JP3451774B2 - タイヤ空気圧検知装置 - Google Patents

タイヤ空気圧検知装置

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JP3451774B2
JP3451774B2 JP02172395A JP2172395A JP3451774B2 JP 3451774 B2 JP3451774 B2 JP 3451774B2 JP 02172395 A JP02172395 A JP 02172395A JP 2172395 A JP2172395 A JP 2172395A JP 3451774 B2 JP3451774 B2 JP 3451774B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、タイヤの共振周波
数、またはばね定数に基づいてタイヤの空気圧の状態を
検知するタイヤ空気圧検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、タイヤの空気圧の状態を検知する
装置としては、タイヤの振動周波数成分を含む信号を解
析して共振周波数を抽出し、その共振周波数に基づいて
タイヤの空気圧の状態を検知するものがある(特開平5
−133831号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記タイヤの振動周波
数成分には、タイヤの捩じれや偏心に起因して発生する
複数の共振振動が存在し、これを周波数解析(たとえば
FFT(高速フーリエ関数)演算)することで共振周波
数が求められ、その共振周波数に基づいてタイヤ空気圧
を検知することができる。
【0004】しかし、前記共振振動が現れる周波数範囲
は、車両が置かれている環境の変化を受けて変動するた
め、一定の環境における共振振動のみを観測していたの
ではタイヤ空気圧を検知することができなくなるという
問題がある。たとえば、車両が市街地などを低速から中
速で一般走行する場合は、主としてタイヤの共振振動は
約35Hz付近に現れるが、車両が高速走行する場合は、
前記35Hz付近の共振振動の強度が低下して共振周波数
を求めることができなくなるため、タイヤ空気圧を検知
することができなくなる。
【0005】したがって、この発明の目的は、車両が置
かれている環境が変化した場合であっても、タイヤ空気
圧を検知することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するため、請求項1に記載の発明では、車両走行時の
タイヤの振動周波数成分を含む車輪速度信号から共振周
波数を抽出する抽出手段(S10〜S40、S60)
と、その抽出された共振周波数に基づいて前記タイヤの
空気圧の状態を検知する検知手段(S50、S70)と
を備えたタイヤ空気圧検知装置において、前記抽出手段
(S10〜S40、S60)は、車速に応じて前記共振
周波数の抽出の対象とする周波数範囲を選定する選定手
段(S30)を備え、前記選定手段(S30)により選
定された周波数範囲において前記共振周波数を抽出する
ものであ(S40、S60)、前記選定手段(S3
0)の選定により、車速に応じて第1周波数(f1)〜
第2周波数(f2)の第1の周波数範囲が選定される場
合と、第3周波数(f3)〜第4周波数(f4)の第2
の周波数範囲が選定される場合とがあり、前記第2の周
波数範囲は、前記第1の周波数範囲からずれた周波数範
囲となっているという技術的手段を採用する。
【0007】請求項2に記載の発明では、車両走行時の
タイヤの振動周波数成分を含む車輪速度信号から共振周
波数を抽出する抽出手段(S110〜S150、S17
0)と、その抽出された共振周波数に基づいて前記タイ
ヤの空気圧の状態を検知する検知手段(S160、S1
80)とを備えたタイヤ空気圧検知装置において、前記
抽出手段(S110〜S150、S170)は、前記共
振周波数の抽出の対象とする周波数範囲を複数の範囲に
分けるとともに、それら各周波数範囲における信号強度
をそれぞれ演算する演算手段(S130)と、前記演算
