JP3451253B2 - 無線トランスミッタにおける伝送信号のスペクトル形成をするためのデバイスおよび方法 - Google Patents

無線トランスミッタにおける伝送信号のスペクトル形成をするためのデバイスおよび方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、請求項1および7の前提部によ
る無線トランスミッタ、特にモバイル無線トランスミッ
タにおける伝送信号のスペクトル形成をするためのデバ
イスおよび方法に関する。公知のデジタル直交変調器
(EP 0 693 844)は、デジタル入力信号の
相成分および直交成分のスペクトル形成のためのデジタ
ルフィルタを有する。この場合、2個の入力(ブランチ
IおよびブランチQのための)を有するマルチプレクサ
がデジタルフィルタのそれぞれの乗算器の上流に接続さ
れ、1個の入力と2個の出力を有するデマルチプレクサ
は下流に接続されている。この結果、ブランチIおよび
ブランチQのフィルタリングのために同一の(マルチプ
レックシングされた)乗算器が使用される。公知の非反
復ハーフバンドフィルタデバイス(EP 0 622
898 A2)の場合、サンプリングレートを低減して
複合入力信号を複合出力信号に処理するために、単一の
フィルタ構成が提供される。このフィルタ構成に、入力
信号の実部と虚部の一時的なオフセットが供給される。
フィルタデバイスは、このために、実部と虚部の交互の
順次ピックアップおよびバッファリングのための時間遅
延構成要素を有する。
【0002】情報の狭帯域伝送を可能にし、これによっ
て周波数リソースを突発的に使用することを可能にする
ために、高周波トラフィックチャネルへの無線周波数ト
ラフィックチャネルを形状するアナログベースバンド信
号への変換前、および後者の上方ミキシング前に離散値
(デジタル)伝送信号に対して信号形成を実行すること
は既に知られている。信号形成は、普通、無線トランス
ミッタにおける信号経路の位相内ブランチ(ブランチ
I)または直交ブランチ(ブランチQ)に配置されてい
る、少なくとも2つのデジタルフィルタによって達成さ
れる。それぞれのデジタルフィルタは、複数の乗算器を
有する(図3参照)。
【0003】モバイル無線トランスミッタのための典型
的なDSP(デジタル信号プロセッサ)トランスミッタ
チップの場合、フィルタは約70%までのチップ領域を
含み得る。したがって不利な点は、同一の構成要素(フ
ィルタ、マルチプレクサ)の複合的な使用に基づいて、
スペクトル信号形成のためのハードウェア実現にかなり
の支出が必要であるということである。
【0004】本発明の目的は、無線トランスミッタにお
ける離散値伝送信号のスペクトル形成するためのデバイ
スを作製し、その実現の支出を比較的低く保ち得ること
である。さらに本発明は、無線トランスミッタにおける
離散値伝送信号のスペクトル形成をするための方法を特
定することを目的とし、これによって対応するハードウ
ェア実現の支出が低減され得ることを目的とする。
【0005】課題の解決のために、請求項1および7の
特徴が提供される。
【0006】本発明の基本原理は、伝送信号の成分Iお
よび成分Qが同一のフィルタ回路を用いてスペクトル形
成されることによって、2つのシフトレジスタのそれぞ
れN個のメモリロケーションのそれぞれは信号タップM
>1を有し、フィルタ回路はマルチプレクスモードで動
作されることを可能にするという点にある。これによっ
て、実質的に伝送チップ上で実現される乗算器の数が低
減され得、したがってチップ面積の需要も低減され得
る。
【0007】本発明のさらなる利点は、2つの出力信号
(伝送信号の成分I、伝送信号の成分Q)が、フィルタ
リングの後、複数のメモリタップによって条件付けら
れ、対応する信号よりも高いレートで本発明による信号
形成デバイスの入力において存在するということにあ
る。これは、妨害を抑制するさらなる信号処理が、いか
なる場合でもオーバーサンプリングが行なわれる必要が
あるが、本発明の場合はこれが「自動的」に行なわれる
ので有利である。
【0008】本発明の特に好適な実施形態は、個々の乗
