JP3451186B2 - 回路遮断装置 - Google Patents

回路遮断装置

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JP3451186B2 JP03510798A JP3510798A JP3451186B2 JP 3451186 B2 JP3451186 B2 JP 3451186B2 JP 03510798 A JP03510798 A JP 03510798A JP 3510798 A JP3510798 A JP 3510798A JP 3451186 B2 JP3451186 B2 JP 3451186B2
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満 谷川
順之 宮▲崎▼
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等に設けら
れる回路遮断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の回路遮断装置としては、ヒュー
ズやヒュージブルリンクを用い、回路に過電流が発生し
た場合にそれらを溶断することで回路を遮断するものが
一般的である。一方、車両に事故が生じた場合等の緊急
時には、瞬時に回路を強制遮断したい場合があり、例え
ば近年急速に普及しつつある電気自動車の電源回路など
では特にそのような要望が大きい。
【0003】従来このようなタイプの回路遮断器とし
て、特公昭58−47809号公報には、火薬の爆発力
を利用して回路に介設された導体を強制破断するものが
開示されている。これは、図5に示すように、出力端子
a間に接続されたヒューズbと、火薬cと、この火薬c
を加熱するためのフィラメントdとが、補強された封入
ガラスe内に封入され、入力端子fに電流を加えてフィ
ラメントdを発熱させることで火薬cを爆発させ、その
爆発力を利用してヒューズbを破断させるようになって
おり、任意のタイミングで回路を強制遮断することがで
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のも
のでは、一旦ヒューズbが破断されたら簡単には回路の
導通復帰ができない構造であり、例えば事故を起こした
電気自動車を緊急時に自走により他の場所へ移動したい
ような場合にも対応できなかった。本発明は上記のよう
な事情に基づいて完成されたものであって、その目的
は、導体が破断されたのち必要に応じて簡単に回路の導
通復帰を行えるようにした回路遮断装置を提供するとこ
ろにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの手段として、請求項1の発明は、トリガ信号を与え
ることで爆発可能な火薬と、回路の途中に介設された導
体とがケース内に収容され、前記火薬の爆発により前記
導体を破断することで回路を遮断するようにしたものに
おいて、前記ケースには蓋体が被着可能とされるととも
に、この蓋体には、前記導体が破断されたのちにおいて
この導体における破断した部分の両側を接続可能な復帰
用導体が設けられ、前記蓋体が正規に被着されている場
合は前記復帰用導体が前記ケース内における前記導体と
は非接触の位置に収容され、前記蓋体の位置をずらすこ
とで前記復帰用導体が前記導体における破断した部分の
両側と接触可能な位置に配される構成としたところに特
徴を有する。
【0006】求項の発明は、請求項の発明におい
て、前記ケースには、前記蓋体が導通復帰のためにその
位置が移動された場合に外部から目視できる箇所に、導
通復帰中であることを表示する表示部が設けられている
ところに特徴を有する。
【0007】
【0008】
【発明の作用及び効果】 <請求項の発明> 常には復帰用導体が導体と非接触状態にあるので、火薬
の爆発力で導体が破断されれば回路が遮断される。その
のち蓋体の位置をずらして復帰用導体を導体の破断され
た部分の両側に接続すれば、回路が導通復帰される。復
帰用導体がケースの蓋体に設けられているので、取り扱
いに優れる。 <請求項の発明> 導通復帰を図るべく蓋体の位置を移動すると、ケースに
設けられた表示が目視可能に露出して、導通復帰中であ
ることを目視によって確認できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を電気自動車の電源
回路に適用した一実施形態を図1ないし図4に基づいて