手段(S130)により演算された信号強度に基づい
て、前記共振周波数の抽出の対象とする周波数範囲を選
定する選定手段(S140)とを備え、前記選定手段
(S140)により選定された周波数範囲において前記
共振周波数を抽出するものである(S150、S17
0)という技術的手段を採用する。
【0008】請求項3に記載の発明では、車両走行時の
タイヤの振動周波数成分を含む車輪速度信号から共振周
波数を抽出する抽出手段(S210〜S260、S28
0)と、その求めた共振周波数に基づいて前記タイヤの
空気圧の状態を検知する検知手段(S270、S29
0)とを備えたタイヤ空気圧検知装置において、前記抽
出手段(S210〜S260、S280)は、前記共振
周波数の抽出の対象とする周波数の範囲を複数の範囲に
分けるとともに、それら各周波数範囲において複数回の
演算を行って複数の共振周波数をそれぞれ演算する共振
周波数演算手段(S230)と、前記共振周波数演算手
段(S230)により演算された複数の共振周波数に基
づいて、前記各周波数の範囲における共振周波数の標準
偏差をそれぞれ演算する標準偏差演算手段(S240)
と、前記標準偏差演算手段(S240)により演算され
た標準偏差に基づいて、前記共振周波数の抽出の対象と
する周波数範囲を選定する選定手段(S250)とを備
え、前記選定手段(S250)により選定された周波数
範囲において前記共振周波数を抽出するものである(S
260、S280)という技術的手段を採用する。
【0009】請求項4に記載の発明では、車両走行時の
タイヤの振動周波数成分を含む車輪速度信号から前記タ
イヤのばね定数を抽出する抽出手段(S410〜S44
0、S460、S470)と、その抽出されたばね定数
に基づいて前記タイヤの空気圧の状態を検知する検知手
段(S450、S480)とを備えたタイヤ空気圧検知
装置において、前記抽出手段(S410〜S440、S
460、S470)は、車速に応じて前記ばね定数の抽
出の対象とする周波数範囲を選定する選定手段(S42
0)を備え、前記選定手段(S420)により選定され
た周波数範囲において前記ばね定数を抽出するものであ
(S430、S440、S460、S470)、前記
選定手段(S420)の選定により、車速に応じて第1
周波数(f1)〜第2周波数(f2)の第1の周波数範
囲が選定される場合と、第3周波数(f3)〜第4周波
数(f4)の第2の周波数範囲が選定される場合とがあ
り、前記第2の周波数範囲は、前記第1の周波数範囲か
らずれた周波数範囲となっているという技術的手段を採
用する。
【0010】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施例に記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0011】
【発明の作用効果】請求項1に記載の発明によれば、車
輪速度信号に基づいて、共振周波数の抽出の対象とする
周波数範囲を選定しているから、車両の走行速度が変化
してもタイヤ空気圧を検知することができる。また、請
求項2に記載の発明によれば、信号強度に基づいて、ま
た請求項3に記載の発明によれば、複数の共振周波数の
標準偏差に基づいて、共振周波数の抽出の対象とする周
波数範囲をそれぞれ選定しているから、タイヤ空気圧を
検知することができる。
【0012】さらに、請求項4に記載の発明によれば、
車速に基づいて、ばね定数の抽出の対象とする周波数範
囲を選定しているから、タイヤ空気圧を検知することが
できる。
【0013】
【実施例】以下、この発明にかかるタイヤ空気圧検知装
置の実施例を図面に基づいて説明する。図1は、この発
明にかかるタイヤ空気圧検知装置の全体構成を示す説明
図である。図1に示すように、車両の各タイヤ1a〜1
dに対応して車輪速度センサ2〜5が設けられている。
各車輪速度センサ2〜5は、それぞれ歯車2a〜5aお
よびピックアップコイル2b〜5bによって構成されて
いる。歯車2a〜5aは、各タイヤ1a〜1dの回転軸
(図示せず)と同軸的に取り付けられており、円盤状の
磁性体より成る。ピックアップコイル2b〜5bは、そ
