JP3666840B2 - 回路遮断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等に設けられる回路遮断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の回路遮断装置としては、ヒューズやヒュージブルリンクを用い、回路に過電流が発生した場合にそれらを溶断することで回路を遮断するものが一般的である。一方、車両に事故が生じた場合等の緊急時には、瞬時に回路を強制遮断したい場合があり、例えば近年急速に普及しつつある電気自動車の電源回路などでは特にそのような要望が大きい。
【0003】
従来このようなタイプの回路遮断器として、特公昭58−47809号公報には、火薬の爆発力を利用して回路に介設された導体を強制破断するものが開示されている。これは、図8に示すように、出力端子a間に接続されたヒューズbと、火薬cと、この火薬cを加熱するためのフィラメントdとが、補強された封入ガラスe内に封入され、入力端子fに電流を加えてフィラメントdを発熱させることで火薬cを爆発させ、その爆発力を利用してヒューズbを破断させるようになっており、任意のタイミングで回路を強制遮断することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、火薬の爆発力自体でヒューズbを破断させるのであるから、ヒューズbを確実に破断する、すなわち確実な回路遮断を期する上では、今一つ信頼性に欠ける嫌いがあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、火薬の爆発力を利用しながらも回路の緊急遮断を確実に行えるようにした回路遮断装置を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、絶縁性のケース内には、回路の途中に介設された前後一対の筒状をなすソケットが同心にかつ互いに離間して設けられ、前記両ソケットには、導体部と絶縁部とが前後に連設されたプラグが進退可能に挿入されて、このプラグの後端にはピストンが設けられているとともに、このピストンの後方には、トリガ信号を与えることで爆発しその爆発力を前記ピストンに作用させる火薬が装備されており、前記プラグ常には後退位置にあって前記導体部が前記両ソケットにわたって挿入されることで両ソケット間が導通状態とされる一方、前記火薬の爆発に伴い前記プラグが前進位置に移動すると、前記絶縁部が少なくとも後方側の前記ソケットに進入して両ソケット間が非導通状態とされる回路遮断装置であって、前記火薬が前記プラグの進退方向と交差する向きで設けられているとともに、前記両ソケットの内面には、それぞれ内方に膨出したルーバが設けられている構成としたところに特徴を有する。
【0007】
請求項の発明は、請求項1の発明において、前記プラグが前進位置に移動した場合に戻り止め状態に係止する戻り止め手段を備えているところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項の発明において、前記戻り止め手段は、前記プラグに対して一定以上の力を作用させた場合にその係止を解除して、前記プラグの後退位置への復帰を可能とするようになっているところに特徴を有する。
【0008】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
トリガ信号を受けて火薬が爆発するとその爆発力を受けてプラグが前進し、絶縁部が後方のソケットと接続されることで非導通状態となり、もって回路が遮断される。絶縁抵抗の高い絶縁部を介して導通を切るようにしたから、より確実に非導通状態とされる。
火薬の爆発力を利用しつつも、プラグをソケットに対して移動させることで導通を切るようにしたから、高い信頼性を持って回路遮断を行うことができる。
【0010】
<請求項の発明>
プラグが前進位置に移動すると戻り止め手段により後退位置側に向けて戻ることが規制され、プラグとソケットが導通状態に戻ることが防がれる。
<請求項の発明>
例えばプラグの先端を押し込むと、戻り止め手段の係止が解除されつつプラグが後退位置に戻され、ソケットとの間で導通が取られ、すなわち回路が接続復帰される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を電気自動車の電源回路に適用した実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
まず図1ないし図3によって、本発明の第1実施形態を説明する。