説明する。図1及び図2において、符号1は合成樹脂製
のロアケースであって、その平面形状が、図2に示すよ
うに、長方形をなす基板2の上縁左端部に突出部8を設
けた形状となっている。ロアケース1における長方形の
右側の領域における基板2には、電気自動車に搭載され
たバッテリ(図示せず)のバッテリポスト3が挿通され
る挿通孔が開口され、その上に、導体からなる接続リン
グ6が載置し得るようになっている。突出部8にはその
右側縁に側壁9が立てられており、突出部8からは、図
示しない電源供給線を接続するためのスタッドボルト1
0が立てられている。
【0010】ロアケース1における長方形の左側の領域
には、ほぼその周囲に周壁7が形成されており、周壁7
の右端側は接続リング6の載置位置の中心付近に及んで
いる。周壁7内の左端側における奥行き方向の中央部分
には、仕切壁45,45で仕切られることにより収容室
12が画成されている。両仕切壁45の右端側は、それ
ぞれ外方に向けて直角曲げされた補助壁46となってい
る。収容室12は、その先端側(図2の左側)が少し幅
狭となった形状に形成されており、その中にケーシング
13が収容されるようになっている。また、幅狭部47
の形成された部分の両側が、詳しくは後記する予備バス
バー60(本発明の復帰用導体に相当する)の収容空間
48とされている。
【0011】上記したケーシング13はステンレス製等
であって、その先端側に所定のクリアランスを持って収
容室12内に緊密に収容される箱形に形成されており、
その内部には、先端と上下左右の内面を覆うようにして
絶縁ケース14が嵌められている。ケーシング13内に
は、火薬シール部15を収容したハウジング16と、バ
スバー17(本発明の導体に相当する)の一部とが収容
されている。火薬シール部15は、フィラメントの周囲
に火薬を配してシール部材内に封入したものである。ハ
ウジング16は合成樹脂によりブロック状に形成され、
その先端面には、火薬シール部15に達する開口20が
形成されている。
【0012】バスバー17は例えば銅合金等によって形
成されており、上記したハウジング16の先端面から両
側面の外側を覆うようなU字形部21を有している。U
字形部21の一端側(図2の下側)には、外側に直角曲
げされた復帰部49が形成され、この復帰部49が、補
助壁46との間に所定間隔を開けてそれに沿うように配
設され、その下縁から延出されたL字形部が基板2上に
配設されて、その先端に第1接続部22が立ち上がり形
成されている。この第1接続部22は、上記した接続リ
ング6の接続板26に対して、ボルト24とナット25
により接続可能となっている。
【0013】U字形部21の他端側には、同じく外側に
直角曲げされた復帰部49が形成されて、同様に補助壁
46との間に所定間隔を開けてそれに沿うように配設さ
れ、さらに先端側と外側に直角に二度曲げされ、その外
側を向いた部分の下縁に、取付孔29の開口された第2
接続部23が水平姿勢で形成されている。この第2接続
部23は、スタッドボルト10に挿通されつつ突出部8
上に載置可能となっている。
【0014】バスバー17のU字形部21における先端
片部分(以下破断部27という)には、その長さ方向の
中央の外面側に凹部28が全幅にわたって形成され、薄
肉とされている。また、U字形部21の角の部分(破断
部27の両端)の外面には、切欠30が同じく全幅に形
成されている。
【0015】また、図1に示すように、ロアケース1の
上面に被着される蓋体51が備えられている。この蓋体
51は合成樹脂により形成されていて、ロアケース1の
上面の全面を覆う平面形状に形成されており、その周縁
のうちのロアケース1の周壁7または側壁9の設けられ
ていない部分において周壁52が形成されている。
【0016】蓋体51の下面には、ロアケース1の周壁
7の内側に進入可能な合計4本の係止片53が垂下して
設けられている。各係止片53はそれぞれ内方に向けて
撓み変形可能であって、それぞれの下端には外向きに突
出した突起54が形成されている。一方ロアケース1の
周壁7には、係止片53の突起54が嵌合可能な係止孔
55が開口されている。したがって、蓋体51を被せる
と、各係止片53が内方に撓み変形しつつ押し込まれ、
所定位置に被せられると、係止片53の復元変形により
突起54が対応する係止孔55に嵌まって係止されるよ
うになっている。なお、ロアケース1の周壁7のうちの