れぞれ歯車2a〜5aの近傍に所定の間隔を置いて取り
付けられ、歯車2a〜5a、すなわちタイヤ1a〜1d
の回転速度に応じた周期を有する交流信号を出力する。
【0014】ピックアップコイル2b〜5bから出力さ
れる交流信号は、CPU,ROM,RAMなどより構成
されるマイクロコンピュータ、波形整形回路を備えた公
知の電子制御装置(以下、ECUと略称する)6に入力
され、波形整形を含む所定の信号処理が行われる。この
信号処理の結果は、表示部7に入力され、表示部7は運
転者に対して各タイヤ1a〜1dの空気圧の状態を報知
する。
【0015】この表示部7は、各タイヤ1a〜1dの空
気圧の状態を独立に表示してもよいし、1つの警告ラン
プを設けて、いずれか1つのタイヤの空気圧が基準の空
気圧よりも低下したときに点灯させることにより、警告
するようにしてもよい。以下、この発明にかかるタイヤ
空気圧検知装置の第1の実施例を、ECU6の処理内容
を示す図3のフローチャートに基づいて説明する。な
お、ECU6は各タイヤ1a〜1dに対して同様の処理
を行うため、以下の各実施例におけるフローチャートは
タイヤ1aの処理のみを示している。
【0016】まず、ステップS10において、ピックア
ップコイル2bから出力された交流信号を波形整形した
パルス信号を読み込んで、そのパルス長をそのパルス時
間で除算し、車輪速度Vを演算する。なお、車輪速度V
の演算は、一輪のみに対して行ってもよいし、4輪の平
均値を算出して行ってもよい。次に、ステップS20に
おいて、前記演算された車輪速度Vに対してFFT(高
速フーリエ関数)演算による周波数解析を行い、各周波
数毎の信号強度を演算する。
【0017】ところで、本発明者の詳細な検討から、タ
イヤの共振振動は、以下の特徴を持つことが見出され
た。つまり、車両が市街地を走行するような低速〜中速
領域においては、各周波数に対する車輪速度のパワース
ペクトルは、図3(a)に示すようになり、タイヤの共
振振動は約35Hz付近に現れる。しかし、高速道路を走
行するような高速領域になると、図3(b)に示すよう
に、約35Hz付近に現れる共振振動のパワースペクトル
は非常に小さくなるため、検出することができなくな
る。
【0018】一方、約70Hz付近に現れるタイヤの他の
共振振動のパワースペクトルは、図3(c)に示すよう
に、低速〜中速領域においては小さいが、図3(d)に
示すように、高速領域になると大きくなる。また、これ
ら両共振振動は、それぞれタイヤの空気圧の低下に伴っ
てその共振周波数も低くなることから、タイヤの空気圧
と一義的な関係を有している。
【0019】そこで、かかる関係を用いて車両の走行速
度にかかわらず、共振振動を検出することができるよう
に、ステップS30において、前記演算された車輪速度
V(現在走行している速度)が予め設定された所定の車
輪速度VS より小さいか否か、つまり車両の走行速度が
低速〜中速領域か高速領域かの判定を行う。そして、車
輪速度Vが基準の車輪速度VS より小さいと判定された
場合、つまり車両の走行速度が低速〜中速領域である場
合は、ステップS40へ進み、35Hz付近にある共振振
動が存在するf1〜f2(たとえば20Hz〜60Hz)の
周波数範囲において前記ステップS20のFFT演算の
結果に基づいて前記共振振動の共振周波数FkLを複数
回演算し、それら共振周波数の平均値を算出する。
【0020】そして、ステップS50において、前記検
出された共振周波数FkLを基に、図4(a)に示す共
振周波数と空気圧との関係から空気圧Pを演算する。こ
の共振周波数と空気圧との関係は、マップの形でECU
のROMなどに記憶されている。次に、ステップS80
において前記ステップS50で演算された空気圧Pが予
め設定された空気圧の許容下限値Pd以下であるか否か
が判定され、空気圧Pが予め設定された許容下限値Pd
以下であると判定されるとステップS90へ進み、所定
の警報表示を行う。
【0021】一方、ステップ30において、車輪速度V
が所定の車輪速度VS 以上であると判定された場合、つ
まり車両の走行速度が高速領域である場合は、ステップ