図において、符号1は合成樹脂製の本体ケースであって、扁平なブロック部2の一側面から、ポスト取付板3が直角をなして突設された形状である。ポスト取付板3には、電気自動車に搭載されたバッテリ(図示せず)のバッテリポスト5(図3参照)が挿通される挿通孔が開口され、その上に導体からなる締付リング6が配されている。また、ブロック部2の側面には、図示しない電源供給線を接続するためのスタッドボルト7が立てられている。
【0012】
ブロック部2内には、図1の上部側に収容空間8が構成され、その中にケーシング10が収容されている。ケーシング10はステンレス製等であって、内部の右側にハウジング11が配されることにより、左側に摺動案内孔12が形成されている。上記の収容空間8の底部と、さらにその下に一定寸法間隔を隔てた位置には、それぞれ仕切壁13,14が形成されている。両仕切壁13,14には、上記の摺動案内孔12の中心線上において、それぞれ導体からなる接続環15A,15Bが固着されている。両接続環15A,15Bには、それぞれ導体からなる鍔付きの筒形をなすソケット16A,16Bが嵌着されている。
【0013】
このソケット16A,16Bはルーバ端子状に形成され、その内面には、弾性的に内方に膨出した複数枚のルーバ17が周方向に間隔を開けて設けられている。上側のソケット16Aは接続環15Aに対して下面側から、また下側のソケット16Bは接続環15Bに対して上面側からねじ込まれる等によって固定されるようになっている。
上記した両ソケット16A,16Bの間には、プラグ19が摺動自由に嵌装されている。プラグ19の上端には、上記した摺動案内孔12内に摺動に嵌装されるピストン20が形成され、図1に示す後退位置と、図2に示す前進位置との間で移動可能となっている。
【0014】
ケーシング10内のハウジング11には、プラグ19の駆動源となる火薬シール部22が収容されている。この火薬シール部22は、フィラメントの周囲に火薬を配してシール部材内に封入したものであって、図1に示すように、プラグ19が後退位置にある場合のピストン20の上方の空間を指向して横向きに収容されている。火薬シール部22には、フィラメントに電流を流すためのトリガ線23が接続されて、本体ケース1の外部に引き出され、バッテリ側に接続されるようになっている。
【0015】
またプラグ19は、その先端側のみが導電材料から形成された導体部25であり、基端側は絶縁材料から形成された絶縁部26となっている。したがって、プラグ19が図1の後退位置にある場合には、導体部25が両ソケット16A,16Bにわたって入り込み、図2の前進位置にあるときには、上側のソケット16Aの全長にわたって絶縁部26が入り込むようになっている。
【0016】
上下のソケット16A,16Bには、それぞれバスバー28A,28Bが接続されている。バスバー28A,28Bは銅合金等によって形成されている。上側のバスバー28Aは直角に曲げ形成され、外端側に取付孔30の開口された接続部29が設けられている。そして、取付孔30がスタッドボルト7に挿通されつつ接続部29がスタッドボルト7の立設面に当てられ、内端側は仕切壁13の下面に沿って接続環15Aの下面に達し、ソケット16Aをねじ込む際に共締めされて上側のソケット16Aと接続されている。
【0017】
一方の下側のバスバー28Bの内端側は、同じく下側のソケット16Bを接続環15Bにねじ込む際に共締めされることで下側のソケット16Bに接続される。その外端側は、仕切壁14の上面に沿ってブロック部2の外部に突出したのち、ポスト取付板3に沿って上記した締付リング6の接続板32の近傍に達し、その先端に立ち上がり状に設けられた接続部33が、両接続板32を締め付けるためのボルト34とナット35に仮組みされている。
【0018】
なお、上記したピストン20の摺動案内孔12の内周面には、プラグ19が前進位置にある場合のピストン20よりも上方の位置に、ガス抜き孔37がブロック部2の外面に開口して形成されている。さらに、ブロック部2の下側の壁面におけるプラグ19の先端と対応する位置には、逃がし孔38が形成され、ゴム製のボタンキャップ39で塞がれている。
【0019】
また、ブロック部2内の下端側には、プラグ19の摺動域に向けて進退可能なストッパ41が設けられている。このストッパ41は、常には付勢バネ42の付勢力でその先端がプラグ19の摺動域に突出付勢されている。一方プラグ19の導体部25の途中位置には、係止溝43が周設されている。そして、プラグ19が前進位置にあるときには、ストッパ41がプラグ19の先端の角部に係止し、一方後退位置にあるときには、ストッパ41が係止溝43に係止する設定である。
【0020】