先端側(図1の左奥側)の部分の上面には、縞模様等か
らなる表示部50が形成されている。
【0017】さて、この蓋体51の下面における図1の
左端縁側には、上記した予備バスバー60が固定されて
いる。この予備バスバー60は、同じく銅合金等によっ
て形成されており、図4に示すように、真直な連結部6
1の両端の下面に二股に分かれた差込部62が形成され
ている。両差込部62の間隔は、上記した収容室12を
構成する仕切壁45の幅狭部47と、バスバー17のU
字形部21の基端側を間に挟める間隔である。また、差
込部62内には、バスバー17の復帰部49が差し込み
可能である。差込部62の対向する内面には、内方に弾
性的に膨出した低抵抗の導電材料からなるルーバ63が
装着されている。さらに、差込部62の対向する内面の
下端は、ガイド用に面取り64がなされている。そし
て、連結部61が蓋体51の下面に貼り付けられて固定
されている。
【0018】組み付け手順の一例を示すと、火薬シール
部15がハウジング16内の基端側に収容され、このハ
ウジング16がバスバー17のU字形部21の内側に嵌
められる。これにより、バスバー17の破断部27の凹
部28を設けた部分が、ハウジング16の開口20の直
前に位置する。そののち、バスバー17のU字形部21
の外側にケーシング13が嵌められる。そして、このケ
ーシング13が、バスバー17ともどもロアケース1の
収容室12に嵌められる。なお、ケーシング13の先端
面と、収容室12の外面には、それぞれ爆風を逃がすガ
ス抜き窓33,34が形成されている。
【0019】バスバー17の第1接続部22は、バッテ
リポスト3の近辺に位置し、接続リング6の接続板26
にボルト24とナット25により仮組みされる。第2接
続部23は、取付孔29がスタッドボルト10に挿通さ
れつつ突出部8上に載置される。また、火薬シール部1
5に接続されてハウジング16から引き出されたトリガ
線19は、接続リング6の載置位置の回りから周壁7に
わたって形成された案内溝36に嵌められて外部に導出
される。
【0020】このように組み付けられたロアケース1
が、バッテリポスト3を挿通孔から接続リング6に通し
つつバッテリの上面に載置され、ボルト24・ナット2
5を締め付けると、接続リング6が縮径してバッテリポ
スト3に固定され、併せて接続リング6を介してバッテ
リポスト3とバスバー17の第1接続部22が接続され
る。またスタッドボルト10には、図示しない電源供給
線の接続端が嵌められて、ナット(図示せず)により第
2接続部23に押し付けられつつ固定され、これによ
り、バッテリからバスバー17を介して電源供給線に至
る電源回路が構成される。また、トリガ線19もバッテ
リ側に接続される。
【0021】最後に、ロアケース1の上面に蓋体51が
被せられて固定される。その際、蓋体51の下面に設け
られた予備バスバー60は、図2に示すように、収容室
12の幅狭部47を挟みつつ収容空間48に収められ
る。この場合、予備バスバー60は、バスバー17とは
非接触状態にある。また、表示部50は蓋体51で隠さ
れている。
【0022】続いて第1実施形態の作用を説明する。車
両の事故等の発生に伴い異常信号が送出されると、トリ
ガ線19に電流が流れて火薬シール部15内のフィラメ
ントが発熱することで火薬が爆発する。その爆発力は主
にハウジング16の開口20に向けられ、その開口20
と対向して設けられたバスバー17の破断部27がその
爆発力を前方に向けて受け、図3に示すように、凹部2
8を設けた部分から破断し、また両破断片38は、切欠
30の部分で屈曲しつつ互いに離間するように開く。こ
れにより電源回路が遮断される。なお爆風は、ガス抜き
窓33,34から外部に抜かれる。
【0023】電源回路が遮断されたのち、例えば緊急時
に自走により車両を他の場所に移動したい場合がある。
その場合は、以下のようにして行う。まず、係止孔55
に嵌まっている突起54を内方に押して係止を解除し、
蓋体51を引き上げて外す。続いて、外した蓋体51を
正規の被着位置から、図3の鎖線に示すように右方にず
らす。そして、予備バスバー60の両差込部62を破断
されたバスバー17の両復帰部49に差し込みつつ蓋板
51を被せる。そうすると、低抵抗のルーバ63を介し
て破断されたバスバー17の両復帰部49の間が予備バ
スバー60により接続される。これにより、電源回路が
導通復帰される。このとき、ロアケース1の周壁7に形
成された表示部50が露出するので、これを目視するこ
