JP3451116B2 - 高分子重合体微粒子、高分子重合体分散液及びそれらの製造法 - Google Patents

高分子重合体微粒子、高分子重合体分散液及びそれらの製造法

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良真 大森
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラスチックフィルムの
滑り性向上剤、クロマトグラフィー用担体、液晶表示パ
ネルスペーサー、顕微鏡検査用標準資料、臨床検査薬な
どとして有用な、高度に架橋された耐溶剤性、耐熱性に
優れ、しかも粒子分布が狭い高分子重合体微粒子、その
微粒子を水性媒体に分散してなる高分子重合体分散液、
及びそれらの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明に関連する従来の技術を述べるに
先立ち、本発明の技術的な背景について説明する。
【0003】ポリエステルフィルムなどのプラスチック
フィルムあるいはそれを基材とする磁気テープなどにお
いては、その巻取りなど取扱い上のトラブルを防止する
ため、その表面に微小な凹凸を付与してすべり性をよく
することが行われている。この凹凸の形成は、通常、炭
酸カルシウム、シリカ、タルク、クレーなどの無機フィ
ラーをポリエステルなどのプラスチックに内添すること
によっている。これらの無機フィラーは、耐熱性に優れ
ているので、たとえば、300〜350℃程度の高温と
なるポリエステルの合成工程中にも添加できる点では有
利である。しかし、他方これら無機フィラーは、ポリエ
ステルなどのプラスチックとは比重差が大きいことから
均一分散性に難があり、しかもプラスチックとの親和性
が悪いためにフィルムやテープの加工あるいは取扱い中
にその表面から脱落することがある。そして、脱落した
微粒子はフィルム、磁気テープあるいはそれと接する機
器の部品などを損傷するおそれがある。
【0004】こうしたことから、プラスチックとの親和
性に優れ、またプラスチックとの比重差も小さい有機系
のフィラーを利用することが考えられる。しかし、この
有機フィラーには前記のように300〜350℃の耐熱
性が要求される他、粒子径が均一であること、耐溶剤
性、さらには透明性に優れていることも要求される。
【0005】ところで、ビニル系重合体は従来より乳化
重合、懸濁重合により製造されており、特にシード重合
法を用いた乳化重合では粒子径が極めて均一なエマルジ
ョンを造ることができる。シード重合はエマルジョン重
合法、分散重合法などの他の方法により得られた粒子を
シード粒子とし、シード粒子を溶剤及び重合性モノマー
にて膨潤させ、膨潤したシード粒子内にて重合すること
によりシード粒子を大きく成長させる方法である。シー
ド重合法によれば適当なるシード粒子を選択することに
より、シャープな粒子分布を持った粒子を得ることがで
き、また粒径はシード粒子と重合性単量体との膨潤率に
て制御可能である。
【0006】しかし、これらの乳化重合に用いられる重
合性モノマーの分子量はいずれも250未満であり、得
られた重合体も耐熱性あるいは耐溶剤性には劣るもので
ある。一方、耐熱性の点から分子量250以上1000
0以下の多官能ビニルオリゴマーの使用が好ましいが、
これらのオリゴマーにおいては、その化合物のミセル内
への物質移動が円滑に行われず、簡単に水相部と油相部
に分離してしまい安定した乳化重合液は得られない。
【0007】また懸濁重合においては、重合により均一
な粒径分布を持った微細な重合体微粒子を得ることは技
術的に難しい。この理由は造粒中に粒子の合一が生じる
ためである。
【0008】このため懸濁重合においては、粒子の合一
を防止し、重合を安定化させるために懸濁安定剤を使用
する。懸濁安定剤としては、一般に、炭酸カルシウム、
リン酸カルシウム等の難溶性無機化合物塩類、ポリビニ
ルアルコール、ゼラチン等の水溶性高分子が用いられ
る。
【0009】実際にこれら懸濁安定剤を使用した場合に
おいても、懸濁重合により得られる粒子の粒径範囲はお
およそ数十μm以上であり、また粒径分布もブロードな
ものとなるため、重合後に分級等の操作が必要となり、
有効な方法とは言えない。
【0010】そこで、より強力なせん断力を有する各種
の乳化機を用いて乳化し、粒径分布の非常にシャープな
乳化液を得ることが検討されてきた。
【0011】そのひとつとして例えば、ホモミキサーに
よる乳化がある。しかしこの方法では均一で安定な乳化
液を作るだけの充分な剪断力が得られず、分離しやすい
等の欠点が生じる。そのために、ホモミキサーよりさら
に強力な機械的乳化力を持つ機種、例えばコロイドミ
ル、各種ホモジナイザー等を用いての乳化が検討されて
きた。
【0012】コロイドミル(マントンゴーリン社)の場
合、スリットが強力なスプリングで押さえつけられてお
り、その隙間を高圧により注入された予備乳化液が通過
することによって得られる剪断力で微粒子化する構造と
なっている。しかし予備乳化液の注入においては、脈動