上記のような本体ケース1がバッテリに組み付けられる。その際プラグ19は予め後退位置にある。手順としては、ポスト取付板3が、バッテリポスト5を挿通孔から締付リング6に通しつつ、バッテリポスト5の立てられた面に当てられ、ボルト34・ナット35を締め付けると、締付リング6が縮径してバッテリポスト5に固定され、併せて締付リング6を介してバッテリポスト5と下側のバスバー28Bの接続部33が接続される。またスタッドボルト7には、図示しない電源供給線の接続端が嵌められて、ナット(図示せず)により上側のバスバー28Aの接続部29に押し付けられつつ固定される。これにより、図4に示すように、バッテリポスト5から、下側のバスバー28Bとソケット16B、プラグ19の導体部25、及び上側のソケット16Aとバスバー28Aを介して電源供給線に至る電源回路が構成される。また、トリガ線23もバッテリ側に接続される。なお、本体ケース1には蓋体が被せられる。
【0021】
この第1実施形態は上記のような構造であって、続いてその作用を説明する。図1の状態から車両の事故等の発生に伴い異常信号が送出されると、トリガ線23に電流が流れて火薬シール部22内のフィラメントが発熱することで火薬が爆発する。その爆発力がピストン20の上面に作用することで、ストッパ41を付勢バネ42の付勢力に抗して後退させつつプラグ19が下降し、図2に示すように前進位置に至る。そうすると、ストッパ41が付勢力で再度進出して係止溝43に嵌まって係止する。プラグ19が前進位置に至ったところでは、その絶縁部26が上側のソケット16A内に入り込むので、プラグ19と上側のソケット16A間が非導通状態となる。これにより電源回路が遮断される。
【0022】
すなわち本実施形態では、火薬の爆発力を利用してプラグ19をソケット16A,16Bに対して移動させることで導通を切るようにしたから、高い信頼性を持って電源回路を遮断することができる。しかも絶縁部26を介して導通を切るため、より確実に非導通状態とすることができる。
【0023】
また、プラグ19が前進位置に移動するとストッパ41により係止されるので、取り付けの向き等によってプラグ19が後退位置側に戻ろうとしてもそれが阻止され、不用意な導通復帰が防がれる。
一方、ボタンキャップ39を介して、図2の矢線に示すようにプラグ19を押し込むと、ストッパ41を後退させつつプラグ19を元の後退位置まで戻すことができ、回路の導通復帰をなすことができる。
【0024】
参考例
次に、参考例を図4ないし図7によって説明する。なお、上記第1実施形態と同一機能を有する部位については、同一記号を付すことで、説明を省略するか、簡単なものに留める。
合成樹脂製の本体ケース51は、同じく扁平なブロック部52の一側面から、ポスト取付板53が直角をなして突設された形状であって、ポスト取付板53にはバッテリポスト5を挿通して締め付け固定するための締付リング6が配される一方、ブロック部52の側面には、電源供給線の接続用のスタッドボルト7が立てられている。
【0025】
ブロック部52における図4の上部側には収容室54が形成され、その中に、断面門形をなすステンレス製のケーシング55が収容されている。ケーシング55の内面には、合成樹脂等の絶縁材からなる裏張り56が形成されている。ケーシング55内の下端側には、火薬シール部22を収容したハウジング58が装置されている。ハウジング58の上面には火薬シール部22に連通する開口59が形成されている。火薬シール部22に接続されたトリガ線23はブロック部52から引き出されてバッテリ側に接続されるようになっている。
【0026】
ハウジング58の両側には、所定間隔を開けて一対のバスバー61A,61Bの内端部からなるソケット部62A,62Bが配されており、両ソケット部62A,62Bにより本発明のソケットが構成されている。一方のバスバー62A(図4の右側)の外端部に設けられた接続部29は、スタッドボルト7の立設面に配され、他方のバスバー61Bの外端部に設けられた接続部33は、締付リング6の接続板32に仮組みされている。
【0027】
ケーシング55内には、断面門形をなすプラグ63が上下方向の摺動自由に嵌装されている。プラグ63は導体により形成され、両側面には、上記した両バスバー61A,61Bのソケット部62A,62Bと嵌合可能な二股状をなす接触部64A,64Bが形成されている。接触部64A,64Bの対応する面には、弾性的に内方に膨出したルーバ17が設けられている。プラグ63の天井部70には操作棒66が突設され、ケーシング55からブロック部52の上面に開口された逃がし孔67からその上面に突出可能とされている。したがってプラグ63は、図4に示すように、接触部64A,64Bがバスバー61A,61Bのソケット部62A,62Bに嵌合される後退位置と、図5に示すように、接触部64A,64Bがソケット部62A,62Bから抜け出る前進位置との間で移動可能となっている。
【0028】
また、収容室54の両側壁には、図7に示すように撓み変形可能な係止片68が形成され、その上端に山形をなす突部69が形成されており、上記したプラグ19が前進位置に移動した際に、その天井部70の両側縁に係止可能となっている。