算器に複数のフィルタ係数が割り当てられているという
ことを特徴とする。この場合、フィルタ回路のみが複数
回(特にブランチIおよびブランチQのために)利用さ
れるのではなく、それぞれの乗算器も複数回(特に異な
ったフィルタ係数のために)用いられる、つまりハード
ウェアが一層効率的に使用されるということである。本
発明によるデバイスの第1の好適な実施形態は、マルチ
プレクサユニットがそれぞれ2個のマルチプレクサ入力
を備えるN×M個のマルチプレクサから構成されること
を特徴とする。この場合、乗算器は、信号経路のブラン
チIおよびブランチQにおいて交互に動作する。第2の
好適な実施形態は、異なったフィルタ係数に関する上述
の乗算器の多目的利用を実現し、マルチプレクサユニッ
トは、それぞれ2×M個のマルチプレクサ入力を有する
N個のマルチプレクサから構成されることを特徴とす
る。ここではその後、乗算器はブランチIにおけるM個
のマルチプレクサ動作クロックパルスのために、そして
ブランチQにおける次のM個マルチプレクサ動作クロッ
クパルス等のために動作する。
【0009】本発明によるデバイスの第1の好適な実施
形態は、入力において存在する信号成分Iおよび信号成
分Qは、N個のメモリロケーションおよびメモリロケー
ションごとにM個ある信号タップからなるそれぞれのシ
フトレジスタに供給され、乗算器ユニットは、それぞれ
2個の乗算器入力を有するN×M個の乗算器から構成さ
れていることを特徴とする。この場合、マルチプレクサ
は信号経路のブランチIおよびブランチQで交互に動作
する。
【0010】第2の好適な実施形態は、すでに述べた様
々なフィルタ係数に関する乗算器の多重利用を実現し、
入力において存在する信号成分Iおよび信号成分Qは、
N個のメモリロケーションおよびメモリロケーションご
とにM個ある信号タップからなるそれぞれのシフトレジ
スタに供給され、かつマルチプレクサユニットは、それ
ぞれ2×M個のマルチプレクサ入力を有するN個のマル
チプレクサから構成されるということを特徴とする。乗
算器は、その後、ブランチIにおけるM個のマルチプレ
クサ動作クロックパルスのために、そしてブランチQに
おける次のM個のマルチプレクサ動作クロックパルス、
等のために動作する。
【0011】本発明のさらなる有利な実施形態は、従属
請求項に記載される。
【0012】本発明は、引き続き、2つの例示的な実施
形態を用いて、かつ図と関係付けて詳しく説明される。
【0013】図1は、例えばモバイル無線システムの基
地局または移動局において使用されるような無線トラン
スミッタの伝送デバイスSEのそれ自体公知の原理的構
造を示す。
【0014】伝送デバイスSEは、(例えばマイクロホ
ンによって生成される)アナログソース信号QSを受け
取り、これを符号器CODに供給する。符号器COD
は、図示されないが、ソース信号QSをデジタル化する
アナログデジタル変換器を含み、さらに1原始符号器、
チャネル符号器、インターリーバおよびブロックフォー
マを含み得、これらはデジタル化されたソース信号QS
を適切な方法で原始符号化、エラー防止符号化、インタ
ーリーブし、およびデータブロックに細分する。
【0015】符号器CODは、要素d0、d1、・・・の
データ列{dn}からなる値離散データ信号を出力する。
【0016】データ列{dn}は、放出のためのデータ列
を、無線周波数キャリアを介して変調し、CDMA(符
号分割多重接続)システムの場合、加入者個別の拡張符
号をそれぞれのデータシンボルに与える変調器デバイス
MODに供給される。
【0017】変調のために、例えば連続位相および一定
した複合包絡線を用いるCPM(連続位相変調)方法が
使用され得、CDMA加入者符号化のために、例えばD
S(ダイレクトシーケンシング)CDMA、MC(マル
チキャリア)CDMAまたはFH(周波数ホッピング)
CDMAのような公知の拡張符号方法の1つが用いられ
得る。
【0018】変調器デバイスMODは、さらにデータ信
号をブランチIおよびブランチQに分割する。変調デバ
イスMODによって出力された信号成分Iおよび信号成