を打ちながら行われるためスリット間隔が一定せず、そ
のため均一な粒径分布を持つ乳化液が得られないという
欠点が発生する。繰り返しスリットを通して乳化液を均
一にする必要があり、量産には不向きである。ホモジナ
イザーの場合、高速回転する円盤と微細なスリットから
形成されており、ある程度の微細な粒子が得られるもの
の、その円盤の回転速度とスリット間隔には限界がある
ため、安定で均一な微粒子を得るまでには至らなかっ
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした実
情の下に、粒径分布がシャープで、耐熱性、耐溶剤性、
透明性に優れた高分子重合体微粒子、その水性分散液、
及びそれらの製造法を提供することを目的とするもので
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
述した如く、本発明が解決しようとする課題に焦点を合
わせて鋭意研究を重ねた結果、特定の乳化手段を用いて
通常の乳化重合では得られない2個以上のビニル基を有
する分子量250以上10000以下のオリゴマーを乳
化し、粒径分布の非常にシャープな乳化液を得ることが
でき、それを重合することにより重合体微粒子(分散
液)を製造し得ることを知見し、本発明を完成するに至
った。
【0015】すなわち、本発明は、 (1)A)一分子内に少なくとも1個のビニル基を有す
る分子量250未満のモノマー0〜90部、B)一分子
内に少なくとも2個以上のビニル基を有する分子量25
0以上10000以下のオリゴマー10〜100部を重
合してなり、かつ、粒径(重量平均)0.03〜5μm
、Dw/Dn=1.05〜1.50のシャープな粒径
分布を有することを特徴とする高分子重合体微粒子、 (2)B)一分子内に2個以上のビニル基を有する分子
量250以上10000以下のオリゴマーがエポキシ樹
脂と不飽和基含有一塩基酸とのエポキシエステルである
ことを特徴とする前記(1)記載の高分子重合体微粒
子。 (3)エポキシエステルがエポキシ(メタ)アクリレー
トであることを特徴とする前記(2)記載の高分子重合
体微粒子、 (4)B)一分子内に2個以上のビニル基を有する分子
量250以上10000以下のオリゴマーが、不飽和ポ
リエステル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の
高分子重合体微粒子、 (5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の高分子重
合体微粒子を水性媒体に分散してなる高分子重合体分散
液、 (6)A)一分子内に少なくとも1個のビニル基を有す
る分子量250未満のモノマー0〜90部、B)一分子
内に少なくとも2個のビニル基を有する分子量250以
上10000以下のオリゴマー10〜100部をA)+
B)合わせて100重量部に対し、界面活性剤0.01
〜10重量部と共に水30〜1000重量部に分散させ
た予備乳化混合液を、衝突時の圧力を50〜10000
kgf/cm の高圧にて、この乳化液同士を衝突させ
ることによりおよび/あるいは固定平面盤に衝突させる
ことにより微粒子乳化し、この微粒子乳化液を重合する
ことを特徴とするDw/Dn=1.05〜1.50の
一な粒径分布を有する高分子重合体分散液の製造法、 (7)B)一分子内に少なくとも2個以上のビニル基を
有する分子量250以上10000以下のオリゴマー
が、エポキシ樹脂と不飽和基含有一塩基酸とのエポキシ
エステルであることを特徴とする前記(6)記載の高分
子重合体分散液の製造法、 (8)不飽和基含有一塩基酸が(メタ)アクリル酸であ
ることを特徴とする前記(7)記載の高分子重合体分散
液の製造法、 (9)B)一分子内2個以上ビニル基を有する分子量2
50以上10000以下のオリゴマーが、不飽和ポリエ
ステル樹脂であることを特徴とする前記(6)記載の高
分子重合体分散液の製造法、 (10)衝突時の圧力が100〜5000kgf/cm
であることを特徴とする前記(6)〜(9)のいずれ
かに記載の重合体分散液の製造法、 (11)粒径(重量平均)が0.03〜5μmである前
記(6)〜(10)のいずれかに記載の重合体分散液の
製造法、 (12)前記(6)〜(11)のいずれかに記載の製造
法により得られた高分子重合体分散液をさらに乾燥する
ことを特徴とする前記(1)記載の高分子重合体微粒子
の製造法、に関する。
【0016】本発明において予備乳化混合液は次のよう
にして形成することができる。
【0017】すなわち、これから乳化させようとするオ
リゴマー(モノマーを含む)に界面活性剤を加え、ホモ
ミキサーで撹拌しながら徐々に水を添加することにより
得ることができる。
【0018】本発明において予備乳化混合液をさらに微
粒子乳化するために好適な乳化装置の一例について説明
をする。図1はその概略説明図である。図1中、Aは予
備乳化混合液入口、Bは該混合液の衝突部、Cは乳化液
出口、D,Eはディスクで、該ディスクには貫通孔F
と、ディスク端面において該貫通孔を連結する微細溝G