60へ進み、70Hz付近に現れるタイヤの共振振動を検
出対象とするために、検出する周波数範囲をf3〜f4
(たとえば60Hz〜100Hz)に設定し、その周波数範
囲に存在する共振振動の共振周波数FkHを複数回演算
し、それら共振周波数の平均値を算出する。そして、ス
テップS70において、前記検出された共振周波数Fk
Hを基に、図4(b)に示す共振周波数と空気圧との関
係から空気圧Pを演算する。以下、前記同様にステップ
S80およびS90の判定および処理を行い、所定の警
報表示を行う。
【0022】このように、この実施例にかかるタイヤ空
気圧検知装置によれば、車両の走行速度が変化しても、
空気圧の演算に適した共振周波数を抽出してタイヤ空気
圧を検知することができる。なお、ステップS10〜4
0、S60が抽出手段に、S30が選定手段に、S50
および70が検知手段にそれぞれ相当する。
【0023】次に、この発明にかかるタイヤ空気圧検知
装置の第2の実施例を、ECU6の処理内容を示す図5
のフローチャートに基づいて説明する。なお、ここでは
共振振動の強度として、パワースペクトルのゲイン総和
を用いた例で説明する。まず、ステップS110におい
て前記第1の実施例のステップS10と同様に車輪速度
Vを演算する。そして、ステップS120において前記
演算された車輪速度Vに対してFFT演算を行って、各
周波数毎のパワースペクトルを演算する。次に、ステッ
プS130において低速走行時に主として現れる共振周
波数(35Hz付近)をカバーすることができる周波数範
囲f1〜f2のパワースペクトルのゲイン総和EL、お
よび高速走行時に主として現れる共振周波数(70Hz付
近)をカバーすることができる周波数範囲f3〜f4の
パワースペクトルのゲイン総和EHを演算する。
【0024】そして、ステップS140において、前記
演算されたパワースペクトルのゲイン総和ELが、前記
演算されたパワースペクトルのゲイン総和EHより大き
いか否かを判定し、ゲイン総和の大きい方をタイヤの空
気圧検出の対象となる周波数範囲とする。ゲイン総和E
Lがゲイン総和EHより大きいと判定されたときは、周
波数f1〜f2の範囲に強度の大きい共振振動が存在す
ると推定されるため、ステップS150へ進み、前記第
1の実施例のステップS40と同様に周波数範囲f1〜
f2に存在する共振周波数FkLを複数回演算し、それ
ら共振周波数の平均値を算出する。そして、ステップS
160において前記第1の実施例のステップS50と同
様に前記検出された共振周波数FkLを基に図4(a)
に示す共振周波数と空気圧との関係から空気圧Pを演算
する。
【0025】次に、ステップS190において、前記ス
テップS160において演算された空気圧Pが、予め設
定された許容下限値Pd以下であるか否かがそれぞれ判
定され、空気圧Pが予め設定された許容下限値Pd以下
であると判定されると、ステップS190へ進み、所定
の警報表示を行う。一方、ステップS140においてゲ
イン総和EHがゲイン総和ELより大きいと判定された
ときは、周波数f3〜f4の範囲に強度の大きい共振振
動が存在すると推定されるため、ステップS170へ進
み、周波数範囲f3〜f4に存在する共振振動の共振周
波数FkHを複数回演算し、それら共振周波数の平均値
を算出する。そして、ステップS180において前記検
出された共振周波数FkHを基に、図4(b)に示す共
振周波数と空気圧との関係から空気圧Pを演算する。以
下、前記同様にステップS190およびS200の処理
を行い、警報表示を行う。
【0026】このように、この実施例にかかるタイヤ空
気圧検知装置によれば、複数現れるタイヤの共振振動の
うち、パワースペクトルのゲイン総和の大きい共振振動
が存在する周波数範囲を共振周波数の抽出対象とするた
め、走行速度が変化して検出対象とする周波数帯が変動
してもタイヤ空気圧を検知することができる。なお、ス
テップS110〜150、S170が抽出手段に、S1
30が演算手段に、S140が選定手段に、S160お
よび180が検知手段にそれぞれ相当する。
【0027】次に、この発明にかかるタイヤ空気圧検知
