JP3452220B2 - 弾性ローラ用金型及び弾性ローラの製造方法 - Google Patents

弾性ローラ用金型及び弾性ローラの製造方法

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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子写真、静電記録
等のプリンターにおけるトナー搬送用ローラ、帯電ロー
ラ、転写ローラ、クリーニングローラ、給紙ローラ、定
着ローラ等の弾性ローラ用金型および弾性ローラの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トナーカートリッジに用意されて
いるトナーを静電潜像が形成されている感光体に供給
し、用紙に転写、定着させる電子写真プロセスは一般的
に、帯電、感光、現像、転写、定着、徐電
の各機構からなり、各機構とも静電気を精密にコントロ
ールするための各種のローラが使われ、近年ますますそ
のローラ素材に対する要求特性は厳しくなっている。
【0003】特に、トナー搬送ローラ、現像ローラ、帯
電ローラ、転写ローラ又はクリーニング機構に用いられ
るローラ等は静電的に被接触物をコントロールするた
め、ローラを構成する素材の導電性は非帯電のレベルで
狭い範囲(5℃〜45℃において1ケタ、例えば1×1
9 Ω・cm〜1×1010Ω・cmの範囲)にコントロール
されていることが要求されている。また、これらのロー
ラは感光ドラム等精密部品との接触で相手に傷をつけな
いこと、或はローラの接触面積を増してグリップ性を正
確にする目的から導電性弾性層が用いられているが、特
に圧縮硬度を低減できることから発泡体を用いることが
検討されている。
【0004】しかしながら、発泡体で構成されたローラ
は、一般的にブロック状の発泡体に芯金をセットし、ロ
ーラ表面を研削して形状を出すために、最終製品の表面
は粗雑となり、帯電ローラのごとくミクロな部分で静電
気をコントロールする必要がある場合には表面に露出し
た発泡体のセルの粗さに問題があった。このような問題
を解決するため、従来技術としては特開昭61−150
370号公報に、円筒状の成形金型の中心に芯金を配置
し、この芯金の周囲にポリオール、イソシアネート、発
泡剤等の混合物を注入発泡させて皮革状のスキンと弾性
フォームを同時に成形するいわゆるインテグラルスキン
フォームの技術を用いることが提案されている。
【0005】別の手段としては、本発明者らが提案した
特開平5−35110号公報のように、円筒状の成形金
型の中心に芯金を配置し、この芯金の周囲にポリオー
ル、イソシアネート、触媒等からなる弾性層材料を機械
的攪拌によって泡立てて、割線を持たない円筒状の金型
に圧入して前記インテグラルスキンフォームの技術で得
られるよりも更に薄いスキンを有する弾性フォームを得
ることもできる。
【0006】また、粗雑な表面を持つローラに塗装する
方法や粗雑な表面を持つローラを製作した後にチューブ
状の表面層を被せて接着させる方法及びシュリンクチュ
ーブを被せる方法等が提案されている。
【0007】従来、有機高分子材料、例えば合成ゴム、
ポリウレタン及びポリオレフィン系樹脂などを円筒金型
のキャビティーに直接注入又は圧入して硬化を行った後
に、このローラを金型から引き抜き出して脱型していた
が、金型が十分冷却されて金型と弾性層との収縮率の差
が十分大きくならないと容易に金型から引き抜くことが
困難であるため、金型の冷却に多大の時間を要してい
た。
【0008】また、脱型後に次の工程などに搬送する間
にローラ表面にゴミや埃が付着するので次工程の前に埃
などの除去が必要となる。更に、金型のキャビティー面
に傷や変形などがあると金型の交換、修理が必要とな
る。
【0009】また、ローラの弾性層長手方向の面圧分布
を均一にするために、弾性層の表面中央近辺の外径が、
弾性層の端部のそれより大きくなるように成形した、い
わゆるクラウン形状を設けることがあるが、ひとつの方
法として弾性層の表面を研削する方法が行われている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みなされたもので、表面が平滑で硬度が低く、被接触
部品とのミクロな部分で密着して、長期にわたり静電気
的なコントロールを可能とする表面平滑な薄膜を有する
弾性ローラを効率よく生産できる弾性ローラ用金型およ
び弾性ローラの製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明に係る金型は、両端開口の円筒状金型とこ
の円筒状金型の両端に嵌合する蓋金型とを有する弾性ロ
ーラ用金型において、前記円筒状金型の内側にパイプを
設けてあり、このパイプが樹脂又は金属を単独、又はこ
れらを組み合わせたものであり、パイプの中央部の内径
が、上記パイプの端部の内径よりも大きくしてあって、
さらに蓋金型の嵌合部に磁石を配置したことを特徴とす
るものである。また、この発明に係る製造方法は、上記
の弾性ローラ用金型内のパイプに材料を注入して硬化さ
せた後、パイプから弾性ローラを抜き出すことを特徴と
するものである。
【0012】
【作用】本発明の弾性ローラ用金型および弾性ローラの
製造方法は、円筒状金型の内側にパイプを設けたことに
より、パイプごと弾性ローラを取り出すことができるた
めに、従来の金型冷却時間を短縮することができ、ま
た、弾性ローラをパイプごと搬送することができるた
め、下界から弾性ローラの表面を保護することができ、
さらには、材料を金型内のパイプに注入するので、金型
内面を損傷したり汚染することもない。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明するが
この発明は、下記の実施例に制限されるものではない。