を備えている。図2はディスクDの平面図(a)と側面
図(b)である。図1に示す例では、その装置の乳化液
衝突部分は2枚のディスクから形成されている。ディス
クとしては各種のものが使用できるが、例えば、図1に
示すように各ディスクに貫通孔2孔とそれら2孔を連結
する非常に細い連結溝が加工されており、一方のディス
クからもう一方のディスクに液体が通過するように、連
結溝の一部分が互いに接するように内側にセットされて
いる。さらに乳化液同士の衝突を起こさせるためにそれ
らのディスクは互いに90度の方向に、すなわち、連結
溝が直交するようにセットしてある。また必ずしも2枚
のディスクの両方ともに貫通孔が2つ開いている必要は
なく、どちらか一方が1孔でもよい。また両方とも1孔
でもよいが、その場合は各孔に連結する連結溝同士を重
ねて貫通させて互いの孔が180度の方向にセットする
必要がある。
【0019】ディスクは高圧下での乳化液衝突に対し、
摩耗しない材質である必要がある。例えば、焼結金属、
金属酸化物等のセラミックあるいはこれらの混合物など
の無機系基材であることが好ましい。
【0020】この乳化機における乳化の原理を図1に示
すように2枚のディスク両方とも貫通孔2孔ある場合を
例にあげて説明すると次に述べるようである。これから
乳化させる物質の予備乳化液を、上記のディスクを収納
してある筒に流す。流れてきた予備乳化液は一方のディ
スクによって流路が2つに分離し、もう一方のディスク
の平面盤に衝突する。その後、2つに分離した乳化液が
ディスクの連結溝を加速通過して液同士の衝突が発生す
る。この衝突により予備乳化液が超微粒子化し、ホモミ
キサー等では得られない粒径分布が非常にシャープで安
定した微粒子乳化液を得ることができる。この液−液衝
突の後、90度にセットされたディスクの2孔を通過
し、微粒子乳化液が流出する。
【0021】この場合、ディスク内での衝突時にかかる
圧力が非常に高くなるが、そのときの圧力として50〜
10000kgf/cm2を用いることができる。しか
し100kgf/cm2より低い圧力では粒径分布が広
くなりやすく、また5000kgf/cm2を越える圧
力ではディスクの摩耗の可能性があり、100〜500
0kgf/cm2となる圧力がより好ましい。
【0022】本発明に使用される乳化装置の例としてマ
イクロフルイディックス社製のマイクロフルイダイザ
ー、ナノマイザー社製のナノマイザー等が挙げられる。
【0023】本発明で使用される一分子内に少なくとも
1個のビニル基を有する分子量250未満のモノマーと
してアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などの不飽
和脂肪酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メチクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、
アクリル酸ドデシル等の不飽和脂肪酸エステル、(メ
タ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、N−
メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メ
タ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)ア
クリルアミド等の含窒素単量体;塩化ビニル、プロペ
ン、ブテン等の脂肪族ビニル;スチレン、ビニルトルエ
ン、ジビニルベンゼン、p−t−ブチルスチレン等の芳
香族ビニル;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、
ペンタジエン等のジエン化合物等を挙げることができ
る。これらは単独にあるいは混合して使用することもで
きる。
【0024】本発明に使用される一分子中に2個以上の
ビニル基を有する分子量250以上10000以下のオ
リゴマーとしては、エポキシエステル、不飽和ポリエス
テル、ウレタン(メタ)アクリレート等を挙げることが
できる。
【0025】本発明に用いられる一分子内に2ケ以上の
ビニル基を有する分子量250以上10000以下のエ
ポキシエステルは下記のエポキシ樹脂と不飽和基含有一
塩基酸の付加物であり、すでに公知の製造方法で得るこ
とができる。
【0026】前記不飽和基含有一塩基酸としてはアクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン
酸、あるいはアクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル
酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、
メタクリル酸ヒドロキシプロピル、ジシクロペンタジエ
ン等の各マレイン酸エステル等を挙げることができる。
るこれらは単独にあるいは混合して使用することもでき
る。
【0027】前記エポキシ樹脂としては、エピコート8