とによって、導通復帰中であることが確認できる。
【0024】以上のように本実施形態によれば、バスバ
ー17の破断により電源回路が遮断されたのち、蓋体5
1を外してそこに設けられている予備バスバー60を破
断されたバスバー17の両復帰部49に差し込むだけ
で、簡単にかつ迅速に電源回路を導通復帰させることが
できる。しかも予備バスバー60は、蓋体51に固定さ
れているのであるから、いちいち探す手間もいらず取り
扱いに優れる。また予備バスバー60は、普段はロアケ
ース1内の余剰空間(収容空間48)を利用して収容で
きるようにしてあるから、ケース全体の大型化を招くこ
ともない。
【0025】<他の実施形態>本発明は上記記述及び図
面によって説明した実施形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に
含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。 (1)表示部の態様としては、回りとは異なった着色を
施すようにしてもよく、また表示部の形成箇所は、要は
蓋体を導通復帰位置に移動した場合に外部から目視でき
る箇所であればよい。 (2)予備バスバーは、蓋体に予め固定しておくことに
限らず、別の場所に保管しておくようにすることも可能
である。 (3)上記実施形態では、低抵抗のルーバを予備バスバ
ーの差込部に設けたが、逆にバスバーの復帰部に設ける
ようにしてもよい。
【0026】(4)また、予備バスバーにヒューズを装
備し、回路の導通復帰後に電気系のショート等が発生し
て過電流が流れたときに、ヒューズが溶断するように機
能させることもできる。 (5)本発明は、上記実施形態に例示した電気自動車の
電源回路に限らず、緊急遮断が必要で、かつ導通復帰も
要望されるような回路全般に広く適用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の一部切欠分解斜視図
【図2】その一部切欠平面図
【図3】回路を導通復帰させた状態の一部切欠平面図
【図4】予備バスバーの斜視図
【図5】従来例の断面図
【符号の説明】
1…ロアケース 3…バッテリポスト 10…スタッドボルト 15…火薬シール部 16…ハウジング 17…バスバー(導体) 19…トリガ線 27…破断部 38…破断片 48…収容空間 49…復帰部 50…表示部 51…蓋体 60…予備バスバー(復帰用導体) 62…差込部
フロントページの続き (72)発明者 宮▲崎▼ 順之 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社ハーネス総合技術研究所内 (72)発明者 松丸 彰男 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社ハーネス総合技術研究所内 (56)参考文献 特開 平9−263193(JP,A) 実開 昭60−38459(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 39/00,85/00 - 85/62

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリガ信号を与えることで爆発可能な火
    薬と、回路の途中に介設された導体とがケース内に収容
    され、前記火薬の爆発により前記導体を破断することで
    回路を遮断するようにしたものにおいて、前記ケースには蓋体が被着可能とされるとともに、この
    蓋体には、 前記導体が破断されたのちにおいてこの導体
    における破断した部分の両側を接続可能な復帰用導体
    設けられ、前記蓋体が正規に被着されている場合は前記
    復帰用導体が前記ケース内における前記導体とは非接触
    の位置に収容され、前記蓋体の位置をずらすことで前記
    復帰用導体が前記導体における破断した部分の両側と接
    触可能な位置に配されることを特徴とする回路遮断装
    置。
  2. 【請求項2】 前記ケースには、前記蓋体が導通復帰の
    ためにその位置が移動された場合に外部から目視できる
    箇所に、導通復帰中であることを表示する表示部が設け
    られていることを特徴とする請求項記載の回路遮断装
    置。
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