ここで、図1は本発明の弾性ローラ用金型の一例を示す
金型の断面図である。ここで、Aは金型、1はパイプ、
2は上蓋金型、3は下蓋金型、4は円筒状金型、5は芯
金、6は弾性層、7は磁石であり、あらかじめパイプ1
を装着した円筒状金型4に芯金5を支持するように上下
蓋金型2、3が嵌合されている。
【0014】パイプ1は、その内面にあらかじめ離型剤
を塗布しておいてもよい。また離型剤を使用しない場合
は離型性の良いパーフロロアルコキシ樹脂(PFA樹
脂)やポリテトラフロロエチレン(PTFE樹脂)など
のフッ素樹脂パイプあるいはアルミ、ステンレスなどの
金属パイプの少なくとも内面にフッ素樹脂コート処理ま
たはそのメッキ処理などを施してもよい。さらには、金
属パイプに内接する薄いフッ素樹脂チューブをはめて接
着剤で金属パイプと固定する、あるいはフッ素樹脂チュ
ーブの端部を折り返して加締めて固定してもよい。ま
た、弾性ローラの長手方向の面圧分布を均一にするた
め、パイプ1の長手方向の中央の内径が大きく両端にむ
けて小さくなるようにしたパイプ1を装着しておけば良
い。
【0015】上下蓋金型2、3はポリプロピレン製の凹
型蓋金型であり、円筒状金型4の上下端部開口部にそれ
ぞれ嵌挿される。これらの上下蓋金型2、3は円筒状金
型4との嵌合部に、磁石7を配置してもよい。磁石7と
してはリング状または小片の形状であり、その磁力は5
00ガウス以上のものが望ましい。さらに、上下蓋金型
2、3の中央部には、それぞれ弾性層の材料の注入孔で
もある貫通孔2A、3Aが開設されている。上記パイプ
1の円筒中心には芯金5が設置されている。
【0016】上記構成の成形型Aを用意し弾性層材料6
を他方の注入孔でもある貫通孔3Aから注入する。注入
時には、成形型の下側に注入ノズルBをセットして注入
する。このようにして弾性層材料6が充填された成形型
Aを60〜130℃で1時間余り加熱して弾性層材料6
を硬化させる。
【0017】硬化が完了したならば、上下蓋金型2、3
を円筒状金型4から取りはずすが、この場合、上下蓋金
型2、3と円筒状金型4とは磁石7によって適宜に密着
しているので、金型どうしの分解は極めて容易である。
次に、円筒状金型4の中に形成されている、図2に示す
ように芯金5/弾性層6/パイプ1からなる一体品Cを
円筒状金型4から抜き出す。この場合、パイプ1は円筒
状金型4の内側に嵌挿されているだけで固着していない
ので、芯金5の端部近辺を押し込むか引っ張るだけで、
一体品Cの抜き出しは極めて容易に行える。
【0018】次に、一体品Cを用意し、パイプ1ごと外
側から挟んで全体を固定しておき、芯金5の端部5Aを
掴み、パイプ1に対して芯金5を押し込むか引っ張り続
ければ、図3に示すような脱型状態を経て、図4に示す
ようにパイプ1から脱型して、芯金5と弾性層6との一
体成形された弾性ローラDを得る。
【0019】さらに、目的に応じて弾性層6の表面に後
から導電膜(図示せず)などの別の層を形成してもよ
い。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の金型装置
は構造が簡単で安価に提供することができ、しかも弾性
ローラを容易に製造することができ、表面が平滑な弾性
体が得られた。またこの発明の製造方法によれば、表面
に平滑なスキンを有する、弾性ローラを容易に製造で
き、金型の強制冷却が必要ないので生産性が著しく向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の弾性ローラ用金型の一例を示す断面図
である。
【図2】弾性層の硬化後に、金型から芯金/弾性層/パ
イプからなる一体品を抜き出した一体品の斜視図であ
る。
【図3】パイプから芯金と弾性層との一体成形された弾
性ローラを抜き出す工程を示す斜視図である。
【図4】パイプから抜き出した弾性ローラである。
【符号の説明】
1 パイプ 2 上蓋金型 2A、3A 貫通孔 3 下蓋金型 3B 逆円錐台状上孔 4 円筒状金型 5 芯金 5A 端部 6 弾性層 7 磁石 A 成形型 B 注入ノズル C 一体品 D 弾性ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−274514(JP,A) 特開 昭59−109311(JP,A) 特開 昭55−82631(JP,A) 実開 昭62−63113(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 39/26 B29C 39/02 B29D 31/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端開口の円筒状金型と、この円筒状金
    型の両端に嵌合する蓋金型とを有する弾性ローラ用金型
    において、前記円筒状金型の内側にパイプを設け、か
    つ、該パイプの中央部の内径が、該パイプの端部の内径
    よりも大きいことを特徴とする弾性ローラ用金型。
  2. 【請求項2】 前記蓋金型の嵌合部に磁石を配置するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の弾性ローラ用金型。
  3. 【請求項3】 前記パイプが樹脂又は金属を単独、又は
    これらを組み合わせたものであることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の弾性ローラ用金型。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の弾
    性ローラ用金型内のパイプに材料を注入して硬化させた
    後、パイプから弾性ローラを抜き出すことを特徴とする
    弾性ローラの製造方法。
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