分Qは、対応するアナログ信号成分Iおよびアナログ信
号成分Qを生成するデジタルアナログ変換器DACに供
給される。これらはそれぞれミキシングステージMI1
およびM2において、周波数fの無線周波数キャリアに
よって互いに90°の位相オフセットで上位混合され、
重ね合わされ、およびアンテナAを介して無線信号とし
て放出される。
【0019】図2は、従来技術による変調器デバイスM
OD’を示す。変調器デバイスMOD’は、4つのデー
タ入力D1、D2、D3およびD4を有し、従って4つ
の物理チャネルの同時セットアップに適切である。
【0020】データ入力D1、D2、D3およびD4に
はデータ列{dn1}、{dn2}、{dn3}および{dn4}が存在
する。
【0021】データ列{dn1}、{dn2}、{dn3}および
{dn4}は、オーバーサンプリング(オーバーサンプリン
グ係数Q)を用いてサンプリングステージA1、A2、
A3、A4によってサンプリングされる。これによって
それぞれの信号経路におけるデータレートは、1/Ts
から1/Tcに高められ、そのさいTsは個々のデータシ
ンボルdn1(およびdn2、dn3、dn4)は記号持続時間
を意味し、Tcは(相対的に短い)チップ持続時間を示
す。このチップ持続時間は、以後のCDMA符号化に対
して、時間基準を構成する。第3世代移動無線を生成す
る、UMTS(ユニバーサル通信システム)トランスミ
ッタの場合、データレート1/Tcは、サンプリングス
テージA1、A2、A3、A4(すなわちチップレー
ト)の出力において1秒当たり4、096×106サン
プルである。
【0022】(オーバーサンプリングされた)データ記
号は、次に乗算器Mを用いて複合的スクランブリング符
号Sおよび2つのCDMA符号C1(dn1およびdn2
データ記号のための)またはC2(dn3およびdn4のデ
ータ記号のための)によって乗算される。この場合、s
r、cr1およびcr2は、上述の符号列のエレメントの実
部を、si、ci1およびci2は虚部を示す。
【0023】加算器AD1、AD2、AD3およびAD
4においてそのように生成された信号の虚部および実部
を加算することによって、対応するデジタル伝送信号の
成分Iおよび成分Qが生成される。
【0024】さらなる信号処理は、データ入力D1およ
びD2に割り当てられた信号成分Qおよび信号成分Iを
用いて説明され、図2の上部に示されている。データ入
力D3およびD4に割り当てられた信号成分Qおよび信
号成分Iの処理は対応する特性と一致している。
【0025】信号成分Qおよび信号成分Iは、スペクト
ル信号形成ESF’のためのデバイスに入力され、その
入力の範囲は、図2において破線によって示されてい
る。スペクトル信号形成ESF’のためのデバイスは、
それぞれの信号成分に関連したサンプリングステージa
1またはa2を含み、これらのステージは、再度のオー
バーサンプリングによって信号レートをチップレート1
/Tcの倍数Mに高める。
【0026】サンプリングステージa1およびa2に
は、信号成分Qおよび信号成分Iのスペクトル形成に利
用されるデジタルフィルタDF1、DF2がダウンスト
リームに接続される。デジタルフィルタDF1、DF2
の構造は、従来技術に従って、さらに図3において詳し
く説明される。
【0027】スペクトル形成された信号成分Qは加算器
AD5によって加算され、スペクトル形成された信号成
分Iは加算器AD6によって加算される。信号成分Qお
よび信号成分Iは、適切には、周波数補正(図示せず)
を受け、その後、図1に従ってデジタルアナログ変換器
DACに向けて遅延される。
【0028】図3は、図2において示される変調器設計
MOD’において使用されるように、公知のフィルタD
F1またはDF2の設計を示す。フィルタは、55個の
メモリロケーションT、56個の乗算器Mおよび55個
の加算器ADを備えるシフトレジスタを有する。乗算器
Mは、マルチプレクサMの1個の入力と共に並列タップ
に存在し、メモリロケーションT間およびメモリロケー
ションのダウンストリームに存在し、その乗算器の別の
入力においてフィルタ係数C0、..、C55が供給され