28、834、1001、1002(油化シェルエポキ
シ製)等、エポトートYD128、YD134、YD0
11(東都化成製)等のビスフェノールA型、YDF1
70、YDF180(東都化成製)等のビスフェノール
F型、YDPN638(東都化成製)等のフェノールノ
ボラック型、YDCN701、YDCN702(東都化
成製)などのクレゾールノボラック型などが挙げられ
る。
【0028】本発明で用いられる一分子内に2ケ以上の
ビニル基を有する分子量250以上10000以下の不
飽和ポリエステルは下記に示すα,β−オレフィン系不
飽和ジカルボン酸と2価のグリコールとの縮合物であ
り、従来から汎用されているものである。該ポリエステ
ル樹脂の合成には、これら2成分の他に飽和ジカルボン
酸や芳香族ジカルボン酸あるいはカルボン酸と反応する
ジシクロペンタジエンなども併用することができる。
【0029】前記α,β−不飽和ジカルボン酸として
は、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸
およびこれらジカルボン酸の無水物等が挙げられる。こ
れらα,β−オレフィン系不飽和ジカルボン酸と併用さ
れるジカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、
コハク酸、グルコン酸、フタル酸無水物、o−フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル
酸、テトラクロロフタル酸等が挙げられる。また前記2
価のグリコールとしては、アルカンジオール、オキサア
ルカンジオール、ビスフェノールAにエチレンオキシド
やプロピレンオキシドを付加したジオール等が用いられ
る。これに加えてモノオールや3価のトリオールを用い
ても良い。アルカンジオールとしては、エチレングリコ
ール、1、2−プロピレングリコール、1、3−プロピ
レングリコール、1、3−ブタンジオール、1、4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1、5−ペン
タンジオール、1、6−ヘキサンジオール、シクロヘキ
サンジオール等が挙げられる。オキサアルカンジオール
としては、ジオキシエチレングリコール、トリオキシエ
チレングリコール等が挙げられる。これらグリコールと
併用される1価あるいは3価のアルコールとしては、オ
クチルアルコール、オレイルアルコール、トリメチロー
ルプロパン等が挙げられる。
【0030】本発明で用いられる不飽和ポリエステルの
合成は一般に加熱下で実施され、副生する水を除去しな
がら反応を進める。本発明では通常平均分子量が250
〜10000、酸価が0〜250の不飽和ポリエステル
を用いる。
【0031】本発明に用いられる界面活性剤としては、
ラウリル酸ナトリウム(カリウム等;以下同様)、オレ
イン酸ナトリウム等に代表される脂肪酸塩、アルカンス
ルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリ
ウム、ジアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナト
リウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アル
キルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸
塩、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル
等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポ
リオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル等のノニオン性界面
活性剤、アルキルジメチルアンモニウムクロライド、ジ
アルキルジメチルアンモニウムクロライド等のカチオン
性界面活性剤等が挙げられ、これらを単独であるいは混
合して使用することもできる。
【0032】これらの界面活性剤は、前記A)+B)合
わせて100重量部に対して0.01〜10重量部で使
用される。
【0033】本発明の乳化機を用いて得られた乳化液の
重合の際に使用されるラジカル重合開始剤としては、例
えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル等の有機過酸
化物、2、2´−アゾビスイソブチロニトリル、2、2
´−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)等の
アゾ化合物、過硫酸塩、過酸化水素、過マンガン酸塩等
の無機過酸化物、前記無機過酸化物と亜硫酸塩、メタ亜
硫酸塩、ヒドロ亜硫酸塩、重亜硫酸塩、鉄塩等の還元剤
との水溶性レドックス系開始剤等が挙げられる。
【0034】本発明における乳化重合方法自体は、特に
制限されるものではなく、自体公知の方法が採用され
る。
【0035】上記のようにして得られた高分子重合体分