【0029】
上記のようなケーシング55が、プラグ63が予め後退位置に位置した状態でバッテリに組み付けられる。締付リング6にバッテリポスト5が固定されると同時に、締付リング6の接続板32に一方のバスバー61Bの接続部33が接触固定される。また、スタッドボルト7に電源供給線が接続されると同時に、他方のバスバー61Aの接続部29が電源供給線に接続される。これにより、バッテリポスト5から、一方のバスバー61B、プラグ63、他方バスバー61Aを介して電源供給線に至る電源回路が構成される。また、トリガ線23もバッテリ側に接続され、本体ケース1には蓋体が被せられる。
【0030】
参考例の作用は以下のようである。図4の状態から車両の事故等の発生に伴い異常信号が送出されると、トリガ線23に電流が流れて火薬シール部22内のフィラメントが発熱することで火薬が爆発する。その爆発力がプラグ63の天井部70の下面に作用することで、プラグ63がケーシング55内を上昇し、図5に示すように前進位置に至る。その際、図7の鎖線に示すように、プラグ63の天井部70が係止片68の突部69に係止されることで下降が規制される。プラグ63が前進位置に上昇したところでは、プラグ63の両接触部64A,64Bがそれぞれ対応するバスバー61A,61Bのソケット部62A,62Bから抜け出るので、プラグ19とソケット部62A,62Bの間が非導通状態となり、もって電源回路が遮断される。
【0031】
この参考例でも、火薬の爆発力を利用してプラグ63をソケット部62A,62Bに対して移動させることで導通を切るようにしたから、高い信頼性を持って電源回路を遮断することができる。また、プラグ63が前進位置に移動すると突部69により係止されて、プラグ63が後退位置側に下降しようとしてもそれが阻止され、不用意な導通復帰が防がれる。
【0032】
一方、操作棒66を図5の矢線に示すように押すと、天井部70が係止片68を撓み変形させつつ突部69を乗り越えてプラグ19が下方に押し込まれ、両接触部64A,64Bをソケット部62A,62Bに差し込むことができ、回路の導通復帰をなすことができる。
この参考例では、バスバー61A,61B自身によりソケット部62A,62Bが形成されているので、構造がシンプルとなる。
【0033】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)本発明は、上記実施形態に例示した電気自動車の電源回路に限らず、緊急遮断の必要とされる回路全般に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のプラグが後退位置にあるときの断面図
【図2】プラグが前進位置にあるときの断面図
【図3】側面図
【図4】 参考例のプラグが後退位置にあるときの断面図
【図5】プラグが前進位置にあるときの断面図
【図6】側面図
【図7】プラグの係止構造を示す断面図
【図8】従来例の断面図
【符号の説明】
5…バッテリポスト
6…締付リング
7…スタッドボルト
16A,16B…ソケット
19…プラグ
20…ピストン
22…火薬シール部
23…トリガ線
25…導体部
26…絶縁部
28A,28B…バスバー
39…ボタンキャップ
41…ストッパ(戻り止め手段)
43…係止溝

Claims (3)

  1. 絶縁性のケース内には、回路の途中に介設された前後一対の筒状をなすソケットが同心にかつ互いに離間して設けられ、前記両ソケットには、導体部と絶縁部とが前後に連設されたプラグが進退可能に挿入されて、このプラグの後端にはピストンが設けられているとともに、このピストンの後方には、トリガ信号を与えることで爆発しその爆発力を前記ピストンに作用させる火薬が装備されており、前記プラグ常には後退位置にあって前記導体部が前記両ソケットにわたって挿入されることで両ソケット間が導通状態とされる一方、前記火薬の爆発に伴い前記プラグが前進位置に移動すると、前記絶縁部が少なくとも後方側の前記ソケットに進入して両ソケット間が非導通状態とされる回路遮断装置であって、
    前記火薬が前記プラグの進退方向と交差する向きで設けられているとともに、前記両ソケットの内面には、それぞれ内方に膨出したルーバが設けられていることを特徴とする回路遮断装置。
  2. 前記プラグが前進位置に移動した場合に戻り止め状態に係止する戻り止め手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の回路遮断装置。
  3. 前記戻り止め手段は、前記プラグに対して一定以上の力を作用させた場合にその係止を解除して、前記プラグの後退位置への復帰を可能とするようになっていることを特徴とする請求項記載の回路遮断装置。
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