装置の第3の実施例を、ECU6の処理内容を示す図6
のフローチャートに基づいて説明する。まず、ステップ
S210において前記第1の実施例のステップS10と
同様に車輪速度Vを演算する。そして、ステップS22
0において前記演算された車輪速度Vに対してFFT演
算を行う。次に、ステップS230において、低速走行
時に現れる共振振動(35Hz付近)をカバーすることが
できる周波数範囲f1〜f2において、共振周波数Fk
Lを求めるための演算を複数回行って複数の共振周波数
FkLを算出し、同様に高速走行時に現れる共振振動
(70Hz付近)をカバーすることができるf3〜f4に
おいて、共振周波数FKHを複数回算出する。
【0028】そして、ステップ240において、前記複
数回演算された共振周波数FkLの標準偏差σFkL 、お
よび共振周波数FkHの標準偏差σFkH をそれぞれ演算
する。次に、ステップS250において、標準偏差σFk
L と標準偏差σFkH とを比較し、値の小さい方、すなわ
ち周波数の大きさが安定している方をタイヤの空気圧検
知の対象とする。ここでは、標準偏差σFkL が標準偏差
σFkH よりも小さいと判定されたとすると、ステップS
260へ進み、複数の共振周波数FKLを選定し、それ
ら共振周波数の平均値を算出する。
【0029】つまり、標準偏差が小さい方が周波数の安
定度が大きく、正確な共振周波数を抽出することができ
る。そして、ステップS270において、前記第1の実
施例と同様に、図4(a)に示す関係より、共振周波数
FkLに基づいて空気圧Pを演算し、ステップS300
において空気圧Pが許容空気圧Pd 以下であるか否かを
判定する。そして、空気圧Pが許容空気圧Pd 以下であ
ると判定されるとステップS310において所定の警報
表示を行う。
【0030】一方、ステップS250において標準偏差
σFkL よりも標準偏差σFkH の方が小さいと判定される
と、ステップS280へ進んで複数の共振周波数FKH
を選定し、それら共振周波数の平均値を算出する。そし
て、ステップS290において、図4(b)に示す関係
より、共振周波数FkHに基づいて空気圧Pを演算し、
ステップS300において空気圧Pが許容空気圧Pd 以
下であるか否かを判定し、前記同様にステップS310
において所定の警報表示を行う。
【0031】このように、この実施例にかかるタイヤ空
気圧検知装置によれば、安定度が大きい方の共振周波数
を選定するから、車両の走行速度にかかわらず、正確に
タイヤの空気圧を検知することができる。なお、共振周
波数の安定度を示す指標として、ECU内の処理を簡単
化するために、複数回の演算で得られた共振周波数の最
大値から最小値までの幅や、順次演算する際の前回の演
算で得られた共振周波数と今回得られた共振周波数との
差などを用いてもよい。ステップS210〜260、S
280が抽出手段に、S230が共振周波数演算手段
に、S240が標準偏差演算手段に、S250が選定手
段に、S270および290が検知手段にそれぞれ相当
する。
【0032】次に、この発明にかかるタイヤ空気圧検知
装置の第4の実施例を、ECU6の処理内容を示す図7
のフローチャートに基づいて説明する。まず、ステップ
S410において前記第1の実施例のステップS10と
同様に車輪速度Vを演算する。そして、ステップ420
において現在の車輪速度Vが予め設定された車輪速度V
S より小さいか否か、つまり低速走行か高速走行かを判
定する。低速走行であると判定された場合は、ステップ
430へ進み、低速走行時に車輪速度のパワースペクト
ルが大きく現れるf1〜f2の周波数範囲(35Hz付近)
を選定するとともに、バンドパスフィルタを用いて車輪
速度信号をフィルタリングする。このフィルタリング
は、余分な高周波ノイズを除去して車輪速度からタイヤ
のばね定数を正確に演算するために行われる。
【0033】次に、ステップ440において、前記フィ
ルタリングにより通過された車輪速度信号からばね定数
KLを推定演算する。この演算は、次の数1にしたがっ
て行われる。
【0034】
【数1】K=−J1(dω1/dt)/(∫ω1dt) ここで、Kはばね定数、ω1は図1のピックアップコイ
ル2b〜5bで検出されて演算される角速度である。つ
まり、ばね定数KLは車輪速度に基づいて算出すること
ができる。ばね定数KLの演算は、f1〜f2の周波数
範囲における複数の車輪速度信号に基づいて複数のばね
定数を算出し、それらの平均値を採るようにしてもよい
し、f1〜f2の周波数範囲における最大の車輪速度信
号に基づいて算出してもよい。
【0035】ところで、ばね定数と空気圧には、図8に
示す関係がある。図8(a)は、低速走行時における空
気圧とばね定数KLの関係を示し、図8(b)は、高速
走行時における空気圧とばね定数KHの関係を示す。こ
れらのばね定数と空気圧との関係は、マップの形でEC
UのROMなどに記憶されている。そして、ステップS
450において、上記演算によって算出されたばね定数
と図8(a)に示す関係とに基づいて、空気圧Pを演算
する。次に、ステップS490において前記演算された
空気圧Pが、予め設定された空気圧Pd 以下であるか否
かを判定し、空気圧Pd 以下であると判定されるとステ
ップS500へ進み、所定の警報表示を行う。
【0036】一方、ステップS420において現在の車
輪速度Vが予め設定された車輪速度VS より小さくな
い、つまり高速走行であると判定された場合は、ステッ
プS460へ進み、高速走行時に車輪速度のパワースペ
クトルが大きく現れるf3〜f4の周波数範囲(70Hz付
近)を選定し、フィルタリングする。そして、ステップ
S470において、前記フィルタリングにより通過され
た車輪速度信号からばね定数KLを前記数1の演算式に
基づいて推定演算し、ステップS480において、図8
(b)に示すばね定数と空気圧との関係から空気圧Pを
演算する。次に、前記同様にステップS490およびス
テップS500を経て所定の警報表示を行う。
【0037】このように、この実施例にかかるタイヤ空
気圧検知装置によれば、車両の走行速度が低速であるか
高速であるかにかかわらず、精度良くタイヤの空気圧を
検知して警報表示を行うことができる。なお、各周波数
範囲で複数回の演算を行って複数のばね定数をそれぞれ
算出するとともに、それらの標準偏差を算出し、その標
準偏差の大きさに基づいて、求めるべきばね定数を算出
することができる周波数範囲を選定するようにすること
もできる。ステップS410〜S440、S460およ
びS470が抽出手段に、S420が選定手段に、S4
50およびS480が検知手段にそれぞれ相当する。
【0038】また、前記第1の実施例のステップS30
および第4の実施例のステップS420では、車輪速度
に基づいて走行速度領域を判定しているが、車両のミッ
ションに設けられているスピードセンサによって検出さ
れた車速信号、もしくは車両に設けられた前後加速度セ
ンサによって検出された加速度信号を積分して求められ
た車速信号に基づいて判定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるタイヤ空気圧検知装置の全体
構成を示す説明図である。
【図2】第1の実施例におけるECU内の処理を示すフ
ローチャートである。
【図3】高速走行時および低速走行時の車輪速度のパワ
ースペクトルを示すグラフである。
【図4】タイヤの空気圧と共振周波数との関係を示すグ
ラフである。
【図5】第2の実施例におけるECU内の処理を示すフ
ローチャートである。
【図6】第3の実施例におけるECU内の処理を示すフ
ローチャートである。
【図7】第4の実施例におけるECU内の処理を示すフ
ローチャートである。
【図8】タイヤの空気圧とタイヤのばね定数との関係を
示すグラフである。
【符号の説明】
1a〜1d・・タイヤ、2a〜5a・・歯車、2b〜5
b・・ピックアップコイル、2〜5・・車輪速度セン
サ、6・・ECU、7・・表示部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 基司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−156536(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 17/00 B60C 23/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両走行時のタイヤの振動周波数成分を
    含む車輪速度信号から共振周波数を抽出する抽出手段
    と、その抽出された共振周波数に基づいて前記タイヤの
    空気圧の状態を検知する検知手段とを備えたタイヤ空気
    圧検知装置において、 前記抽出手段は、車速に応じて前記共振周波数の抽出の
    対象とする周波数範囲を選定する選定手段を備え、前記
    選定手段により選定された周波数範囲において前記共振
    周波数を抽出するものであり、 前記選定手段の選定により、車速に応じて第1周波数〜
    第2周波数の第1の周波数範囲が選定される場合と、第
    3周波数〜第4周波数の第2の周波数範囲が選定される
    場合とがあり、前記第2の周波数範囲は、前記第1の周
    波数範囲からずれた周波数範囲となってい ることを特徴
    とするタイヤ空気圧検知装置。
  2. 【請求項2】 車両走行時のタイヤの振動周波数成分を
    含む車輪速度信号から共振周波数を抽出する抽出手段
    と、その抽出された共振周波数に基づいて前記タイヤの
    空気圧の状態を検知する検知手段とを備えたタイヤ空気
    圧検知装置において、 前記抽出手段は、前記共振周波数の抽出の対象とする周
    波数範囲を複数の範囲に分けるとともに、それら各周波
    数範囲における信号強度をそれぞれ演算する演算手段
    と、 前記演算手段により演算された信号強度に基づいて、前
    記共振周波数の抽出の対象とする周波数範囲を選定する
    選定手段とを備え、 前記選定手段により選定された周波数範囲において前記
    共振周波数を抽出するものであることを特徴とするタイ
    ヤ空気圧検知装置。
  3. 【請求項3】 車両走行時のタイヤの振動周波数成分を
    含む車輪速度信号から共振周波数を抽出する抽出手段
    と、その求めた共振周波数に基づいて前記タイヤの空気
    圧の状態を検知する検知手段とを備えたタイヤ空気圧検
    知装置において、 前記抽出手段は、前記共振周波数の抽出の対象とする周
    波数の範囲を複数の範囲に分けるとともに、それら各周
    波数範囲において複数回の演算を行って複数の共振周波
    数をそれぞれ演算する共振周波数演算手段と、 前記共振周波数演算手段により演算された複数の共振周
    波数に基づいて、前記各周波数の範囲における共振周波
    数の標準偏差をそれぞれ演算する標準偏差演算手段と、 前記標準偏差演算手段により演算された標準偏差に基づ
    いて、前記共振周波数の抽出の対象とする周波数範囲を
    選定する選定手段とを備え、 前記選定手段により選定された周波数範囲において前記
    共振周波数を抽出するものであることを特徴とするタイ
    ヤ空気圧検知装置。
  4. 【請求項4】 車両走行時のタイヤの振動周波数成分を
    含む車輪速度信号から前記タイヤのばね定数を抽出する
    抽出手段と、その抽出されたばね定数に基づいて前記タ
    イヤの空気圧の状態を検知する検知手段とを備えたタイ
    ヤ空気圧検知装置において、 前記抽出手段は、車速に応じて前記ばね定数の抽出の対
    象とする周波数範囲を選定する選定手段を備え、前記選
    定手段により選定された周波数範囲において前記ばね定
    数を抽出するものであり、 前記選定手段の選定により、車速に応じて第1周波数〜
    第2周波数の第1の周波数範囲が選定される場合と、第
    3周波数〜第4周波数の第2の周波数範囲が選定される
    場合とがあり、前記第2の周波数範囲は、前記第1の周
    波数範囲からずれた周波数範囲となってい ることを特徴
    とするタイヤ空気圧検知装置。
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