散液は、乾燥し粉体として用いることができる。乾燥法
としてはスプレードライヤーに代表される噴霧乾燥法、
ドラムドライヤーに代表されるような加熱された回転ド
ラムに付着させて乾燥する方法、または凍結乾燥法等を
用いることができる。こうして得られた粉体は、粒径
(重量平均)が0.03〜5μm、Dw/Dn=1.0
5〜1.50(Dw:重量平均、Dn:数平均)の粒径
分布がシャープな高分子重合体微粒子からなる。
【0036】本発明により得られる重合体微粒子は、水
分散安定性がよく非常に耐熱性に優れ、また耐溶剤性、
透明性にも優れた微粒子である。
【0037】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例中「部」は特に断わりのない限り
重量部を示す。
【0038】製造例1 エポトートYD128<エポキシ当量469>(東都化
成製)394部をコルベンに仕込み125℃にして溶解
した。その後メチルハイドロキノン0.6部、ジメチル
ベンジルアミン1.2部加え、少量の空気を吹き込みな
がら、メタクリル酸172部を仕込み、酸価が1以下に
なるまで反応させ、平均分子量566のエポキシエステ
ルを得た。その後スチレンモノマーを427部添加、よ
く撹拌し不揮発分57%、粘度100cpsの樹脂Aを
得た。
【0039】製造例2 エポトートYD011<エポキシ当量469>(東都化
成製)938部をコルベンに仕込み125℃にして溶解
した。メチルハイドロキノン1.2部、ジメチルベンジ
ルアミン2.2部、メタクリル酸172部を製造例1と
同様に仕込み反応させ、平均分子量1110のエポキシ
エステルを得た。スチレンモノマー547部を添加後よ
く撹拌し、不揮発分67%、粘度2300cpsの樹脂
Bを得た。
【0040】実施例1 上記樹脂A100部に対し、脱イオン水100部、ペレ
ックスSS−L(花王製)3部を加えて、ホモミキサー
で予備乳化をした。その後マイクロフルイダイザーM−
110Yを用いて1100kgf/cm2の圧力をか
け、微粒子乳化液を得た。その乳化液100部をコルベ
ンに仕込み、窒素気流下70℃に設定し過硫酸カリウム
0.12部を添加して2時間重合した後冷却し、固形分
50%の高分子重合体を得た。
【0041】実施例2 上記樹脂Bを用い、実施例1と同様の操作を行い、固形
分50%の高分子重合体分散液を得た。
【0042】実施例3 マレイン酸、ビスフェノールAにプロピレンオキサイド
を付加したジオールを用いて既知の製造方法で合成され
た不飽和ポリエステル100部に対しスチレン100部
を添加したプロミネート350(武田薬品工業製、平均
分子量6400、粘度450cps)(樹脂Cとする)
を使用し実施例1と同様の操作を行い固形分50%の高
分子重合体分散液を得た。
【0043】実施例4 上記実施例1で得た高分子重合体分散液をスプレードラ
イヤーL8型(大川原化工機社製)を用いて乾燥し、図
3に示す粉体微粒子を得た。図3より粒子径は160〜
200nmであることがわかる。また、この粉体微粒子
を下記有機溶剤(酢酸エチル、トルエン、THF)に分
散、24時間後の粒子径を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】比較例1 上記樹脂A100部、脱イオン水100部、ペレックス
SS−L3部をTKホモディスパー(特殊機化製)にて
6000rpmで10分間撹拌して乳化させた。この場
合乳化不十分のため粒径にばらつきが見られた。得られ
た乳化液を実施例1と同様にして重合を試みたが粒子同
士の凝集がかなり多く見られ、均一の重合体分散液は得
られなかった。
【0046】比較例2 上記樹脂Aを比較例1と同様の仕込比でTKホモミキサ
ー(特殊機化製)を用いて6000rpmで10分間乳
化しそれを重合させたが、結果は比較例1同様凝集物が
かなり発生し、均一の分散液は得られなかった。
【0047】比較例3 比較例2のホモミキサーで乳化後、マントンゴーリン社
のコロイドミル15MR(560kgf/cm2)に通
したが、この乳化液がコロイドミルのスリット間につま
り乳化させることができなかった。
【0048】表2に実施例、比較例の結果を記す。
【0049】
【表2】
【0050】乳化処方:樹脂(A〜C)/脱イオン水/
界面活性剤=100/100/3 1)MF:マイクロフルイダイザー M−110Y HD:TKホモディスパー HM:TKホモミキサー CM:コロイドミル 15MR 2)分離が見られるまでの日数(室温) 3)重合時における凝集の発生:〇なし、×発生 4)重量平均粒子径(測定装置:大塚電子LPA300
0/3100) 5)粒子径の標準偏差 6)熱天秤10%重量減温度(測定条件:N2気流下、
昇温速度10℃/min)
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば耐
溶剤性、耐熱性、透明性に優れた粒子径分布のシャープ
な重合体微粒子及びその分散液を得ることができ、これ
らを利用してポリエステルフィルムなどのプラスチック
フィルムに対して、無機フィラーと同様に高温下のその
重合段階において添加ができ、しかもプラスチックフィ
ルムとの比重差も小さく、親和性にも優れているので、
フィルムの取扱い中に粒子が脱落してトラブルをおこす
こともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する乳化装置の概略説明図。
【図2】同上乳化装置のディスクの概略説明図で(a)
は平面図、(b)は側面図。
【図3】本発明の高分子重合体微粒子の一例を示す電子
顕微鏡写真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−81313(JP,A) 特開 平5−178913(JP,A) 特開 平5−76743(JP,A) 特開 平6−16752(JP,A) 特開 平6−271631(JP,A) 特開 昭57−115418(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 290/00 - 290/14 C08F 2/22 C08F 283/01 C08F 299/00 - 299/08

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A)一分子内に少なくとも1個のビニル基
    を有する分子量250未満のモノマー0〜90部、B)
    一分子内に少なくとも2個以上のビニル基を有する分子
    量250以上10000以下のオリゴマー10〜100
    部を重合してなり、かつ、粒径(重量平均)0.03〜
    5μmで、Dw/Dn=1.05〜1.50のシャープ
    な粒径分布を有することを特徴とする高分子重合体微粒
    子。
  2. 【請求項2】B)一分子内に2個以上のビニル基を有す
    る分子量250以上10000以下のオリゴマーがエポ
    キシ樹脂と不飽和基含有一塩基酸とのエポキシエステル
    であることを特徴とする請求項1記載の高分子重合体微
    粒子。
  3. 【請求項3】エポキシエステルがエポキシ(メタ)アク
    リレートであることを特徴とする請求項2記載の高分子
    重合体微粒子。
  4. 【請求項4】B)一分子内に2個以上のビニル基を有す
    る分子量250以上10000以下のオリゴマーが、不
    飽和ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1
    記載の高分子重合体微粒子。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の高分子重
    合体微粒子を水性媒体に分散してなる高分子重合体分散
    液。
  6. 【請求項6】A)一分子内に少なくとも1個のビニル基
    を有する分子量250未満のモノマー0〜90部、B)
    一分子内に少なくとも2個のビニル基を有する分子量2
    50以上10000以下のオリゴマー10〜100部を
    A)+B)合わせて100重量部に対し、界面活性剤
    0.01〜10重量部と共に水30〜1000重量部に
    分散させた予備乳化混合液を、衝突時の圧力を50〜1
    0000kgf/cm の高圧にて、この乳化液同士を
    衝突させることによりおよび/あるいは固定平面盤に衝
    突させることにより微粒子乳化し、この微粒子乳化液を
    重合することを特徴とするDw/Dn=1.05〜1.
    50の均一な粒径分布を有する高分子重合体分散液の製
    造法。
  7. 【請求項7】B)一分子内に少なくとも2個以上のビニ
    ル基を有する分子量250以上10000以下のオリゴ
    マーが、エポキシ樹脂と不飽和基含有一塩基酸とのエポ
    キシエステルであることを特徴とする請求項6記載の高
    分子重合体分散液の製造法。
  8. 【請求項8】不飽和基含有一塩基酸が(メタ)アクリル
    酸であることを特徴とする請求項7記載の高分子重合体
    分散液の製造法。
  9. 【請求項9】B)一分子内2個以上ビニル基を有する分
    子量250以上10000以下のオリゴマーが、不飽和
    ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項6記載
    の高分子重合体分散液の製造法。
  10. 【請求項10】衝突時の圧力が50〜10000kgf
    /cmであることを特徴とする請求項6〜9のいずれ
    かに記載の重合体分散液の製造法。
  11. 【請求項11】粒径(重量平均)が0.03〜5μmで
    ある請求項6〜10のいずれかに記載の重合体分散液の
    製造法。
  12. 【請求項12】請求項6〜11のいずれかに記載の製造
    法により得られた高分子重合体分散液をさらに乾燥する
    ことを特徴とする請求項1記載の高分子重合体微粒子の
    製造法。
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