磁力バルブ駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080718

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees