JP3451647B2 - 表面処理装置 - Google Patents
表面処理装置Info
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Description
ンズ等の光学用部材表面への液体塗布表面処理方法に関
する。
ハードコート加工、反射防止加工等の表面処理を施し、
性能、機能の向上を図ることが一般的に行われている。
特にハードコート加工は、レンズ表面の保護、蒸着膜と
の密着性向上、染色性の安定化等多くの機能を付与する
加工であるため不可欠な表面処理となっている。現在こ
のハードコート加工には、硬化性液体をレンズ表面に塗
布・硬化する方法が広く用いられており、その塗布方法
には浸漬法、スピンコーティング法、スプレー法等が用
いられている。中でも物体を回転させながらその表面に
液体を塗布するスピンコーティング法は、加工スピード
の速さ、膜厚の均一さ等から広く用いられるようになっ
てきた。
レンズ等の光学部材表面へのスピンコーティング法で
は、次のような問題があった。
は、片面毎にハードコート液等の液体を塗布・硬化する
方法が一般的である。しかしその場合、塗布液の反対面
へのまわり込み、又レンズ等の回転によって飛散し霧状
になった塗布液の反対面への付着、及び飛散した液体の
スピン槽内壁でのはね返りによる反対面への付着等、主
に付着してはならない反対面への塗布液の付着・汚染に
よる外観不良の発生は避けられなかった。
清浄化・改質工程においても、反対面にまわり込んだ研
磨液が固化し、飛散することにより、防塵度を低下させ
種々の外観不良を発生させるという問題があった。
の光学部材には致命的な欠点になる。
外観欠点のない高品質な表面処理を高歩留に維持するこ
とは困難であった。そこで本発明は、このような問題点
を解決するためのもので、その目的とするところは、簡
便な方法で高品質・高歩留な物体への液体塗布表面処理
装置を提供するところにある。
は、液体が塗布される物体表面及びその反対面への液体
の飛散・付着・はね返り及びまわり込み等を防止する液
はね防止手段を設けることを特徴とする。又、前記液は
ね防止手段において、液体が塗布される面の反対面側に
該物体の回転軸を取り囲むように形成された筒状構造物
を設けることを特徴とする。
物体の間の空間が与圧になるよう空気等の気体を該筒状
構造物の内部に送り込む事を特徴とする。
さらに前記液体が熱・光・マイクロ波及び高周波硬化性
液体、または研磨剤等を分散させた液体であることを特
徴とする。
の表面にハードコート液を塗布する表面処理、あるいは
眼鏡レンズ表面を研磨剤等を用いて洗浄・改質する表面
処理等に適用した場合に顕著な効果が得られるが、特に
これらに限定されるものではなく、均一で高品質な光学
特性を有するコート膜形成を目的とする一連のプロセス
において同様に適用できるものである。
り囲む筒状構造物を形成することにより、レンズ等が回
転することによって発生する液体塗布面から反対面へ回
り込む気流を遮断し、その気流に乗って反対面に霧状に
なった液体が飛散・付着することを防止できる。又、レ
ンズ等の物体を回転することにより飛散した液体がスピ
ン槽内壁ではね返り、反対面に付着することを防止でき
る。
空気等を筒状の構造物内に送り込み与圧する事により、
常に回転軸方向から外側に向けて気流が発生するため、
反対面への液体の飛散・付着防止効果が高くなるだけで
なく、塗布面の液体がレンズ等の端面をまわり込んで反
対面に達することを防止でき、高品質な表面処理が高歩
留で実現できる。
ズ等の液体塗布面と反対面側へまわり込む気流を遮断す
るものであれば、その形状は問わないが、多くの場合円
筒形であることが望ましい。
込む気体は、空気に限らずN2、Ar等でも良い。特に
嫌気性の硬化性液体を用いる場合は、N2、 Ar等不活
性気体を使用することが望ましい。
するが、これらに限定されるものではない。 (実施例1)図1は、本実施例におけるプラスチックレ
ンズ表面処理装置の断面図である。
部材4にセットされ液体吐出口2より液体3が吐出され
る。液はね防止部材5は、固定・回転部材4を取り囲む
ような円筒形をなしている。
(CR39)を1の位置にセットし、固定・回転部材4
に固定した後、それらを800rpmで回転させなが
ら、液体吐出口2よりハードコート液3を吐出した。ハ
ードコート液3がプラスチックレンズ1表面全面に塗布
された後、プラスチックレンズ1及び固定・回転部材4
の回転数を2000rpmに上昇させ、0.5秒間保持
した後即停止した。プラスチックレンズを固定・回転部
材4から取り出した後、135℃で1.5時間硬化し
た。
した。
キシエタノール480g、2−メトキシエタノール分散
コロイダルシリカ(触媒化成工業(株)製、商品名“オ
スカル1832“)252g、γ−グリシドキシプロピ
ルメトキシシラン108g、フローコントロール剤0.
3g及び0.05N塩酸水溶液30gを加え攪拌後24
時間放置した。その後デナコールEX313(長瀬化成
(株)製)118g、過塩素酸マグネシウム5.67
g、UV吸収剤1.35gを加え2時間攪拌した。その
後、Waoh/エタノール=1/100(ml)で混合
し作成したpH調整液をコーティング液のpHが6〜7
になるように、17.5倍加え、攪拌しコーティング液
とした。
反対面共に液はね等による欠点は認められず外観は良好
であった。
について、品質評価を行った。
(木綿)で1Kgの荷重をかけ1000回摩擦した。傷
の付き具合いにより以下の3段階に分け、評価した。
た後、コート膜の密着性を調べた。JIS・D−020
2に準じてクロスカットテープ試験によって行った。即
ち、ナイフを用い、基盤表面に1mm間隔に切り目をい
れ、1mm2 の升目を形成させる。次にその上にセロフ
ァン粘着テープ(日東化学(株)製、商品名“セロテー
プ“)を強く押しつけた後、表面から90度方向へ急に
引っ張り剥離した後、コート被膜の残っている升目をも
って密着性の指標とした。
た。
チックレンズ表面処理装置の断面図である。
置で、固定・回転部材4にセットされ、液体吐出口2よ
り液体3が吐出される。
取り囲むような円筒形をなしており、且つチューブ7に
よって空気が液はね防止部材6内部に送り込めるように
なっている。図中8は、液はね防止部材6内部に送り込
まれた空気の流れを示す。
(CR39)を1の位置にセットし、固定・回転部材4
に固定した後、それらを500rpmで回転させた。そ
の後、チューブ7を介して液はね防止部材6内に空気を
送り込みながら液吐出口2より実施例1と同様のハード
コート液3を吐出した。ハードコート液3が1の位置の
プラスチックレンズ表面全面に塗布された後、実施例1
と同様の条件で回転させ取り出し及び硬化を行った。
反対面共に液はね等による欠点は認められず、外観は良
好であった。
が、結果は表1に示すとおり良好であった。
スチックレンズの表面洗浄・改質装置の断面図である。
部材4によって固定されている。表面摩耗部材9として
熱圧縮ポリウレタンフォーム(林フェルト(株)製、商
品名“モルトプレンSI20“)を外径68mm、内径
27mm、幅25mmの中空円筒形に成形し、1の位置
にセットされたレンズ等の物体表面に円筒外側面が押し
つけられるように回転軸10にセットされている。又、
表面摩耗部材9は回転軸10を中心にB方向に回転し得
るようになっており、かつ表面摩耗部材9は液体吐出ノ
ズル11と共にレンズ等の物体の幾何学中心(回転中
心)から外周部までA方向に移動し得るようになってい
る。液はね防止部材6は実施例2と同様に固定・回転部
材4を取り囲むような円筒形をなしており、かつチュー
ブ7によって空気が液はね防止部材6内部に送り込まれ
るようになっている。
る吐出液を示す。以上のような装置を用いて、次の条件
で表面の摩耗を行った。
の位置で吸引吸着部材4に固定し500rpmで回転さ
せた。次に120rpmで回転している表面摩耗部材9
に液体吐出ノズル11よりアルミナ系研磨液12(不二
見研磨剤工業(株)製、商品名“POLIPLA103
“)を8cc/分で吐出しながら表面研磨部材3を荷重
1.5Kgでプラスチックレンズ表面に押し付けた状態
でプラスチックレンズ中心より外周へ0.4cm/秒で
移動させた。上記条件で表面の摩耗を行ったレンズを同
構造を有する装置を用いて次の条件でリンス、乾燥を行
った。レンズ回転数、摩耗部材回転数、摩耗部材移動速
度及び摩耗部材押し付け荷重は表面摩耗時と同条件とし
た。但し、液体吐出ノズル11からは純水を1l/分で
吐出させ、プラスチックレンズ表面の研磨剤を除去し
た。次にプラスチックレンズ表面にIPAを2cc吐出
した後、レンズ回転数を2000rpmに上昇させ5秒
間保持し乾燥させた。得られた清浄・改質済みレンズの
表面には無数の微細な傷がついていたが、研磨剤等の反
対面へのまわり込み、飛散・付着等は全く認められなか
った。得られた清浄・改質済みレンズは実施例2と同様
の方法でハードコート処理した。得られたレンズのハー
ドコート塗布面は表面清浄・改質処理時に認められた無
数の微細な傷は完全に消えており、かつ液はね等の外観
欠点も認められず、又反対面にもハードコート液のまわ
り込み及び液はね等は認められず外観は良好であった。
いて実施例1と同様の方法で試験を行い品質評価した
が、表1に示すとおり良好であった。
ね防止部材5を取り除き、他は実施例1と同一条件でプ
ラスチックレンズ(CR39)にハードコーティングし
た。その結果、ハードコート塗布面の反対側の面に点状
にハードコート液滴が無数に付着・硬化していた。これ
らのハードコート液が硬化したことによる外観欠点はア
セトン洗浄を行っても全く除去出来なかった。
はね防止部材6及び7を取り除き空気を送り込まず、他
は実施例2と同一条件でプラスチックレンズ(CR3
9)にハードコーティングした。その結果、ハードコー
ト塗布面の反対側の面に点状のハードコート液滴が無数
に付着・硬化しておりかつ反対面の外周に塗布面からハ
ードコート液が回り込んでいた。外観は不良であった。
も全く除去出来なかった。
ばレンズ等の物体の回転軸を取り囲む筒状構造物を形成
することにより、レンズ等が回転することによって発生
する液体塗布面から反対面へ回り込む気流を遮断し、そ
の気流に乗って反対面に霧状になった液体が飛散・付着
することを防止できる。又、レンズ等の物体を回転する
ことにより飛散した液体がスピン槽内壁ではね返り、反
対面に付着することを防止できる。
空気等を送り込み与圧する事により、常に回転軸方向か
ら外側に向けて気流が発生するため、反対面への液体の
飛散・付着防止効果が高くなるだけでなく、塗布面の液
体がレンズ等の端面をまわり込んで反対面に達すること
を防止でき、高品質な表面処理が高歩留で実現できる。
の表面処理装置の断面図。
の表面処理装置の断面図。
の表面清浄・改質装置の断面図。
Claims (2)
- 【請求項1】 光学用レンズを回転させながら、該光学
用レンズ表面に液体を塗布する表面処理装置において、 液体が塗布される面の反対側の面に、液体が塗布される
面の反対側の面への液体の飛散・付着・はね返り及びま
わり込み等を防止するための液はね防止手段として、該
光学用レンズの回転軸を取り囲むように円筒形の筒状構
造物を設け、かつ該筒状構造物と該光学用レンズの間の
空気が与圧になるよう空気等の気体を該筒状構造物の内
部に送り込むようにしたことを特徴とする表面処理装
置。 - 【請求項2】 前記液体が、熱・光・マイクロ波及び高
周波硬化性液体であることを特徴とする請求項1記載の
表面処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06683893A JP3451647B2 (ja) | 1993-03-25 | 1993-03-25 | 表面処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06683893A JP3451647B2 (ja) | 1993-03-25 | 1993-03-25 | 表面処理装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003023009A Division JP2003238209A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | 表面洗浄・改質装置及び表面洗浄・改質方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06277609A JPH06277609A (ja) | 1994-10-04 |
JP3451647B2 true JP3451647B2 (ja) | 2003-09-29 |
Family
ID=13327397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06683893A Expired - Lifetime JP3451647B2 (ja) | 1993-03-25 | 1993-03-25 | 表面処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3451647B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4556708B2 (ja) * | 2005-03-07 | 2010-10-06 | セイコーエプソン株式会社 | 光学表面膜の除去方法 |
JP2013080013A (ja) * | 2011-09-30 | 2013-05-02 | Hoya Corp | 眼鏡レンズ用塗布液塗布装置 |
JP2013080012A (ja) * | 2011-09-30 | 2013-05-02 | Hoya Corp | 眼鏡レンズ用塗布液塗布装置 |
-
1993
- 1993-03-25 JP JP06683893A patent/JP3451647B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06277609A (ja) | 1994-10-04 |
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