る。加算器ADは、乗算器Mによって計算された乗算結
果を加算する。
【0029】フィルタの係数C0、...、C55は、レ
ートM/Tcの場合のフィルタ伝送機能のサンプリング
値から生じる。ここに示された56個のフィルタ係数C
0、...、C55を用いた設計では、M=4倍のオーバ
ーサンプリングの場合、信号成分Qないし信号成分Iの
14のチップがフィルタにおいて適応される。
【0030】図4は、本発明において使用され得る変調
器デバイスMODのブロック回路図である。前の図と同
一の部分は、同一の参照符号で記されるか、または同じ
回路記号で示されている。
【0031】データ入力D1、D2、D3、D4におい
ては、再びデータ列{dn1}、{dn2}、{dn3}、{dn4}が
ワード長1およびデータ記号レート1/Tsと共に存在
する。個々のデータ記号dn1、dn2、dn3、dn4は、値
セット{1、−1}から取り出され得る。
【0032】オプションの重み付きユニットWGにおい
て、データ記号は、重み付き係数w1、w2、w3およ
びw4をそれぞれ乗算することによって記号クロックと
同時に重み付けされる。重み付きユニットの出力におい
て利用可能なデータ信号は、ワード長qwe>1を有す
る。このワード長のデータレートは1/Tsにおいて不
変である。
【0033】重み付け係数w1、w2、w3、w4は、
「ラウドネス係数」と解され得る。チャネルごとに異な
った重み付け係数w1、w2、w3、w4を使用するこ
とによって、様々なチャネルに関する異なった無線距離
が考慮され得、および/またはチャネルごとに異なる拡
張係数Qを使用する場合、これによって影響される異な
ったチャネルエネルギーは補償され得る。
【0034】サンプリングステージA1、A2、A3、
A4は、信号レートをオーバーサンプリング係数(=拡
張係数)Qだけ上昇させ、その出力において利用可能な
高いレートの信号をチップタイミングクロック1/Tc
と同期させる。オーバーサンプリング係数Qは、例え
ば、4〜512、すなわちTs=4Tc...512Tc
になり得る。
【0035】Q倍のオーバーサンプリングされたデータ
記号dn1、dn2、dn3、dn4は、その後、拡張符号器S
Cにおいてチャネル特有のデジタル拡張符号列を与える
ことによって拡張符号化される。第1のデータ入力D1
から供給されるデータ記号dn1上に、Qデジタルチップ
c1からなる第1の拡張符号列C1がそれぞれ与えられ
る。さらなるデータ入力D2、D3、D4から供給され
るデータ記号dn2、dn3、dn4に関しては、対応した処
理が存在する。拡張符号列C1、C2、C3、C4を与
えることによって、それぞれのデータ記号に、そのチャ
ネルのいわば「指紋」が提供される。拡張符号SCの出
力において、拡張符号化されたデータ信号は、信号レー
ト1/Tcおよび(不変の)ワード長qweとともに利用
可能である。
【0036】拡張符号器SCの信号経路ダウンストリー
ムには、チャネル加算器CAが配置される。チャネル加
算器CAはチップクロックを用いて同時に動作する2個
の加算器AD1、AD2を含む。加算器AD1はデータ
入力D1、D3から発する信号データを加算し、加算器
AD2はデータ入力D2およびD4から発する信号デー
タを加算する。チャネル加算器CAの両方の出力におい
ては、信号レート1/Tcおよび(場合によっては高め
られた)ワード長qcaを有するデータ信号が存在する。
【0037】複合的なスクランブラーCSは、データ信
号上へ基地局識別を与えるために利用される。この目的
のために、チャネル加算器CAによって出力される信号
は、図示されるように、複合スクランブリング符号列S
の要素の実部および虚部sqまたはsiを用いて乗算さ
れ、次に、図示されるように、縦横に加算される。さら
に、複合スクランブラーCSは、信号レート1/Tc
よびワード長qscを有する複合スクランブラーCSの出
力において利用可能である、伝送信号の信号成分Iおよ
び信号成分Qを生成するために利用される。
【0038】これらの両方の信号成分は、その入力E
1、E2におけるスペクトル信号形成ESF1/2のた
めの、本発明によるデバイスに追加される。スペクトル
信号形成ESF1/2のためのデバイスは、その出力A
1、A2においてスペクトル形成された(すなわち変調
された)信号成分Iおよび信号成分Qを利用可能にす
る。これらの信号成分は、図1により、図示されない周
波数補正を用いて、アナログ信号に変換され、無線信号
として放出される。
【0039】図5および図6は、本発明によるスペクト
ル信号形成のためのデバイスの2つの実施形態ESF1
およびESF2をブロック回路図で示す。
【0040】図5によると、信号成分Iは10個のメモ
リロケーションT1、T2、...T10を有する第1
のシフトレジスタSR1に供給され、そして信号成分Q
は10個のメモリロケーションT1、T2、...T1
0を有する第2のシフトレジスタSR2に供給される。
それぞれのメモリロケーションT1、T2、...、T
10は、ワード長qscの1個のデータ語を格納する。デ
ータ語はチップクロック1/Tcを用いて2つのシフト
レジスタSR1およびSR2によって押される。
【0041】2つのシフトレジスタSRのそれぞれのメ
モリロケーションT1、T2、...T10には、それ
ぞれ4つのタップが存在するので、それぞれのシフトレ
ジスタSRは合計40個のタップを有する。2つのシフ
トレジスタSRの合計80個のタップは、マルチプレク
サユニットMUXE1に供給される。
【0042】マルチプレクサユニットMUXE1は、4
0個のマルチプレクサMUX1、MUX2、...、M
UX40を含む。それぞれのマルチプレクサMUX1、
MUX2、...、MUX40は、2個のマルチプレク
サ入力を有する。信号経路IにおけるシフトレジスタS
R1の第1の記憶セルT1の第1のタップは、第1のマ
ルチプレクサMUX1のマルチプレクサ入力へつなが
り、信号経路QにおけるシフトレジスタSR2の第1の
記憶セルG1の第1のタップは、第1のマルチプレクサ
MUX1の第2のマルチプレクサ入力へつながる。同様
に、2つのシフトレジスタSR1およびSR2の第2の
タップは、それぞれ第2のマルチプレクサMUX
2、...、の2つのマルチプレクサ入力へつながり、
そしてシフトレジスタSR1およびSR2の第40のタ
ップは、第40のマルチプレクサMUX40の2つのマ
ルチプレクサ入力へつながる。
【0043】マルチプレクサMUX1、MUX
2、...、MUX40は、信号成分Iおよび信号成分
Qから発する信号語を交互に転送し、マルチプレクサ出
力において現在出力されていない信号語のバッファリン
グをするために、マルチプレクサMUX1、MUX
2、...、MUX40においてバッファが存在する。
【0044】マルチプレクサユニットMUXE1の40
個の出力において、2/Tcの信号レートと共に信号成
分Iおよび信号成分Qのワード長qscの信号語が(交互
に)存在する。
【0045】マルチプレクサユニットMUXE1の40
個の出力は、フィルタ回路FS1に供給される。フィル
タ回路FS1は、40個の乗算器M1、M2、...、
M40ならびに4個加算器ADD1、ADD2、ADD
3およびADD4を含む。それぞれの乗算器M1、M
2、M3、...、M40は、単一のフィルタ係数
1、g2、...、g40によってマルチプレクサユニッ
トMUXE1の出力信号を乗算する。フィルタ係数
1、g2、...、g40は、(この特別の例示的な実施
形態において)基礎となるスペクトルフィルタ関数(す
なわちフィルタ回路の伝送機能の)の10Tcの時間間
隔に制限されたパルス応答の4倍オーバーサンプリング
によって決定される。
【0046】スペクトルフィルタ関数は、例えば、RR
C(1/2乗コサイン(rootraised con
sine))関数であり得る。このようなフィルタ回路
は、RRCフィルタ回路と称される。RRC関数は、関
数(1+cosx)1/2/21/2によって0≦x≦πの範
囲で決定され、この関数は、スペクトル領域において、
RRCのフィルタエッジの機能的関係を再生する。
【0047】加算器ADD1、ADD2、ADD3、A
DD4は、それぞれ10個の加算器入力を有する。加算
器ADD1の10個の加算器入力は、乗算器M1、M
5、M9、M13、M17、M21、M25、M29、
M33およびM37の出力と接続され、加算器ADD2
の入力は、乗算器M2、M6、M10、M14、M1
8、M22、M26、M30、M34、M38等の出力
と接続されている。換言すると、4つの加算器ADD1
〜ADD4は、シフトレジスタSR1およびSR2のそ
れぞれのメモリロケーションT1、T2、...、T1
0の4個のタップ1〜4に割り当てられている。
【0048】デマルチプレクサユニットDMUXE1
は、フィルタ回路FS1の下流に接続されている。デマ
ルチプレクサユニットDMUXE1は、まず、それぞれ
の加算器出力を信号成分Iおよび信号成分Qに関してデ
マルチプレクスし、次に、信号成分Iおよび信号成分Q
のために4個の加算器ADD1、ADD2、ADD3、
ADD4の結果をそれぞれ別々にマルチプレクスする。
このようにして、スペクトル信号形成ESF1のための
デバイスの出力A1において、4倍オーバーサンプリン
グされた(フィルタされた)信号成分Iおよび、そして
出力A2において4倍オーバーサンプリングされた(フ
ィルタされた)信号成分Qが生じる。
【0049】スペクトル信号形成ESF2のための、本
発明によるデバイスの第2の実施形態は、図6に示され
る。デバイスESF2も同様に、それぞれ10のメモリ
ロケーションT1、T2、...、T10および1個の
メモリロケーションに対して4個のタップを備える2つ
のシフトレジスタSRを有する。ESF1との違いは、
ESF2が1つのマルチプレクサユニットMUXE2に
結合されている10個のマルチプレクサMUX1’、M
UX2’、...、MUX10’のみを含むということ
である。それぞれのマルチプレクサMUX1’、MUX
2’、...、MUX10’は、8個のマルチプレクサ
入力およびその数に応じたバッファを有する。例えば、
マルチプレクサMUX1’の8個のマルチプレクサ入力
は、信号成分Iおよび信号成分Qに関連して、両方のメ
モリロケーションT1の4個のタップと接続されてい
る。換言すると、10個のマルチプレクサMUX1’、
MUX2’、...、MUX10’のそれぞれが、2つ
のシフトレジスタSRの正確に1つのメモリロケーショ
ン対T1、T1;T2、T2;...;T10、T10
に割り当てられている。
【0050】マルチプレクサユニットMUXE2の10
個の出力は、それぞれ1つの信号レート8/Tcを有す
る。
【0051】マルチプレクサユニットMUXE2の10
個の出力は、1つのフィルタ回路FS2に供給される。
フィルタ回路FS2は、10個のマルチプレクサM
1、...、M10および10個の入力が乗算器M
1、...、M10の出力に接続されている1個の加算
器ADDを含む。
【0052】乗算器M1、...、M10は、8重チッ
プタイミングクロックを用いて動作する。図6において
示されるフィルタ係数g1〜g40は、再び、スペクトル
フィルタ関数(特にRRC関数)の4重オーバーサンプ
リングの支援により10個のサンプル値によって決定さ
れる。しかしながら、ここでの図5におけるフィルタ回
路FS1の設計と比較して、例えば、正確に4個のフィ
ルタ係数の列、すなわち乗算器M1はフィルタ係数g
1〜4を処理し、マルチプレクサM2はフィルタ係数g
5〜8を処理し、...、乗算器M10はフィルタ係数g
37〜40を処理するということである。乗算器M
1、...、M10は、既に述べたように、8重チップ
タイミングクロックを用いて動作し、それぞれの乗算器
M1、...、M10は列的に信号成分Iの4個のサン
プルを処理し、その後、信号成分Qの4個のサンプル
を、それぞれマルチプレクサに割り当てられたフィルタ
係数を用いて処理する。
【0053】加算器ADDにおいては、続いて、10個
の乗算器M1、...、M10の結果が加算される。
【0054】加算結果は、8/Tcの信号レートで、バ
ッファを有するデマルチプレクサDMUXE2に伝達さ
れる。デマルチプレクサDMUXE2は、加算結果を再
び信号成分Iおよび信号成分Qへ分割し、これらの信号
成分信号レート4/Tcでスペクトル信号形成ESF2
のためのデバイスの出力A1およびA2に出力される。
【0055】両方の実施形態ESF1およびESF2
は、マルチプレクス方法におけるフィルタ係数の乗算器
が、信号成分Iおよび信号成分Qのために使用されるこ
とによって、実行される乗算器の数の低減が容易になる
という共通点を有する。実施形態ESF1およびESF
2と比較可能な記憶長さ10Tcの場合、図3において
示される公知のフィルタ構造は、2×40個の乗算器を
含み、これに対して、ESF1(図5参照)の設計にお
いては1×40個の乗算器、およびESF2(図6参
照)の設計においては1×10個の乗算器が含まれ得
る。乗算器の数と同時に、伝送チップのために必要とさ
れるチップ面積も低減される。
【0056】2つの実施形態のさらなる有利な共通点
は、スペクトル信号形成ESF1/2のためのデバイス
の入力信号が、オーバーサンプルされた状態で存在する
必要が(もはや)ないのに対して、ユニットESF1/
2の出力信号は、さらなる信号処理のために必要とされ
る(例えば、4倍)オーバーサンプリングと共に提供さ
れるというところに存する。 [図面の簡単な説明]
【図1】図1は、ブロック回路図において信号処理の一
般的な説明をすることを目的とした無線トランスミッタ
のブロック回路図を示す。
【図2】図2は、従来の技術に従って、それぞれ信号成
分Iおよび信号成分Qのスペクトル形成を有する4個の
伝送信号の信号経路を示すブロック回路図を示す。
【図3】図3は、従来の技術に従って、個々のRRCフ
ィルタの回路図を示す。
【図4】図4は、本発明によるスペクトル信号形成デバ
イスを有する4個のデータ信号のための変調器の回路図
を示す。
【図5】図5は、図4からのスペクトル信号形成デバイ
スの第1の実施形態の回路図を示す。
【図6】図6は、図4からのスペクトル信号形成デバイ
スの第2の実施形態の回路図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ケラ, ティデヤ ドイツ国 80337 ミュンヘン, トゥ ンブリンガーシュトラーセ 54/42 (72)発明者 プレヒンガー, ヨルク ドイツ国 80469 ミュンヘン, ヴェ スターミュールシュトラーセ 16 (72)発明者 ドチェ, マルクス ドイツ国 56072 コブレンツ−リュー ベナハ, ゼントニヒャーヴェク 62 (72)発明者 シュミット, ペーター ドイツ国 82008 ウンターハッヒング, シュルシュトラーセ 2 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04J 13/00 - 13/06 H04B 1/69 - 1/713

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線トランスミッタ(SE)における離
    散値伝送信号のスペクトル形成をするためのデバイスで
    あって、 該伝送信号の位相内成分を受け取るための第1の入力
    (E1)と、該伝送信号の直交成分を受け取るための第
    2の入力(E2)と、 該第1の入力(E1)と接続されている、N個の第1の
    メモリロケーション(T1、...、T10)を有する
    第1のシフトレジスタ(SR1)と、該第2の入力(E
    2)と接続されている、N個の第2のメモリロケーショ
    ン(T1、...、T10)を有する第2のシフトレジ
    スタ(SR2)と、 2つのシフトレジスタ(SR1、SR2)の信号経路の
    ダウンストリームおよび、フィルタ回路(FS1、FS
    2)の信号経路アップストリームにおいて配置されてい
    る複数のマルチプレクサ(MUX1、...、MUX4
    0;MUX1’、...、MUX10’)を有するマル
    チプレクサユニット(MUXE1、MUXE2)と、 複数の乗算器(M1、...、M40)と、少なくとも
    1個の加算器(ADD)を含む該離散値フィルタ回路
    (FS1、FS2)と、 該伝送信号の該フィルタリングされた位相内成分を提供
    するための第1の出力(A1)と、該伝送信号のフィル
    タリングされた該直交成分を提供するための第2の出力
    (A2)と、 を有し、 該2つのシフトレジスタ(SR1、SR2)の該メモリ
    ロケーション(T1、...、T10)のそれぞれが信
    号タップM>1を有し、 該フィルタ回路(FS1、FS2)の該信号経路のダウ
    ンストリーム2つの出力(A1、A2)のアプストリー
    ムにおいてデマルチプレクサユニット(DMUXE1、
    DMUXE2)が配置されていることを特徴とする、デ
    バイス。
  2. 【請求項2】 前記単一の乗算器(M1、...、M1
    0)に、複数のフィルタ係数が割り当てられていること
    を特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
  3. 【請求項3】 前記マルチプレクサユニット(MUXE
    1)は、それぞれ2個のマルチプレクサ入力を有するN
    ×M個のマルチプレクサ(MUX1、MUX40)で構
    成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の
    デバイス。
  4. 【請求項4】 前記マルチプレクサユニットは、それぞ
    れ2×M個のマルチプレクサ入力を有するN個のマルチ
    プレクサで構成されることを特徴とする、請求項1また
    は2に記載のデバイス。
  5. 【請求項5】 前記乗算器(M1、...、M40)に
    割り当てられた前記フィルタ係数は、前記フィルタ回路
    (FS1、FS2)が平方根コサインフィルタリング
    (RRC)を実行するように選択されていることを特徴
    とする、請求項1〜4のいずれかに記載のデバイス。
  6. 【請求項6】 前記出力(A1、A2)に提供さている
    前記位相内成分および前記直交成分は、前記入力(E
    1、E2)における対応する該位相内成分および該直交
    成分よりも数倍か、特に4倍高いサンプリングレートを
    有することを特徴とする、請求項1〜5に記載のデバイ
    ス。
  7. 【請求項7】 無線トランスミッタにおける離散値伝送
    信号のスペクトル形成をするための方法であって、 伝送信号の位相内成分は、第1の入力(E1)を介し
    て、N個の第1のメモリロケーション(T1、...、
    T10)を有する第1のシフトレジスタ(SR1)に存
    在し、そして該伝送信号の直交成分は、第2の入力(E
    2)を介して、N個の第2のメモリロケーション(T
    1、...、T10)を有する第2のシフトレジスタ
    (SR2)に存在し、2つの該伝送信号の成分は、複数
    の乗算器(M1、...、M40)と、少なくとも1つ
    の加算器(ADD)を含む離散値フィルタ回路(FS
    1、FS2)においてフィルタリングされ、フィルタの
    信号経路アップストリームにおいて、伝送信号の位相内
    成分および直交成分のマルチプレキシングが実行される
    方法であって、 2つのシフトレジスタ(SR1、SR2)のそれぞれの
    該メモリロケーション(T1、...、T10)におい
    て、出力信号がメモリタップM>1を介してタップさ
    れ、 該フィルタリングの信号経路ダウンストリームにおい
    て、該伝送信号の位相内成分および直交成分のマルチプ
    レキシングが実行されることを特徴とする、方法。
  8. 【請求項8】 前記個々のマルチプレクサ(M
    1、...、M10)に複数のフィルタ係数が割り当て
    られていることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記フィルタ回路(FS1、FS2)
    は、平方根コサインフィルタリング(RRC)を実行す
    ることを特徴とする、請求項7または8に記載の方法。
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